JP2007189260A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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恒 佐藤
Takashi Ito
伊藤  隆
Katsura Hayashi
桂 林
Tadashi Nagasawa
忠 長澤
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Abstract

【課題】 本発明は、工程を大幅に短縮できるとともに、内部電極とビアホール導体の電気的接続が良好であり、且つ微小なビアホール導体が形成可能である多層セラミック電子部品のビアホール導体形成方法及びそれを用いたコンデンサを提供する。
【解決手段】セラミック粉末および第1バインダ樹脂を含み、金属粉末およびガラス転移温度(Tg)が前記第1バインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)以上である第2バインダ樹脂を含む導体膜が表面に形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を形成する工程と、該積層体上の所定位置に、レーザ光を照射して前記第1、第2バインダ樹脂の分子鎖を切断する工程と、前記レーザ光が照射された積層体の一部を除去して、前記積層体の積層方向に前記セラミックグリーンシートと導体膜との双方を貫通する貫通孔を形成する工程と、該貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、を含む方法で電子部品を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、セラミックグリーンシートを用いた積層体上にレーザ光を用いて貫通孔を形成し、かつその貫通孔に導電性ペーストを充填してビアホール導体を形成する工程を含む電子部品の製造方法に関するものである。
代表的な電子部品である積層セラミックコンデンサにおいて、近年、等価直列抵抗、等価直列インダクタンスを低くするために、内部電極間をビアホール導体で接続する構造が増えてきている。
従来の積層セラミックコンデンサの製造方法を図3に示す。
図3(a)のように、誘電体層となるセラミックグリーンシート42に、マイクロドリル又はパンチングを用いた打ち抜き法などにより、あらかじめ貫通孔45、46をあけておく。次に、図3(b)のように、スクリーン印刷法により、セラミックグリーンシート42上に内部電極33、34を印刷すると同時に、貫通孔45、46に導電性ペーストを充填することにより、ビアホール導体35、36を形成する。そして、このようにして得られたセラミックグリーンシート42を図3(c)のように貫通孔45、46が一致するように積層して積層体41を形成する。その後、所望の位置で積層体41を切断し、焼成処理することで積層セラミックコンデンサが得られる。
特開平10−270282号公報
しかしながら、近年、積層セラミックコンデンサは、小型高容量化の要求が高まり、薄膜多積層化となってきている。そして、上記貫通孔の形成方法によれば、誘電体層となるセラミックグリーンシート42に1層毎にビアホール導体45、46を形成しているため、積層数が多くなると工程が非常に長くなり、上記要求に応えることができなかった。
ここで、工程短縮のために、内部電極33、34を印刷したセラミックグリーンシート42を複数積層して積層体41を形成した後に、積層体41の主面側からマイクロドリル、パンチング等を用いて貫通孔を形成し、この貫通孔に導電性ペーストを充填することで、積層体41の積層方向を貫くビアホール導体35、36を形成する方法も考えられる。
しかしながら、マイクロドリルを用いて積層体41に貫通孔を開ける方法では、加工くずが内部電極33、34に被さってしまい、内部電極33、34とビアホール導体35、36との電気的接続が悪化するという問題があった。
一方、パンチングを用いて積層体41に貫通孔を開ける方法では、パンチだれが発生してしまい、内部電極33、34とビアホール導体の電気的接続が悪化するという問題があった。
さらに、マイクロドリルやパンチングを用いて貫通孔を開ける方法では、ドリル径あるいはパンチ径は最小でも150μm程度であり、要求される微細加工には適していなかった。特に、貫通孔の径が小さくなると穴あけ加工中にドリルまたはパンチング用ピンが積層体41内に入り込んで折れてしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、工程を大幅に短縮できるとともに、内部電極とビアホール導体の電気的接続が良好であり、且つ微小なビアホール導体が形成可能である電子部品の製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために本発明は、セラミック粉末および第1バインダ樹脂を含み、金属粉末およびガラス転移温度(Tg)が前記第1バインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)以上である第2バインダ樹脂を含む導体膜が表面に形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を形成する工程と、該積層体上の所定位置に、レーザ光を照射して前記第1、第2バインダ樹脂の分子鎖を切断する工程と、前記レーザ光が照射された積層体の一部を除去して、前記積層体の積層方向に前記セラミックグリーンシートと導体膜との双方を貫通する貫通孔を形成する工程と、該貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、を有する電子部品の製造方法を提供する。
また本発明の電子部品の製造方法は、前記セラミックグリーンシートが、UV吸収剤を含むことを特徴とする。
また本発明の電子部品の製造方法は、前記積層体の一部の除去が、吸引により行われることを特徴とする。
また本発明の電子部品の製造方法は、前記吸引が、前記レーザ光の照射と同時に行なわれることを特徴とする。
本発明の構成によれば、セラミックグリーンシートに波長が400nm以下のレーザ光を直接照射すると、レーザの照射位置ではセラミックグリーンシートのセラミック粒子同士を保持するバインダ樹脂が分解し、セラミックグリーンシートの所望の形状が崩れてセラミック粒子がバラバラになる。即ち、バインダ樹脂に400nm以下の波長のレーザ光が照射すると、高温を発生せずにバインダ樹脂を構成するC−C結合、C−H結合、C−O結合の分子鎖が切断されてバインダ樹脂本来の機能を失うことになり、この照射位置に繰り返しレーザ照射を行うことにより貫通孔が形成できるものである。なお、この分解されたセラミック粒子等を吸引手段により除去しながら貫通孔を形成する方が開孔効率を向上させることができる。
ここで、レーザ光の波長が400nmを越える場合、レーザ光による急速局所加熱により貫通孔を形成することになるため、セラミックグリーンシートに比べて融点の低い内部電極の早期蒸発が起こり、内部電極の貫通孔に露出する部分が消失し、内部電極とビアホール導体の電気的接続を不能にしてしまう。
また、貫通孔用のレーザ光が高温を発生せずにバインダ樹脂の分子鎖を切断して貫通孔を形成するので、内部電極が貫通孔に露出した状態で形成され、これにより、内部電極とビアホール導体との接続性が向上し、抵抗値を小さくすることができる。
また、レーザ光により貫通孔を形成するので、100μm以下の径の貫通孔が容易に形成することが可能であり、100μm以下の微小なビアホール導体を精度良く形成すると高密度実装や、低インダクタンス化を実現できた電子部品を提供できる。
また、セラミックグリーンシートに含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)が、導体膜に含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)以下であるため、レーザ光の照射の際に、セラミックグリーンシートに含まれるバインダ樹脂の粘度が低くなりやすいことから、セラミック粒子が除去されやすくなり、セラミックグリーンシートが内部電極の貫通孔に露出する部分を塞いでしまうという問題点を解決できる。
さらに、セラミックグリーンシートは、UV吸収剤を含むため、レーザ光の照射の際に、レーザ光がセラミックグリーンシートに均一に当たりやすくなることから、このことによっても、セラミック粒子が除去されやすくなり、セラミックグリーンシートが内部電極の貫通孔に露出する部分を塞いでしまうという問題点をさらに効果的に解決できる。
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。図面において、なお、各符号は焼成の前後で区別しないことにする。また、代表的な電子部品として、積層セラミックコンデンサを例にとって説明する。
図1は、本発明の積層セラミックコンデンサの一実施形態を示す断面図である。図2は、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法の一実施形態を示す断面図である。
図において、積層セラミックコンデンサ10は、誘電体ブロック1内部に配線パターンである内部電極3、4が形成され、また、誘電体ブロック1の両端側にビアホール導体5、6が形成され、ビアホール導体5、6に接続された外部電極7、8が形成されている。
誘電体ブロック1は、誘電体層2を複数積層して形成されている。この誘電体層2の焼成前は、セラミック粉末と焼結助剤に溶剤、可塑剤、分散材、バインダ樹脂を混合してセラミックスラリーをシート状に成型して乾燥したセラミックグリーンシートからなる。成型法にはドクターブレード法、引き上げ法、ダイコーター、グラビアロールコーターなどが用いられる。
セラミックグリーンシートのセラミック粉末としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)等の誘電体材料に、必要に応じて無機酸化物などを混合する。焼結助剤は、焼成による収縮開始温度を低くする機能を有し、材料としてガラス成分となる液相形成物質、金属酸化物などが用いられる。溶剤としては、例えば水、トルエン、酢酸エチル、または、これらの混合物などが用いられる。可塑剤としては、例えばポリエチレングリコール、フタール酸エステルなどが用いられる。
バインダ樹脂としては例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース、水溶性アクリル樹脂、エマルジョンなどが用いられる。中でも、ポリビニルブチラールを用いると、誘電体層2を薄層化した際に充分な強度を得ることができる点で好ましい。これらは、C−C結合、C−H結合、C−O結合の分子鎖が集合した構造を有している。代表的なポリビニルブチラールの構造式を以下に示す。
Figure 2007189260

また、セラミックグリーンシート2は、UV吸収剤を含むことが望ましい。このことにより、レーザ光の照射の際に、レーザ光がセラミックグリーンシート2に均一に当たりやすくなることから、セラミック粒子が除去されやすくなり、図6に示すように、セラミックグリーンシート2が内部電極3、4の貫通孔15、16に露出する部分を塞いでしまうという問題点を解決できる。UV吸収剤の例としては、脱バインダ時に燃焼分解することが望ましいため、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アミノベンゾフェノン骨格をもつ有機化合物など、C、O、H、N原子のみからなる化合物が挙げられる。
内部電極3、4は誘電体層2の同一平面上にそれぞれが一定間隔を開けて複数形成されており、誘電体層2を挟んで、内部電極3と内部電極4が互いに対向する領域Xと対向していない領域Yとが形成されるように配置されている。そして、内部電極3は誘電体ブロック1の主面側から数えて偶数番目の誘電体層2の上面に形成されており、この内部電極3がビアホール導体6に接続され、その他には非接触である。また、内部電極4は誘電体ブロック1の主面側から数えて偶数番目の誘電体層2の上面に形成されており、ビアホール導体5に接続され、その他は非接触である。
内部電極3、4は、その焼成前は導電性ペーストを印刷形成してなる。導電性ペーストは、金属粉末が、有機溶剤にバインダ樹脂を溶解させた有機ビヒクル中に分散させてなるものであり、有機ビヒクル中には、これらの他、各種分散剤、活性剤、可塑剤などが必要に応じて添加される。
導電性ペーストの金属粉末としては、Cu、Ni、Ag、Au及びこれらの合金が用いられる。
また、導電性ペーストに用いられる溶剤は、バインダ樹脂を溶解して金属粉末粒子を分散させ、このような混合系全体をペースト状にする役割をなし、例えば、α−テルピネオールやベンジルアルコール等のアルコール系や炭化水素系・エーテル系・BCA(ブチルカルビトールアセテート)等のエステル系・ナフサ等が用いられ、特に、金属粉末の分散性を良くするという観点からは、α−テルピネオール等のアルコール系溶剤を用いることが好ましい。
導電性ペーストに用いられるバインダ樹脂は、金属粉末を均質に分散させるとともに貫通孔15、16への埋め込みに適正な粘度とレオロジーを与える役割をもっており、例えば、アクリル樹脂やフェノール樹脂・アルキッド樹脂・ロジンエステル・エチルセルロース・メチルセルロース・PVA(ポリビニルアルコール)・ポリビニルブチラート等が用いられる。特に、印刷性状を良好にするという観点からは、エチルセルロースを用いることが好ましい。これらは、セラミックグリーンシートに用いられるバインダ樹脂と同様にC−C結合、C−H結合、C−O結合の分子鎖が集合した構造を有している。代表的なエチルセルロースの構造式を以下に示す。
Figure 2007189260

ここで、セラミックグリーンシート2に含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)が、導体膜3、4に含まれるバインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)より低いことが望ましい。このことにより、レーザ光の照射の際に、セラミックグリーンシート2に含まれるバインダ樹脂の粘度が低くなりやすいことから、セラミック粒子が除去されやすくなり、図6に示すように、セラミックグリーンシート2が内部電極3、4の貫通孔15、16に露出する部分を塞いでしまうという問題点を解決できる。このため、例えば、セラミックグリーンシート2に含まれるバインダ樹脂としてポリビニルブチラール(Tg:60〜80℃)を用いた場合、導体膜3、4に含まれるバインダ樹脂としてエチルセルロース(Tg:140〜160℃)を用いると良い。
有機ビヒクル中の分散剤としては、例えばロジン、グリセリン、オクタデシルアミン、トリクロロ酢酸、オレイン酸、オクタジエン、オレイン酸エチル、モノオレイン酸グリセリン、トリオレイン酸グリセリン、トリステアリン酸グリセリン、メンセーデン油などが用いられる。
ビアホール導体5、6は本発明の貫通孔15、16(図2(b)参照、以下同じ)内に導電性ペーストを充填して形成されている。
貫通孔15、16の形成に使用されるレーザは、400nm以下の波長のレーザが用いられ、好ましくは200nm〜350nmの波長のレーザが用いられる。400nm以上ではバインダ樹脂の分子鎖を切るレーザ光とはならず、レーザ光による急速局所加熱でバインダ樹脂が熱分解とセラミック構成部分の蒸発が起こり、貫通孔15、16に内部電極3、4が露出させることができない。特に350nm以下であるとバインダ樹脂の分子間同士で結合している分子鎖、例えば、C−C結合、C−H結合、C−O結合の分子鎖を切断できる種類が多くなり貫通孔15、16を形成しやすくなる。なお、200nm以下の波長のレーザを現在形成することは困難である。
レーザの種類としてはUV−YAGレーザあるいはエキシマレーザなどが使用できる。特に400nm以下の波長のレーザを用い、径が100μm以下で貫通孔15、16を精度良く形成するためには、特にUV−YAGレーザが好適である。
なお、貫通孔15、16を形成するのにバインダ樹脂が分解したセラミック粉末を除去する除去手段を有するのが好ましい。
即ち、レーザ光の照射と同時に除去手段を用いると、分解したセラミック粉末で照射位置が覆われず、常に、直接、バインダ樹脂にレーザ光を照射させることができ、開孔効率を向上させることができる。
また、貫通孔15、16を形成した後に除去手段を用いる方法としては、水中に浸して超音波洗浄を行うことにより、残留した加工くずを完全に除去しても良い。更に、貫通孔15、16内に空気流を吹き付けて、貫通孔15、16内のくずを除去してもよい。貫通孔15、16を形成後でも、除去手段を用いることにより貫通孔15、16内壁に付着したセラミックグリーンシート2の加工くずを完全に除去することができ、内部電極3、4とビアホール導体5、6を確実に接続することができる。
この貫通孔15、16は、内部電極3、4が互いに対向しない領域Y、具体的には奇数番目の誘電体層12の領域13と偶数番目の誘電体層12の領域14の中心を貫通している。
貫通孔15、16に充填される導電性ペーストとしては、内部電極3、4がNiを主成分とする場合、Cu、Ni、及びセラミックグリーンシート2に含まれるセラミック粒子と略同一成分の含有量を夫々a、b、cとした場合、体積比で0.01≦a≦0.3、0.5≦b≦0.9、0.01≦c≦0.2、a+b+c=1の範囲にあることが望ましい。すなわち、aが0.01未満である場合、Niを主成分とする内部電極3、4との電気的接続が不十分となる。一方、aが0.3を超える場合、CuはNiより融点が低く、焼成時に蒸発しやすいため、ビアホール導体5、6内の空隙が多くなってしまう。また、bが0.5未満である場合、CuはNiより融点が低く、焼成時に蒸発しやすいため、ビアホール導体5、6内の空隙が多くなってしまう。一方、bが0.9を超える場合、Niを主成分とする内部電極3、4との電気的接続が不十分となる。さらに、cが0.01未満である場合、焼成時にビアホール導体5、6の焼結がセラミックグリーンシート2より早く起こり、クラックの原因となる。一方、cが0.2を超える場合、ビアホール導体5、6の導電性が低下する。この貫通孔15、16に充填した導電性ペーストをセラミックグリーンシートとの一体焼成によって形成できる。この様に形成したビアホール導体5が内部電極3を貫通して電気的に接続し、ビアホール導体6が内部電極4を貫通し手電気的に接続されることになる。
このようにして形成したビアホール導体5、6のうち、ビアホール導体5は誘電体ブロック1の主面に形成した外部電極7に接続され、ビアホール導体6は誘電体ブロック1の主面に形成した外部電極8に接続される。これにより、内部電極3、4の各々が対向することで、容量成分を形成することができる。
外部電極7、8は、内部電極と同じ材料が用いられ、セラミックグリーンシートを一体焼成した後に印刷にて形成される。
次に、本発明の電子部品の製造方法を説明する。なお、積層セラミックコンデンサ10の製造方法の例について説明する。
セラミック粉末と焼結助剤に溶剤、分散剤、バインダ樹脂などを混合したスラリーから、ドクターブレード法で、誘電体層となるセラミックグリーンシート2を成型する。
成型された複数のセラミックグリーンシート2に内部電極3、4をそれぞれ形成し、図2(a)に示すように、内部電極3と内部電極4のそれぞれが形成された2種類のセラミックグリーンシート2を交互に所要枚数を積み重ね、その上下から加圧焼成して積層体11を形成する。
次に、図2(b)に示すように、積層体11の主面に波長が350nmのUV−YAGレーザを照射する。レーザ光の照射は、バースト加工、すなわちレーザ光の径を目的の貫通孔15、16の径よりも細くして、レーザ光の照射を繰り返すことにより、貫通孔15、16を形成する。すなわち、まず、図4(a)に示すように、貫通孔15、16となる領域のほぼ中心部にレーザ光Laを照射することにより、中心貫通孔15a、16aを形成する。次に、図4(b)に示すように、積層体11を貫通するように、中心貫通孔15a、16aの周辺に穿設位置を移動させながら、渦巻状に徐々に外側にレーザ光Lnを照射していき、貫通孔15、16となる領域の周辺位置まで周辺貫通孔15n、16nをあけていく。このことにより、図4(c)に示すように貫通孔15、16を略円柱状にする。
このため、積層体11の積層数が100層以上である場合も、レーザ光Lnの照射による加工熱が中心貫通孔15a、16aを通って上下に放散するため、図7に示すように、内部電極となる導体膜3、4の早期蒸発により、導体膜3、4の貫通孔15、16内に露出する部分が消失し、内部電極3、4とビアホール導体5、6の電気的接続を不能にするという問題点を解決できる。そして、内部電極となる導体膜3、4が貫通孔15、16に露出した状態で形成され、これにより、内部電極3、4とビアホール導体5、6との接続性が向上し、抵抗値を小さくすることができる。
また、レーザ光のパルス周波数は、1〜30kHz(パルス周期0.034〜1ms)の範囲にあることが望ましい。すなわち、レーザ光のパルス周波数が1kHzより低い場合、レーザ光による穿設時間が長くなり、生産性が低下するという問題点がある。一方、レーザ光のパルス周波数が30kHzより高い場合、レーザ光の照射による加工熱が大きくなり、内部電極となる導体膜3、4の早期蒸発により、内部電極3、4とビアホール導体5、6の電気的接続を不能にしてしまう。
この場合、レーザ照射と同時に、バインダ樹脂が分解しバラバラになったセラミック粉末の真空引きを行う。
次に、貫通孔15、16が形成された積層体11を水中に浸して超音波洗浄を行うことにより、残留した加工くずを完全に除去する。更に、図2(c)に示すように、形成された貫通孔15、16内に、スクリーン印刷法により、ビアホール導体5、6となる導電性ペーストを充填する。これによってビアホール導体5、6が形成される。
更に、積層体11を押し切り刃で誘電体ブロック1にカットする。積層体11が厚い場合はダイシング方式でカットをするのが望ましい。
次に誘電体ブロック1は、250℃〜400℃の炉でバインダ樹脂を除いた後、本焼成炉に入れてセラミック材料の適温で誘電体層2、内部電極3、4、ビアホール導体5、6を同時に1250〜1300℃で高温焼結を行う。
その後、各ビアホール導体5、6を外部と電気的に接続するために、導電性ペーストをスクリーン印刷等で塗布し焼き付け外部電極7、8を焼結体の主面に形成する。このようにして、図1に示すような積層セラミックコンデンサ10が得られる。
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更・改良を加えることは何ら差し支えない。
図5は、積層体に貫通孔を形成する工程の他の実施の形態を説明する図である。図によれば、レーザ光Laは、図5(a)に示すように、貫通孔15、16となる領域のほぼ中心部にレーザ光Laを照射することにより、中心貫通孔15a、16aを形成する。次に、図5(b)に示すように、積層体11上に渦巻状に徐々に外側にレーザ光Lnを照射していき、貫通孔15、16となる部分の周辺位置まで略円盤状の穴15n、16nをあけていく。具体的には、旋回加工、円周加工、サイクル加工、トレパン加工などが用いられる。このとき、1回の穴1
5n、16nの形成では貫通させずに、複数回の穴15n、16nの形成を繰り返して、図5(c)に示すように、貫通孔15、16を形成する。
このような方法によれば、1回のレーザ光Lnの照射による加工熱をさらに小さくできるため、内部電極となる導体膜3、4の早期蒸発により、内部電極3、4とビアホール導体5、6の電気的接続を不能にするという問題点をさらに効果的に解決できる。
また、ビアホール導体は、誘電体ブロック内に複数個設けても良い。このことにより、寄生インダクタンスの少ない積層セラミックコンデンサを提供することができる。更に、1個の誘電体ブロック内に、複数個のコンデンサ素子を内蔵させても良く、例えば、内蔵するコンデンサ素子の内部電極の面積を変えて、容量の異なるコンデンサ素子を同一誘電体ブロック内に内蔵させても良い。また、本発明は、積層セラミックコンデンサ以外の電子部品にも適用できる。
本発明の構成によれば、400nm以下の波長のレーザ光によりセラミックグリーンシートのバインダ樹脂を構成する分子鎖を切断して貫通孔を形成したビアホール導体であるので、内部電極が貫通孔内に確実に露出され、内部電極とビアホール導体の電気的接続が良好にできる電子部品が製造できる。
積層セラミックコンデンサの一実施形態を示す断面図である。 積層セラミックコンデンサの製造方法の一実施形態を示す断面図であり、(a)はセラミックグリーンシート積層後、(b)は貫通孔形成後、(c)はビアホール導体形成後を示す図である。 従来の積層セラミックコンデンサの一実施形態を示す断面図であり、(a)は貫通孔形成後、(b)は内部電極及びビアホール導体形成後、(c)はセラミックグリーンシート積層後を示す図である。 図2(b)において、積層体に貫通孔を形成する工程を説明する図であり、(a)は貫通孔となる領域の中心にレーザ光を照射した後、(b)はレーザ光によるバースト加工の途中の状態(c)は貫通孔の形成が終了した後である。 図2(b)において、積層体に貫通孔を形成する工程の他の実施の形態を説明する図であり、(a)は貫通孔となる領域の中心にレーザ光を照射した後、(b)はレーザ光による1回目の旋回加工後、(c)は貫通孔の形成が終了した後である。 図2(b)において、セラミックグリーンシートが、導体膜が貫通孔内に露出した部分を塞いだ状態を示す部分拡大図である。 図2(b)において、内部電極となる導体膜の早期蒸発により、導体膜が貫通孔内に露出する部分が消失した状態を示す部分拡大図である。
符号の説明
10 積層セラミックコンデンサ
1 誘電体ブロック
2 誘電体層
3、4 内部電極(配線パターン)
5、6 ビアホール導体
7、8 外部電極
11 積層体
13、14 電極のない領域
15、16 貫通孔
L レーザ光

Claims (4)

  1. セラミック粉末および第1バインダ樹脂を含み、金属粉末およびガラス転移温度(Tg)が前記第1バインダ樹脂のガラス転移温度(Tg)以上である第2バインダ樹脂を含む導体膜が表面に形成されたセラミックグリーンシートを複数積層して積層体を形成する工程と、
    該積層体上の所定位置に、レーザ光を照射して前記第1、第2バインダ樹脂の分子鎖を切断する工程と、
    前記レーザ光が照射された積層体の一部を除去して、前記積層体の積層方向に前記セラミックグリーンシートと導体膜との双方を貫通する貫通孔を形成する工程と、
    該貫通孔に導電性ペーストを充填する工程と、
    を有する電子部品の製造方法。
  2. 前記セラミックグリーンシートは、UV吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記積層体の一部の除去が、吸引により行われることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記吸引が、前記レーザ光の照射と同時に行なわれることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
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