JP2006286494A - 固体高分子形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 固体高分子形燃料電池において、ガス拡散層の変形によるガス流通溝へ落ち込みを抑制し、しかもガス拡散層の良好なガス拡散性を確保する。
【解決手段】 高分子電解質膜10の両面に、触媒層20、21を介してガス拡散性を有する電極基材32、33を設け、一方を燃料極70、他方を酸化剤極71とする膜・電極接合体50を形成する。膜・電極接合体50の両面からガス流通溝62、63を有するセパレータ60、61によって、ガス流通溝62、63と膜・電極接合体50の電極基材32、33が隣接するように狭持する。膜・電極接合体50の燃料極70側に位置する電極基材32とセパレータ60との間、膜・電極接合体50の酸化剤極71側に位置する電極基材33とセパレータ61との間の少なくとも一方に、多孔質で、かつ、隣接する電極基材32、33よりも剛性の高い導電性材料で構成する補強部材40、41を介挿する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に係り、特に、複数の単位電池を積層してなる固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池は、燃料極に導入される燃料気体中の水素と酸化剤極に導入される酸化剤気体中の酸素の化学反応により電気を発生させるもので、燃料極で生じる反応は下記(1)式で表わされ、酸化剤極で生じる反応は(2)式で表わされる。固体高分子形燃料電池において、燃料極には外部から水素ガス(水素分子)が供給され、ガス拡散層を通って電極内の触媒層に達する。すると、触媒層の表面で水素分子は活性な水素原子となり、触媒層表面ではさらに酸化反応が進行し、2個の水素イオンと2個の電子が放出され、水素イオンは電解質中に入る。
高分子電解質膜中の水素イオンは水を伴って酸化剤極に移動し、そこで酸化剤極の酸素と反応して水が生成される。触媒層表面で放出された電子は、電極を経て外部回路を通って酸化剤極に移動する。この電流が外部に電力として取り出される。これらの反応の結果、全体として、(3)式に示すように電気エネルギーと熱エネルギーが得られ、酸化剤極では水が生成される。
→2H+2e (1)
2H+1/2O+2e→HO (2)
+1/2O→HO+(電気エネルギー)+(熱エネルギー) (3)
上記の反応は、前述のように、各々の電極に設けられた触媒層において生じる。触媒層は通常、白金あるいは白金合金触媒を炭素担体上に分散して形成したものが用いられる。
図5に、典型的な固体高分子形燃料電池の構成を示す。図5において、燃料極70と酸化剤極71との間には、プロトン導電性の高分子電解質膜10が配されている。この高分子電解質膜10は、プロトン導電体としての役割を有すると同時に、燃料極70側セパレータ60に設けられたガス流通溝62からガス拡散層35を通過した気体(燃料ガス)と酸化剤極71側セパレータ61に設けられたガス流通溝63からガス拡散層35を透過した気体(酸化剤ガス)を分離する役割を有している。燃料極70および酸化剤極71は、たとえば、高分子電解質膜10の両面に触媒層20、21を形成し、酸化剤極71側には酸化材極側ガス拡散層35、燃料極70側には燃料極側ガス拡散層34が配されて構成されている。
上記した高分子電解質膜10、触媒層20、21、ガス拡散層34、35は、120℃以上170℃以下の温度で、熱圧着して一体化される。このようにして高分子電解質膜10とガス拡散層34、35を含む電極とを一体化したものを、膜・電極接合体(MEA)50と呼んでいる。膜・電極接合体50の両面にそれぞれ燃料極70側セパレータ60と酸化剤極71側セパレータ61を配して電池単体が形成されている。なお、膜・電極接合体50は、触媒層20、21を高分子電解質膜10上に塗布して形成した触媒層付きの高分子電解質膜22の両面をガス拡散層34、35で挟んで熱圧着して一体化してもよい。
ガス拡散層34、35はそれぞれ、一般に中間層30、31と電極基材32、33からなる2層構造をしており、中間層30、31は触媒層20、21側に配置される。中間層30、31はカーボン層あるいはbi−layerなどとも呼ばれ、通常、カーボンの粉末とフッ素系化合物により形成されている(たとえば特許文献1、2参照)。
電極基材32、33には、通常、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボン不織布等が用いられる。これらは、いずれも炭素化された繊維とレジンによって厚さ100〜500μmのシート状に成形されたものである。一般にカーボンペーパーは抄紙法で成形され、レジンの割合が比較的多いために、板状で剛性が高い。すなわち、厚み方向の圧縮力に対する寸法変化が小さく、曲げ応力に対して歪みが小さい。一方、カーボンクロスは炭素化された糸を織って成形されたもので、布状で柔らかい。また、カーボン不織布はその中間体とも言うべき材料で、フェルト状で柔らかい素材であり、短繊維で構成される。カーボンクロスやカーボン不織布はガスや蒸気の透過性には優れているが、カーボンペーパーに比べて剛性が低く、圧縮力に対する寸法変化が大きく、曲げ応力に対する歪みが大きい。
ここで、ガス拡散層34、35の機能について簡単に説明する。ガス拡散層34、35は、反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)を透過させ、触媒層20、21に導入する機能を有している。また、触媒層20、21で生成した水を、ガス流通溝61、62を通じて外部に排出する機能を有している。このため、ガス拡散層34、35の物性を制御するために、ガス拡散層34、35を構成する部材を撥水処理あるいは親水処理を施す場合もある。特許文献3においては、酸化剤極71において、特性の異なる2種類のガス拡散層を貼り合わせることによって、ガス拡散性を確保しながら、水分を保持し、加湿量の少ない条件でも電池性能を維持させるようにしている。
特開平10−261421号公報 特開2001−338655号公報 特開2002−164056号公報
以上説明したように、固体高分子形燃料電池においては、前記した(2)式の反応によって、酸化剤極71側に水が生成される。この水は反応気体(酸化剤ガス)によって搬送され、電池外に除去される。しかし、酸化剤極71で生成された水は、触媒層21中のミクロポアに入って除去されない場合がある。一般に、固体高分子形燃料電池に用いられる電極基材の持つ気孔は気孔径が1μm以上のマクロポアと、0.1μm以下のミクロポアに大別できる。マクロポアは電極基材を構成する炭素繊維間に作られる隙間で、ミクロポアは炭素繊維が持つ気孔である。
ミクロポア中に水が入って除去されない場合は触媒への反応気体の拡散が阻害され、その結果、電池電圧の低下を招く。この拡散阻害を防止するためには、触媒層20、21のミクロ構造を適正化するとともに、ガス拡散層34、35に適用する部材はガス拡散性能の良好な材料を使う必要がある。たとえば、カーボンペーパーは気孔率(見かけの体積全体に対する気孔体積の割合)70%以上の多孔質材料であるが、それでも高電流密度で電池を運転した場合には、拡散阻害に起因する電圧低下が見られることがある。しかしながら、ガス拡散性能を向上させるために、カーボンペーパーの気孔率をさらに大きくすると、電池構成部材としての強度が低下し、割れ易くなるといった課題がある。
一方、カーボンクロスやカーボン不織布は、一般にカーボンペーパーよりもガスの透過性が良好な材料である。これらの材料を適用した電池は、カーボンペーパーに比べて拡散阻害が少ないために限界電流密度が高い。しかしながら、カーボンクロスやカーボン不織布は、カーボンペーパーに比べて柔らかい素材であるために、図6に示すように、電極基材32、33がガス流通溝62、63に落ち込んで、ガス流通溝62、63部の流路断面積が減少し、ガスの流通が阻害される。ここで、図6は酸化剤極71側のみの積層構造を示し、燃料極70側の構成は省略してある。
図6のように電極基材32、33が変形するのは、カーボンクロスやカーボン不織布を電極基材32、33として用いた場合、電極基材32、33を、それぞれセパレータ60、61のガス流通溝62、63と対面するように配置して、セパレータ60、61の外側から上記電極基材32、33を含む積層体を積層方向に締め付けて電池スタックを形成する際に、セパレータ60、61のガス流通溝62、63と対面する部分のガス拡散層(図5における電極基材32、33)には力がかからないからである。
電極基材32、33の変形に伴い、中間層30、31を含むガス拡散層34、35が圧縮により変形し、その結果、ガス拡散層34、35と触媒層20、21との間に隙間が生じ、電極の接触不良が生じるといった課題もある。
そこで、本発明においては、固体高分子形燃料電池において、ガス拡散層の変形によってセパレータのガス流通溝へ落ち込んでガス流路断面積を減少させることを抑制し、しかもガス拡散層の良好なガス拡散性を確保することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明においては、高分子電解質膜の両面に触媒層を介してガス拡散性を有する電極基材を設けることによって、高分子電解質膜の一方の側を燃料極、他方の側を酸化剤極とする膜・電極接合体を形成し、前記膜・電極接合体の両側で、ガス流通溝を有するセパレータにて前記ガス流通溝と前記膜・電極接合体の電極基材が隣接するように狭持して電池単体を構成し、前記電池単体を複数個積層してなる固体高分子形燃料電池において、前記膜・電極接合体の両側の前記電極基材と、これらの電極基材とこれらに隣接する前記セパレータとの間の少なくとも一方に、多孔質で、かつ、隣接する前記電極基材よりも剛性の高い導電性材料で構成する補強部材を介挿していることを特徴とする。
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、前記補強部材の気孔率がこの補強部材に隣接する前記電極基材よりも低いことを特徴とする。
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、前記補強部材は、この補強部材に隣接する前記電極基材に比べ、気孔径0.1μm以下の気孔を多く有することを特徴とする。
また、本発明に係る固体高分子形燃料電池は、前記補強部材がカーボンペーパーからなることを特徴とする。
本発明によれば、セパレータの外側からガス拡散層を含む積層体を積層方向に締め付けて電池スタックを形成する過程において、ガス拡散層がセパレータのガス流通溝に落ち込んだり、ガス拡散層が変形してガス拡散層と触媒層との接触不良を引き起こすといった課題を解消し、しかもガス拡散性が良好にして、電池性能の維持向上が可能な固体高分子形燃料電池を提供することができる。
以下、本発明に係る固体高分子形燃料電池の個々の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。ここで、相互に同一または類似の構成部分には共通の符号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態1]
本発明に係る固体高分子形燃料電池の実施形態1について、図1および図2を用いて説明する。図1は実施形態1に基づく固体高分子形燃料電池の電池単体の基本構成を示す展開斜視図であり、図2はその積層構成を示す部分断面図である。
図1、図2において、高分子電解質膜10の両面には触媒層20、21が形成されており、さらにその両面を中間層30、31とガス拡散性を有する電極基材32、33とからなるガス拡散層34、35で挟んで膜・電極接合体50を構成し、高分子電解質膜10を挟んで燃料極70と酸化材極71が形成されている。膜・電極接合体50の両面には、多孔質材からなる導電性補強部材40、41が配され、さらにその外側を、ガス流通溝62、63が形成されたセパレータ60、61のガス流通溝62、63と電極基材32、33とがそれぞれ対面するように狭持して燃料電池単体が構成されている。燃料極70側のガス流通溝62には燃料ガスとなる水素が供給され、酸化材極71側のガス流通溝63には酸化材ガスとなる空気が供給される。
電極基材32、33としては、カーボンクロスあるいはカーボン不織布等のガス透過性に優れた比較的柔らかい材料を用いている。電極基材32とセパレータ61との間、または電極基材33とセパレータ60との間に介挿する多孔質の補強部材40、41としては、電極基材32、33よりも剛性の高い材料、たとえばカーボンペーパーを用いる。補強部材40、41は、少なくともガス拡散層34、35の反応部を覆うように配置する。また、補強部材40、41はガス拡散層34、35の周囲のシール部分(図示せず)も含めて覆うような大きさのものを配置するようにしても構わない。なお、多孔質で剛性の高い補強部材40、41は、電池スタックとして組み立てる際に圧縮応力が加わったときの寸法変化が小さい材料であればカーボンペーパー以外のものでも適用できる。
本実施形態では、補強部材40、41が電極基材32、33より剛性の高い材料、すなわち、圧縮応力に対して変形しにくい材料で構成されているため、ガス拡散層34、35のセパレータ60、61のガス流通溝62、63への落ち込みを抑制し、流路面積を確保することができる。
また、補強部材40、41は、ガス拡散層34、35の電極基材32、33よりも剛性の高い材料で構成しているため、電池スタックとして組み立てる際に生じる積層方向の圧縮応力に対して、ガス拡散層34、35に対しても均一に圧力がかかることになり、触媒層20、21とガス拡散層34、35との接触状態を面全体で保つことができる。
次に、本実施形態を適用した固体高分子形燃料電池の効果を確認するために実施した具体的実施例について説明する。
触媒層20、21をあらかじめ高分子電解質膜10上に塗布して形成した触媒層付き高分子電解質膜22として、JAPAN GORETEX社製PRIMEA(商標)を用いた。ガス拡散層34、35を形成する電極基材32、33として、カーボン不織布を適用した。また、ガス拡散層34、35の触媒層20、21と隣接する側には、中間層30、31が形成されている。中間層30、31は、カーボン粉末とフッ素系樹脂であるテフロン(商標)の粉末を秤量した後に、ミキサーで混合して粉末状にしたものを、カーボン不織布表面に、厚さ20μm程度に吹き付け塗布し、その後370℃以上の温度で10分間の熱処理を施して作成した。
このようにして形成したガス拡散層34、35と触媒層20、21付きの高分子電解質膜22を重ね合わせ、膜・電極接合体50を作成した。膜・電極接合体50の外側には、東レ社製カーボンペーパーからなる補強部材40、41を配置し、さらにその外側にガス流通溝62、63を有するセパレータ60、61を配置して、これらを積層方向に締め付けて燃料電池単体を作成した。なお、補強部材40、41は、電池スタックとして組み立てる際に、膜・電極接合体50とセパレータ60、61との間に介挿して積層しただけで、貼り付けあるいは接着はしていない。
比較例として、上記実施例を適用しない、図5に示す固体高分子形燃料電池について説明する。膜・電極接合体50については上記実施例と同じ構成とした。すなわち、触媒層付き高分子電解質膜としてJAPAN GORETEX社製PRIMEA(商標)を用い、ガス拡散層34、35として上記実施例のようにして中間層30、31を形成したものを用いて膜・電極接合体50を形成し、その外側にガス流通溝62、63を有するセパレータ60、61をそれぞれ配置して、これらを積層方向に締め付けて燃料電池単体を作成した。なお、本比較例においては、膜・電極接合体50とセパレータ60、61との間に上記実施例で用いた補強部材40、41は介挿していない。
図3に、上記実施例および比較例に基づいて作成した固体高分子形燃料電池の電池特性を、縦軸を電圧、横軸を電流密度として比較して示す。発電条件は、燃料ガス:純水素、酸化剤ガス:空気、運転圧力:常圧である。図中の実線100は、本発明の実施形態1に基づく前記実施例を適用した固体高分子形電池の電池特性を示すものであり、図中の一点鎖線200は、前記比較例で示した固体高分子形燃料電池の電池特性を示すものである。
図3からわかるように、比較例で示した構成に基づく固体高分子形燃料電池の電池特性は、1000mA/cm以上の高電流密度条件において電圧の落ち込みが見られる。すなわち、ガス供給能力の限界を表す限界電流密度が1200mA/cm程度であることを示している。これに対して、本実施形態1を適用した燃料電池においては、1200mA/cm以上でも電圧が安定しており、限界電流密度が従来の構成の燃料電池よりも高い値であることがわかる。すなわち、ガス拡散層34、35でのガス拡散阻害が生じていない効果が現れている。
発電後に本実施形態により作成した燃料電池を解体して観察を行なったが、カーボンペーパーにて形成した補強部材40、41のガス流通溝62、63への落ち込みは見られず、また、ガス拡散層34、35を構成する電極基材32、33の変形も見られず、触媒層20、21およびガス拡散層34、35との接触状態も良好であることが確認された。
本実施形態においては、前述したように、燃料極70、酸化材極71の両方に補強部材40、41を適用している。ここで、その理由について簡単に説明する。燃料電池反応による生成水は酸化剤極71で生じるため、ガス拡散阻害現象は酸化剤極71で生じる。したがって、酸化剤極におけるガス拡散性能を良好に保つために、たとえば特許文献3のように、酸化剤極におけるガス拡散と水分保持のバランスが注目される。一方、発電においては燃料極70から酸化剤極71へと移動する水を補うために、外部から燃料極70にも水分を蒸気あるいは液体状態で供給することが一般的である。このとき、特に外部加湿を行なう燃料電池においては、燃料ガス入口近傍が乾燥傾向になるため、燃料極においてもガス拡散性能が良好であることが望ましく、燃料極にガス拡散性の良好な多孔質の電極基材を適用することは電池特性の向上に効果的である。すなわち、外部からの加湿水が容易に触媒層20や高分子電解質膜10に到達するために、電池特性が向上すると考えられる。
上記の実施形態1で、好ましくは、補強部材40、41の気孔率について規定する。すなわち、ガス拡散層34、35の構成部材のうちの電極基材32、33に比べて、補強部材40、41の気孔率を小さくする。気孔率が小さい材料の方が、一般に剛性も高く、また、圧縮応力に対する寸法変化も小さい。すなわち、補強部材40、41の気孔率を電極基材32、33より小さくすることにより、補強部材40、41がセパレータ60、61のガス流通溝62、63に落ち込むことがないため、ガスの流通を妨げることがない。
さらに好ましくは、補強部材40、41として気孔径が0.1μm以下のミクロポアの気孔体積が電極基材32、33より大きい材料を用いる。水は毛管力によって、より大きな孔から細孔へと移動する。酸化材極23においては、一般に電池反応によって生じた生成水は主に蒸気としてガス中に拡散するが、一部は電極基材33中に液体の水として溜まっていると考えられる。本実施形態においては、電極基材33から補強部材41のミクロポアに水が移動し、電極基材33の水を除去してガスの拡散を促進することができる。
[実施形態2]
本発明に係る固体高分子形燃料電池の実施形態2について図4を参照して説明する。実施形態1では多孔質の補強部材を膜・電極接合体の両面に設けた例について説明したが、多孔質の補強部材は燃料極側または酸化剤極側のいずれか一方にのみ介在させてもよい。図4において、多孔質の補強部材41は、酸化剤極71側のガス拡散層35の電極基材33にのみ介挿されている。
本実施形態において、触媒層付き高分子電解質膜22および酸化剤極71側のガス拡散層35、補強部材41については実施形態1で説明したものと同じものを用いている。燃料極22側については、ガス拡散層34の外側には実施形態1で用いた補強部材40は設けていない。このため、燃料極70側のセパレータ60に設けられたガス流通溝62へのガス拡散層34の落ち込みが生じうる。したがって、燃料極70側のガス拡散層34に用いる電極基材32は、好ましくは、実施形態1で用いた補強部材40と同等の剛性を有する材料を用いる。これにより、燃料極70側においても、ガス流通溝62へのガス拡散層34の落ち込みを抑制することができる。
ここで、実施形態2の効果を確認するために実施した具体的実施例について説明する。触媒層付き高分子電解質膜22としては実施形態1の実施例と同様、JAPAN GORETEX社製PRIMEA(商標)を用いた。また、燃料極70側のガス拡散層34には、東レ社製カーボンペーパーに実施形態1の実施例で適用したものと同仕様の材料を塗布したものを用いた。
一方、酸化剤極71側のガス拡散層35には、カーボン不織布の表面に実施形態1の実施例で適用したものと同仕様の材料を塗布したものを用いた。上記した触媒層付き高分子電解質膜22の両面にガス拡散層35を重ね合わせて膜・電極接合体50を作成した。電池スタックとして積層する際に、膜・電極接合体50の酸化剤極71側の電極基材33とセパレータ61との間には、補強部材41として、東レ社製カーボンペーパーを挟んで積層した。
こうして得られた電池について発電試験を行なったところ、図3に示した実線部とほぼ同等の特性曲線を得ることができた。
なお、本実施形態においては、図4に示した構成に限られるものではなく、燃料極70側にのみ、補強部材40を適用することも有効である。すなわち、前述のように特に外部加湿を行なう燃料電池においては、燃料ガス入口近傍が乾燥傾向になるため、電極基材として蒸気の拡散の良好なカーボンクロスあるいはカーボン不織布を燃料極70側に適用することも、特性の向上に効果的である。
[他の実施形態]
以上説明した各実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明に係る固体高分子形燃料電池の実施形態1の電池単体構成を示す展開斜視図。 本発明に係る固体高分子形燃料電池の電池単体の積層構造を示す部分断面図。 本発明に係る固体高分子形燃料電池の効果を説明するための電池特性を示すグラフ。 本発明に係る固体高分子形燃料電池の実施形態2の電池単体構成を示す展開斜視図。 従来の固体高分子形燃料電池の電池単体の積層構成を示す部分展開断面図。 従来の固体高分子形燃料電池の電池単体を電池スタックとして組み立てたときの酸化剤極側の積層状態示す部分断面図。
符号の説明
10 … 高分子電解質膜
20、21 … 触媒層
22 … 触媒層付き高分子電解質層
30、31 … 中間層
32、33 … 電極基材
34、35 … ガス拡散層
40、41 … 補強材
50 … 膜・電極接合体
60、61 … セパレータ
62、63 … ガス流通溝
70 … 燃料極
71 … 酸化剤極

Claims (5)

  1. 高分子電解質膜の両面に触媒層を介してガス拡散性を有する電極基材から成るガス拡散層を設けることによって、高分子電解質膜の一方の側を燃料極、他方の側を酸化剤極とする膜・電極接合体を形成し、前記膜・電極接合体の両側で、ガス流通溝を有するセパレータにて前記ガス流通溝と前記膜・電極接合体の電極基材が隣接するように狭持して電池単体を構成し、前記電池単体を複数個積層してなる固体高分子形燃料電池において、
    前記膜・電極接合体の両面の前記電極基材と、これらの電極基材に隣接する前記セパレータとの間の少なくとも一方に、多孔質で、かつ、隣接する前記電極基材よりも剛性の高い導電性材料で構成する補強部材を介挿していることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. 前記補強部材の気孔率がこの補強部材に隣接する前記電極基材よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池。
  3. 前記補強部材は、この補強部材に隣接する前記電極基材に比べ、気孔径0.1μm以下の気孔を多く有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体高分子形燃料電池。
  4. 前記補強部材がカーボンペーパーからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池。
  5. 前記電極基材は、燃料極側と酸化剤極側において、剛性の異なる導電性材料で構成され、剛性の低い電極基材と前記セパレータとの間に、多孔質で、かつ、隣接する前記電極基材よりも剛性の高い導電性材料で構成する補強部材を介挿していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池。
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