JP3214585B2 - 電子写真感光体、それを有する装置ユニット及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、それを有する装置ユニット及び電子写真装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
特に表面の耐摩耗性に優れた電子写真感光体及び該電子
写真感光体を備えた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真感光体に用いられる光導電
材料としては、酸化亜鉛、セレン、硫化カドミウムなど
の無機材料が知られていた。有機系のポリボニルカルバ
ゾ−ル、フタロシアニン、アゾ顔料などは、高生産性、
無公害性などの利点が注目され、光導電特性、耐久性な
どには劣る欠点はあるものの広く用いられるようになっ
てきた。最近では、それらの欠点も改善された新規材料
が提案されつつあり、特に光導電特性は無機系をしのぎ
つつある。
【0003】電子写真感光体は複写機、レ−ザ−ビ−ム
プリンタ−、ファクシミリなどにおける電子写真プロセ
スにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリ−ニング、
除電などの作用を反復して受けるため様々な耐久性を要
求される。特に耐摩耗性や耐傷性などの機械的強度は耐
久寿命を決定する最大の要素である。
【0004】一方、前記の有機光導電材料は、単独では
成膜性を有さないためバインダ−樹脂と共に成膜される
のが一般的である。従って耐摩耗性や耐傷性は、このバ
インダ−樹脂の選択によりほとんど限定されるといって
も過言ではない。しかし光導電特性を満足するバインダ
−樹脂はかなり限定されており、機械的強度は無機感光
体に遥かに及ばないのが実状である。
【0005】電子写真プロセスにおいて、感光体の耐摩
耗性などの機械的強度に最も関与するのはクリ−ニング
である。近年現像剤の微粒化に伴い、クリ−ニングはま
すます高精度を要求されている。また、装置の省スペ−
ス化に伴い、より簡略な装置構成を実現するためにも、
ブレ−ドクリ−ニングを採用するのが有利である。ブレ
−ドクリ−ニングは、板上のポリウレタンなどの弾性部
材を感光体上母線方向に突き当てただけの簡単な構成を
とる。しかし、このような場合、感光体の摩耗を促進し
耐久性の低下を起こしてしまう。これに対処するために
は、感光体に摩擦力に耐え得る強度を付与することが有
効であり、一般的にはバインダ−樹脂の高分子量化、硬
化性バインダ−樹脂の使用などが考えられる。しかしな
がら高分子量バインダ−樹脂は有機感光体の主たる製造
法であるコ−ティング工程において、コ−ティング塗料
の増粘を引き起こすため、高分子化には限界がある。ま
た従来の硬化性バインダ−樹脂については、硬化時の有
機光導電材料の反応劣化、未反応官能基や重合開始剤副
成物などによる不純物準位の形成などにより、十分な光
導電特性が得られない場合が多かった。
【0006】例えば、最も容易に硬化できる材料とし
て、アクリレ−ト基、メタクリレ−ト基を有するモノマ
−やオリゴマ−などをラジカル重合させることにより、
機械的強度に優れた表面層を得ることが可能である。こ
れらは例えば特開昭50−137740号公報、特開昭
51−66834号公報、特開平3−156465号公
報などに開示されるが、アクリレ−ト基、メタクリレ−
ト基共にカルボン酸エステル構造を有するために、吸湿
性が高い。更にラジカル重合を開始させる開始剤は、分
解により吸湿性の分解物を生成する場合が多く、硬化物
の耐湿性が乏しい欠点があった。更に開始剤の分解物
は、フォトキャリア−のトラップとして作用する場合が
多く、感光体特性に悪影響を与える欠点もあった。ま
た、ラジカル重合は空気中の酸素により阻害を受けるた
め、感光体に用いられるような薄膜では硬化が十分進行
しない欠点や、顔料分散系の光重合では内部硬化が進行
しない欠点も有した。
【0007】また、グリシジル基を有するエポキシ系モ
ノマ−も良く知られた硬化性バインダ−樹脂であるが、
吸湿性に関して必ずしも満足できるものではなく高湿環
境下での使用には耐え難いものであった。また反応速度
が必ずしも速くはないため、生産上の制約も受けやすか
った。
【0008】その他、ビニルアルキル誘導体、スチレン
誘導体、ビニルピロリドン誘導体なども知られてはいた
が、反応性に優れたものが見いだされておらず、感光体
への応用はなされていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は電子写
真特性を劣化させることなく耐摩耗性、耐傷性などの機
械的強度を向上させ、耐久性に優れた写真感光体を提供
すること及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体におい
て、電子写真感光体の表面層が下記式(1)〜(5)
【化2】 から選ばれる式で示される多官能ビニルエーテルを反応
硬化させた樹脂を含有することを特徴とする電子写真感
光体から構成される。
【0011】本発明の電子写真感光体はその表面層の形
成において、前記多官能ビニルエ−テル化合物を反応硬
化させる際に、カチオン発生触媒を用いることにより、
カチオン重合により反応硬化させる。特に光照射により
カチオンを発生させる触媒を用いた場合には、硬化速度
も速く、生産性にも優れており、熱によるアフタ−キュ
アなどと組み合わせることにより更に反応を促進するこ
とが可能である。
【0012】本発明の電子写真感光体の表面層の形成の
際に用いられる多官能ビニルエ−テル化合物は、例えば
ハロゲン化ビニルエ−テルとアルコキシド、フェノキシ
ドなどと縮合させるWilliamson合成により容
易に得られるが、他の合成法を用いても構わない。
【0013】以下に、本発明に用いられる多官能ビニル
エーテル化合物の構造表1に示す。
【表1】
【0014】多官能ビニルエ−テル化合物を反応硬化さ
せるカチオン触媒としては、各種プロトン酸、ルイス酸
(共触媒として水、酸、アルコ−ル、エ−テル、ハロゲ
ン化合物などが必要)やヨウ素、三フッ化ホウ素ジエチ
ルエ−テラ−トなどが用いられる。また、光やエネルギ
−線によりカチオンを生成するジアゾニウム化合物、ス
ルホニウム化合物、ヨ−ドニウム化合物、金属錯体化合
物、アリ−ルシラノ−ル=アルミニウム錯体なども用い
られる。また、光カチオン触媒の場合は、触媒の極大吸
収波長に対応した光を含む光源を必要とする。例えば高
圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極マイクロ
ウェ−ブランプなどが用いられる。
【0015】表にカチオン触媒の具体例を示す。
【表2】
【0016】本発明における前記多官能ビニルエ−テル
化合物は、バインダ−樹脂として単独で用いることはも
ちろん、他の樹脂と混合して用いることも可能である。
混合可能な樹脂としては、例えばポリエステル、ポリウ
レタン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリアミド、
ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
サルホン、ポリアセタ−ル、ナイロン、フェノ−ル樹
脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂、ユ
リア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラ−ル樹
脂などが挙げられる。更に、硬化性のエポキシ、(メ
タ)アクリルモノマ−やオリゴマ−も混合後硬化して用
いることが可能である。
【0017】本発明の電子写真感光体の感光層は、単層
または積層構造を有する。積層構造の場合、光キャリア
を生成する電荷発生層と、キャリアが移動する電荷輸送
層とが積層される。表面層を形成するのは電荷発生層ま
たは電荷輸送層のいずれの場合もある。
【0018】単層感光層は5〜100μmの厚さが可能
であり、より好ましくは10〜60μmである。電荷発
生材料や電荷輸送材料は20〜80%含有し、より好ま
しくは30〜70%含有する。
【0019】積層感光層においては、電荷発生層の膜厚
は0.001〜6μm、より好ましくは0.01〜2μ
mである。電荷発生材料は10〜100%含有し、より
好ましくは40〜100%含有する。
【0020】電荷輸送層の膜厚は5〜100μm、より
好ましくは10〜60μmである。電荷発生材料は20
〜80%含有し、より好ましくは30〜70%含有す
る。
【0021】電荷発生材料としては、フタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、スク
アリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チア
ピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、
トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、セレ
ン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウムな
どが挙げられる。
【0022】電荷輸送材料としては、ピレン化合物、カ
ルバゾ−ル化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアル
キルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラ
ゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物など
が挙げられる。
【0023】上記感光層の上には、表面層として保護層
を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜20μm
が可能であり、より好ましくは0.1〜10μmであ
る。保護層には前述した電荷発生材料または電荷輸送材
料や金属及びその酸化物、窒化物、フッ化物塩、合金、
更にはカ−ボンなどの導電性材料などを含有してもよ
い。前記導電性材料は、必要に応じて分散性、耐湿性を
高めるための表面処理や添加剤、助剤などを用いること
が可能である。導電性材料の具体例としては、鉄、銅、
ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、
インジウム、鉛、亜鉛、金、銀などの金属や合金あるい
はそれらの酸化物が挙げられる。
【0024】電子写真感光体の導電性支持体としては、
鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アン
チモン、インジウム、鉛、亜鉛、金、銀などの金属や合
金、あるいはそれらの酸化物やカ−ボン、導電性樹脂な
どが使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシ−ト
状のものがある。また、上記材料は、成型加工される場
合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。
【0025】導電性支持体と感光層との間に下引き層を
設けてもよい。下引き層は主にバインダ−樹脂からなる
が、前記導電性材料やアクセプタ−を含有してもよい。
下引き層を形成するバインダ−樹脂としてはポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアリレ−ト、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリブタジエン、ポリカ−ボネイト、ポリ
アミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリサルホン、ポリアリルエ−テル、ポリアセタ−
ル、ナイロン、フェノ−ル樹脂、アクリル樹脂、シリコ
−ン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ブチラ−ル樹脂などが挙げられる。
【0026】本発明の電子写真感光体の作成には、蒸
着、塗布などの方法が用いられる。塗布にはバ−コ−タ
−、ナイフコ−タ−、ロ−ルコ−タ−、アトライタ−、
スプレ−、浸漬塗布、静電塗布、粉体塗布などの手段が
用いられる。
【0027】また、本発明は、前述の本発明の電子写真
感光体を備えた装置ユニット及び電子写真装置から構成
される。
【0028】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置について説明する。図1に本発明のドラム型
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
を示した。図において、1は像担持体としてのドラム型
感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電手段
2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を
受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光
像露光L(スリット露光・レ−ザ−ビ−ム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次
いで現像手段4でトナ−現像され、そのトナ−現像像が
転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手
段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送され
た転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受けた
転写材Pは感光体面から分離されて像定着手段8へ導入
されて像定着を受けて複写物(コピ−)として機外へプ
リントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリ
−ニング手段6にて転写残りトナ−の除去を受けて清浄
面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返
して像形成に使用される。感光体1の均一帯電手段2と
してはコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置5もコロナ転写手段が一般に広く使用され
ている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリ−ニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
例えば、感光体1とクリ−ニング手段6とを一体化して
ひとつの装置ユニットとし、装置本体のレ−ルなどの案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき
上記の装置ユニットのほうに帯電手段および/または現
像手段を伴って構成してもよい。また、光像露光Lは、
電子写真装置を複写機やプリンタ−として使用する場合
には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、
原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレ−ザ−ビ
−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイの駆動、または液晶
シャッタ−アレイの駆動などを行うことにより行われ
る。
【0029】
【実施例】
実施例1 導電性酸化チタン(酸化スズ、酸化アンチモンコ−ト、
平均一次粒径0.4μm)5重量部、高抵抗酸化チタン
(アルミナコ−ト、平均一次粒径0.4μm)5重量
部、フェノ−ル樹脂前駆体(レゾ−ル型)10重量部、
メタノ−ル10重量部、及びブタノ−ル10重量部をサ
ンドミル分散した後に、外径80mm、長さ360mm
のアルミニウムシリンダ−上に浸漬塗布、加熱硬化して
体積抵抗5×109 Ωcm、厚さ20μmの導電層を形
成した。
【0030】次に、下記構造のメトキシメチル化ナイロ
ン(メトキシメチル化度約30%)3重量部、
【化1】 6/66/610/12四元共重合ナイロン9重量部、
及びイソプロパノ−ル150重量部を混合溶解した。該
溶解液を前記導電層上に浸漬塗布し、1μmの下引き層
を形成した。
【0031】次に、下記のジスアゾ顔料10重量部、
【化2】 下記構造のポリ(ビニルアセテ−ト−ビニルアルコ−ル
−ビニルベンザ−ル)共重合体(分子量80000)5
重量部、
【化3】 及びシクロヘキサノン700重量部をサンドミルにて分
散し、この分散液を前記下引き層上に浸漬塗布し、0.
05μmの電荷発生層を形成した。
【0032】次に、下記構造のトリフェニルアミン化合
物10重量部、
【化4】 下記構造のポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ−ルZ型、分
子量25000)10重量部、
【化5】 モノクロルベンゼン50重量部、ジクロロメタン25重
量部を混合溶解し、この溶解液を前記電荷発生層上に浸
漬塗布、熱風乾燥して、20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0033】次に、下記構造のジビニルエ−テル化合物
10重量部、
【化6】 下記構造のフェロセン化合物0.3重量部、
【化7】 メチルエチルケトン150重量部及びジクロロメタン1
00重量部を混合溶解し、この溶解液を前記電荷輸送層
上にスプレ−塗布、熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−
ブランプ(波長365nm)を用い光照射を行い、更に
熱風乾燥により1.2μmの保護層を表面層として形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0034】比較例1 実施例1において、保護層を設けない電荷輸送層までを
塗布して電子写真感光体を作成し、比較例1の電子写真
感光体とした。
【0035】傷試験 ヘイドン製傷試験機により傷に対する強さを比較した。
実施例1の電子写真感光体及び比較例1の電子写真感光
体について、0.05mmダイヤモンド針による、加重
50g時の傷深さを表面粗さ計(小坂技研(株)製)に
て測定し、比較した。その結果、実施例1の電子写真感
光体の傷は比較例1の電子写真感光体の傷に比較して著
しく小さく、実施例の電子写真感光体は表面硬度が優れ
ていることがわかった。
【0036】実機耐久 複写機(CLC−500、キヤノン(株)製)に実施例
1の電子写真感光体及び比較例1の電子写真感光体をそ
れぞれセットし、2万枚の耐久を行った。比較例1の電
子写真感光体では、1万3千枚で白地画像カブリ並びに
傷による黒すじが著しくなり、使用不能となったが、実
施例1の電子写真感光体は2万枚後も良好な画像であっ
た。また、耐久後の感光体削れ量も実施例1の電子写真
感光体は比較例1の電子写真感光体に比べ著しく少な
く、高耐久を実現していることがわかった。
【0037】実施例2 下記構造のジビニルエ−テル化合物10重量部、
【化8】 実施例1で用いたフェロセン化合物0.3重量部、メチ
ルエチルケトン50重量部、及びジクロロメタン25重
量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例1と同様に
して形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥
後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)
を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.5μmの
保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作成し
た。
【0038】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0039】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0040】実施例3 実施例1において用いたトリフェニルアミン化合物に代
えて下記構造のトリフェニルアミン化合物を用いた他
は、実施例1と同様にして電荷輸送層までを形成した。
【化9】
【0041】この電荷輸送層上に、実施例1と同様の保
護層を表面層として同様の方法で形成し、電子写真感光
体を作成した。
【0042】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0043】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0044】実施例4 下記構造のテトラビニルエ−テル化合物10重量部、
【化10】 下記構造のスルホニウム化合物0.25重量部、
【化11】 メチルエチルケトン50重量部、及びジクロロメタン2
5重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例3と同
様にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾
燥後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365n
m)を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.5μ
mの保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作
成した。
【0045】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0046】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0047】実施例5 下記構造のテトラビニルエ−テル化合物10重量部、
【化12】 実施例4におけると同様のスルホニウム化合物0.3重
量部、メチルエチルケトン50重量部、及びジクロロメ
タン25重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例
3と同様にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、
熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長36
5nm)を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.
0μmの保護層を表面層として形成し、電子写真感光体
を作成した。
【0048】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0049】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0050】実施例6 下記構造のヘキサビニルエ−テル化合物10重量部、
【化13】 実施例5におけると同様のスルホニウム化合物0.3重
量部、メチルエチルケトン50重量部、及びジクロロメ
タン25重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例
3と同様にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、
熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長36
5nm)を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.
0μmの保護層を表面層として形成し、電子写真感光体
を作成した。
【0051】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0052】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0053】実施例7 実施例5におけると同様のテトラビニルエ−テル化合物
10重量部、フッ素系シランカップリング剤にて疎水化
処理した導電性酸化スズ7重量部、実施例6におけると
同様のスルホニウム化合物0.3重量部、メチルエチル
ケトン50重量部、及びジクロロメタン25重量部を混
合溶解した後、この溶解液を実施例3と同様にして形成
した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥後、無電極
マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)を用い光照
射を行い、更に熱風乾燥により3.0μmの保護層を表
面層として形成し、電子写真感光体を作成した。
【0054】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0055】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0056】比較例2 下記構造のヘキサアクリレ−ト化合物10重量部、
【化14】 下記構造のモルホリン化合物0.8重量部、
【化15】 メチルエチルケトン50重量部及びジクロロメタン25
重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例3と同様
にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥
後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)
を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.0μmの
保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作成し
た。
【0057】この電子写真感光体を複写機(CLC−5
00、キヤノン(株)製)にセットし、高湿環境下(2
3℃、湿度80%)で通紙耐久を行った。300枚通紙
後一晩放置し、再度画像を複写したところ、画像流れが
発生した。一方、比較例1の電子写真感光体並びに実施
例1〜7の電子写真感光体についても同様の画出し評価
を行ったところ、画像流れのない良好な複写が像が得ら
れた。
【0058】比較例3 比較例2で用いたヘキサアクリレ−ト化合物10重量
部、フッ素系シランカップリング剤にて疎水化処理した
導電性酸化スズ7重量部、比較例2で用いたモルホリン
化合物1.2重量部、メチルエチルケトン50重量部、
及びジクロロメタン25重量部を混合溶解した後、この
溶解液を実施例3と同様にして形成した電荷輸送層上に
スプレ−塗布、熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−ブラ
ンプ(波長365nm)を用い光照射を行い、更に熱風
乾燥により3.0μmの保護層を表面層として形成し、
電子写真感光体を作成した。
【0059】この電子写真感光体を複写機(CLC−5
00、キヤノン(株)製)にセットし、高湿環境下(2
3℃、湿度80%)で通紙耐久を行った。300枚通紙
後一晩放置し、再度画像を複写したところ、画像流れが
発生した。
【0060】比較例4 下記構造のテトラグリシジル化合物10重量部、
【化16】 比較例6で用いたスルホニウム化合物0.3重量部、メ
チルエチルケトン50重量部及びジクロロメタン25重
量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例3と同様に
して形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥
後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)
を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.0μmの
保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作成し
た。
【0061】この電子写真感光体を複写機(CLC−5
00、キヤノン(株)製)にセットし、高湿環境下(2
3℃、湿度80%)で通紙耐久を行った。300枚通紙
後一晩放置し、再度画像を複写したところ、画像流れが
発生した。
【0062】実施例1〜7の電子写真感光体並びに比較
例1〜4の電子写真感光体についての評価結果を表7に
示す。
【表7】
【0063】実施例8 実施例1におけると同様のジスアゾ顔料5重量部、同じ
く同様のトリフェニルアミン5重量部、同じく同様のポ
リカ−ボネ−ト10重量部、モノクロロベンゼン50重
量部、ジクロロメタン20重量部をサンドミルにて分散
し、実施例1と同様の下引き層上に浸漬塗布熱風乾燥
し、20μmの感光層を形成した。次に実施例1と同様
にして1.2μmの保護層を表面層として形成し、単層
感光体である電子写真感光体を作成した。
【0064】比較例5 実施例8において、保護層を表面層として形成しない他
は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0065】傷試験の結果、実施例8の電子写真感光体
は比較例5の電子写真感光体と較べ傷が小さく表面硬度
に優れることが分かった。
【0066】複写機(NP−9030、キヤノン(株)
製)に実施例8及び比較例5の電子写真感光体をそれぞ
れセットし、2万枚の耐久を行った。比較例5の電子写
真感光体では、8千枚で濃度薄並びに傷による白すじが
著しくなり、使用不能となった。一方、実施例8の電子
写真感光体では、2万枚後も良好な画像を維持し、削れ
量も比較例5の感光体に較べ著しく少なかった。
【表8】
【0067】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は多官能ビニル
エーテル化合物を感光体表面層に含有硬化させることに
より、膜強度及び耐摩耗性を向上させ、耐久性及び耐湿
性に優れた顕著な効果を奏する。この効果は、画い電子
写真感光体を電子写真装置に用いた場合においても同様
である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成図である。
【符号の説明】 1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリ−ニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/147 502 - 503 G03G 5/05 101

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有
    する電子写真感光体において、電子写真感光体の表面層
    下記式(1)〜(5) 【化1】 から選ばれる式で示される多官能ビニルエーテルを反応
    硬化させた樹脂を含有することを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 感光層が有機光導電材料を含有する請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 樹脂が多官能ビニルエーテルをカチオン
    重合により反応硬化させた樹脂である請求項1または2
    記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 多官能ビニルエーテルをカチオン重合に
    より反応硬化させるカチオン触媒が、光照射によりカチ
    オンを発生し重合を開始する請求項3記載の電子写真感
    光体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体を備えることを特徴とする電子写真装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写
    真感光体、及び、帯電手段、現像手段及びクリーニング
    手段からなる群より選ばれる少なくとも1つを一体に結
    合して構成し、電子写真装置本体に対して着脱自在であ
    ることを特徴とする装置ユニット。
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