JP2003178930A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法

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JP2003178930A JP2001379149A JP2001379149A JP2003178930A JP 2003178930 A JP2003178930 A JP 2003178930A JP 2001379149 A JP2001379149 A JP 2001379149A JP 2001379149 A JP2001379149 A JP 2001379149A JP 2003178930 A JP2003178930 A JP 2003178930A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、工程を大幅に短縮できるととも
に、内部電極とビアホール導体の電気的接続が良好であ
り、且つ微小なビアホール導体が形成可能である多層セ
ラミック電子部品のビアホール導体形成方法及びそれを
用いたコンデンサを提供する。 【解決手段】 本発明の電子部品10の製造方法は、バ
インダ樹脂を含むセラミックグリーンシート20を積層
するとともに、セラミックグリーンシート20間に内部
電極3、4を配置した誘電体ブロック1に400nm以
下の波長のレーザ光を照射することによって積層方向に
貫通するとともに、一方側の開口径と他方側の開口径が
異なる貫通孔15、16を形成し、且つ貫通孔15、1
6に導電性ペーストを充填してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックグリー
ンシートを用いた積層体上にレーザ光を用いて貫通孔を
形成し、かつその貫通孔に導電性ペーストを充填してビ
アホール導体を形成する工程を含む電子部品の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】代表的な電子部品である積層セラミック
コンデンサにおいて、近年、等価直列抵抗、等価直列イ
ンダクタンスを低くするために、内部電極間をビアホー
ル導体で接続する構造が増えてきている。
【0003】従来の積層セラミックコンデンサの製造方
法を図4に示す。
【0004】図4(a)のように、誘電体層となるセラ
ミックグリーンシート42に、マイクロドリル又はパン
チングを用いた打ち抜き法などにより、あらかじめ貫通
孔45、46をあけておく。次に、図4(b)のよう
に、スクリーン印刷法により、セラミックグリーンシー
ト42上に内部電極33、34を印刷すると同時に、貫
通孔45、46に導電性ペーストを充填することによ
り、ビアホール導体35、36を形成する。そして、こ
のようにして得られたセラミックグリーンシート42を
図4(c)のように貫通孔45、46のそれぞれが一致
するように積層して積層体41を形成する。その後、所
望の位置で積層体41を切断し、焼成処理することで積
層セラミックコンデンサが得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
積層セラミックコンデンサは、小型高容量化の要求が高
まり、薄膜多積層化となってきている。そして、上記貫
通孔の形成方法によれば、誘電体層となるセラミックグ
リーンシート42に1層毎にビアホール導体45、46
を形成しているため、積層数が多くなると工程が非常に
長くなり、上記要求に応えることができなかった。
【0006】ここで、工程短縮のために、内部電極3
3、34を印刷したセラミックグリーンシート42を複
数積層して積層体41を形成した後に、積層体41の主
面側からマイクロドリル、パンチング等を用いて貫通孔
を形成し、この貫通孔に導電性ペーストを充填すること
で、積層体41の積層方向を貫くビアホール導体35、
36を形成する方法も考えられる。
【0007】しかしながら、マイクロドリルを用いて積
層体41に貫通孔を開ける方法では、加工くずが内部電
極33、34に被さってしまい、内部電極33、34と
ビアホール導体35、36との電気的接続が悪化すると
いう問題があった。
【0008】一方、パンチングを用いて積層体41に貫
通孔を開ける方法では、パンチだれが発生してしまい、
内部電極33、34とビアホール導体の電気的接続が悪
化するという問題があった。
【0009】さらに、マイクロドリルやパンチングを用
いて貫通孔を開ける方法では、ドリル径あるいはパンチ
径は最小でも150μm程度であり、要求される微細加
工には適していなかった。特に、貫通孔の径が小さくな
ると穴あけ加工中にドリルまたはパンチング用ピンが積
層体41内に入り込んで折れてしまうという問題があっ
た。
【0010】また、貫通孔の径が小さくなると、導電性
ペーストが入りにくくなり、内部電極33、34とビア
ホール導体の電気的接続が悪化したり、ビアホール導体
内の空隙率が大きくなることにより、メッキ液の浸入
や、高温時に空隙が膨張してクラックが発生するという
問題点があった。
【0011】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもの
であり、その目的は、工程を大幅に短縮できるととも
に、内部電極とビアホール導体の電気的接続が良好であ
り、且つ微小なビアホール導体が形成可能である電子部
品の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は、バインダ樹脂を含むセラミックグリーン
シートを用意する工程と、前記セラミックグリーンシー
ト上に配線パターンとなる導体膜を形成する工程と、前
記導体膜が形成されたセラミックグリーンシートを複数
積層して積層体を形成する工程と、前記積層体上の所定
位置に、波長が400nm以下のレーザ光を照射して前
記照射位置に貫通孔前駆体を形成する工程と、前記貫通
孔前駆体を除去して、前記積層体の積層方向に貫通孔を
形成する工程と、前記貫通孔に導電性ペーストを充填す
る工程と、前記積層体を焼成する工程とを有する電子部
品の製造方法であって、前記貫通孔の一方側の開口径と
他方側の開口径を異ならせたことを特徴とする電子部品
の製造方法を提供する。
【0013】また、前記導体膜の前記貫通孔に露出する
露出部は、前記積層体の積層方向に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法を
提供する。
【作用】本発明の請求項1の構成によれば、セラミック
グリーンシートに波長が400nm以下のレーザ光を直
接照射すると、レーザの照射位置ではセラミックグリー
ンシートのセラミック粒子同士を保持するバインダ樹脂
が分解し、セラミックグリーンシートの所望の形状が崩
れてセラミック粒子がバラバラになる。即ち、バインダ
樹脂に400nm以下の波長のレーザ光が照射すると、
高温を発生せずにバインダ樹脂を構成する有機化合物の
分子間結合、即ち、C−C結合、C−H結合、C−O結
合の分子鎖が切断されてバインダ樹脂本来の機能を失う
ことによる。
【0014】ここで、レーザ光の波長が400nmを越
える場合、レーザ光による急速局所加熱により貫通孔を
形成することになるため、セラミックグリーンシートに
比べて融点の低い内部電極の早期蒸発が起こり、内部電
極の貫通孔に露出する部分が消失し、内部電極とビアホ
ール導体の電気的接続を不能にしてしまう。
【0015】しかし、本発明では貫通孔用のレーザ光が
高温をほとんど発生せずにバインダ樹脂の分子鎖を切断
して貫通孔を形成するので、内部電極が貫通孔に露出し
た状態で切除されて開口させることができる。
【0016】しかも、本発明では貫通孔の一方側の開口
径と他方側の開口径を異ならせ、最初に開口径が大きい
側から徐々に開口径が小さい側へ穿設していくと、穿設
の際に発生する貫通孔前駆体が大きい側から除去しやす
くなり、内部配線パターンとなる導体膜を貫通孔に十分
露出させることが可能となる。
【0017】また、貫通孔に開口径が大きい側から導電
性ペーストを充填すると導電性ペーストが貫通孔に入り
やすくなる。これにより、貫通孔内への導電性ペースト
の充填性が良好になり、導体膜も貫通孔に十分露出でき
ているので内部電極とビアホール導体の電気的接続が良
好になるとともに、ビアホール導体内の空隙少なくなる
ため、メッキ液の浸入や、高温時に空隙が膨張してクラ
ックが発生することを防ぐことができる。
【0018】また、本発明の請求項2の構成によれば、
配線パターンとなる導体膜の貫通孔に露出する露出部
は、前記積層体の積層方向に対して傾斜しているので、
露出する面積を十分増加させることができ導電性ペース
トとの電気的接続が良好になる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
を説明する。図面において、なお、代表的な電子部品と
して、積層セラミックコンデンサを例にとって説明す
る。
【0020】図1は、本発明の積層セラミックコンデン
サの一実施形態を示す断面図である。図2は、本発明の
積層セラミックコンデンサの製造方法の一実施形態を示
す断面図である。
【0021】図において、積層セラミックコンデンサ1
0は、誘電体ブロック1内部に配線パターンである内部
電極3、4が形成され、また、誘電体ブロック1の両端
側にビアホール導体5、6が形成され、ビアホール導体
5、6に接続された外部電極7、8が形成されている。
【0022】誘電体ブロック1は、誘電体層2を複数積
層して形成されている。この誘電体層2の焼成前は、セ
ラミック粉末と焼結助剤に溶剤、可塑剤、分散材、バイ
ンダ樹脂を混合してセラミックスラリーをシート状に成
型して乾燥したセラミックグリーンシート20からな
る。成型法にはドクターブレード法、引き上げ法、ダイ
コーター、グラビアロールコーターなどが用いられる。
【0023】セラミックグリーンシート20のセラミッ
ク粉末としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)等
の誘電体材料に、必要に応じて無機酸化物などを混合す
る。焼結助剤は、焼成による収縮開始温度を低くする機
能を有し、材料としてガラス成分となる液相形成物質、
金属酸化物などが用いられる。溶剤としては、例えば
水、トルエン、酢酸エチル、または、これらの混合物な
どが用いられる。可塑剤としては、例えばポリエチレン
グリコール、フタール酸エステルなどが用いられる。
【0024】バインダ樹脂としては例えばポリビニルア
ルコール、ポリビニルアセタール、セルロース、水溶性
アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。中で
も、ポリビニルアルコールを用いると、誘電体層2を薄
層化した際に充分な強度を得ることができる点で好まし
い。これらは、C−C結合、C−H結合、C−O結合の
分子鎖が集合した構造を有している。代表的なポリビニ
ルアルコールの構造式を以下に示す。
【0025】
【化1】
【0026】内部電極3、4は図2(a)に示すように
各誘電体層2の同一平面上にそれぞれ複数形成されてい
る。また、それぞれの内部電極3又は内部電極4はそれ
ぞれ一定間隔を開けて形成されており、誘電体層2を挟
んで、内部電極3と内部電極4が互いに対向する領域X
と対向していない領域Yとが形成されるように配置され
ている。そして、内部電極3は誘電体ブロック1の主面
側から数えて偶数番目の誘電体層2の上面に形成されて
おり、この内部電極3がビアホール導体6に接続され、
その他には非接触である。また、内部電極4は誘電体ブ
ロック1の主面側から数えて偶数番目の誘電体層2の上
面に形成されており、ビアホール導体5に接続され、そ
の他は非接触である。
【0027】内部電極3、4は、その焼成前は導電性ペ
ーストを印刷形成してなる。導電性ペーストは、金属粉
末が、有機溶剤にバインダ樹脂を溶解させた有機ビヒク
ル中に分散させてなるものであり、有機ビヒクル中に
は、これらの他、各種分散剤、活性剤、可塑剤などが必
要に応じて添加される。
【0028】導電性ペーストの金属粉末としては、P
d、Cu、Ni、Ag、Au及びこれらの合金が用いら
れる。
【0029】また、導電性ペーストに用いられる溶剤
は、バインダ樹脂を溶解して金属粉末粒子を分散させ、
このような混合系全体をペースト状にする役割をなし、
例えば、α−テルピネオールやベンジルアルコール等の
アルコール系や炭化水素系・エーテル系・BCA(ブチ
ルカルビトールアセテート)等のエステル系・ナフサ等
が用いられ、特に、金属粉末の分散性を良くするという
観点からは、α−テルピネオール等のアルコール系溶剤
を用いることが好ましい。
【0030】導電性ペーストに用いられるバインダ樹脂
は、金属粉末を均質に分散させるとともに貫通孔15、
16への埋め込みに適正な粘度とレオロジーを与える役
割をもっており、例えば、アクリル樹脂やフェノール樹
脂・アルキッド樹脂・ロジンエステル・エチルセルロー
ス・メチルセルロース・PVA(ポリビニルアルコー
ル)・ポリビニルブチラート等が用いられる。特に、金
属粉末の分散性を良くするという観点からは、アクリル
樹脂を用いることが好ましい。これらは、セラミックグ
リーンシートに用いられるバインダ樹脂と同様にC−C
結合、C−H結合、C−O結合の分子鎖が集合した構造
を有している。代表的なアクリル樹脂である、ポリメタ
クリル酸メチルの構造式を以下に示す
【0031】
【化2】
【0032】有機ビヒクル中の分散剤としては、例えば
ロジン、グリセリン、オクタデシルアミン、トリクロロ
酢酸、オレイン酸、オクタジエン、オレイン酸エチル、
モノオレイン酸グリセリン、トリオレイン酸グリセリ
ン、トリステアリン酸グリセリン、メンセーデン油など
が用いられる。
【0033】ビアホール導体5、6は本発明の貫通孔1
5、16(図2(b)参照、以下同じ)内に導電性ペー
ストを充填して形成されている。
【0034】貫通孔15、16の形成に使用されるレー
ザは、400nm以下の波長のレーザが用いられ、好ま
しくは200nm〜350nmの波長のレーザが用いら
れる。400nm以上ではバインダ樹脂の分子鎖を切る
レーザ光とはならず、レーザ光による急速局所加熱でバ
インダ樹脂が熱分解とセラミック構成部分の蒸発が起こ
り、貫通孔15、16に内部電極3、4を露出させるこ
とができない。特に350nm以下であるとバインダ樹
脂の分子間同士で結合している分子鎖、例えば、C−C
結合、C−H結合、C−O結合の分子鎖を切断できる種
類が多くなり貫通孔15、16を形成しやすくなる。な
お、200nm以下の波長のレーザを現在形成すること
は困難である。
【0035】レーザの種類としてはUV−YAGレーザ
あるいはエキシマレーザなどが使用できる。特に400
nm以下の波長のレーザを用い、径が100μm以下で
貫通孔15、16を精度良く形成するためには、特にU
V−YAGレーザが好適である。
【0036】なお、貫通孔15、16を形成するのに貫
通孔前駆体を除去することが必要である。貫通孔前駆体
としては、バインダ樹脂を分解した粉体やセラミック粉
末、内部電極3、4の場合は金属粉末、可塑剤等が混じ
りあったものである。この貫通孔前駆体を除去する除去
手段としては、吸引手段、洗浄手段、燃焼手段が用いら
れる。吸引手段を用た場合には、レーザ光の照射と同時
に吸引にて貫通孔前駆体を除去すると、貫通孔前駆体で
照射位置が覆われず、常に、直接、積層体1の面にレー
ザ光を照射させることができ、開孔効率を向上させるこ
とができる。また、洗浄手段としては、貫通孔15、1
6を形成した後に、水中に浸して超音波洗浄を行い残留
した加工くずを完全に除去しても良い。更に、燃焼手段
として、プラズマ処理によって加工くずを酸化燃焼させ
てもよい。この他に、貫通孔15、16内に空気流を吹
き付けて、貫通孔15、16内のくずを除去してもよ
い。貫通孔15、16を形成後でも、除去手段を用いる
ことにより貫通孔15、16内壁に付着したセラミック
グリーンシートである誘電体層2の加工くずを完全に除
去することができ、内部電極3、4とビアホール導体
5、6を確実に接続することができる。
【0037】この貫通孔15、16は、内部電極3、4
が互いに対向しない領域Y、具体的には奇数番目の誘電
体層2の領域13と偶数番目の誘電体層2の領域14を
貫通している。
【0038】また、貫通孔15、16の積層方向の軸5
cに対して貫通孔15、16の稜線5vが傾斜する断面
が台形になるように形成されている。この軸5cと稜線
5vの成す角度θは4゜〜30゜の範囲にあることが望
ましい。即ち、角度が4゜未満の場合、導電性ペースト
を貫通孔に入りやすくする効果が不十分となる。一方、
角度が30゜を越える場合には領域Yが大きくなり小型
化が達成できない。
【0039】また、断面が台形に形成された貫通孔1
5、16の上底5aの長さは、下底5bの長さの1.2
〜3倍に設定されることが望ましい貫通孔15、16に
充填される導電性ペーストとしては、内部電極3、4に
用いる導電性ペーストと同様であるため省略する。この
貫通孔15、16に充填した導電背ペーストをセラミッ
クグリーンシート20との一体焼成によって形成でき
る。この様に形成したビアホール導体5が内部電極4を
貫通して電気的に接続し、ビアホール導体6が内部電極
3を貫通し手電気的に接続されることになる。
【0040】このようにして形成したビアホール導体
5、6のうち、ビアホール導体5は誘電体ブロック1の
主面に形成した外部電極7に接続され、ビアホール導体
6は誘電体ブロック1の主面に形成した外部電極8に接
続される。これにより、内部電極3、4の各々が対向す
ることで、容量成分を形成することができる。
【0041】外部電極7、8は、金属粉末とガラスフィ
ットが含まれる有機溶剤にバインダ樹脂を溶解させた有
機ビヒクル中に分散させてなるものであり、有機ビヒク
ル中には、これらの他、各種分散剤、活性剤、可塑剤な
どが必要に応じて添加される。
【0042】次に、本発明の電子部品の製造方法を説明
する。なお、積層セラミックコンデンサ10の製造方法
の例ついて説明する。
【0043】セラミック粉末と焼結助剤に溶剤、分散
剤、バインダ樹脂などを混合したスラリーから、ドクタ
ーブレード法で、セラミックグリーンシート20を成型
する。
【0044】成型された複数のセラミックグリーンシー
ト20に内部電極3、4をそれぞれ形成し、図2(a)
に示すように、内部電極3と内部電極4のそれぞれが形
成された2種類のセラミックグリーンシート20を交互
に所要枚数を積み重ね、その上下から加圧焼成して積層
体11を形成する。
【0045】次に、図2(b)に示すように、積層体1
1の主面に波長が350nmのUV−YAGレーザを照
射する。クリーンな穿孔をするにはレーザ光の径が目的
の貫通孔の径よりも細くして渦巻加工するのが望まし
い。レーザ光Laは、図3(a)に示すように、まず貫
通孔15、16となる領域Yの中心15a(16a)に
照射した後、図3(b)に示すように、積層体11上に
渦巻状に徐々に外側にレーザ光L1を照射していき、貫
通孔15、16となる部分の周辺位置まで穴151、1
61をあける。積層体11が厚い場合は、一回の渦巻加
工では貫通しないので、複数回の渦巻加工を繰り返す。
このとき、渦巻加工する径を徐々に小さくしていくこと
により、図3(c)に示すように貫通孔15、16を略
円錐台形状にする。
【0046】この場合、レーザ照射と同時に、バインダ
樹脂が分解しバラバラになった貫通孔前駆体を真空引き
にて吸引を行う。真空引きは、例えば積層体11の上側
にノズルを配置し、真空ポンプなどで吸引する。
【0047】次に、貫通孔15、16が形成された積層
体11を水中に浸して超音波洗浄を行うことにより、残
留した加工くずを完全に除去する。更に、図2(c)に
示すように、形成された貫通孔15、16内に、スクリ
ーン印刷法により、ビアホール導体5、6となる導電性
ペーストを充填する。これによってビアホール導体5、
6が形成される。
【0048】更に、積層体11を押し切り刃で誘電体ブ
ロック1にカットする。積層体11が厚い場合はダイシ
ング方式でカットをするのが望ましい。
【0049】次に誘電体ブロック1は、250℃〜40
0℃の炉でバインダ樹脂を除いた後、本焼成炉に入れて
セラミック材料の適温で誘電体層2、内部電極3、4、
ビアホール導体5、6を同時に1250〜1300℃で
高温焼結を行う。
【0050】その後、各ビアホール導体5、6を外部と
電気的に接続するために、導電性ペーストをスクリーン
印刷等で塗布し焼き付け外部電極7、8を焼結体の主面
に形成する。このようにして、図1に示すような積層セ
ラミックコンデンサ10が得られる。
【0051】なお、本発明は以上の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
【0052】例えば、ビアホール導体は、誘電体ブロッ
ク内に複数個設けても良い。このことにより、寄生イン
ダクタンスの少ない積層セラミックコンデンサを提供す
ることができる。更に、1個の誘電体ブロック内に、複
数個のコンデンサ素子を内蔵させても良く、例えば、内
蔵するコンデンサ素子の内部電極の面積を変えて、容量
の異なるコンデンサ素子を同一誘電体ブロック内に内蔵
させても良い。また、本発明は、積層セラミックコンデ
ンサ以外の電子部品にも適用できる。
【0053】
【発明の効果】本発明の構成によれば、400nm以下
の波長のレーザ光によりセラミックグリーンシートのバ
インダ樹脂を構成する分子鎖を切断して貫通孔を形成し
たビアホール導体であるので、内部電極が貫通孔内に確
実に露出され、内部電極とビアホール導体の電気的接続
が良好にできる電子部品が製造できる。
【0054】また、貫通孔の一方側の開口径と他方側の
開口径を異ならせているので、内部電極とビアホール導
体の電気的接続が良好になるとともに、メッキ液の浸入
や、高温時に空隙が膨張してクラックが発生することを
防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの一実施形態を示す
断面図である。
【図2】積層セラミックコンデンサの製造方法の一実施
形態を示す断面図であり、(a)はセラミックグリーン
シート積層後、(b)は貫通孔形成後、(c)はビアホ
ール導体形成後を示す図である。
【図3】積層体に貫通孔を形成する工程を説明する図で
あり、(a)は貫通孔となる領域の中心にレーザ光を照
射した後の図であり、(b)はレーザ光による1回目の
渦巻加工後の図であり、(c)は貫通孔の形成が終了し
た後の図である。
【図4】従来の積層セラミックコンデンサの一実施形態
を示す断面図であり、(a)は貫通孔形成後、(b)は
内部電極及びビアホール導体形成後、(c)はセラミッ
クグリーンシート積層後を示す図である。
【符号の説明】
10 積層セラミックコンデンサ 1 誘電体ブロック 2 誘電体層 3、4 内部電極(配線パターン) 5、6 ビアホール導体 7、8 外部電極 11 積層体 15、16 貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長澤 忠 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 Fターム(参考) 5E082 AA01 AB03 BC38 EE04 EE35 FG06 FG26 JJ15 JJ23 LL01 LL02 MM05 PP09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バインダ樹脂を含むセラミックグリーン
    シートを用意する工程と、 前記セラミックグリーンシート上に配線パターンとなる
    導体膜を形成する工程と、 前記導体膜が形成されたセラミックグリーンシートを複
    数積層して積層体を形成する工程と、 前記積層体上の所定位置に、波長が400nm以下のレ
    ーザ光を照射して前記照射位置に貫通孔前駆体を形成す
    る工程と、 前記貫通孔前駆体を除去して、前記積層体の積層方向に
    貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、 前記積層体を焼成する工程とを有する電子部品の製造方
    法であって、 前記貫通孔の一方側の開口径と他方側の開口径を異なら
    せたことを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導体膜の前記貫通孔に露出する露出
    部は、前記積層体の積層方向に対して傾斜していること
    を特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
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