JPH0743924A - 電子写真感光体及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置

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JPH0743924A
JPH0743924A JP20702993A JP20702993A JPH0743924A JP H0743924 A JPH0743924 A JP H0743924A JP 20702993 A JP20702993 A JP 20702993A JP 20702993 A JP20702993 A JP 20702993A JP H0743924 A JPH0743924 A JP H0743924A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子写真特性を劣化させることなく、耐摩耗
性、耐傷性などの機械的強度を向上させ、耐久性に優れ
る電子写真感光体を提供することである。 【構成】導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電
子写真感光体において、電子写真感光体の表面層が少な
くとも多官能ビニルエ−テルを反応硬化させた樹脂を含
有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体に関し、
特に表面の耐摩耗性に優れた電子写真感光体及び該電子
写真感光体を備えた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真感光体に用いられる光導電
材料としては、酸化亜鉛、セレン、硫化カドミウムなど
の無機材料が知られていた。有機系のポリボニルカルバ
ゾ−ル、フタロシアニン、アゾ顔料などは、高生産性、
無公害性などの利点が注目され、光導電特性、耐久性な
どには劣る欠点はあるものの広く用いられるようになっ
てきた。最近では、それらの欠点も改善された新規材料
が提案されつつあり、特に光導電特性は無機系をしのぎ
つつある。
【0003】電子写真感光体は複写機、レ−ザ−ビ−ム
プリンタ−、ファクシミリなどにおける電子写真プロセ
スにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリ−ニング、
除電などの作用を反復して受けるため様々な耐久性を要
求される。特に耐摩耗性や耐傷性などの機械的強度は耐
久寿命を決定する最大の要素である。
【0004】一方、前記の有機光導電材料は、単独では
成膜性を有さないためバインダ−樹脂と共に成膜される
のが一般的である。従って耐摩耗性や耐傷性は、このバ
インダ−樹脂の選択によりほとんど限定されるといって
も過言ではない。しかし光導電特性を満足するバインダ
−樹脂はかなり限定されており、機械的強度は無機感光
体に遥かに及ばないのが実状である。
【0005】電子写真プロセスにおいて、感光体の耐摩
耗性などの機械的強度に最も関与するのはクリ−ニング
である。近年現像剤の微粒化に伴い、クリ−ニングはま
すます高精度を要求されている。また、装置の省スペ−
ス化に伴い、より簡略な装置構成を実現するためにも、
ブレ−ドクリ−ニングを採用するのが有利である。ブレ
−ドクリ−ニングは、板上のポリウレタンなどの弾性部
材を感光体上母線方向に突き当てただけの簡単な構成を
とる。しかし、このような場合、感光体の摩耗を促進し
耐久性の低下を起こしてしまう。これに対処するために
は、感光体に摩擦力に耐え得る強度を付与することが有
効であり、一般的にはバインダ−樹脂の高分子量化、硬
化性バインダ−樹脂の使用などが考えられる。しかしな
がら高分子量バインダ−樹脂は有機感光体の主たる製造
法であるコ−ティング工程において、コ−ティング塗料
の増粘を引き起こすため、高分子化には限界がある。ま
た従来の硬化性バインダ−樹脂については、硬化時の有
機光導電材料の反応劣化、未反応官能基や重合開始剤副
成物などによる不純物準位の形成などにより、十分な光
導電特性が得られない場合が多かった。
【0006】例えば、最も容易に硬化できる材料とし
て、アクリレ−ト基、メタクリレ−ト基を有するモノマ
−やオリゴマ−などをラジカル重合させることにより、
機械的強度に優れた表面層を得ることが可能である。こ
れらは例えば特開昭50−137740号公報、特開昭
51−66834号公報、特開平3−156465号公
報などに開示されるが、アクリレ−ト基、メタクリレ−
ト基共にカルボン酸エステル構造を有するために、吸湿
性が高い。更にラジカル重合を開始させる開始剤は、分
解により吸湿性の分解物を生成する場合が多く、硬化物
の耐湿性が乏しい欠点があった。更に開始剤の分解物
は、フォトキャリア−のトラップとして作用する場合が
多く、感光体特性に悪影響を与える欠点もあった。ま
た、ラジカル重合は空気中の酸素により阻害を受けるた
め、感光体に用いられるような薄膜では硬化が十分進行
しない欠点や、顔料分散系の光重合では内部硬化が進行
しない欠点も有した。
【0007】また、グリシジル基を有するエポキシ系モ
ノマ−も良く知られた硬化性バインダ−樹脂であるが、
吸湿性に関して必ずしも満足できるものではなく高湿環
境下での使用には耐え難いものであった。また反応速度
が必ずしも速くはないため、生産上の制約も受けやすか
った。
【0008】その他、ビニルアルキル誘導体、スチレン
誘導体、ビニルピロリドン誘導体なども知られてはいた
が、反応性に優れたものが見いだされておらず、感光体
への応用はなされていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は電子写
真特性を劣化させることなく耐摩耗性、耐傷性などの機
械的強度を向上させ、耐久性に優れた写真感光体を提供
すること及び該電子写真感光体を備えた電子写真装置を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性支持体上
に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、
電子写真感光体の表面層が少なくとも多官能ビニルエ−
テルを反応硬化させた樹脂を含有することを特徴とする
電子写真感光体から構成される。
【0011】本発明の電子写真感光体はその表面層の形
成において、前記多官能ビニルエ−テル化合物を反応硬
化させる際に、カチオン発生触媒を用いることにより、
カチオン重合により反応硬化させる。特に光照射により
カチオンを発生させる触媒を用いた場合には、硬化速度
も速く、生産性にも優れており、熱によるアフタ−キュ
アなどと組み合わせることにより更に反応を促進するこ
とが可能である。
【0012】本発明の電子写真感光体の表面層の形成の
際に用いられる多官能ビニルエ−テル化合物は、例えば
ハロゲン化ビニルエ−テルとアルコキシド、フェノキシ
ドなどと縮合させるWilliamson合成により容
易に得られるが、他の合成法を用いても構わない。
【0013】以下に、本発明に用いられる多官能ビニル
エ−テル化合物の好ましい構造例を表1〜5に示す。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0014】多官能ビニルエ−テル化合物を反応硬化さ
せるカチオン触媒としては、各種プロトン酸、ルイス酸
(共触媒として水、酸、アルコ−ル、エ−テル、ハロゲ
ン化合物などが必要)やヨウ素、三フッ化ホウ素ジエチ
ルエ−テラ−トなどが用いられる。また、光やエネルギ
−線によりカチオンを生成するジアゾニウム化合物、ス
ルホニウム化合物、ヨ−ドニウム化合物、金属錯体化合
物、アリ−ルシラノ−ル=アルミニウム錯体なども用い
られる。また、光カチオン触媒の場合は、触媒の極大吸
収波長に対応した光を含む光源を必要とする。例えば高
圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極マイクロ
ウェ−ブランプなどが用いられる。
【0015】表6にカチオン触媒の具体例を示す。
【表6】
【0016】本発明における前記多官能ビニルエ−テル
化合物は、バインダ−樹脂として単独で用いることはも
ちろん、他の樹脂と混合して用いることも可能である。
混合可能な樹脂としては、例えばポリエステル、ポリウ
レタン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリアミド、
ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ
サルホン、ポリアセタ−ル、ナイロン、フェノ−ル樹
脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ樹脂、ユ
リア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラ−ル樹
脂などが挙げられる。更に、硬化性のエポキシ、(メ
タ)アクリルモノマ−やオリゴマ−も混合後硬化して用
いることが可能である。
【0017】本発明の電子写真感光体の感光層は、単層
または積層構造を有する。積層構造の場合、光キャリア
を生成する電荷発生層と、キャリアが移動する電荷輸送
層とが積層される。表面層を形成するのは電荷発生層ま
たは電荷輸送層のいずれの場合もある。
【0018】単層感光層は5〜100μmの厚さが可能
であり、より好ましくは10〜60μmである。電荷発
生材料や電荷輸送材料は20〜80%含有し、より好ま
しくは30〜70%含有する。
【0019】積層感光層においては、電荷発生層の膜厚
は0.001〜6μm、より好ましくは0.01〜2μ
mである。電荷発生材料は10〜100%含有し、より
好ましくは40〜100%含有する。
【0020】電荷輸送層の膜厚は5〜100μm、より
好ましくは10〜60μmである。電荷発生材料は20
〜80%含有し、より好ましくは30〜70%含有す
る。
【0021】電荷発生材料としては、フタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、スク
アリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チア
ピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、
トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、セレ
ン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウムな
どが挙げられる。
【0022】電荷輸送材料としては、ピレン化合物、カ
ルバゾ−ル化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアル
キルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフ
ェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラ
ゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物など
が挙げられる。
【0023】上記感光層の上には、表面層として保護層
を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜20μm
が可能であり、より好ましくは0.1〜10μmであ
る。保護層には前述した電荷発生材料または電荷輸送材
料や金属及びその酸化物、窒化物、フッ化物塩、合金、
更にはカ−ボンなどの導電性材料などを含有してもよ
い。前記導電性材料は、必要に応じて分散性、耐湿性を
高めるための表面処理や添加剤、助剤などを用いること
が可能である。導電性材料の具体例としては、鉄、銅、
ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、
インジウム、鉛、亜鉛、金、銀などの金属や合金あるい
はそれらの酸化物が挙げられる。
【0024】電子写真感光体の導電性支持体としては、
鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アン
チモン、インジウム、鉛、亜鉛、金、銀などの金属や合
金、あるいはそれらの酸化物やカ−ボン、導電性樹脂な
どが使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシ−ト
状のものがある。また、上記材料は、成型加工される場
合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。
【0025】導電性支持体と感光層との間に下引き層を
設けてもよい。下引き層は主にバインダ−樹脂からなる
が、前記導電性材料やアクセプタ−を含有してもよい。
下引き層を形成するバインダ−樹脂としてはポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアリレ−ト、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリブタジエン、ポリカ−ボネイト、ポリ
アミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリサルホン、ポリアリルエ−テル、ポリアセタ−
ル、ナイロン、フェノ−ル樹脂、アクリル樹脂、シリコ
−ン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、ア
ルキッド樹脂、ブチラ−ル樹脂などが挙げられる。
【0026】本発明の電子写真感光体の作成には、蒸
着、塗布などの方法が用いられる。塗布にはバ−コ−タ
−、ナイフコ−タ−、ロ−ルコ−タ−、アトライタ−、
スプレ−、浸漬塗布、静電塗布、粉体塗布などの手段が
用いられる。
【0027】また、本発明は、前述の本発明の電子写真
感光体を備えた電子写真装置から構成される。
【0028】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置について説明する。図1に本発明のドラム型
感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成
を示した。図において、1は像担持体としてのドラム型
感光体であり軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で
回転駆動される。該感光体1はその回転過程で帯電手段
2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を
受け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光
像露光L(スリット露光・レ−ザ−ビ−ム走査露光な
ど)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応し
た静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次
いで現像手段4でトナ−現像され、そのトナ−現像像が
転写手段5により不図示の給紙部から感光体1と転写手
段5との間に感光体1の回転と同期取りされて給送され
た転写材Pの面に順次転写されていく。像転写を受けた
転写材Pは感光体面から分離されて像定着手段8へ導入
されて像定着を受けて複写物(コピ−)として機外へプ
リントアウトされる。像転写後の感光体1の表面はクリ
−ニング手段6にて転写残りトナ−の除去を受けて清浄
面化され、前露光手段7により除電処理がされて繰り返
して像形成に使用される。感光体1の均一帯電手段2と
してはコロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置5もコロナ転写手段が一般に広く使用され
ている。電子写真装置として、上述の感光体や現像手
段、クリ−ニング手段などの構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
例えば、感光体1とクリ−ニング手段6とを一体化して
ひとつの装置ユニットとし、装置本体のレ−ルなどの案
内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき
上記の装置ユニットのほうに帯電手段および/または現
像手段を伴って構成してもよい。また、光像露光Lは、
電子写真装置を複写機やプリンタ−として使用する場合
には、原稿からの反射光や透過光を用いる、あるいは、
原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレ−ザ−ビ
−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイの駆動、または液晶
シャッタ−アレイの駆動などを行うことにより行われ
る。
【0029】
【実施例】
実施例1 導電性酸化チタン(酸化スズ、酸化アンチモンコ−ト、
平均一次粒径0.4μm)5重量部、高抵抗酸化チタン
(アルミナコ−ト、平均一次粒径0.4μm)5重量
部、フェノ−ル樹脂前駆体(レゾ−ル型)10重量部、
メタノ−ル10重量部、及びブタノ−ル10重量部をサ
ンドミル分散した後に、外径80mm、長さ360mm
のアルミニウムシリンダ−上に浸漬塗布、加熱硬化して
体積抵抗5×109 Ωcm、厚さ20μmの導電層を形
成した。
【0030】次に、下記構造のメトキシメチル化ナイロ
ン(メトキシメチル化度約30%)3重量部、
【化1】 6/66/610/12四元共重合ナイロン9重量部、
及びイソプロパノ−ル150重量部を混合溶解した。該
溶解液を前記導電層上に浸漬塗布し、1μmの下引き層
を形成した。
【0031】次に、下記のジスアゾ顔料10重量部、
【化2】 下記構造のポリ(ビニルアセテ−ト−ビニルアルコ−ル
−ビニルベンザ−ル)共重合体(分子量80000)5
重量部、
【化3】 及びシクロヘキサノン700重量部をサンドミルにて分
散し、この分散液を前記下引き層上に浸漬塗布し、0.
05μmの電荷発生層を形成した。
【0032】次に、下記構造のトリフェニルアミン化合
物10重量部、
【化4】 下記構造のポリカ−ボネ−ト(ビスフェノ−ルZ型、分
子量25000)10重量部、
【化5】 モノクロルベンゼン50重量部、ジクロロメタン25重
量部を混合溶解し、この溶解液を前記電荷発生層上に浸
漬塗布、熱風乾燥して、20μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0033】次に、下記構造のジビニルエ−テル化合物
10重量部、
【化6】 下記構造のフェロセン化合物0.3重量部、
【化7】 メチルエチルケトン150重量部及びジクロロメタン1
00重量部を混合溶解し、この溶解液を前記電荷輸送層
上にスプレ−塗布、熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−
ブランプ(波長365nm)を用い光照射を行い、更に
熱風乾燥により1.2μmの保護層を表面層として形成
し、電子写真感光体を作成した。
【0034】比較例1 実施例1において、保護層を設けない電荷輸送層までを
塗布して電子写真感光体を作成し、比較例1の電子写真
感光体とした。
【0035】傷試験 ヘイドン製傷試験機により傷に対する強さを比較した。
実施例1の電子写真感光体及び比較例1の電子写真感光
体について、0.05mmダイヤモンド針による、加重
50g時の傷深さを表面粗さ計(小坂技研(株)製)に
て測定し、比較した。その結果、実施例1の電子写真感
光体の傷は比較例1の電子写真感光体の傷に比較して著
しく小さく、実施例の電子写真感光体は表面硬度が優れ
ていることがわかった。
【0036】実機耐久 複写機(CLC−500、キヤノン(株)製)に実施例
1の電子写真感光体及び比較例1の電子写真感光体をそ
れぞれセットし、2万枚の耐久を行った。比較例1の電
子写真感光体では、1万3千枚で白地画像カブリ並びに
傷による黒すじが著しくなり、使用不能となったが、実
施例1の電子写真感光体は2万枚後も良好な画像であっ
た。また、耐久後の感光体削れ量も実施例1の電子写真
感光体は比較例1の電子写真感光体に比べ著しく少な
く、高耐久を実現していることがわかった。
【0037】実施例2 下記構造のジビニルエ−テル化合物10重量部、
【化8】 実施例1で用いたフェロセン化合物0.3重量部、メチ
ルエチルケトン50重量部、及びジクロロメタン25重
量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例1と同様に
して形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥
後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)
を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.5μmの
保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作成し
た。
【0038】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0039】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0040】実施例3 実施例1において用いたトリフェニルアミン化合物に代
えて下記構造のトリフェニルアミン化合物を用いた他
は、実施例1と同様にして電荷輸送層までを形成した。
【化9】
【0041】この電荷輸送層上に、実施例1と同様の保
護層を表面層として同様の方法で形成し、電子写真感光
体を作成した。
【0042】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0043】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0044】実施例4 下記構造のテトラビニルエ−テル化合物10重量部、
【化10】 下記構造のスルホニウム化合物0.25重量部、
【化11】 メチルエチルケトン50重量部、及びジクロロメタン2
5重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例3と同
様にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾
燥後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365n
m)を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.5μ
mの保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作
成した。
【0045】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0046】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0047】実施例5 下記構造のテトラビニルエ−テル化合物10重量部、
【化12】 実施例4におけると同様のスルホニウム化合物0.3重
量部、メチルエチルケトン50重量部、及びジクロロメ
タン25重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例
3と同様にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、
熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長36
5nm)を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.
0μmの保護層を表面層として形成し、電子写真感光体
を作成した。
【0048】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0049】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0050】実施例6 下記構造のヘキサビニルエ−テル化合物10重量部、
【化13】 実施例5におけると同様のスルホニウム化合物0.3重
量部、メチルエチルケトン50重量部、及びジクロロメ
タン25重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例
3と同様にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、
熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長36
5nm)を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.
0μmの保護層を表面層として形成し、電子写真感光体
を作成した。
【0051】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0052】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0053】実施例7 実施例5におけると同様のテトラビニルエ−テル化合物
10重量部、フッ素系シランカップリング剤にて疎水化
処理した導電性酸化スズ7重量部、実施例6におけると
同様のスルホニウム化合物0.3重量部、メチルエチル
ケトン50重量部、及びジクロロメタン25重量部を混
合溶解した後、この溶解液を実施例3と同様にして形成
した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥後、無電極
マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)を用い光照
射を行い、更に熱風乾燥により3.0μmの保護層を表
面層として形成し、電子写真感光体を作成した。
【0054】傷試験は比較例1の電子写真感光体に比
べ、著しく小さい値を示し高硬度の表面が得られた。
【0055】実機耐久においては、2万枚後でも白地カ
ブリ、黒すじなどは発生せず、感光体の削れ量は比較例
1の電子写真感光体に比べて著しく少なく、高耐久な電
子写真感光体であることを示した。
【0056】比較例2 下記構造のヘキサアクリレ−ト化合物10重量部、
【化14】 下記構造のモルホリン化合物0.8重量部、
【化15】 メチルエチルケトン50重量部及びジクロロメタン25
重量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例3と同様
にして形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥
後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)
を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.0μmの
保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作成し
た。
【0057】この電子写真感光体を複写機(CLC−5
00、キヤノン(株)製)にセットし、高湿環境下(2
3℃、湿度80%)で通紙耐久を行った。300枚通紙
後一晩放置し、再度画像を複写したところ、画像流れが
発生した。一方、比較例1の電子写真感光体並びに実施
例1〜7の電子写真感光体についても同様の画出し評価
を行ったところ、画像流れのない良好な複写が像が得ら
れた。
【0058】比較例3 比較例2で用いたヘキサアクリレ−ト化合物10重量
部、フッ素系シランカップリング剤にて疎水化処理した
導電性酸化スズ7重量部、比較例2で用いたモルホリン
化合物1.2重量部、メチルエチルケトン50重量部、
及びジクロロメタン25重量部を混合溶解した後、この
溶解液を実施例3と同様にして形成した電荷輸送層上に
スプレ−塗布、熱風乾燥後、無電極マイクロウェ−ブラ
ンプ(波長365nm)を用い光照射を行い、更に熱風
乾燥により3.0μmの保護層を表面層として形成し、
電子写真感光体を作成した。
【0059】この電子写真感光体を複写機(CLC−5
00、キヤノン(株)製)にセットし、高湿環境下(2
3℃、湿度80%)で通紙耐久を行った。300枚通紙
後一晩放置し、再度画像を複写したところ、画像流れが
発生した。
【0060】比較例4 下記構造のテトラグリシジル化合物10重量部、
【化16】 比較例6で用いたスルホニウム化合物0.3重量部、メ
チルエチルケトン50重量部及びジクロロメタン25重
量部を混合溶解した後、この溶解液を実施例3と同様に
して形成した電荷輸送層上にスプレ−塗布、熱風乾燥
後、無電極マイクロウェ−ブランプ(波長365nm)
を用い光照射を行い、更に熱風乾燥により1.0μmの
保護層を表面層として形成し、電子写真感光体を作成し
た。
【0061】この電子写真感光体を複写機(CLC−5
00、キヤノン(株)製)にセットし、高湿環境下(2
3℃、湿度80%)で通紙耐久を行った。300枚通紙
後一晩放置し、再度画像を複写したところ、画像流れが
発生した。
【0062】実施例1〜7の電子写真感光体並びに比較
例1〜4の電子写真感光体についての評価結果を表7に
示す。
【表7】
【0063】実施例8 実施例1におけると同様のジスアゾ顔料5重量部、同じ
く同様のトリフェニルアミン5重量部、同じく同様のポ
リカ−ボネ−ト10重量部、モノクロロベンゼン50重
量部、ジクロロメタン20重量部をサンドミルにて分散
し、実施例1と同様の下引き層上に浸漬塗布熱風乾燥
し、20μmの感光層を形成した。次に実施例1と同様
にして1.2μmの保護層を表面層として形成し、単層
感光体である電子写真感光体を作成した。
【0064】比較例5 実施例8において、保護層を表面層として形成しない他
は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作成した。
【0065】傷試験の結果、実施例8の電子写真感光体
は比較例5の電子写真感光体と較べ傷が小さく表面硬度
に優れることが分かった。
【0066】複写機(NP−9030、キヤノン(株)
製)に実施例8及び比較例5の電子写真感光体をそれぞ
れセットし、2万枚の耐久を行った。比較例5の電子写
真感光体では、8千枚で濃度薄並びに傷による白すじが
著しくなり、使用不能となった。一方、実施例8の電子
写真感光体では、2万枚後も良好な画像を維持し、削れ
量も比較例5の感光体に較べ著しく少なかった。
【表8】
【0067】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は多官能ビニル
エ−テル化合物を感光体表面層に含有硬化させることに
より、膜強度及び耐摩耗性を向上させ、耐久性及び耐湿
性に優れた顕著な効果を奏する。この効果は、該電子写
真感光体を電子写真装置に用いた場合においても同様で
ある。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成図である。
【符号の説明】 1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリ−ニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも感光層を有
    する電子写真感光体において、電子写真感光体の表面層
    が少なくとも多官能ビニルエ−テルを反応硬化させた樹
    脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 感光層が有機光導電材料を含有する請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 樹脂が多官能ビニルエ−テルをカチオン
    重合により反応硬化させた樹脂である請求項1記載の電
    子写真感光体。
  4. 【請求項4】 多官能ビニルエ−テルをカチオン重合に
    より反応硬化させるカチオン触媒が、光照射によりカチ
    オンを発生し重合を開始する請求項3記載の電子写真感
    光体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置。 【0001】
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