JP2003185053A - ダイヤフラムバルブ、基板処理ユニットおよび基板処理装置 - Google Patents

ダイヤフラムバルブ、基板処理ユニットおよび基板処理装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブ開閉時にも安定した液供給を行うこと
ができるダイヤフラムバルブを提供する。 【解決手段】 ダイヤフラム15を弁座16に密着させ
ることによって流路25が閉鎖され、ダイヤフラム15
を弁座16から離間させることによって流路25が開放
される。開閉用のダイヤフラム15と同一形状のダイヤ
フラム22はリンク棒23によってダイヤフラム15と
連結されている。従って、ダイヤフラム22はダイヤフ
ラム15と機械的に連動され、ダイヤフラム15が作動
したときに下流側流路25bに生じる容積変化を補償す
るようにダイヤフラム22は作動する。その結果、ダイ
ヤフラム15を急速に作動させたとしても、それにとも
なう容積変化はダイヤフラム22によって直ちに補償さ
れ、下流側流路25bにレジストの引き戻しや押し出し
が生じることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体が流入する1
つの流入口と該液体が流出する1つの流出口とを有する
ダイヤフラムバルブ、そのダイヤフラムバルブを用いて
半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク
用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基
板」と称する)にフォトレジスト(以下、単に「レジス
ト」と称する)等の処理液を供給してレジスト塗布処理
等を行う基板処理ユニットおよびその基板処理ユニット
を組み込んで基板にフォトリソグラフィー等の一連の処
理を行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶ディスプレイなどの製品
は、基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エ
ッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理などの一連の諸処
理を施すことにより製造されている。従来よりこれらの
諸処理は、塗布処理ユニットや熱処理ユニット等の複数
の処理ユニットを組み込んだ基板処理装置において行わ
れる。基板処理装置内の搬送ロボットによって複数の処
理ユニット間で基板を所定の順序に従って搬送し、各処
理ユニットにて基板にそれぞれ処理を行うことにより一
連の基板処理が進行するのである。
【0003】処理ユニットのうち基板に処理液を供給す
るユニット、例えば基板にレジストを吐出する塗布処理
ユニットにおいては、レジストの吐出を開始および停止
するためのバルブとして一般にテフロン(登録商標)の
ダイヤフラムバルブを使用している。これはダイヤフラ
ムバルブであれば他のバルブを使用するよりも摺動によ
る発塵が生じにくく、基板に供給する処理液を扱うのに
適しているからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り吐出バルブとしてダイヤフラムバルブを使用した場合
は以下のような問題が生じており、これについて図1
4,15を使用しつつ説明する。図14および図15は
従来のダイヤフラムバルブの構成を示す図である。図1
4は流路が開放されている状態であり、図15は流路が
閉鎖されている状態である。
【0005】ダイヤフラムバルブ100は、レジストを
送給するための配管110の経路途中に設けられてい
る。配管110のうち上流側配管110aは図外のレジ
スト供給源と連通接続され、下流側配管110bは図外
のレジスト吐出ノズルと連通接続されている。レジスト
供給源からは所定の圧力にてレジストが送り出されてお
り、図14の状態では、上流側配管110aの上流側流
路111から下流側配管110bの下流側流路112へ
とレジストが流れ、さらにレジスト吐出ノズルからのレ
ジスト吐出が行われる。すなわち、ダイヤフラムバルブ
100は、液体が流入する1つの流入口113と該液体
が流出する1つの流出口114とを有している。
【0006】図14の状態において、図外のリークバル
ブを開放してエア配管104から空気が抜けるようにす
ると、収縮していたバネ103が伸張してピストン10
2が下降する。ピストン102の下端部はダイヤフラム
101に固定接続されており、ピストン102が下降す
ることによってダイヤフラム101が弁座105に押し
つけられ、図15に示す状態に移行する。図15に示す
状態では上流側流路111と下流側流路112とが遮断
されており、レジストは下流側流路112へと流れず、
レジスト吐出ノズルからのレジスト吐出も停止される。
【0007】図15の状態において、エア配管104か
らダイヤフラムバルブ100に空気を送り込むようにす
ると、ピストン102がバネ103の力に抗して上昇す
る。ピストン102が上昇することによってダイヤフラ
ム101が弁座105から離間し、上流側流路111と
下流側流路112とが連通した状態(図14)へと移行
し、レジスト吐出ノズルからのレジスト吐出が開始され
る。以上のようにしてダイヤフラムバルブ100は、レ
ジストの吐出開始および停止を行う。
【0008】ここで、ダイヤフラムバルブ100が急速
に開く、すなわちダイヤフラム101が弁座105から
急速に離間するとダイヤフラムバルブ100内の流路の
容積が急速に増加する一方で、その瞬間には上流側流路
111からレジストが流れ出さないため、瞬間的に下流
側流路112において逆流が生じ、レジスト吐出ノズル
からダイヤフラムバルブ100にレジストが引き戻され
る現象が起こる。
【0009】また、ダイヤフラムバルブ100が低速で
開くと、ダイヤフラムバルブ100内の流路の容積変化
による影響が出るよりも先に上流側流路111からレジ
ストが流れ出すため、レジスト吐出ノズルからレジスト
が引き戻されることはないが、ダイヤフラム101が弁
座105から十分に離間していない間は、弁座105近
傍の流路が狭く、レジスト吐出のための十分な流量が得
られず、レジスト吐出ノズルの先端からレジストが途切
れ途切れにでるという問題が生じる(いわゆるぼた落
ち)。
【0010】逆に、ダイヤフラムバルブ100が急速に
閉じる、すなわちダイヤフラム101が弁座105に急
速に密着すると、ダイヤフラムバルブ100内の流路の
容積が急速に減少し、下流側流路112にあるレジスト
が押し出され、バルブ閉鎖の瞬間にレジスト吐出ノズル
からレジストが噴出することとなる。また、ダイヤフラ
ムバルブ100が低速で閉じると、上述した開く場合と
同様に、弁座105近傍の流路が狭くなっている間はレ
ジスト吐出のための十分な流量が得られず、レジスト吐
出ノズルからのぼた落ちの問題が生じる。
【0011】上記のような現象はいずれも安定したレジ
スト供給の妨げとなり、塗布欠陥の原因となりうるもの
である。従って、上記の諸現象を極力防止する必要があ
り、そのためにはダイヤフラムバルブ100の開閉速度
を速すぎず、遅すぎない速度に設定しなければならなか
った。このような最適速度のための条件設定は極めて微
妙なものであり、しかもレジストの粘度や配管の状況に
よって様々に異なるものであるため、バルブ開閉速度の
調整作業は非常に困難なものとなっていたのである。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、バルブ開閉時にも安定した液供給を行うことが
できるダイヤフラムバルブ並びにそれを組み込んだ基板
処理ユニットおよび基板処理装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、液体が流入する1つの流入口と
該液体が流出する1つの流出口とを有するダイヤフラム
バルブにおいて、前記流入口から前記流出口に至る流路
に設けられた弁座に密着することによって前記流路を閉
鎖することとと前記弁座から離間することによって前記
流路を開放することとが可能な開閉用ダイヤフラムと、
前記流路を閉鎖する閉状態と前記流路を開放する開状態
との間で前記開閉用ダイヤフラムを作動させる作動手段
と、前記開閉用ダイヤフラムよりも前記流路の前記流出
口側に設けられ、前記開閉用ダイヤフラムが作動したと
きに前記流路のうち前記開閉用ダイヤフラムよりも前記
流出口側の二次側流路に生じる容積変化を補償する容積
変化補償手段と、を備えている。
【0014】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
に係るダイヤフラムバルブにおいて、前記容積変化補償
手段に、前記開閉用ダイヤフラムと機械的に連動され、
前記開閉用ダイヤフラムが前記流路を閉鎖するときに前
記二次側流路の容積を増加し、前記開閉用ダイヤフラム
が前記流路を開放するときに前記二次側流路の容積を減
少するように作動する補償用ダイヤフラムを含ませてい
る。
【0015】また、請求項3の発明は、請求項2の発明
に係るダイヤフラムバルブにおいて、前記開閉用ダイヤ
フラムと前記補償用ダイヤフラムとを略同一形状とし、
前記容積変化補償手段に、前記開閉用ダイヤフラムと前
記補償用ダイヤフラムとを連結するリンク棒を含ませて
いる。
【0016】また、請求項4の発明は、請求項3の発明
に係るダイヤフラムバルブにおいて、前記補償用ダイヤ
フラムを、前記開閉用ダイヤフラムが作動する弁軸上に
設け、前記リンク棒を前記弁軸に沿って配置している。
【0017】また、請求項5の発明は、請求項2の発明
に係るダイヤフラムバルブにおいて、前記容積変化補償
手段に、前記作動手段が前記開閉用ダイヤフラムを作動
させる作動圧によっては実質的に変形しない部材にて形
成され、前記開閉用ダイヤフラムの内側および前記補償
用ダイヤフラムの内側を相互に連通しつつシールするこ
とによって1つの密閉空間を形成する密閉空間形成部材
と、前記密閉空間に満たされた非圧縮性流体と、を含ま
せている。
【0018】また、請求項6の発明は、液体が流入する
1つの流入口と該液体が流出する1つの流出口とを有す
るダイヤフラムバルブにおいて、弾性部材にて形成さ
れ、前記流入口から前記流出口に至る流路に設けられた
弁座に密着することによって前記流路を閉鎖することと
と前記弁座から離間することによって前記流路を開放す
ることとが可能な開閉用ダイヤフラムと、前記流路を閉
鎖する閉状態と前記流路を開放する開状態との間で前記
開閉用ダイヤフラムを作動させる作動手段と、前記作動
手段が前記開閉用ダイヤフラムを作動させる作動圧によ
っては実質的に変形しない部材にて形成され、前記開閉
用ダイヤフラムの内側をシールすることによって密閉空
間を形成する密閉空間形成部材と、前記密閉空間に満た
された非圧縮性流体と、を備えている。
【0019】また、請求項7の発明は、基板に処理液を
供給して所定の処理を行う基板処理ユニットにおいて、
基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された基板
に処理液を吐出する吐出ノズルと、前記吐出ノズルに処
理液を送給する送給源と、前記送給源と前記吐出ノズル
とを連通して前記送給源からの処理液を前記吐出ノズル
に導く配管と、前記配管の経路途中に設けられた請求項
1から請求項6のいずれかに記載のダイヤフラムバルブ
と、を備えている。
【0020】また、請求項8の発明は、請求項7の発明
に係る基板処理ユニットにおいて、前記送給源から前記
吐出ノズルに送給する処理液の流量を制御する流量制御
手段と、前記吐出ノズルからの処理液吐出を停止する際
に、前記送給源から前記吐出ノズルに送給する処理液の
流量が所定値に到達した時点で前記開閉用ダイヤフラム
が前記閉状態となるように前記作動手段を制御する開閉
制御手段と、をさらに備えている。
【0021】また、請求項9の発明は、請求項7または
請求項8の発明に係る基板処理ユニットにおいて、前記
処理液をフォトレジストとしている。
【0022】また、請求項10の発明は、基板に複数工
程からなる一連の処理を行う基板処理装置において、請
求項9記載の基板処理ユニットと、基板に現像処理を行
う現像処理ユニットと、基板に熱処理を行う熱処理ユニ
ットと、前記各装置間にて基板を搬送する搬送手段と、
を備えている。
【0023】また、請求項11の発明は、請求項10の
発明に係る基板処理装置において、前記搬送手段に未処
理基板を渡すとともに前記搬送手段から処理済基板を受
け取るインデクサと、装置外部の露光ユニットと前記搬
送手段との間で基板の受け渡しを行うインターフェイス
と、をさらに備えている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0025】<1.第1実施形態>図1は、本発明に係
る基板処理装置1の全体構成を示す平面図である。な
お、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確
にするため必要に応じてZ軸方向を鉛直方向とし、XY
平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
【0026】この基板処理装置1は、基板にレジスト塗
布処理や現像処理を行う装置であって、基板の搬出入を
行うインデクサIDと、基板に処理を行う複数の処理ユ
ニットからなる第1処理部群PG1,第2処理部群PG
2と、図示を省略する露光装置(ステッパ)との基板の
受け渡しを行うインターフェイスIFと、搬送ロボット
TRとを備えている。
【0027】インデクサIDは、複数枚の基板を収納可
能なキャリア(図示省略)を載置するとともに移載ロボ
ットを備え、未処理基板を当該キャリアから搬送ロボッ
トTRに払い出すとともに処理済基板を搬送ロボットT
Rから受け取ってキャリアに格納する。なお、キャリア
の形態としては、収納基板を外気に曝すOC(open case
tte)であっても良いし、基板を密閉空間に収納するFO
UP(front opening unified pod)や、SMIF(Standa
rd Mechanical Inter Face)ポッドであっても良い。本
実施形態では、キャリアに25枚の基板を収納している
ものとする。
【0028】インターフェイスIFは、搬送ロボットT
Rからレジスト塗布処理済の基板を受け取って図外の露
光装置に渡すとともに、該露光装置から露光済の基板を
受け取って搬送ロボットTRに渡す機能を有する。ま
た、インターフェイスIFは、露光装置との受け渡しタ
イミングの調整を行うべく、露光前後の基板を一時的に
ストックするバッファ機能を有し、図示を省略している
が、搬送ロボットTRとの間で基板を受け渡すロボット
と、基板を載置するバッファカセットとを備えている。
【0029】基板処理装置1は、基板に処理を行うため
の複数の処理ユニット(処理部)を備えており、そのう
ちの一部が第1処理部群PG1を構成し、残部が第2処
理部群PG2を構成する。図2は、第1処理部群PG1
および第2処理部群PG2の構成を示す図である。第1
処理部群PG1は、液処理ユニットたる塗布処理ユニッ
トSC1,SC2(レジスト塗布処理部)の上方に複数
の熱処理ユニットを配置して構成されている。なお、図
2においては、図示の便宜上処理ユニットを平面的に配
置しているが、実際にはこれらは高さ方向(Z軸方向)
に積層されているものである。
【0030】塗布処理ユニットSC1,SC2は、基板
主面にフォトレジストを供給し、基板を回転させること
によって均一なレジスト塗布を行う、いわゆるスピンコ
ータである。塗布処理ユニットSC1,SC2には、本
発明に係るダイヤフラムバルブが組み込まれているので
あるが、これについては後に詳述する。
【0031】塗布処理ユニットSC1,SC2の上方に
は3段に積層された熱処理ユニットが3列設けられてい
る。すなわち、下から順に冷却ユニットCP1、密着強
化ユニットAH(密着強化処理部)、加熱ユニットHP
1が積層された列と、冷却ユニットCP2、加熱ユニッ
トHP2、加熱ユニットHP3が積層された列と、冷却
ユニットCP3、加熱ユニットHP4、加熱ユニットH
P5が積層された列とが設けられている。
【0032】同様に、第2処理部群PG2は、液処理ユ
ニットたる現像処理ユニットSD1,SD2の上方に複
数の熱処理ユニットを配置して構成されている。現像処
理ユニットSD1,SD2は、露光後の基板上に現像液
を供給することによって現像処理を行う、いわゆるスピ
ンデベロッパである。現像処理ユニットSD1,SD2
の上方には3段に積層された熱処理ユニットが3列設け
られている。すなわち、下から順に冷却ユニットCP
4、露光後ベークユニットPEB、加熱ユニットHP6
が積層された列と、冷却ユニットCP5、加熱ユニット
HP7、加熱ユニットHP8が積層された列と、冷却ユ
ニットCP6、加熱ユニットHP9、加熱ユニットHP
10が積層された列とが設けられている。
【0033】加熱ユニットHP1〜HP10は、基板を
加熱して所定の温度にまで昇温する、いわゆるホットプ
レートである。また、密着強化ユニットAHおよび露光
後ベークユニットPEBもそれぞれレジスト塗布処理前
および露光直後に基板を加熱する加熱ユニットである。
冷却ユニットCP1〜CP6は、基板を冷却して所定の
温度にまで降温するとともに、基板を当該所定の温度に
維持する、いわゆるクールプレートである。
【0034】本明細書においては、これら基板の温度調
整を行う処理ユニット(加熱ユニットおよび冷却ユニッ
ト)を熱処理ユニットと称する。また、塗布処理ユニッ
トSC1,SC2および現像処理ユニットSD1,SD
2の如き基板に処理液を供給して所定の処理を行う処理
ユニットを液処理ユニットと称する。そして、液処理ユ
ニットおよび熱処理ユニットを総称して処理ユニットと
する。
【0035】なお、熱処理ユニットの直下には、液処理
ユニット側に温湿度の管理されたクリーンエアーのダウ
ンフローを形成するフィルタファンユニットFFUが設
けられている。また、図示を省略しているが、搬送ロボ
ットTRが配置された上方の位置にも、搬送空間に向け
てクリーンエアーのダウンフローを形成するフィルタフ
ァンユニットが設けられている。
【0036】また、基板処理装置1の内部にはコントロ
ーラCRが設けられている。コントローラCRは、メモ
リやCPU等からなるコンピュータを用いて構成されて
いる。コントローラCRは、所定の処理プログラムにし
たがって搬送ロボットTRの搬送動作を制御するととも
に、各処理ユニットに指示を与えて処理条件を設定す
る。
【0037】図3は、搬送ロボットTRの外観斜視図で
ある。搬送ロボットTRは、伸縮体40の上部に搬送ア
ーム31a,31bを備えたアームステージ35を設け
るとともに、伸縮体40によってテレスコピック型の多
段入れ子構造を実現している。
【0038】伸縮体40は、上から順に4つの分割体4
0a,40b,40c,40dによって構成されてい
る。分割体40aは分割体40bに収容可能であり、分
割体40bは分割体40cに収容可能であり、分割体4
0cは分割体40dに収容可能である。そして、分割体
40a〜40dを順次に収納していくことによって伸縮
体40は収縮し、逆に分割体40a〜40dを順次に引
き出していくことによって伸縮体40は伸張する。すな
わち、伸縮体40の収縮時においては、分割体40aが
分割体40bに収容され、分割体40bが分割体40c
に収容され、分割体40cが分割体40dに収容され
る。一方、伸縮体40の伸張時においては、分割体40
aが分割体40bから引き出され、分割体40bが分割
体40cから引き出され、分割体40cが分割体40d
から引き出される。
【0039】伸縮体40の伸縮動作は、その内部に設け
られた伸縮昇降機構によって実現される。伸縮昇降機構
としては、例えば、ベルトとローラとを複数組み合わせ
たものをモータによって駆動する機構を採用することが
できる。搬送ロボットTRは、このような伸縮昇降機構
によって搬送アーム31a,31bの昇降動作を行うこ
とができる。
【0040】また、搬送ロボットTRは、搬送アーム3
1a,31bの水平進退移動および回転動作を行うこと
もできる。具体的には、分割体40aの上部にアームス
テージ35が設けられており、そのアームステージ35
によって搬送アーム31a,31bの水平進退移動およ
び回転動作を行う。すなわち、アームステージ35が搬
送アーム31a,31bのそれぞれのアームセグメント
を屈伸させることにより搬送アーム31a,31bが水
平進退移動を行い、アームステージ35自体が伸縮体4
0に対して回転動作を行うことにより搬送アーム31
a,31bが回転動作を行う。
【0041】従って、搬送ロボットTRは、搬送アーム
31a,31bを高さ方向に昇降動作させること、回転
動作させることおよび水平方向に進退移動させることが
できる。つまり、搬送ロボットTRは、搬送アーム31
a,31bを3次元的に移動させることができる。そし
て、基板Wを保持した搬送アーム31a,31bが3次
元的に移動して複数の処理ユニットとの間で基板Wの受
け渡しを行うことによりそれら複数の処理ユニットに対
して基板Wを搬送して当該基板Wに種々の処理を行わせ
ることができる。
【0042】次に、上記の基板処理装置1における基板
処理の手順について簡単に説明する。図4は、基板処理
装置1における基板処理の手順の一例を示す図である。
まず、インデクサIDから搬送ロボットTRに払い出さ
れた未処理の基板Wは、密着強化ユニットAHに搬入さ
れる。密着強化ユニットAHは、基板Wに加熱処理を行
って基板Wとレジストとの密着性を向上させる密着強化
処理部であり、より正確には加熱した状態の基板Wにベ
ーパ状にしたHMDS(Hexa Methyl Di Silazan)を吹
き付けることによって密着性を強化する。次に、搬送ロ
ボットTRは、密着強化処理の終了した基板Wを密着強
化ユニットAHから冷却ユニットCP1に搬送する。冷
却ユニットCP1は、密着強化ユニットAHにて加熱処
理が行われた基板Wの冷却処理を行うクールプレートで
ある。
【0043】冷却処理の終了した基板Wは、搬送ロボッ
トTRによって冷却ユニットCP1から塗布処理ユニッ
トSC1へと搬送される。塗布処理ユニットSC1は、
基板Wの主面にレジストを供給し、基板を回転させてレ
ジスト塗布処理を行う。供給されたレジストは遠心力に
よって基板Wの主面全体に拡がり、レジスト膜を形成す
る。
【0044】次に、レジスト塗布処理の終了した基板W
は、搬送ロボットTRによって塗布処理ユニットSC1
から加熱ユニットHP1へと搬送される。加熱ユニット
HP1は、塗布処理ユニットSC1にてレジスト塗布が
行われた基板Wの加熱処理を行うホットプレートであ
る。この加熱処理は「プリベーク」と称される熱処理で
あり、基板Wに塗布されたレジスト中の余分な溶媒成分
を蒸発させ、レジストと基板Wとの密着性を強固にして
安定した感度のレジスト膜を形成する処理である。
【0045】プリベークの終了した基板Wは、搬送ロボ
ットTRによって加熱ユニットHP1から冷却ユニット
CP2へと搬送される。冷却ユニットCP2は、プリベ
ーク後の基板Wの冷却処理を行う。
【0046】冷却処理終了後、搬送ロボットTRは、冷
却ユニットCP2からインターフェイスIFに基板Wを
搬送する。インターフェイスIFは、搬送ロボットTR
から受け取ったレジスト膜が形成された基板Wを露光装
置(ステッパ)に渡す。露光装置はその基板Wに露光処
理を行う。露光処理後の基板Wは露光装置から再びイン
ターフェイスIFに戻される。
【0047】インターフェイスIFに戻された基板W
は、搬送ロボットTRによって露光後ベークユニットP
EBに搬送される。露光後ベークユニットPEBは、光
化学反応によって生じた生成物をレジスト膜内で均一に
拡散させる熱処理(露光後ベーク)を行う。この熱処理
によって露光部と未露光部との境界におけるレジストの
波打ちが解消され、良好なパターンが形成される。
【0048】露光後ベークの終了した基板Wは、搬送ロ
ボットTRによって露光後ベークユニットPEBから冷
却ユニットCP3へと搬送される。冷却ユニットCP3
は、露光後ベーク後の基板Wの冷却処理を行う。その
後、基板Wは搬送ロボットTRによって冷却ユニットC
P3から現像処理ユニットSD1へと搬送される。現像
処理ユニットSD1は、露光後の基板Wの現像処理を行
う。
【0049】現像後の基板Wは、搬送ロボットTRによ
って現像処理ユニットSD1から加熱ユニットHP2へ
と搬送される。加熱ユニットHP2は、現像後の基板W
の加熱を行う。さらにその後、基板Wは搬送ロボットT
Rによって加熱ユニットHP2から冷却ユニットCP4
へと搬送され、冷却される。
【0050】冷却ユニットCP4にて冷却された基板W
は、搬送ロボットTRによってインデクサIDに戻さ
れ、キャリアに収納される。
【0051】以上のように、図4に示した手順にしたが
って搬送ロボットTRが基板Wを搬送することにより、
レジスト塗布処理、現像処理およびそれらに付随する熱
処理からなる一連の処理が基板Wに行われる。なお、図
4において塗布処理ユニットSC1の代わりに、それと
同等の機能を有する塗布処理ユニットSC2を使用する
ようにしても良いし、塗布処理ユニットSC1または塗
布処理ユニットSC2のいずれか空いている方に基板W
を搬入するといういわゆる並列処理を行うようにしても
良い。このことは、現像処理ユニットSD1、加熱ユニ
ットHP1、冷却ユニットCP1等の同等の機能を有す
る他の処理ユニットが存在するものについて同様であ
る。
【0052】以上、基板処理装置1の全体構成および基
板処理装置1における処理手順の概略について説明した
が、次に基板処理装置1に備えられた塗布処理ユニット
SC1についてさらに説明を続ける。なお、以下は塗布
処理ユニットSC1についての説明であるが、塗布処理
ユニットSC2についても同様である。
【0053】図5は、塗布処理ユニットSC1の要部構
成を示す図である。基板Wはスピンチャック41によっ
て略水平姿勢に保持されている。スピンチャック41
は、基板Wの裏面を真空吸着することによって基板Wを
保持するいわゆるバキュームチャックである。なお、ス
ピンチャック41には、基板Wの端縁部を機械的に把持
するいわゆるメカチャックを採用するようにしても良
い。
【0054】スピンチャック41の下面側中央部には図
示を省略するモータのモータ軸42が垂設されている。
当該モータが駆動してモータ軸42を正または逆方向に
回転させることにより、スピンチャック41およびそれ
に保持された基板Wも水平面内にて回転する。
【0055】塗布処理ユニットSC1にはレジスト塗布
処理時に回転する基板Wから飛散するレジストを受け止
めて回収するカップ43が設けられている。カップ43
はスピンチャック41に対して相対的に昇降自在とされ
ており、基板Wにレジスト塗布処理を行うときには図5
に示す如くスピンチャック41に保持された基板Wの周
囲にカップ43が位置する。この状態においては、回転
する基板Wから飛散するレジストがカップ43の内壁面
によって受け止められ、下方の排出口(図示省略)へと
導かれる。また、搬送ロボットTRが塗布処理ユニット
SC1に対して基板Wの搬出入を行うときには、カップ
43の上端よりもスピンチャック41が突き出た状態と
なる。
【0056】レジスト塗布処理時には、スピンチャック
41に保持した基板Wを回転させつつ吐出ノズル45か
ら基板Wにレジストを吐出する。吐出ノズル45は、レ
ジスト配管20を介してレジスト供給源たるレジストポ
ンプ30と連通接続されている。レジストポンプ30と
吐出ノズル45とを連通するレジスト配管20には、フ
ィルター37および本発明に係るダイヤフラムバルブ1
0が設けられている。レジストポンプ30は、レジスト
瓶36に貯留されているレジストを吸い上げてレジスト
配管20に送り出す。レジスト配管20に送り出された
レジストはフィルター37を通過して浄化される。ダイ
ヤフラムバルブ10が開放されているときには、浄化さ
れたレジストがさらにダイヤフラムバルブ10を通過し
て吐出ノズル45に導かれ、吐出ノズル45から回転す
る基板Wに向けて吐出される。
【0057】また、ダイヤフラムバルブ10にはエア配
管47が連通接続されている。エア配管47は、供給管
47aとリーク管47bとの2つに分岐されている。リ
ーク管47bにはリークバルブ49が設けられている。
一方、供給管47aには電磁弁48およびエアポンプ4
6が設けられている。ダイヤフラムバルブ10の構成に
ついては後述するが、リークバルブ49を閉鎖して電磁
弁48を開放することによりエア配管47からダイヤフ
ラムバルブ10にエアを供給してダイヤフラムバルブ1
0を開放することができる。逆に、リークバルブ49を
開放して電磁弁48を閉鎖することによりエア配管47
を介してダイヤフラムバルブ10から空気をリークして
ダイヤフラムバルブ10を閉鎖することができる。
【0058】また、既述したコントローラCRには流量
制御部38および開閉制御部39が設けられている。流
量制御部38および開閉制御部39はいずれもコントロ
ーラCRのCPUが所定の処理プログラムを実行するこ
とによって実現される処理部である。レジストポンプ3
0はレジスト配管20に送り出すレジストの流量を調整
する機能を有しており、流量制御部38はレジスト配管
20に送り出されるレジストの流量が所定量となるよう
にレジストポンプ30を制御する。一方、開閉制御部3
9は電磁弁48およびリークバルブ49を制御してダイ
ヤフラムバルブ10にエアを供給することとダイヤフラ
ムバルブ10からエアをリークすることとを切り替え、
ダイヤフラムバルブ10の開閉を制御する。
【0059】図6および図7は、本発明に係るダイヤフ
ラムバルブ10の構造および動作を示す図である。ダイ
ヤフラムバルブ10は、レジスト配管20の経路途中に
設けられており、上流側配管20a、開閉室11、連結
配管20c、補助室21および下流側配管20bを直列
に連結して構成されている。従って、ダイヤフラムバル
ブ10は、レジストが流入する1つの流入口26と該レ
ジストが流出する1つの流出口27とを有する。なお、
上流側配管20aおよび下流側配管20bは、そのまま
レジスト配管20の一部をも構成している。
【0060】上流側配管20aの端部は開閉室11の底
部に連通接続されている。なお、上流側配管20aの他
端部はレジストポンプ30に(厳密にはフィルター37
に)接続されている。よって、レジストポンプ30から
送り出されたレジストは上流側配管20a内の上流側流
路25aを通過して開閉室11に流れ込む。
【0061】開閉室11は中空の箱状部材であり、その
内部にはピストン12と、バネ13と、隔壁14と、ダ
イヤフラム15とが設けられている。ピストン12は、
開閉室11の内部にて図面の縦方向に沿って摺動自在に
構成されている。バネ13は、ピストン12の上面と開
閉室11の上部内壁面との間に配置されている。
【0062】隔壁14は開閉室11の内部を上下に仕切
る平板状の部材であって、その中央部にはピストン12
が貫通している。ピストン12は隔壁14に対して摺動
自在ではあるものの、ピストン12と隔壁14との接触
部分は完全にシールされており、エア配管47から開閉
室11に空気が送り込まれたときにその空気が隔壁14
よりも下側(ダイヤフラム15側)に漏れることはな
い。
【0063】ダイヤフラム15の周縁部は開閉室11の
内壁面に固設されている。ダイヤフラム15は、レジス
トに直接接触するためフッ化樹脂(例えばテフロン(登
録商標))を用いて形成するのが好ましい。ダイヤフラ
ム15の中央部はピストン12の下端部と固設されてい
る。また、ダイヤフラム15の中央部はリンク棒23の
一端部とも固設されている。
【0064】開閉室11の底部中央には弁座16が設け
られている。連結配管20cは、開閉室11の弁座16
と補助室21とを連通接続する。また、連結配管20c
の内側にはリンク棒23が遊挿されている。リンク棒2
3は、弁体であるダイヤフラム15が作動する方向の中
心軸である弁軸Qに沿って配置されている。
【0065】補助室21の内部にはダイヤフラム22が
配置されている。ダイヤフラム22の周縁部は補助室2
1の内壁面に固設されている。ダイヤフラム22は、ダ
イヤフラム15と同一のものであり、同じ部材を用いた
同一形状のものとされている。そして、ダイヤフラム2
2の中央部にはリンク棒23の他端部が固設されてい
る。よって、図示の如くダイヤフラム22は上記の弁軸
Q上に設けられていることとなる。
【0066】下流側配管20bの端部は補助室21であ
ってダイヤフラム22よりも上側部分、つまりレジスト
が流れ込む領域に連通接続されている。下流側配管20
bもレジスト配管20の一部であり、その他端部はその
まま吐出ノズル45に連通接続されている。
【0067】以上のようなダイヤフラムバルブ10の構
成において、リークバルブ49を閉鎖しつつ電磁弁48
を開放すると、図6中矢印AR6にて示すようにエア配
管47から開閉室11内部にエアが供給され、ピストン
12がバネ13の弾性力に抗して押し上げられた状態
(図6の状態)となる。ピストン12が押し上げられる
と、それに固設されたダイヤフラム15が変形されて弁
座16から離間する。また、ダイヤフラム15とダイヤ
フラム22とは同一形状のものであってかつ両者はリン
ク棒23にて連結されているため、ピストン12が押し
上げられると、ダイヤフラム22もダイヤフラム15と
全く同じ変形挙動を示す。
【0068】図6に示すように、弁体であるダイヤフラ
ム15が弁座16から離間すると、上流側流路25aと
下流側流路25bとが連通状態となり、レジストポンプ
30から送り出されたレジストは上流側流路25aから
下流側流路25bを経て吐出ノズル45に到達し、吐出
ノズル45から基板Wに向けて吐出されることとなる。
すなわち、図6に示す状態が流入口26から流出口27
に至る流路25が開放された開状態である。なお、本実
施形態では、流入口26から流出口27に至る流路25
に開閉用のダイヤフラム15が設けられており、流路2
5のうちダイヤフラム15よりも上流側を上流側流路2
5aとし、下流側を下流側流路25bとしている。
【0069】逆に、電磁弁48を閉鎖してリークバルブ
49を開放すると、バネ13の復元力に抗してピストン
12を押し上げる圧力が存在しなくなる。このため、バ
ネ13の復元力によってピストン12が押し下げられ、
開閉室11内部のエアは図7中矢印AR7にて示すよう
にエア配管47から押し出される。ピストン12が押し
下げられると、それに固設されたダイヤフラム15が変
形されて弁座16に密着する。また、上記と同様に、ピ
ストン12が押し下げられると、ダイヤフラム22もダ
イヤフラム15と全く同じ変形挙動を示す。
【0070】図7に示すように、弁体であるダイヤフラ
ム15が弁座16に密着すると、上流側流路25aと下
流側流路25bとが遮断された状態となり、レジストポ
ンプ30から送り出されたレジストは下流側流路25b
へと流れることができず、吐出ノズル45に到達するこ
ともない。従って、吐出ノズル45からのレジスト吐出
は停止される。すなわち、図7に示す状態が流入口26
から流出口27に至る流路25が閉鎖された閉状態であ
る。
【0071】このように、吐出ノズル45からのレジス
ト吐出の開始および停止は、ダイヤフラム15(開閉用
ダイヤフラム)が弁座16から離間および弁座16に密
着することによって流入口26から流出口27に至る流
路25を開閉することにより実現される。そして、電磁
弁48、リークバルブ49、ピストン12およびバネ1
3等がダイヤフラム15を作動させる作動手段として機
能するものである。レジスト塗布処理を行うときには、
開閉制御部39がリークバルブ49を閉鎖して電磁弁4
8を開放することによりダイヤフラム15を弁座16か
ら離間させて上記流路25を開放し、逆にレジスト塗布
処理を行わないときには、開閉制御部39がリークバル
ブ49を開放して電磁弁48を閉鎖することによりダイ
ヤフラム15を弁座16に密着させて流路25を閉鎖す
る。
【0072】ところで、既述したように、ダイヤフラム
15の作動に伴って流入口26から流出口27に至る流
路25に容積変化が生じる。流路25のうち上流側流路
25aの端部はレジストポンプ30によって閉じられて
いるのに対し、下流側流路25bの端部は吐出ノズル4
5として開放されているため、ダイヤフラム15の作動
にともなう容積変化の影響は専ら下流側流路25bに生
じる。すなわち、ダイヤフラム15が弁座16から離間
するときには下流側流路25bにレジストの引き戻しが
生じ、ダイヤフラム15が弁座16に密着するときには
下流側流路25bにレジストの押し出しが生じる。特
に、本実施形態のように、電磁弁48およびリークバル
ブ49の開閉のみによってダイヤフラム15を急速に作
動させるときにはレジストを引き戻すまたは押し出す圧
力が強く作用することとなる。
【0073】そこで、本実施形態においては、開閉用の
ダイヤフラムであるダイヤフラム15よりも流路25の
流出口27側にダイヤフラム22を設けている。ダイヤ
フラム22はダイヤフラム15と同一形状であって、し
かもダイヤフラム22とダイヤフラム15とはリンク棒
23によって連結されている。
【0074】従って、ダイヤフラム22はダイヤフラム
15と機械的に連動され、ダイヤフラム15が流路25
を閉鎖するとき(ダイヤフラム15が弁座16に密着す
るとき)には、下流側流路25b(二次側流路)の容積
を増加するようにダイヤフラム22が作動する。逆に、
ダイヤフラム15が流路25を開放するとき(ダイヤフ
ラム15が弁座16から離間するとき)には、下流側流
路25bの容積を減少するようにダイヤフラム22が作
動する。しかも、ダイヤフラム22とダイヤフラム15
とは同一形状であるため、ダイヤフラム15の作動にと
もなう容積変化と全く等量であって逆向きの容積増減が
ダイヤフラム22の作動によって達成されるのである。
【0075】換言すれば、ダイヤフラム15が作動した
ときに流路25のうちダイヤフラム15よりも流出口2
7側の二次側流路である下流側流路25bに生じる容積
変化を補償するようにダイヤフラム22は作動する。
【0076】従って、電磁弁48およびリークバルブ4
9の開閉のみによってダイヤフラム15を急速に作動さ
せたとしても、それにともなう容積変化はダイヤフラム
15に連動するダイヤフラム22によって直ちに補償さ
れ、下流側流路25bにレジストの引き戻しや押し出し
が生じることはない。その結果、ダイヤフラムバルブ1
0の開閉時にも安定したレジスト供給を行うことがで
き、不安定なレジスト供給に起因した塗布欠陥を抑制す
ることができる。また、エア配管47における空気の流
速を調整する機構が不要になるとともに、ダイヤフラム
バルブ10の開閉速度を調整するという困難な作業も不
要となる。
【0077】特に、第1実施形態においては、ダイヤフ
ラム15が作動する方向の中心軸である弁軸Q上に容積
補償のためのダイヤフラム22が設けられ、その弁軸Q
に沿ってリンク棒23が配置されている。従って、ダイ
ヤフラム15の作動による圧力波が生じる方向(弁軸Q
に沿った方向)にダイヤフラム22が設けられ、しかも
その圧力波が生じる方向に沿ってダイヤフラム22も作
動する。よって、ダイヤフラム15の作動による容積変
化がより効果的にダイヤフラム22によって吸収される
こととなる。
【0078】また、上述したように、流量制御部38は
レジストポンプ30から吐出ノズル45に送給するレジ
スト流量を制御し、開閉制御部39は電磁弁48および
リークバルブ49を制御してダイヤフラムバルブ10の
開閉を切り替える。図8は、レジストポンプ30から吐
出ノズル45に送給するレジスト流量の変化の一例を示
す図である。流量制御部38は図8の如きルックアップ
テーブルを保有し、それに従ってレジストポンプ30を
制御し、レジストポンプ30から吐出ノズル45に送給
するレジスト流量を調整する。そして、開閉制御部39
は、吐出ノズル45からのレジスト吐出を停止する際
に、レジストポンプ30から吐出ノズル45に送給され
るレジスト流量が所定値に到達した時点でダイヤフラム
15が流路25を閉鎖するように電磁弁48およびリー
クバルブ49を制御する。
【0079】具体的には、流量制御部38がレジストポ
ンプ30を制御することによってレジスト流量が図8に
示すような変化を示すときに、そのレジスト流量が例え
ばQ1の時点(例えば時刻t1)にてダイヤフラム15
が流路25を閉鎖するように開閉制御部39が電磁弁4
8およびリークバルブ49を制御する。
【0080】従来であれば、レジスト配管20内をレジ
ストが流れているときにダイヤフラム15が流路25を
急速に閉鎖するといわゆるウォーターハンマー(水撃作
用)によって騒音、振動、あるいはレジスト配管20自
体の破損等を招くおそれがあった。しかし、本実施形態
のように、ダイヤフラム15の作動による容積変化をダ
イヤフラム22によって吸収するようにすれば、ダイヤ
フラム15が流路25を急速に閉鎖することに起因した
圧力波がダイヤフラム22による容積変化によって緩和
され、ウォーターハンマーを防止することができる。
【0081】しかも、レジストポンプ30から吐出ノズ
ル45に送給されるレジスト流量が所定値に到達した時
点でダイヤフラム15が流路25を閉鎖すれば、従来の
サックバックを不要にすることができる。すなわち、従
来のレジスト吐出機構においては、吐出ノズル先端から
の液だれを防ぐために、レジストの吐出停止後にレジス
ト配管を吸引して吐出ノズル先端近傍の液を若干引き戻
すサックバックを行っており、そのための特別な機構も
設けていた。
【0082】ここで、本実施形態のように、ダイヤフラ
ム15の作動による容積変化をダイヤフラム22によっ
て吸収するようにすれば、吐出ノズル45からのレジス
ト吐出を安定して停止することができるとともに、吐出
停止時点のレジスト流量にほぼ比例した量の液が流れの
エネルギーによって吐出ノズル45の先端から抜け出る
こととなるため、サックバックと同様のことを行うこと
ができるとともに、しかもレジスト吐出停止時のレジス
ト先端位置をコントロールすることができる。
【0083】図9は、吐出ノズル45におけるレジスト
停止位置を示す図である。レジストポンプ30から吐出
ノズル45に送給されるレジスト流量がQ1の時点(例
えば時刻t1)にてダイヤフラム15が流路25を閉鎖
すれば、レジスト吐出停止時のレジスト先端位置はL1
となる。また、レジスト流量がQ2の時点(時刻t2)
にてダイヤフラム15が流路25を閉鎖すれば、レジス
ト吐出停止時のレジスト先端位置はL2となる。同様
に、レジスト流量がQ3の時点(時刻t3)にてダイヤ
フラム15が流路25を閉鎖すれば、レジスト吐出停止
時のレジスト先端位置はL3となる。このように、ダイ
ヤフラム15が流路25を閉鎖する時点におけるレジス
トポンプ30から吐出ノズル45に送給されるレジスト
流量に応じて吐出停止時のレジスト先端位置が規定さ
れ、レジスト流量が所定値に到達した時点でダイヤフラ
ム15が流路25を閉鎖するように開閉制御部39が電
磁弁48およびリークバルブ49を制御することによ
り、サックバックが不要になるとともに吐出停止時のレ
ジスト先端位置を調整することができる。
【0084】<2.第2実施形態>次に、本発明の第2
実施形態について説明する。第2実施形態が第1実施形
態と異なるのは、ダイヤフラムバルブの構成であり、残
余の部分(例えば基板処理装置の全体構成および処理手
順)は第1実施形態と同じであるためその説明は省略す
る。
【0085】図10および図11は、第2実施形態のダ
イヤフラムバルブ60の構造および動作を示す図であ
る。なお、第1実施形態と同一の部材については同一の
符号を付している。
【0086】ダイヤフラムバルブ60は、レジスト配管
20の経路途中に設けられており、上流側配管20a、
開閉室61および下流側配管20bを直列に連結して構
成されている。従って、ダイヤフラムバルブ60は、レ
ジストが流入する1つの流入口26と該レジストが流出
する1つの流出口27とを有する。
【0087】上流側配管20aの端部は開閉室61の底
部に連通接続されている。そして、開閉室61内の上流
側配管20aが連通接続される部分に弁座16が形成さ
れている。なお、上流側配管20aの他端部はレジスト
ポンプ30に接続されている。よって、レジストポンプ
30から送り出されたレジストは上流側配管20a内の
上流側流路25aを通過して開閉室61に流れ込む。
【0088】開閉室61の内部にはピストン12と、バ
ネ13と、隔壁64と、ダイヤフラム15と、ダイヤフ
ラム62とが設けられている。ピストン12およびバネ
13の機能は第1実施形態と同じであり、電磁弁48お
よびリークバルブ49の開閉状態によってピストン12
がエアにより押し上げられまたはバネ13により押し下
げられた状態となる。ダイヤフラム15も第1実施形態
と同じであり、ピストン12が押し上げられるとダイヤ
フラム15が弁座16から離間し(図10)、ピストン
12が押し下げられるとダイヤフラム15が弁座16に
密着する(図11)。
【0089】隔壁64は開閉室61の内部を上下に仕切
る平板状の部材であって、その一部にはピストン12が
貫通している。ピストン12は隔壁64に対して摺動自
在ではあるものの、ピストン12と隔壁64との接触部
分は完全にシールされており、エア配管47から開閉室
61に空気が送り込まれたときにその空気が隔壁64よ
りも下側(ダイヤフラム15側)に漏れることはなく、
また逆に隔壁64とダイヤフラム15との間に満たされ
た油が隔壁64よりも上側に漏れ出ることはない。
【0090】ここで第2実施形態の隔壁64は、金属等
の高い剛性を有する材料にて構成されており、ダイヤフ
ラム15を弁座16から離間させるときにエア配管47
から開閉室61に送り込まれる空気の空気圧によっては
実質的に変形しない。
【0091】ダイヤフラム62は、開閉室61内であっ
てダイヤフラム15よりも流路25の流出口27側に設
けられている。第2実施形態のダイヤフラム62はダイ
ヤフラム15と同一形状でなくても良い。ここで、ダイ
ヤフラム15の内側およびダイヤフラム62の内側は相
互に連通されつつ隔壁64によってシールされた1つの
密閉空間65とされている。そして、密閉空間65には
非圧縮性流体である油によって満たされている。この油
が流路25に漏れ出ないように、ダイヤフラム15およ
びダイヤフラム62が開閉室61と隙間なく接続されて
いることは勿論である。
【0092】第2実施形態のようなダイヤフラムバルブ
60の構成において、リークバルブ49を閉鎖しつつ電
磁弁48を開放すると、図10中矢印AR10にて示す
ようにエア配管47から開閉室61内部にエアが供給さ
れ、ピストン12がバネ13の弾性力に抗して押し上げ
られた状態(図10の状態)となる。ピストン12が押
し上げられると、それに固設されたダイヤフラム15が
変形されて弁座16から離間する。このときに、密閉空
間65内部は完全にシールされてかつ非圧縮性流体であ
る油によって満たされているため、密閉空間65内の容
積はそのまま維持されることとなる。密閉空間65内の
容積が維持されつつダイヤフラム15が内側に変形され
ると、ダイヤフラム62が油圧によって外側(流路25
側)に変形される。しかも、ダイヤフラム15による容
積変化量とダイヤフラム62による容積変化量は等し
く、ダイヤフラム15によって流路25の容積が増えた
分だけダイヤフラム62によって流路25の容積が減る
こととなる。
【0093】図10に示すように、弁体であるダイヤフ
ラム15が弁座16から離間すると、上流側流路25a
と下流側流路25bとが連通状態となり、レジストポン
プ30から送り出されたレジストは上流側流路25aか
ら下流側流路25bを経て吐出ノズル45に到達し、吐
出ノズル45から基板Wに向けて吐出されることとな
る。すなわち、図10に示す状態が流入口26から流出
口27に至る流路25が開放された開状態である。な
お、第2実施形態でも、流入口26から流出口27に至
る流路25に開閉用のダイヤフラム15が設けられてお
り、流路25のうちダイヤフラム15よりも上流側を上
流側流路25aとし、下流側を下流側流路25bとして
いる。
【0094】逆に、電磁弁48を閉鎖してリークバルブ
49を開放すると、バネ13の復元力に抗してピストン
12を押し上げる圧力が存在しなくなる。このため、バ
ネ13の復元力によってピストン12が押し下げられ、
開閉室61内部のエアは図11中矢印AR11にて示す
ようにエア配管47から押し出される。ピストン12が
押し下げられると、それに固設されたダイヤフラム15
が変形されて弁座16に密着する。このときに、上記と
同様に、密閉空間65内の容積が維持されつつダイヤフ
ラム15が外側に変形されると、ダイヤフラム62が油
圧によって内側(密閉空間65側)に変形される。しか
も、ダイヤフラム15による容積変化量とダイヤフラム
62による容積変化量は等しく、ダイヤフラム15によ
って流路25の容積が減った分だけダイヤフラム62に
よって流路25の容積が増えることとなる。
【0095】図11に示すように、弁体であるダイヤフ
ラム15が弁座16に密着すると、上流側流路25aと
下流側流路25bとが遮断された状態となり、レジスト
ポンプ30から送り出されたレジストは下流側流路25
bへと流れることができず、吐出ノズル45に到達する
こともない。従って、吐出ノズル45からのレジスト吐
出は停止される。すなわち、図11に示す状態が流入口
26から流出口27に至る流路25が閉鎖された閉状態
である。
【0096】このように、第2実施形態でも吐出ノズル
45からのレジスト吐出の開始および停止は、ダイヤフ
ラム15(開閉用ダイヤフラム)が弁座16から離間お
よび弁座16に密着することによって流入口26から流
出口27に至る流路25を開閉することにより実現され
る。そして、電磁弁48、リークバルブ49、ピストン
12およびバネ13等がダイヤフラム15を作動させる
作動手段として機能するものである。レジスト塗布処理
を行うときには、開閉制御部39がリークバルブ49を
閉鎖して電磁弁48を開放することによりダイヤフラム
15を弁座16から離間させて上記流路25を開放し、
逆にレジスト塗布処理を行わないときには、開閉制御部
39がリークバルブ49を開放して電磁弁48を閉鎖す
ることによりダイヤフラム15を弁座16に密着させて
流路25を閉鎖する。
【0097】ここで第2実施形態においても第1実施形
態と同様に、ダイヤフラム15の作動に伴って流入口2
6から流出口27に至る流路25に容積変化が生じる。
流路25のうち上流側流路25aの端部はレジストポン
プ30によって閉じられているのに対し、下流側流路2
5bの端部は吐出ノズル45として開放されているた
め、ダイヤフラム15の作動にともなう容積変化の影響
は専ら下流側流路25bに生じる。すなわち、ダイヤフ
ラム15が弁座16から離間するときには下流側流路2
5bにレジストの引き戻しが生じ、ダイヤフラム15が
弁座16に密着するときには下流側流路25bにレジス
トの押し出しが生じる。
【0098】第2実施形態においては、開閉用のダイヤ
フラムであるダイヤフラム15よりも流路25の流出口
27側にダイヤフラム62を設けている。そして、上述
の如く、ダイヤフラム15の内側およびダイヤフラム6
2の内側は相互に連通されつつ隔壁64によってシール
された1つの密閉空間65とされ、密閉空間65には非
圧縮性流体である油によって満たされている。
【0099】従って、ダイヤフラム62はダイヤフラム
15と機械的に連動され、ダイヤフラム15が流路25
を閉鎖するとき(ダイヤフラム15が弁座16に密着す
るとき)には、下流側流路25b(二次側流路)の容積
を増加するようにダイヤフラム62が作動する。逆に、
ダイヤフラム15が流路25を開放するとき(ダイヤフ
ラム15が弁座16から離間するとき)には、下流側流
路25bの容積を減少するようにダイヤフラム62が作
動する。しかも、密閉空間65には非圧縮性流体である
油によって満たされているためダイヤフラム15による
容積変化量とダイヤフラム62による容積変化量は等し
く、ダイヤフラム15の作動にともなう容積変化と全く
等量であって逆向きの容積増減がダイヤフラム62の作
動によって達成されるのである。
【0100】換言すれば、ダイヤフラム15が作動した
ときに流路25のうちダイヤフラム15よりも流出口2
7側の二次側流路である下流側流路25bに生じる容積
変化を補償するようにダイヤフラム62は作動する。
【0101】従って、電磁弁48およびリークバルブ4
9の開閉のみによってダイヤフラム15を急速に作動さ
せたとしても、それにともなう容積変化はダイヤフラム
15に連動するダイヤフラム62によって直ちに補償さ
れ、下流側流路25bにレジストの引き戻しや押し出し
が生じることはない。その結果、ダイヤフラムバルブ6
0の開閉時にも安定したレジスト供給を行うことがで
き、不安定なレジスト供給に起因した塗布欠陥を抑制す
ることができる。また、エア配管47における空気の流
速を調整する機構が不要になるとともに、ダイヤフラム
バルブ60の開閉速度を調整するという困難な作業も不
要となる。
【0102】特に、第2実施形態においては、密閉空間
65に満たされた非圧縮性流体である油を媒介にしてダ
イヤフラム15とダイヤフラム62とを連動させてお
り、油の容積は常に一定であるため、ダイヤフラム62
の材質や形状がダイヤフラム15と異なったとしてもダ
イヤフラム15の作動による容積変化をダイヤフラム6
2によって確実に補償することができる。よって、ダイ
ヤフラムバルブ60の設計の自由度が高まることとな
る。
【0103】さらに、第2実施形態のダイヤフラムバル
ブ60は密閉空間65にエアが溜まるおそれがないた
め、確実な容積変化補償動作を行うことができる。
【0104】<3.第3実施形態>次に、本発明の第3
実施形態について説明する。第3実施形態が第1実施形
態と異なるのは、ダイヤフラムバルブの構成であり、残
余の部分(例えば基板処理装置の全体構成および処理手
順)は第1実施形態と同じであるためその説明は省略す
る。
【0105】図12および図13は、第3実施形態のダ
イヤフラムバルブ70の構造および動作を示す図であ
る。なお、第1実施形態と同一の部材については同一の
符号を付している。
【0106】ダイヤフラムバルブ70は、レジスト配管
20の経路途中に設けられており、上流側配管20a、
開閉室71および下流側配管20bを直列に連結して構
成されている。従って、ダイヤフラムバルブ60は、レ
ジストが流入する1つの流入口26と該レジストが流出
する1つの流出口27とを有する。
【0107】上流側配管20aの端部は開閉室71の底
部に連通接続されている。そして、開閉室71内の上流
側配管20aが連通接続される部分に弁座16が形成さ
れている。なお、上流側配管20aの他端部はレジスト
ポンプ30に接続されている。よって、レジストポンプ
30から送り出されたレジストは上流側配管20a内の
上流側流路25aを通過して開閉室71に流れ込む。
【0108】開閉室71の内部にはピストン12と、バ
ネ13と、隔壁74と、ダイヤフラム75とが設けられ
ている。ピストン12およびバネ13の機能は第1実施
形態と同じであり、電磁弁48およびリークバルブ49
の開閉状態によってピストン12がエアにより押し上げ
られまたはバネ13により押し下げられた状態となる。
【0109】隔壁74は開閉室71の内部を上下に仕切
る平板状の部材であって、その中央部にはピストン12
が貫通している。ピストン12は隔壁74に対して摺動
自在ではあるものの、ピストン12と隔壁74との接触
部分は完全にシールされており、エア配管47から開閉
室71に空気が送り込まれたときにその空気が隔壁74
よりも下側(ダイヤフラム75側)に漏れることはな
く、また逆に隔壁74とダイヤフラム75との間に満た
された油が隔壁74よりも上側に漏れ出ることはない。
【0110】ここで第3実施形態の隔壁74は、金属等
の高い剛性を有する材料にて構成されており、ダイヤフ
ラム75を弁座16から離間させるときにエア配管47
から開閉室71に送り込まれる空気の空気圧によっては
実質的に変形しない。
【0111】ダイヤフラム75の周縁部は隔壁74の下
面に固設されている。また、ダイヤフラム15の中央部
はピストン12の下端部と固設されている。このため、
ピストン12が押し上げられるとダイヤフラム15が弁
座16から離間し(図10)、ピストン12が押し下げ
られるとダイヤフラム15が弁座16に密着する(図1
1)。
【0112】ダイヤフラム75は、ゴム等の弾性部材の
表面側(流路25側)をフッ化樹脂等にてコーティング
したものにて構成するのが好ましい。そして、ダイヤフ
ラム75の内側は隔壁74によってシールされた1つの
密閉空間76とされている。密閉空間76には非圧縮性
流体である油によって満たされている。なお、この油が
流路25に漏れ出ないように、ダイヤフラム75が隔壁
74と隙間なく接続されていることは勿論である。
【0113】第3実施形態のようなダイヤフラムバルブ
70の構成において、リークバルブ49を閉鎖しつつ電
磁弁48を開放すると、図12中矢印AR12にて示す
ようにエア配管47から開閉室71内部にエアが供給さ
れ、ピストン12がバネ13の弾性力に抗して押し上げ
られた状態(図12の状態)となる。ピストン12が押
し上げられると、それに固設されたダイヤフラム75が
変形されて弁座16から離間する。このときに、密閉空
間76内部は完全にシールされてかつ非圧縮性流体であ
る油によって満たされているため、密閉空間76内の容
積はそのまま維持されることとなる。密閉空間76内の
容積が維持されつつピストン12が押し上げられると、
弾性部材で構成されたダイヤフラム75の一部(ピスト
ン12と固設されていない部分)が油圧によって外側
(流路25側)に膨張する。しかも、ピストン12が押
し上げられたことによるダイヤフラム75の容積変化量
と油圧により膨張したダイヤフラム75の容積変化量は
相殺され、ダイヤフラム75が弁座16から離間しても
流路25に容積変化は生じないこととなる。
【0114】図12に示すように、弁体であるダイヤフ
ラム75が弁座16から離間すると、上流側流路25a
と下流側流路25bとが連通状態となり、レジストポン
プ30から送り出されたレジストは上流側流路25aか
ら下流側流路25bを経て吐出ノズル45に到達し、吐
出ノズル45から基板Wに向けて吐出されることとな
る。すなわち、図12に示す状態が流入口26から流出
口27に至る流路25が開放された開状態である。な
お、第3実施形態でも、流入口26から流出口27に至
る流路25に開閉用のダイヤフラム75が設けられてお
り、流路25のうちダイヤフラム75よりも上流側を上
流側流路25aとし、下流側を下流側流路25bとして
いる。
【0115】逆に、電磁弁48を閉鎖してリークバルブ
49を開放すると、バネ13の復元力に抗してピストン
12を押し上げる圧力が存在しなくなる。このため、バ
ネ13の復元力によってピストン12が押し下げられ、
開閉室71内部のエアは図13中矢印AR13にて示す
ようにエア配管47から押し出される。ピストン12が
押し下げられると、それに固設されたダイヤフラム75
が変形されて弁座16に密着する。このときに、上記と
同様に、密閉空間76内の容積が維持されつつピストン
12が押し下げられると、弾性部材で構成されたダイヤ
フラム75の一部(ピストン12と固設されていない部
分)が油圧によって内側(隔壁74側)にくぼむ。しか
も、ピストン12が押し下げられたことによるダイヤフ
ラム75の容積変化量と油圧によりくぼんだダイヤフラ
ム75の容積変化量は相殺され、ダイヤフラム75が弁
座16から離間しても流路25に容積変化は生じないこ
ととなる。
【0116】図13に示すように、弁体であるダイヤフ
ラム75が弁座16に密着すると、上流側流路25aと
下流側流路25bとが遮断された状態となり、レジスト
ポンプ30から送り出されたレジストは下流側流路25
bへと流れることができず、吐出ノズル45に到達する
こともない。従って、吐出ノズル45からのレジスト吐
出は停止される。すなわち、図13に示す状態が流入口
26から流出口27に至る流路25が閉鎖された閉状態
である。
【0117】このように、第3実施形態でも吐出ノズル
45からのレジスト吐出の開始および停止は、ダイヤフ
ラム75(開閉用ダイヤフラム)が弁座16から離間お
よび弁座16に密着することによって流入口26から流
出口27に至る流路25を開閉することにより実現され
る。そして、電磁弁48、リークバルブ49、ピストン
12およびバネ13等がダイヤフラム75を作動させる
作動手段として機能するものである。レジスト塗布処理
を行うときには、開閉制御部39がリークバルブ49を
閉鎖して電磁弁48を開放することによりダイヤフラム
75を弁座16から離間させて上記流路25を開放し、
逆にレジスト塗布処理を行わないときには、開閉制御部
39がリークバルブ49を開放して電磁弁48を閉鎖す
ることによりダイヤフラム75を弁座16に密着させて
流路25を閉鎖する。
【0118】ここで、上述したように、第3実施形態に
おいては、ダイヤフラム75の作動によっては流路25
に容積変化が生じない。すなわち、ダイヤフラム75の
内側は隔壁74によってシールされた1つの密閉空間7
6とされ、密閉空間76には非圧縮性流体である油によ
って満たされている。よって、密閉空間76の容積は常
に一定であり、ダイヤフラム75がどのように作動して
も流路25に容積変化が生じないのである。
【0119】従って、電磁弁48およびリークバルブ4
9の開閉のみによってダイヤフラム75を急速に作動さ
せたとしても、それにともなう流路25での容積変化は
なく、下流側流路25bにレジストの引き戻しや押し出
しが生じることはない。その結果、ダイヤフラムバルブ
60の開閉時にも安定したレジスト供給を行うことがで
き、不安定なレジスト供給に起因した塗布欠陥を抑制す
ることができる。また、エア配管47における空気の流
速を調整する機構が不要になるとともに、ダイヤフラム
バルブ70の開閉速度を調整するという困難な作業も不
要となる。
【0120】特に、第3実施形態においては、密閉空間
76に非圧縮性流体である油を満たすことによって1つ
のダイヤフラム75にて第1実施形態および第2実施形
態と同等の機能を実現している。よって、ダイヤフラム
バルブ70の構造をより簡易なものとすることができ
る。
【0121】さらに、第3実施形態のダイヤフラムバル
ブ70は密閉空間76にエアが溜まるおそれがないた
め、確実な容積変化補償動作を行うことができる。
【0122】<4.変形例>以上、本発明の実施の形態
について説明したが、この発明は上記の例に限定される
ものではない。例えば、上記の各実施形態においては、
開閉用のダイヤフラム15(75)を作動させるのにエ
アおよびピストン12、バネ13等を使用していたが、
これに限定されるものではなく、例えばアクチュエータ
等を使用して開閉用のダイヤフラム15(75)を作動
させても良い。但し、ダイヤフラム15(75)を作動
させる速度が遅いと瞬間的に弁座16近傍の流路が狭く
なって十分なレジスト流量が得られず、既述したような
吐出ノズル45からのぼた落ちの問題が生じるため、あ
る程度の作動速度の得られるものが好ましい。
【0123】また、第1実施形態においては、レジスト
ポンプ30自体がレジスト配管20に送り出すレジスト
の流量を調整する機能を有していたが、レジストポンプ
30とは別にレジスト流量を調整するマスフロコントロ
ーラを設け、流量制御部38が該マスフロコントローラ
を制御するようにしても良い。
【0124】また、上記の第2、第3実施形態において
は、非圧縮性流体として油を用いていたが、これに限定
されるものではなく、他の非圧縮性流体、例えば水を使
用するようにしても良い。
【0125】また、上記の第1実施形態においてはリン
ク棒23によって、第2実施形態においては油によって
2つのダイヤフラムを機械的に連動させていたが、これ
らに限定されるものではなく、開閉用のダイヤフラムが
作動したときに下流側流路25bに生じる容積変化を補
償することができるようなリンク機構であれば種々の機
構を採用することができる。
【0126】また、第3実施形態においては、ダイヤフ
ラム75の内側を隔壁74によってシールされた1つの
密閉空間76とし、密閉空間76を非圧縮性流体である
油で満たすようにしていたが、これに代えて、非圧縮性
と変形能を有する物体、例えばゲル状物質をフッ化樹脂
膜にて包み込んだものをダイヤフラムとし、それを隔壁
74に貼り付けるようにしても良い。このようにしても
ダイヤフラムの作動によっては流路25に容積変化が生
じないため、第3実施形態と同様の効果を得ることがで
きる。
【0127】また、上記各実施形態においては、本発明
に係るダイヤフラムバルブを塗布処理ユニットのレジス
ト吐出機構に組み込むようにしていたが、これに限定さ
れるものではなく、本発明に係るダイヤフラムバルブは
他の処理液(例えば、ポリイミド、現像液、リンス用の
純水等)を基板に吐出する基板処理ユニットに組み込む
ようにしても良い。特に、基板に純水を吐出して該基板
の洗浄処理を行う洗浄処理ユニットの純水吐出機構に本
発明に係るダイヤフラムバルブを組み込んだ場合は以下
のような効果が得られる。
【0128】すなわち、従来の洗浄処理ユニットでは、
洗浄処理終了時にバルブを徐々に閉めて純水吐出ノズル
からの純水吐出を徐々に弱めていたために、吐出された
純水の軌跡は必ず基板の端縁を通過していた。このた
め、端縁部を通過するときに生じた純水のミストが基板
の裏面側に回り込み、これが新たな汚染源となっていた
のである。これを防止すべく、バルブを急激に閉じると
ウォーターハンマーが生じるおそれがあった。
【0129】これに対して、洗浄処理ユニットの純水吐
出機構に本発明に係るダイヤフラムバルブを組み込んだ
場合は、該ダイヤフラムバルブを急激に閉鎖したとして
も上述した如くウォーターハンマーを抑制することがで
きる。従って、所定以上の流量にて吐出ノズルから純水
を吐出しつつダイヤフラムバルブを急激に閉鎖すれば、
ウォーターハンマーを抑制しつつも吐出された純水の軌
跡が基板の端縁を通過することを防止でき、純水のミス
トが基板の裏面側に回り込むことを防止することができ
る。
【0130】
【発明の効果】以上、説明したように、請求項1の発明
によれば、開閉用ダイヤフラムよりも流路の流出口側に
設けられ、開閉用ダイヤフラムが作動したときに流路の
うち開閉用ダイヤフラムよりも流出口側の二次側流路に
生じる容積変化を補償する容積変化補償手段を備えるた
め、開閉用ダイヤフラムを急速に作動させたとしても、
それにともなう容積変化が直ちに補償され、二次側流路
に液体の引き戻しや押し出しが生じることがなくなり、
その結果、バルブ開閉時にも安定した液供給を行うこと
ができる。
【0131】また、請求項2の発明によれば、補償用ダ
イヤフラムが開閉用ダイヤフラムと機械的に連動され、
開閉用ダイヤフラムが流路を閉鎖するときに二次側流路
の容積を増加し、開閉用ダイヤフラムが流路を開放する
ときに二次側流路の容積を減少するように作動するた
め、開閉用ダイヤフラムを急速に作動させたとしても、
それにともなう容積変化は開閉用ダイヤフラムに連動す
る補償用ダイヤフラムによって直ちに補償され、二次側
流路に液体の引き戻しや押し出しが生じることがなくな
り、その結果、バルブ開閉時にも安定した液供給を行う
ことができる。
【0132】また、請求項3の発明によれば、開閉用ダ
イヤフラムと補償用ダイヤフラムとは略同一形状であ
り、開閉用ダイヤフラムと補償用ダイヤフラムとをリン
ク棒により連結するため、補償用ダイヤフラムが開閉用
ダイヤフラムと確実に機械的に連動されることとなり、
しかも開閉用ダイヤフラムの作動による容積変化を補償
用ダイヤフラムによって正確に補償することができる。
【0133】また、請求項4の発明によれば、開閉用ダ
イヤフラムが作動する弁軸上に補償用ダイヤフラムが設
けられ、リンク棒が弁軸に沿って配置されているため、
開閉用ダイヤフラムの作動による圧力波が生じる方向に
補償用ダイヤフラムが設けられることとなり、しかもそ
の圧力波が生じる方向に沿って補償用ダイヤフラムも作
動する。その結果、ダイヤフラム15の作動による容積
変化がより効果的にダイヤフラム22によって吸収され
ることとなる。
【0134】また、請求項5の発明によれば、容積変化
補償手段は、作動手段が開閉用ダイヤフラムを作動させ
る作動圧によっては実質的に変形しない部材にて形成さ
れ、開閉用ダイヤフラムの内側および補償用ダイヤフラ
ムの内側を相互に連通しつつシールすることによって1
つの密閉空間を形成する密閉空間形成部材と、その密閉
空間に満たされた非圧縮性流体と、を含むため、補償用
ダイヤフラムと開閉用ダイヤフラムとが非圧縮性流体に
よって確実に機械的に連動されることとなり、しかも開
閉用ダイヤフラムの作動による容積変化を補償用ダイヤ
フラムによって正確に補償することができる。
【0135】また、請求項6の発明によれば、弾性部材
にて形成され、流入口から流出口に至る流路に設けられ
た弁座に密着することによって流路を閉鎖することとと
弁座から離間することによって流路を開放することとが
可能な開閉用ダイヤフラムと、流路を閉鎖する閉状態と
流路を開放する開状態との間で開閉用ダイヤフラムを作
動させる作動手段と、作動手段が開閉用ダイヤフラムを
作動させる作動圧によっては実質的に変形しない部材に
て形成され、開閉用ダイヤフラムの内側をシールするこ
とによって密閉空間を形成する密閉空間形成部材と、密
閉空間に満たされた非圧縮性流体と、を備えるため、開
閉用ダイヤフラムを急速に作動させたとしても、それに
ともなう流路での容積変化はなく、液体の引き戻しや押
し出しが生じることがなくなり、その結果、バルブ開閉
時にも安定した液供給を行うことができる。
【0136】また、請求項7の発明によれば、基板処理
ユニットに基板を保持する保持部と、保持部に保持され
た基板に処理液を吐出する吐出ノズルと、吐出ノズルに
処理液を送給する送給源と、送給源と吐出ノズルとを連
通して送給源からの処理液を吐出ノズルに導く配管と、
配管の経路途中に設けられた請求項1から請求項6のい
ずれかに記載のダイヤフラムバルブと、を備えるため、
基板処理ユニットにおいてバルブ開閉時にも安定した処
理液供給を行うことができる。
【0137】また、請求項8の発明によれば、送給源か
ら吐出ノズルに送給する処理液の流量を制御する流量制
御手段と、吐出ノズルからの処理液吐出を停止する際
に、送給源から吐出ノズルに送給する処理液の流量が所
定値に到達した時点で開閉用ダイヤフラムが閉状態とな
るように作動手段を制御する開閉制御手段と、をさらに
備えるため、処理液吐出停止時の吐出ノズルにおける処
理液先端位置をコントロールすることができる。
【0138】また、請求項9の発明によれば、処理液が
フォトレジストであり、バルブ開閉時にも安定したフォ
トレジスト供給を行うことができる。
【0139】また、請求項10の発明によれば、基板処
理装置に請求項9記載の基板処理ユニットと、基板に現
像処理を行う現像処理ユニットと、基板に熱処理を行う
熱処理ユニットと、各装置間にて基板を搬送する搬送手
段と、を備えるため、基板処理装置においてバルブ開閉
時にも安定したフォトレジスト供給を行うことができ
る。
【0140】また、請求項11の発明によれば、搬送手
段に未処理基板を渡すとともに搬送手段から処理済基板
を受け取るインデクサと、装置外部の露光ユニットと搬
送手段との間で基板の受け渡しを行うインターフェイス
と、をさらに備えるため、基板処理装置においてバルブ
開閉時にも安定したフォトレジスト供給を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理装置の全体構成を示す平
面図である。
【図2】図1の基板処理装置の第1処理部群および第2
処理部群の構成を示す図である。
【図3】図1の基板処理装置の搬送ロボットの外観斜視
図である。
【図4】図1の基板処理装置における基板処理の手順の
一例を示す図である。
【図5】図1の基板処理装置の塗布処理ユニットの要部
構成を示す図である。
【図6】本発明に係るダイヤフラムバルブの構造および
動作の一例を示す図である。
【図7】本発明に係るダイヤフラムバルブの構造および
動作の一例を示す図である。
【図8】レジストポンプから吐出ノズルに送給するレジ
スト流量の変化の一例を示す図である。
【図9】吐出ノズルにおけるレジスト停止位置を示す図
である。
【図10】本発明に係るダイヤフラムバルブの構造およ
び動作の他の例を示す図である。
【図11】本発明に係るダイヤフラムバルブの構造およ
び動作の他の例を示す図である。
【図12】本発明に係るダイヤフラムバルブの構造およ
び動作の他の例を示す図である。
【図13】本発明に係るダイヤフラムバルブの構造およ
び動作の他の例を示す図である。
【図14】従来のダイヤフラムバルブの構成を示す図で
ある。
【図15】従来のダイヤフラムバルブの構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基板処理装置 10,60,70 ダイヤフラムバルブ 12 ピストン 13 バネ 14,64,74 隔壁 15,22,62,75 ダイヤフラム 16 弁座 20 レジスト配管 23 リンク棒 25 流路 25a 上流側流路 25b 下流側流路 26 流入口 27 流出口 30 レジストポンプ 38 流量制御部 39 開閉制御部 45 吐出ノズル 48 電磁弁 49 リークバルブ 65,76 密閉空間 CP1,CP2 塗布処理ユニット ID インデクサ IF インターフェイス Q 弁軸 TR 搬送ロボット W 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B201 AA01 AB23 AB33 AB44 AB47 BB09 BB22 BB32 BB82 BB92 CD41 3H056 AA07 BB50 CA07 CB03 CC12 CD04 DD04 EE03 GG04 GG11 4F042 AA06 AA07 BA11 CB08 CB11 CB19 DA01 DF09 DF25 DF32 EB09 EB13 EB17 EB21 5F046 JA02 JA03 JA27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が流入する1つの流入口と該液体が
    流出する1つの流出口とを有するダイヤフラムバルブで
    あって、 前記流入口から前記流出口に至る流路に設けられた弁座
    に密着することによって前記流路を閉鎖することとと前
    記弁座から離間することによって前記流路を開放するこ
    ととが可能な開閉用ダイヤフラムと、 前記流路を閉鎖する閉状態と前記流路を開放する開状態
    との間で前記開閉用ダイヤフラムを作動させる作動手段
    と、 前記開閉用ダイヤフラムよりも前記流路の前記流出口側
    に設けられ、前記開閉用ダイヤフラムが作動したときに
    前記流路のうち前記開閉用ダイヤフラムよりも前記流出
    口側の二次側流路に生じる容積変化を補償する容積変化
    補償手段と、を備えることを特徴とするダイヤフラムバ
    ルブ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のダイヤフラムバルブにお
    いて、 前記容積変化補償手段は、前記開閉用ダイヤフラムと機
    械的に連動され、前記開閉用ダイヤフラムが前記流路を
    閉鎖するときに前記二次側流路の容積を増加し、前記開
    閉用ダイヤフラムが前記流路を開放するときに前記二次
    側流路の容積を減少するように作動する補償用ダイヤフ
    ラムを含むことを特徴とするダイヤフラムバルブ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のダイヤフラムバルブにお
    いて、 前記開閉用ダイヤフラムと前記補償用ダイヤフラムとは
    略同一形状であり、 前記容積変化補償手段は、前記開閉用ダイヤフラムと前
    記補償用ダイヤフラムとを連結するリンク棒を含むこと
    を特徴とするダイヤフラムバルブ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のダイヤフラムバルブにお
    いて、 前記補償用ダイヤフラムは、前記開閉用ダイヤフラムが
    作動する弁軸上に設けられ、 前記リンク棒は前記弁軸に沿って配置されていることを
    特徴とするダイヤフラムバルブ。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のダイヤフラムバルブにお
    いて、 前記容積変化補償手段は、 前記作動手段が前記開閉用ダイヤフラムを作動させる作
    動圧によっては実質的に変形しない部材にて形成され、
    前記開閉用ダイヤフラムの内側および前記補償用ダイヤ
    フラムの内側を相互に連通しつつシールすることによっ
    て1つの密閉空間を形成する密閉空間形成部材と、 前記密閉空間に満たされた非圧縮性流体と、を含むこと
    を特徴とするダイヤフラムバルブ。
  6. 【請求項6】 液体が流入する1つの流入口と該液体が
    流出する1つの流出口とを有するダイヤフラムバルブで
    あって、 弾性部材にて形成され、前記流入口から前記流出口に至
    る流路に設けられた弁座に密着することによって前記流
    路を閉鎖することとと前記弁座から離間することによっ
    て前記流路を開放することとが可能な開閉用ダイヤフラ
    ムと、 前記流路を閉鎖する閉状態と前記流路を開放する開状態
    との間で前記開閉用ダイヤフラムを作動させる作動手段
    と、 前記作動手段が前記開閉用ダイヤフラムを作動させる作
    動圧によっては実質的に変形しない部材にて形成され、
    前記開閉用ダイヤフラムの内側をシールすることによっ
    て密閉空間を形成する密閉空間形成部材と、 前記密閉空間に満たされた非圧縮性流体と、を備えるこ
    とを特徴とするダイヤフラムバルブ。
  7. 【請求項7】 基板に処理液を供給して所定の処理を行
    う基板処理ユニットであって、 基板を保持する保持部と、 前記保持部に保持された基板に処理液を吐出する吐出ノ
    ズルと、 前記吐出ノズルに処理液を送給する送給源と、 前記送給源と前記吐出ノズルとを連通して前記送給源か
    らの処理液を前記吐出ノズルに導く配管と、 前記配管の経路途中に設けられた請求項1から請求項6
    のいずれかに記載のダイヤフラムバルブと、 を備えることを特徴とする基板処理ユニット。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の基板処理ユニットにおい
    て、 前記送給源から前記吐出ノズルに送給する処理液の流量
    を制御する流量制御手段と、 前記吐出ノズルからの処理液吐出を停止する際に、前記
    送給源から前記吐出ノズルに送給する処理液の流量が所
    定値に到達した時点で前記開閉用ダイヤフラムが前記閉
    状態となるように前記作動手段を制御する開閉制御手段
    と、をさらに備えることを特徴とする基板処理ユニッ
    ト。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の基板処
    理ユニットにおいて、 前記処理液は、フォトレジストであることを特徴とする
    基板処理ユニット。
  10. 【請求項10】 基板に複数工程からなる一連の処理を
    行う基板処理装置であって、 請求項9記載の基板処理ユニットと、 基板に現像処理を行う現像処理ユニットと、 基板に熱処理を行う熱処理ユニットと、 前記各装置間にて基板を搬送する搬送手段と、を備える
    ことを特徴とする基板処理装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の基板処理装置におい
    て、 前記搬送手段に未処理基板を渡すとともに前記搬送手段
    から処理済基板を受け取るインデクサと、 装置外部の露光ユニットと前記搬送手段との間で基板の
    受け渡しを行うインターフェイスと、をさらに備えるこ
    とを特徴とする基板処理装置。
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