JP2003183962A - ポリアクリロニトリル系炭素繊維シート、及びその製造法 - Google Patents

ポリアクリロニトリル系炭素繊維シート、及びその製造法

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JP2003183962A
JP2003183962A JP2001381453A JP2001381453A JP2003183962A JP 2003183962 A JP2003183962 A JP 2003183962A JP 2001381453 A JP2001381453 A JP 2001381453A JP 2001381453 A JP2001381453 A JP 2001381453A JP 2003183962 A JP2003183962 A JP 2003183962A
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carbon fiber
based carbon
polyacrylonitrile
pan
fiber sheet
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Kenji Shimazaki
賢司 島崎
Shintaro Tanaka
慎太郎 田中
Yusuke Takami
祐介 高見
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Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Tenax Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用、又は加工するに際し、場所をとること
なく、軽量であり、強度が高く、且つ、撥水処理等の樹
脂処理をするに当たって、片面のみを処理する場合、裏
面への樹脂滲み出しが防止されたポリアクリロニトリル
(PAN)系炭素繊維シートを提供する。 【解決手段】 繊維軸を一方向に沿って開繊したPAN
系炭素繊維開繊体4と、前記開繊体4の片面又は両面に
積重したPAN系炭素繊維不織布又はウェッブ6、8
と、前記開繊体4の繊維と前記不織布又はウェッブ6、
8の繊維とを厚さ方向に交絡させる交絡炭素繊維10と
からなるPAN系炭素繊維シート2であって、目付が1
5〜250g/m2、長さ方向の引張強度が78以上、
長さ方向の引張伸度が1.5〜10%、長さ方向の引張
り強度と目付との比が1.7〜10.5であるPAN系
炭素繊維シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度のポリアク
リロニトリル(PAN)系炭素繊維シートに関し、更に
詳述すれば、本発明は、耐熱性、断熱性に優れ、通電性
があり電極材等に応用されるPAN系炭素繊維シート、
及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】シート状のPAN系炭素繊維不織布は、
耐熱性、断熱性に優れ、通電性があるので、電極材等に
応用されている。別タイプのシート状のものとしては織
物タイプがあるが、この織物タイプに比べ上記不織布タ
イプのものは低コストで製造できる。特に薄いシート状
のPAN系炭素繊維不織布は、高分子燃料電池用電極材
等の炭素繊維材料として有用な素材である。
【0003】このような素材としては、従来よりニード
ルパンチ法又はウォータージェット法により製造する酸
化繊維不織布を炭素化した素材がある。
【0004】低目付で厚さの薄い炭素繊維不織布は、場
所をとらず軽量である。しかし、この低目付で厚さの薄
い炭素繊維不織布は、引張強度が低く、脆い。更に、こ
れを高分子燃料電池用電極材に用いる場合には、その片
面に撥水処理等の樹脂処理をする必要があるがその場
合、樹脂が裏面に滲み出し易いという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、解決すべ
き上記問題について鋭意検討した結果、PAN系酸化繊
維不織布又はウェッブと、繊維軸を一方向に沿って開繊
したPAN系炭素繊維開繊体とを重ね合わせ、ニードル
パンチ法又はウォータージェット法などの繊維交絡装置
により厚さ方向に交絡させることにより、これらが一体
化したPAN系酸化繊維シートが得られ、このPAN系
酸化繊維シートを炭素化することにより、強度が向上さ
れると共に、片面樹脂処理時の裏面への樹脂滲み出しが
防止されたPAN系炭素繊維シートが得られることを知
得し、本発明を完成するに至った。
【0006】従って、本発明の目的とするところは、上
記問題を解決したPAN系炭素繊維シート、及びその製
造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、以下に記載するものである。
【0008】〔1〕 繊維軸を一方向に沿って開繊した
ポリアクリロニトリル系炭素繊維開繊体と、前記開繊体
の片面又は両面に積重したポリアクリロニトリル系炭素
繊維不織布又はウェッブと、前記開繊体の繊維と前記不
織布又はウェッブの繊維とを厚さ方向に交絡させる交絡
炭素繊維とからなるポリアクリロニトリル系炭素繊維シ
ートであって、目付(W(g/m2))と長さ方向の引
張強度(S(N/cm))とが、 S/W=1.7〜10.5 15≦W≦250 S≧78 の関係を満足し、且つ長さ方向の引張伸度が1.5〜1
0%であるポリアクリロニトリル系炭素繊維シート。
【0009】〔2〕 繊維軸を一方向に沿って開繊した
ポリアクリロニトリル系炭素繊維開繊体の片面又は両面
に、ポリアクリロニトリル系酸化繊維不織布又はウェッ
ブを積重し、次いで前記開繊体の繊維と前記不織布又は
ウェッブの繊維とを厚さ方向に交絡させて一体化させて
ポリアクリロニトリル系炭素繊維強化酸化繊維シートを
得、得られた炭素繊維強化酸化繊維シートを炭素化させ
ることを特徴とするポリアクリロニトリル系炭素繊維シ
ートの製造法。
【0010】〔3〕 ポリアクリロニトリル系炭素繊維
開繊体の目付が5〜35g/m2である〔2〕に記載の
ポリアクリロニトリル系炭素繊維シートの製造法。
【0011】〔4〕 ポリアクリロニトリル系酸化繊維
不織布又はウェッブの目付が10〜140g/m2であ
る〔2〕に記載のポリアクリロニトリル系炭素繊維シー
トの製造法。
【0012】〔5〕 ポリアクリロニトリル系炭素繊維
強化酸化繊維シートの目付(W(g/m2))と、ポリ
アクリロニトリル系炭素繊維開繊体の目付(W1(g/
2))とが、 W1/W=0.08〜0.35 の関係を満足する〔2〕に記載のポリアクリロニトリル
系炭素繊維シートの製造法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。
【0014】図1は本発明のポリアクリロニトリル(P
AN)系炭素繊維シートの一例を示す概略断面図であ
る。
【0015】このPAN系酸化繊維シート2は、繊維軸
を一方向に沿って開繊したPAN系炭素繊維開繊体4の
両面に、PAN系酸化繊維不織布又はウェッブ6、8が
積重されてなる。
【0016】開繊体4の繊維と、不織布又はウェッブ
6、8の繊維とについては、図1に示すようにシートの
厚さ方向に交絡炭素繊維10が刺込まれており、交絡炭
素繊維10は、開繊体4と、不織布又はウェッブ6、8
を完全に貫通し又は途中まで刺込み即ちこれらの操作に
より交絡して、開繊体4と、不織布又はウェッブ6、8
とが一体化している。
【0017】上記PAN系炭素繊維シートの製造法を、
図2を参照して以下説明する。
【0018】図2は本発明のPAN系炭素繊維シートの
製造時における炭素化前のPAN系炭素繊維強化酸化繊
維シートの一例を示す概略断面図である。
【0019】このPAN系炭素繊維強化酸化繊維シート
12は、繊維軸を一方向に沿って開繊したPAN系炭素
繊維開繊体14の両面に、PAN系酸化繊維不織布又は
ウェッブ16、18が積重されてなる。
【0020】開繊体14の繊維と、不織布又はウェッブ
16、18の繊維については、図2に示すようにシート
の厚さ方向に交絡した炭素繊維又は酸化繊維の交絡繊維
20が刺込まれており、この交絡繊維20は開繊体14
と、不織布又はウェッブ16、18とを完全に貫通し又
は途中まで刺込み即ちこれらの操作により交絡して、開
繊体14と、不織布又はウェッブ16、18とが一体化
している。
【0021】上記不織布又はウェッブ16、18を構成
するPAN系酸化繊維は、例えば、PAN系プリカーサ
ーを空気中で、初期酸化温度220〜250℃で10〜
60分酸化処理後、温度勾配0.2〜0.9℃/min
で最高温度250〜280℃まで酸化処理することによ
り得ることができ、このPAN系酸化繊維は従来の何れ
のものでも使用できる。PAN系酸化繊維の、適正な比
重は1.36〜1.44、適正な繊度は0.5〜4.0
dtexである。
【0022】また、上記PAN系炭素繊維は、例えば、
上記PAN系酸化繊維を、不活性ガス雰囲気下に加熱
し、連続的に炭素化することにより得ることができる。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を用
いることができる。炭素化温度は1300〜2500℃
が好ましい。
【0023】以下、図3を参照して、本発明のPAN系
炭素繊維シートの製造法について説明する。
【0024】図3において、22は開繊処理前のPAN
系炭素繊維トウであり、24は開繊処理中のPAN系炭
素繊維トウであり、26は開繊処理後の即ち一体化前の
PAN系炭素繊維開繊体である。開繊処理自体は当業者
に公知の技術である。
【0025】上記PAN系炭素繊維強化酸化繊維シート
に用いる繊維軸を一方向に沿って開繊したPAN系炭素
繊維開繊体26は、目付が5〜35g/m2であること
が好ましい。
【0026】開繊体26の目付が5g/m2未満の場合
は、得られるPAN系炭素繊維強化酸化繊維シートの強
度が低く、伸びやすくなる。このため、得られるPAN
系炭素繊維強化酸化繊維シートは、寸法安定性が悪く、
これを用いて製造するPAN系炭素繊維シートは後加工
中に切断や変形を生じ易いので好ましくない。
【0027】開繊体26の目付が35g/m2を超える
場合は、得られるPAN系炭素繊維強化酸化繊維シー
ト、及びこれを用いて製造するPAN系炭素繊維シート
が大きく且つ重くなり過ぎるため、場所をとるなど取扱
いにくくなるので好ましくない。
【0028】次いで、図4に示すように開繊体14(図
3では開繊体26)の両面にPAN系酸化繊維不織布又
はウェッブ16、18を積重する。PAN系酸化繊維不
織布又はウェッブ16、18は、目付が10〜140g
/m2であることが好ましい。
【0029】この不織布又はウェッブ16、18として
は、例えば、PAN系酸化繊維を定長カットした綿をカ
ード加工して得られるウェッブを用いても良いし、この
ウェッブを、ニードルパンチ法により、又はウォーター
ジェット法において連続的に水流によりパンチングして
得られる不織布を用いても良い。
【0030】その後、前記積重したPAN系炭素繊維開
繊体14と、PAN系酸化繊維不織布又はウェッブ1
6、18とを常法によりパンチングして本発明の中間加
工品のPAN系炭素繊維強化酸化繊維シートを得るもの
である。
【0031】以上のようにして得られるPAN系炭素繊
維強化酸化繊維シートを、不活性ガス雰囲気下に加熱
し、連続的に炭素化することにより本発明のPAN系炭
素繊維シートを得る。
【0032】不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘ
リウム等を用いることができる。
【0033】炭素化温度は1300〜2500℃が好ま
しい。炭素化温度が1300℃より低い場合は、電気抵
抗値が増加するので好ましくない。炭素化温度が250
0℃より高い場合は、電気抵抗値は低下して安定する
が、PAN系炭素繊維シートの強度が低下する、並び
に、炭素微粉末が発生するなどの不具合を生ずるので好
ましくない。
【0034】本発明のPAN系炭素繊維シートは、目付
(W)が15〜250g/m2、長さ方向の引張強度
(S)が78N/cm以上、更に好ましくは80〜30
0N/cm、長さ方向の引張伸度が1.5〜10%、且
つ長さ方向の引張り強度と目付との比(S/W)が1.
7〜10.5、更に好ましくは3.9〜8.8であるこ
とが好ましい。
【0035】また、本発明のPAN系炭素繊維シートの
中間加工品であるPAN系炭素繊維強化酸化繊維シート
の目付(W(g/m2))と、PAN系炭素繊維開繊体
の目付(W1(g/m2))とが、 W1/W=0.08〜0.35 の関係を満足することが好ましい。
【0036】この範囲への調節は、一体化する前のPA
N系酸化繊維不織布又はウェッブの目付やPAN系炭素
繊維開繊体の目付を調節すること、及び/又は、一体化
時のニードルパンチ条件やウォータージェット加工条件
を調節することにより行うことができる。
【0037】なお、上記製造法においては、PAN系炭
素繊維強化酸化繊維シートは、PAN系炭素繊維開繊体
の両面にPAN系酸化繊維不織布又はウェッブが積重さ
れているが、これに限られず上記開繊体の片面のみに上
記不織布又はウェッブが積重されて製造されていても良
い。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例及び比較例により詳述
する。
【0039】以下の実施例及び比較例の条件により酸化
繊維シートを作製した。原料酸化繊維、炭素繊維開繊
体、酸化繊維不織布又はウェッブ、酸化繊維シート、及
び炭素繊維シートの諸物性値を、以下の方法により測定
した。
【0040】比重:液置換法(JIS R−7601、
置換液:エチルアルコール)により測定した。
【0041】厚さ:直径30mmの円形圧板で200g
の荷重(2.8kPa)時の厚さを測定した。
【0042】酸化繊維シート及び炭素繊維シートの性
能:引張り強度、引張り伸度はJISL−1096によ
り測定した。
【0043】目付:単位面積当たりの質量と、上記条件
により測定した厚さより算出した。
【0044】樹脂の滲み出し状態:ポリビニルアルコー
ル(PVA:分子量2000)の水溶液(粘度10Pa
・s)を用い、20cm角の炭素繊維シートの片面(上
面)に、20〜28℃の温度、100〜150gの塗布
量の範囲で均一に塗布した後、25℃の温度に1時間放
置後の反対面(裏面)の樹脂の滲み出し状態を観察し
た。
【0045】実施例1 PAN系酸化繊維(繊度2dtex、比重1.39)の
カットファイバー(51mm)をカーディングし、目付
30g/m2、幅1.0mのウェッブを得た。また、P
AN系炭素繊維トウ(繊度1dtex、フィラメント数
9万本、フィラメント引張強度4.0GPa)を、繊維
軸を一方向に沿って開繊処理し、目付6g/m2、幅
1.0mの炭素繊維開繊体を得た。この開繊体と、上記
ウヱッブとを重ね合わせた後、連続的にニードルパンチ
法によりパンチング処理(パンチング数150回/in
2(150回/(2.54cm)2))し、厚さ方向に繊維
を完全に貫通させ又は途中まで刺込み、即ちこれらの操
作により繊維が交絡し、開繊体とウェッブとが一体化さ
れた、目付が36g/m2、厚さが0.4mm、長さ方
向の引張り強度が118N/cm、長さ方向の引張り伸
度が3.5%のPAN系炭素繊維強化酸化繊維シートを
得た。
【0046】この酸化繊維シートを、窒素雰囲気下、処
理温度1900℃で連続的に炭素化し、PAN系炭素繊
維シートを得た。なお、炭素繊維開繊体の目付と炭素繊
維強化酸化繊維シートの目付との比(W1/W)は0.
25であった。
【0047】得られたPAN系炭素繊維シートは、目付
が24g/m2、厚さが0.4mm、長さ方向の引張り
強度が137N/cm、長さ方向の引張り伸度が2.3
%、長さ方向の引張り強度と目付との比(S/W)が
5.7であり、良好な物性のシートであった。
【0048】また、反対面への樹脂の滲み出し状態を観
察した結果、滲み出しは認められなかった。
【0049】比較例1 PAN系酸化繊維(繊度2dtex、比重1.39)の
カットファイバー(51mm)をカーディングし、目付
40g/m2、幅1.0mのウェッブを得た。この不織
布を、連続的にニードルパンチ法によりパンチング処理
(パンチング数150回/in2(150回/(2.54
cm)2))し、厚さ方向に繊維を完全に貫通させ又は途
中まで刺込み、即ちこれらの操作により繊維が交絡し
た、目付が40g/m2、厚さが0.5mm、長さ方向
の引張り強度が7.8N/cm、長さ方向の引張り伸度
が37%のPAN系酸化繊維シートを得た。
【0050】この酸化繊維シートを、窒素雰囲気下、処
理温度1900℃で連続的に炭素化し、PAN系炭素繊
維シートを得た。
【0051】得られたPAN系炭素繊維シートは、目付
が24g/m2、厚さが0.5mm、長さ方向の引張り
強度が15N/cm、長さ方向の引張り伸度が32%、
長さ方向の引張り強度と目付との比(S/W)が0.6
1であり、良好な物性のシートではなかった。
【0052】また、反対面への樹脂の滲み出し状態を観
察した結果、滲み出しが観察された。
【0053】実施例2 PAN系酸化繊維(繊度2dtex、比重1.39)の
カットファイバー(51mm)をカーディングし、目付
30g/m2、幅1.0mのウェッブを得た。また、P
AN系炭素繊維トウ(繊度2dtex、フィラメント数
9万本)を、繊維軸を一方向に沿って開繊処理し、目付
20g/m2、幅1.0mの炭素繊維開繊体を得た。こ
の開繊体の上層及び下層に上記ウヱッブを重ね合わせた
後、連続的にニードルパンチ法によりパンチング処理
(パンチング数150回/in2(150回/(2.54
cm)2))し、厚さ方向に繊維を完全に貫通させ又は途
中まで刺込み、即ちこれらの操作により繊維が交絡し、
開繊体とウェッブとが一体化された、目付が80g/m
2、厚さが0.5mm、長さ方向の引張り強度が44N
/cm、長さ方向の引張り伸度が32%のPAN系炭素
繊維強化酸化繊維シートを得た。
【0054】この酸化繊維シートを、窒素雰囲気下、処
理温度1900℃で連続的に炭素化し、PAN系炭素繊
維シートを得た。なお、炭素繊維開繊体の目付と炭素繊
維強化酸化繊維シートの目付との比(W1/W)は0.
41であった。
【0055】得られたPAN系炭素繊維シートは、目付
が49g/m2、厚さが0.5mm、長さ方向の引張り
強度が118N/cm、長さ方向の引張り伸度が2.8
%、長さ方向の引張り強度と目付との比(S/W)が
2.4であり、実施例1のシートほどではないが、良好
な物性のシートであった。
【0056】また、反対面への樹脂の滲み出し状態を観
察した結果、滲み出しは認められなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明のPAN系炭素繊維シートは、繊
維軸を一方向に沿って開繊したPAN系炭素繊維開繊体
で強化しているので引張り強度が高い。更に、使用、又
は加工するに際し、場所をとることなく、軽量であり、
強度が高く、且つ、撥水処理等の樹脂処理をするに当た
って、片面のみを処理する場合、裏面への樹脂滲み出し
が防止されたシートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPAN系炭素繊維シートの一例を示す
概略断面図である。
【図2】本発明のPAN系炭素繊維シートの中間加工品
であるPAN系炭素繊維強化酸化繊維シートの一例を示
す概略断面図である。
【図3】本発明のPAN系炭素繊維シートの中間加工品
であるPAN系炭素繊維強化酸化繊維シートに用いるP
AN系炭素繊維トウ及び開繊体であって、その開繊処理
前、開繊処理中、及び開繊処理後を示す概略断面図であ
る。
【図4】開繊体と不織布の積重時のPAN系炭素繊維強
化酸化繊維シートの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
2 PAN系炭素繊維シート 4 PAN系炭素繊維開繊体 6、8 PAN系炭素繊維不織布 10 厚さ方向交絡炭素繊維 12 PAN系酸化繊維シート 14 PAN系炭素繊維開繊体 16、18 PAN系酸化繊維不織布 20 厚さ方向に交絡した炭素繊維又は酸化繊維の交
絡繊維 22 開繊処理前のPAN系炭素繊維トウ 24 開繊処理中のPAN系炭素繊維トウ 26 開繊処理後のPAN系炭素繊維開繊体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見 祐介 静岡県駿東郡長泉町上土狩234 東邦テナ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4L037 AT05 CS03 FA01 FA02 FA17 PA53 PC11 UA04 UA06 UA07 UA20 4L047 AA03 AA17 AB02 AB03 AB04 BA03 BA04 BD02 CA05 CB01 5H018 AA06 BB01 DD05 DD08 DD10 EE05 5H026 AA06 BB01 BB02 CX03 EE05 HH00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維軸を一方向に沿って開繊したポリア
    クリロニトリル系炭素繊維開繊体と、前記開繊体の片面
    又は両面に積重したポリアクリロニトリル系炭素繊維不
    織布又はウェッブと、前記開繊体の繊維と前記不織布又
    はウェッブの繊維とを厚さ方向に交絡させる交絡炭素繊
    維とからなるポリアクリロニトリル系炭素繊維シートで
    あって、目付(W(g/m2))と長さ方向の引張強度
    (S(N/cm))とが、 S/W=1.7〜10.5 15≦W≦250 S≧78 の関係を満足し、且つ長さ方向の引張伸度が1.5〜1
    0%であるポリアクリロニトリル系炭素繊維シート。
  2. 【請求項2】 繊維軸を一方向に沿って開繊したポリア
    クリロニトリル系炭素繊維開繊体の片面又は両面に、ポ
    リアクリロニトリル系酸化繊維不織布又はウェッブを積
    重し、次いで前記開繊体の繊維と前記不織布又はウェッ
    ブの繊維とを厚さ方向に交絡させて一体化させてポリア
    クリロニトリル系炭素繊維強化酸化繊維シートを得、得
    られた炭素繊維強化酸化繊維シートを炭素化させること
    を特徴とするポリアクリロニトリル系炭素繊維シートの
    製造法。
  3. 【請求項3】 ポリアクリロニトリル系炭素繊維開繊体
    の目付が5〜35g/m2である請求項2に記載のポリ
    アクリロニトリル系炭素繊維シートの製造法。
  4. 【請求項4】 ポリアクリロニトリル系酸化繊維不織布
    又はウェッブの目付が10〜140g/m2である請求
    項2に記載のポリアクリロニトリル系炭素繊維シートの
    製造法。
  5. 【請求項5】 ポリアクリロニトリル系炭素繊維強化酸
    化繊維シートの目付(W(g/m2))と、ポリアクリ
    ロニトリル系炭素繊維開繊体の目付(W1(g/
    2))とが、 W1/W=0.08〜0.35 の関係を満足する請求項2に記載のポリアクリロニトリ
    ル系炭素繊維シートの製造法。
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