JP2005243423A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電極における三相界面の確保と電気抵抗の低減とを両立し、電池性能を向上させる。
【解決手段】 燃料電池において、電解質層21上に形成されるカソード電極24は、第1の方向(図2中矢印Cの方向)に形成される複数の間隙24bを備えている。このカソード電極24上には、導電性を有する材料である導電性繊維によって形成される集電部25が配設される。集電部25は、カソード電極24上に接触配置されることで、間隙24bを介して隔てられるカソード電極24内の複数の領域24a間を接続する。
【選択図】 図2
【解決手段】 燃料電池において、電解質層21上に形成されるカソード電極24は、第1の方向(図2中矢印Cの方向)に形成される複数の間隙24bを備えている。このカソード電極24上には、導電性を有する材料である導電性繊維によって形成される集電部25が配設される。集電部25は、カソード電極24上に接触配置されることで、間隙24bを介して隔てられるカソード電極24内の複数の領域24a間を接続する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、燃料電池に関する。
電気化学反応により起電力を得る燃料電池では、発電効率を向上させるために、電極において、三相界面を充分に確保することが必要となる。三相界面とは、電気化学反応に供される反応ガスと、電解質と、電極(触媒)とによって形成され、反応活物質が電子やイオンを授受して実際に電気化学反応が進行する場である。例えば、特許文献1では、導電性材料から成り、厚さ方向に貫通する無数の小孔を有する網目状薄膜を電極として用いる構成が開示されており、電極をこのような網目状薄膜とすることで、電極内にガスが供給されやすい状態にして、三相界面の確保を図っている。
しかしながら、薄膜状の金属またはセラミックスにより電極を形成する場合に、三相界面を確保するために上記小孔のように薄膜状の電極を貫通する構造をより多く形成する場合には、電極を形成する薄膜全体で連続性を確保することが困難となり、薄膜状の電極に微小な非連続領域が発生する場合がある。電極として働く薄膜に微小な非連続領域が存在すると、この非連続領域において、電極に隣接する部材との間での電子の授受が不十分となり、電極における集電が不十分となる可能性があった。このように集電が不十分となると、燃料電池における電気抵抗が増大して、発電効率が低下する可能性がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、電極における三相界面の確保と電気抵抗の低減とを両立し、電池性能を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、燃料電池であって、
電解質層と、
前記電解質層上において全体として薄膜状に形成されると共に、第1の方向に形成される複数の間隙を有する電極部と、
導電性を有する材料によって形成されると共に、前記電極部上に接触配置されて、前記間隙を介して隔てられる前記電極部内の複数の領域間を接続する集電部と
を備えることを要旨とする。
電解質層と、
前記電解質層上において全体として薄膜状に形成されると共に、第1の方向に形成される複数の間隙を有する電極部と、
導電性を有する材料によって形成されると共に、前記電極部上に接触配置されて、前記間隙を介して隔てられる前記電極部内の複数の領域間を接続する集電部と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の燃料電池によれば、電極部において第1の方向に形成される複数の間隙を介して隔てられる電極部内の複数の領域間が、集電部によって電気的に接続されるため、間隙をより多く設けて三相界面を増加させる場合にも、電極部全体における集電を確保して電気抵抗の増大を抑えることが可能となる。したがって、三相界面の確保と電気抵抗の低減とを両立させて、電池性能を向上させることができる。
本発明の燃料電池において、前記領域は、前記間隙によって分断されていることとしても良い。電極部内が間隙によって分断されていても、分断された領域間が集電部によって電気的に接続されるため、燃料電池における電気抵抗を低減できる。
本発明の燃料電池において、
前記電極部は電気化学反応を促進する触媒活性を有する材料によって形成されることとしても良い。
前記電極部は電気化学反応を促進する触媒活性を有する材料によって形成されることとしても良い。
このような構成とすれば、電極部において、三相界面の確保と電気抵抗の低減とを両立させることができる。この場合には、間隙を介して隔てられる前記電極部内の複数の領域が、電気化学反応を促進する触媒活性を有する材料から成る緻密層であっても、間隙によって電極部内でガス透過性を確保して、充分な三相界面を形成することが可能となる。
本発明の燃料電池において、前記集電部は、前記第1の方向と交差する第2の方向を長手方向とすることとしても良い。集電部の長手方向を間隙の方向と交差させることで、間隙を介して隔てられる電極部内の複数の領域間を、集電部によって電気的に接続することができる。
このような燃料電池において、前記第1の方向と前記第2の方向とが直交することとしても良い。この場合には、単純な構成により、電極における接触抵抗を低減可能となる。
また、上記本発明の燃料電池において、さらに、
導電性と共に所定の凹凸形状を有する部材であって、前記集電部上に配設されて、前記集電部との間で、前記電気化学反応に供する反応ガスを、前記凹凸形状に従って前記第2の方向と交差する第3の方向に導く流路を形成するガスセパレータを備えることとしても良い。
導電性と共に所定の凹凸形状を有する部材であって、前記集電部上に配設されて、前記集電部との間で、前記電気化学反応に供する反応ガスを、前記凹凸形状に従って前記第2の方向と交差する第3の方向に導く流路を形成するガスセパレータを備えることとしても良い。
このような構成とすれば、ガスセパレータから集電部に対して、電解質層側への充分な押圧力を加えることが可能となり、集電部と電極との間の接触抵抗を低減することができる。
このような燃料電池において、前記第2の方向と前記第3の方向とが直交することとしても良い。このような場合には、単純な構成により、集電部と電極との間の接触抵抗を低減可能となる。
本発明の燃料電池において、前記集電部は、糸状に形成された導電性繊維を織成して形成されることとしても良い。この場合には、集電部において電極部と接する面を構成する導電性繊維によって、間隙を介して隔てられる領域間を電気的に接続することができる。
このような本発明の燃料電池において、前記集電部において前記電極部と接する面は、該面を構成する主要な前記導電性繊維として、前記第1の方向と交差する第2の方向を長手方向とする前記導電性繊維を備えることとしても良い。この場合には、間隙を介して隔てられる電極部内の複数の領域間を、間隙と交差する導電性繊維によって電気的に接続することができる。
また、このような燃料電池において、さらに、
導電性と共に所定の凹凸形状を有する部材であって、前記集電部上に配設されて、前記集電部との間で、前記電気化学反応に供する反応ガスを前記凹凸形状に従って第3の方向に導く流路を形成するガスセパレータを備え、
前記集電部において前記ガスセパレータと接する面は、該面を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第3の方向と交差する第4の方向となる前記導電性繊維を備えることとしても良い。
導電性と共に所定の凹凸形状を有する部材であって、前記集電部上に配設されて、前記集電部との間で、前記電気化学反応に供する反応ガスを前記凹凸形状に従って第3の方向に導く流路を形成するガスセパレータを備え、
前記集電部において前記ガスセパレータと接する面は、該面を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第3の方向と交差する第4の方向となる前記導電性繊維を備えることとしても良い。
このような構成とすれば、ガスセパレータによって、集電部に対して、電解質層側への充分な押圧力を加えることが可能となり、集電部と電極との間の接触抵抗を低減することができる。
このような本発明の燃料電池において、前記第3の方向と前記第4の方向とが直交することとしても良い。
このような場合には、単純な構成により、集電部と電極との間の接触抵抗を低減可能となる。特に、集電部が、この集電部を構成する主要な導電性繊維として、長手方向が、前記第2の方向となる前記導電性繊維を備える場合には、集電部と電極との間の接触抵抗を低減する効果を顕著に得ることができる。
あるいは、本発明の燃料電池において、
前記集電部は、該集電部を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第1の方向と交差する第2の方向となる前記導電性繊維を備え、
前記燃料電池は、さらに、前記集電部上に、導電性およびガス透過性を有する補強層を備えることとしても良い。
前記集電部は、該集電部を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第1の方向と交差する第2の方向となる前記導電性繊維を備え、
前記燃料電池は、さらに、前記集電部上に、導電性およびガス透過性を有する補強層を備えることとしても良い。
このように、集電部を構成する主要な導電性繊維として、長手方向が、前記第1の方向と交差する第2の方向となる前記導電性繊維を用いることで、前記電極と接する面を構成する主要な導電性繊維の長手方向が第2の方向となる構造を、容易に実現できる。このように集電部を構成する主要な導電性繊維の長手方向を同じ方向とした場合にも、補強層を設けることで、燃料電池全体の強度が低下するのを防止可能となる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本実施例の燃料電池の構成単位である単セル20の概略構成を示す断面模式図である。本発明の燃料電池は、単セル20を複数積層して直列に接続したスタック構造を有している。単セル20は、水素透過性金属層22と、水素透過性金属層22の一方の面上に形成されたアノード電極23と、水素透過性金属層22の他方の面上に形成された電解質層21と、電解質層21上に形成されたカソード電極24と、カソード電極24上に配設された集電部25と、を備えている。以下、アノード電極23、水素透過性金属層22、電解質層21、カソード電極24、および集電部25を積層した構造を、MEA(膜電極接合体:Membrane-Electrode Assembly )26と呼ぶ。この内、アノード電極23、水素透過性金属層22、電解質層21、およびカソード電極24を積層した構造を、発電部27と呼ぶ。単セル20は、さらに、MEA26を両側から挟持する2つのガスセパレータ28、29を備えている。ガスセパレータ28とアノード電極23との間には、水素を含有する燃料ガスが通過する単セル内燃料ガス流路30が形成されている。ガスセパレータ29と集電部25との間には、酸素を含有する酸化ガスが通過する単セル内酸化ガス流路32が形成されている。
図1は、本実施例の燃料電池の構成単位である単セル20の概略構成を示す断面模式図である。本発明の燃料電池は、単セル20を複数積層して直列に接続したスタック構造を有している。単セル20は、水素透過性金属層22と、水素透過性金属層22の一方の面上に形成されたアノード電極23と、水素透過性金属層22の他方の面上に形成された電解質層21と、電解質層21上に形成されたカソード電極24と、カソード電極24上に配設された集電部25と、を備えている。以下、アノード電極23、水素透過性金属層22、電解質層21、カソード電極24、および集電部25を積層した構造を、MEA(膜電極接合体:Membrane-Electrode Assembly )26と呼ぶ。この内、アノード電極23、水素透過性金属層22、電解質層21、およびカソード電極24を積層した構造を、発電部27と呼ぶ。単セル20は、さらに、MEA26を両側から挟持する2つのガスセパレータ28、29を備えている。ガスセパレータ28とアノード電極23との間には、水素を含有する燃料ガスが通過する単セル内燃料ガス流路30が形成されている。ガスセパレータ29と集電部25との間には、酸素を含有する酸化ガスが通過する単セル内酸化ガス流路32が形成されている。
水素透過性金属層22は、水素透過性を有する金属によって形成される層であり、例えば、バナジウム(V)等の5族金属(Vの他、ニオブ、タンタル等)または5族金属の合金によって形成される。水素透過性金属層22は、数十μm(例えば40μm程度)の厚みに形成すればよい。なお、水素透過性金属層22は、5族金属または5族金属の合金からなる層に加えて、さらにそのカソード側(電解質層21と接する境界面)に、後述するアノード電極23と同様のパラジウム(Pd)層を設けることとしても良い。
アノード電極23は、水素分子を分離する活性と共に水素透過性を有する金属、例えばPdやPd合金によって形成される。このアノード電極23は、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、めっきなどにより、水素透過性金属層22上に形成する。アノード電極23は、例えば1μm以下の厚みに形成すればよい。
電解質層21は、プロトン伝導性を有する固体電解質から成る層である。電解質層21を構成する固体電解質としては、例えば、BaCeO3、SrCeO3系のセラミックスプロトン伝導体を用いることができる。この電解質層21は、水素透過性金属層22上に、上記固体電解質を生成させることによって形成することができる。電解質層21を形成する方法としては、例えば、PVD、CVDなど種々の手法を用いることができる。このように、電解質層21を緻密な水素透過性金属層22上に成膜することにより、電解質層21の充分な薄膜化が可能となる。電解質層21を薄膜化することにより、電解質層21の膜抵抗をより低減することができ、従来の固体電解質型燃料電池の運転温度よりも低い温度である約200〜600℃程度で燃料電池を運転することが可能となる。電解質層21の厚さは、例えば、0.1〜5μmとすることができ、膜抵抗や強度を考慮して適宜設定すればよい。
カソード電極24は、電気化学反応を促進する触媒活性を有する材料を備える層である。本実施例では、電解質層21上に白金(Pt)層を形成することによってカソード電極24を設けている。カソード電極24となるPt層は、例えばPVDあるいはCVDによって形成することができる。このようなカソード電極24は、例えば1μm以下に形成することが望ましい。本実施例のカソード電極24は、複数の間隙によって複数の領域に分断されることを特徴とするが、詳しい構成については後述する。
集電部25は、導電性を有する材料からなる繊維を織成することによって形成したガス透過性を有する部材である。集電部25を形成する導電性材料は、燃料電池の内部環境で安定であって、繊維状に成形することができればよく、例えばステンレス鋼やチタンなどの金属や、カーボン等とすることができる。したがって、集電部25は、例えば金属メッシュやカーボンクロスによって形成することができる。本実施例の集電部25は、導電性繊維を織成する際に、特定の方向の繊維をより多く用いて形成することを特徴としている。この集電部25の構成および集電部25とカソード電極24の関係は、本発明の要部に対応するものであり、詳しい構成については後述する。なお、単セル20において、アノード電極23とガスセパレータ28との間にも、集電部25と同様の集電部を配設することとしても良い。
ガスセパレータ28,29は、カーボンや金属などの導電性材料によって構成されるガス不透過な板状部材である。ガスセパレータ28,29の表面には、それぞれ、単セル内燃料ガス流路30あるいは単セル内酸化ガス流路32を形成するための所定の凹凸形状が形成されている。図1では、このようにガスセパレータ28,29を別個の部材として表わしているが、本実施例の実際の燃料電池スタックでは、ガスセパレータ28,29の区別はない。すなわち、各ガスセパレータは、一方の面では、ガスセパレータ28として所定の単セル20の単セル内燃料ガス流路30を形成し、他方の面では、ガスセパレータ29として上記所定の単セル20に隣接する単セルの単セル内酸化ガス流路32を形成する。なお、ガスセパレータ28,29は、このセパレータと接する集電部25と同種の材料により形成することが望ましい。また、燃料電池スタック内において、隣り合う単セル20間に冷媒流路を設けることとしても良い。
なお、図1では記載を省略しているが、燃料電池スタック内には、燃料電池スタックを積層方向を貫通して、燃料ガス供給マニホールド、燃料ガス排出マニホールド、酸化ガス供給マニホールドおよび酸化ガス排出マニホールドが設けられている。燃料電池スタックに対して燃料ガスが供給されると、燃料ガスは、燃料ガス供給マニホールドを介して各単セル内燃料ガス流路30に分配されて電気化学反応に供され、その後燃料ガス排出マニホールドに集合して外部に導かれる。また、燃料電池スタックに対して酸化ガスが供給されると、酸化ガスは、酸化ガス供給マニホールドを介して各単セル内酸化ガス流路32に分配されて電気化学反応に供され、その後酸化ガス排出マニホールドに集合して外部に導かれる。
以下に、カソード電極24および集電部25、さらにガスセパレータ29についての詳しい構成を説明する。図2は、MEA26の構成を表わす分解斜視図である。図2に示すMEA26は、正方形状の面を持つ層を積層した板状部材である。ここで、電解質層21上に形成されるカソード電極24は、互いに平行な(発電部27の一辺と平行な)複数の溝状の間隙24bによって分断される互いに略平行な複数の領域24aから成る。各々の領域24aは、幅Aを有し、発電部27の上記一辺の長さと等しい長さを有している(図2参照)。各領域24aは、それぞれ、緻密なPt層として形成されている。したがって、金属薄膜として形成される各領域24a内では、集電のために充分な極めて高い導電性が確保されている。また、各々の間隙24bは、幅Bを有し、発電部27の上記一辺の長さと等しい長さを有している(図2参照)。図2において、間隙24bが形成される方向を、矢印Cによって示している。
単セル20内で電気化学反応が進行する際には、単セル内酸化ガス流路32から供給される酸化ガスは、主としてこの間隙24bを介して、カソード電極24と電解質層21との境界部へと到達する。すなわち、間隙24bは、電極において三相界面を充分に形成可能なガス透過性を確保するための構造である。領域24aの幅Aは、例えば数μm〜数十μmとすることができる。また、間隙24bの幅Bは、幅Aの10分の1〜50分の1程度、例えば、数十nm〜数μmとすることができる。領域24aによって確保される集電性と、間隙24bによって確保されるガス透過性とのバランスを考慮して、カソード電極24において充分に三相界面が形成され、充分な電池性能が確保されるように、カソード電極24の厚みに応じて上記幅Aおよび幅Bの値を設定すればよい。このようなカソード電極24は、例えば、電解質層21上において間隙24bとなる領域を予めマスキングしておき、残る領域に対してPtを蒸着させることによって形成可能である。電解質層21上にカソード電極24を設けることにより、発電部27が形成される。
図2に示すように、カソード電極24上にさらに集電部25を配設することで、MEA26が形成される。図3は、集電部25の構造を模式的に表わす説明図である。図3に示すように、集電部25は、導電性繊維からなる横糸F1と縦糸F2とを織成したものであるが、縦糸F2の量が、横糸F1の量に比べてはるかに少ないものとなっている。したがって、集電部25は、この集電部25を構成する主要な導電性繊維の長手方向(長さ方向)が、横糸F1に対応する一方向を向いている構造となっている。具体的には、図2中の矢印Dで示す長さ方向を有し、集電部25において矢印Dで示す方向にわたってとぎれることなく連続する長さを有する導電性繊維を、横糸F1としている。そのため、集電部25において、カソード電極24と接する側の表面では、ほとんどの導電性繊維が一方向を向いている。ここで、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向(横糸F1の方向であり、図2では矢印Dの方向)は、カソード電極24を複数に分断する切れ込みである間隙24bが設けられた方向(矢印Cの方向)に対して垂直となっている。これにより、カソード電極24上に配設された集電部25において、集電部25表面に存在する所定の一方向を向く各導電性繊維は、カソード電極24を構成する各々の領域24aと接触することができる。
集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向が一方向を向く状態としては、例えば、導電性繊維全体に対する横糸F1量の割合を、90%以上とすることができる。縦糸F2の量は、縦糸F2が横糸F1と共に織成されることで集電部25の形状を維持可能であればよく、縦糸F2が少ないほど、集電部25表面の横糸F1は、縦糸F2に妨げられることなく各々の領域24aと接触可能となり好ましい。ただし、縦糸F2量を少なくするほど集電部25の強度は低下するため、接触抵抗を低減する効果や強度を確保する効果等を考慮して、横糸F1量と縦糸F2量との割合を適宜設定すればよい。また、図3では横糸F1と縦糸F2とが略同一の太さであるように表わしているが、縦糸F2を横糸F1に比べて細くすることにより、横糸F1による各領域24a間の接続を縦糸F2が妨げるのを抑える効果を高めることができる。
単セル20を作製する際には、発電部27のカソード電極24上に、さらにガスセパレータ29を積層する。図4は、発電部27上にガスセパレータ29を積層する様子を表わす説明図である。ガスセパレータ29は、既述したように、単セル内酸化ガス流路32を形成するための所定の凹凸形状を有しているが、この凹凸形状は、酸化ガスを一方向に導く平行な複数の溝を備えている。ガスセパレータ29を発電部27上に配設する際には、上記複数の溝の方向(図4中の矢印Eの方向)が、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向(図4中矢印Dの方向)に対して垂直となるように配設する。
以上のように構成された本実施例の燃料電池によれば、複数の間隙24bによって分割することで、カソード電極24において三相界面を確保している。また、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向が、間隙24bの方向と直交するように、カソード電極24上に集電部25を配設することで、各領域24aを電気的に接続してカソード電極24における電気抵抗を低減している。これにより、単純な構成によって、カソード電極24において三相界面と集電性とを両立させて、電池性能を向上させることができる。なお、カソード電極24において、間隙24bによって分断される各領域24aの幅Aは、必ずしもすべての領域24aで等しくなくても良く、カソード電極24全体で充分な三相界面を確保可能であればよい。
また、本実施例の燃料電池によれば、カソード電極24を構成する主要な導電性繊維の長さ方向が一方向となるようにカソード電極24を形成する際に、カソード電極24に積層するガスセパレータ29が有する凹凸形状の溝方向を、上記一方向に対して直交する方向としている。したがって、ガスセパレータ29の凹凸形状における凸部によって、集電部25をカソード電極24側に押圧することができる。図5は、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向と、ガスセパレータ29の凹凸形状の方向とが同一方向であると仮定した場合の、集電部25とガスセパレータ29との接触部近傍の様子を表わす断面模式図である。このような場合には、ガスセパレータ29の凹凸形状の凸部が、導電性繊維に沿って集電部25内に落ち込むと共に、上記凸部によって押さえられない領域(図5の領域F)では面圧(集電部25をカソード電極24側に押さえつける力)が不十分となり、このような領域で接触抵抗が増大する可能性がある。本実施例によれば、集電部25をカソード電極24側に押圧することができるため、集電部25とカソード電極24間の接触抵抗を低減することができる。集電部25とカソード電極24との間の接触抵抗がより大きい領域が生じると、単セル面内で発電状態が不均一化して、電池出力が低下する場合があるが、本実施例では、単セル面全体で接触抵抗を低減できるため、電池性能を高く維持することができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例の燃料電池の構成を表わす分解斜視図である。第2実施例では、第1実施例の燃料電池と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。第2実施例の燃料電池は、第1実施例の燃料電池とほぼ同様の構成を備えるが、集電部25とガスセパレータ29との間に、さらに補強集電部40を備える点が異なっている。
図6は、第2実施例の燃料電池の構成を表わす分解斜視図である。第2実施例では、第1実施例の燃料電池と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。第2実施例の燃料電池は、第1実施例の燃料電池とほぼ同様の構成を備えるが、集電部25とガスセパレータ29との間に、さらに補強集電部40を備える点が異なっている。
補強集電部40は、充分な導電性およびガス透過性を有すると共に、集電部25とは異なり、構成材料が特定の方向性を示さない(構成材料が特定の長さ方向を示さない)薄板状部材である。このような補強集電部40は、隣接する集電部25およびガスセパレータ29と同種の材料により形成することが望ましい。図6では、集電部25およびガスセパレータ29をステンレス鋼により形成すると共に、補強集電部40が、ガス透過性を確保するための多数の細孔42を有するステンレス薄板である構成を示している。あるいは、集電部25およびガスセパレータ29をカーボン材料により形成する場合には、補強集電部40は、カーボンペーパとすることができる。
このような構成とすれば、第1実施例と同様に、特定方向の多数の間隙24bにより分断されたカソード電極24と、主要な導電性繊維の長さ方向が間隙24bと直交する集電部25とを積層することで、発電性能を向上させる既述した効果が得られると共に、補強集電部40をさらに設けることで、燃料電池全体の強度を高めることができる。また、補強集電部40を設ける場合には、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とガスセパレータ29の凹凸形状の方向とを特に考慮しなくても、集電部25全体をより均一にカソード電極24側に押圧することができ、充分に接触抵抗を低減することが可能となる。
なお、第2実施例では、補強集電部40は構成材料が特定の方向性を示さないこととしたが、特定の方向性を示す補強集電部40を用いる構成も可能である。集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向と交差する方向性を有する補強集電部を設ける場合にも、燃料電池全体の強度を向上させることができる。例えば、構成材料であるカーボン繊維の内、長さ方向が、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とは異なる特定方向である割合が高いカーボンペーパを、補強集電部として用いることとしても良い。この場合には、補強集電部の構成材料が示す方向が、ガスセパレータ29の凹凸形状の方向との間で充分な角度を形成するように、補強集電部を配設し、集電部25全体をカソード電極24側へ充分に押圧することが望ましい。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
第1および第2実施例では、カソード電極24を分断する間隙24bの方向と、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とが直交することとしたが、直交とは異なる角度を成すこととしても良い。集電部25を構成する導電性繊維によって各領域24a間が電気的に接続されれば良い。集電部25においてカソード電極24と接する面を構成する主要な導電性繊維の長さ方向が、間隙24bの方向と交差するならば、効率よく各領域24a間を接続することができ、カソード電極24と集電部25との間の接触抵抗を低減することができる。
第1および第2実施例では、カソード電極24を分断する間隙24bの方向と、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とが直交することとしたが、直交とは異なる角度を成すこととしても良い。集電部25を構成する導電性繊維によって各領域24a間が電気的に接続されれば良い。集電部25においてカソード電極24と接する面を構成する主要な導電性繊維の長さ方向が、間隙24bの方向と交差するならば、効率よく各領域24a間を接続することができ、カソード電極24と集電部25との間の接触抵抗を低減することができる。
C2.変形例2:
第1実施例では、ガスセパレータ29に形成された凹凸形状の方向(凹凸形状により酸化ガスが導かれる方向)と、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とを直交させることで、カソード電極24に集電部25が接する際の面圧を確保しているが、異なる角度としても良い。ガスセパレータ29の凹凸形状を構成する凸部の方向と、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とを交差させることで、上記凸部が集電部25内に落ち込むことによる面圧低下領域の発生を防止する効果が得られる。
第1実施例では、ガスセパレータ29に形成された凹凸形状の方向(凹凸形状により酸化ガスが導かれる方向)と、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とを直交させることで、カソード電極24に集電部25が接する際の面圧を確保しているが、異なる角度としても良い。ガスセパレータ29の凹凸形状を構成する凸部の方向と、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向とを交差させることで、上記凸部が集電部25内に落ち込むことによる面圧低下領域の発生を防止する効果が得られる。
C3.変形例3:
第1および第2実施例では、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向を、集電部25全体で一定としたが、異なる構成としても良い。例えば、裏と表とのそれぞれで、主要な導電性繊維の長さ方向が異なるように、集電部を形成することとしても良い。この場合にも、カソード電極24と接する側の表面において、主要な導電性繊維の長さ方向が、カソード電極24の間隙24bの方向と交差する等により、導電性繊維が領域24a間を接続することで、接触抵抗を低減する同様の効果が得られる。また、ガスセパレータ29と接する側の表面において、主要な導電性繊維の長さ方向が、ガスセパレータ29の凹凸形状の方向と交差するならば、第1実施例と同様に集電部における面圧を確保する効果が得られる。
第1および第2実施例では、集電部25を構成する主要な導電性繊維の長さ方向を、集電部25全体で一定としたが、異なる構成としても良い。例えば、裏と表とのそれぞれで、主要な導電性繊維の長さ方向が異なるように、集電部を形成することとしても良い。この場合にも、カソード電極24と接する側の表面において、主要な導電性繊維の長さ方向が、カソード電極24の間隙24bの方向と交差する等により、導電性繊維が領域24a間を接続することで、接触抵抗を低減する同様の効果が得られる。また、ガスセパレータ29と接する側の表面において、主要な導電性繊維の長さ方向が、ガスセパレータ29の凹凸形状の方向と交差するならば、第1実施例と同様に集電部における面圧を確保する効果が得られる。
C4.変形例4:
第1および第2実施例では、カソード電極24は、特定方向に設けられた複数の間隙24bによって、平行な細長い複数の領域24aに分断されているが、完全に分断されていなくても良い。図7は、完全には分断されていないカソード電極の例であって、特定の方向に形成された複数の間隙124bによって部分的に分断されたカソード電極124の形状の概略を表わす平面図である。このように、カソード電極が完全には分断されていなくても、特定の方向に形成された多数の間隙124bを介して隔てられた領域が形成されることで、三相界面を充分に確保可能となるようにカソード電極におけるガス透過性を向上させることができる。また、カソード電極124に隣接する集電部を構成する主要な導電性繊維の長さ方向を、上記特定の方向と交差させることで、カソード電極124における集電性を確保して、集電部とカソード電極124との間の接触抵抗を低減することができる。
第1および第2実施例では、カソード電極24は、特定方向に設けられた複数の間隙24bによって、平行な細長い複数の領域24aに分断されているが、完全に分断されていなくても良い。図7は、完全には分断されていないカソード電極の例であって、特定の方向に形成された複数の間隙124bによって部分的に分断されたカソード電極124の形状の概略を表わす平面図である。このように、カソード電極が完全には分断されていなくても、特定の方向に形成された多数の間隙124bを介して隔てられた領域が形成されることで、三相界面を充分に確保可能となるようにカソード電極におけるガス透過性を向上させることができる。また、カソード電極124に隣接する集電部を構成する主要な導電性繊維の長さ方向を、上記特定の方向と交差させることで、カソード電極124における集電性を確保して、集電部とカソード電極124との間の接触抵抗を低減することができる。
C5.変形例5:
第1および第2実施例では、カソード電極を、触媒活性を有する貴金属薄膜により形成したが、金属以外の材料によりカソード電極を形成することも可能である。電極として充分な導電性と、触媒活性と、三相界面を形成するために要するプロトン伝導性とを有していれば、セラミックスなど他種の材料により、あるいは複数の材料の複合体として、カソード電極を形成することとしても良い。カソード電極を形成するために用いることができるセラミックス材料としては、例えば、La0.5Sr0.5MnO3 、La0.5Sr0.5CoO3 、Ba1.28Ce0.8Y0.05O3、Ba1.5Ce0.8Y0.15O3、Ba1.28Ce0.8Y0.15O3、Ba0.5Pr0.5CoO3を挙げることができる。金属以外の材料によりカソード電極を形成する場合にも、特定方向に形成された多数の間隙を介して隔てられた複数の領域がカソード電極内に形成され、カソード電極上に配設される集電部25によって上記領域間が電気的に接続されるならば、同様の効果が得られる。
第1および第2実施例では、カソード電極を、触媒活性を有する貴金属薄膜により形成したが、金属以外の材料によりカソード電極を形成することも可能である。電極として充分な導電性と、触媒活性と、三相界面を形成するために要するプロトン伝導性とを有していれば、セラミックスなど他種の材料により、あるいは複数の材料の複合体として、カソード電極を形成することとしても良い。カソード電極を形成するために用いることができるセラミックス材料としては、例えば、La0.5Sr0.5MnO3 、La0.5Sr0.5CoO3 、Ba1.28Ce0.8Y0.05O3、Ba1.5Ce0.8Y0.15O3、Ba1.28Ce0.8Y0.15O3、Ba0.5Pr0.5CoO3を挙げることができる。金属以外の材料によりカソード電極を形成する場合にも、特定方向に形成された多数の間隙を介して隔てられた複数の領域がカソード電極内に形成され、カソード電極上に配設される集電部25によって上記領域間が電気的に接続されるならば、同様の効果が得られる。
C6.変形例6:
第1および第2実施例では、繊維状に成形した導電性材料を縦糸および横糸として用いて織成し、織物の形状を維持するために必要な範囲で縦糸を少なくすることによって、集電部を形成しているが、異なる構成としても良い。例えば、長さ方向を特定の一方向に向けた導電性繊維を、導電性を有する接着剤を用いてシート状に形成して、集電部としても良い。集電部全体が充分なガス透過性を有し、カソード電極と接する表面に露出する導電性繊維が、間隙を介して隔てられるカソード電極内の領域間を電気的に接続するならば、実施例と同様の効果が得られる。
第1および第2実施例では、繊維状に成形した導電性材料を縦糸および横糸として用いて織成し、織物の形状を維持するために必要な範囲で縦糸を少なくすることによって、集電部を形成しているが、異なる構成としても良い。例えば、長さ方向を特定の一方向に向けた導電性繊維を、導電性を有する接着剤を用いてシート状に形成して、集電部としても良い。集電部全体が充分なガス透過性を有し、カソード電極と接する表面に露出する導電性繊維が、間隙を介して隔てられるカソード電極内の領域間を電気的に接続するならば、実施例と同様の効果が得られる。
また、集電部は、カソード電極と接する側の面に露出する導電性繊維のうち、主要な導電性繊維の長さ方向を特定の一方向性とする場合に、縦糸と横糸とを用いて織成する以外の構成としても良い。例えば、表面における主要な導電性繊維の長さ方向が一方向となるように形成したカーボンペーパを、集電部として用いても良い。ただし、集電部を構成する導電性繊維は、より長いことが望ましく、長い繊維を用いることで、導電性繊維の先端による電極や電解質層の物理的な損傷を防止できる。
さらに、糸状の導電性繊維を用いずに集電部を構成することとしても良い。カソード電極上に配設することによって、間隙を介して隔てられるカソード電極部内の複数の領域間を接続することができるならば、カソード電極における集電性を確保する効果が得られる。
C7.変形例7:
第1および第2実施例の燃料電池は、水素透過性金属から成るアノード電極23および水素透過性金属層22上に電解質層21を形成しているが、種々の変形が可能であり、ガス透過性と集電性とを両立すべき電極を備える燃料電池であれば、本発明を適用可能である。例えば、アノード側とカソード側の構成を入れ替えることとしても良い。この場合には、アノード側に本発明を適用することができる。すなわち、一方向に形成された複数の間隙を有するアノード電極と、このアノード電極上に配設され、間隙に隔てられたアノード電極内の複数の領域間を電気的に接続する集電部と、を設ければよい。
第1および第2実施例の燃料電池は、水素透過性金属から成るアノード電極23および水素透過性金属層22上に電解質層21を形成しているが、種々の変形が可能であり、ガス透過性と集電性とを両立すべき電極を備える燃料電池であれば、本発明を適用可能である。例えば、アノード側とカソード側の構成を入れ替えることとしても良い。この場合には、アノード側に本発明を適用することができる。すなわち、一方向に形成された複数の間隙を有するアノード電極と、このアノード電極上に配設され、間隙に隔てられたアノード電極内の複数の領域間を電気的に接続する集電部と、を設ければよい。
あるいは、水素透過性金属層を設けることなく、固体酸化物から成る電解質層の両側に、触媒活性を有する電極を設けることとしても良い。このような場合には、カソード電極だけでなく、アノード電極においても、ガス透過性と集電性とを両立させる必要が生じるため、カソード側とアノード側との双方において本発明を適用すればよい。
また、電解質層として、プロトン伝導性固体酸化物に代えて、酸化物イオン導電性固体酸化物を用いる燃料電池に本発明を適用することもできる。あるいは、固体酸化物以外の電解質、例えば、プロトン伝導性を有する固体高分子膜を電解質層として備える燃料電池に本発明を適用することとしても良い。この場合に、固体高分子膜としては、例えばフッ素系樹脂により形成されるプロトン伝導性のイオン交換膜とすることができる。
電解質層および電極の構成に関わらず、固体状の電解質層上に、導電性と、ガス透過性と、触媒活性と、三相界面を形成するために要するプロトンあるいは酸化物イオン伝導性とを有する電極を形成する場合に、本発明が適用できる。電極に一定方向の複数の間隙を設け、間隙に隔てられる電極内の複数の領域間を集電部によって電気的に接続することで、三相界面を確保しつつ電気抵抗を抑える同様の効果が得られる。
C8.変形例8:
第1実施例では、ガスセパレータが有するガス流路を形成するための凹凸形状は、一方向に設けられた複数の溝から成ることとしたが、異なる形状としても良い。図8は、異なる形状の一例として、ガスの流れ方向を途中で変更させる折れ曲がり部を複数有するサーペンタイン型流路を形成するガスセパレータ129の構成の概略を表わす平面図である。ガスセパレータ129は、酸化ガス流路を形成するための凹部である流路形成部135を有している。この流路形成部135が形成する酸化ガス流路は、上記のように複数の折れ曲がり部を有しているが、主として、図中に矢印Gで示す方向に酸化ガスを導く。このような場合には、ガスセパレータ129と接する面において、主要な導電性繊維の長さ方向が図中矢印Gの方向と交差する(例えば直交する)ように、ガスセパレータ129に隣接して集電部を配設すればよい。このような構成とすれば、流路形成部129の方向と、集電部を形成する主要な導電性繊維の長さ方向とが直交する領域では、集電部において充分な面圧を確保して、接触抵抗を低減する効果を得ることができる。
第1実施例では、ガスセパレータが有するガス流路を形成するための凹凸形状は、一方向に設けられた複数の溝から成ることとしたが、異なる形状としても良い。図8は、異なる形状の一例として、ガスの流れ方向を途中で変更させる折れ曲がり部を複数有するサーペンタイン型流路を形成するガスセパレータ129の構成の概略を表わす平面図である。ガスセパレータ129は、酸化ガス流路を形成するための凹部である流路形成部135を有している。この流路形成部135が形成する酸化ガス流路は、上記のように複数の折れ曲がり部を有しているが、主として、図中に矢印Gで示す方向に酸化ガスを導く。このような場合には、ガスセパレータ129と接する面において、主要な導電性繊維の長さ方向が図中矢印Gの方向と交差する(例えば直交する)ように、ガスセパレータ129に隣接して集電部を配設すればよい。このような構成とすれば、流路形成部129の方向と、集電部を形成する主要な導電性繊維の長さ方向とが直交する領域では、集電部において充分な面圧を確保して、接触抵抗を低減する効果を得ることができる。
20…単セル
21…電解質層
22…水素透過性金属層
23…アノード電極
24,124…カソード電極
24a…領域
24b,124b…間隙
25…集電部
26…MEA
27…発電部
28,29,129…ガスセパレータ
30…単セル内燃料ガス流路
32…単セル内酸化ガス流路
40…補強集電部
42…細孔
129…流路形成部
135…流路形成部
21…電解質層
22…水素透過性金属層
23…アノード電極
24,124…カソード電極
24a…領域
24b,124b…間隙
25…集電部
26…MEA
27…発電部
28,29,129…ガスセパレータ
30…単セル内燃料ガス流路
32…単セル内酸化ガス流路
40…補強集電部
42…細孔
129…流路形成部
135…流路形成部
Claims (13)
- 燃料電池であって、
電解質層と、
前記電解質層上において全体として薄膜状に形成されると共に、第1の方向に形成される複数の間隙を有する電極部と、
導電性を有する材料によって形成されると共に、前記電極部上に接触配置されて、前記間隙を介して隔てられる前記電極部内の複数の領域間を接続する集電部と
を備える燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池であって、
前記領域は、前記間隙によって分断されている
燃料電池。 - 請求項1または2記載の燃料電池であって、
前記電極部は電気化学反応を促進する触媒活性を有する材料によって形成される
燃料電池。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池であって、
前記集電部は、前記第1の方向と交差する第2の方向を長手方向とする
燃料電池。 - 請求項4記載の燃料電池であって、
前記第1の方向と前記第2の方向とが直交する
燃料電池。 - 請求項4または5記載の燃料電池であって、さらに、
導電性と共に所定の凹凸形状を有する部材であって、前記集電部上に配設されて、前記集電部との間で、前記電気化学反応に供する反応ガスを、前記凹凸形状に従って前記第2の方向と交差する第3の方向に導く流路を形成するガスセパレータを備える
燃料電池。 - 請求項6記載の燃料電池であって、
前記第2の方向と前記第3の方向とが直交する
燃料電池。 - 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池であって、
前記集電部は、糸状に形成された導電性繊維を織成して形成される
燃料電池。 - 請求項8記載の燃料電池において、
前記集電部において前記電極部と接する面は、該面を構成する主要な前記導電性繊維として、前記第1の方向と交差する第2の方向を長手方向とする前記導電性繊維を備える
燃料電池。 - 請求項9記載の燃料電池であって、さらに、
導電性と共に所定の凹凸形状を有する部材であって、前記集電部上に配設されて、前記集電部との間で、前記電気化学反応に供する反応ガスを前記凹凸形状に従って第3の方向に導く流路を形成するガスセパレータを備え、
前記集電部において前記ガスセパレータと接する面は、該面を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第3の方向と交差する第4の方向となる前記導電性繊維を備える
燃料電池。 - 請求項10記載の燃料電池であって、
前記第3の方向と前記第4の方向とが直交する
燃料電池。 - 請求項10または11記載の燃料電池であって、
前記集電部は、該集電部を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第2の方向となる前記導電性繊維を備える
燃料電池。 - 請求項8記載の燃料電池であって、
前記集電部は、該集電部を構成する主要な前記導電性繊維として、長手方向が、前記第1の方向と交差する第2の方向となる前記導電性繊維を備え、
前記燃料電池は、さらに、前記集電部上に、導電性およびガス透過性を有する補強層を備える
燃料電池。
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-
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- 2004-02-26 JP JP2004051493A patent/JP2005243423A/ja active Pending
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