JP2003182719A - コンポジット缶 - Google Patents
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Abstract
コスト適正、流通販売適正、その他等の種々の適正を有
し、かつ、ゴミ問題等を引き起こさない包装用容器を提
供することである。 【解決手段】 筒状コンポジット缶胴部と該筒状コンポ
ジット缶胴部の下端部に取り付けた底蓋部、および、該
筒状コンポジット缶胴部の上端部に取り付けたプルタブ
付き上蓋部からなり、更に、上記の筒状コンポジット缶
胴部が、少なくとも、ヒートシール性樹脂層、強度に優
れた樹脂フィルム層、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂
フィルム、および、カップ原紙を順次に積層した積層材
から構成することを特徴とするコンポジット缶に関する
ものである。
Description
関し、更に詳しくは、ジュース、牛乳、酒、水、その他
等の飲料、あるいは、ふりかけ、お茶漬け海苔、その他
等の固形食品を充填包装するに適するコンポジット缶に
関するものである。
するに適する包装用容器としては、種々のものが開発さ
れ、提案されているが、通常、ガラス、瓶、金属缶、合
成樹脂成形容器、プラスチックフィルム製袋体、紙製容
器、その他等の各種の包装用容器が使用されている。こ
れらの包装用容器は、充填包装作業適正、内容物の保護
適正、製造コスト適正、流通販売適正、その他等の種々
の適正を有し、広く使用されている。
包装用容器等の使用量の増加によって、家庭から出るご
みの過半数を容器用容器等の包装物が占めるにいたり、
ごみ処理をめぐって環境問題が顕在化している状況であ
る。このため包装容器等のリデュ−ス、リユ−ス、リサ
イクル等が、その対策としてあげられ、これらに対して
適性のある容器用容器等の包装物が求められるようにな
ってきている。すなわち、容器用容器等の包装物を、軽
量化、小容積化し、ごみの量を減らすこと、更に、包装
用容器等を捨てる時に、押し潰したりあるいは折り畳み
が可能で、ごみとして嵩張らないようにできること(リ
デュ−ス)、包装用容器等を回収し再使用できること
(リユ−ス)、更には、包装用容器等を分別して収集す
ることで材料としての再利用がし易いこと(リサイク
ル)等が、包装容器等の包装物の環境対応として求めら
れているものである。従来、包装用容器等として、ガラ
ス瓶、金属缶等が多く用いられており、回収して再利用
化されているが、その回収等において、未だ十分でない
という問題点があり、更に、その容器重量が重く、嵩高
く、捨てる際に押し潰し、折り畳みにより減量・減容化
ができないという環境上の問題点もある。また、プラス
チック成形容器、例えば、ポリエステル成形容器等にお
いても、使用後の排出時点で押し潰したりあるいは折り
畳みにより減量・減容化がしずらいという問題点があ
る。更に、回収し、再生して他の用途に適用することが
試みられているが、回収及び再製品化において、未だ十
分であるとは言い得ないという環境上の問題点がある。
また、プラスチックフィルム製袋体、紙製容器等におい
ては、例えば、酸素ガス、水蒸気等に対するパリアー性
材料として、アルミニウム箔等が使用されていることか
ら、燃焼ゴミとして廃棄しても、燃焼炉を破壊する等の
問題点があり、更に、層間にあるアルミニウム箔等を分
別回収することも極めて困難であるという問題点があ
る。そこで本発明は、充填包装作業適正、内容物の保護
適正、製造コスト適正、流通販売適正、その他等の種々
の適正を有し、かつ、ゴミ問題等を引き起こさない包装
用容器を提供することである。
な問題点を解決すべく種々研究の結果、無機酸化物の蒸
着膜を有する樹脂フィルムと紙との積層材に着目し、ま
ず、筒状コンポジット缶胴部、該筒状コンポジット缶胴
部の下端部に取り付けた底蓋部、および、該筒状コンポ
ジット缶胴部の上端部に取り付けたプルタフ付き上蓋部
からなるコンポジット缶において、上記の筒状コンポジ
ット缶胴部を、少なくとも、ヒートシール性樹脂層、強
度に優れた樹脂フィルム層、無機酸化物の蒸着膜を有す
る樹脂フィルム、および、カップ原紙を順次に積層した
積層材、または、上記の積層材を構成するカップ原紙の
他端に、更に、ヒートシール性樹脂層を順次に積層した
積層材を使用し、該積層材をスパイラル巻き状、ラップ
シ−ル状、あるいは、平巻き状に巻いて筒状コンポジッ
ト缶胴部を製造し、また、上記の底蓋部と上蓋部とを、
少なくとも、ヒートシール性樹脂層、強度に優れた樹脂
フィルム層、カップ原紙、無機酸化物の蒸着膜を有する
樹脂フィルム、および、ヒートシール性樹脂層を順次に
積層した積層材で構成し、更にまた、上記のプルタブ
も、少なくとも、紙基材、無機酸化物の蒸着膜を有する
樹脂フィルム、および、ヒートシール性樹脂層を順次に
積層した積層材で構成し、而して、これらの積層材を使
用して通常の方法でコンポジット缶を製造し、次いで、
そのコンポジット缶内に、飲料あるいは固形食品等の種
々の物品を充填包装したところ、酸素ガス、水蒸気等に
対する高いパリア性を有して内容物の保護適正、保存適
性等に優れ、更に、コンポジット缶の製造作業、内容物
の充填包装作業等も容易に行うことができて極めて高い
充填包装加工適性を有し、かつ、コンポジット缶を電子
レンジにかけても、十分にその電子レンジ適性を有し、
また、使用後廃棄処理しても燃焼ゴミとして極めて廃棄
処理適正に優れたコンポジット缶を製造し得ることを見
出して本発明を完成したものである。
胴部と該筒状コンポジット缶胴部の下端部に取り付けた
底蓋部、および、該筒状コンポジット缶胴部の上端部に
取り付けたプルタブ付き上蓋部からなり、更に、上記の
筒状コンポジット缶胴部を、少なくとも、ヒートシール
性樹脂層、強度に優れた樹脂フィルム層、無機酸化物の
蒸着膜を有する樹脂フィルム、および、カップ原紙を順
次に積層した積層材、または、上記の積層材を構成する
カップ原紙の他端に、更に、ヒートシール性樹脂層を順
次に積層した積層材を使用して構成することを特徴とす
るコンポジット缶に関し、更に、上記のコンポジット缶
において、底蓋部と上蓋部とを、少なくとも、ヒートシ
ール性樹脂層、強度に優れた樹脂フィルム層、カップ原
紙、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、およ
び、ヒートシール性樹脂層を順次に積層した積層材で構
成することを特徴とするコンポジット缶に関し、更にま
た、上記のコンポジット缶において、プルタブを、少な
くとも、紙基材、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィ
ルム、および、ヒートシール性樹脂層を順次に積層した
積層材で構成することを特徴とするコンポジット缶に関
するものである。
詳しく説明する。まず、本発明にかかるコンポジット缶
の構成についてその具体例を例示して図面を用いて説明
すると、図1は、本発明にかかるコンポジット缶の構成
を示す概略的断面図であり、図2は、本発明にかかるコ
ンポジット缶について別の形態からなるコンポジット缶
の構成を示す概略的断面図であり、図3、図4、図5、
図6、図7、図8、図9、図10、図11、および、図
12は、上記の本発明にかかるコンポジット缶に使用さ
れる積層材の層構成あるいは構造の構成を示す概略的断
面図あるいは概略的構成図である。
ついて、その一例を図示すれば、図1に示すように、筒
状コンポジット缶胴部1、 該筒状コンポジット缶胴部
1の下端部にヒ−トシ−ル等により取り 付けた底蓋部
2、および、該筒状コンポジット缶胴部1の上端部にヒ
−トシール等により取り付けた上蓋部3からなり、更
に、該上蓋部3には、内容物4等を充填あるいは取り出
すための開口部5を有し、かつ、該開口部5を密閉する
プルタブ6が、ヒートシール等により取り付けられてい
る構成からなるものである。
について別の形態からなるコンポジット缶Bを例示する
と、図2に示すように、筒状コンポジット缶胴部1、該
筒状コンポジット缶胴部1の下端部にヒ−トシール等に
より取り付けた底蓋部2、およぴ、該筒状コンポジット
缶胴部1の上端部にヒ−トシール等により取り付けた上
蓋部3からなり、更に、該上蓋部3には、内容物4等を
取り出すための開口部5を有し、かつ、該開口部5を密
閉するプルタブ6が、ヒートシール等により取り付けら
れ、更に、上記の底蓋部2に、内容物4を充填する充填
口7が穿設され、更に、内容物4を充填後に、該充填口
7が、充填口シール材8でヒートシール等により再開鎖
されている構成からなるものである。
構成する積層材として、その一例を挙げれば、図3およ
び図4に示すように、外側から、少なくとも、ヒートシ
ール性樹脂層21、強度に優れた樹脂フィルム層22、
無機酸化物の蒸着膜23を有する樹脂フィルム24、お
よび、カップ原紙25を順次に積層した積層材C(図
3)、あるいは、上記に例示した積層材Cにおいて、カ
ップ原紙25の他面に、更に、ヒートシール性樹脂層2
1aを順次に積層した積層材C1(図4)から構成され
るものである。而して、本発明において、上記の積層材
を使用して、筒状コンポジット缶胴部を製造するには、
従来公知の方法で製造することができ、例えば、スパイ
ラル巻き状の筒状コンポジット缶胴部を製造する例を例
示すれば、図5および図6に示すように、まず、上記の
積層材C(C1)を使用して、筒状コンポジット缶胴部
を形成するための帯状積層材26を製造し、更に、該帯
状積層材26に折り返し縁部27を形成し、次いで、該
帯状積層材26のヒ−トシ−ル性樹脂層21(21a)
がマンドレル27に接するように、スパイラル巻きし、
次いで、スパイラル巻きした帯状積層材26の縁部27
を熱風によって加熱することにより、重なり部分を熱融
着することにより長尺筒状コンポジット缶胴部28を製
造し(図5)、しかる後、長尺筒状コンポジット缶胴部
28を所望の長さに切断することで、筒状コンポジット
缶胴部29を製造することができる(図6)。その他、
本発明においては、筒状コンポジット缶胴部は、図示し
ないが、例えば、上記の積層材を使用し、上記のような
スパイラル巻き状でなく、例えば、ラップシ−ル状、あ
るいは、平巻き状等に巻いて、熱融着方式あるいは接着
剤による方式等により、ヒ−トシ−ル性樹脂層、カップ
原紙等の相互間で接着してシール部等を形成することに
よって筒状コンポジット缶胴部を製造することができる
ものである。上記において、筒状コンポジット缶胴部の
内面側にある積層材の端面が露出する場合には、内容物
の浸透等を防止するために、例えば、端部の端面をスカ
イブヘミング加工するとか、あるいは、テープ貼り加工
を行う等の端面処理加工を行うことが望ましいものであ
る。
構成する積層材として、その一例を挙げれば、図7に示
すように、外側から、少なくとも、ヒートシール性樹脂
層31、強度に優れた樹脂フィルム層32、カップ原紙
33、無機酸化物の蒸着膜34を有する樹脂フィルム3
5、および、ヒートシール性樹脂層31aを順次に積層
した積層材Dから構成されるものである。而して、本発
明において、上記の筒状コンポジット缶胴部に、上記の
底蓋部あるいは上蓋部を取り付ける方法としては、前記
の図1、図2に示すように被せ蓋方式により取り付ける
方法で行う他、例えば、図8、図9および図10等に示
すように、筒状コンポジット缶胴部1を構成する積層材
の先端をカ−ルさせてフランジ部36を形成し、そのフ
ランジ部36の天面に、底蓋部2と上蓋部3を構成する
積層材を被せるかあるいは載置してして、その相互間に
あるヒ−トシ−ル性樹脂層等を熱融着させて取り付ける
方法(図8、図9)、更には、例えば、上記の筒状コン
ポジット缶胴部1を構成する積層材の下端部、および、
上端部を内面側に折り込み、その折り込んだ間隙に、天
面とこれに連接する筒状垂下部を有するメンコ状の底蓋
部2、および、上蓋部3を、その筒状垂下部38が上記
の間隙において筒状コンポジット缶胴部1と重なり合う
ように挿入し、しかる後、その両者をヒ−トシールして
シール部を形成して取り付ける方法(図10)等により
行うことができる。なお、本発明において、上記のよう
な構成からなる積層材を使用して底蓋部と上蓋部とを形
成する代りに、例えば、通常のぶりき、アルミニウム板
製の金具蓋を使用し、これを巻き締め形状に巻き締める
方法、あるいは、紙製蓋、アルミニウム箔や紙製のシ−
ト蓋(メンブラン)、あるいは、樹脂成形蓋等を使用
し、これを接着剤を使用して接着させる方法、あるい
は、熱融着接合する方法等によって底蓋部と上蓋部とを
設けることができる。
構成する積層材としては、その一例を挙げれば、図11
に示すように、外側から、少なくとも、紙基材41、無
機酸化物の蒸着膜42を有する樹脂フィルム43、およ
び、ヒ−トシール性樹脂層44を順次に積層した積層体
Eで構成されるものである。而して、本発明において、
上記のようなプルタブを上蓋部に取り付けるには、図示
しないが、例えば、上蓋部に内容物を充填あるいは取り
出すための開口部を形成し、次いで、該開口部を密閉す
るために、上蓋部の外側にあるヒートシール性樹脂層の
面と、プルタブの内側にあるヒートシール性樹脂層の面
とを対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をヒ一
トシールして加熱溶着させることによって取り付けるこ
とができる。なお、本発明において、上記の上蓋部の開
口部の切り口端面は、内容物がその瑞面から浸透するの
を防止するために、図示しないが、例えば、該上蓋部の
開口部の切り口端面にテープ貼り加工等の端面処理加工
を施すことができる。また、本発明において、上記のプ
ルタブを取り付けるための加熱溶着度合いとしては、例
えば、貯蔵中あるいは流通販売中においては、強固に固
着し、その使用時においては該プルタフを引き剥がすこ
とができる程度の易剥離性を有する程度の強度で加熱溶
着していることが望ましい。
シール材を構成する積層材としては、その一例を挙げれ
ば、上記のプルタブを構成する積層材と同様に、図12
に示すように、外側から、少なくとも、紙基材51、無
機酸化物の蒸着膜52を有する樹脂フィルム53、およ
び、ヒ一トシール性樹脂層54を順次に積層した積層体
Fで構成されるものである。而して、本発明において、
上記のような充填口シール材を充填口に取り付けるに
は、図示しないが、例えば、底蓋部に内容物を充填する
ための充填口を形成し、次いで、該充填口から内容物を
充填した後、該充填口を密閉するために、底蓋部の外側
にあるヒ一トシール性樹脂層の面と、充填口シール材の
内側にあるヒートシール性樹脂層の面とを対向させて重
ね合わせ、しかる後、その両者をヒ一トシールして加熱
溶着させることによって取り付けることができる。お
な、本発明において、上記の底蓋部の充填口の切り口端
面は、内容物がその端面がら浸透するのを防止するため
に、図示しないが、例えば、該底蓋部の充填口の切り口
端面にテープ貼り加工等の端面処理加工を施すことがで
きる。また、本発明において、上記の充填口シール材を
取り付けるための加熱溶着度合いとしては、例えば、貯
蔵中あるいは流通期間中において、強国に固着し、内容
物の漏洩等を起こさないように強固に加熱溶善している
ことが望ましい。なお、本発明において、上記の底蓋部
の充填口から内容物を充填する場合、勿論、プルタブを
粘着させてなる上蓋部が、筒状胴部に取り付けられてい
ることは言うまでもないことである。
本発明にかかるコンポジット缶の一例を例示したもので
あり、これによって本発明は限定されるものではないこ
とは言うまでもないことである。例えば、コンポジット
缶の目的、内容物の種類、貯蔵形態、流通・販売形態、
用途、その他等により、積層材の層構成、コンポジット
缶の形態およぴそのシール形態、その他等を任意に選定
して、種々の形態のコンポジット缶を製造することがで
きるものである。また、図示しないが、本発明において
は、上蓋部の上方に、更に、オ−バ−キャップを取り付
けることができるものである。而して、上記のオ−バ−
キャップとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂、その他等の樹脂を使用し、これを、
真空圧空成形、射出成形、その他等の成形法にて成形し
てなる透明ないし不透明のキャップを使用することがで
きる。
明にかかるコンポジット缶を構成する材料、製造法等に
ついて説明すると、まず、本発明にかかるコンポジット
缶を構成する筒状コンポジット缶胴部、底蓋部,上蓋
部、プルタブ、充填口シ−ル材等を形成する積層材を製
造する材料、製造法等について説明すると、かかる材料
としては、種々のものを使用することができる。まず、
本発明において、筒状コンポジット缶胴部、底蓋部,上
蓋部、プルタブ、充填口シ−ル材等を形成する積層材の
外側および内側等を構成するヒ−トシール性樹脂層とし
ては、熱によって溶融し相互に融着し得るポリオレフイ
ン系樹脂を使用することができ、具体的には、例えば、
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロ
セン触媒(シングルサイト系触媒)を使用して重合した
エチレン−α・オレフィン共重合体、ポリプロピレン、
エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エ
チレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エ
チル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチ
レンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンープロピ
レン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポ
リマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオ
レフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽
和カルポン酸で変性した酸変性ポリオレフイン樹脂、そ
の他等の樹脂を使用することができる。而して、本発明
において、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層を形成する方法
としては、例えば、上記のような樹脂の1種ないし2種
以上を使用し、それを製膜化してなるフィルムないしシ
ートをドライラミネ−ト積層するドライラミネ−ト法、
上記の樹脂の1種ないし2種以上を使用し、それを溶融
押出積層する溶融押出積層法、あるいは、上記の樹脂の
1種ないし2種以上を含む組成物を使用し、それをコ−
ティングないし印刷してなるコーティング法あるいは印
刷法等を用いて形成することができる。上記のヒ−トシ
−ル性樹脂層の膜厚としては、約5μmないし300μ
m位、好ましくは、10μmないし100μm位が望ま
しい。
ット缶胴部、底蓋部,上蓋部、プルタブ、充填口シ−ル
材等を形成する積層材を構成する強度に優れた樹脂フィ
ルムについて説明すると、かかる強度に優れた樹脂フィ
ルムとしては、例えば、筒状コンポジット缶胴部、底蓋
部および上蓋部を構成する場合、基本素材の一つとなる
ことから、物理的、化学的、その他等において優れた性
質を有し、特に、強度を有して強靭であり、かつ、耐熱
性を有する樹脂のフィルムないしシートを使用すること
ができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフイン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、フツ素系樹脂、その他等の
強靭な樹脂のフィルムないしシート、その他等を使用す
ることができる。而して、上記の樹脂のフィルムないし
シートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向ま
たは二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのもの
でも使用することができる。そのフィルムの厚さとして
は、5μmないし100μm位、好ましくは、10μm
ないし50μm位が望ましい。なお、本発明において
は、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トには、例
えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵
柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が
施されていてもよい。勿論、本発明においては、上記の
強度に優れた樹脂フィルムは、筒状胴部、プルタブ、充
填口シール材等を構成する積層材にも適用することがで
きる。
缶胴部、底蓋部,上蓋部、プルタブ、充填口シ−ル材等
を形成する積層材を構成する無機酸化物の蒸着膜を有す
る樹脂フィルムについて説明すると、まず、無機酸化物
の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリン
グ法、イオンプレ−ティング法、イオンクラスタ−ビ−
ム法等の物理気相成長法(Physical Vapo
r Deposition法、PVD法)を用いて形成
することができる。本発明において、具体的には、金属
の酸化物を原料とし、これを加熱して樹脂フィルムの上
に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または
金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて樹脂
フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応
をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法
等を用いて無機酸化物の非結晶の薄膜を形成することが
できる。上記において、蒸着材料の加熱方式としては、
例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクト
ロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
物の蒸着膜としては、基本的には、金属の酸化物を蒸着
した薄膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(S
i)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、
カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、
ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、
鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム
(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができ
る。而して、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、
アルミニウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げ
ることができる。而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜
は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム
酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、そ
の表記は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等の
ようにMOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、
Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)
で表される。また、上記のXの値の範囲としては、ケイ
素(Si)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜
1.5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム
(Ca)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、
スズ(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜
0.5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)
は、0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Z
r)は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範
囲の値をとることができる。上記において、X=0の場
合、完全な金属であり、透明ではなく全く使用すること
ができない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した
値である。本発明において、一般的に、ケイ素(S
i)、アルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏
しく、ケイ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウ
ム(Al)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用
することができる。本発明において、上記のような無機
酸化物の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、また
は、金属の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、
50〜4000Å位、好ましくは、100〜1000Å
位の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜として
は、使用する金属、または、金属の酸化物としては、1
種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合
した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
の蒸着膜を形成する方法についてその具体例を挙げる
と、図13は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概
略的構成図である。図13に示すように、巻き取り式真
空蒸着装置61の真空チャンバ−62の中で、巻き出し
ロ−ル63から繰り出す樹脂フィルム64は、ガイドロ
−ル65、66を介して、冷却したコ−ティングドラム
67に案内される。而して、上記の冷却したコ−ティン
グドラム67上に案内された樹脂フィルム64の上に、
るつぼ68で熱せられた蒸着源69、例えば、金属アル
ミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、
更に、必要ならば、酸素ガス吹出口70より酸素ガス等
を噴出し、これを供給しながら、マスク71、71を介
して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着
膜を成膜化するものである。次いで、本発明において
は、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機
酸化物の蒸着膜を形成した樹脂フィルム64をガイドロ
−ル72、73等を介して巻き取りロ−ル74等に巻き
取って、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する樹
脂フィルム64を製造することができる。上記の例示
は、その一例を例示するものであり、これによって本発
明は限定されるものではないことは言うまでもないこと
である。なお、本発明においては、上記のような巻き取
り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物
の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物
の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成する
か、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を
用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の
蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からな
る無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
化物の蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法等によ
り形成することができ、具体的には、プラズマ化学気相
成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学
気相成長法(Chemical Vapor Depo
sition法、CVD法)等を用いて形成することが
できる。更に具体的には、樹脂フィルムの一方の面に、
有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キ
ャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の
不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素
ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低
温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸
化物の蒸着膜を形成することができる。上記において、
低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズ
マ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装
置を使用することがてき、而して、本発明においては、
高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラ
ズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一
例を例示して説明すると、図14は、上記のプラズマ化
学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法につい
てその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略
的構成図である。上記の図14に示すように、本発明に
おいては、プラズマ化学気相成長装置81の真空チャン
バ−82内に配置された巻き出しロ−ル83から樹脂フ
ィルム84を繰り出し、更に、該樹脂フィルム84を、
補助ロ−ル85を介して所定の速度で冷却・電極ドラム
86周面上に搬送する。而して、本発明においては、ガ
ス供給装置87、88および、原料揮発供給装置89等
から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用
モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着
用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル90を
通して真空チャンバ−82内に該蒸着用混合ガス組成物
を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム86周面上
に搬送された樹脂フィルム84の上に、グロ−放電プラ
ズマ91によってプラズマを発生させ、これを照射し
て、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成し、製膜化
する。本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム
86は、チャンバ−外に配置されている電源92から所
定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム8
6の近傍には、マグネット93を配置してプラズマの発
生が促進されており、次いで、上記で酸化珪素等の無機
酸化物の蒸着膜を形成した樹脂フィルム84ををガイド
ロ−ル94等を介して巻き取りロ−ル95等に巻き取っ
て、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フ
ィルムを製造することができる。なお、図中、96は、
真空ポンプを表す。上記の例示は、その一例を例示する
ものであり、これによって本発明は限定されるものでは
ないことは言うまでもないことである。図示しないが、
本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機
酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ
以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する
材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異
種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成すること
もできる。
ンプにより減圧し、真空度1×10 -1〜1×10-8To
rr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7T
orr位に調製することが望ましいものである。また、
原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合
物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、
不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズ
ルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1
〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不
活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすること
ができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガ
スとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とする
ことができる。一方、冷却・電極ドラムには、電源から
所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の
原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍で
グロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズ
マは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出され
るものであり、この状態において、樹脂フィルムを一定
速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・
電極ドラム周面上の樹脂フィルムの上に、酸化珪素等の
無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものであ
る。なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1
×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度
1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望
ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜30
0m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製
することが望ましいものである。
おいて、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、樹
脂フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガス
で酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるの
で、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となる
ものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される
酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高
いものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることが
できるものである。また、本発明においては、SiOX
プラズマにより樹脂フィルムの表面が、清浄化され、樹
脂フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生
するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
と樹脂フィルムとの密接着性が高いものとなるという利
点を有するものである。更に、上記のように酸化珪素等
の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1
〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1
×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸
着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する
時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較
して低真空度であることから、樹脂フィルムを原反交換
時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を
安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜
は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等
とが化学反応し、その反応生成物が、樹脂フィルムの一
方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成
するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、X
は、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とす
る連続状の薄膜である。而して、上記の酸化珪素の蒸着
膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式Si
OX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で
表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であること
が好ましいものである。上記において、Xの値は、蒸着
モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ
−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなれ
ばガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、
透明性が悪くなる。
素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または
酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる
化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する
蒸着膜からなることを特徴とするものである。例えば、
C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合
物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド
状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有
機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含
有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH
3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、Si
H2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ
−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以
外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸
化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変
化させることができる。而して、上記の化合物が、酸化
珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜5
0%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものであ
る。上記において、含有率が、0.1%未満であると、
酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十
分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生
し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難に
なり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好
ましくないものである。更に、本発明においては、酸化
珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化
珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させる
ことが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面
においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高めら
れ、他方、樹脂フィルムとの界面においては、上記の化
合物の含有量が少ないために、樹脂フィルムと酸化珪素
の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を
有するものである。
の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xr
ay Photoelectron Spectros
copy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Sec
ondary Ion Mass Spectrosc
opy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向
にイオンエッチングする等して分析する方法を利用し
て、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記
のような物性を確認することができる。また、本発明に
おいて、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚
50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的に
は、その膜厚としては、100〜1000Å位が望まし
く、而して、上記において、1000Å、更には、40
00Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易
くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、5
0Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難
になることから好ましくないものである。上記のおい
て、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分
析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファン
ダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。ま
た、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変
更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくするこ
と、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方
法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことが
できる。
化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメ
チルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニル
トリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメ
チルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その
他等を使用することができる。本発明において、上記の
ような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テト
ラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキ
サンを原料として使用することが、その取り扱い性、形
成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。なお、本発明において、無機酸化物の蒸着膜とし
ては、化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜を使用す
ることにより、蒸着膜が屈曲性、耐引っ張り性、折り曲
げ性等の加工適性に優れているため、本発明によるスパ
イラル巻き状のコンポジット缶の製造方法への適性にす
ぐれているものである。
の蒸着膜を有する樹脂フィルムを構成する樹脂フィルム
について説明すると、かかる樹脂フィルムとしては、こ
れらが無機酸化物の蒸着膜等を保持する基材であること
等から、まず、無機酸化物の蒸着膜等の形成条件に耐
え、かつ、その特性を損なうことなくそれらを良好に保
持し得ることができること、その他等の条件を充足し得
る各種の樹脂フィルムを使用することができる。本発明
において、上記の樹脂フィルムとしては、具体的には、
例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系
樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジ
エン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)
アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリ
エステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−
ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−
トを使用することができる。本発明においては、上記の
樹脂フィルムの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィ
ルムないしシ−トを使用することが好ましいものであ
る。
ムとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそ
れ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ
法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法
を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、
あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し
出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用
し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、
各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要
すれば、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ
−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる
各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することがで
きる。本発明において、上記の各種の樹脂フィルムの膜
厚としては、6〜200μm位、より好ましくは、9〜
100μm位が望ましい。
以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルム
の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、
抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的
特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々の
プラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、
その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目
的に応じて、任意に添加することができる。上記におい
て、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強
剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することがで
き、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
ムの表面は、無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を向上
させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層
を設けることができるものである。本発明において、上
記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オ
ゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プ
ラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品等を用いて処理
する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例え
ば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸
化処理層、その他等を形成して設けることができる。上
記の表面前処理は、各種の樹脂フィルムと無機酸化物の
蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施
するものであるが、上記の密接着性を改善する方法とし
て、その他、例えば、各種の樹脂フィルムの表面に、予
め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アン
カ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ
−ト剤層、その他等を任意に形成して、表面処理層とす
ることもできる。上記の前処理のコ−ト剤層としては、
例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、
(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ
エチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィン系
樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス
系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物
を使用することができる。
ット缶胴部、底蓋部,上蓋部、プルタブ、充填口シ−ル
材等を形成する積層材を構成するカップ原紙あるいは紙
基材としては、これが、コンポジット缶としての成型
性、耐屈曲性、あるいは、剛性等を保持させるものであ
り、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、ある
いは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の各
種の紙基材、その他等を使用することができる。上記に
おいて、カップ原紙としては、坪量約80〜600g/
m2位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/
m2位のものを使用することが望ましいものである。な
お、本発明においては、上記のようなカップ原紙には、
例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様、その他等の所
望の印刷絵柄を通常の印刷法で印刷描画されていてもよ
い。
いは充填口シール材に使用される紙基材としては、プル
タブあるいは充填口シール材としての賦形性、耐屈曲
性、剛性等を持たせるものであり、例えば、強サイズ性
の晒または未晒の紙基材、あるいは、純白ロール紙、ク
ラフト紙、板紙、加工紙、その他等の紙基材を使用する
ことができる。上記において、紙基材としては、坪量約
80〜600g/m2位のもの、好ましくは、坪量的1
00〜450g/m2 位のものを使用することが望まし
い。勿論、本発明においては、紙基材と、上記に挙げた
強度に優れた樹脂フィルムとしての各種の樹脂のフィル
ムないしシート等を積層させてその両者を併用して使用
することができる。
ポジット缶に適応する上蓋部としては、上記のプルタブ
方式以外にも種々の方式を用いることができる。例え
ば、筒状コンポジット缶胴部の上端部にヒ−トシ−ル性
を有する蓋材により全面にヒ−トシ−ルする方法が上げ
られる。更に、該上蓋部の一部を開口し易いように円状
に切れ目をいれた層と上層部フィルムを軽接着に積層さ
せた蓋材を用い、コンポジット缶に蓋材をシ−ル後、上
層部のフィルムを剥がすことにより開口部を形成する方
法が挙げられる。更にまた、開閉可能なヒンジ部を有す
るキャップ等を用いることもできる。
るコンポジット缶を構成する積層材としては、上記のよ
うな材料の他に、更に、必要ならば、例えば、水蒸気、
水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重
合体等の樹脂のフィルムないしシート、あるいは、酸
素、水蒸気等に対するバリアー性を有するポリ塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリピニルアルコール系樹脂、エチレン
ー酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムない
しシート等を使用することができる。これらの材料は、
一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができ
る。上記のフィルムないしシートの厚さとしては、任意
であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、
10μmないし100μm位が望ましい。
口部あるいは底蓋部の充填口の切り口端面を処理するた
めに貼り合わせるテープとしては、例えば、上記のよう
な、強度に優れた樹脂フィルム層、無機酸化物の蒸着膜
を有する樹脂フィルム、および、ヒ−トシール性樹脂層
等を順次に積層してなるテープを使用することが望まし
い。これを使用することにより、本発明にかかるコンポ
ジット缶は、総て、無機酸化物の薄膜を有する樹脂フィ
ルムを有するコンポジット缶とすることができるという
利点を有するものである。
器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれること
から、包装用容器を構成する包装材料には、厳しい包装
適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピン
ホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生
性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本
発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を
更に任意に選択して使用することができ、具体的には、
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢
酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン〜アク
リル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸またはメ
タクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリフ
テン系樹脂、ポリ塩化ピニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹胎、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ピニルー塩化ビ
ニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ
アクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリ
ロニトリルースチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリ
ロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS系
樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
カーポネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体のケン化物、フツ素系樹
脂、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ニトロセルロース、その他等の公知の樹脂の
フィルムないしシートから任意に選択して使用すること
ができるものである。その他、例えば、セロハン等のフ
ィルム、合成紙等も使用することができる。本発明にお
いて、上記のフィルムないしシートは、未延伸、一軸な
いし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使
用することができる。また、その厚さは、任意である
が、数μmから300μm位の範囲から選択して使用す
ることができる。更に、本発明においては、フィルムな
いしシートとしては、押出成膜、インフレーション成
膜、コーティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
な材料を使用して積層材を製造する方法について説明す
ると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネー
トする方法、例えば、ウェットラミネーション法、ドラ
イラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション
法、押出ラミネーション法、Tダイ押出成形法、共押出
ラミネーション法、インフレーション法、共押出インフ
レーション法、その他等で行うことができる。而して、
本発明においては、上記の積層を行う際に、必要なら
ば、例えば、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、
火炎処理、その他等の前処理を基材に施すことができ、
また、例えば、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリ
エチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等
のアンカーコーティング剤、あるいは、ポリウレタン
系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポ
リ酢酸ビニル系、セルロース系、その他等のラミネート
用接着剤等の公知の前処理、アンカーコート剤、接着剤
等を使用することができる。
材を使用してコンポジット缶を製造する方法について説
明すると、前述のように、例えば、上記のような積層材
を使用し、これから筒状コンポジット缶胴部を製造し、
しかる後、該筒状コンポジット缶胴部の底部、頭部等に
上蓋部、底蓋部等を取り付けて、種々の形態のコンポジ
ット缶を製造することができる。また、その形状は、丸
型、角形聖、その他等のいずれの形態のものでも製造す
ることができる。
たコンポジット缶は、例えば、ジュース、牛乳、酒、
水、その他等の各種の飲料の充填包装に適する紙缶、紙
コップ等として、また、ふりかけ、お茶漬け海苔、その
他等の固形食品の充填包装に適する紙缶に使用すること
ができる。更に、本発明にかかるコンポジット缶は、接
着剤、粘着剤等の各種の化学品、クリーム、化粧液等の
各種の化粧品、医薬、検査薬等の各種の医薬品、洗剤等
の各種の雑貨品、その他等の物品の充填包装に使用され
るものである。
更に具体的に説明する。 実施例1 (1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長
装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条
件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着
膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.2:5.0:2.5(単位:slm) 到達圧力;5.0×10-5mbar 製膜圧力;7.0×10-2mbar パワ−;35kW ライン速度;300m/min 次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し
た直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラ
ズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス
(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単
位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6
×10-2mbarで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処
理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dy
ne/cm以上向上させたプラズマ処理面を形成した。 (2).次いで、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フ
ィルムの上に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布
し(乾燥状態で5g/m2)、次いで該塗布面に、厚さ
60μmの低密度ポリエチレンフィルムを使用し、これ
をドライラミネートした。次に、上記の酸化珪素の蒸着
膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの酸化珪素の蒸着膜の面に、上記と同様にして、二液
硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布し(乾燥状態で5g
/m2)、次いで該塗布面に、上記の二軸延伸ナイロン
6フィルムと低密度ポリエチレンフィルムとの積層体の
二軸延伸ナイロン6フィルムの面を対向させて積層し、
これをドライラミネートした。次いで、上記で作成した
積層体の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
の面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを厚さ20
μmで押し出しながら、坪量110g/m2)のカップ
原紙を、押出サンドラミネートして、筒状コンポジット
缶胴部に使用する積層材を製造した。 (3).次に、上記と同様にして、厚さ200Åの酸化
珪素の蒸着膜厚を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの酸化珪素の蒸着膜の面
に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布し(乾燥状
態で5g/m2)、次いで、厚さ40μmの低密度ポリ
エチレンフィルムを使用し、これをドライラミネートし
た。次に、上記の酸化珪素の蒸着膜を有する二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムのポリエチレンテレ
フタレートフィルムの面に、低密度ポリエチレンを使用
し、これを厚さ30μmで押出ながら、坪量250g/
m2のカップ原紙を、押出サンドラミネートし、更に、
該カップ原紙の面に、低密度ポリエチレンを使用し、こ
れを厚さ15μmに押出ラミネートして、厚さ12μm
の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層
し、次にまた、該二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムの面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを
厚さ20μmに押出ラミネートして、底蓋部と上蓋部に
使用する積層材を製造した。 (4).次にまた、上記と同様にして、厚さ200Åの
酸化珪素の蒸着膜を有する厚さ12μmの二延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルムの酸化珪素の蒸着膜の面
に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布し(乾燥状
態で5g/m2)、次いで、該塗布面に、厚さ40μm
の低密度ポリエチレンフィルムを使用し、これをドライ
ラミネートした。次に、上記の酸化珪素の蒸着膜を有す
る二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのポリ
エチレンテレフタレートフィルムの面に、低密度ポリエ
チレンを使用し、これを厚さ30μmで押し出しなが
ら、坪量80g/m2の片艶晒クラフト紙を押出サンド
ラミネートして、プルタブに使用する積層材を製造し
た。 (5).次に、上記で製造した筒状コンポジット缶胴部
に使用する積層材を使用し、まず、その一方の端部を折
り返し、次いで、折り返し部及びヒ−トシール性樹脂層
を内部にしてスパイラル状に巻き回し、次いで、その重
なり部分を熱風によりヒ−トシールして筒状コンポジッ
ト缶胴部を製造した。次に、上記の筒状コンポジット缶
胴部の下端部と上端部を内側に折り込み、次いで、該折
り込み部に間隙を形成した。他方、上記で製造した底蓋
部および上蓋部に使用する積層材を使用し、予め、天面
とこれに隣接する筒状垂下部を有するメンコ状の底蓋部
と上蓋部を形成しておき、その筒状垂下部が上記の筒状
コンポジット缶胴部の上下の間隙において筒状コンポジ
ット缶胴部と重なり合うように挿入し、しかる後、その
両者をヒ一トシールしてシール部を形成して、筒状コン
ポジット缶胴部の上下に、それぞれ、上蓋部と底蓋部を
取り付けて、本発明にかかるコンポジット缶を製造し
た。なお、上記の上蓋部を構成する積層材は、予め、内
容物を充填し、あるいは、取り出すための開口部を形成
し、開口部の切り口端面は、内容物がその端面から浸透
するのを防止するために、該上蓋部の開口部の切り口端
面にテープ貼り加工等の端面処理加工を施し、次いで、
まず、該開口部から内容物を充填包装し、しかる後、該
開口部に上記のプルタブを貼り合わせて、本発明にかか
るコンポジット缶を使用した包装製品を製造した。上記
の包装製品は、高度のバリア性を有し、内容物の充填包
装適性を有し、また、使用後は燃焼ゴミとして廃棄し何
らの支障もなかった。 (6).なお、上記の筒状コンポジット缶胴部に使用す
る積層材として、上記の(2)て製造した積層材に代え
て、更に、上記の(2)で製造した積層材を構成するカ
ップ原紙の他面に、低密度ポリエチレンを使用し、これ
を厚さ20μmに押出ラミネートして、低密度ポリエチ
レン樹脂層を形成して、筒状コンポジット缶胴部に使用
する積層材を製造し、以下、これを使用し、それ以外
は、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例1
と同様に本発明にかかるコンポジット缶を製造し、更
に、それを使用した包装製品を製造した。
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、
上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着
し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニ
ウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレ
クトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法によ
り、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミ
ニウムの蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着チャンバ−内の真空度:2×10-4mbar 巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10-2mbar 電子ビ−ム電力:25kW フィルムの搬送速度:240m/分 蒸着面:コロナ処理面 次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜
を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面
に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理面を形
成して、本発明にかかるバリア性フィルムを製造した。 (2)、次に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィ
ルムの上に、2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布し
(乾燥状態で5g/m2)、次いで、該塗布面に、厚さ
60μmの低密度ポリエチレンフィルムを使用し、これ
をドライラミネートした。次に、上記の酸化アルミニウ
ムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜の面に、上記と
同様にして、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗布し
(乾燥状態で5g/m2)、次いで、該塗布面に、上記
の二軸延伸ナイロン6フィルムと低密度ポリエチレンフ
ィルムとの積層体の2軸延伸ナイロン6フィルムの面を
対向させて重ね合わせ、次いで、その両者をドライラミ
ネートした。次に、上記の酸化アルミニウムの蒸着膜を
有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの面に、低密度ポ
リエチレンを使用し、これを厚さ20μmで押出なが
ら、坪量280g/m2のカップ原紙を押出サンドラミ
ネートし、更に、該カップ原紙の面に、低密度ポリエチ
レンを使用し、これを厚さ20μmに押出ラミネートし
て、筒状コンポジット缶胴部に使用する積層材を製造し
た。 (3).次に、上記と同様にして、厚さ200Åの酸化
アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ12μmの二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムの酸化アルミニウ
ムの蒸着膜の面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を
塗布し(乾燥状態で5g/m2)、次いで、該塗布面
に、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルムを使用
し、これをドライラミネートした。次に、上記の酸化ア
ルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを厚さ
30μmで押し出しながら、坪量250g/m2のカッ
プ原紙を押出サンドラミネートし、更に、該カップ原紙
の面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを厚さ15
μmに押出ラミネートして、厚さ12μmの二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムを積層し、次にま
た、該二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの
面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを厚さ20μ
mに押出ラミネートして、底蓋部と上蓋部に使用する積
層材を製造した。 (4).次にまた、上記と同様にして、厚さ200Åの
酸化アルミニウムの蒸着膜を有する厚さ12μmの二軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの蒸酸化アル
ミニウムの蒸着膜の面に、二液硬化型ポリウレタン系接
着剤を塗布し(乾燥状態で5g/m2)、次いで、該塗
布面に、厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルムを
使用し、これをドライラミネートした。次に、上記の酸
化アルミニウムの蒸着膜を有する二軸延伸ポリ工チレン
テレフタレートフィルムのポリ工チレシテレフタレート
フィルムの面に、低密度ポリエチレンを使用し、これを
厚さ30μmで押し出しながら、坪量80g/m2の片
艶晒クラフト紙を押出サンドラミネートして、プルタブ
に使用する積層材を製造した。 (5).厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を有
する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルムの酸化アルミニウムの蒸着膜の面に、二液硬
化型ポリウレタン系接着剤を塗布し(乾燥状態で5g/
m2)、次いで、該塗布面に、厚さ40μmの低密度ポ
リエチレンフィルムを俵用し、これをドライラミネート
した。次に、上記の酸化アルミニウムの蒸着膜を有する
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのポリエ
チレンテレフタレートフィルムの面に、低密度ポリエチ
レンを使用し、これを厚さ30μmで押出ながら、坪量
220g/m2のカップ原紙を押出サンドラミネート
し、更に、該カップ原紙の面に、低密度ポリエチレンを
使用し、これを厚さ20μmに押出ラミネートして、充
填口シール材に使用する積層材を製造した。 (6).次に、上記で製造した筒状コンポジット缶胴部
に使用する積層材を使用し、まず、その一方の端部を折
り返し、次いで、折り返し部及びヒ−トシール性樹脂層
を内部にしてスパイラル状に巻き回し、次いで、その重
なり部分を熱風によりヒ−トシールして筒状コンポジッ
ト缶胴部を製造した。次に、上記の筒状コンポジット缶
胴部の下端部と上端部を内側に折り込み、次いで、該折
り込み部に間隙を形成した。他方、上記で製造した底蓋
部および上蓋部に使用する積層材を使用し、予め、天面
とこれに連接する筒状垂下部を有するメンコ状の底蓋部
と上蓋部を形成しておき、その筒状垂下部が上記の筒状
胴部の上下の間隙において筒状胴部と重なり合うように
挿入し、しかる後、その両者をヒ一トシールしてシール
部を形成して、筒状コンポジット缶胴部の上下に、それ
ぞれ、上蓋部と底蓋部を取り付けて、本発明にかかるコ
ンポジット缶を製造した。なお、上記の上蓋部を構成す
る積層材には、予め、内容物を取り出すための開口部を
形成し、開口部の切り口端面は、内容物がその端面がら
浸透するのを防止するために、該上蓋部の開口部の切り
口端面にテープ貼り加工等の端面処理加工を施し、次い
で、該開口部には、予め、上記のプルタフを貼り合わせ
おいた。他方、上記の底蓋部を構成する積層材には、予
め、内容物を充填するための充填口を形成し、充填口の
切り口端面は、内容物がその端面から浸透するのを防止
するために、該底蓋部の充填口の切り口端面にテープ貼
り加工等の端面処理加工を施し、次いで、該充填口から
内容物を充填し、しかる後該充填口を上記の充填口を密
閉する充填口シール材でヒ−トシールして密閉して、本
発明にかかるコンポジット缶を使用した包装製品を製造
した。上記の包装製品は、高度のバリア性を有し、内容
物の充填包装適性を有し、また、使用後は燃焼ゴミとし
て廃棄し何らの支障もなかった。 (7).なお、上記の筒状コンポジット缶胴部に使用す
る積層材として、上記の(2)て製造した積層材に代え
て、更に、上記の(2)で製造した積層材を構成するカ
ップ原紙の他面に、低密度ポリエチレンを使用し、これ
を厚さ20μmに押出ラミネートして、低密度ポリエチ
レン樹脂層を形成しないで、筒状コンポジット缶胴部に
使用する積層材を製造し、以下、これを使用し、それ以
外は、上記の実施例1と全く同様にして、上記の実施例
1と同様に本発明にかかるコンポジット缶を製造し、更
に、それを使用した包装製品を製造した。
は、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルムと紙との
積層材に着目し、まず、筒状コンポジット缶胴部、該筒
状コンポジット缶胴部の下端部に取り付けた底蓋部、お
よび、該筒状コンポジット缶胴部の上端部に取り付けた
プルタフ付き上蓋部からなるコンポジット缶において、
上記の筒状コンポジット缶胴部を、少なくとも、ヒート
シール性樹脂層、強度に優れた樹脂フィルム層、無機酸
化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、および、カップ原
紙を順次に積層した積層材、または、上記の積層材を構
成するカップ原紙の他端に、更に、ヒートシール性樹脂
層を順次に積層した積層材を使用し、該積層材をスパイ
ラル巻き状、ラップシ−ル状、あるいは、平巻き状に巻
いて筒状コンポジット缶胴部を製造し、また、上記の底
蓋部と上蓋部とを、少なくとも、ヒートシール性樹脂
層、強度に優れた樹脂フィルム層、カップ原紙、無機酸
化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、および、ヒートシ
ール性樹脂層を順次に積層した積層材で構成し、更にま
た、上記のプルタブも、少なくとも、紙基材、無機酸化
物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、および、ヒートシー
ル性樹脂層を順次に積層した積層材で構成し、而して、
これらの積層材を使用して通常の方法でコンポジット缶
を製造し、次いで、そのコンポジット缶内に、飲料ある
いは固形食品等の種々の物品を充填包装して、酸素ガ
ス、水蒸気等に対する高いパリア性を有して内容物の保
護適正、保存適性等に優れ、更に、コンポジット缶の製
造作業、内容物の充填包装作業等も容易に行うことがで
きて極めて高い充填包装加工適性を有し、かつ、コンポ
ジット缶を電子レンジにかけても、十分にその電子レン
ジ適性を有し、また、使用後廃棄処理しても燃焼ゴミと
して極めて廃棄処理適正に優れたコンポジット缶を製造
し得ることができるというものである。
略的断面図である。
態からなる包装用容器の構成を示す概略的断面図であ
る。
層材の層構成を示す概略的断面図である。
層材の層構成を示す概略的断面図である。
その構成を示す概略的構成図である。
その構成を示す概略的構成図である。
層材の層構成を示す概略的断面図である。
その構成を示す概略的断面図である。
その構成を示す概略的断面図である。
てその構成を示す概略的断面図である。
積層材の層構成を示す概略的断面図である。
積層材の層構成を示す概略的断面図である。
略的構成図である。
略的構成図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 筒状コンポジット缶胴部と該筒状コンポ
ジット缶胴部の下端部に取り付けた底蓋部、および、該
筒状コンポジット缶胴部の上端部に取り付けたプルタブ
付き上蓋部からなり、更に、上記の筒状コンポジット缶
胴部が、少なくとも、ヒートシール性樹脂層、強度に優
れた樹脂フィルム層、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂
フィルム、および、カップ原紙を順次に積層した積層材
から構成することを特徴とするコンポジット缶。 - 【請求項2】 カップ原紙が、更に、その表面に、ヒ−
トシ−ル性樹脂層を積層したことを特徴とする上記の請
求項1に記載するコンポジット缶。 - 【請求項3】 底蓋部と上蓋部とが、少なくとも、ヒー
トシール性樹脂層、強度に優れた樹脂フィルム層、カッ
プ原紙、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、お
よび、ヒートシール性樹脂層を順次に積層した積層材で
構成されていることを特徴とする上記の請求項1〜2の
いずれか1項に記載するコンポジット缶。 - 【請求項4】 プルタブが、少なくとも、紙基材、無機
酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、および、ヒート
シール性樹脂層を順次に積層した積層材で構成されてい
ることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項
に記載するコンポジット缶。 - 【請求項5】 上蓋部が、更に、オ−バ−キャップを有
することを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1
項に記載するコンポジット缶。 - 【請求項6】 ヒ−トシ−ル性樹脂層が、ポリオレフィ
ン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜
5のいずれか1項に記載するコンポジット缶。 - 【請求項7】 強度に優れた樹脂フィルム層が、二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなることを
特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載す
るコンポジット缶。 - 【請求項8】 カップ原紙が、坪量200〜300g/
m2の紙原紙からなることを特徴とする上記の請求項1
〜7のいずれか1項に記載するコンポジット缶。 - 【請求項9】 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法
または化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜からなる
ことを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に
記載するコンポジット缶。 - 【請求項10】 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長
法による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴
とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載するコ
ンポジット缶。 - 【請求項11】 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長
法による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上
記の請求項1〜9のいずれか1項に記載するコンポジッ
ト缶。 - 【請求項12】 樹脂フィルムが、2軸延伸ポリエステ
ル系樹脂フィルム、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィル
ム、または、2軸延伸ポリオレフィン系樹脂フィルから
なることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか
1項に記載するコンポジット缶。 - 【請求項13】 筒状コンポジット缶胴部が、少なくと
も、ヒートシール性樹脂層、強度に優れた樹脂フィルム
層、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、およ
び、カップ原紙を順次に積層した積層材、または、少な
くとも、ヒートシール性樹脂層、強度に優れた樹脂フィ
ルム層、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルム、カ
ップ原紙、および、ヒ−トシ−ル性樹脂層を順次に積層
した積層材をスパイラル巻き状にした構造からなること
を特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記
載するコンポジット缶。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001382048A JP3967123B2 (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | コンポジット缶 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003182719A true JP2003182719A (ja) | 2003-07-03 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006027631A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-02 | Dainippon Printing Co Ltd | チュ−ブ容器 |
WO2009125068A1 (en) | 2008-04-09 | 2009-10-15 | Stora Enso Oyj | Solvent-resistant liquid packaging board, its manufacturing method and use, and a drinking cup made of the same |
JP2009292514A (ja) * | 2008-06-06 | 2009-12-17 | Japan Tobacco Inc | 包装容器 |
-
2001
- 2001-12-14 JP JP2001382048A patent/JP3967123B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2009125068A1 (en) | 2008-04-09 | 2009-10-15 | Stora Enso Oyj | Solvent-resistant liquid packaging board, its manufacturing method and use, and a drinking cup made of the same |
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