JP2006260994A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発電分布のばらつきを抑制することができる燃料電池を提供する。
【解決手段】 燃料電池100は、電解質層(3a)の両面に導電性材料層(3b,3c,2a,2b)およびセパレータ(1)が順に積層された単電池を備え、一方の導電性材料層(3b,2a)は、中心部の層厚または密度に比較して周縁部の層厚または密度が大きいことを特徴とする。この場合、一方の導電性材料層(3b,2a)の中心部の層厚または密度が周縁部の層厚または密度に比較して大きいことから、一方の導電性材料層(3b,2a)はセパレータ(1)の変形に合わせて容易に変形する。それにより、燃料電池100の発電分布のばらつきを抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 燃料電池100は、電解質層(3a)の両面に導電性材料層(3b,3c,2a,2b)およびセパレータ(1)が順に積層された単電池を備え、一方の導電性材料層(3b,2a)は、中心部の層厚または密度に比較して周縁部の層厚または密度が大きいことを特徴とする。この場合、一方の導電性材料層(3b,2a)の中心部の層厚または密度が周縁部の層厚または密度に比較して大きいことから、一方の導電性材料層(3b,2a)はセパレータ(1)の変形に合わせて容易に変形する。それにより、燃料電池100の発電分布のばらつきを抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、セパレータを備えた燃料電池に関する。
燃料電池は、一般的には水素及び酸素を燃料として電気エネルギーを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れかつ高いエネルギー効率が実現できることから、今後のエネルギー供給システムとして広く開発が進められてきている。
燃料電池は、例えば、アノードとカソードとにより電解質が挟持された発電部が集電材およびセパレータを介して積層される構造を有する。この燃料電池においては、各層の接触抵抗を低減させることによる発電効率の向上が課題となっている。近年、集電材に加熱膨張性セラミックス粒子を混合する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術によれば、加熱膨張性セラミックスが膨張することにより、集電材とカソードとの接触抵抗の増大を抑制することができる。
しかしながら、一般に、セパレータ部材は高温還元雰囲気下にさらされるとアノード側に凸に反ってしまう。それにより、カソードと集電材との接触が不均一になり、発電分布にばらつきが発生する。
本発明は、発電分布のばらつきを抑制することができる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、電解質層の両面に導電性材料層およびセパレータが順に積層された単電池を備え、一方の導電性材料層は、中心部の層厚または導電性材料密度に比較して周縁部の層厚または導電性材料密度が大きいことを特徴とするものである。
本発明に係る燃料電池においては、セパレータの一方の導電性材料層側に水素を含む燃料ガスが流入することによって、セパレータの中心部が燃料ガス側に凸に湾曲する。この場合、一方の導電性材料層の中心部の層厚または導電性材料密度が周縁部の層厚または導電性材料密度に比較して大きいことから、一方の導電性材料層はセパレータの変形に合わせて容易に変形する。それにより、一方の導電性材料層とセパレータとの接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、一方の導電性材料層と電解質層との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、本発明に係る燃料電池の発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
他方の導電性材料層は、周縁部の層厚または導電性材料密度に比較して中心部の層厚または導電性材料密度が大きくてもよい。この場合、他方の導電性材料層の周縁部の層厚または導電性材料密度が中心部の層厚または導電性材料密度に比較して大きいことから、他方の導電性材料層はセパレータの変形に合わせて容易に変形する。それにより、他方の導電性材料層とセパレータとの接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、他方の導電性材料層と電解質層との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、本発明に係る燃料電池の発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
導電性材料層は電極および集電材を含み、一方の導電性材料層の電極および集電材のいずれか一方または両方は中心部の層厚または導電性材料密度に比較して周縁部の層厚または導電性材料密度が大きくてもよい。この場合、一方の導電性材料層はセパレータの変形に合わせて容易に変形する。それにより、一方の導電性材料層とセパレータとの接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、一方の導電性材料層と電解質層との接触抵抗が不均一になることが抑制される。また、電極および集電材のいずれか一方の層厚または導電性材料密度を変更すればよいので、本発明に係る燃料電池の設計が容易になる。
他方の導電性材料層の電極および集電材のいずれか一方または両方は、周縁部の層厚または導電性材料密度に比較して中心部の層厚または導電性材料密度が大きくてもよい。この場合、他方の導電性材料層はセパレータの変形に合わせて容易に変形する。それにより、他方の導電性材料層とセパレータとの接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、他方の導電性材料層と電解質層との接触抵抗が不均一になることが抑制される。また、電極および集電材のいずれか一方の層厚または導電性材料密度を変更すればよいので、本発明に係る燃料電池の設計が容易になる。
本発明に係る他の燃料電池は、電解質層の両面に導電性材料層およびセパレータが順に積層された単電池が複数積層された電池積層体と、電池積層体を積層方向に圧縮する一対のエンドプレートとを備え、電解質層、導電性材料層およびエンドプレートの少なくとも1つは中心部が周縁部から凸に湾曲していることを特徴とするものである。
本発明に係る他の燃料電池においては、セパレータの一方の導電性材料層側に水素を含む燃料ガスが流入することによって、セパレータの中心部が燃料ガス側に凸に湾曲する。この場合、電解質層、導電性材料層およびエンドプレートの少なくとも1つは中心部が周縁部から凸に湾曲していることから、セパレータと導電性材料層との接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、導電性材料層と電解質層との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、本発明に係る燃料電池の発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
一対のエンドプレートは、中心部が周縁部から同一方向に凸に湾曲していてもよい。この場合、セパレータが変形してもエンドプレートと電池積層体との接触抵抗が不均一になることが抑制される。それにより、本発明に係る燃料電池の発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
本発明によれば、発電分布にばらつきが発生することを抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、第1実施例に係る燃料電池100について説明する図である。図1(a)は、燃料電池100の一部省略模式的断面図である。図1(a)に示すように、燃料電池100は、燃料電池セル10がセパレータ1を介して積層された構造を有する。図1においては、燃料電池100の構造を簡略化してある。燃料電池セル10は、集電材2aの上面に発電部3および集電材2bが順に積層された構造を有する。集電材2a,2bは、例えば、金属メッシュ材、多孔質状のカーボン、カーボンペーパー、カーボンクロス、金属不織布、金属ペーパー、多孔質金属焼結体、金属波板等の導電性材料からなる。
図1(b)に示すように、発電部3は、アノード3cの上面に電解質層3aおよびカソード3bが順に積層された構造を有する。電解質層3aは、例えば、酸化物導電体、プロトン導電体等の導電体からなる。酸化物導電体としては、例えば、イットリア安定化ジルコニア(Zr(1−x)YxO2)、ガドリウムドープセリア(Ce(1−x)GdxO2)等があげられる。プロトン導電体としては、例えば、ペロブスカイト型プロトン導電体(BaCeO3,SrZrO3等)、固体酸型プロトン導電体(CsHSO4等)等のプロトン導電体等があげられる。
カソード3bは、例えば、La(1−x)SrxO3、La(1−x)SrxMnO3、銀、Sm(1−x)SrxCoO3、白金、パラジウム等の導電性材料からなる。アノード3cは、例えば、ニッケル、ニッケルジルコニアサーメット、白金、コバルト、パラジウム等の導電性材料からなる。
図1(c)に示すように、集電材2aにおいては、周縁部の多孔度が中心部の多孔度に比較して小さくなっている。集電材2aの周縁部の多孔度は例えば30%程度であり、中心部の多孔度は例えば50%程度である。この場合、集電材2aの周縁部の多孔度が中心部の多孔度に比較して小さくなっていればよく、上記数値には限定されない。また、集電材2aの周縁部から中心部にかけて多孔度が徐々に大きくなっていてもよい。ここで、多孔度が大きいと密度は小さく、多孔度が小さいと密度は大きくなる。
また、図1(d)に示すように、集電材2bにおいては、周縁部の多孔度が中心部の多孔度に比較して大きくなっている。集電材2bの周縁部の多孔度は例えば50%程度であり、中心部の多孔度は例えば30%程度である。この場合、集電材2bの周縁部の多孔度が中心部の多孔度に比較して大きくなっていればよく、上記数値には限定されない。また、集電材2bの中心部から周縁部にかけて多孔度が徐々に大きくなっていてもよい。
セパレータ1は、LaCrO3系等の導電性材料からなる。ここで、セパレータ1の一面に水素等の還元性ガスを含む燃料ガスを接触させ、セパレータ1の他面に酸素等の酸化性ガスを含む酸化剤ガスを接触させると、図1(e)に示すように、セパレータ1は、セパレータ1の中心部が燃料ガス側に凸に湾曲する。特に、セパレータ1の温度上昇に伴い、セパレータ1はさらに湾曲する。
次に、図1(f)を用いて燃料電池100の動作について説明する。まず、セパレータ1の集電材2a側に水素を含有する燃料ガスが流入するとともに、セパレータ1の集電材2b側に酸素を含有する酸化剤ガスが流入する。それにより、セパレータ1は、セパレータ1の中心部が集電材2a側に凸に湾曲する。また、発電部3においては酸化剤ガス中の酸素と燃料ガス中の水素とにより発電が行われ、燃料電池100の温度が800℃〜1000℃程度まで上昇する。それにより、セパレータ1は、さらに湾曲する。その結果、セパレータ1により集電材2aの中心部および集電材2bの周縁部が圧縮される。
この場合、集電材2aの中心部の多孔度が周縁部に比較して大きいことから、集電材2aは、セパレータ1の変形に合わせて容易に変形する。また、集電材2bの周縁部の多孔度が中心部の多孔度に比較して大きいことから、集電材2bは、セパレータ1の変形に合わせて容易に変形する。それにより、集電材2a,2bとセパレータ1との接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、集電材2a,2bと発電部3との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、燃料電池100の発電分布にばらつきが発生することが抑制される。また、セパレータ1の湾曲後における集電材2a,2bの多孔度(密度)が略均一(所望の密度)になることにより、セパレータと集電材2a,2bとの間の略均一な荷重が確保され、接触抵抗が不均一になることが抑制される。
本実施例においては、カソード3b、アノード3c、集電材2a,2bが導電性材料層に相当し、カソード3bおよびアノード3cが電極に相当する。また、上述したような集電材2a,2bにおける多孔度の分布が、導電性材料層の導電性材料密度の分布に相当する。
図2は、第2実施例に係る燃料電池100aについて説明する図である。燃料電池100aが図1の燃料電池100と異なる点は、集電材2a,2bの代わりに集電材2c,2dが設けられている点である。
図2(a)は締結前の集電材2c、セパレータ1および集電材2dの模式的断面図である。図2(a)に示すように、集電材2cにおいては、中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して小さくなっている。集電材2cの周縁部の厚さは、例えば、500μm前後の厚さであり、集電材2cの中心部の厚さは、例えば、400μm前後の厚さである。集電材2cの多孔度は、集電材2cの全体にわたって均一であり、例えば、30%程度である。
また、集電材2dにおいては、中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して大きくなっている。集電材2dの周縁部の膜厚は、例えば、400μm前後の厚さであり、集電材2dの中心部の厚さは、例えば、500μm前後の厚さである。集電材2dの多孔度は、集電材2dの全体にわたって均一であり、例えば、30%程度である。
図2(b)は、燃料電池100aの模式的断面図である。図2(b)に示すように、集電材2cの中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して小さくかつ集電材2dの中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して大きくなっていることから、セパレータ1は、セパレータ1の中心部が集電材2c側に凸に湾曲している。
以上のことから、セパレータ1の集電材2c側に燃料ガスが流入するとともに、セパレータ1の集電材2d側に酸化剤ガスが流入してセパレータ1が湾曲しようとしても、集電材2c,2dとセパレータ1との接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに集電材2c,2dと発電部3との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、燃料電池100aの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
なお、燃料電池100aに燃料ガスおよび酸化剤ガスが流入する前においては、セパレータ1は湾曲していなくてもよい。この場合、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流入によりセパレータ1が湾曲することによって、セパレータ1と集電材2c,2dとの接触抵抗が不均一になることが抑制される。それにより、燃料電池100aの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
ここで、セパレータの変形量は、燃料ガス中の水素分圧および酸化剤ガス中の酸素分圧に比例し、特に、燃料ガス中の水素分圧に大きく依存することが知られている。本実施例においては、燃料ガス中の水素分圧を考慮した燃料電池について説明する。
図3は、第3実施例に係る燃料電池100bについて説明する図である。燃料電池100bが図1の燃料電池100と異なる点は、集電材2a,2bの代わりに集電材2e,2fが設けられている点である。
図3(a)は集電材2e、セパレータ1および集電材2fの模式的断面図である。図3(a)に示すように、集電材2eにおいては、中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して小さくなっている。集電材2eの膜厚が最も小さくなる箇所は、集電材2eの中心よりも燃料ガスの流入口に近い方に存在する。
また、集電材2fにおいては、中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して大きくなっている。集電材2fの膜厚が最も大きくなる箇所は、集電材2fの中心よりも燃料ガスの流入口に近い方に存在する。
図3(b)は、燃料電池100bの模式的断面図である。図3(b)に示すように、集電材2eの中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して小さくかつ集電材2fの中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して大きくなっていることから、セパレータ1は、セパレータ1の中心部が集電材2e側に凸に湾曲している。
本実施例においては、集電材2eの膜厚が最も小さくなる部分が集電材2eの中心よりも燃料ガスの流入口に近い方に存在しかつ集電材2fの膜厚が最も大きくなる部分が集電材2fの中心よりも燃料ガスの流入口に近い方に存在することから、湾曲したセパレータ1の頂点はセパレータ1の中心よりも燃料ガスの流入口に近い方に存在する。また、燃料ガス中の水素は発電部3における発電のために消費されることから、燃料ガスは流動するにつれて水素分圧が低下していく。それにより、セパレータ1は、燃料ガスの流入口に近い側において湾曲しやすい。
以上のことから、セパレータ1と集電材2e,2fとの接触抵抗が不均一になることがより効果的に抑制されるとともに、集電材2e,2fと発電部3との接触抵抗が不均一になることがより効果的に抑制される。その結果、燃料電池100bの発電分布にばらつきが発生することがより効果的に抑制される。
なお、燃料電池100bに燃料ガスおよび酸化剤ガスが流入する前においては、セパレータ1は湾曲していなくてもよい。この場合、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流入によりセパレータ1が湾曲することにより、発電部3と集電材2e,2fとの接触抵抗が低減する。それにより、燃料電池100bの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
また、上記第1〜第3実施例においては、集電材の膜厚および多孔度のいずれか一方を制御することにより接触抵抗の増大を抑制しているが、集電材の膜厚および多孔度の両方を制御することにより接触抵抗の増大を抑制してもよい。
図4は、第4実施例に係る燃料電池100cについて説明するための図である。燃料電池100cが図1の燃料電池100と異なる点は、燃料電池100の動作が停止している場合において発電部3が湾曲している点である。
図4(a)は、発電部3の模式的断面図である。図4(a)に示すように、本実施例に係る発電部3は、中心部が上面側に凸に湾曲している。発電部3は、図4(b)に示すように電解質層3a、カソード3bおよびアノード3cが湾曲するように形成することによって作製することができる。また、図4(c)に示すように、平面基板状の電解質層3aの上面側に中心部の膜厚が大きくなるようにカソード3bを形成し、電解質層3aの下面側に中心部の膜厚が小さくなるようにアノード3cを形成することよって作製することができる。
本実施例に係る電解質層3aとしては、イットリア安定化ジルコニア(Zr(1−x)YxO2)等の固体電解質を用いることができる。
図4(d)は、燃料電池100cの模式的断面図である。図4(d)に示すように、発電部3の中心部が集電材2bに対して凸に湾曲していることから、セパレータ1および集電材2a,2bは、それぞれの中心部が上面側に凸に湾曲している。
以上のことから、セパレータ1の集電材2a側に燃料ガスが流入するとともに、セパレータ1の集電材2b側に酸化剤ガスが流入してセパレータ1が湾曲しようとしても、集電材2a,2bと発電部3との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、燃料電池100cの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
なお、燃料電池100cに燃料ガスおよび酸化剤ガスが流入する前においては、セパレータ1は湾曲していなくてもよい。この場合、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流入によりセパレータ1が湾曲することにより、セパレータ1と集電材2a,2bとの接触抵抗が低減する。それにより、燃料電池100cの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
図5は、第5実施例に係る燃料電池100dを説明するための図である。図5(a)は燃料電池100dの模式的断面図である。図5(a)に示すように、燃料電池100dは、図1の燃料電池セル10がセパレータ1を介して積層された構造を有し、最上段の燃料電池セル10の上面側および最下段の燃料電池セル10の下面側に、セパレータ1と同様の材料からなるエンドプレート20が設けられている。
燃料電池100dにおいては、セパレータ1、燃料電池セル10およびエンドプレート20は、それぞれの中心部が上面側に凸に湾曲している。それにより、セパレータ1および最下段のエンドプレート20の上面側に燃料ガスが流入するとともにセパレータ1および最上段のエンドプレート20の下面側に酸化剤ガスが流入してセパレータ1が湾曲しようとしても、セパレータ1と図1の集電材2a,2bとの接触抵抗が不均一になることが抑制されるとともに、集電材2a,2bと発電部3との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、燃料電池100dの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
図5(b)は、燃料電池100dの製造方法について説明する図である。図5(b)に示すように、中心部が上面側に凸に湾曲するエンドプレート20を形成する。次に、セパレータ1を介して燃料電池セル10を積層する。次いで、複数のセパレータ1および燃料電池セルを2枚のエンドプレート20により締結する。以上の工程により、図5(a)の燃料電池100dが完成する。この場合、エンドプレート20の中心部が上面側に凸に湾曲していることから、セパレータ1および燃料電池セル10の中心部も上面側に凸に湾曲する。
なお、燃料電池100dに燃料ガスおよび酸化剤ガスが流入する前においては、セパレータ1は湾曲していなくてもよい。この場合、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流入によりセパレータ1が湾曲することにより、エンドプレート20と燃料電池セル10との接触抵抗が低減する。それにより、燃料電池100dの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
なお、本実施例においては、発電セル10内の電界質層3aは、ペロブスカイト型プロトン導電体(BaCeO3等)、固体酸型プロトン導電体(CsHSO4)等の電解質を用いることができる。
本実施例においては、燃料電池セル10の両面がセパレータ1に挟まれたものが単電池に相当し、燃料電池セル10がセパレータ1を介して複数積層されたものが電池積層体に相当する。
なお、上記第1〜第5実施例においては固体酸化物型燃料電池に本発明を適用しているが、水素分離膜電池に本発明を適用することもできる。ここで、水素分離膜電池とは、水素分離膜層を備えた燃料電池である。水素分離膜層は水素透過性を有する金属によって形成される層であり、例えば、パラジウム、パラジウム合金等により形成することができる。上記水素分離膜電池は、水素分離膜層上にプロトン導電性を有する電解質、集電材およびカソードが積層された発電部をセパレータによって挟まれた構造をとっている。また、水素分離膜電池は、発電により温度が300℃〜600℃程度まで上昇する。
図6は、第6実施例に係る燃料電池100eの一部省略模式的断面図である。燃料電池100eは水素分離膜電池からなる。図6に示すように、燃料電池100eは、燃料電池セル20がセパレータ21を介して積層された構造を有する。図6においては、燃料電池100eの構造を簡略化してある。燃料電池セル20は、アノード22上に水素透過性金属層23、電解質層24およびカソード25が順に積層された構造を有する。
水素透過性金属層23は、中心部が上面側に凸に湾曲するように形成されている。水素透過性金属層23を構成する金属は、例えば、パラジウム、バナジウム、チタン、タンタル等の水素透過性金属である。アノード22およびカソード25は、金属、カーボン等の導電性材料からなる。電解質層24は、ペロブスカイト型プロトン導電体(BaCeO3等)、固体酸型プロトン導電体(CsHSO4)等の電解質を用いることができる。セパレータ21は、ステンレス等の導電性材料からなる。
セパレータ21の一面に水素等の還元性ガスを含む燃料ガスを接触させ、セパレータ21の他面に酸素等の酸化性ガスを含む酸化剤ガスを接触させると、セパレータ21は、セパレータ21の中心部が燃料ガス側に凸に湾曲する。
本実施例においては、水素透過性金属層23が湾曲していることから、アノード22、電解質層24、カソード25およびセパレータ25も湾曲している。それにより、燃料電池100eに燃料ガスおよび酸化剤ガスが流入してセパレータ21が湾曲しても、セパレータ21とアノード22およびカソード25との接触抵抗が不均一になることが抑制される。その結果、燃料電池100eの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
なお、燃料電池100eに燃料ガスおよび酸化剤ガスが流入する前においては、セパレータ21は湾曲していなくてもよい。この場合、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流入によりセパレータ21が湾曲することにより、燃料電池セル20内の接触抵抗および燃料電池セル20とセパレータ21との接触抵抗が低減する。それにより、燃料電池100eの発電分布にばらつきが発生することが抑制される。
また、本実施例においては水素透過性金属層23が湾曲しているが、必ずしも水素透過性金属層23が湾曲している必要はない。例えば、水素透過性金属層23は、下面が平面であってかつ中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して大きくなるように形成されていてもよい。この場合、アノード22の中心部の膜厚が周縁部の膜厚に比較して小さくなるように形成されていれば、セパレータ21が湾曲しても、セパレータ21とアノード22およびカソード25との接触抵抗が不均一になることが抑制される。
本実施例においては、アノード22、水素透過性金属層23およびカソード25が導電性材料層に相当し、アノード22およびカソード25が電極に相当する。
なお、図1の燃料電池100、図2の燃料電池100a、図3の燃料電池100b、図4の燃料電池100cおよび図6の燃料電池100eのエンドプレートを、図5のエンドプレート20のように湾曲させてもよい。また、アノード、カソードおよび集電材のいずかの膜厚等を変更すれば本発明の効果が得られることから、本発明に係る燃料電池の設計が容易である。
1,21 セパレータ
2a,2b,2c,2d,2e,2f 集電材
3 発電部
3a,24 電解質層
3b,25 カソード
3c,22 アノード
10 単電池
20 エンドプレート
23 水素透過性金属層
100 燃料電池
2a,2b,2c,2d,2e,2f 集電材
3 発電部
3a,24 電解質層
3b,25 カソード
3c,22 アノード
10 単電池
20 エンドプレート
23 水素透過性金属層
100 燃料電池
Claims (6)
- 電解質層の両面に導電性材料層およびセパレータが順に積層された単電池を備え、
一方の前記導電性材料層は、中心部の層厚または導電性材料密度に比較して周縁部の層厚または導電性材料密度が大きいことを特徴とする燃料電池。 - 他方の前記導電性材料層は、周縁部の層厚または導電性材料密度に比較して中心部の層厚または導電性材料密度が大きいことを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 前記導電性材料層は、電極および集電材を含み、
前記一方の導電性材料層の前記電極および前記集電材のいずれか一方または両方は、中心部の層厚または導電性材料密度に比較して周縁部の層厚または導電性材料密度が大きいことを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池。 - 前記他方の導電性材料層の前記電極および前記集電材のいずれか一方または両方は、周縁部の層厚または導電性材料密度に比較して中心部の層厚または導電性材料密度が大きいことを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
- 電解質層の両面に導電性材料層およびセパレータが順に積層された単電池が複数積層された電池積層体と、
前記電池積層体を積層方向に圧縮する一対のエンドプレートとを備え、
前記電解質層、前記導電性材料層および前記エンドプレートの少なくとも1つは、中心部が周縁部から凸に湾曲していることを特徴とする燃料電池。 - 前記一対のエンドプレートは、中心部が周縁部から同一方向に凸に湾曲していることを特徴とする請求項5記載の燃料電池。
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