JP2003183972A - 立体網状構造体 - Google Patents

立体網状構造体

Info

Publication number
JP2003183972A
JP2003183972A JP2001383484A JP2001383484A JP2003183972A JP 2003183972 A JP2003183972 A JP 2003183972A JP 2001383484 A JP2001383484 A JP 2001383484A JP 2001383484 A JP2001383484 A JP 2001383484A JP 2003183972 A JP2003183972 A JP 2003183972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bulk density
resin
filaments
net
elongation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001383484A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikiya Hayashibara
幹也 林原
Hideo Isoda
英夫 磯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001383484A priority Critical patent/JP2003183972A/ja
Publication of JP2003183972A publication Critical patent/JP2003183972A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】嵩密度を低くでき、従来の網状構造体の圧縮回
復性の耐久性を改善でき、安価で汎用性の高いクッショ
ンなどの用途に好適な立体網状構造体を提供する。 【解決手段】 弾性率が30〜4000MPa、破断伸
度が200〜600%、300%伸張回復率が20%以
上の熱可塑性樹脂を主成分とする複数の連続線条が、ラ
ンダムなループをなして相互に交差し、該線条がそれぞ
れの交差点及び接点の少なくとも一部で接合されてなる
立体網状構造体であり、JIS D 0205「自動車
部品の耐候性試験方法」による紫外線カーボンアーク灯
式耐光性試験後の圧縮残留ひずみ率が12%以下である
ことを特徴とする立体網状構造体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寝具、座席シート
などのクッション材に好適な立体的な網状構造体に関
し、さらに詳しくは、耐光性や圧縮回復性に優れた網状
構造体に関するものである。
【0002】
【従来技術】寝具、座席シートなどのクッション材は天
然素材を除きポリウレタン樹脂などを発泡硬化した発泡
体や熱可塑性樹脂の捲縮繊維を交絡したり、その交絡点
同士を熱接着した繊維集合体が汎用的に使用されてい
る。
【0003】前者のポリウレタン発泡体は耐久性に優
れ、しかも、安価であることからクッション材として各
方面に使用されている。しかし、透湿透水性が悪く、蓄
熱し易いために蒸れ易く、表層材などに工夫が必要とな
る。また、熱硬化性樹脂であるためリサイクルが困難
で、破棄する場合、焼却すると炉を傷めたり、有毒ガス
が発生するなどの問題が有り、埋め立てることが一般で
きであったが、その埋め立て場所も少なくなるという問
題がある。一方、後者の繊維集合体は安価であり、しか
も、透湿透水性が良いので蒸れが発生し難く、また、熱
可塑性樹脂なので、リサイクルが容易である。また、焼
却破棄でも高熱や有毒ガスが発生しないので、今後の更
なる発展が期待できるが、ポリウレタン発泡体に対し
て、耐久性がやや劣る問題がある。
【0004】この問題に対して、特開昭60-11352号公
報、特開昭61-141388号公報、特開昭61-141391号公報、
特開昭61-137732号公報のように捲縮していない単繊維
にゴム系、あるいは、架橋性ウレタンを接着点に付与し
たものであり、従来の繊維集合体に比べて回復性が改善
され、また、構造が粗いため、通気性も向上している。
しかし、単一組成でないため、リサイクル性に問題があ
る。
【0005】上記に類似した単一組成のものとして特開
昭47-44839号公報、特開昭58-93270号公報、特開昭48-9
5760号公報などにポリオレフィンなどの汎用エンジニア
リングプラスチックと呼ばれる熱可塑性樹脂の曲がった
複数の線条が交互の融着により接点を形成した網状構造
体が挙げられる。これらは熱可塑性樹脂の弾性率が高い
ため、クッションとしては硬く、また、線条の外径を細
くする、あるいは、嵩密度を小さくするなどの構造の変
更を加えて柔らかくしても、樹脂の伸度が小さく、ま
た、回復性が小さいので、容易に硬さや厚さが低下する
という「へたり」を生じる。なお、塩化ビニール樹脂は
これらの欠点を充足し得るもであるが、燃焼時に有毒ガ
スが発生する問題がある。
【0006】上記の問題に対して特開平07-068061号公
報などにソフトセグメントとして分子量300〜500
0のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ
−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ル等をブロック共重
合したポリエステル系エラストマ−、ポリアミド系エラ
ストマ−、ポリウレタン系エラストマ−などの熱可塑性
弾性樹脂(以下、熱可塑性エラストマー、あるいは、エ
ラストマーとも呼称する)の曲がった複数の線条が交互
の接合により接点を形成した網状構造体がある。このポ
リエステル系エラストマ−は耐熱性に優れ、寝具、座席
などのクッションに適用されつつある。しかし、このよ
うな熱可塑性弾性樹脂は、カバーや側地などに覆われて
使用される場合は特に問題はないが、直接に日光に曝さ
れる場合には、さらに圧縮回復性の耐久性を改善する必
要があり、また、嵩密度を低くし難く、高価であるなど
の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
に、嵩密度を低くでき、従来の網状構造体の圧縮回復性
の耐久性を改善でき、安価で汎用性の高いクッションな
どの用途に好適な立体網状構造体を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、弾性率
が30〜4000MPa、破断伸度が200〜600
%、300%伸張回復率が20%以上の熱可塑性樹脂を
主成分とする複数の連続線条が、ランダムなループをな
して相互に交差し、該線条がそれぞれの交差点及び接点
の少なくとも一部で接合されてなる立体網状構造体であ
り、JIS D 0205「自動車部品の耐候性試験方
法」による紫外線カーボンアーク灯式耐光性試験後の圧
縮残留ひずみ率が12%以下であることを特徴とする立
体網状構造体である。
【0009】本発明の第二は、前記の熱可塑性樹脂が炭
素数3のアルキレングリコールおよびテレフタル酸から
なるポリアルキレンテレフタレートであり、線条の線径
が0.2〜5mmで、網状構造体の厚さが5mm以上、
嵩密度が5〜100kg/m3であることを特徴とする
第一に記載の立体網状構造体である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いる熱可塑性樹脂は一
般にエンジニアプラスチックと呼ばれるナイロン6、ナ
イロン66に代表されるポリアミド系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートに代表
されるポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピ
レンに代表されるポリオレフィン系樹脂であり、弾性率
30〜4000MPa、破断伸度200〜600%、3
00%伸張回復率20%以上である。線条を形成する樹
脂の弾性率は、線条の径と連動した網状構造体の硬さよ
り決めるものであるが、弾性率は30〜4000MPa
が適度な硬さを得るのに適しており、50〜3000M
Paが着床、着座などにおける体型保持性から好まし
く、低嵩密度網状構造体を設計する観点からは、600
〜3000MPaが好ましく、更に好ましくは、150
0〜3000MPaである。
【0011】このような物性を充たす特に好適な熱可塑
性樹脂としては、炭素数3のアルキレングリコールおよ
びテレフタル酸からなるポリアルキレンテレフタレート
樹脂が挙げられ、この樹脂を用いることにより、網状構
造体を低嵩密度で、かつ、本文記載の耐光試験後の繰返
圧縮残留ひずみが12%以下にすることが可能であり、
さらには10%以下にすることができ、耐へたり性の耐
久性に優れた立体網状構造体の提供をしやすくする。
【0012】前記のポリアルキレンテレフタレート樹脂
としては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、トリメチ
レングリコールを主たるグリコール成分とするポリエス
テルが挙げられる。また、テレフタル酸成分の一部を他
の二官能性カルボン酸成分で置き換えたポリエステル、
グリコール成分の一部を主成分以外の上記グリコールも
しくは他のジオール成分で置き換えたポリエステルなど
が挙げられる。ここで使用できるテレフタル酸以外の二
官能性カルボン酸としてはイソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシジ
カルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オ
キシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸などの芳香族、脂肪族、脂環族
の二官能性カルボン酸が例示できる。
【0013】また、上記のグリコール成分以外のジオー
ル成分としてはエチレングリコール、テトラメチレング
リコール、ネオペンチルグリコールビスフェノールA、
ビスフェノールSなどの芳香族、脂肪族、脂環族のジオ
ール化合物やポリオキシアルキレングリコールなどが例
示できる。更に、ポリエステルが実質的に線上である範
囲でトリメリット酸、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトールなどのポリオールや5−ヒ
ドロキシイソフタル酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸
などの三官能以上のエステル形成基を有するモノマーを
使用することもできる。更に、上記の重合体または、共
重合体をブレンドすることも可能である。
【0014】更には、ソフトセグメントとして分子量3
00〜5000のポリエ−テル系グリコ−ル、ポリエス
テル系グリコ−ル、ポリカ−ボネ−ト系グリコ−ル等を
ブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリ
アミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−な
どの熱可塑性弾性樹脂とのブレンド物も可能である。ま
た、スチレンブタジエンゴムのような架橋性を有するも
のを添加することも可能である。
【0015】このような樹脂は網状構造体への適用に適
度な弾性率、破断伸度、300%伸張回復率を有してお
り、しかも、安価であるので良い。なお、上記の樹脂へ
必要に応じて,酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化ケ
イ素,酸化カルシウム,マイカ,金属微細粉,抗酸化
剤,難燃剤,帯電防止剤,紫外線吸収剤,吸湿剤など,
通常用いられる添加剤を配合しても良い。
【0016】立体的な網状構造体で適度な変形に対する
回復性とその耐久性のためには、破断伸度200〜60
0%、300%伸張回復率20%以上が適しており、破
断伸度200%未満、あるいは、300%伸張回復率2
0%未満の場合、網状構造体が変形すると接点が外れ易
く、へたりを生じ、一方、破断伸度が600%を越える
と適度な接点による拘束力が働かず、着床、着座などに
おける体型保持性が困難になる。
【0017】網状構造体が適度なクッション性を発現す
るには、線条の線径0.2〜5mm、厚さが5mm以
上、嵩密度が5〜100kg/m3 とすることが好まし
く、できる限り低密度化する場合は、嵩密度は5〜50
kg/m3 とすることが好ましく、5〜30kg/m3
とすることがより好ましい。
【0018】線条の線径が0.2mmより小さいと適度
な硬さが得られず、また、線径が5mmを越えると凹凸
感を感じてしまうため、線径0.4〜2.0mmが好ま
しく、線径0.4〜1.2mm程度がより好ましい。な
お、線条の断面形状は丸や星形、矩形、轡十文字などの
異形も適用できる。また、風合いや適度な硬さや回復性
を付与するに当たり局所的に線条の線径や断面形状を変
えることも可能である。
【0019】厚さはクッションとして適用する場合は、
少なくと5mm以上が必要である。単体で用いる場合、
10mm以上が好ましく、15mm以上がより好まし
い。但し、可搬性を考慮すると厚さ100mm以下であ
ることが好ましい。なお、風合いや使用に当たり厚さや
形状を変えることも可能である。
【0020】嵩密度は得られるクッション性や重量など
を考慮すると5〜100kg/m3 が良く、5kg/m
3 未満では網状構造が得られず、100kg/m3 を越
えると重量が大きく、クッション材としても硬くなりす
ぎ、可搬性も悪くなる。また、風合いや適度な硬さや回
復性を付与するに当たり局所的に嵩密度を変更すること
も可能である。
【0021】なお、網状構造体の静的な圧縮弾性率は凡
そ下記の式(1)より求まるので、本式を用いてクッシ
ョン性を設計することが好ましい。
【0022】
【数1】
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例、ならびに、本文中、
及び、実施例中の評価方法について記述する。
【0024】(1)融点(Tm)およびガラス転移点温
度(Tg) 島津製作所社製TA50、DSC50型示差熱分析計に
て昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から融点及
びガラス転移点温度を求めた。
【0025】(2)固有粘度(IV:dl/g) フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比、溶
解時80℃)溶媒にポリマーを熔解し、ウベローデ粘度
管(測定時30℃)を使用した落下時間をブランク溶液
の落下時間で除した値についてポリマー濃度を変化さ
せ、ポリマー濃度が0となる値を固有粘度として求め
た。
【0026】(3)弾性率と破断伸度 JIS K 7113「プラスチックの引張試験方法」
に準拠し、2号形試験片(変形速度100%)により弾
性率と破断伸度を求めた。
【0027】(4)300%伸張回復率 JIS K 7113「プラスチックの引張試験方法」
に準拠し、2号形試験片(変形速度100%)で伸度3
00%を付与後に伸度0%に戻し、2分間経過後に伸張
した際に、再び応力が発現する伸度を伸度300%から
差し引き、その値を伸度300%で除した値を百分率で
示したもの。
【0028】(5)網状構造体の線条の線径 線条の線経を押し潰さないように留意してノギスで計測
した。
【0029】(6)耐光試験 JIS D 0205「自動車部品の耐候性試験方法」
の紫外線カーボンアーク灯式耐光性試験に準じ、下記の
条件で行なった。
【0030】(7)繊維集合体の各物性 JIS K 6400「軟質ウレタンフォーム試験方
法」に準拠し、繊維集合体の厚さ、嵩密度、ならびに、
厚さ25%の変形時応力を硬さとして、また、繰返圧縮
残留ひずみ(%):A法(以下、残ひずみ)とその試料
に関する硬さの低下率(以下、硬さ低下率%)を耐久性
として求めた。
【0031】(8)座り心地 □400mmに切断した網状構造体を東洋紡績社製ハイ
ムからなるポリエステルモケットで被った座布団を汎用
の事務イスに敷設し、30℃RH75%室内でパネラ−
を座らせ以下の評価をおこなった。 硬さ感 座った時の硬さの程度を定性的に評価した。 硬い :− 普通 :0 柔らかい :+ 反発感 座った時、あるいは、座り直す時、あるいは、立ち上が
る時のクッ ションの追従性を定性的に評価した。 強く感じる:− 適当 :0 弱く感じる:+
【0032】実施例1 ポリトリメチレンテレフタレート(IV≒1.2dl/
g、Tm≒225℃、Tg≒75℃)を溶融状態(樹脂
温度約245℃)で複数のオリフィス(孔径φ1mm、
孔間ピッチ6mm−千鳥配列、厚さ方向13列、幅方向
170/171列)より単孔1.0g/分で鉛直方向に
吐出させて複数の溶融状態の線条をオリフィス鉛直下に
配された冷却水上で線条の線速度より充分遅く引取るこ
とによって螺旋を形成させた。なお、冷却水を配した所
には幅150cmの平行な一対のステンレス製エンドレ
スネットの引取り機構を設けており、この引取り機構に
より螺旋の線条が溶融状体で交互に融着させて後、冷却
することで厚さ5cm、幅100cm、そして、切断に
より長さ100cm、嵩密度15kg/m3 の立体的な
網状構造物を得た。
【0033】実施例2 ポリブチレンテレフタレート(IV≒1.0dl/g、
Tm≒225℃、Tg≒25℃)にジメチルテレフタレ
ートと1,4−ブタンジオールおよび数平均分子量約1
000のポリ(テトラメチレン)グリコールに少量の触
媒、抗酸化剤を添加し、常法によりエステル交換反応を
行わせた後、昇温減圧下で縮重合させて得たポリブチレ
ンテレフタレート/ポリ(テトラメチレン)グリコール
≒75重量%/25重量%の熱可塑性弾性樹脂(IV≒
2.1dl/g、Tm≒210℃)を60質量%、ポリ
トリメチレンテレフタレート(IV≒1.2dl/g、
Tm≒225℃、Tg≒75℃)に溶融混合した樹脂
(混合樹脂1)を使用すること、また、得られた網状構
造体に120℃、10分間の熱処理を施すこと、以外は
同じ方法で厚さ5cm、幅100cm、切断による長さ
100cm、嵩密度80kg/m3の立体的な網状構造
物である。
【0034】実施例3 ポリエチレンテレフタレート(IV≒0.8dl/g、
Tm≒255℃、Tg≒75℃)にジメチルナフタレー
トと1,4−ブタンジオールおよび数平均分子量約10
00のポリ(テトラメチレン)グリコールに少量の触
媒、抗酸化剤を添加し、常法によりエステル交換反応を
行わせた後、昇温減圧下で縮重合させて得たポリブチレ
ンテレフタレート/ポリ(テトラメチレン)グリコール
≒75重量%/25重量%の熱可塑性弾性樹脂(IV≒
2.1dl/g、Tm≒210℃)を60質量%、ポリ
トリメチレンテレフタレート(IV≒1.2dl/g、
Tm≒225℃、Tg≒75℃)に溶融混合した樹脂
(混合樹脂2)を使用すること、270℃で溶融状態に
すること、また、得られた網状構造体に120℃、10
分間の熱処理を施すこと、以外は同じ方法で厚さ5c
m、幅100cm、切断による長さ100cm、嵩密度
75kg/m3の網状構造物を得た。
【0035】
【比較例1】ジメチルテレフタレートと1,4−ブタン
ジオールおよび数平均分子量約1000のポリ(テトラ
メチレン)グリコールに少量の触媒、抗酸化剤を添加
し、常法によりエステル交換反応を行わせた後、昇温減
圧下で縮重合させて得たポリブチレンテレフタレート/
ポリ(テトラメチレン)グリコール≒85重量%/15
重量%の熱可塑性弾性樹脂(IV≒2.1dl/g、T
m≒220℃)であること、また、得られた網状構造体
に120℃、10分間の熱処理を施すこと、以外は同じ
方法で厚さ5cm、幅100cm、切断による長さ10
0cmの嵩密度80kg/m3の網状構造物を得た。
【0036】比較例2 ポリブチレンテレフタレート(IV≒1.0dl/g、
Tm≒225℃、Tg≒25℃)を240℃で溶融状態
にすること以外は同じ方法で厚さ5cm、幅100c
m、切断による長さ100cmの嵩密度15kg/m3
の網状構造物を得た。
【0037】比較例3 ポリエチレンテレフタレート(IV≒0.8dl/g、
Tm≒255℃、Tg≒75℃)を270℃で溶融状態
にすること以外は同じ方法で厚さ5cm、幅100c
m、切断による長さ100cmの嵩密度15kg/m3
の網状構造物を得た。
【0038】下記に記載する実施例1〜3ならびに比較
例1〜3で得た試料に関する評価結果を表1に記載す
る。
【0039】
【表1】
【0040】硬さはクッション性能の基本的な値で、寝
具などでは200N/φ200mm程度、座席用などは
100〜600N/φ200、緩衝材や敷物用などは1
00〜800N/φ200mmが目処で、厚さにもよる
が、座り心地の硬さに凡そ、反映される。
【0041】残留ひずみと硬さ低下は長期間使用する
と、次第に厚さ、硬さが低下したりすると云う「へた
り」を示すもので残留ひずみは単純に増加し、硬さ低下
率は増加の後、完全に押し潰されると減少する。なお、
実施例1ならびに比較例1〜3の厚さと硬さは共に低下
し、「へたり」が生じているが実施例1〜3と比較例1
が同程度の「へたり」であるのに対して、比較例2と比
較例3は「へたり」が大きいことを示している。
【0042】反発感は着座した状態で体を動かす時のク
ッションの追従性を示すもので、樹脂の回復性が大きい
方がよく追従する。なお、実施例1〜3と比較例1が同
程度の反発感であるのに対して、比較例2と比較例3は
反発感が弱いことを示している。
【0043】これらの結果をまとめると、以下のように
なる。実施例1は適度な弾性率と回復性を有した樹脂を
使用しているため、小さい嵩密度で適度な硬さと回復性
を有したクッション特性が得られ、しかも、耐光性に優
れている。
【0044】実施例2と3は、樹脂の弾性率が小さいた
め嵩密度が大きくなる。しかし、適度な回復性を有した
クッション特性が得られ、しかも、耐光性に優れてい
る。
【0045】比較例1は熱可塑性弾性樹脂のみを使用し
た網状構造体である。実施例に対して、樹脂の弾性率が
小さいため嵩密度が大きくなるが、適度な回復性を有し
たクッション特性が得られる。しかし、耐光性に問題が
ある。
【0046】比較例2と3は適度な弾性率は有するが、
回復性に劣る樹脂を使用した網状構造体である。そのた
め、適度な硬さは有するが回復性に問題がある。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、嵩密度を低くでき、従
来の網状構造体の圧縮回復性の耐久性を改善でき、安価
で汎用性の高いクッションなどの用途に好適な立体網状
構造体を提供することができ、クッション用途以外に
も、水切り材、植物の根を支える材料などの産業資材や
衝撃緩衝材などの工業資材などへの適用も充分に可能で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性率が30〜4000MPa、破断伸
    度が200〜600%、300%伸張回復率が20%以
    上の熱可塑性樹脂を主成分とする複数の連続線条が、ラ
    ンダムなループをなして相互に交差し、該線条がそれぞ
    れの交差点及び接点の少なくとも一部で接合されてなる
    立体網状構造体であり、JIS D 0205「自動車
    部品の耐候性試験方法」による紫外線カーボンアーク灯
    式耐光性試験後の圧縮残留ひずみ率が12%以下である
    ことを特徴とする立体網状構造体。
  2. 【請求項2】 前記の熱可塑性樹脂が炭素数3のアルキ
    レングリコールおよびテレフタル酸からなるポリアルキ
    レンテレフタレートであり、線条の線径が0.2〜5m
    mで、網状構造体の厚さが5mm以上、嵩密度が5〜1
    00kg/m3であることを特徴とする請求項1に記載
    の立体網状構造体。
JP2001383484A 2001-12-17 2001-12-17 立体網状構造体 Pending JP2003183972A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383484A JP2003183972A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 立体網状構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383484A JP2003183972A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 立体網状構造体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003183972A true JP2003183972A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27593516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001383484A Pending JP2003183972A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 立体網状構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003183972A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013088737A1 (ja) * 2011-12-14 2013-06-20 株式会社シーエンジ 三次元網状構造体
JP2017078238A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 帝人フロンティア株式会社 立体網状構造体および繊維製品

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0768061A (ja) * 1993-02-26 1995-03-14 Toyobo Co Ltd クッション用網状構造体及び製法
JPH07238454A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Toyobo Co Ltd 複合網状体、その製法及びそれを使った製品
JPH07238455A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Toyobo Co Ltd 複合弾性網状体とその製法及びそれを用いた製品
JPH07279175A (ja) * 1994-04-13 1995-10-24 Toyobo Co Ltd 立体網状構造体
JPH0838679A (ja) * 1994-07-29 1996-02-13 Toyobo Co Ltd スキー用マット
JPH11200221A (ja) * 1998-01-05 1999-07-27 Teijin Ltd 衝撃緩衝性能の改善された不織布構造体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0768061A (ja) * 1993-02-26 1995-03-14 Toyobo Co Ltd クッション用網状構造体及び製法
JPH07238454A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Toyobo Co Ltd 複合網状体、その製法及びそれを使った製品
JPH07238455A (ja) * 1994-02-25 1995-09-12 Toyobo Co Ltd 複合弾性網状体とその製法及びそれを用いた製品
JPH07279175A (ja) * 1994-04-13 1995-10-24 Toyobo Co Ltd 立体網状構造体
JPH0838679A (ja) * 1994-07-29 1996-02-13 Toyobo Co Ltd スキー用マット
JPH11200221A (ja) * 1998-01-05 1999-07-27 Teijin Ltd 衝撃緩衝性能の改善された不織布構造体

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013088737A1 (ja) * 2011-12-14 2013-06-20 株式会社シーエンジ 三次元網状構造体
KR20140101794A (ko) * 2011-12-14 2014-08-20 씨엔 컴퍼니 리미티드 삼차원망상구조체
CN103998668A (zh) * 2011-12-14 2014-08-20 喜恩吉股份有限公司 立体网状结构
KR20140101793A (ko) * 2011-12-14 2014-08-20 씨엔 컴퍼니 리미티드 삼차원망상구조체
CN104024511A (zh) * 2011-12-14 2014-09-03 喜恩吉股份有限公司 立体网状结构
JPWO2013088737A1 (ja) * 2011-12-14 2015-04-27 株式会社シーエンジ 三次元網状構造体
JP2017014681A (ja) * 2011-12-14 2017-01-19 株式会社シーエンジ 三次元網状構造体
KR101722932B1 (ko) * 2011-12-14 2017-04-04 씨엔 컴퍼니 리미티드 삼차원망상구조체
KR101722929B1 (ko) * 2011-12-14 2017-04-04 씨엔 컴퍼니 리미티드 삼차원망상구조체
US9918560B2 (en) 2011-12-14 2018-03-20 C-Eng Co., Ltd. Three-dimensional net-like structure
JP2017078238A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 帝人フロンティア株式会社 立体網状構造体および繊維製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20150122685A (ko) 압축 내구성이 우수한 망상 구조체
TW201350423A (zh) 消音性與硬度優異之彈性網狀構造體
KR102148214B1 (ko) 압축 내구성이 우수한 망상 구조체
EP0603853B1 (en) Structured fiber material and its production
JPH08318066A (ja) クッション構造体
JP2003183972A (ja) 立体網状構造体
JP2004244740A (ja) 敷マット
JP2013091862A (ja) 網状構造体
JP2001226863A (ja) 繊維構造体
JP5966472B2 (ja) 振動吸収性の高い弾性網状構造体
JP3314837B2 (ja) 異密度網状構造体及びその製造方法
JP3344511B2 (ja) 網状構造体及びその製造法
JP4187541B2 (ja) 多層吸音構造体
EP3889332B1 (en) Net-shaped structure body
JP3596623B2 (ja) 座席及び製法
JP3344514B2 (ja) 多成分網状構造体及びその製法
JPH04240219A (ja) クッション材
JP3314838B2 (ja) 熱接着性網状構造体及びその製造法
JP4237913B2 (ja) ワディング材
JPH11200221A (ja) 衝撃緩衝性能の改善された不織布構造体
JP3589307B2 (ja) 座席と製法
JPH06306708A (ja) エラストマ−系熱接着複合繊維とその製法
JP3211074U (ja) 天井用緩衝材
JP3430442B2 (ja) 網状構造体及びその製法
JP2553272B2 (ja) クッション構造体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070726