JP2003186224A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2003186224A
JP2003186224A JP2001389158A JP2001389158A JP2003186224A JP 2003186224 A JP2003186224 A JP 2003186224A JP 2001389158 A JP2001389158 A JP 2001389158A JP 2001389158 A JP2001389158 A JP 2001389158A JP 2003186224 A JP2003186224 A JP 2003186224A
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Koichi Nakada
浩一 中田
Yosuke Morikawa
陽介 森川
公博 ▲吉▼村
Kimihiro Yoshimura
Hiroshi Saito
宏 齊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる環境においても画像欠陥が発生せ
ず、また、繰り返し使用においても電位変動の少ない安
定な電子写真特性を有する電子写真感光体、該電子写真
感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
を提供することにある。 【解決手段】 アルミニウム基体上に感光層と保護層を
順次積層してなる電子写真感光体において、該保護層が
硬化性フェノール樹脂を含有し、かつ、該アルミニウム
基体の感光層側の表面がアルミニウム、酸素原子及びチ
タニウム、又はアルミニウム、酸素原子及びジルコニウ
ムを含有してなることを特徴とする電子写真感光体、該
電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子
写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、より詳
しくは、複写機又はプリンター等に用いられる電子写真
感光体、電子写真装置及びこれらの装置に着脱自在なプ
ロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、安全性が高い、生産性に優れる及
び安価である等の利点から、有機光導電性物質を用いた
電子写真感光体の研究開発が活発に行われ、これ迄に数
多くの提案がされ、実用化されてきている。
【0003】しかしながら、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ールに代表される光導電性ポリマーと、2,4,7−ト
リニトロフルオレン等から形成される電荷移動錯体とを
主成分とする電子写真感光体は、感度、耐久性及び残留
電位等の点で必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそ
れぞれ別々の物質に分担させた機能分離型電子写真感光
体が、従来の有機電子写真感光体の欠点とされていた感
度や耐久性に著しい改善をもたらした。また、機能分離
型電子写真感光体は、電荷発生材料と電荷輸送材料の各
々の材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真
感光体を比較的容易に作製できるという利点を有してい
る。
【0005】電荷発生材料としては、種々のアゾ顔料、
多環キノン顔料、フタロシアニン顔料、シアニン色素、
スクエアリック酸染料及びピリリウム塩系色素等が知ら
れている。電荷輸送材料としては、ピラゾリン化合物、
ヒドラゾン化合物及びトリフェニルアミン化合物等が知
られている。
【0006】ところで、近年の高画質化及び高速・高耐
久化に伴って、有機電子写真感光体にも更なる機械的耐
久性の向上が求められている。
【0007】また、近年、電子写真感光体を使用したプ
リンター、複写機及びファクシミリ等は多種多様な分野
で使用されるようになり、より様々な環境においても常
に安定した画像を提供することが更に厳しく要求されて
いて、感光層の表面特性に対する化学的、電気的、機械
的衝撃に曝される可能性が高くなり、表面層に対する要
求が厳しくなっている。
【0008】電子写真感光体は上述のような電気的及び
機械的外力が直接加えられるために、それらに対する耐
久性が求められている。具体的には、摺擦による表面の
磨耗や傷の発生、また、帯電時に発生するオゾンやNO
x等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対する耐
久性が要求される。
【0009】更に、電子写真感光体は、帯電、露光、現
像、転写、クリーニング及び除電等の手段が繰り返し適
用される。帯電及び露光により形成された静電潜像は、
トナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像と
なる。更に、このトナー画像は転写手段により紙等の転
写材に転写されるが、全てのトナーが転写されるわけで
はなく、一部が電子写真感光体上に残留トナーとして残
る。
【0010】この残留トナーの量が多いと、転写材の画
像は、更に転写不良が生じる所謂ボソ抜け状となり、画
像の均一性に欠けるだけでなく、電子写真感光体へのト
ナーの融着やフィルミングの発生という問題が生じる。
これらの問題に対して、電子写真感光体の表面層の離型
性を向上することが求められている。
【0011】電子写真感光体に要求される上記のような
要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなさ
れている。なかでも、樹脂を主成分とする保護層は数多
く提案されている。例えば、特開昭57−30846号
公報には樹脂に導電性粉末として金属酸化物を添加する
ことにより体積抵抗を制御することのできる保護層が提
案されている。また、特開平5−181299号公報に
は硬化性フェノール樹脂を保護層用樹脂に使用すること
が開示されている。
【0012】電子写真感光体の保護層に金属酸化物を分
散するのは、保護層自体の体積抵抗を制御し、電子写真
プロセスの繰り返しに伴う電子写真感光体内での残留電
位の増加を防止するのがその主な目的であり、他方、電
子写真感光体用の保護層の適切な体積抵抗率は1010
1015Ω・cmであることが知られている。しかしなが
ら、前記の範囲の体積抵抗率においては、保護層の体積
抵抗はイオン電導によって影響を受け易く、そのために
環境の変化によって体積抵抗が大きく変化する傾向にあ
る。特に、金属酸化物を膜中に分散している場合には、
金属酸化物表面の吸水性が高いために、全環境におい
て、しかも、電子写真プロセスの繰り返しを行う際に、
保護層の体積抵抗を前記範囲に保つことはこれまで非常
に困難であった。
【0013】特に、高湿下においては、放置により体積
抵抗が徐々に低下したり、また、帯電により発生するオ
ゾンやNOx等の活性物質が表面に繰り返し付着するこ
とにより、電子写真感光体表面の体積抵抗の低下や表面
層からのトナーの離型性の低下を引き起こし、所謂画像
流れや画像ボケといったような欠陥が発生する、画像均
一性が不十分になる等の問題があった。
【0014】また、一般的に保護層に粒子を分散させる
場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐために、粒子
の粒径が入射光の波長よりも小さいこと、即ち、0.3
μm以下であることが好ましい。しかし、通常の金属酸
化物粒子は樹脂溶液中において凝集する傾向があり、均
一に分散しにくく、一旦分散しても二次凝集や沈澱が起
こり易いので粒径0.3μm以下といった微粒子の良好
な分散膜を安定して生産することは非常に困難であっ
た。更に、透明度や導電均一性を向上させる観点から特
に粒径の小さい超微粒子(一次粒径0.1μm以下)を
分散することが好ましいが、このような超微粒子の分散
性や分散安定性は更に悪くなる傾向にあった。
【0015】上記の欠点を補うために、例えば、特開平
1−306857号公報にはフッ素含有シランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤あるいはC715
CO等の化合物を添加した保護層が、特開昭62−29
5066号公報には結着樹脂中に、撥水処理することに
より分散性及び耐湿性の向上した金属微粉末又は金属酸
化物微粉末を分散した保護層が、特開平2−50167
号公報には結着剤樹脂中にチタネートカップリング剤、
フッ素含有シランカップリング剤及びアセトアルコキシ
アルミニウムジイソプロピレートで表面処理された金属
酸化物微粉末を分散した保護層が開示されている。
【0016】しかしながら、これらの保護層を用いた電
子写真感光体においても、未だ近年の高耐久、高画質化
の要求に応えるべく、電子写真感光体の画像欠陥の発生
を十分に制御されておらず、繰り返し使用によって電位
変化の少ない安定な電子写真特性を示すものが得られて
いないのが現状である。
【0017】本発明のもう一方の構成要素である電子写
真感光体の基体については、通常その素材を加工したそ
のままの状態では必ずしも電子写真感光体用として最適
な表面状態を有しておらず、そのため表面状態に起因す
る問題が発生することも多い。
【0018】この問題を解決するために従来より、例え
ば、特開昭54−12733号公報及び特開昭57−6
2056号公報等に示されているようなアルミニウム基
体の表面にクロメート化成皮膜を生成させる方法や特開
昭58−14841号公報及び特開昭64−29852
号公報等に示されているようなアルミニウム基体の表面
にべーマイト皮膜を形成する方法あるいは特開昭57−
29051号公報に示されていようなアルミニウム基体
の表面を高温により強制的に酸化させ酸化皮膜を作製す
る方法等の解決方法が考えられてきた。
【0019】しかしながら、例えば、クロメート処理法
に関してはある程度の性能の基体は得られるが、処理液
がクロムを含有するため廃液の処理が大きな問題とな
り、環境安全上好ましくない。また、べーマイト処理に
関しては、表面の結晶状態が必ずしも電子写真感光体の
基体として適正とは言えず、電子写真特性に関してはあ
る程度の効果が得られるが、画像に関しては表面構造や
形状が不適切なため十分な画質が得られない等、全ての
特性を満足するようなものは得られていないのが現状で
ある。
【0020】これらの表面処理はその処理により基体表
面に形成された皮膜が、基体表面から感光層へ部分的に
電荷が注入してその特性や画像にムラを生じさせるのを
防ぎ、特性や画像を良化させることを目的としている。
【0021】この部分的な注入を防止して画像欠陥を少
なくするために使用されている一例として、アルミニウ
ム基体の表面を陽極酸化処理して酸化アルミニウムの層
を設ける方法がある(特開平2−7070号公報及び特
開平5−34964号公報等)。
【0022】この方法は、上記目的を解決するためには
良い方法であるが、基体表面に膜厚ムラを生じないよう
に均一に形成するためには一定の膜厚以上、通常の形成
条件においては5〜6μm程度以上の厚さにする必要が
ある。従って、実際に電荷注入防止層として必要な膜厚
より厚く形成しなければならず、コストアップにつなが
っていた。
【0023】このため、上記のような基体の表面処理法
に変わる、画像欠陥がなく処理後の廃液等の環境安全性
が良く、製造条件が簡便でコストも安い等の性能を併せ
持った方法が求められてきた。
【0024】これら電子写真感光体用の基体の従来技術
においても、未だ近年の高耐久、高画質化の要求に応え
るべく、電子写真感光体の画像欠陥の発生を十分に抑制
されておらず、繰り返し使用において電位変動の少ない
安定な電子写真特性を示すものが得られていないのが現
状である。
【0025】以上のような構成要素は、それぞれについ
て見れば過去の電子写真装置等に残された問題点をそれ
ぞれの要素にできうる範囲で改善してきてはいるが未だ
十分とは言えない。更に、さまざまなデバイスやプロセ
スを組み合わせて造られる電子写真装置等の全ての問題
を高いレベルで改善しうるものではない。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、いか
なる環境においても画像欠陥が発生せず、また、繰り返
し使用においても電位変動の少ない安定な電子写真特性
を有する電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することに
ある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、アルミ
ニウム基体上に感光層と保護層を順次積層してなる電子
写真感光体において、該保護層が硬化性フェノール樹脂
を含有し、かつ、該アルミニウム基体の感光層側の表面
がアルミニウム、酸素原子及びチタニウム、又はアルミ
ニウム、酸素原子及びジルコニウムを含有してなること
を特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0028】更に、本発明に従って、上記電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置が提
供される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0030】電子写真装置等の特性を決める要因は様々
であるが、特に複雑なプロセスを組み合わせて使用する
ことで得られる画像の性質は決してある一部分の特性の
みに左右されるものではなく、それぞれのデバイスやプ
ロセスの組み合わせ方で得られる効果は大きく変わるも
のである。前出のような様々な問題点の解決法の1つと
して電子写真感光体の保護層と特定のアルミニウム基体
を組み合わせることで、問題を非常に効率的に改善せし
めることが本発明の主旨である。
【0031】本発明者は鋭意検討した結果、特定のバイ
ンダー樹脂を含有する保護層と特定の化成処理を施した
アルミニウム基体を組み合わせた電子写真感光体がそれ
らの問題点を非常に良好に解決することを見出した。
【0032】そのメカニズムは十分には解っていない
が、特定の保護層と特定の処理を施したアルミニウム基
体の組み合わせの相乗効果でそれらの個別の特性よりよ
い効果が得られたと考えられる。
【0033】本発明における保護層に用いられる結着樹
脂である硬化性フェノール樹脂は、一般的にフェノール
類とホルムアルデヒドの反応によって得られる樹脂であ
る。フェノール樹脂には2つの型があり、フェノール類
に対してホルムアルデヒドを過剰にしてアルカリ触媒で
反応させて得られるレゾール型と、ホルムアルデヒドに
対してフェノール類を過剰にして酸触媒で反応させて得
られるノボラック型に分けられる。本発明においては、
レゾール型のフェノール樹脂を用いることが好ましい。
レゾール型は、アルコール類やケトン類の溶媒にも可溶
であり、加熱することで3次元的に架橋重合して硬化物
となる。
【0034】一般的に工業的には、レゾール型のフェノ
ール樹脂は塗料、接着剤、注型品、積層品用のワニスと
して利用されている。本発明に用いられるフェノール樹
脂は、公知のフェノール樹脂であれば如何なるものを用
いてもよく、樹脂を1種類又は2種類以上混合して用い
ることがでる。
【0035】本発明に用いるレゾール型のフェノール樹
脂は、その製造工程においてアミン系化合物を添加して
合成された樹脂がより好ましい。
【0036】本発明の保護層は、これら硬化性フェノー
ル樹脂を溶剤等で溶解又は希釈して得た塗料を感光層上
に塗工して成形するが、塗工後に重合反応が起きて硬化
層を形成する。重合の形態として、熱による付加及び縮
合反応により進行し、保護層を塗工後、加熱することで
重合反応を起こし高分子硬化層を生成する。また、本発
明の保護層は、前記フェノール樹脂と共に導電性粒子を
含有して構成されることが好ましい。
【0037】保護層に用いられる導電性粒子としては、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸
化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化イ
ンジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ
及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等の金属
酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。
【0038】また、本発明においては、上述した導電性
粒子の中でも透明性の点で金属酸化物を用いることが特
に好ましい。更に、これら金属酸化膜の中でも、透明
性、分散性及び抵抗制御性等の点から酸化スズを用いる
ことが特に好ましい。酸化スズに、後述の表面処理を施
したものがより好ましい。
【0039】本発明において用いられる導電性粒子の平
均粒径は、保護層の透明性の点で0.3μm以下が好ま
しく、特には0.1μm以下が好ましい。
【0040】本発明の保護層は、フッ素原子含有樹脂粒
子を含有することが好ましい。用いられるフッ素原子含
有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化
エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ
化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化
エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるい
は2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に、四フ
ッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
樹脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することがで
き、特に制限されるものではない。
【0041】本発明で用いられる導電性粒子やフッ素原
子含有樹脂粒子は溶剤と共に、ホモジナイザー、超音
波、ボールミル、サンドミル、アトライター及びロール
ミル等の公知の分散方法により十分に分散し、保護層用
塗工液とする。
【0042】このフッ素原子含有樹脂を導電性粒子と共
に樹脂溶液中で相互の粒子を凝集させないために、フッ
素原子含有化合物を導電性粒子の分散時に添加したり、
また、導電性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面
処理するとよい。フッ素原子含有化合物を添加又は導電
性粒子に表面処理を行うことにより、フッ素原子含有化
合物のない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子と
フッ素原子含有樹脂粒子の分散性及び分散安定性が格段
に向上した。また、フッ素原子含有化合物を添加し導電
性粒子を分散した液、又は表面処理を施した導電性粒子
を分散した液に、フッ素原子含有樹脂粒子を分散するこ
とによって分散粒子の二次粒子の形成もなく、経時的に
も非常に安定した分散性の良い塗工液が得られる。
【0043】本発明におけるフッ素原子含有化合物とし
ては、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリ
コーンオイル及びフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
これらの化合物の好ましい化合物例を表1〜表3に挙げ
るが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではな
い。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】導電性粒子の表面処理方法としては、導電
性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、
表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の方法
としては、ボールミルやサンドミル等の通常の分散手段
を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を
除去し、導電性粒子表面に固着させればよい。また、必
要に応じて、この後に更に熱処理を行ってもよい。ま
た、処理液中には反応促進のための触媒を添加すること
もできる。更に、必要に応じて表面処理後の導電性粒子
に更に粉砕処理を施すことができる。
【0048】導電性粒子に対するフッ素原子含有化合物
の割合は、粒子の粒径、形状及び表面積等にも影響を受
けるが、表面処理済みの導電性粒子全質量に対し1〜6
5質量%が好ましく、特には1〜50質量%が好まし
い。
【0049】以上のように、フッ素原子含有化合物を添
加した後に導電性粒子を分散する、又はフッ素原子含有
化合物によって表面処理された導電性粒子を用いること
により、フッ素原子含有樹脂粒子の分散が安定し、滑り
性や離型性に優れた保護層を形成することができる。
【0050】更に、本発明においては、より環境安定性
のある保護層とするために、下記式(1)で示されるシ
ロキサン化合物を導電性粒子分散時に添加したり、又
は、予め表面処理を施した導電性粒子を混合することに
より、更に環境安定性により優れた保護層を得ることが
できる。
【0051】
【化2】
【0052】式中、Aは水素原子又はメチル基であり、
かつ、Aの全部における水素原子の割合は0.1〜50
%の範囲、nは0以上の整数である。
【0053】このシロキサン化合物を添加後に分散した
塗工液、又はこれを表面処理した導電性微粒子を溶剤に
溶かした結着樹脂中に分散することによって、分散粒子
の二次粒子の形成もなく、経時的にも安定した分散性の
良好な塗工液が得られ、また、この塗工液より形成した
保護層は透明性が高く、耐環境性に特に優れた膜が得ら
れた。
【0054】式(1)で示されるシロキサン化合物の分
子量は特に制限されるものではないが、表面処理をする
場合は、その容易さからは粘度が高過ぎない方がよく、
重量平均分子量で数百〜数万程度が適当である。
【0055】表面処理の方法としては、湿式と乾式の二
通りがある。湿式では導電性粒子を式(1)で示される
シロキサン化合物とを溶剤中で分散し、該シロキサン化
合物を微粒子表面に付着させる。分散の手段としては、
ボールミルやサンドミル等の一般の分散手段を使用する
ことができる。次に、この分散溶液を導電性粒子表面に
固着させる。この熱処理においては、シロキサン中のS
i−H結合が熱処理過程において空気中の酸素によって
水素原子の酸化が起こり、新たなシロキサン結合ができ
る。その結果、シロキサンが3次元構造にまで発達し、
導電性粒子表面がこの網状構造で包まれる。このように
表面処理は、該シロキサン化合物を導電性粒子表面に固
着させることによって完了するが、必要に応じて処理後
の微粒子に粉砕処理を施してもよい。乾式処理において
は、溶剤を用いずに該シロキサン化合物と導電性粒子と
を混合し混練を行うことによってシロキサン化合物を粒
子表面に付着させる。その後は、湿式処理と同様に熱処
理や粉砕処理を施して表面処理を完了する。
【0056】保護層の塗工液を分散する溶剤としては、
フェノール樹脂を十分に溶解し、導電性微粒子の分散性
が良く、フッ素原子含有化合物、フッ素原子含有樹脂粒
子及びシロキサン化合物との相溶性や処理性が良好で、
更に、保護層の塗料と接触する下層の電荷輸送層若しく
は電荷発生層等に悪影響を与えない溶剤が好ましい。
【0057】従って、溶剤としては、メタノール、エタ
ノール及び2−プロパノール等のアルコール類、アセト
ン、シクロヘキサノン及びメチルエチルケトン等のケト
ン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエステル類、テト
ラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類、トルエ
ン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン
及びジクロロメタン等のハロゲン系炭化水素類等が使用
可能である。これらの中でも、フェノール樹脂の形態に
最も好適な溶剤は、メタノール、エタノール及び2−プ
ロパノール等のアルコール類である。
【0058】本発明の保護層の塗布方法としては、浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナー
コーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバ
ーコーティング法及びブレードコーティング法等の一般
的な塗工方法を用いることができる。
【0059】本発明の保護層の膜厚は、薄過ぎると電子
写真感光体の耐久性を損ない、厚過ぎると保護層を設け
たことによる残留電位が上昇するため、適度な厚さにす
る必要がある。具体的には、0.1μm〜10μmの範
囲が好ましく、特には0.5μm〜7μmの範囲が好ま
しい。
【0060】本発明においては、前記保護層中に、帯電
時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による
保護層の劣化等を防止する目的で、酸化防止剤の添加材
を加えてもよい。
【0061】次に、本発明の基体について以下に説明す
る。
【0062】本発明における電子写真感光体基体の化成
処理とは、陽極酸化のように電気的外力を加えることな
く、基体を特定の溶液に接触させることにより、基体上
に特定組成の皮膜を形成する処理である。
【0063】本発明に用い金属塩の金属は、チタニウム
及びジルコニウムであり、これらとアルミニウム及び酸
素が共存した本発明の化成皮膜を有するアルミニウム基
体は、電子写真感光体の基体として極めて優れた特性を
有す。
【0064】添加するチタニウムの塩及びジルコニウム
の塩は、フッ素化合物であることが好ましい。チタニウ
ムの塩ついてはチタニウムフッ化水素酸及びそのナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及び硫酸チタニウ
ム等が挙げられ、ジルコニウムの塩としてはジルコンフ
ッ化カリウム及びジルコニウム硫酸塩等が挙げられる。
【0065】酸性水溶液中の金属化合物の金属塩の濃度
は、金属の量で0.01g〜2g/リットルの範囲であ
ることが好ましい。また、酸性水溶液中のフッ素イオン
の濃度は、0〜10g/リットルの範囲であることが好
ましい。この範囲では基体表面のエッチング反応が適度
に起こり、均一な皮膜が生成し易い。
【0066】本発明の酸性水溶液のpHは、アンモニア
や水酸化ナトリウム等により、1.0〜5.5の範囲に
調整することが好ましい。pH1.0未満では、エッチ
ング反応が激しく起こり、良好な皮膜を得にくく、pH
5.5を超えると皮膜の生成速度が低く、薄い皮膜しか
得られにくいために、本発明の顕著な効果が得られにく
い。
【0067】本発明においては、酸性水溶反応が安定に
行われるという点で、液を30〜90℃に加温して用い
ることが好ましい。
【0068】基体を酸性水溶液に接触させる方法として
は、浸漬法及びスプレーによる噴霧法等のいずれかの方
法でもよいが、生産効率の点で浸漬法であることが好ま
しい。
【0069】化成処理後の基体は洗浄され、乾燥されて
から使用される。
【0070】本発明における基体表面の組成は、オージ
ェ電子線分光法によって測定して、基体の最表面から深
さ5nm(5×10-3μm)の範囲におけるものとす
る。
【0071】本発明においては、チタニウム又はジルコ
ニウムの含有量が、アルミニウムの含有量に対して4〜
100atm%の範囲であることが好ましい。
【0072】基体表面に形成するチタニウム又はジルコ
ニウムを含有する化成皮膜の総膜厚は、1μm以下であ
ることが好ましく、更には5nm(5×10-3μm)以
上であることが好ましい。膜厚が1μmを超えると電荷
が逃げにくくなり過ぎ、残留電位が上昇したり、ゴース
トが発生し易くなる。一方、5nm(5×10-3μm)
に満たないと本発明の顕著な効果を得難くなる。
【0073】本発明においては、耐食性や塗膜の密着性
の点で、酸性水溶液が更にリン酸、リン酸塩、タンニン
又はタンニン酸を含有することが好ましい。リン酸塩と
しては、リン酸又はそのナトリウム、カリウム及びアン
モニウム塩を基本成分として、それらのピロリン酸、ト
リポリリン酸、ヘキサメタリン酸及びそれらのナトリウ
ム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩の縮合リン酸
塩等が挙げられる。リン酸としては、リン酸以外にフィ
チン酸、ニトロジエタノールエチレンホスホン酸、2−
ヒドロオキシエチルメタアルキル−1−アシッドホスホ
ン酸、2−エチルヘキシルアシッドホスホン酸及びエタ
ン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等の有機リ
ン酸化合物を使用することもできる。
【0074】酸性水溶液中のリン酸又はリン酸塩の濃度
としては、リン酸イオンに換算して0.05〜50g/
リットルの範囲であることが好ましい。この範囲におい
ては、特に均一で良好な化成皮膜が得られ、また処理液
の安定性も特に良好である。
【0075】タンニン又はタンニン酸としては、ケプラ
チョ、デプジト、支那産タンニン酸、トルコ産タンニン
酸、ハマメリタンニン酸、ケプリン酸、スマックタンニ
ン、五倍子タンニン及びエラーグ酸タンニン等が挙げら
れる。酸性水溶液中のタンニン又はタンニン酸の濃度
は、0.1〜10g/リットルの範囲であることが好ま
しい。
【0076】また、本発明においては、酸性水溶液がフ
ッ酸、ホウフッ酸、ケイフッ酸又はそれらの塩を含有す
ることが好ましい。これらは、アルミニウム及びアルミ
ニウム合金基体の化成処理を行う際に、基体表面のエッ
チングする機能を有するので、非常に均一な化成皮膜を
得ることができる。
【0077】以上のことから、本発明における化成皮膜
中にはリン及びフッ素が含有されていることが好まし
い。
【0078】アルミニウム基体は、アルミニウムであれ
ば特に限定されるものではなく、純アルミニウム及びA
l−Mn系、Al−Mg系、Al−Cu系、Al−Si
系、Al−Mg−Si系及びAl−Cu−Si系等のア
ルミニウム合金が挙げられる。より具体的には、JIS
A6063等の6000系アルミニウム合金やJIS
A3003等の3000系アルミニウム合金等を用い
ることができる。形状も特に限定されないが、ドラム状
であることが好ましい。
【0079】次に、感光層について以下に説明する。
【0080】本発明に用いられる電子写真感光体の層構
成の例を図1に示す。この電子写真感光体1は、本発明
の一方の構成要素である保護層2、感光層3、基体4及
び本発明のもう一方の構成要素である化成処理膜5の層
構成からなる。
【0081】感光層3の層構成は、電荷発生材料と電荷
輸送材料の両方を同一の層に含有する単層型、基体側か
ら電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を
含有する電荷輸送層を順次積層した順層型、及び基体側
から電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料
を含有する電荷発生層を順次積層した逆層型が主に用い
られる。これらの中でも本発明においては、電子写真特
性的に順層型の積層感光層を用いることが最も好まし
い。
【0082】また、化成処理膜と感光層の間には、バリ
アー機能と接着機能を持つ結着層(接着層)を設けるこ
とができる。
【0083】結着層は感光層の接着性改良、塗工性改
良、基体の保護、基体の欠陥の被覆、基体からの電荷注
入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護等のために
形成される。結着層はカゼイン、ポリビニルアルコー
ル、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマ
ー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラ
チン又は酸化アルミニウム等によって形成できる。結着
層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.1〜3μmが
より好ましい。
【0084】本発明に用いられる電荷発生材料として
は、(1)モノアゾ、ジスアゾ及びトリスアゾ等のアゾ
系顔料、(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシ
アニン等のフタロシアニン系顔料、(3)インジゴ及び
チオインジゴ等のインジゴ系顔料、(4)ペリレン酸無
水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料、(5)
アンスラキノン及びピレンキノン等の多環キノン系顔
料、(6)スクワリリウム色素、(7)ピリリウム塩及
びチアピリリウム塩類、(8)トリフェニルメタン系色
素、(9)セレン、セレン−テルル及びアモルファスシ
リコン等の無機物質、(10)キナクリドン顔料、(1
1)アズレニウム塩顔料、(12)シアニン染料、(1
3)キサンテン色素、(14)キノンイミン色素、(1
5)スチリル色素、(16)硫化カドミウム及び(1
7)酸化亜鉛等が挙げられる。
【0085】電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例
えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェ
ノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチ
レン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂、尿素樹脂及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらは単独、混合あるいは共重合体ポリマーと
して1種又は2種以上用いることができる。
【0086】電荷発生層用塗工液に用いる溶剤は、使用
する樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択
されるが、有機溶剤としてはアルコール類、スルホキシ
ド類、ケトン類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類又は芳香族化合物等を用いることがで
きる。
【0087】電荷発生層は、前記の電荷発生材料を0.
3〜4倍量の結着剤樹脂、及び溶剤と共に、ホモジナイ
ザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター
又はロールミル等の方法で十分に分散し、塗布、乾燥さ
れて形成される。その厚みは、好ましくは5μm以下、
特には0.01〜1μmの範囲が好ましい。
【0088】また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤及び公知の電荷発生材
料を必要に応じて添加することもできる。
【0089】電荷発生層が感光層の最上層の場合、本発
明では更に、この電荷発生層の上に前記保護層を塗布、
硬化させて成膜することで完成される。
【0090】用いられる電荷輸送材料としては、各種ト
リアリールアミン系化合物、各種ヒドラゾン系化合物、
各種スチリル系化合物、各種スチルベン系化合物、各種
ピラゾリン系化合物、各種オキサゾール系化合物、各種
チアゾール系化合物及び各種トリアリールメタン系化合
物等が挙げられる。
【0091】電荷輸送層を形成するのに用いられる結着
剤樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリ
エステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート、ポ
リサルホン、ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及び不飽和樹脂等から
選ばれる樹脂が好ましい。特に好ましい樹脂としては、
ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート樹脂及び
ジアリルフタレート樹脂が挙げられる。
【0092】電荷輸送層は一般的には前記の電荷輸送材
料と結着剤樹脂を溶剤に溶解し、塗布して形成する。電
荷輸送材料と結着剤樹脂との混合割合は2:1〜1:2
程度である。溶剤としては、アセトン及びメチルエチル
ケトン等のケトン類、酢酸メチル及び酢酸エチル等のエ
ステル類、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素
類、クロロベンゼン、クロロホルム及び四塩化炭素等の
塩素系炭化水素類等が用いられる。この溶液を塗布する
際には、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーテ
ィング法及びスピンナーコーティング法等のコーティン
グ法を用いることができ、乾燥は好ましくは10℃〜2
00℃、より好ましくは20℃〜150℃の範囲の温度
で、5分〜5時間が好ましく、より好ましくは10分〜
2時間の時間で送風乾燥又は静止乾燥下で行うことがで
きる。
【0093】電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的
の接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入
された電荷キャリアを受け取ると共に、これ等の電荷キ
ャリアを保護層との界面まで輸送する機能を有してい
る。この電荷輸送層は電荷キャリアを輸送する限界があ
るので必要以上に膜厚を厚くすることができないが、好
ましくは5〜40μm、特には7〜30μmの範囲が好
ましい。
【0094】更に、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外線
吸収剤、可塑剤及び公知の電荷輸送材料を必要に応じて
添加することもできる。
【0095】電荷輸送層が感光層の最上層の場合、本発
明では更に、この電荷輸送層の上に前記保護層を塗布、
硬化させて成膜することで完成される。
【0096】図2に本発明の電子写真感光体を有するプ
ロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を
示す。
【0097】図2において、11はドラム状の本発明の
電子写真感光体であり、軸12を中心に矢印方向に所定
の周速度で回転駆動される。電子写真感光体11は、回
転過程において、一次帯電手段13によりその周面に正
又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット
露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)
から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画
像信号に対応して強度変調された露光光14を受ける。
こうして電子写真感光体11の周面に対し、目的の画像
情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0098】形成された静電潜像は、次いで現像手段1
5によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真
感光体11と転写手段16との間に電子写真感光体11
の回転と同期して取り出されて給送された転写材17
に、電子写真感光体11の表面に形成担持されているト
ナー画像が転写手段16により順次転写されていく。
【0099】トナー画像の転写を受けた転写材17は、
電子写真感光体面から分離されて像定着手段18へ導入
されて像定着を受けることにより画像形成物(プリン
ト、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0100】像転写後の電子写真感光体11の表面は、
クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を
受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの
前露光光20により除電処理された後、繰り返し画像形
成に使用される。なお、一次帯電手段13が帯電ローラ
ー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ず
しも必要ではない。
【0101】本発明においては、上述の電子写真感光体
11、一次帯電手段13、現像手段15及びクリーニン
グ手段19等の構成要素のうち、複数のものを容器に納
めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成
し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービー
ムプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に
構成してもよい。例えば、一次帯電手段13、現像手段
15及びクリーニング手段19の少なくとも1つを電子
写真感光体11と共に一体に支持してカートリッジ化し
て、装置本体のレール等の案内手段22を用いて装置本
体に着脱自在なプロセスカートリッジ21とすることが
できる。
【0102】また、露光光14は、電子写真装置が複写
機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透
過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、
この信号に従って行われるレーザービームの走査、LE
Dアレイの駆動又は液晶シャッターアレイの駆動等によ
り照射される光である。
【0103】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プ
リンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも幅
広く適用し得るものである。
【0104】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量
部」を意味する。
【0105】(実施例1)長さ260.5mm、直径3
0mm、シリンダー部の厚み1.5mmのアルミニウム
シリンダー(JIS A3003、アルミニウム合金)
を用意した。
【0106】有機リン酸としてフィチン酸及び金属の塩
としてチタニウムフッ化水素酸及びチタンフッ化アンモ
ニウムを含有する酸性水溶液(商品名:パルコート37
53、日本パーカライジング(株)製、pH3.8)を
40℃の温度に保ち、この処理液中に上記のアルミニウ
ムシリンダーを浸漬し、1分間化成処理を行った後、純
水で洗浄し、自然乾燥させた。化成処理皮膜の膜厚は2
0nmであった。
【0107】次に、下記式(2)で示される、CuKα
特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の
9.6°及び27.2°に強いピークを有するオキシチ
タニウムフタロシアニン顔料4部、
【0108】
【化3】 ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−
1、積水化学工業(株)製)2部、シクロヘキサノン7
0部からなる混合溶液をサンドミルで10時間分散した
後、酢酸エチル100部を加えて電荷発生層用塗工液を
調製した。この塗工液を上記化成皮膜を形成させたアル
ミニウム基体上に浸漬塗布し、90℃で10分間加熱乾
燥して、膜厚が0.17μmの電荷発生層を形成した。
【0109】次に、下記式(3)で示されるトリアリー
ルアミン系化合物40部、
【0110】
【化4】 ポリカーボネート(ユーピロンZ−200、三菱ガス化
学(株)製)50部をクロロベンゼン350部に溶解し
て調製した溶液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、1
10℃で1時間加熱乾燥して、膜厚が20μmの電荷輸
送層を形成した。
【0111】次に、保護層として、平均粒径0.02μ
mのアンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−
1、三菱マテリアル(株)製)100部を下記式(4)
で示されるフッ素原子含有化合物(商品名:LS−10
90、信越シリコーン(株)製)7部で表面処理した
(処理量:7%)、処理済み酸化スズ微粒子50部、
【0112】
【化5】 エタノール150部をサンドミルで60時間分散を行
い、その後更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子
(平均粒径:0.18μm)20部を加えて8時間分散
を行った。その後、レゾール型フェノール樹脂(商品
名:PL−4804;アミン系触媒使用、群栄化学工業
(株)製)を樹脂成分として30部を溶解し十分に攪拌
して保護層用塗工液とした。この塗工液を用いて、先の
電荷輸送層上に浸漬塗布法により、保護層膜を形成した
後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護
層を作製した。保護層塗工液の分散状態は良好で、作製
された保護層はムラのない均一な膜であった。
【0113】先に得られた電子写真感光体を、レーザー
ビームプリンター(商品名:LBP−NX、キヤノン
(株)製の改造機)を用いて評価した。これらの評価サ
ンプルを低温低湿(15℃/10%RH)、常温常湿
(23℃/60%)及び高温高湿(32.5℃/85%
RH)の環境下で電子写真特性の評価を行った。その結
果、この電子写真感光体は表4に示すように低温低湿及
び高温高湿においても、暗部電位(Vd)と明部電位
(Vl)との間に大きなコントラストを得ることができ
た。
【0114】更に、連続して5000枚の通紙耐久によ
る結果でも、低温低湿及び高温高湿のいずれの環境下に
おいても暗部電位と明部電位のどちらも殆ど変化しな
い。また、表5に示すように、これらの環境中におい
て、上記のプリンターで画出しを行い、ベタ白画像を出
力した。このベタ白画像における地カブリの状態を目視
にて評価した。不要な黒点画像やカブリがなく、かつ、
トナーの飛び散りのない極めて優れた高品位な画像が得
られた。
【0115】(実施例2)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0116】保護層として実施例1において式(4)で
示される化合物で表面処理したアンチモンドープ酸化ス
ズ微粒子を20部に減らし、その代わりにメチルハイド
ロジェンシリコーンオイル(商品名:KF99、信越シ
リコーン(株)製)で処理(処理量:20%)したアン
チモンドープ酸化スズ(商品名:T−1、三菱マテリア
ル(株)製)30部を添加した以外は、実施例1と全く
同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写
真感光体を実施例1と同様に評価した。結果を表4及び
表5に示す。
【0117】(実施例3)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0118】保護層として実施例1において式(4)で
示される化合物で表面処理したアンチモンドープ酸化ス
ズ微粒子に代えて、表面処理を施していないアンチモン
ドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリア
ル(株)製)50部、更に式(4)で示されるフッ素原
子含有化合物(商品名:LS−1090、信越シリコー
ン(株)製)5部を添加し、分散した以外は実施例1と
全く同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電
子写真感光体を実施例1と同様に評価した。結果を表4
及び表5に示す。
【0119】(実施例4)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層、及び電荷輸送層を形成した。
【0120】保護層として実施例3において、更にメチ
ルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF9
9、信越シリコーン(株)製)の5部を添加し、分散し
た以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作
製した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評
価した。結果を表4及び表5に示す。
【0121】(実施例5)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、化成処理用酸性水溶液として、タンニ
ン酸、アンモニウム塩及び金属の塩としてジルコニウム
フッ化物及びジルコニウム硫酸塩を含有する液(商品
名:パルコート3756、日本パーカライジング(株)
製、pH3.2)を用いた以外は、実施例1と同様にし
て化成処理を行った。化成処理皮膜の膜厚は15nmで
あった。このアルミニウムシリンダー上に実施例1と同
様の方法で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0122】次に、保護層として、アンチモンドープ酸
化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)
製)を式(4)で示されるフッ素原子含有化合物(商品
名:LS−1090、信越シリコーン(株)製)で処理
(処理量:7%)した処理済み酸化スズ微粒子50部
と、エタノール150部をサンドミルで60時間分散を
行い、その後更に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子
(平均粒径:0.18μm)20部を加えて8時間分散
を行った。その後、レゾール型フェノール樹脂(商品
名:フェノライト5010;アンモニア触媒使用、大日
本インキ化学工業(株)製)を樹脂成分としを30部を
溶解し十分に攪拌して保護層用塗工液とした。この塗工
液を用いて、先の電荷輸送層上に浸漬塗布法により、保
護層膜を形成した後、145℃で1時間熱風乾燥し、膜
厚が3μmの保護層を作製した。保護層塗工液の分散状
態は良好で、作製された保護層はムラのない均一な膜で
あった。得られた電子写真感光体を、実施例1と同様に
評価した。結果を表4及び表5に示す。
【0123】(実施例6)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例5と同様の方法でシリンダー,
表面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0124】保護層として実施例5において、式(4)
で示される化合物で表面処理したアンチモンドープ酸化
スズ微粒子を20部に減らし、その代わりにメチルハイ
ドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF99、信越
シリコーン(株)製)で処理(処理量:20%)したア
ンチモンドープ酸化スズ(商品名:T−1、三菱マテリ
アル(株)製)30部を添加した以外は、実施例5と全
く同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子
写真感光体を、実施例1と同様に評価した。結果を表4
及び表5に示す。
【0125】(実施例7)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例5と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0126】保護層として実施例5において、式(4)
で示される化合物で表面処理したアンチモンドープ酸化
スズ微粒子に代えて、表面処理を施していないアンチモ
ンドープ酸化スズ微粒子(商品名:T−1、三菱マテリ
アル(株)製)50部、更に式(4)で示されるフッ素
原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越シリコ
ーン(株)製)5部を添加し、分散した以外は実施例5
と全く同様にして電子写真感光体を作製した。得られた
電子写真感光体を実施例1と同様に評価した。結果を表
4及び表5に示す。
【0127】(実施例8)実施例1と同様のアルミニウ
ムシリンダーに、実施例5と同様の方法でシリンダー表
面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方法
で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0128】保護層として実施例7において、更にメチ
ルハイドロジェンシリコーンオイル(商品名:KF9
9、信越シリコーン(株)製)5部を添加し、分散した
以外は実施例5と全く同様にして電子写真感光体を作製
した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価
した。結果を表4及び表5に示す。
【0129】(実施例9〜11)実施例1と同様のアル
ミニウムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリン
ダー表面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様
の方法で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0130】保護層として実施例1で作製した保護層用
塗工液において使用したレゾール型フェノール樹脂をP
L−4804を、それぞれ、PL−4852(群栄化学
工業(株)製、アミン系触媒使用)、BKS−316
(昭和高分子(株)製、アミン系触媒使用)及びIA−
8104(大日本インキ化学工業(株)製、アンモニア
触媒)に代えた以外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体を作製した。得られた電子写真感光体を実施例1
と同様に評価した。結果を表4及び表5に示す。
【0131】(実施例12)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーに、実施例1と同様の方法でシリンダー
表面に化成処理膜を形成させた後、実施例1と同様の方
法で電荷発生層及び電荷輸送層を形成した。
【0132】保護層として実施例1で作製した保護層用
塗工液において使用したレゾール型フェノール樹脂PL
−4804を、ノボラック型フェノール樹脂(商品名:
CMK−2400;昭和高分子(株)製)に代え、更に
硬化剤としてヘキサメチレンテトラミン1.5部添加し
た以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に評価
した。結果を表4及び表5に示す。
【0133】(実施例13)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーに、化成処理用酸性水溶液として、フィ
チン酸を含有し、金属の塩としてジルコンフッ化水素酸
及びジルコンフッ化アンモニウムを含有する液(商品
名:パルコート3753T、日本パーカライジング
(株)製、pH3.5)を用いた以外は、実施例1と同
様にして化成処理を行った。化成処理皮膜の膜厚は18
nmであった。引きつづき、実施例1と同様の方法で電
荷発生層、電荷輸送層及び保護層を形成し、実施例1と
同様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写
真感光体を実施例1と同様に評価した。結果を表4と表
5に示す。
【0134】(実施例14)実施例1と同様のアルミニ
ウムシリンダーに、化成処理用酸性水溶液として、リン
酸及び金属の塩としてフッ化ジルコニウム及びジルコン
フッ化水素酸ナトリウムを含有する液(商品名:アルサ
ーフ301N−1、日本ペイント(株)製、pH4.
0)を用いた以外は実施例1と同様にして化成処理を行
った。化成処理皮膜の膜厚は30nmであった。
【0135】引きつづき、実施例1と同様の方法で電荷
発生層、電荷輸送層及び保護層を形成し、実施例1と同
様にして電子写真感光体を作製した。得られた電子写真
感光体を実施例1と同様に評価した。結果を表4及び表
5に示す。
【0136】(比較例1)実施例1で用いたアルミニウ
ムシリンダーについて、化成処理を行わずに使用し、実
施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価し
た。結果を表4及び表5に示す。
【0137】(比較例2)濃度0.3%のアンモニア水
を用意し、これを95℃に加熱した。この熱したアンモ
ニア水に実施例1で用いた化成処理前のアルミニウムシ
リンダーを5分間浸漬して表面処理を行った後、乾燥し
てシリンダー表面にベーマイト皮膜を形成した。本発明
の化成処理済みアルミニウムシリンダーに代えて、この
アルミニウムシリンダーを用いた以外は、実施例1と同
様にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表
4及び表5に示す。
【0138】(比較例3)本発明の酸性水溶液に代え
て、チタニウム及びジルコニウムを含有しないリン酸ク
ロム系の化成処理液(商品名:アルクロム3701、日
本パーカライジング(株)製)の液温を30℃に保った
状態のものに1分間浸漬して化成処理を行い、シリンダ
ー表面にクロメート系の化成皮膜を形成した。本発明の
化成処理済みアルミニウムシリンダーに代えて、このア
ルミニウムシリンダーを用いた以外は、実施例1と同様
にして電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4
及び表5に示す。
【0139】(比較例4)実施例1において、導電性微
粒子であるフッ素原子含有化合物で表面処理されたアン
チモンドープ酸化スズを用いず、更にポリテトラフルオ
ロエチレンも添加しなかった以外は、実施例1と同様に
して電子写真感光体を作製し、評価した。結果を表4及
び表5に示す。
【0140】(比較例5)実施例12において作製した
電子写真感光体の保護層において、保護層用塗工液に硬
化剤のヘキサメチレンテトラミンを添加せずに保護層を
塗工し、実施例12と同様の条件で熱処理を施して保護
層を形成した以外は、実施例12と同様にして電子写真
感光体を作製し、評価した。この保護層は熱硬化してい
ないことが確認された。結果を表4及び表5に示す。
【0141】(比較例6)実施例1において用いたレゾ
ール型フェノール樹脂を下記式(5)で示されるアクリ
ル樹脂に代え、光重合開始剤として2−メチルチオキサ
ントン2部を添加して溶解させて保護層用塗工液を作製
した。
【0142】
【化6】
【0143】この塗工液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布
して膜を形成させ、続いて高圧水銀灯にて800mW/
cm2の光強度で60秒間光硬化を行い、その後120
℃で2時間熱風乾燥し、膜厚3μmの保護層を形成し
た。それ以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光
体を作製し、評価した。結果を表4及び表5に示す。
【0144】(比較例7)実施例1において作製した電
子写真感光体において、保護層を設けなかった以外は全
く同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
結果を表4及び表5に示す。
【0145】(比較例8)実施例1で用いたアルミニウ
ムシリンダーについて、化成処理を行わずに用い、実施
例1と同様の電荷発生層と電荷輸送層を形成させて電子
写真感光体を作製した。そして保護層がないまま使用
し、評価した。結果を表4及び表5に示す。
【0146】
【表4】
【0147】
【表5】
【0148】次に、実施例1〜14で使用した化成処理
後の基体の表面を最表面から基体の深さ方向にアルゴン
イオンエッチングを行いながら走査型オージェ電子分光
分析装置を用いて元素分析を行ったところ、主な構成元
素として実施例1〜4及び9〜12からはアルミニウ
ム、チタニウム及び酸素が検出された。また、実施例5
〜8、13及び14の基体表面からはアルミニウム、ジ
ルコニウム及び酸素が検出された。
【0149】表6に元素組成の一例として実施例1〜1
4の基体最表面及び表面から深さ5nmの部分のアルミ
ニウム元素をそれぞれ100としたときの元素比率を示
す。
【0150】この結果から、これらの基体表面の化成処
理はアルミニウムの酸化皮膜中にチタニウム又はジルコ
ニウムが取り込まれているものであることが分かる。ま
た、分析の結果、その他の含まれる元素として窒素、フ
ッ素及びリン等が検出された。これらの元素は、化成処
理を行う際に処理液中のリン酸やフッ素化合物に含まれ
ていたものが化成皮膜の中に取り込まれたものと考えら
れる。
【0151】
【表6】
【0152】
【発明の効果】本発明の特定の化成処理アルミニウム基
体と特定の保護層を組み合わせた電子写真感光体は、低
温低湿から高温高湿下のいずれの環境下においても、十
分なコントラスト電位が得られ、繰り返し使用による電
位変動が少なく、かつ、黒点やカブリ等の劣化のない極
めて安定な画像が得られるという顕著な効果を奏する。
また、上記の電子写真感光体を電子写真装置及びプロセ
スカートリッジに装着して同様に優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す図
である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを備えた電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 保護層 3 感光層 4 基体 5 化成処理膜 11 電子写真感光体 12 軸 13 帯電手段 14 露光光 15 現像手段 16 転写手段 17 転写材 18 定着手段 19 クリーニング手段 20 前露光光 21 プロセスカートリッジ 22 案内手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼村 公博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊藤 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA42 AA49 AA52 AA54 BA05 BB31 BB32 BB34 BB35 CA29 CA32 CA37 CA60

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基体上に感光層と保護層を
    順次積層してなる電子写真感光体において、該保護層が
    硬化性フェノール樹脂を含有し、かつ、該アルミニウム
    基体の感光層側の表面がアルミニウム、酸素原子及びチ
    タニウム、又はアルミニウム、酸素原子及びジルコニウ
    ムを含有してなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記フェノール樹脂がレゾール型である
    請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 保護層が導電性粒子を含有する請求項1
    又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 保護層がフッ素原子含有樹脂粒子を含有
    する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 保護層が少なくとも1種類のフッ素原子
    含有化合物及び少なくとも1種類のシロキサン化合物の
    いずれか一方、あるいは両方を含有する請求項1〜4の
    いずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 フッ素原子含有化合物が含フッ素シラン
    カップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル及びフッ
    素系界面活性剤からなる群より選択される請求項5に記
    載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記シロキサン化合物が下記式(1)で
    示されるシロキサン化合物である請求項5に記載の電子
    写真感光体。 【化1】 (式中、Aは水素原子又はメチル基であり、かつ、Aの
    全部における水素原子の割合は0.1〜50%の範囲、
    nは0以上の正の整数である)
  8. 【請求項8】 前記導電性粒子が金属酸化物である請求
    項3〜7のいずれかに記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記導電性粒子がドープされている、あ
    るいは表面処理されている酸化スズである請求項8に記
    載の電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 保護層に用いられるレゾール型フェノ
    ール樹脂が、アミン系化合物を用いて合成された樹脂で
    ある請求項2〜9のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 アルミニウム基体の感光層側の表面の
    チタニウム又はジルコニウムの含有量が、アルミニウム
    の含有量に対して4〜100atm%の範囲である請求
    項1〜10のいずれかに記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 アルミニウム基体の感光層側の表面が
    更にリンを含有する請求項1〜11のいずれかに記載の
    電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 アルミニウム基体の感光層側の表面が
    更にフッ素を含有する請求項1〜11のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 アルミニウム基体の感光層側の表面が
    化成処理によって形成された皮膜である請求項1〜13
    のいずれかに記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 皮膜の膜厚が1μm以下である請求項
    14に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載の電
    子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
    段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現
    像する現像手段及び転写工程後の電子写真感光体上に残
    余するトナーを回収するクリーニング手段からなる群よ
    り選ばれた少なくとも1つの手段と共に一体に支持し、
    電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプ
    ロセスカートリッジ。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれかに記載の電
    子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手
    段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像
    を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感
    光体にトナーで現像する現像手段及び電子写真感光体上
    のトナー像を転写材上に転写する転写手段を備えること
    を特徴とする電子写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007003928A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4506582B2 (ja) * 2005-06-24 2010-07-21 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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