JP2013525966A - 電気化学装置のための拡散層、及びそのような拡散層の製造方法 - Google Patents

電気化学装置のための拡散層、及びそのような拡散層の製造方法 Download PDF

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Abstract

電気化学装置の拡散層の製造方法であって、カーボンフィラメントの複数の一方向織物(102a、102b、102c)を重ね合わせる段階であって、それぞれの織物のフィラメントが、互いに隣接して平行に配される段階と、前記織物をニードルパンチして前記フィラメントの一部に穴を開ける段階であって、前記フィラメントの穴が開けられた部位が、前記織物の他の前記カーボンフィラメントと絡まるようになる段階と、前記複数の織物の一部の切断する段階であって、前記カーボンフィラメントが、前記拡散層の導電外表面を形成する段階と、を含み、前記ニードルパンチの段階が、前記複数の織物を貫通することで、及び/又は前記複数の織物の2つの主要な対向する面(116、118)を通すことで、及び/又は複数の前記織物に対しておよそ100−300衝撃/cmの衝撃密度で達成される、電気化学装置の拡散層の製造方法。

Description

本発明は、炭素のような導電性材料で作られる拡散層を含む電気化学システム又は装置の分野に関する。本発明は特に、燃料電池、PEM型(プロトン交換膜)電解槽、リン酸型燃料電池(PAFC)、バッテリなどの分野に関する。
PEMFC型(高分子電解質膜燃料電池)の電気化学セル10は、概略的に図1に示される。ポリマーを含む電解質を形成し、アノード14aとカソード14bという2つの電極の間に配される膜12を含む膜/電極接合体(AME)をこのセル10は含む。アノード14a及びカソード14bはそれぞれ、活性層16a、16b及び拡散層18a、18bを含む。
このようなAMEの製造は、例えばコーティング、転写、スパッタリング、スクリーン印刷等を用いる、活性層16a、16bの成膜段階を特に含む。拡散層18a、18b上に活性層16a、16bを堆積した後、こうして製造されたアノード14a及びカソード14bが膜12の両側に組み立てられること、若しくは膜12の両側に活性層16a、16bを堆積した後、拡散層18a、18bが活性層16a、16b上に組み立てられることの何れも可能である。
2つのシールはAMEの両側に配されることもできる。
膜12に対向するアノード14a及びカソード14bの面積は同一である必要はないが、それらが対向して位置する膜12の面積より小さい又は等しい。
セル10では、燃料電池として用いられるとき、AMEはこの反応の燃料及び酸化剤としてそれぞれ用いられる気体の水素(H)及び酸素(O)から水を生成する反応による化学エネルギーを電気エネルギーへと変換可能にする。これらの気体は、AMEを挟むように配される、アノードのモノポーラプレート20a及びカソードのモノポーラプレート20bを通して、アノード14a(水素を受け取る)及びカソード14b(酸素を受け取る)にそれぞれ分配される。これらのモノポーラプレート20a、20bは、生成された電気エネルギーを収集するためにも、及び化学エネルギーから電気エネルギーへの変換反応によって生成される熱を排気するためにも用いられる。モノポーラプレート20a、20bは図1に示される。気体(H及びO)は、これらのプレート内に形成されy軸に平行な方向に延びるチャンネル22a、22bを通して分配される(チャンネル22a、22bの長さはy軸に平行)。変形例では、モノポーラプレート20a、20bは、チャンネルを必要とすることなく、このようにガスを分配可能にする多孔構造を有することができる。
PEM型電気化学装置50は図2に概略的に示される。この電気化学装置は例えば燃料電池である。この燃料電池50は複数の電気化学セル10a、10b、10cから形成され、例えば、互いに隣り合って配される、図1に関連して前述された電気化学セル10に似ている。
このような電気化学装置において、2つの隣接するモノポーラプレートは、1つが燃料を分配するために用いられ(第1のセルのアノードのモノポーラプレート18a)、1つが酸化剤を分配するために用いられる(第1のセルに隣接する第2のセルのカソードのモノポーラプレート18b)、バイポーラプレートと呼ばれる同じ要素から形成され得る。こうして、図2で示される燃料電池50において、セル10a、10b、及び10cのAMEはバイポーラプレート52a、52bによって互いに離隔される。燃料電池50の各端はそれぞれモノポーラプレート54a、54bを含む。
それぞれのバイポーラプレート52a、52bは、燃料電池50の電気化学セル10a、10b、10cを冷却可能な熱搬送流体が流れるチャンネルを有することができる。
図2に示される電気化学装置50は、PEM型電解槽にもなることができ、ここでこのような電解槽はPEM燃料電池に相当する構造を含む。しかしながら、水から気体の水素と酸素を生成しながら電気エネルギーが化学エネルギーへ変換されるので、このような電解槽の操作は燃料電池の逆操作である。
燃料電池50の電気化学セル10a−10cにおいて、各流体分配回路(燃料、酸化剤及び該当する場合は熱搬送流体)は、これらの流体用の入口と出口を有する。そして、流体同士の任意の混合を防ぐため、及び燃料電池の1つの内部から燃料電池の外部への流体の漏れも防止するために、燃料電池50が封止されていることを保証することが重要である。従って、封止は燃料電池を設計する際、考慮するべき非常に重要な点である。封止は、アノード及びカソード側面上に、モノポーラ又はバイポーラプレートとAMEとの間にシールを配することによって設けられる。これらのシールの形状及び機能は電気化学セルの構造に依存し、より一般的には燃料電池の構造に依存する。
こうして、電気化学セルにおいて、アノード及びカソードの区画間の封止がAMEのポリマー膜によって設けられるため、シールは燃料及び酸化剤が燃料電池外部へ漏れることを防止するためのみに用いられる。
PEM型燃料電池において、一般的に流体はセルのスタック全体を横断するチャンネルを通じて、ひいてはそれぞれのバイポーラプレートを通じて、それぞれの電気化学セルへ搬送される。その結果、封止の機能は、燃料電池の内部から外部への流体の漏れの防止、及び流体のあらゆる混合の防止である。
PEM型燃料電池又は電解槽において、各拡散層は拡散支持体及びマイクロポーラス層から成る。
PEM型燃料電池内の拡散層は多くの役割を担い、複数の基準の間の妥協点を達成するためにそれらの特性が選択されなければならない。
第一に、拡散層は優れた導電体でなくてはならない、並びに空気中の反応気体(H及びO)が通過する、及び生成された水が排出されるように十分に多孔質でなくてはならない。同様に、効率よく熱を排出してセルの動作温度を上昇させないように、優れた熱導体でなくてはならない。逆の場合、燃料電池の膜を破損する可能性がある。最後に、燃料電池のバイポーラ及びモノポーラプレートの歯/チャンネル構造に起因する、AMEの機械的強化の役割を果たすため十分に固くなくてはならない。
燃料電池内の水の管理は、AMEひいては燃料電池にとって、満足な操作と最適な信頼性を有するための極めて重要な点である。それぞれのAME内で、この水管理は拡散層によってほとんど達成されるが、以下の理由で複雑である:
−アノードの及びカソードの活性層まで、並びに膜まで水は気体状態で搬送されなければならない。
−カソードで生成される水の少なくとも一部は、アノード側へ戻らなくてはならない。
この流れは、アノードからカソードへのプロトン伝導の効果の下で、水の移動を少なくとも部分的には相殺しなくてはならない。
−活性層への気体の通路を塞いで、セルの動作不良につながる可能性のないように、バイポーラプレートまで、アノード及びカソード両側で、いかなる余分な水も排出されなくてはならない。
従ってAME内において、動作条件、AMEの構成要素、及び特に拡散層、並びにバイポーラプレートの構造に依存する水の流れの複雑な平衡が存在する。
加えて、拡散層は燃料電池の動作条件下で(化学的に及び物理的に)安定でなくてはならない。材料の安定性に影響する基準は、およそ120℃に達する可能性のある温度、おそらく100%である相対湿度(HR)、ほぼ1に等しいであろうpH、気体の活量(H及びOであり、およそ4バールに到達し得る圧力)、及びアノードとカソードとの間でおそらく1.2Vとなる電位差である。
これらの制約は、PEM型電解槽の場合にも見いだされ、この場合、アノードとカソードの間の電位差は1.2−2.5Vとなり得る。
拡散層の拡散支持体は一般的に、布(織物の拡散支持体)、又はドライ若しくはウェット手法によって作成されるカーボンファイバー製の紙若しくはフェルト(織物でない拡散支持体)の形態をとる。
カーボンペーパーは、およそ3―70mmの長さの壊れたカーボンファイバーの懸濁液から得られ、ポリマーバインダーと共に溶媒中に分散される。その後、ポリマーバインダーを炭化する熱処理された自立材料を得るために、懸濁液は濾過され、又は溶媒が蒸発される。含浸、鋳造及び熱処理の他の段階は、文献EP0286945B1及びUS6489051B1に記載されているように実施され得る。
用いられる製造方法により、拡散支持体が簡単に移動しないように、これらのペーパーはシート形状でのみ利用できる。加えて、多数の製造段階、及び連続的に用いられる材料の炭化又は黒鉛化のための熱処理が、大幅にカーボンペーパー拡散層のコストを増加させる。
カーボンペーパーは布と比較して、より固く、より均一な構造を有する。しかしながら、それは脆く、布と比較して取扱いがより困難である。
布と同様に、カーボンファイバーがペーパー内でランダムに並んでいることを踏まえれば、カーボンペーパーは異方性を有している。加えて、ファイバーがランダムに分布していることを考えれば、拡散支持体の構造は制御されず、このように製造される拡散支持体の特徴の低い再現性につながる。
カーボンフェルトは、ポリマーファイバーの絡み合いによって製造されるポリマーフェルト前駆体の炭化によって得られる。連続的な炭化又は黒鉛化熱処理が同様に実施される。フェルトは、カーボンペーパー及び布と比較して製造するのに費用が掛からず、より等方的な構造を有する。しかしながら、それらは依然として高価である。加えて、カーボンファイバーの絡み合いは、加圧された流体の噴射によってランダムに達成され、このように製造される拡散支持体の特徴の低い再現性につながる。
文献FR2788168は、電気化学的触媒の拡散層を製造するためのニードルパンチによって互いに取り付けられたカーボンフィラメントの一方向織物の使用について言及している。
欧州特許第0286945号明細書 米国特許第6489051号明細書 仏国特許発明第2788168号明細書
本発明のひとつの目的は、カーボンフィラメントの、複数の一方向繊維若しくはリボン、若しくは束、若しくはたわみを用いており、先行技術の拡散層の不利な点を有さず、このような拡散層を含む電気化学装置の性能を改善する(導電性の増加、電気的な接触抵抗の減少など)、燃料電池又はPEM型電解槽のような電気化学装置の拡散層の新規製造方法を提案することである。
このために、本発明は、
カーボンフィラメント(104)の複数の一方向織物を重ね合わせる段階であって、それぞれの一方向織物の前記カーボンフィラメントが、互いに隣接して配され、互いにおおよそ平行に配列される段階と、
前記一方向織物をニードルパンチして前記カーボンフィラメントの一部を壊す段階であって、前記カーボンフィラメントの壊れた部位が、前記一方向織物の他の前記カーボンフィラメントと絡まるようになる段階と、
前記複数の一方向織物の少なくとも一部の切断する段階であって、前記カーボンフィラメントが、前記拡散層の導電外表面を少なくとも1つ形成する段階と、を少なくとも含み、
前記ニードルパンチの段階が、前記複数の一方向織物を貫通することで、及び/又は前記複数の一方向織物の2つの主要な対向する面を通すことで、及び/又は複数の前記一方向織物に対しておよそ100−300衝撃/cmの衝撃密度で達成される、電気化学装置の拡散層の製造方法を提案する。
このような方法の過程で、つまりこの方法で製造された拡散層を用いる電気化学装置の性能が改善するように管理された設定で、ニードルパンチは達成される。
少なくとも第1の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列は、少なくとも第2の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対して非0°の角度を形成し得る。
一方向織物の重ね合わせの前に、カーボンフィラメントは、カーボンフィラメントの機械特性を強化することが可能な材料で被覆され得る、その後互いに取り付けられ、異なる一方向織物を形成し得る。ここで、前記強化材料はカーボンフィラメントが互いに取り付けられた後に限定される。
その方法は、カーボンフィラメントに疎水性又は親水性を付与するカーボンフィラメントの処理段階を含み得る。
それぞれの一方向織物は、およそ10−200μmの厚みとなる、及び/又は単位面積当たりの質量がおよそ40−60g/mを有することがある。
カーボンフィラメントの直径はおよそ6−8μmとなる、及び/又はそれぞれのカーボンフィラメントは0.8−1.8Ω・cmの電気抵抗率を有することがある。
少なくとも第1の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列は、カーボンフィラメントの少なくとも第2の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対して非0°の角度、又はおよそ10°−95°若しくはおよそ40−50°の角度を形成し得る。
拡散層は、2以上、5以下の数のカーボンフィラメントの一方向織物の重ね合わせを含み得る。
拡散層は、第1の一方向織物のカーボンフィラメントの配列が、第2の一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ0°−20°の角度を形成するように、第1の及び第2のカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る、並びに、第1の及び第2の一方向織物のカーボンフィラメントの配列がそれぞれ、第3の一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ70°−110°の角度を形成するように、第1の及び第2のカーボンフィラメントの一方向織物の間に配される第3のカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る。
拡散層は、第4の一方向織物のカーボンフィラメントの配列が第1の及び第2の一方向織物のカーボンフィラメントの配列それぞれに対して70°−110°の間の角度を形成するように、第1の及び第2のカーボンフィラメントの一方向織物との間に配される第4のカーボンフィラメントの一方向織物を同様に含み得る。
変形例では、拡散層は4つのカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る。ここで、前記4つの一方向織物それぞれのカーボンフィラメントの配列が前記一方向織物と隣接する一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ25°−65°の角度を形成するように、織物は重ね合わされる。
本発明は、少なくとも上記拡散層製造方法の実装を含むプロトン交換膜を備える電気化学セルの製造方法にも関する。
拡散層の一方向織物のうち少なくとも1つのカーボンフィラメントの配列は、拡散層と対向するモノポーラプレートの少なくとも1つのチャンネルの長さ方向に対しておおよそ垂直となり得る。
本発明は、少なくとも上記電気化学セルの製造方法の実装を含むプロトン交換膜を備える燃料電池の製造方法にも関する。
本発明は、少なくとも上記電気化学セルの製造方法の実装を含むプロトン交換膜を備える電解槽の製造方法にも関する。
取り付けられた、例えば互いに取り付けられた、互いにおおよそ平行に並んだ、カーボンフィラメントの一方向織物の少なくとも一部を含み、少なくとも1つの拡散層の導電性外面を形成している電気化学装置の拡散層についての記述がされた。
長さがおよそ3−70mmでランダムに分散した非連続的なカーボンファイバーを用いる、カーボンペーパー又はカーボンフェルトから作成される拡散支持体を含む拡散層と異なり、このような拡散層は互いに平行に配列したカーボンフィラメントの少なくとも1つの一方向織物から製造される。
カーボンペーパー又はカーボンフェルトと比較してカーボンフィラメントの一方向織物の低い製造コスト、特にカーボンペーパー又はカーボンフェルトの製造と比較してこのような織物の製造の実施しなければならない段階数の少なさを踏まえれば、このような拡散層はより安価に製造される。加えて、カーボンペーパー又はカーボンフェルトと異なり、このような拡散層が炭化又は黒鉛化処理を必要としないカーボンフィラメントを用いることを踏まえれば、その生産のために熱処理を連続して実施する必要がなく、製造コストをかなり減少させることができる。
カーボンペーパーと比較して、このようなカーボンフィラメントの一方向織物は取扱いやすく、例えばロール形状で移動が容易でもあり、拡散層の製造時に優位である。
加えて、カーボンペーパー及びカーボンフェルトと異なり、拡散層内のカーボンフィラメントの規則的な分布及び配列により、得られる拡散層の構造ひいては拡散層の特徴の再現性を満たすことが可能である。
このような拡散層は、PEM型燃料電池及び電解槽に必要とされるすべての基準も満たす:試薬が通り抜ける及び生成物が排出されるのに満足な多孔性、拡散層の電気抵抗率を減少する薄さ、燃料電池内の相対湿度変化に対する拡散層の適応性。
先行技術の拡散層と比較して、このような拡散層の構造は、カーボンフィラメント配列の規則性のおかげで、特に厚さ及び気孔性に関してより良く制御される。
カーボンフィラメントの一方向織物は、およそ10−200μmの厚さとなり得る、及び/又はおよそ40−60g/mの単位面積あたりの質量を有し得る。このような厚みは、拡散層に低い電気抵抗を付与する。拡散層の厚みは有利には、可能な限り薄いものが選択され得る。
それぞれのカーボンフィラメントの直径は、およそ6−8μmを取り得、及び/又はそれぞれのカーボンフィラメントはおよそ0.8−1.8Ω・cmの電気抵抗率を有し得る。
カーボンフィラメントを得るには、例えばおよそ1,000−320,0000の、有利には12,000−48,000のカーボンフィラメントを含むカーボンフィラメントを用いることが可能である。多数のカーボンフィラメントを含むワイヤーからとられるカーボンフィラメントを用いることで、このようなワイヤーは少数のカーボンフィラメントを有するワイヤーよりもより安価であることを踏まえれば、拡散層の製造コストはさらに減少される。
拡散層は、複数重ね合わされたカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る。ここで、少なくとも第1の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列が、少なくとも第2のカーボンフィラメントの前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対して、非0°の角度、又はおよそ10°−95°若しくは有利にはおよそ40−50°を形成するように、それぞれの一方向織物のカーボンフィラメントは互いにおおよそ平行に配列され得る。このような一方向織物の互いの配列は、拡散層が燃料電池内に用いられる際には、ガスが通り抜けるための、及び水が排出されるための、又は拡散層が電解槽に用いられる際には、水が通り抜けるための、及びガスが排気されるための優れた気孔性を有する拡散層の形成を可能にする。
拡散層は、2以上、5以下の数の、カーボンフィラメントの一方向織物の重ね合わせを含み得る。
拡散層は、第1の一方向織物のカーボンフィラメントの配列が、第2の一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ0°−20°の角度を形成するように、第1の及び第2のカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る、並びに、第1の及び第2の一方向織物のカーボンフィラメントの配列がそれぞれ、第3の一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ70°−110°の角度を形成するように、第1の及び第2のカーボンフィラメントの一方向織物の間に配される第3のカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る。
拡散層は、第4の一方向織物のカーボンフィラメントの配列が第1の及び第2の一方向織物のカーボンフィラメントの配列それぞれに対して70°−110°の角度を形成するように、第1と第2のカーボンフィラメントの一方向織物との間に配される第4のカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る。
変形例では、拡散層は4つのカーボンフィラメントの一方向織物を含み得る。ここで、前記4つの一方向織物それぞれのカーボンフィラメントの配列が、前記一方向織物と隣接する一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ25°−65°の角度を形成するように、織物は重ねあわされる。
前記カーボンフィラメントの破損部分が、一方向織物の他のカーボンフィラメントと絡み合い、それによって一方向織物を機械的に結合わさせるために、カーボンフィラメントの一部は壊れている可能性がある。この構成は、織物の重ねあわせによって形成される構造を壊さず、つまり異なる織物のカーボンフィラメントの配列間の角度を修正せずより容易に取扱いできるように、カーボンフィラメントの一方向織物を達成するニードルパンチ操作、特にカーボンフィラメントの一方向織物の重ね合わせをより機械的に結合可能にする操作の結果である可能性がある。
拡散層は、例えば拡散層が燃料電池内で使用されることを意図する場合は疎水性、又は例えば拡散層が電解槽内で使用されることを意図する場合は親水性を備える表面エネルギーを有し得る。例えばこのような疎水性は、カーボンフィラメントの一方向織物をポリテトラフルオロエチレンで処理することによって得ることが可能である。このような親水性は、カーボンフィラメントの一方向織物をエポキシ樹脂で処理することによって得ることが可能である。
拡散層は、2つの導電性の主要な面を含み得る。
プロトン交換膜を備え少なくとも1つの前述の拡散層を含む電気化学セルも同様に記述される。
拡散層のカーボンフィラメントの少なくとも1つの一方向織物のカーボンフィラメント配列は、拡散層と対向するモノポーラ―プレートの少なくとも1つのチャンネルの長さ方向に対しておおよそ垂直となり得る。
プロトン交換膜を備え、前述の拡散層を少なくとも1つ含む燃料電池もまた記述される。
プロトン交換膜を備え、前述の電気化学セルを少なくとも1つ含む燃料電池もまた記述される。
プロトン交換膜を備え、前述の拡散層を少なくとも1つ含む電解槽もまた記述される。
プロトン交換膜を備え、前述の電気化学セルを少なくとも1つ含む電解槽もまた記述される。
例えば互いに取り付けられ、互いにおおよそ平行に配列し、電気化学装置の拡散層を形成している、取り付けられたカーボンフィラメントの一方向織物の少なくとも一部の使用についてもまた提案される。ここで、前記カーボンフィラメントの一方向織物の一部は少なくとも1つの、拡散層の導電性外面を形成する。
電気化学装置の拡散層の製造方法もまた記述され、この製造方法は、
−カーボンフィラメントが互いに隣接するように、及び互いにおおよそ平行になるように配置する段階と、
−カーボンフィラメントの一方向織物を形成するカーボンフィラメントを、例えば互いに、取り付ける段階と、
−一方向織物の少なくとも一部分を切断する段階と、を少なくとも含み、
カーボンフィラメントが拡散層の導電性外面を少なくとも1つ形成する。
その方法は、取り付け及び切断の段階の間に、カーボンフィラメントの複数の一方向織物の重ね合わせ段階も同様に含み、それぞれの一方向織物のカーボンフィラメントは互いにおおよそ平行に配列され、少なくとも第1の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列は、少なくとも第2の前記一方向織物のカーボンフィラメントの配列に対して非0°の角度、又はおよそ10°−95°若しくはおよそ40−50°の角度を形成し、切断段階は複数の一方向織物の少なくとも一部を切断することを含み得る。
それゆえ、拡散層の形成が意図された、異なる重ね合った一方向織物のすべてのカーボンフィラメントは、単一の切断段階の実施を経て切断され得る。こうして、単一の切断段階は、拡散層の製造コストを減少することを可能にする。
その方法は、取り付け及び切断の段階の間に、並びにその方法がカーボンフィラメントの少なくとも3つの一方向織物の重ね合わせ段階を含む際に、カーボンフィラメントの一方向織物のニードルパンチの実施も含み、カーボンフィラメントの一部を破壊し、前記カーボンフィラメントの壊れた部位が一方向織物の他のカーボンフィラメントと絡み合うようにし、一方向織物が機械的に結合されるようにする。変形例では、加圧された水の噴射下にカーボンフィラメントの一方向織物を通し、前記カーボンフィラメントの壊れた部位が一方向織物の他のカーボンフィラメントと絡み合うようにカーボンフィラメントの一部を壊すことによってこの機械的支持体は得られうる。
カーボンフィラメントを互いに隣接するように配置する段階の実施前に、カーボンフィラメントは、例えば樹脂及び/又は硬化剤などの材料で被覆されることがあり、カーボンフィラメントの機械的特性を強化することが可能である。そしてその方法は、取り付け段階の後に、材料の除去段階も含み得る。実際、例えばポリアクリルニトリル(PAN)から成る前駆体より得られるカーボンフィラメントは、脆くなり得る。それゆえ一方向織物の製造の際、より容易に取り扱えるように、カーボンフィラメントは、例えばエポキシ樹脂などのカーボンフィラメントの機械特性を強化する材料で被覆することから成るサイジングと呼ばれる処理を受けることがある。その後この材料は、カーボンフィラメントが互いに取り付けられた後、及び例えばカーボンフィラメントの一方向織物が切断される前に除去可能である。
その方法は、取り付け段階の後、カーボンフィラメントに疎水性又は親水性を付与する処理の段階も同様に含み得る。このような疎水性は、カーボンフィラメントをポリテトラフルオロエチレンで処理する、例えばこのような材料中に浸すことによっても得られうる。親水性は、エポキシ樹脂でカーボンフィラメントを処理することによっても得られうる。
PEM型燃料電池又は電解槽のような電気化学装置の電気化学セルを概略的に示す。 は、PEM型燃料電池又は電解槽のような電気化学装置を概略的に示す。 特定の実施形態に従う拡散層のカーボンフィラメントの一方向織物の一部の上面図を示す。 特定の実施形態に従う拡散層のカーボンフィラメントの一方向織物の一部の断面図を示す。 特定の実施形態に従う拡散層内で用いられるカーボンフィラメントを含むワイヤーの断面図を示す。 特定の実施形態に従う拡散層の製造に用いられるカーボンフィラメントの一方向織物の上面図を示す。 特定の実施形態に従う拡散層を示す。 特定の実施形態に従う拡散層を形成するカーボンフィラメントの多軸織物を示す。 特定の実施形態に従う拡散層を形成するカーボンフィラメントの多軸織物を示す。 カーボンフィラメントの織物から作成される拡散層を含む電気化学セルの、及びカーボンフェルトから作成される拡散層を含む従来技術の電気化学セルの分極曲線を示す。 カーボンファイバーのニードルパンチされた一方向織物から作成された拡散層を含む電気化学セルの分極曲線を示す。 カーボンファイバーのニードルパンチされた一方向織物から作成された拡散層を含む電気化学セルの分極曲線を示す。
本発明は、純粋に例示として与えられ、限定的でない実施例の記述を読み添付図を参照することで、より理解が深まるであろう。
1つの図から他の図への移動が容易になるように、以下に説明される様々な図の、同一部分、類似部分、又は対応部分は、同じ参照番号を有する。
図中で表される様々な部位は、図をより読みやすくするために、同一の縮尺で表現される必要はない。
様々な可能性(変形例及び実施形態)は、相互に排他的でなく、及び互いに組み合わせることができるものとして理解されなくてはならない。
初めに、特定の実施形態に従う拡散層の一部を形成するカーボンフィラメント104の一方向織物102の一部である、図3A及び図3Bを参照する。
織物102は、おおよそ互いに隣接して配され、x軸に平行な一方向にすべて並ぶ複数の連続的カーボンフィラメント104によって形成される。図3A及び図3Bにおいて、一方向織物102の一部のみ表される。一方向織物102は、およそ10−200μmの厚みであり(z軸に沿った寸法は、他の寸法、つまり織物の長さ及び幅と比較して、最も小さな寸法である。)、この厚みは、一方向織物102内で互いに重ね合わされているカーボンフィラメント104の直径、及びカーボンフィラメント104の最大数に依存する。したがって、このような織物102は、織物102の求められる坪量及び幅に依存するカーボンフィラメント数を含む。一方向織物102の厚みは、織物102の電気抵抗ができる限り小さくなるように、及び一方向織物102のから製造される拡散層ができる限り薄くなるように選択され得る。一方向織物102の単位面積あたりの質量は、例えば40−60g/mとなる。
一方向織物102のカーボンフィラメント104は、例えばポリアクリロニトリル(PAN)から作成される。カーボンフィラメント104は、当初ワイヤーの形状で共にまとめられることができる。このようなワイヤー105は、図4において断面図で表される。ワイヤー105は、ワイヤーの長さに平行な方向(図4の例におけるx軸方向)に延び、樹脂から作られるシース106に埋め込まれる複数のカーボンフィラメント104から構成される。それぞれのワイヤー105は、およそ1,000−320,000のカーボンフィラメント104を含み得る。織物102を製造するために、可能な限り多くのカーボンフィラメント106を有するワイヤー105が、低コストであるが故に選択され得る。好ましくは、およそ3,000−24,000のカーボンフィラメント104を含むワイヤー105が選択されるであろう。
一方向織物102を形成するために用いられるカーボンフィラメント104は、例えば直径6−8μm、及び電気抵抗率0.8−1.8Ω・cmを有する。
織物102の製造の過程において、カーボンフィラメント104は、例えば熱溶融性材料から作られ、カーボンフィラメント104の方向に対して横方向に配置されるワイヤー108によってカーボンフィラメント104上で互いに取り付けられる(図5)。カーボンフィラメント104は、枠組み、例えば金属のような導電性材料から作られる枠組みを通して取り付けられることもあり、拡散層の輪郭を形成もし得る。
図6に表されるように、一方向織物102の一部は切断され、拡散支持体として用いられる。その後、それはマイクロポーラス層110に取り付けられ拡散層112を形成する。しかしながら、マイクロポーラス層110を用いない可能性がある。この場合、拡散層112がカーボンフィラメント104のみで形成される。拡散層112に類似する拡散層は、図1に関連して前述した電気化学セル10に相当する構造の、簡単な電気化学セルを製造するために用いられ、そこでこれらのセルは、図2に関連して前述した電気化学装置50に相当する構造を備えるPEM燃料電池、又はPEM電解槽のような電気化学装置を形成するために組み立てられる。
拡散層は、カーボンフィラメントの多軸織物を形成する、カーボンフィラメントの重ね合わされた複数の一方向織物から形成される。このような多軸織物114は、図7A及び図7Bで表される。
図7A及び図7Bで表される多軸織物114は、例えば前述の一方向織物102に類似する3つの一方向織物102a、102b、102cの重ね合わせ及び組み合わせによって形成される。第1の織物102aは、この織物102aのカーボンフィラメントが第1の方向(図7A及び図7Bの例におけるx軸に平行な)に並ぶように配される。第2の織物102bは、この第2の織物102bのカーボンフィラメントが第2の方向に並ぶように、有利には第1の方向と垂直になるように(図7A及び図7Bの例におけるy軸に平行な)第1の織物102aの上に重ね合わされる。最後に、第3の織物102cは、この第3の織物102cのカーボンフィラメントが第2の方向に対して垂直に、及び第1の方向に対して平行に並ぶように第2の織物102bの上に重ね合わされる。
こうして、拡散層を形成する多軸織物114の必要な領域を切断することで、拡散層は完成する。多軸織物114を形成するそれぞれの一方向織物102a、102b、及び102cの切断領域は、拡散層全体の領域が異なる一方向織物の重ね合わせで形成されるように、拡散層の領域とおおよそ同じになる。必要に応じて、多軸織物114の切断部位は、例えばカーボン、及び/又は1つ若しくはそれ以上の材料、例えば疎水性材料から作られるマイクロポーラス層に取り付けられることができる。
前述の多軸織物は、唯一の可能な実施例である。一般的に拡散層は、カーボンフィラメントの1つ又は複数の一方向織物の重ね合わせを含むことができる。多軸織物は、好ましくは1と5の間の枚数の一方向織物、及び好ましくは1と4若しくは2と5の間の枚数の一方向織物を含むことができる。このようにして得られる拡散層の全体の厚みは、好ましくはおよそ10−800μmである。最後に、用いられる織物の配列は、前述の例と異なることが可能である。
前述の拡散層を製造する実施段階はこれから記述される。
それぞれの一方向織物102は、カーボンフィラメント104を並ばせておおよそ均一に広げることによって独立に製造される。
その後、織物又は複数の織物それぞれのカーボンフィラメントは、例えば熱用油性材料から作られるワイヤーによって互いに取り付けられ、図5に関連して前述したように、織物のカーボンフィラメントに対して横向きに配される。変形例として、カーボンフィラメントを取り付けるために、例えば金属から作られる枠組みを用いることも可能である。
拡散支持体がカーボンフィラメントの多軸織物によって形成されることを意図されている場合、一方向織物はその後、例えば図7A及び図7Bの例におけるように互いに重ね合わされ、カーボンフィラメントの配列は、隣接する一方向織物とは異なることが可能である。
一方向織物が互いに重ね合わされる場合、規則的な間隔で多軸織物の横にあるトレイに取り付けられる例えば針を用いて、織物が針に対して移動し、カーボンフィラメントの一方向織物を通す衝撃をつくることによって、異なる一方向織物すべてのカーボンフィラメントの配列に対して垂直な方向、つまり製造された多軸織物の厚さと平行な(図5、図7A及び図7Bの例におけるz軸と平行な)方向にフィラメントの一部を壊すことから成るニードルパンチ操作として知られる操作を受けることができる。ニードルパンチ操作は、互いに重ね合わされた織物が、異なる一方向織物の重ね合わせ、つまり織物積み(fabric−laying)で形成された構造を修正することなく取り扱うことができるように所定の位置に機械的に固定することができる。そのために、針は例えば100−140打撃/cm又は100−300衝撃/cmの打撃又は衝撃の密度で、10−16mmの深さで、カーボンフィラメントの織物に沈み込む、又は多軸織物を貫通する。ニードル織機又は機械は、例えばASSELIN型であり、針はカーボンフィラメントの織物よりもおよそ15−20mm高さが低いブロック上に導入される、例えば15×18×32 3.5BL RB 30 A06/15型のSINGER針である。用いられる針は、およそ0.5−3mmの横寸法(一方向織物の厚みと垂直な寸法)を有することができる。加えて針は、一方向織物を全て通り抜けるのに十分な高さであることが可能である。
変形例として、ニードルパンチ操作は油圧駆動で達成でき、この場合針は空気又は水噴射に置き換えられる。
PANに基づく前駆体から得られたカーボンフィラメントは特に脆い。こうして、機械特性を向上するために、及びこの手段によって一方向織物の製造中に破損のリスクなくより簡単に取扱うために、カーボンフィラメントはサイジングと呼ばれる処理を受けることができる。このサイジングは、一方向織物が形成される前にカーボンフィラメントで達成されるのであるが、樹脂、例えばエポキシを基にした樹脂でカーボンフィラメントを被覆することから成る。その後この樹脂は熱処理によって除去される(脱サイジング)。この熱処理は、例えば以下の段階の実施を含む(当初カーボンフィラメントは室温である):
−およそ100℃に達するまで、およそ16分間、昇温される、
−およそ20分間、およそ100℃で温度は維持される、
−およそ268℃に達するまで、およそ30分間、昇温される、
−およそ30分間、およそ268℃で温度は維持される、
−およそ340℃に達するまで、およそ12分間、昇温される、
−およそ40分間、およそ340℃で温度は維持される、
−およそ425℃に達するまで、およそ40分間、昇温される、
−およそ20分間、およそ425℃で温度は維持される、
−室温へ戻す。
このような熱的な脱サイジング処理の後、樹脂は完全にカーボンを基にした材料中に移動することになる。
脱サイジングの段階は、拡散層に親水性を付与すること、そしてその結果として、低い湿度の、例えばおよそ0−50%の相対湿度の環境下で動作可能な拡散層を得ること、もまた可能である。
カーボンフィラメントワイヤーが一方向織物を製造するために当初用いられる際、ワイヤーシースの材料も同様に脱サイジング段階の間に除去可能である。
脱サイジングは、他の種類の処理、例えば化学処理又は紫外線処理によって達成することもできる。
拡散支持体の他の処理は、カーボンフィラメントの表面エネルギーを変化させ、想定される用途によって、これらのフィラメントに疎水性又は親水性を付与するために実施されることもできる。
これらの処理の後、拡散層は必要とあれば、電気化学装置を製造するための他の構成要素と接続する前に、マイクロポーラス層と接続することができる。
カーボンファイバー織物は、例えば、複合材料を製造するのに用いられるカーボンファイバー織物の製造について記述している文献WO98/44183内で述べられた方法を用いて製造される。
PEM燃料電池の拡散層を形成するために用いられるカーボンフィラメントの多軸織物のいくつかの実施例が以下に記される。
(例1)
用いられるカーボンフィラメントは、高い抵抗を有するPANから作成され、12Kタイプのワイヤー(ワイヤーあたり12,000のフィラメント)から製造される。用いられるカーボンフィラメントは、例えば、以下の物理特性を有するように選択される:
トラクション抵抗:4,900MPa、
トラクションモジュール:230GPa、
伸び:2.1%、
単位長さ当たりの質量:800Tex(g/km)、
密度:1.8g/cm
これらのカーボンフィラメントは、エポキシ樹脂で達成されるサイジングによって処理される。
それから一方向織物は、これらのカーボンフィラメントから製造される。このように得られる一方向織物は、およそ50g/mの表面質量を有する。
その後それぞれの織物のカーボンフィラメントは、熱溶融性材料から作られ織物のカーボンフィラメントに対して横向きに配置されるワイヤーによって、図5に表されるワイヤー108と同じように取り付けられる。
前述のように得られるこれらの一方向織物はその後、共に積み重ねられる。これら3つの一方向織物は、図7A及び図7Bに関連して説明した例のように互いに対して並べられる。そのため、第2の織物は第1の織物に対して垂直に並び、第3の織物は第1の織物に対して平行に並ぶ。第1の織物のカーボンフィラメントの配列を参照とし、以下の構成、0°/90°/0°に従って配列されたカーボンフィラメントを有する多軸織物が得られる。
異なる織物のカーボンフィラメント間で形成される角度の値は、上で示された値と異なることもできる。
その後ニードルパンチ操作は、幅1mあたりおよそ4,000の針を含むトレイで実行され、それぞれの針はおよそ20mmの長さを、及びおよそ0.15mmの長さの三角形状の先端部を有する。ニードルパンチ操作の間、およそ138打撃/cmで、多軸織物の中へ針がおよそ12mmの深さに貫通するようにトレイは調整される。ニードル織機は例えばASSELIN型で、針は例えば15×18×32 3.5BL RB 30 A06/15型のSINGER針で、カーボンフィラメントの織物よりも高さがおよそ15−20mm低い場所に位置するブロック上に導入される。
多軸織物の、サイジング及び熱溶融性ワイヤーはその後、例えば前述した1つに類似する熱処理によって除去される。
(例2)
類似のカーボンフィラメントを用いる最初に前述した例に相当する方法で、まずは一方向織物が製造される。
4つの一方向織物は、共に積み重ねられる。カーボンフィラメントの配列が、第1の織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ45°の角度を形成するように第2の織物は第1の織物の上に配置される。カーボンフィラメントの配列が、第2の織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ45°、及び第1の織物のカーボンフィラメントの配列に対して90°の角度を形成するように第3の織物は第2の織物の上に配置される。最後に、カーボンフィラメントの配列が、第3の織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ45°、及び第1の織物のカーボンフィラメントの配列に対して135°の角度を形成するように第4の織物は第3の織物の上に配置される。この積み重ねは、第1の織物のカーボンフィラメントの配列を参照として、0°/45°/90°/135°の構成で配列されたカーボンフィラメントを有する多軸織物を形成する。
その後、ニードルパンチ及び脱サイジングが、上記第1の実施例に相当する手法で達成される。
(例3)
類似のカーボンフィラメントを用いる最初に前述した例に相当する方法で、まずは一方向織物が製造される。
4つの一方向織物は、共に積み重ねられる。カーボンフィラメントの配列が、第1の織物のカーボンフィラメントの配列に対しておよそ90°の角度を形成するように第2の織物は第1の織物の上に配置される。カーボンフィラメントが、第1の織物のカーボンフィラメントの配列に対して90°の角度を形成するように第3の織物は第2の織物の上に配置される。最後に、カーボンフィラメントの配列が第1の織物のカーボンフィラメントの配列に対しておおよそ0°の角度を形成するように第4の織物は第3の織物の上に配置される。この積み重ねは、第1の織物のカーボンフィラメントの配列を参照として、0°/90°/90°/0°の構成で配列されたカーボンフィラメントを有する多軸織物を形成する。
その後、ニードルパンチ及び脱サイジングが、上記第1の例示の実施例に相当する手法で達成される。
前述した例の変形例として、熱溶解性材料から作られるワイヤーによってではなく、カーボンフィラメントの方向に対して横向きになるように堆積されるエポキシ樹脂によってカーボンフィラメントに取り付けることも可能である。この場合、サイジングはこの取り付け前に除去される。その後カーボンフィラメントの一方向織物は、必要な構成に従って重ね合わされる。
もう一つ変形例では、金属のような導電性材料から作られる枠組みによって、又はカーボンフィラメントの端を固定する締め具を通してカーボンフィラメントは取り付けられることができる。例えば、非常に大きな面積を得られる、製造ラインにおける保持システムを用いることが可能である。この場合、フィラメントの方向に対して横向きにフィラメントを固定する金属部位によって、カーボンフィラメントは伸ばされ、保持され得る。
例えばPEM燃料電池で用いることを目的とする電気化学セルの実施例は以下に記述される。
第1の拡散層はまず、前述の例2に従うカーボンフィラメントの多軸織物の一部を切断することによって、おおよそ正方形状、及びおよそ25cmの面積で製造される。
第1の拡散層は、セルのカソード側に配置される。カーボンフィラメントの第1の織物からの部分がカソードモノポーラプレートのチャンネルに隣接するように、及び0°方向(カーボンフィラメントの第1の織物からの部分のカーボンフィラメントの配列)がチャンネルの長さ、この長さはチャンネルの主要な方向を表す、に垂直になるようにこの拡散層はセル内に配される。
その後第2の拡散層は、前述の例3に従うカーボンフィラメントの多軸織物の一部を切断することによって、おおよそ正方形状及びおおよそ25cmの面積で製造される。
この第2の拡散層は、セルのアノード側上に配される。カーボンフィラメントの第1の又は第4の織物からの一部が、アノードのモノポーラプレートのチャンネルに隣接するように、及び0°方向(第1又は第4のカーボンフィラメントからの部分のカーボンフィラメントの配列)がチャンネルの長さと垂直になるように拡散層はセル内に配される。
拡散層は、電気化学セルのモノポーラプレートに対して相対的に導電性を有している。
低い相対湿度で(おおよそ30%)、並びに、およそ80℃の温度、およそ1.5バールの圧力、及びSH=15、SO=7の化学量論である水素/空気の共同流れでこのような電気化学セルの特徴は得られる。セルはおよそ1MPaと等しい圧力で固定されている。これらの特徴は、セルを横断する電流の関数として、セルの端子で得られる電圧の値に対応するセルの分極曲線を、測定することで分析される。
この電気化学セルの分極曲線202は図8に表され、拡散層がカーボンフェルトで製造されていること以外、同様の構造の電気化学セルの分極曲線204と比較される。カーボンフィラメントから製造される拡散層を含むセルで得られる電位は、カーボンフェルトから製造される拡散層を含むセルで得られる電位よりも、およそ0−0.85A/cmの電流範囲において高いことが図8において見ることができる。こうして、カーボンフィラメントの一方向織物から製造される拡散層を備える電気化学セルの重ね合わせを含むPEM燃料電池、又は、より一般的にこのような拡散層を少なくとも1つ含む任意の電気化学装置は、拡散層がカーボンフェルトから製造される場合よりも、同等の電流が流れる端子において、より高い電圧を生成することができる。
一方向織物を共に固定する機能に加えて、ニードルパンチ操作は、ニードルパンチ操作を受けていない同様のカーボンフィラメントの一方向織物によって形成される拡散層を含む電気化学セルと比較して、このようなニードルパンチ操作を受けるカーボンフィラメントの一方向織物によって形成される拡散層を含む電気化学セルの特性を向上させることができる。この特性の向上は、例えば電気化学セルの他の構成要素(ガス分配器、活性層、マイクロポーラスの堆積)と比較して、電気化学セルの導電性の増加、及び/又は電気的接触抵抗の減少の形をとる。
また更にこれらの特徴を向上するために、ニードルパンチ操作は、カーボンフィラメントの一方向織物全体を通して行うことがある。ニードルパンチ操作は、単一のニードルパンチ操作中に(この場合、一方向織物は針の2つのトレイの間に配される)、又は両方の対向する主な面を連続してニードルパンチすることによって、一方向織物の対向する主な2つの面(図7Aにおける116及び118を参照)を貫くことがある。ニードルパンチは、およそ100−300衝撃/cmの一方向織物に対する針の衝撃の密度で取り掛かられることもあり得る。この衝撃密度は、針の適切な密度を選択することによって、及び/又は針が一方向織物を行き来する周波数を制御することによって制御できる。このようなニードルパンチは、電気化学セル内での気体の移動を向上できることもある。
ニードルパンチ操作は、拡散層を形成する一方向織物全体を通して取り掛かられることもできる。変形例として、ニードルパンチは、拡散層を形成する全ての一方向織物の数よりも少ない数の一方向織物を含む一方向織物の積み重ねを通して達成されることが可能である。その後ニードルパンチは、拡散層を形成する全ての一方向織物を含む積み重ねに繰り返される。
図9A及び図9Bは、ニードルパンチ操作の実施による電気化学セルの特徴の向上を表す。図9Aに表される曲線206は、配列された4つの一方向織物を含む電気化学セルの分極曲線であり(横軸:電気化学セルの端子における電圧であるボルト、縦軸:電気化学セルを横断する電流密度であるA/cm)、第1の織物のカーボンフィラメントの配列を参照として、0°/90°/90°/0°の構成をしており、織物はニードルパンチされていない、又は電気化学セルの特徴を向上させることができる前述した方法と異なる方法、つまり一方向織物の厚さ全体を貫通することなく、及び100衝撃/cm以下の表面衝撃密度でニードルパンチされている。用いられる織物はそれぞれ、およそ50g/mの坪量を有し、12,000のカーボンフィラメントを有するワイヤーで形成される。曲線208及び曲線210は、所与の電気化学セルでの最小の及び最大の分極曲線であるが、カーボンフィラメントの一方向織物は、およそ100−300衝撃/cmの表面衝撃密度で、この場合はおよそ138衝撃/cmに等しく、一方向織物全体を貫通してニードルパンチされている。電気化学セルの特性は、一方向織物の両側からニードルパンチを受けることによってまた更に向上する。
カーボンフィラメントの少なくとも1つの一方向織物から製造される、主にPEM型燃料電池又は電解槽のための拡散層はすでに前述されたが、これらの拡散層は、導電性材料から作成される少なくとも1つの拡散層を用いる、リン酸型燃料電池又は電池のような全ての電気化学デバイスに適用する。
10 電気化学セル
10a、10b、10c 電気化学セル
12 膜/電極接合体(AME)
14a アノード
14b カソード
16a、16b 活性層
18a、18b 拡散層
20a、20b、54a、54b モノポーラプレート
22a、22b チャンネル
50 燃料電池、電気化学装置
52a、52b バイポーラプレート
102、102a、102b、102c 一方向織物
104 カーボンフィラメント
105、108 ワイヤー
106 シース
110 マイクロポーラス層
112 拡散層
114 多軸織物
116、118 主要な対向する面
202、204、206、208、210、212 分極曲線

Claims (15)

  1. 電気化学装置(10、50)の拡散層(112)の製造方法であって、
    カーボンフィラメント(104)の複数の一方向織物(102、102a、102b、102c)を重ね合わせる段階であって、それぞれの一方向織物(102、102a、102b、102c)の前記カーボンフィラメント(104)が、互いに隣接して配され、互いにおおよそ平行に配列される段階と、
    前記一方向織物(102、102a、102b、102c)をニードルパンチして前記カーボンフィラメント(104)の一部を壊す段階であって、前記カーボンフィラメント(104)の壊れた部位が、前記一方向織物(102、102a、102b、102c)の他の前記カーボンフィラメント(104)と絡まるようになる段階と、
    前記複数の一方向織物(102、102a、102b、102c)の少なくとも一部の切断する段階であって、前記カーボンフィラメント(104)が、前記拡散層(112)の導電外表面を少なくとも1つ形成する段階と、
    を少なくとも含み、
    前記ニードルパンチの段階が、前記複数の一方向織物(102、102a、102b、102c)を貫通することで、及び/又は前記複数の一方向織物(102、102a、102b、102c)の2つの主要な対向する面(116、118)を通すことで、及び/又は複数の前記一方向織物(102、102a、102b、102c)に対しておよそ100−300衝撃/cmの衝撃密度で達成される、電気化学装置(10、50)の拡散層(112)の製造方法。
  2. 少なくとも第1の前記一方向織物(102a)の前記カーボンフィラメント(104)の配列が、少なくとも第2の前記一方向織物(102b)の前記カーボンフィラメント(104)の配列に対して、非0°の角度を形成する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一方向織物(102、102a、102b、102c)を重ね合わせる段階の前に、前記カーボンフィラメント(104)が、前記カーボンフィラメント(104)の機械特性を強化可能な材料で被覆され、その後互いに取り付けられて異なる前記一方向織物(102、102a、102b、102c)を形成し、前記カーボンフィラメント(104)が互いに取り付けられた後に前記強化材料が除去される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記カーボンフィラメント(104)に疎水性又は親水性を付与する、前記カーボンフィラメント(104)の処理段階も含む、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記一方向織物(102、102a、102b、102c)のそれぞれが、10−200μmの厚さであり、及び/又はおよそ40−60g/mの表面質量を有する、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
  6. それぞれのカーボンフィラメント(104)が、およそ6−8μmの直径を有し、及び/又はおよそ0.8−1.8Ω・cmの電気抵抗率を有する、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
  7. 少なくとも第1の前記一方向織物(102a)の前記カーボンフィラメント(104)の配列が、前記カーボンフィラメントの少なくとも第2の前記一方向織物(102b)の前記カーボンフィラメント(104)の配列に対して、非0°の角度、又はおよそ10−95°の、若しくはおよそ40−50°の角度を形成する、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記拡散層(112)が、2以上、5以下の数の前記カーボンフィラメント(104)の前記一方向織物(102、102a、102b、102c)の重ね合わせを含む、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 前記拡散層(112)が、
    前記第1の一方向織物(102a)の前記カーボンフィラメント(104)の配列が、前記第2の一方向織物(102c)の前記カーボンフィラメント(104)の配列に対しておよそ0−20°の角度を形成するように、前記カーボンフィラメント(104)の前記第1の(102a)及び前記第2の(102c)一方向織物を含み、
    並びに、前記カーボンフィラメント(104)の前記第1の(102a)及び前記第2の(102c)一方向織物の間に配される、カーボンフィラメント(104)の第3の一方向織物(102b)も含み、
    前記第1の(102a)及び前記第2の(102c)一方向織物の前記カーボンフィラメント(104)の配列のそれぞれが、前記第3の一方向織物(102b)の前記カーボンフィラメント(104)の配列に対しておよそ70−110°の角度を形成するようなものである、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 前記拡散層(112)が、前記カーボンフィラメント(104)の前記第1の(102a)及び前記第2の(102c)一方向織物の間に配される、カーボンフィラメント(104)の第4の一方向織物も含み、前記第4の織物の前記カーボンフィラメント(104)の配列が、前記第1の(102a)及び前記第2の(102c)一方向織物の前記カーボンフィラメント(104)の配列のそれぞれに対して70−110°の角度を形成するようなものである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記拡散層(112)が、前記カーボンフィラメント(104)の4つの前記一方向織物を含み、前記4つの一方向織物のそれぞれの前記カーボンフィラメント(104)の配列が、前記一方向織物に隣接する前記一方向織物の前記カーボンフィラメント(104)の配列に対して、およそ25−65°の角度を形成するようにこれらの織物が重ね合わされる、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  12. 請求項1から11の何れか一項に記載の拡散層(112)の製造方法の実施を少なくとも含む、プロトン交換膜を備える電気化学セル(10、10a、10b、10c)の製造方法。
  13. 前記拡散層(112)の少なくとも1つの一方向織物(102、102a、102b、102c)のカーボンフィラメント(104)の配列が、前記拡散層(112)に対向して位置するモノポーラプレートの少なくとも1つのチャンネルの長さの方向に対しておおよそ垂直である、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項12又は13の何れか一項に記載の電気化学セル(10、10a、10b、10c)の製造方法の実施を少なくとも含む、プロトン交換膜を備える燃料電池(50)の製造方法。
  15. 請求項12又は13の何れか一項に記載の電気化学セル(10、10a、10b、10c)の製造方法の実施を少なくとも含む、プロトン交換膜を備える電解槽(50)の製造方法。
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