JP2003176409A - 加工し得る形態の導電性ポリアニリンおよびそれから形成された導電性生成品 - Google Patents

加工し得る形態の導電性ポリアニリンおよびそれから形成された導電性生成品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い導電性で、高度に加工し得る、コスト上
有利な、ポリアニリンをベースとした導電性ポリマー、
ならびにそれから形成された導電性物品を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明で提供され、使用された導電性物
質および層は、典型的には3通りの成分を含有する:
(i)1つまたはそれ以上の置換されたまたは置換され
ていないポリアニリン;(ii)有機基材相;(ii
i)対イオンが基材や適合するように官能化されてい
る、1つまたはそれ以上の官能化したプロトン酸溶質。
適当な選択により、これら物質から透明導電性生成物が
提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ポリマーお
よびより特定すれば、置換されたまたは置換されていな
い導電性ポリアニリンの加工処理を誘導する官能化した
プロドン酸の使用、および有機液体および/または固体
ポリマーの流動性(融解)状態での置換されたまたは置
換されていない導電性ポリアニリンの溶解を誘導する官
能化したプロトン酸の使用に関する。本発明の他の見地
は、有機液体中の置換されたまたは置換されていない導
電性ポリアニリンの生成溶液、前記溶液を形成する溶液
生成方法、および導電性ポリマー物品を形成する為の、
前記溶液の使用方法に関する。さらに、他の見地は、前
記のプロトン酸を含有する固相ポリマーおよび導電性物
品についてのそれらの使用に関する。 【0002】 【従来の技術】最近、高分子系の電気伝導率および電気
化学に対する関心が高まっている。最近の研究成果によ
り骨格鎖に広範囲の共役を有するポリマーの重要性が高
まっている。 【0003】現在研究中の共役されたポリマー(con
jugated polymer)系の一つがポリアニ
リンである。Kobayashi Tetsuhiko
ら.、J.Electroanal Chem.、「ポ
リアニリンフィルムで被覆された電極のエレクトロクロ
ミズムに関する電気化学反応」177(1984)28
1−291には、ポリアニリンフィルムで被覆した電極
の分光電気化学的測定が実施された種々の実験が記載さ
れている。フランス国特許第1、519、729号、追
加のフランス国特許第94、536号;英国特許第1,
216,549号;「ポリアニリン硫酸塩の直流導電
率」、M.Donoedoff、F.Kautier−
Cristojini、R.ReSur−vail、
M.Jozefowicz、L.T.YuおよびR.B
uvet、J.Chim.Phys.Physicoh
im.Brol.、68、1055(1971);「巨
大分子物質の連続電流導電率」、L.T.Yu、M.J
ozefowiczおよびR.Buvet、Chim.
Macromol.、1、469(1970);「ポリ
アニリンをベースとしたフィルモジェニック(Film
ogenic)有機導電性ポリマー、」D.LaBar
reおよびM.Jozefowicz、C.R.Rea
d.Sci.、Ser.C、269,964(196
9);「半導性ポリマーの最近発見された性質、」M.
Jozefowicz、L.T.Yu、J.Peric
hon、およびR.Buvet、J.Polym.Sc
i.、Part C、22、1187(1967);
「ポリアニリン硫酸塩の電気化学的性質、」F.Cri
stojini、R.De Surville、および
M.Jozefowicz、Cr.R.Read.Sc
i.、Ser.C、268、1346(1979);
「プロトン性有機半導体を使用した電気化学的電池」、
R.De Surville、M.Jozefowic
z、L.T.Yu、J.Perichon、R.Buv
et、Electrochem. Ditn.13、1
451(1968);芳香族アミンの酸化により生成す
るオリゴマーおよびポリマー」、R.De Survi
lle、M.Jozefowicz、およびR.Vuv
et、Ann.Chem.(パリ)、2、5(196
7)「巨大分子化合物の直流電流導電率の試験研究」
L.T.Yu、M.Borredon、M.Jozef
owicz、G.Belorgey、およびR.Buv
et、J.Polym.Sci.Polym.Sym
p.、16、2931(1967);「オリゴマーポリ
アニリンの導電率および化学的性質、」M.Jozef
owicz、L.T.Yu、G.Belorgey、お
よびR.Buvet、J.Polym.Sci.Pol
ym.Symp.、16、2934(1967);「芳
香族アミンの触媒酸化の生成物、」R.De Surv
ille、M.Jozefowicz、およびR.Bu
vet、Ann.Chem.(パリ)、2、149(1
967);「巨大分子半導体の導電率および化学組
成、」Rev.Gen.Electr.、75、101
4(1966);「巨大分子半導体の化学的および電気
化学的性質の関係、」M.Jozefowicz、およ
びL.T.Yu、Rev.Gen.Electr.、7
5、1008(1966);「固体状態のポリ−N−ア
ルキルアニリンの調製、化学的性質、および電気伝導
率、」D.MullerおよびM.Jozefowic
z、Bull.Soc.Chem.Fr.、4087.
(1972)。 【0004】米国特許第3,963,498号および第
4,025,463号には、オリゴマーポリアニリン、
および、特定の有機溶媒に溶解することおよび半導体組
成物の形成に有用であることが示されている、8以下の
アニリンの繰り返し単位を有す、置換したポリアニリン
が記載されている。欧州特許第0017717号には、
米国特許第3,963,498号および第4,025,
463号に記載の組成物の明確な進歩があり、およびポ
リアニリンのオリゴマーおよび適切なバインダーポリマ
ーの使用によって、ポリアニリンがラテックス複合物中
に形成され得ることを記載している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】高分子量のポリアニリ
ンは、ドーピングされたまたはプロトン化された物質の
相当程度の電気伝導率と共に、その優れた化学的安定性
により、有望な導電性ポリマーの一つであることが明ら
かになってきた。しかしながら、有用な物やデバイスヘ
のポリアニリン高重合体の加工は、問題を有する。軟化
点または、融点以下の温度でポリマーが分解するため、
融解加工は、不可能である。さらに、主な困難な点は、
高分子量ポリマーを溶解する方法を見いだすことであ
る。 【0006】近年、ポリアニリン(導電性のエメラルジ
ン(emeraldine)塩形成体または絶縁したエ
メラルジン塩基形成体のいずれも、)が特定の強酸溶液
から、有用な物品の(例えば、方向性を有するファイバ
ー類、テープ類など)を形成し得ることが証明された。
これら強酸からの溶液加工により、ポリアニリンと、特
定の強酸に溶解し、それによって有用な物品を作成する
他のポリマー(例えば、ポリアミド、芳香族ポリアミド
(アラミド)、など)との複合物、あるいはポリブレン
ドを形成することが可能である。「濃硫酸溶液中から紡
いだポリアニリンの電気伝導性ファイバー、」A.An
dreatta、Y.Cao、J.C.Chiang、
A.J.HeegerおよびP.Smith、Synt
h.Met.、26、383(1988);「ポリアニ
リンのX線回折、」Y.Moon、Y.Cao、P.S
mithおよびA.J.Heeger、Polymer
Communications、30、196(198
9);「ポリアニリンの性質における化学的重合条件の
影響、」Y.Cao、A.Andreatta、A.
J.HeegerおよびP.Smith、Polyme
r、30、2305(1990);「結晶性ポリアニリ
ンの磁化率、」C.Fite、Y.Cao、およびA.
J.Heeger、Sol.State Commu
n.、70、245(1989);「部分的結晶性ポリ
アニリンの分光法および過渡的な光伝導性、」S.D.
Phillips、G.Yu、Y.Cao、および
A.J.Heeger、Phys.Rev.、B 3
9、10702(1989);「ポリアニリンの溶液中
および固相中での分光学的研究、」Y.Caoおよび
A.J.Heeger、Synth.Met.、32、
263、(1989);「溶液中の一次元鎖の磁化
率、」C.Fite、Y.Cao、およびA.J.He
eger、Solid State Commun.、
73、607(1990);「ポリアニリンとポリ(p
−フェニレンテレフタルアミド)との電気伝導性ポリブ
レンドファイバー、」A.Andreatta、A.
J.HeegerおよびP.Smith、Polyme
r Communications、31、275(1
990);「硫酸および硫酸溶液から加工されポリアニ
リン:電気学的、光学的および磁気学的性質、」Y.C
ao、P.Smith、およびA.J.Heeger、
Conjugated Polymeric Mate
rials:Opportunities in El
ectronics、Opto−electronic
s、and Molecular Electroni
cs、J.L.BredasおよびR.R.Chanc
e編(Kluwer Academic Publis
hers、オランダ、1990)。 【0007】米国特許第4,983,322号には、置
換されたまたは置換されていない導電性ポリアニリンの
溶液および可塑化組成物、および、このような溶液また
は組成物を形成する方法、および、導電性物品を形成す
るための上記の使用について、記載されている。前記ポ
リアニリン物質は、FeClのような酸化剤の添加に
より可溶化し得た。生成した化合物は電荷移動塩である
ので、高極性溶媒が要求される;特定すれば、溶媒は、
誘電率が25に等しいか、より大きく、および双極子モ
ーメントが3.25に等しいか、より大きい値を必要と
する。 【0008】絶縁エメラルジン塩基形成体を出発物質と
して、ポリアニリンは、2種の独立したドーピング経路
によって、導電性を獲得し得る: (i)電気化学的(電気化学的電荷移動反応によっ
て、)または化学的(FeClのような適切な酸化剤
による化学反応によって、)のいずれかの酸化; (ii)プロトン酸(例えば、pHが2−3以下の水性
環境下で)に曝すことによる酸−塩基化学的プロトン
化。(1)「ポリアニリン」:J.−C.Chiang
およびAlan G.MacDiarmidにより、S
yntheticMetals 13 193(198
6)に記載された金属レジメ(Metallic Re
gime)へのエメラルジン形成体のプロトン酸ドービ
ング。(2)W.R.Salaneck、I.Lund
strom、W.−S HuangおよびA.G.Ma
cDiarmidにより、Synthetic Met
als 13 297(1986)に記載されたポリア
ニリンの二次元的表面の「状態」図式。 【0009】これら二つの異なる経路は、明白に異なる
最終状態を導く。(i)においては、酸化が共役した鎖
上のπ電子の総数に変化を引き起こし、導電性を与え
る。(ii)においては、電子の総数に変化はなく;イ
ミンの窒素部位のプロトン化により、物質に導電性が付
与される。 【0010】導電性ポリアニリンの分野では一般に、半
導体または導電体を生成し、その後、通常の非極性また
は弱極性の有機溶媒にポリアニリンの導電性形態を溶解
あるいはその溶媒中で可塑化する程度まで、高分子量の
ポリアニリンをドーピングすることは不可能と考えられ
てきた。本明細書中に使用される、「可塑化すること」
および「可塑化組成物」という用語は、固体ポリマーに
可動性(軟化)、および非脆化性を付与するのに十分な
程度に混合された液相または半固体相を含有する固体ポ
リマーの加工行程および生成物を表わす。この液状また
は半固体状の添加物は、「可塑剤」として知られる。可
塑物質の性質のより詳細な説明は、Harry R.A
llcockおよびFrederick W.Lamp
eがContemporary Polymer Ch
emistry、Prentice−Hall、In
c.Englewood Cliffs、N.J.(1
981)、P.13に記載している。 【0011】通常の非極性または弱極性液体を含有す
る、溶液または可塑化体、または、その他の加工し得る
形態の存在しない場合においては、導電性ポリアニリン
から作られた有用な導電性物品、または導電性ポリアニ
リンと他のポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、エラストマー、ポリ(エチルビ
ニルアセテート)、等)との複合体あるいはポリブレン
ドを容易におよび経済的に、形成する能力は、限定され
る。そのため、形成された導電性ポリアニリン物品、特
定すれば、バルク物質(導電性ポリアニリンおよび/ま
たは複合物、または導電性ポリアニリンと他のポリマー
とのポリブレンド)から作られた物品、およびフィルム
類、ファイバー類およびコーティング剤類の作成を容易
にするための技術および物質が必要とされている。 【0012】一つの見地として、本発明は、透明導電性
ポリマーを誘導する可溶性の導電性ポリアニリンを提供
する。この分野での先行技術は、Shacklette
ら(米国特許第4,963,206号、1990年10
月16日)による、アクラーフィルム(Aclar f
ilm)をトシル酸(p−トルエンスルホン酸)水溶液
中のアニリントシラートと過硫酸アンモニウムとの混合
物に曝すことにより、アクラー上に導電性ポリアニリン
フィルムを塗布することが包含される。従って、導電性
ポリアニリンフィルムが基材中で、インサイチュウ(i
n situ)に重合された。Fukunishiら
(日本国特許出願第63145326号、1988年6
月17日)は、ピロールおよびアニリンのインサイチュ
ウ重合による高分子複合体を調製するために同様の技術
を使用した。Takahashiら(日本国特許出願第
63268733号)は、薄い半透明性フィルムを電解
重合により調製した。Sakaiら(日本国特許出願第
63215772号、1988年9月8日)は、π−共
役構造を有するポリマーの存在下でのアニオン性高分子
電解質を形成し得るモノマーの重合により、導電性高分
子組成物を作製した。薄い透明性フィルムは電気的に析
出した。 【0013】他の見地では、本発明は、新規な発光ダイ
オード(LED)構造の形成に、かかる導電性ポリマー
を適応し得る。LEDおよびそれらの作製に関する引用
例は以下を包含する:Burroughs、J.H.、
Bradley、D.D.C.、Brown、A.
R.、Marks、R.N.、Mackay、K.、F
riend、R.H.、Burns、P.L.およびH
olmes、A.B.、Nature、347、539
−541(1990);Braun、D.およびHee
ger、A.J.、Applied Physics
Letters、58、1982−1984(199
1);Burn、P.L.、Holmes、A.B.、
Kraft、A.、.Bradley、D.D.C.、
Brown、A.R.、Friend、R.H.、およ
びGymer、R.W.、Nature、356、47
−49(1992);およびGrem、G.、Ledi
tzky、G.、Ulrich、B.、およびLeis
ing、G.、AdvancedMaterials、
4、36−38(1992)。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、導電性高分子
組成物に関する。これら組成物は、基材物質と充分に混
合された混合物(溶液など)中での導電性ポリアニリン
を含有する。用語「基材」は、非導電性または半導性
(すなわち、導電率が10−8S−cm−1以下)の有
機液体および誘電率がおよそ22以下のポリマーの範囲
を示すために使用される。より特定すれば、これら組成
物は、フィルム状でファイバーを形成し得る程の分子量
のポリアニリン、基材、および対イオンが基材と適合し
得るように官能化したプロトン酸ドーパントを含有す
る。本基材は固体ポリマーであり得る。このポリマーは
融解形態(融解物)であり得る。それは、単独で、ある
いは付加的に有機溶媒であり得る。本明細書で使用され
る、「官能化したプロトン酸」は、一般に、H(M
−R)で表され、対イオンのアニオン種、(M−R
)が、官能基、または、典型的に、非極性または弱極
性有機液体、または固体または融解状のオリゴマーまた
はポリマーを含有する基材と適合し得るように選択され
たポリマー骨格への結合であるRを包含する、プロト
ン酸である。説明に役立つ例を以下に示す: M=SO =ドデシル−ベンゼン 官能化したプロトン酸は液体でありまたは可塑性を有す
る場合、それは基材の一部あるいは全てを置換し得る。 【0015】従って、一つの見地として、本発明は、高
い導電性で、高度に加工し得る、コスト上有利な、ポリ
アニリンをベースとした、導電性ポリマーを提供する。
これら物質は、基材(前述した)、ポリアニリンおよび
基材と適合し得るように選択された対イオンを有するプ
ロトン酸ドーパントを有することにより特徴付けられ
る。これら物質は、固体の高分子基材を有する、固体で
あり得るし、あるいは、融解状のポリマーおよび/また
は、必要に応じて、基材として溶解したポリマーを添加
した溶媒とともに、加工し得る液体または半固体であり
得る。 【0016】本発明の固体生成物は、ポリアニリン/ド
ーパント導電性種が予期せぬ程の低濃度でも、高い導電
性を有することで特徴付けられる。この導電率は、その
生成物がポリアニリンを分散した微粒子状態としてでは
なく、連続した状態(すなわち、溶解して)で提供して
いることを示している。これは、ミクロ実験により、固
体ポリマー基材化物質が、低濃度(10%以下、さらに
は1%以下、または時には、0.1%以下)のポリアニ
リンであっても、ポリアニリンの連続した網状組織織
(web)を有すことが、確認されている。 【0017】本発明の生成物はまた、用いた物質に依存
して、透明形態で形成され得ることで特徴付けられる。 【0018】本発明の他の見地は、また、本発明の基材
化された組成物から導電性物品を形成する方法に関し、
次の工程を包含する: a.ポリアニリン、液状有機溶媒、必要に応じて基材ポ
リマーを含有する基材、および、前記の溶媒および前記
の必要に応じたポリマーと適合し得る官能化したプロト
ン酸を含有する溶液の形成工程;および b.前記の溶液から該要求物品の作成後または同時に前
記の溶液からの前記の溶媒の全部または一部の除去工
程。 【0019】さらに、本発明の他の見地は、本発明によ
る組成物から導電性物品を形成する方法に関し、次の工
程を包含する: a.ポリアニリン、液状有機モノマーの液状基材、およ
び前記の基材と適合し得る官能化したプロトン酸を含有
する溶液の形成工程;および b.前記の溶液から該要求物品の作成後または同時に前
記溶液中の前記モノマーの重合工程。 【0020】さらに、本発明の他の見地は、以下の工程
を包含する、溶液から、複合物、または、導電性ポリア
ニリンと基材ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、エラストマー類、ポリ(エチ
レンビニルアセテート)、ポリ塩化ビニル、等)とのポ
リブレンドである、導電性物品を形成する方法に関す
る: a.ポリアニリン、溶媒、および、溶媒および基材ポリ
マーと適合し得る官能化したプロトン酸および1種また
はそれ以上の基材ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、エラストマー類、ポリア
ミド類、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリ塩化
ビニル、等)を含有する溶液の形成工程;および b.前記溶液からの前記の溶媒の全部または一部の除去
し、前記導電性物質を生成する工程。 【0021】さらに、本発明の他の見地は、複合物、ま
たは、導電性ポリアニリンと基材ポリマーとのポリブレ
ンドである、固体の導電性物品を形成する方法に関し、
次の工程を包含する: a.ポリアニリン、前記基材ポリマーのモノマー前駆
体、液状有機モノマーより作成された基材、および前記
基材およびモノマーと適合し得る官能化したプロトン酸
溶質を含有する溶液の形成工程;および b.固体を得るための該モノマーの重合と、必要に応じ
た溶媒の除去工程。 【0022】さらに、本発明の他の見地は、基材で導電
性ポリアニリンの導電性物品を形成する方法に関し、以
下の工程を含む: a.ポリアニリン、官能化したプロトン酸溶質、およ
び、非極性または弱極性の熱可塑性ポリマーからなる群
から選択される融解状のポリマー基材を含有する溶融物
の形成工程;および b.前記溶融物の固体化工程。 【0023】これらプロセスの何れも付加的にその物理
的、電気的性質の向上のため、物品の形状の引張あるい
は曲げの工程を包含し得る。 【0024】本発明のまた別の見地は、本発明に従っ
て、ポリアニリンと1種またはそれ以上の基材ポリマー
とのポリブレンドから作成される導電性物品および導電
性層に関する。 【0025】本発明の組成物および方法は、ポリアニリ
ンおよび一つまたはそれ以上の基材ポリマーから作成さ
れる、導電性物品、およびそれに関する全ての形状、例
えば、射出成形またはバルク押し出しにより作成される
物品、または、担体上または単独での、溶液プロセッシ
ング(例えば、フレキシブルなフィルム類、テープ類、
またはファイバー類)の方法により作成される物品を提
供する、そしていずれも安定である。このような物品は
光学的特質または透明性を保持し得る。 【0026】より具体化すれば、本発明によるポリマー
は、必要になれば、可動および着色され得る発光ダイオ
ードに使用される導電性層を形成する。 【0027】本見地にたてば、フレキシブルな発光ダイ
オードは、溶液からキャストした溶解性ポリアニリン
(PANi)を使用して、透明でフレキシブルな、ホー
ル−インジェクティング(hole−injectin
g)電極として、フレキシブルな高分子基材上に形成さ
れ得、そして溶液からキャストした半導性(共役され
た)ポリマーを使用して、電界発光層として形成され
る。本半導性(共役された)ポリマーは、共役体(従っ
て、その後の高温での熱血理を必要としない)、また
は、前駆体ポリマー(続いて、高温での熱処理により半
導性体に転換する)のいずれでも存在し得る。 【0028】これら発光ダイオードは、透明なインジェ
クティング(injecting)電極として、フレキ
シブルな導電性ポリアニリンを、活性な電界発光層とし
て、半導性(共役された)ポリマーを、および、基材と
して、フレキシブルな単独の有機高分子フィルムを含有
し得る。これらLEDsは、デジタルエレクトロニクス
に矛盾しないバイアス(すなわち、5ボルト以下の電圧
で)で電流を通すように形成され得る。 【0029】 【発明の実施の形態】本発明で提供され、使用された導
電性物質および層は、典型的には3通りの成分を含有す
る。 【0030】(i)1つまたはそれ以上の置換されたま
たは置換されていないポリアニリン; (ii)有機基材相。これは、固相または液相であり得
る。それは有機液体であり得る。それは有機固体また
は、融解したまたは軟化したポリマーのような半固体で
あり得、または、特定の環境下では、それが液体であり
全体的には、過度の極性を有しない場合、すなわち広く
非極性の範囲を有する時には、(iii)に記したプロ
トン酸であり得る。それは2つあるいはそれ以上のこれ
ら物質の混合物であり得、その誘電率は約22以下であ
る。 【0031】(iii)対イオンが基材や適合するよう
に官能化されている、1つまたはそれ以上の官能化した
プロトン酸溶質。 【0032】適当な選択により、これら物質から透明導
電性生成物が提供される。 【0033】(ポリアニリン)成分の一つは、置換され
たまたは置換されていないポリアニリンである。用語
「ポリアニリン」を本出願明細書中で使用される場合
は、文脈より特定の非置換体のみを意味することが明ら
かでない限り、それは一般に置換されたまたは置換され
ていない物質を包含するように使用される。一般に、本
発明において使用されるポリアチリンは、フィルム状お
よびファイバーを形成し得る程の分子量のポリマーおよ
び共重合体であり、式Iで表される置換されていないお
よび置換されたアニリンの重合により誘導される: 【0034】 【化2】 ここでnは0から4までの整数;mは1から5までの整
数で、ただしnおよびmの合計は5に等しい;およびR
は、各存在ごとに同一かまたは異なるように独立して選
択され、そして、アルキル、アルケニル、アルコキシ、
シクロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、ア
ルキルチオ(alkythio)、アリールオキシ、ア
ルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールアル
キル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ア
リール、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、
アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルフィ
ニル、アルコキシカルボニル、アリールスルホニル、カ
ルボン酸、ハロゲン、シアノ、または、1つまたはそれ
以上のスルホン酸、カルボン酸、ハロ、ニトロ、シアノ
またはエクスポリ(expoly)部分で置換されたア
ルキルであり;または、カルボン酸、ハロゲン、ニト
ロ、シアノ、またはスルホン酸部分からなる群から選択
される;または、任意の二つのR基が一緒になって、
3、4、5、6または7員環の芳香族または脂環式環で
あって、該環は、一つまたはそれ以上の二価の窒素、硫
黄または酸素原子を含有し得る、アルキレンまたはアル
ケニレン鎖を形成し得る。本発明の範囲を限定せずに、
種々のR基のサイズは、およそ1つの炭素(この場合は
アルキル)から2つまたはそれ以上のおよそ20炭素ま
での範囲であり、n個のR基の総数がおよそ1からおよ
そ40までの炭素である。 【0035】本発明の実施において有用なポリアニリン
の例示として式IIからVに表した: 【0036】 【化3】 または 【0037】 【化4】 または 【0038】 【化5】 または 【0039】 【化6】 ここで:n、mおよびRは、水素が重合物申の共有結合
と置換した時、mが1減少し、そして、nおよびmの合
計が4になること以外は、前記と同じである;yは、0
と等しいかそれより大きい整数である;xは、1と等し
いかそれより大きい整数であるが、ただし、xおよびy
の合計が1以上であり;およびzは、1と等しいかそれ
より大きい整数である。 【0040】以下の一覧表は、本発明の実施において有
用なポリマーおよび共重合体を調製するために使用され
得る置換されたまたは置換されていないアニリンの例示
である。 【0041】 【化7】有用なR基の例は1アルキル(例えばメチル、エチル、
オクチル、ノニル、tert−ブチル、ネオペンチル、
イソプロピル、sec−ブチル、ドデシルなど)、アル
ケニル(例えば1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペ
ンチニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オク
テニルなど);アルコキシ(例えばプロポキシ、ブトキ
シ、メトキシ、イソプロポキシ、ベントキシ、ノノキ
シ、エトキシ、オクトキシなど)、シクロアルケニル
(例えばシクロヘキセニル、シクロペンチニルなど);
アルカノイル(例えばブタノイル、ペンタノイル、オク
タノイル、エタノイル、プロパノイルなど);アルキル
スルフィニル、アルキスルホニル(alkysulfo
nyl)、アルキルチオ、アリールスルホニル、アリー
ルスルフィニルなど(例えば、ブチルチオ、ネオペンチ
ルチオ、メチルスルフィニル、ベンジルスルフィニル、
フェニルスルフィニル、プロピルチオ、オクチルチオ、
ノニルスルホニル、オクチルスルホニル、メチルチオ、
イソプロピルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホ
ニル、ノニルチオ、フェニルチオ、エチルチオ、ベンジ
ルチオ、フェネチルチオ、ナフチルチオなど);アルコ
キシカルボニル(例えばメトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、ブトキシカルボニルなど)、シクロアルキ
ル(例えばシクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオ
クチル、シクロヘプチルなど);アルコキシアルキル
(例えばメトキシメチル、エトキシメチル、ブトキシメ
チル、プロポキシエチル、ペントキシブチルなど);ア
リールオキシアルキルおよびアリルオキシアリール(例
えばフェノキシフェニル、フェノキシメチレンなど);
および種々の置換されたアルキルおよびアリール基(例
えば1−ヒドロキシブチル、1−アミノブチル、1−ヒ
ドロキシプロピル、1−ヒドロキシペンチル、1−ヒド
ロキシオクチル、1−ヒドロキシエチル、2−ニトロエ
チル、トリフルオロメチル、3,4−エポキシブチル、
シアノメチル3−クロロプロピル、4−ニトロフェニ
ル、3−シアノフェニルなど);スルホン酸で末端化さ
れたアルキルおよびアリール基、および、カルボン酸で
末端化されたアルキルおよびアリール基(例えば、スル
ホン酸エチル、スルホン酸プロピル、スルホン酸ブチ
ル、スルホン酸フェニル、および対応するカルボン
酸)。 【0042】そしてまた、有用なR基の例は、任意の二
つのR基から形成される二価の部分があり、例えば、次
式で表される部分である: 【0043】 【化8】 ここで、n*は、およそ3からおよそ7までの整数であ
り、たとえば、−(CH )−、−(CH)−
よび−(CH)−、または必要に応じて、例えば−
CHSCH−および−CH−O−CH−のよう
に、酸素および硫黄のヘテロ原子を含有する部分であ
る。他の有用なR基の例は、例えば2価の1,3−ブタ
ジエンおよび類似の部分のような、不飽和の共役二重結
合を1からおよそ3個含有する2価のアルケニレン鎖で
ある。 【0044】本発明の実施において使用する、好ましい
ポリアニリンは、前記の式IIからVに表されるもので
あって:nは0からおよそ2までの整数;mは2から4
までの整数で、ただしnおよびmの合計は4に等しい;
Rは、1からおよそ12までの炭素原子、シアノ、ハロ
ゲン、または、カルボン酸またはスルホン酸置換基で置
換されたアルキルを有するアルキルまたはアルコキシで
ある;xは、1と等しいかそれより大きい整数である;
yは、0と等しいかそれより大きい整数であり、ただ
し、xおよびyの合計がおよそ4より大きい、およびz
は、およそ5と等しいかそれより大きい整数である。 【0045】本発明の実施において使用する、特に好ま
しいポリアニリンは、前記の式IIからVに表されるも
のであって:nは0から2までの整数;mは2から4ま
での整数で、ただしnおよびmの合計は4に等しい;R
は、1からおよそ4までの炭素原子を有するアルキルま
たはアルコキシ、または、カルボン酸またはスルホン酸
置換基で置換されたアルキルである;Xは、1と等しい
かそれより大きい整数である;yは、0と等しいかそれ
より大きい整数であり、ただし、xおよびyの合計がお
よそ6より大きい、およびzは、およそ10と等しいか
それより大きい整数である。 【0046】特に好ましい実施例の中で、本発明の実施
において使用する、最も好ましいポリアニリンは、前記
の式IIからVに表されるものであって:nは整数であ
って、0あるいは1;mは整数であって、3あるいは
4、ただしnおよびmの合計は4に等しい;Rは、1か
らおよそ4までの炭素原子を有するアルキルまたはアル
コキシル;Xは、2と等しいかそれより大きい整数であ
る;yは、1と等しいかそれより大きい整数であり、た
だし、xおよびyの合計がおよそ8より大きい;および
zは、およそ15と等しいかそれより大きい整数であ
る。 【0047】本発明の最も好ましい実施例は、置換され
ていないアニリンから誘導されたポリアニリンである、
すなわち、ここでnは0であり、mは5(モノマー)ま
たは4(ポリマー)である。 【0048】一般に、本発明の実施において、特に有用
であるポリアニリンは、「フィルム状およびファイバー
を形成し得る程の分子量」である。本明細書中で使用す
る「フィルム状およびファイバーを形成し得る程の分子
量」とは、一般に、およそ10,000ダルトンを越え
る重量平均分子量を意味する。このような溶解性ポリマ
ー類を含有する溶液は、一般にキャストされ、薄く、単
独のフィルム状に形成されるか、あるいは凝集し、形状
を維持し、好ましくは、屈曲時にも崩壊しないフィルム
およびファイバーに押し出し成形され得る。 【0049】一般に、本発明の有利な点は、プロトン化
された導電体中の置換されたまたは置換されていないポ
リアニリンは、有機液体に溶解し得ることである。そし
てこのようなポリアニリンは8個のモノマーの繰り返し
単位を有する。これらは、米国特許第3,963,49
8号および第4,025,463号に記載のポリアニリ
ン類よりもかなり高度に圧縮されている。高分子量であ
るために、この置換されたまたは置換されていないポリ
アニリンは、バインダーの必要なしに、表面に被覆し得
るしあるいはファイバーに紡ぎ得る。すなわち、そのバ
インダーは、高分子組成物であり、米国特許第3,96
3,498号および第4,025,463号に記載され
た低分子量オリゴマーポリアニリン類とは一般に異な
る、ポリアニリンと結合し、その安定性を改善する。フ
ィルムまたはファイバーを形成するポリマーとなる、置
換されたまたは置換されていないポリアニリンの分子量
は、繰り返し単位の数、および置換基の数および置換パ
ターンを包む、多くの因子により、幅広く変化し得る。
一般に、置換されたまたは置換されていないポリアニリ
ンは、モノマーの繰り返し単位の数が少なくともおよそ
50である、フィルムおよびファイバーを形成し得る程
の分子量である。本発明の好ましい実施態様において
は、繰り返し単位の数が、少なくともおよそ75であ
り、そして、特に好ましい実施態様においては、繰り返
し単位の数が、少なくともおよそ200である。特に好
ましい実施態様の中でも、最も好ましいのは、繰り返し
単位の数が、少なくともおよそ250である実施態様で
ある。 【0050】このようなポニアニリンは、本発明の実施
において、どの様な物理的形状であっても、都合よく使
用され得る。これらの有用な形状の例は、Green、
A.G.、およびWoodhead、A.E.、「アニ
リンブラックおよび類似の化合物、パート1」J.Ch
em.Soc.、vol.101、pp.1117(1
912)およびKobayashiら.、「ポリアニリ
ンフィルムで被覆された電極の・・・電気化学的反応」
J.Electroanal.Chem.、Vol.1
77、pp.281−91(1984)、これらは本明
細書中に引例として援用する。置換されていないポリア
ニリンの有用な形状は、ロイコエメラルジン、プロトエ
メラルジン、エメラルジン、ニグルアニリンおよびトル
−プロトエメラルジン形状を包含する。 【0051】有用なポリアニリン類は、化学合成法によ
り調製され得る。例えば、少なくともおよそ160の繰
り返し単位を有するポリアニリンの一つの形状は、過剰
の1MHCl中で、アニリンと過硫酸アンモニウム(N
との処理により調製され得る。このパ
ウダー形態のポリアニリンは、青緑色の色彩である。メ
タノール洗浄、および風乾後、この物質はおよそ10S
−cm−1の導電率を示す。このポリアニリンの導電体
は、エタノール中で、水酸化アンモニウムと処理され、
紫色の10−8S−cm−1より小さい導電率を有する
ポリアニリンの非導電体を形成し得る。ポリアニリンの
種々の化学的形状の調製のためのその他の化学的方法
は、前記のGreenらの文献に詳細に記載されてい
る。 【0052】有用な形状のポリアニリンは、電気化学的
にも調製され得る。例えば、有用な形状のポリアニリン
は、フルオロホウ酸電解水溶液中の白金箔の陽極上での
電気化学的なアニリンの酸化により調製され得る。 【0053】(官能化したプロトン酸)本発明による導
電性組成物の二つめの成分は、その対イオンの非導電性
液体またはポリマー基材と適合するために官能化されて
いる、「官能化したプロトン酸」である。本明細書中で
使用される「プロトン酸」とは、ポリアニリンをプロト
ン化し、そのポリアニリンで、およそ10−11S/c
mと等しいかより大きい導電率を有する複合体を形成す
る酸である。好ましいプロトン酸は、ポリアニリンをプ
ロトン化し、複合体を形成するものであり、その複合体
は、およそ10 S/cmより大きい導電率を有する
ものである。そして、特に好ましいプロトン酸は、およ
そ10−3S/cmより大きい導電率を有する、ポリア
ニリンとの複合体を形成するものである。これら特に好
ましい実施態様の中で、最も好ましいものは、0.1S
/cmより大きい導電率を有する、ポリアニリン複合体
を形成するプロトン酸である。プロトン酸はJ.C.C
hiangおよびAlanG.MacDiarmidに
よる文献;および、前記の、W.R.Salaneck
らによる文献に記載されるように、導電性高分子技術分
野におけるドーパントとしてよく知られているが、例え
ば非極性または弱極性有機液体のような非導電性基材と
適合する必要はない。本明細書中で使用される「官能化
した」プロトン酸とは、ポリアニリンをプロトン化し、
そのポリアニリンと複合体を形成するような酸である。
そしてその複合体は、およそ10−1S/cm−1と等
しいかより大きい導電率を有し、前記生成物の三つめの
成分を構成する基材と混和または、その基材に溶解(単
なる分散とは異なり)するように官能化される。これら
の性質の観点から、酸は、溶質とみなされ、そして基材
は溶媒とみなされ得る。 【0054】このような官能化は、ポリアニリン複合体
を溶解化などによって、ホモジナイズし、基質とする。
このような溶解化および/または充分な混合により、基
材中の導電性種の本質的な連続ネットワークを生じ、本
基材は、不連続相として、あるいは好ましくは、共連続
相(co−continuous phase)とし
て、提供され得る。これは、組成物全体に高レベルの導
電性を付与する−−導電性物が、懸濁した粒子などとし
て存在する場合の標準値よりも何倍も高い導電率が達成
される。 【0055】以下に記すように、使用される基材相は、
有機液体および/または溶融したポリマーを包含する。
官能化したプロトン酸と基材との間の「適合性」の測定
において、有用な化学的な溶解性−混和性に関する規則
を以下に記す。例えば、ポリマーとして、ケトン類また
はエステル類(有機溶媒として)またはポリ(エステ
ル)類、ポリ(アリーラート)(arylate)類、
またはポリ(アミド)類のような極性の高い基材による
プロトン酸対イオンにおける官能化は、対イオン基の極
性の性質を促進されるか、または最低でも実質的に減少
させない。 【0056】逆説に、好ましい非極性あるいは、弱極性
の基材(例えば、液体として、アルカン類または芳香族
炭化水素類またはハロ炭化水素類、またはポリマー基材
として、ポリ(オレフィン)類、例えばポリスチレンの
ような、ビニルポリマー類、ポリメタクリルレート類、
または例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー共重
合体のようなエラストマー類)、による官能化は、非極
性基材中への対イオンの溶解性を増大または付与させる
ように、対イオンに非極性または弱極性領域を提供し得
る(例えば対イオンに炭化水素テールを加える)。 【0057】ある意味で、非極性基材の場合において、
このような酸は、界面活性剤として作用し、そしてそれ
により、非極性または弱極性有機基材と適合する極性対
イオンを提供する。一般に、本発明において使用する官
能化したプロトン酸は、式VIおよびVIIに表す: 【0058】 【化9】 ここで:Aはスルホン酸、セレン酸、ホスホン酸、ホウ
酸、またはカルボン酸群;硫酸水素塩、セレン酸水素
塩、またはリン酸水素塩;n*は0から5の整数;m*
は0から4の整数で、ただしnおよびmの合計は5;R
は、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイ
ル、アルキルチオ、アルキルチオアルキルであって、1
からおよそ20までの炭素原子を有すもの;または、ア
ルキルアリール、アリールアルキル、アルキルスルフィ
ニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アル
コキシカルボニル、カルボン酸であって、ここで前記ア
ルキルまたはアルコキシは、0からおよそ20までの炭
素原子を有すもの;または、1つまたはそれ以上のスル
ホン酸、カルボン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジア
ゾ、またはエポキシ部分で置換された3からおよそ20
までの炭素原子を有すアルキル;または、置換された、
または置換されていない3、4、5、6または7員環の
芳香族または脂環式炭素環であって、前記環は、一つま
たはそれ以上の窒素、硫黄、スルフィニル、スルホニル
または酸素の二価ヘテロ原子(例えばチオフェニル、ピ
ロリル、フラニル、ピリジニル)を含有し得る。 【0059】これら単量体の酸形に加えて、Rは、多
数の機能酸「A、」に依存する高分子骨格であり得る。
多量体の酸の例には、スルホン化ポリスチレン、スルホ
ン化ポリエチレンなどを包含する。これらの場合のポリ
マー骨格は、非極性基材中での溶解性を増大させるよう
に、または、例えばポリマー類、ポリアクリル酸または
ポリ(ビニルスルホネート)などの物質が使用され得
る、より高い極性の基材に溶解させ得るように選択され
得る。 【0060】R*は同一かまたは各存在ごとに異なり、
そしてアルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアル
キル、シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチ
オ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキル
アリール、アリールアルキル、アルキルスルフィニル、
アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリール、
アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカル
ボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、
シアノ、または1つまたはそれ以上のスルホン酸、カル
ボン醸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジアゾまたはエポ
キシ部分で置換されたアルキルであり;または、任意の
二つのR置換基が一緒になって、3、4、5、6または
7員環の芳香族または脂環式炭素環、またはそれらの複
合であって、該環またはその複合は、1つまたはそれ以
上の窒素、硫黄、スルフィニル、スルホニルまたは酸素
の二価のヘテロ原子を含有し得る、アルキレンまたはア
ルケニレン基である。R*は典型的には、およそ1から
およそ20までの炭素、特定すれば、3から20まで、
そしてさらに特定すればおよそ8から20までの炭素を
有す。A−Rとした酸の記載は、H(M−R
としたそれらの先の記載と同じであることおよび、次式
で表される酸が一般構造式A−Rに包含されること
は、認識され得ることである。 【0061】 【化10】 本発明の実施において使用する、好ましい官能化したプ
ロトン酸溶質は、前記の式VIおよびVIIに表される
ものであっで:Aはスルホン酸、ホスホン酸またはカル
ボン酸;n*は1から5までの整数;m*は0から4ま
での整数で、ただしn*およびm*の合計は5に等し
い;Rは、5からおよそ16までの炭素原子を有すア
ルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アル
キルチオ、アルキルチオアルキル;または、アルキルア
リール、アリールアルキル、アルキルスルフィニル、ア
ルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカ
ルボニル、カルボン酸であって、ここで、アルキルまた
はアルコキシは、1からおよそ20までの炭素原子を有
す;または1つまたはそれ以上のスルホン酸、カルボン
酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジアゾ、またはエポキ
シ部分で置換された、3からおよそ20の炭素原子を有
すアルキルである;R*は、同一かまたは各存在ごとに
異なり、そしてアルキル、アルケニル、アルコキシ、ア
リールアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカル
ボニル、または3から12までの炭素原子を有すカルボ
ン酸、または、1つまたはそれ以上のカルボン酸、ハロ
ゲン、ジアゾ、またはエポキシ部分で置換されたアルキ
ルである;本発明の実施において使用する、特に好まし
い官能化したプロトン酸溶質は、前記の式VIおよびV
IIに表されるものであって:Aはスルホン酸またはカ
ルボン酸;n*は1から3までの整数;m*は0から4
までの整数で、ただしn*およびm*の合計は5に等し
い;Rは、6からおよそ14までの炭素原子を有すア
ルキル、アルケニル、アルコキシ;または、アリールア
ルキルであって、ここで、アルキルまたはアルキルの一
部またはアルコキシは、4からおよそ14までの炭素原
子を有す;または1つまたはそれ以上のカルボン酸、ハ
ロゲン、ジアゾ、またはエポキシ部分で置換された、6
からおよそ14の炭素原子を有すアルキルである;R*
は、同一かまたは各存在ごとに異なり、そして、4から
14までの炭素原子を有す、アルキル、アルコキシ、ア
ルキルスルホニル、または、そのアルキル中に4から1
4までの炭素原子を有し、1つまたはそれ以上のハロゲ
ン分子でさらに置換されたアルキル。 【0062】特に好ましい実施態様の中で、本発明の実
施において使用する、最も好ましい官能化したプロトン
酸溶質は、前記の式VIおよびVIIに表されるもので
あって:Aはスルホン酸;n*は1または2の整数;m
*は3または4の整数で、ただしn*およびm*の合計
は5に等しい;Rは、6からおよそ14までの炭素原
子を有すアルキルまたはアルコキシ;または、1つまた
はそれ以上のハロゲン部分で置換された、6からおよそ
14までの炭素原子を有するアルキルであり;R*は、
4から14まで、特定すれば12の炭素原子を有する、
アルキル部分またはアルコキシ部分、または、1つまた
はそれ以上のハロゲンで置換されたアルキル部分であ
る。 【0063】本発明の最も好ましい実施態様において、
官能化したプロトン酸溶質は、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸である。 【0064】使用される官能化したプロトン酸の量は、
要求される導電率の程度によって、変化し得る。一般
に、充分に官能化したプロトン酸をポリアニリンを含有
する混合物に添加することにより導電性物質を形成す
る。使用される官能化したプロトン酸の量は少なくと
も、一般に、少なくともおよそ10−9S−cm−1
導電率を有する導電性ポリマー(溶液状態かあるいは固
体状態)を提供するのに充分な量である。一般則とし
て、必要量はかなり少量であり、すなわち、10重量%
(組成物全体をベースとして)または要求される導電率
を付与するために予測される量よりも少ない。これは、
プロトン酸の官能化した対イオンが、単に基材中で分散
または懸濁しているわけでなく、基材中で、溶解または
充分に混合されていることに起因する。導電率の上限値
は、決定はしておらず、使用されるポリアニリンのタイ
プに応じて変動し得る。一般に、得られる導電率の最高
値は、ポリマーの環境安定性に過度に不利な影響を与え
ることなしに、得られる。本発明の好ましい実施態様に
おいて、使用される官能化したプロトン酸の量は、少な
くともおよそ10−10S−cm−1の導電率を提供す
るのに充分であり、そして特に好ましい実施態様におい
ては、少なくともおよそ10−8S−cm−1の導電率
を提供するのに充分である。これら特に好ましい実施態
様の中で、最も好ましい実施態様は、置換されていない
ポリアニリンを使用し、および充分な量の酸を使用する
ことにより、少なくともおよそ10−6S−cm−1
導電率を提供する。 【0065】(基材)本発明による物質の任意の三つめ
の成分は、基材である。基材は、絶縁性または半導性の
物質である。この基材は、有機溶媒であり得るし、また
は、ポリアニリンおよびドーパントを有する。目的とす
る充分な混合物(溶液など)を形成するように加工処理
の間に流動(液体または半固体)体へ投入し得る、バル
クのオリゴマー物質またはポリマー物質またはプレポリ
マー物質であり得る。非極性の対イオンの場合において
は、非極性または弱極性の溶媒またはポリマーを基材と
して使用することが好ましい。本明細書中で使用する
「非極性または弱極性の有機溶媒、またはオリゴマーま
たはポリマー液体」などは、溶融による流動体であるか
またはそれとみなされ得て、そして、室温での誘電率
が、約22に等しいかそれ以下である物質を表してい
る。これら基材は好ましくは、通常の有機溶媒、または
溶融性、展性のあるオリゴマーまたはポリマーであっ
て、誘電率が15かそれ以下のものである。特に好まし
い非極性の基材は、誘電率がおよそ10に等しいかそれ
以下である、前記溶媒、またはオリゴマーまたはポリマ
ーである。 【0066】有用な通常の溶媒の例には、以下の物質が
包含される:置換されたまたは置換されていない芳香族
炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、p−キシレ
ン、m−キシレン、ナフタレン、エチルベンゼン、スチ
レン、アニリンなど);高級アルカン類(例えば、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン
など);環状アルカン(例えば、デカヒドロナフタレ
ン);ハロゲン化アルカン(例えば、クロロホルム、ブ
ロモホルム、ジクロロメタンなど);ハロゲン化芳香族
炭化水素類(例えば、クロロベンゼン、o−ジクロロベ
ンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン
など);アルコール類(例えば、m−クレゾール、ベン
ジルアルコール、2−ブタノール、1−ブタノール、ヘ
キサノール、ペンタノール、デカノール、2−メチル−
1−プロパノールなど);高級ケトン類(例えば、ヘキ
サノン、ブタノン、ペンタノンなど);複素環式化合物
類(例えばモルホリン);ペルフルオロ化炭化水素類
(例えばペルフルオロデカリン、ペルフルオロベンゼン
など)である。例えばキシレンおよびクロロベンゼンの
混合物のような非極性有機溶媒の混合物もまた、使用し
得る。 【0067】半導体(すなわち、10−8S−cm−1
までの導電率を有する物質)の例には、ドープされてい
ないかまたは軽度にドープされ、共役された、ホモポリ
マーまたは共重合体を包含する。(例えば、ポリチオフ
ェン類、ポリピロール類、ポリアセチレン類、ポリパラ
フェニレンスルフィド、ポリ(パラフェニレンビニレ
ン)類などである。 【0068】その他の有用な基材には、液化性(溶融
性)のバルクのオリゴマーおよびポリマーを包含する。
有用なオリゴマー液体の例としては、液化性高級アルカ
ン類(例えばヘキサトリアコンタン、ドトリアデカン、
オクタドデカン);分枝状高級アルカン類およびワック
ス類、およびペルフルオロ化高級アルカン類およびワッ
クス類がある。有用なポリマー基材の例としては、液化
性ポリエチレン類、イソタクチックポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチル
ビニルアセテート)、ポリブタジエン類、ポリイソプレ
ン類、エチレンビニレン−共重合体類、エチレン−プロ
ピレン共重合体類、ポリ(エチレンテレフタラート)、
ポリ(ブチレンテレフタラート)および、ナイロン1
2、ナイロン8、ナイロン6、ナイロン6.6などのナ
イロン類である。有機溶媒にポリマー類を添加した混合
物も使用され得、この場合の溶媒は、可塑剤として、ポ
リマーに役に立ち得る。 【0069】どのような特定の条件下においても、使用
のために選択される有機基材は、主として、ポリアニリ
ン、および/または、官能化したプロトン酸、および/
または、置換されたまたは置換されていないポリアニリ
ンとのブレンドを形成するために選択された1種または
それ以上の他のポリマー類の種々のR置換基に依存す
る。一般に、ほとんど極性のない置換基、および/また
は、ポリブレンドの調製に使用される、ほとんど極性の
ない他のポリマー類は、低い誘電率を要求する。逆説
に、より極性の高い置換基、および/または、ポリブレ
ンドの調製に使用される、より極性の高い他のポリマー
類は、高い誘電率を要求する。 【0070】好ましい通常の有機溶媒は、トルエン、キ
シレン類、スチレン、アニリン、デカヒドロナフタレ
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、
モルホリンであり、そして、特に好ましい有機溶剤は、
トルエン、キシレン類、デカヒドロナフタレン、および
クロロホルムである。これら実施態様の中では、溶媒
は、キシレンのような芳香族炭化水素であり、そして、
クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素である。 【0071】(全体の比率)各物質の比率は、決定して
いなくて、広く変動し得る。しかしながら、以下のガイ
ドラインが、本発明において特に有用な物質を生成する
上で重要と考えられる。官能化したプロトン酸の量は可
塑性の組成物または溶液が形成されるかどうかの決定に
役立ち得る。一般に、プロトン化(官能化した対イオン
に関連する)の程度が高いほど、溶媒中のプロトン化し
た導電性ポリマーの溶解性は大きくなる。逆説に、プロ
トン化の程度が小さいほど(および官能化した対イオン
の濃度が低いほど)、溶媒中の導電性ポリマーの溶解力
性は小さくなるが、ポリマーは、依然可塑性を有する。
例えば、実施例5および6に示されるように、置換され
ていないポリアニリンの場合、プロトン化のレベルはア
ニリン繰り返し単位あたり、およそ1.0かそれ以上の
当量の官能化したプロトン酸である時、溶解性導電性ポ
リアニリンが提供される。しかしながら、プロトン化の
レベルがアニリン繰り返し単位あたり、およそ1より小
さい当量のプロトン酸である時、可塑性導電性ポリマー
が形成される。前記のように、充分なプロトン化によ
り、溶解性導電性ポリマーまたは可塑性導電性ポリマー
のいずれかが形成される。本発明の好ましい実施態様で
は、プロトン酸添加のレベルは、導電性ポリマー類の溶
液が得られる程度である。 【0072】一般に、液体または半固体として、どのよ
うな量でも、少なくともプロトン化された導電性ポリマ
ーを有する粘性ゲルを形成するので、溶液の量の比とし
ての溶媒基材の量は、決めることはないと考えられる。
本発明のこれら粘性の実施態様は導電性サーキットリー
(circuitry)のシルクスクリーニング(si
lkscreening)および基材上の薄膜被膜への
適用に、特に有用である。しかしながら、その他の適用
には、かなり短い時間内、すなわち30分かそれ以下、
コンテナー形状または型に適合するのに少なくとも充分
な程度に流動するような点まで;または、フィルムおよ
びファイバーに押し出せるような点までゲルまたは溶液
の粘度を下げるのに充分な液体溶媒を使用することが好
ましい。好ましくは、このような液体は、溶液の粘度を
およそ10,000センチポアズより低くするのに充分
な量で存在し、そしてさらに好ましくは、1からおよそ
1000センチポアズである。 【0073】本記載のように、本発明における導電性ポ
リマー組成物は、ポリアニリン、プロトン酸、および溶
媒または可塑剤基材(すでに記したように、いくつか場
合ではプロトン酸であり得る)を含有する。これら物質
の相対比率は、以下のような範囲であり:0.01重量
%から100重量%のポリアニリンおよびプロトン酸9
9.99%から0%の基材、好ましくは、0.01重量
%から99重量%のポリアニリンおよびプロトン酸9
9.99%から1%の基材、さらに好ましくは、0.0
5%から50%のポリアニリンおよびプロトン酸および
99.95%から50%の基材。 【0074】これらの割合は非常に好ましい組成物とし
て以下を含むように表現され得る。 【0075】ポリアニリン 1重量部。 【0076】プロトン酸 アニリンの繰り返し単位10
毎に少なくとも1つのプロトン酸のプロトンそして好ま
しくは繰り返し単位8毎に少なくとも1つから各アニリ
ン繰り返し単位毎に20のプロトン酸のプロトンまで−
−典型的には、0.01重量部から20重量産部まで。 【0077】基材(過剰の酸を含有する) 0.1部か
ら500部まで、特定すれば0.2部から200部ま
で。 【0078】ポリアニリンのホモポリマーまたは共重合
体、官能化したプロトン酸および基材に加えて、本発明
の組成物には、必要に応じて他の成分を含有し得る。こ
のような任意の成分の性質は、広く変え得るし、そし
て、ポリマー物品を含む技術分野の当業者に公知物質を
包含し得る。溶解性の成分に関しては、溶液または溶液
から誘導された最終的な物品のいずれも、その物理的ま
たは機械的性質を変化させ得る物質が存在し得る。この
ような物質の例は、可塑剤類、オリゴマー類または他の
通常のポリマー類(例えばポリカーボネート、ポリアク
リロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリジン、
ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ
スチレン、ナイロン、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンセ
ルロースアセテート、ポリフェニレンオキサイドなど)
である。不溶性の4番目の成分に関しては、組成物から
キャストされる導電性ポリマーのベースを調合または形
成する物質が存在し得る。これら4番目の成分は、他の
導電性ポリマー類、他のポリマー類(例えば、ドーピン
グ時に導電性になり得るポリ(3−アルキルチオフェ
ン)、グラファイト、金属導体、補強ファイバー類およ
び不活性充填剤(例えば粘土およびガラス))である。
これら4番目の成分は、全混合物中の98%程度で存在
し、そして、必要に応じて、全く除去し得る。概して、
商業的に魅力のある生成品では、全最終生成物の2重量
%から95重量%で4番目の成分として、これらが添加
される。 【0079】(プロセッシング)本発明の組成物を形成
する方法は、広く変更可能である。しかしながら、ある
段階で、流体(液体、半固体、または溶融体)中でポリ
アニリンおよびドーパントで加工される基材の適切で充
分な混合物を確実に得ることは重要である。 【0080】例えば、プロトン化されたアニリンポリマ
ーおよび官能化した対イオンを含有する本生成物を形成
する一つの方法は、同時に、アニリンポリマー、官能化
したプロトン酸および液体としての溶媒を反応させるこ
とである。従って、例えば、固形パウダーとしてポリア
ニリン、液体としてキシレン、および液体としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸(DBSA)を混合容器に投入す
ることにより、プロトン化された導電性ポリマーが形成
され、そしてこの導電性ポリマーはキャストされ得る。
充分な量のDBSAが所望の量のポリマーをドーピング
するのに用いられ、そして、充分な量の溶媒が溶液の粘
性を制御しやすいレベルにまで減少させるのに使用され
る、このような混合の条件は、決定したものではない。 【0081】本発明における、プロトン化された導電性
ポリマーを含有する生成物を調製する別の方法は、最初
にポリマーと溶媒とを混合し、その後、官能化したプロ
トン酸を溶液または二相系に添加することである。従っ
て、例えば、ポリアニリンパウダーをキシレン溶媒に混
合した場合は、このパウダーは通常の条件下で、長期間
溶媒中に懸濁したままとなる。この懸濁液への官能化し
たプロトン酸、例えばDBSA、の添加は、上記パウダ
ーのプロトン化を引き起こし、そして、その後、プロト
ン化された導電性ポリマーの膨潤および可溶化を引き起
こす。 【0082】他の方法においては、最初に固体ポリマー
パウダーを官能化したプロトン酸、例えばDBSA、と
混合し、そして、ポリマーはプロトン化される。その
後、プロトン化されたポリマーを例えばキシレンと混合
し、そして溶液が形成される。 【0083】ポリアニリンのホモポリマーまたは共重合
体、および官能化したプロトン酸を含有する溶液を調製
する他の方法では、実施例16に記載のように、官能化
したプロトン酸存在下の非極性または弱極性溶媒または
可塑性液体中で、直接的に上記ポリマーが合成される。
この方法は、官能化したプロトン酸が、ここでの乳化重
合において界面活性剤として機能し、そして、高分子量
の上記ポリマー、およびエマルジョン由来の高い導電率
の生成物が得られる点で、特に興味深い。 【0084】他の方法では、本発明における物質は、3
段階で調製され得る。最初にエメラルジン塩中に、ポリ
アニリンを含有する溶解性導電性ポリアニリン複合体
が、H (M−R)が官能化したプロトン酸である
場合、(M−R)である対イオンと複合体を形成す
る。実例として、 M=SO3 Rp=カンホルである。 【0085】そして、溶解性の導電性ポリアニリン複合
体を所望の量のPMMAまたはその他のいかなる適当な
非晶質のバルクポリマーとも適当な有機溶媒中で共溶解
する。この二つの成分(導電性ポリアニリン複合体およ
び、例えば、上記のPMMA)の濃度は、最終物である
導電性フィルム(基材上のキャスティングおよび溶媒の
蒸発後に透明であり得る)において所望の割合になるよ
うに選択される。 【0086】そして、上記導電性フィルムは、電極、帯
電防止被覆材などして使用するために基材上にキャスト
される。キャスティング(スピンキャスティング、ドロ
ップキャスティング、ドクターブレードの使用など)の
詳細な方法は、二次的基準(例えば、製造の容易性、コ
スト、基材の形状など)に矛盾のないように選択され
る。 【0087】別のルートは、二つの段階を有する。最初
に、導電性の置換されるかまたは置換されていないポリ
アニリン複合体およびPMMA(またはその他の非晶
質、溶解処理し得るバルクポリマー)のポリブレンドを
直前に記載の方法を使って調製し、続いて溶媒の蒸発を
行って、所望の組成物の固体のポリブレンドを得る。溶
解し、そして、所望の表面上に導電性ポリブレンドを被
覆することにより、フィルムが形成される。この別ルー
トは、導電性が、複合体表面を有する基材上に直接形成
され得るという独特の利点を有する。 【0088】本発明における導電性ポリマーを含む生成
物または形成体の形成後、それらを延伸またはそうでな
ければ屈曲することにより、しばしば、それらの物理的
または電気的性質を増大させ得る。このプロセスおよび
その満足すべきガイドラインは実施例中に記載される。 【0089】本発明の溶液または可塑性組成物を使用す
るためには、種々の方法が考えられる。上記溶媒は、好
ましくは、蒸発による除去だけに限らず、どのような通
常の溶媒除去方法の使用でも、溶液から除去し得る。あ
るいは、上記溶媒および未反応の官能化したプロトン酸
は、上記溶媒および未反応の官能化したプロトン酸がド
ーピングされたポリマーよりも実質的に溶解性が高い場
合に、抽出剤を用いる抽出により、除去され得る。液化
または溶融したオリゴマーまたはポリマーが基材として
使用される場合には、固体の導電性物品は、単純に、上
記液状組成物を冷却することにより、形成され得る。こ
れは、射出成形、溶融押し出しなどにおいて、通常行わ
れる。あるいは、重合し得るモノマーが溶媒として使用
される場合は、固体の導電性物品は、上記モノマーの重
合により形成され得る。後者二つの方法においては、溶
媒の除去を要しない。 【0090】ポリマーの加工分野における当業者に理解
されるように、溶液から、溶媒を除去することより、成
形されたポリマー物品を形成する能力は、広い範囲の形
状およびサイズの各物品を調製することを可能とする。
従って、例えば、本溶液または表面上に塗布された可塑
性組成物から揮発分を除去することにより、所望のどの
ような厚さのフィルムも調製される。上記溶液を型板を
通して押し出すことにより、ファイバーまたはフィルム
が製造され得る。同様に、上記溶液または種々の形状の
型に入った可塑性組成物から揮発分を除去することによ
り、型の形状に一致する、成形された物品が調製され得
る。溶液の流動し得る最終の状態と最終物品の間の時期
で、若干の収縮が起こり得るが、このような収縮が溶液
からのポリマーの成形に関与することは、理解されるこ
とである。いったん溶液または溶融物が形成された場
合、表面上または型に溶液を移す以前に一部または実質
的な溶媒の除去は、表面上または型において生じる溶媒
の最終的な排出とともに、起こり得ることもまた、予想
されることである。4番目のまたは添加した溶解性成分
が上記溶液中に投入された場合は、それらが、揮発分で
ない場合は形成された成形物品中に存在することも、予
想されることである。上記4番目の成分が非揮発性液体
である場合は、揮発分の除去は、プロトン化された導電
性ポリマーまたはドーピングされていない中性ポリマー
の新たな液体または可塑性体が残留し得る。添加した成
分が揮発性の場合は、泡立ったまたは伸張した多孔質の
ポリマーが形成され得る。 【0091】4番目または添加した不溶性の成分が上記
の溶液または溶融物中に存在する(または懸濁してい
る)場合は、プロトン化された導電性ポリマーは、不溶
性物質の周囲に形成されるか、または、それらで満たさ
れる。例えば、添加した成分がガラスファイバーである
場合は、ファイバーの相対量およびプロトン化されたポ
リマーの残留物は、ファイバーで満たされるポリマー、
ポリマーで被覆または含浸されたファイバー、またはフ
ァイバーおよびプロトン化された導電性ポリマーのある
種の中間複合体の何れかの形成を引き起こす。不溶性成
分の量がかなり、プロトン化された導電性ポリマーの残
留物を超過するシステムの場合は、プロトン化された導
電性ポリマーで被覆または含浸された不溶性成分の個別
の粒子が形成される。不溶性成分および、本発明のポリ
マーの溶液または溶融物から形成される物品の例には、
導電性ポリマーで被覆された、鋭敏な電気装置(マイク
ロプロセッサー)用ハウジング類、赤外線およびマイク
ロ波吸収シールド類、可動性電気伝導コネクター類、導
電性ベアリング類、ブラシ類および半導体の光伝導体の
接合部、電子部品の包装用帯電防止物質、カーペットフ
ァイバー、コンピューター室の床用ワックスおよびプラ
スチック用帯電防止スプレーフィニッシャー、およびC
RTスクリーン、エアークラフト、自動窓など用の、薄
形の光学的に透明性の帯電防止仕上げなどが包含され
る。 【0092】液体水銀が種々のデバイスに多くの方法で
使用されるように、液状導電体または液状半導体の何れ
かのような、本発明の溶液または溶融物が使用されるこ
とは、予想されることである。このようなデバイスの例
には、重力スイッチ類、流体レベル検出デバイス類、ま
たは他の電気的または電子的スイッチが包含される。こ
のような用途は、溶液の導電率を基礎とし、そして、キ
シレン中で、DBSAによるプロトン化されたポリアニ
リンの場合は、比較的高い電気伝導性で表され得る。 【0093】 【実施例】以下の特定の実施例は、本発明の例示のため
に提示されるのであって、これに限定する意味ではな
い。 【0094】(実施例1)ポリアニリンをY.Cao、
A.Andereatta、A.J.Heegerおよ
びP.Smith、Polymer、30(1989)
2305に記載された方法により調製した:新しく蒸留
したアニリン(Aldrich)40ml、35%のH
C1(Fisher)50mlおよび蒸留水400ml
の溶液を1リットルのエーレンマイヤーフラスコ内で調
製した。このフラスコを0℃に維持したクーリングバス
中に置いた。(NH(Aldrich)
46gおよび蒸留水100mlからなる酸化剤溶液を添
加することにより、重合を行った。酸化剤を全て添加し
た後(2hr)、フラスコに蓋をし、さらに3時間撹拌
に供した。沈澱したポリマーパウダーを回収し、濾過
し、そして蒸留水で洗浄液のpHが6−7になるまで洗
浄した。次いで、ポリマーをメタノールで液が澄むまで
洗浄し、その後残留水および残留メタノールを除去する
ためにエチルエーテルで洗浄した。最後に、ポリマーを
室温で48時間真空中で乾燥した。エラルジン塩基形態
のポリアニリンをポリアニリン塩の補償により調製し
た。ポリアニリン塩10gを3%のNHOH溶液10
00mlとともに室温で2時間撹拝した。得られたエメ
ラルジン塩基を濾過し(filtrated)、洗浄液
のpHが7−8になるまで洗浄した。次いで、ポリマー
をメタノールで洗浄液が無色になるまで洗浄し、その後
メチルエーテルで洗浄した。エメラルジン塩基を室温で
48時間動的(dynamic)真空中で乾燥した。得
られたポリマーはいかなる一般的な非極性または弱極性
の溶媒にも不溶であり、かつ高分子量であり、97%の
硫酸中25℃、0.1%w/wで測定したこの非導電性
ポリアニリンの固有粘度が、1.2dL/gであった。 【0095】(実施例2)実施例1で調製した非導電性
形態のポリアニリン5.43g(アニリン0.06M)
とp−ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)(To
kyo Kasei)9.79g(0.03M)とを、
メノウ乳鉢および乳棒を用い、窒素で満たした乾燥バッ
グ中で完全に混合した。DBSAのアニリン繰り返し単
位に対するモル比は0.5であり、エメラルジン塩基形
態を導電性塩形態に完全にプロトン化するのに十分であ
った。 【0096】(実施例3)実施例2を異なるプロトン酸
を用いて繰り返した。得られた材料を圧縮したペレット
の導電性を、実施例2の物質の導電性とともに表1に示
す。 【0097】 【表1】ポリアニリンは多様なプロトン酸によりプロトン化し得
ることが本実施例により示された。 【0098】(実施例4)実施例2の物質0.1gとD
BSA0.1gとを混合した。この混合物をキシレン2
0g中に入れ、超音波バス中で48時間処理し、次いで
遠心分離した。ポリアニリン−DBSA複合体のほとん
どが溶解し、暗緑色の溶液を得られた。デカントによ
り、若干の不溶固体を除去した。 【0099】(実施例5)実施例4の溶液をエバポレー
トして固体を得、アセトンで洗浄して余剰DBSAを除
去した。このようにして得られたポリアニリン−DBS
A複合体の重量を測り、該溶液中の導電性ポリアニリン
複合体の含有量を計算した。その後、以下の範囲で変化
する追加量のDBSAを用いた以外は、実施例2を繰り
返した:0(すなわち実施例2の基準物質である)、
0.05、0.2、0.3、0.4および0.5g。導
電性ポリアニリン−DBSA複合体の該溶液中での濃度
を求め、溶液中でのPhNに対するDBSAの総量のモ
ル比に対してプロットしたのが図1Aである。これらの
結果は、可溶な導電性のポリアニリン−DBSAを得る
ためには、アニリン繰り返し単位あたり0.5当量以上
の官能化されたプロトン酸が必要であることを示してい
る。これ未満の量では、ドープされた、導電性の可塑性
形態のポリマーとなる。 【0100】(実施例6)キシレン10g中のPANi
−DBSA(DBSA/PhN=0.5)塩の初期量を
キシレン10g中1gとした以外は、実施例5を繰り返
した。この複合体のDBSA/PhNモル比に対するキ
シレンヘの溶解度を、図1Bに示す。 【0101】(実施例7)実施例2由来の物質1gと追
加DBSA1gとを混合し、DBSA/アニリンのモル
比を1.3にした。得られた混合物の溶解度を種々の溶
媒中で試験した。混合物0.1gを種々の溶媒10g中
に入れ、室温で1時間撹拝した。その結果を表2に示
す。 【0102】 【表2】DBSAの代わりにヘキサンスルホン酸およびオクタン
スルホン酸を用いて実施例2および5の上記実験を繰り
返したところ、同様の結果が得られた。 【0103】(実施例8)実施例2を繰り返した。モル
比DBSA/PhN=0.5のPANi−DBSAと表
3に挙げる種々の可塑剤とを混合した。PANi−DB
SA複合体(DBSA/PhN=0.5)のキシレンヘ
の溶解度も表3に挙げる。非極性有機溶剤にPANi−
DBSA複合体を溶解するために実施例5で用いた余剰
DBSAを、広範囲の非酸性添加剤によって代替し得る
ことが、本実施例により示された。 【0104】 【表3】 (実施例9)DBSAの代わりに(±)−10−カンホ
ルスルホン酸(CSA)を用いて、実施例2および5を
繰り返した。PANi−CSA複合体(CSA−PhN
0.5および0.7)2.4gおよび8gを、実施例2
と同様にm−クレゾール100g中で処理した。PAN
i−CSA複合体は室温で溶解し、粘性の暗緑色溶液が
得られた。同様な結果が、光学活性な(1S)−(+)
−10−カンホルスルホン酸および(1R)−(−)−
10−カンホルスルホン酸について得られた。PANi
−DBSA系とは異なり、余剰な官能化されたプロトン
酸(すなわちアニリンPhN繰り返し単位あたり0.5
当量以上の酸)は、m−クレゾール中へ溶解したPAN
i−CSAkの場合には必要でないことを、本実施例は
示している。種々の有機溶剤中へのPANi−CSAの
室温での溶解性を表4に挙げる。 【0105】 【表4】 (実施例10)PANiおよび選択した官能化されたプ
ロトン酸の溶解性を、非極性および弱極性有機溶媒中で
試験した。その結果を表5に挙げる。 【0106】 【表5】(実施例11)実施例4と同様に溶液を調製し,ガラス
プレート上にキャストした。キシレンをエバポレート
し、得られたフィルムをアセトンで洗浄して余剰DBS
Aを除去した。残存フィルムを室温で乾燥したところ、
20S−cm−1の4プローブ導電性を有していた。 【0107】上記の実験を、キシレンの代わりにクロロ
ホルム、トリクロロベンゼン、トルエンまたはデカリン
で繰り返したところ、同様の結果が得られた。 【0108】(実施例12)実施例3と同様に調製した
溶液5gを、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE
Hostalen GR 412、重量平均分子量2,
000,000)0.17g、抗酸化剤0.01g、お
よびキシレン17.4mlと混合し、オイルバス中で1
26.6℃にて1時間加熱した。得られた高温の溶液を
アルミニウムプレート上にキャストした。キシレンを室
温の空気中でエバポレートすることにより除去した。ポ
リアニリン−DBSA複合体の含有量は、フィルム中、
11.8%w/wであった。同様の実験を繰り返した
が、ポリアニリン−DBSA複合体の含有量は7.1%
および13.4%w/wとそれぞれ変化した。フィルム
の一部を、ホットプレート上で105℃にて引張比λ=
40(λ=最終長を初期長で割ったもの)になるまで延
伸した。この延伸フィルムは、顕著な機械特性(ヤング
率40GPa以上かつ引張強度2GPa以上)を有して
いた。未延伸フィルムおよび延伸フィルムの導電性を、
標準的な4プローブ法を用いて測定した。その結果を表
6に要約する。本実施例における引張の使用は、ポリマ
ーの物理的および電気的特性を向上させるためにおこな
う、導電性ポリマー構造の物理的変形の一般的な使用の
一例である。約50%変形から200倍変形の量の変
形、延伸、引張等が好適に用いられ得る。 【0109】 【表6】高性能ポリオレフィン調製におけるこの可溶形態の導電
性ポリアニリンの使用の実現可能性を、本実施例は実証
している。 【0110】(実施例13)超高分子量ポリエチレンの
代わりにイソタクチックポリプロピレン(M〜10
0,000ダルトン)を用いて、実施例12を繰り返し
た。このブレンドの導電性を4プローブ法で測定し、図
2Aに示す。 【0111】(実施例14)PANi−DBSA、キシ
レン、および超高分子量ポリエチレンの代わりにm−ク
レゾール中のPANi−CSA(CSA/PhNモル比
=0.5)、ならびにm−クレゾールに溶解したナイロ
ン4、6および12を、それぞれ用いた以外は、実施例
12を繰り返した。溶解は室温で行った。このブレンド
の導電性を4プローブ法で測定し、図2Bに示す。 【0112】(実施例15)実施例14を繰り返した。
ポリスチレン、ポリカーボネート類、アモルファスナイ
ロン類、ポリアクリロニトリル、ポリ(メチルメタクリ
レート)、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、およびAB
Sについて、同様の結果が得られた。 【0113】多種の絶縁ポリマーとの溶液処理されたブ
レンドの導電性データを、表7に要約する。 【0114】 【表7】 (実施例16)新しく蒸留したアニリン(Aldric
h)4.65g(0.05M)およびDBSA24.4
8g(0.075M)、ならびにキシレン250mlの
溶液を、250mlのエーレンマイヤーフラスコ内で調
製した。このフラスコを25℃に維持したクーリングバ
ス中に置いた。(NH(Aldric
h)4.68g(0.02M)を蒸留水20ml中に含
有する酸化剤溶液を添加することにより、重合を行っ
た。酸化剤を全て添加した後(30分間にわたり)、フ
ラスコに蓋をし、撹拝を24時間続けた。酸化剤のアニ
リンに対するモル比は0.4であり、モノマー濃度は
0.2M/Lであり、そしてDBSAのアニリンに対す
る比は1.5であった。暗緑色の混合物が生成された。 【0115】このポリマーエマルジョンをアセトン75
0mlに注ぎ、ポリアニリン−DBSA複合体と沈澱さ
せた。このパウダーを回収し、濾過し、そしてアセトン
150mlで3回、蒸留水150mlで3回、そして再
びアセトン150mlで3回洗浄した。最後に、パウダ
ーを室温で48時間真空デシケーター中で乾燥した。ポ
リアニリン−DBSA収量は2.1gであった。パウダ
ー中のDBSA/PhN比は〜0.3であった。 【0116】導電性ポリアニリン−官能化されたプロト
ン酸複合体がアニリンモノマーから直接調製され得るこ
とを、本実施例は示している。 【0117】更に、このアニリンを有機溶媒中へ可溶さ
せるためにプロトン酸を用い得ること、および、これま
で実施されていない重合技術である乳化重合に可溶化し
たアニリンを供し得ることを本実施例は示している。こ
のプロセスにおいて、溶媒は、プロトン酸および反応物
質の相対比率で可能なように、変更し得る。 【0118】(実施例17)重合温度を0℃および重合
時間を96時間にした以外は実施例16を繰り返した。
一般的に、この温度は−10℃から50℃の範囲で変化
させても同様な結果が得られ得る。時間は温度と反比例
して変化し得る。 【0119】(実施例18−21)DBSAのアニリン
に対するモル比を、それぞれ、4.0、3.0、2.
0、および1.0とした以外は、実施例16を繰り返し
た。この実験はまた、DBSAを他の酸類と代えても繰
り返し得る。 【0120】(実施例22−25)重合のための溶媒
を、それぞれ、クロロホルム(22)、トルエン(2
3)、デカリン(24)、および1,2,4,−トリク
ロロベンゼン(25)とした以外は、実施例16を繰り
返した。他の低誘電率の非水溶性液体も、所望により使
用し得る。 【0121】(実施例26)重合温度を0℃にした以外
は実施例22を繰り返した。 【0122】上記重合における収量は、補償後に回収し
た(実施例1の手順による)エメラルジン塩基の量と、
初期アニリンモノマーの量との比から計算した。実施例
16−25のポリアニリン−DBSA複合体の導電性
を、通常の4プローブ法で室温にて圧縮ペレットについ
て求めた。ポリアニリン−DBSA複合体および補償後
に得られたエメラルジン塩基の固有粘度(dL/g)
を、25℃の97%のHSO(0.1%w/wポリ
マー)中にてウベローデ(Ubbelohde)粘度計
を用いて決定した。その結果を表8−10に表す。 【0123】 【表8】乳化重合をより低い温度で行うことが良いことを、この
表の結果は示している。有機溶媒中でポリアニリン−官
能化された酸複合体を直接調製することが、ポリマーの
かなりの高分子量化を導き得ることもまた示している
(実施例1参照)。 【0124】 【表9】 ポリアニリン−官能化された酸複合体が、広範囲のDB
SA/PhN比において直接調製し得ることを、この表
の結果は示している。 【0125】 【表10】 ポリアニリン−官能化された酸複合体が、種々の非極性
または弱極性有機溶媒中で直接調製し得ることを、この
表の結果は示している。 【0126】(実施例27)実施例16の混合物を、重
合終了直後、ポリアニリンのアセトンヘの沈澱の前に、
4000rpmで1時間遠心分離した。可溶部分をアセ
トン/水1:1の混合物400mLで3回分液ロート中
でデカントおよび洗浄し、余剰DBSAおよび硫酸アン
モニウムを除去した。明緑色のポリアニリン−DBSA
複合体のキシレン溶液を得た。これは、室温で保存して
も安定であった。数カ月の間沈澱は見られなかった。溶
液中のポリアニリン−DBSA複合体の含有量を、キシ
レンをまず空気中でエバポレートし;続いて室温で24
時間真空中でエバキュエーションして求めた。典型的な
含有量の値は、実施例16の重合条件での2%w/wで
あった。 【0127】(実施例28)実施例16の物質0.1
g、DBSA0.1g、およびキシレン20gの混合物
を調製し、一晩超音波浴中で処理した。得られた溶液を
4000rpmで遠心分離した後、デカントした。ポリ
アニリン−DBSA複合体の溶液中の濃度を、実施例5
と同様にして求めた。典型的なこの含有量の値は0.5
%w/wであった。実施例16のパウダーがキシレンに
再溶解し得ることを、本実施例は示している。 【0128】キシレンの代わりにクロロホルム、トリク
ロロベンゼン、トルエン、またはデカリン(90℃)を
用いて上記の実験を繰り返したところ、同様な結果が得
られた。 【0129】(実施例29)実施例27の物質0.1
g、DBSA0.1g、およびキシレン10gの溶液
を、実施例28の方法に基づいて調製した。ポリアニリ
ン−DBSA複合体の単独の(Free standi
ng)フィルムを、溶液からキャストし、そして室温で
乾燥し、続いてアセトンで洗浄することによって得た。
得られた単独のフレキシブルフィルムの典型的な導電性
は、約240S−cm−1であった。この手順で得られ
たフィルムのプロトン化レベルは0.3だけであったの
で、フィルムをHClの1M水溶液で更にプロトン化す
ることにより導電性を400S−cm−1に高められ
る。 【0130】ポリアニリンについて通常報告される値を
顕著に上回る値の導電性を有するフィルムが製造された
ことを、本実施例は示している。 【0131】(実施例30)導電性ポリアニリンの溶液
を実施例16の方法に基づき直接作製した以外は、超高
分子量ポリエチレンおよびポリアニリン−DBSA複合
体から、実施例12の方法に基づいてフィルムを調製し
た。ポリアニリン−DBSA複合体のポリマー含有総量
に対する重量比を、0.002から0.01、0.02
4、0.048、0.09、0.17、0.29、0.
34、0.35まで変化させた。乾燥後、ポリアニリン
/UHMW PEブレンドフィルムの導電性を、標準的
な4プローブ法を用いて求めた。その結果を図3に示
す。 【0132】これらのフィルムを、ホットプレート上で
105℃にて引張比1:40になるまで延伸した。延伸
フィルムは、ポリアニリン−DBSA複合体がUHMW
PEマトリックス中の均一な分布していることを示
し、そして、偏光下においては、高い光学異方性が観察
された。延伸フィルムの導電性を、標準的な4プローブ
法を用いて求めた。未延伸フィルムの導電性との比較に
おいて、引張後の導電性は、フィルムの組成によって1
−3桁高くなった(図3参照)。延伸フィルムは顕著な
機械特性を有していた。 【0133】電気的および機械的高特性を有する高性能
ポリマーブレンドの調製におけるこの可溶形態の導電性
ポリアニリンの使用の実現可能性を、本実施例は示して
いる。 【0134】(実施例31)室温にてクロロホルム7.
5g中ポリスチレン(Polyscience、Mw1
25,000−250,000)2.5gの溶液を、そ
れぞれ調製した。実施例16の方法に基づいて導電性ポ
リアニリンの溶液を直接生成し、そしてポリアニリン−
DBSAのポリスチレンのクロロホルム溶液に対する重
量比がそれぞれ0.011、0.022、0.05、
0.1、0.18、0.24、0.39、0.62、
0.89になるような量で、ポリスチレン/クロロホル
ム溶液に添加した。この粘性溶液をキャストしてフィル
ムにし、クロロホルムを空気中で室温にてエバポレート
した。驚くほどクリアーで透明なフィルムがこのように
して得られた。ポリブレンドフィルムの導電性を、標準
的な4プローブ法を用いて求めた。そのデータを図4に
示す。 【0135】この可溶導電性ポリアニリンの、顕著な光
学的クリアーさを有する導電性製品の製造のための使用
の実現可能性を、本実施例は示している。 【0136】(実施例32)ホストポリマーをポリスチ
レンの代わりに共役されたポリマー、ポリ(3−オクチ
ルチオフェン)(Neste Oy、Mw=125,0
00)を用いる以外は、実施例31を繰り返した。ポリ
アニリン−DBSAのポリ(3−オクチルチオフェン)
のクロロホルム溶液に対する重量比は、0.032、
0.062、0.15、および0.21であった。これ
らポリブレンドフィルムの導電性測定の結果もまた、図
4に示す。 【0137】(実施例33)ポリブタジエン(Aldr
ich)1gおよび過酸化ベンゾイル20mgを、実施
例16の方法に基いて調製したポリアニリン−DBSA
のキシレン溶液10gに、室温にて撹拌しながら溶解し
た。得られた均一な溶液を、ガラス基板上にキャストし
た。溶媒を空気中で室温にてエバポレートした。得られ
たポリブレンドフィルム中のポリアニリン−DBSA複
合体の最終濃度は、6%w/wであった。このフィルム
をオーブン中で160℃にて20分間硬化させた。導電
性で非常に弾性に富むポリアニリン−DBSA/ポリブ
タジエンラバーフィルムを得た。このフィルムは、3X
10−6S−cm−1という導電性を示した。このフィ
ルムの硬化前の導電性は、1X10−5S−cm−1
あった。この導電性エラストマーは、破断せずに600
%まで可逆的に長く変形し得た。 【0138】(実施例34)ポリブタジエンの代わりに
シリコーンラバー(Dow Corning RTV
738)を用いた以外は、実施例33を繰り返した。こ
のエラストマーをキシレンをエバポレーションした後、
室温にて硬化した。このシリコーンラバー中のポリアニ
リン−DBSA複合体の最終濃度は、1%w/wであっ
た。このエラストマーの導電性は、1X10−6S−c
−1であった。可溶性ポリアニリンにより、顕著な弾
性特性を有する導電性製品を製造し得ることを、上記実
施例33および34は、示している。 【0139】(実施例35)実施例2の物質2.66g
とキシレン17.7g(13%w/w)とを超音波浴中
で混合した。2時間後、キシレン中のポリアニリン−D
BSAの安定なエマルジョンを得た。 【0140】(実施例36)超高分子量ポリエチレンお
よびポリアニリン−DBSA複合体のフィルムを、実施
例27の方法に基づき調製した溶液の代わりに、実施例
35のエマルジョンを用いた以外は実施例12の方法に
基づき調製した。ポリアニリン−DBSA複合体のポリ
マー含有総量に対する重量比を、0.42から0.5
0、0.60、0.70まで変化させた。乾燥後、ポリ
アニリン/UHMW PE ブレンドフィルムの導電性
を、標準的な4プローブ法を用いて求めた。結果を下記
表11に示す。 【0141】 【表11】 導電性ポリアニリンの含有量の大きいポリブレンド系が
調製し得ることを、本実施例は示している。 【0142】(実施例37)導電性形態のポリアニリン
を実施例2と同様に調製した。この物質の示差走査熱分
析(DSC)スキャンは、約95℃で発熱ピーク、約1
50℃で吸熱ピークを示した。EB−DBSA複合体の
熱安定性を、熱重量測定(TG)分析(Mettler
TA3000 system)により調べた。複合体
は、270℃を上回る温度で安定であった。ラボラトリ
ープレスを用いて、室温で得られた混合物を室温にてペ
レットに圧縮した。動的真空中室温にて96時間ポンプ
した後、ポリアニリン−DBSA複合体のペレットの導
電性を、アルゴンで満たした乾燥ボックス中で、標準的
な4プローブ法を用いて測定した。得られた導電性は2
6.4S−cm−1であった。 【0143】注目すべきことに、コヒーレントな薄厚フ
ィルムが160℃でプレスすることにより得られた。こ
のことは、官能化されたプロトン酸の可塑化効果を示し
ている。動的真空中室温にて96時間ポンプした後、ポ
リアニリン−DBSA複合体のフィルムの導電性を、ア
ルゴンで満たした乾燥ボックス中で、測定した。得られ
た導電性は92S−cm−1という高いものであった。
DBSAなどの流体相のプロトン酸自体がいかに溶媒/
可塑剤として機能し得るかを、本実施例は示している。
この酸は、室温あるいは高温で流体(液体または半固
体)で有り得、本発明の利点を達成し得る。 【0144】(実施例38)実施例1の非導電性形態の
ポリアニリン0.091g(0.001M)と、DBS
A0.163g(0.0005M)およびパウダーの線
状ポリエチレン(GR2755、Mw=200,00
0)0.254gとを、窒素で満たした乾燥バッグ中、
メノウ乳鉢と乳棒で混合した。この混合物を、ホットプ
レート上で165℃にて30秒間圧縮した。この30秒
間の加熱処理工程を更に3回繰り返し(合計4回)、均
一な混合が確実になるようにした。フロー(flow)
および混合が起こるのが観察され、室温まで冷却した後
強くてフレキシブルなフィルムが得られた。ポリアニリ
ン−DBSA(DBSA/PhN=0.5)複合体のポ
リマー総量に対する重量比は0.5であった。 【0145】(実施例39)ポリエチレンの量をポリア
ニリン−DBSA複合体のポリマー総量に対する重量比
が0.34、0.20、および0.11になるように変
化させる以外は、実施例38を繰り返した。フローおよ
び混合が起こるのが観察され、室温に冷却した後強くて
かつフレキシブルなフィルムが得られた。酸が流体で液
体(溶媒)相として機能する状況では、広範囲の他のポ
リマー類を追加的に加えて所望の導電性特性を得られ得
ることを、本実施例は示している。 【0146】(実施例40)実施例38−39の物質の
導電性を、標準的4プローブ法を用いて測定した。その
結果を図5に示す。 【0147】導電性形態のポリアニリンは、溶解した状
態でポリオレフィンと混合され、電気的および機械的な
優れた特性の物質を生じ得ることを、これらのデータは
示している。融解したポリマーが可塑性液体として用い
得、そして官能化されたプロトン酸の添加量により、導
電性ポリアニリンとポリエチレンの間の高められた混和
性を通して導電性を増加し得ることを、実施例38−3
9はまた示している。 【0148】(実施例41)ポリエチレンの代わりにパ
ウダー状のナイロン12(Polysciences)
を用いた以外は、実施例38および39を繰り返した。
この混合物をホットプレートにはさんで175℃で30
秒間圧縮し、続いて再圧縮した(再び30秒間)。フロ
ーおよび混合が起こるのが観察され、室温まで冷却した
後、強くてフレキシブルなフィルムが得られた。このフ
ィルムの導電性を、4プローブ法を用いて測定し、その
結果を図6に示す。 【0149】導電性形態のポリアニリンは、溶解した状
態でナイロンと混合され、電気的および機械的な優れた
特性の物質を生じ得ることを、これは示している。融解
したポリマーおよび液体プロトン酸が可塑性液体として
用い得ることを、これはまた示している。 【0150】(実施例42)ポリエチレンの代わりにポ
リ(ビニルクロライド)(PVC)パウダーを用いた以
外は、実施例38および39を繰り返した。この混合物
をホットプレートにはさんで165℃で圧縮した。別の
実験においては、添加DBSAの代わりに可塑剤のメサ
モール(Mesamoll)(Bayer)を使用し
た。結果として得られた強くてフレキシブルなフィルム
の導電性を、4プローブ法を用いて測定し、その結果を
図7に示す。 【0151】PANiポリブレンドの溶解処理のための
可塑性液体として、DBSAと共に中性可塑剤を用い、
電気的および機械的な優れた特性の物質を生じる得るこ
とを、実施例42は示している。 【0152】(実施例43)DBSAの代わりにPhN
繰り返し単位あたり0.33モルのDOHPを用いた以
外は、実施例42を繰り返した。この混合物をホットプ
レートにはさんで165℃で圧縮した。結果として得ら
れた強くてフレキシブルなフィルムの導電性を、4プロ
ーブ法を用いて測定し、その結果を図8に示す。 【0153】PANiを導電性にし、可塑化し、PVC
と混合するための官能化されたプロトン酸としてホスフ
ェート類を用い、電気的および機械的な優れた特性の物
質を生じ得ることを、実施例42は示している。 【0154】ある実施態様では、透明または有色の電極
を得るために、これらの物質の透明性、および/また
は、有色性を利用する。さらに、ある実施態様では、フ
レキシブルな発光ダイオードに透明または有色の電極が
用いられる。以下の実施例は、これらの実施態様に関す
る。 【0155】(実施例44)97%HSO中での
0.1%w溶液(.012M)として、室温で測定した
ときの固有粘度1.2dL/gを有することにより、分
子量などが特徴付けられた、エメラルジン塩基1.09
2gと、CSA1.394g、(±)−10−カンホル
スルホン酸(Aldrich)とを、めのう乳鉢および
乳棒を用いて不活性大気中(すなわち、窒素ガスで満た
したグローブバッグ中)で混合した。CSAのアニリン
の繰り返し単位あたりのモル比は0.5であった。結果
として得られた混合物からある量(1.275g)を、
m−クレゾール61.0gの中に入れ、48時間超音波
浴で処理し、続いて遠心分離した。ほとんどのポリアニ
リン−CSA複合体が溶解し、粘性の暗緑色の液体が得
られた。小量の不溶固体をデカントによって除去した。
溶液の一部を取り分け、重量を計り、そしてガラススラ
イド上にキャストした。溶媒をエバポレートした後、フ
レキシブルな単独フィルムが得られた。フィルムの重量
を計り、前記溶液中の導電性ポリアニリン複合体の含有
率を計算した。その濃度は1.94%(w/w)と求め
られた。 【0156】(実施例45)CSA/PhN比を以下の
値(0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.
5、2.0)で変化させた以外は、実施例44を繰り返
した。ポリアニリン−CSA溶液を作るために、0.1
38、0.152、0.166、0.180、0.19
4、0.264、0.334gのそれぞれの混合物を、
m−クレゾール10gに加え、各溶液中のエメラルジン
含有率をm−クレゾール10g中で0.0006Mに保
った。CSA/PhNモル比が0.7あるいはそれ以上
の複合体は、m−クレゾールに完全に可溶であり、従っ
て、そのような溶液に対しては遠心分離は必要ではなか
った。ガラススライド上にキャストし、溶媒をエバポレ
ートした後、単独ポリアニリンフィルムが、これらすべ
ての溶液から得られた。結果として得られたフィルム
を、アセトンで数回洗浄した。この過程の間、補償の手
段の結果と同様に、ほとんどの余剰CSAはフィルムか
ら除去された。補償は以下のようにして行われた:それ
ぞれの場合について、重量が計られた少量の単独PAN
i/CSAフィルムの断片を、3%aq.のNHOH
水溶液で2時間処理した。結果として得られた中性のP
ANi(エメラルジン塩基)フィルムを、水およびアセ
トンで洗浄した。空気中で乾燥させた後、再度フィルム
の重量を計った。補償の前および後での重量の異なりか
ら、フィルム中のCSAの含有率を、表12に要約した
ように計算した。導電性PANi/CSAフィルムの導
電率を、大気中で通常の4プローブ法により測定し、こ
れもまた表12に記載する。 【0157】 【表12】 (実施例46)実施例44の溶液をガラスまたはサファ
イア基板上にスピンキャスト(10000rpm、2
分)し、均一で透明なPANi/CSA薄フィルムを得
た。ガラス基板上のスピンキャストPANi/CSA薄
フィルム(約0.55μm)の表面比抵抗率は、4プロ
ーブ法により、166オーム/平方(□)と測定され
た。サファイア基板上のスピンキャストPANi/CS
A薄フィルム(約1.4μm)の表面比抵抗率は、4プ
ローブ法により、66オーム/平方(□)と測定され
た。ガラス基板上の3種のPANi/CSAフィルム
(約0.2μm厚、0.5μm厚、1.4μm厚)の透
過スペクトルを、図9に示す。1.4μm厚のフィルム
では、可視領域の透過率は70−80%であり、0.5
5μm厚のフィルムでは75−85%、および0.2μ
m厚のフィルムでは80%−90%であった。導電性の
透明なポリアニリン複合体フィルムを溶液からキャスト
し得ることを、この実施例は示している。 【0158】(実施例47)実施例44のように調製さ
れた溶液1グラム(1g)と、ポリ(メチルメタクリレ
ート)、PMMAの10%(w/w)溶液1グラム(1
g)とを、m−クレゾール中で混合した。結果として得
られた均一な溶液を、ガラス基板上にスピンキャスト
(10000rpm、2分)した。続いて、その基板を
大気中で50℃のホットプレート上に置き、残存してい
るm−クレゾールをフィルムから除去した。フィルム中
のPANi/CSA複合体の含有率は、16.2%w/
w(全ポリマーに対するPANi/CSA)であった。
上記組成物の透明な単独ブレンドフィルムを、ガラスス
ライド上に対応する溶液をキャストすることにより、2
0−30μmの範囲の厚さに調製した。ポリアニリン−
CSA複合体の含有率を、75%、66%、54.8
%、43.7%、28.0%、20.6%、8.8%、
3.7%、1.9%、0.96%、0.48%、および
0.24%と変化させた以外は、同様の実験を繰り返し
た。基板上の薄フィルムの表面比抵抗および単独フィル
ムの全導電率を、標準的な4プローブ法を用いて測定
し、その導電率の結果を図10に要約する。 【0159】PANi−CSA比がそれぞれ16.2
%、8.8%、および3.7%の薄いスピンキャストフ
ィルムの透過スペクトルを、図11は示している。表面
比抵抗は、それぞれ6.3X10、4.5X10
および1.6X10オーム/平方(□)であった。す
べてのスピンキャスト薄フィルムは、スペクトルの可視
領域にわたって90%以上の透過率を示す。予測したよ
うに、フィルムの厚みの増加に伴い、表面比抵抗の減少
を生じる。図12は、ポリアニリン−CSA含有率2
0.6%で種々の厚さのスピンキャスト(ガラス基板上
への)フィルムの透過スペクトルを比較している。これ
らのフィルムで最も厚い(約2.1μm)、PMMAフ
ィルムのポリアニリン−CSA複合体は、可視領域で優
れた透過率および低表面比抵抗(130オーム/平方
(□))を示した。多数の単独キャストフィルム(45
−65μmの厚さ)のデータを、図13に要約する。P
MMA中に種々の濃度でポリアニリン複合体を含むポリ
ブレンドの導電性透明フィルムを溶液からキャストし得
ることを、この実施例は示している。 【0160】(実施例48)CSA/アニリン比を0.
7に固定し、ポリアニリン−CSA複合体の含有率を以
下のように(それぞれ43.6%、27.8%、13.
4%、7.2%、3.72%、1.9%、および0.9
6%)変化させた以外は、実施例47を繰り返した。単
独フィルムの全体の導電率のデータを、図10にプロッ
トする。スピンキャストフィルムは、優れた光透過率を
示した。その典型的な2つのスペクトルを、図14に示
す。PMMA中に種々の濃度でポリアニリン複合体を含
むポリブレンドの導電性透明フィルムを溶液からキャス
トし得ることを、この実施例は示している。 【0161】(実施例49)窒素でみたしたグローブバ
ッグの中でめのう乳鉢および乳棒を用いて、エメラルジ
ン塩基(2.18g、0.024MのPhN)と、p−
ドデシル−ベンゼンスルホン酸(東京化成)3.19g
(0.12M)とを完全に混合した。DBSAのPhN
の繰り返し単位あたりのモル比は、0.5であった。ク
ロロホルム中のポリアニリン/DBSAの溶液を、の結
果として得られたポリアニリン/DBSA複合体0.2
gと追加DBSA0.2gとクロロホルム20gとを混
合して調製した。混合物を超音波浴で24時間処理し、
続いて遠心分離した。不溶固体を、デカントにより除去
した。溶液中のポリアニリン/DBSA複合体の濃度
は、前もって重量を計った溶液から溶媒を除く前後の重
量変化により、1.16%(w/w)であると求めた。
結果として得られた溶液0.5gと、クロロホルム中の
ポリ(メチルメタクリレート)、PMMAの10%(w
/w)溶液0.5gとを混合した。結果として得られた
均一な溶液をガラススライド上にキャストして、透明な
単独フィルムを得た。フィルム中のPANi/DBSA
複合体の含有率は10.4%(w/w)(全ポリマーに
対するPANi/DBSA)であった。ポリアニリン−
DBSA複合体の含有率を、5.5%、2.3%、1.
2%、0.6%、0.3%、0.1%に変化させた以外
は、同様の実験を繰り返した。4プローブ法により測定
された導電率のデータを、図15に示す。全てのこれら
のフィルムは、可視領域において、優れた透明性を示し
た。 【0162】(実施例50)ポリビニルアセテート(P
VAc)をホストポリマーとして用いて、実施例48を
繰り返した。m−クレゾール中のPVAcの初期濃度は
5%(w/w)であった。全体の導電率のデータを、図
16に示す。スピンキャストフィルムは優れた可視光透
過性を示した。そのスペクトルを図17に示す。PVA
c中に種々の濃度でポリアニリン複合体を含むポリブレ
ンドの導電性透明フィルムを溶液からキャストし得るこ
とを、この実施例は示している。 【0163】(実施例51)ポリカーボネート(PC)
をホストポリマーとして用いて、実施例48を繰り返し
た。m−クレゾール中のPCの初期濃度は4.74(w
/w)であった。ブレンドフィルム中のポリアニリン−
CSA複合体の含有率は、それぞれ62.0%、44.
9%、23.6%、14.0%、7.3%、3.8%、
および2.0%であった。結果として得られた透明の単
独ブレンドフィルムの導電率を、図18こ示す。PCで
のPANi−CSAの導電性ポリブレンドフィルムを溶
液からキャストし得ることを、この実施例は示してい
る。 【0164】(実施例52)ポリ(アクリロニトリル)
(PAN)をホストポリマーとして用いて、実施例47
を繰り返した。室温で撹拌し、PANおよびポリアニリ
ン−CSA複合体をジメチルスルホキシド(DMSO)
中に溶解し、濃度がそれぞれ2%、3.7%の溶液を得
た。結果として得られたブレンドフィルム中のポリアニ
リン−CSA複合体の含有量は、それぞれ31.9.
%、15.6%、8.6%、および4.7%であった。
結果として得られた単独ブレンドフィルムの導電率を、
図19に示す。このフィルムは、PMMAについて図1
2で示した同様の可視領域での優れた透過性を示す。P
ANでのPANi−CSAの導電性ポリブレンドフィル
ムを溶液からキャストし得ることを、この実施例は示し
ている。 【0165】(実施例53)スチロラックス(Styr
olux)(ポリスチレン−ブタジエンのブロックコポ
リマー;BASF)、アロマチックポリエーテルスルホ
ン、テトラメチル−ビス−フェノールAポリカーボネー
ト、ジテル(Zytel)330(アモルファスナイロ
ン;DuPont)、トロアミド(Trogamid)
(アモルファスナイロン;Hulls)ポリビニルピロ
リドン(Polysciencs)、ポリスチレン(P
olysciences)、ポリ(スチレン−アクリロ
ニトリル)(BASF)をホストポリマーとして用い
て、実施例47を繰り返した。結果として得られたブレ
ンドフィルム中のポリアニリン−CSA複合体の含有率
は、8.8%、4.6%、および0.96%であった。
これらすべてのポリマーについて、光学的に透明なフィ
ルムが得られた。単独フィルムの全体の導電率を、表1
3に記載する。スピンキャストフィルムは、図20で示
した同様の透過スペクトルを示す。広範囲のホストポリ
マー中に種々の濃度でポリアニリン複合体を含むポリブ
レンドの導電性透明フィルムを溶液からキャストし得る
ことを、この実施例は示している。 【0166】 【表13】 (実施例54)本発明の物質を用いて、フレキシブルな
LEDを形成した。透明でフレキシブルな、ホール−イ
ンジェクティング電極として使用するために、基板とし
て単独ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィ
ルム上に、導電性エメラルジン塩基の形態の溶液から、
ポリアニリンフィルムをスピンキャストした。基板とし
て使用する前に、PET単独フィルム基板を、アセトン
/イソプロパノール混合体中で煮沸することにより洗浄
し、続いて、80℃で1時間乾燥させた。 【0167】ポリアニリン溶液を、実施例44の方法を
用いて調製し、PET基板フィルム上にスピンコートし
た。 【0168】スピンコートした後、PANi/PET構
造物を60℃で12時間乾燥させた。そして、キシレン
中のMEH−PPVが0.5%(wt/wt)の溶液か
らスピンコートすることにより、ポリ(メトキシヘキシ
ルオキシフェニレンビニレン)(MEH−PPV)の層
で、PANi表面上を被覆した。 【0169】MEH−PPV溶液からのPANiの溶解
の兆候は観察されなかった。PANi−CSA複合体お
よびMEH−PPVの各成分は、それぞれ溶解可能だ
が、それぞれは他を溶解する溶媒には不溶であるよう
に、2成分系を設定した。 【0170】整流および電子注入トップコンタクトとし
て機能するための電気的陽性な金属としてカルシウムを
使用した。10−6トルより低い圧力での真空蒸着によ
り、カルシウムを被覆した。 【0171】MEH−PPV層の被覆、および、LED
装置のすべての物理的測定は、制御された大気ドライボ
ックス中の窒素雰囲気下で行った。PANiへのコンタ
クトは、薄く真空蒸着した金フィルムでなされた。初期
の研究では、金コンタクトは、PANi電極が電流を制
限しないことを確かめるために用いられた。しかしその
後の実験では、銀ペーストまたは単なるワニ口クリップ
を使って透明なPANi電極とコンタクトすることが可
能であることを示した。フレキシブルな「可塑性」LE
Dの構造物の図を、図21に示す。 【0172】約475nmから赤外へ広がる透過性ウイ
ンドウを有しているため、PANi電極は薄緑色をして
いる、。PANi電極の吸光スペクトル(図22)は、
440nmの強い吸光ピーク、および、赤外へ広がる吸
光バンドが、エメラルジン塩形態のポリアニリンの特徴
的特色を示している。半導電性MEH−PPVアクティ
ブ層からの電気発光は、PANi電極の2つの基本の吸
光の間の透過性ウインドウで右方向に向く。 【0173】「可塑性」LEDはフレキシブルで、従来
の伝導体に生じるような壊れを生じることなく、巻きお
よび曲げ(鋭い180°の曲げによりそれ自体の上にた
たむことさえし)得る。この4層構造物の強固な性質
は、PANi/MEH−PPV異質構造物界面コンタク
トとPANi/PETコンタクト(さらには、Ca/M
EH−PPVコンタクト)との優れた機械的接着を、明
確に証している。 【0174】デバイスの電流−電圧(IV)特性(図2
3)は、整流作用を示している。LEDデバイスが光を
放射し始める電圧範囲である1.8Vより上で、ホール
−インジェクティングコンタクトとして導電性PANi
透明フィルムを用いたデバイスを流れる電流は、ホール
−インジェクティングコンタクトとしてITOを用いて
作られたデバイスと、ほとんど同じである。 【0175】本実施例のデバイスの量子効率(入ってく
る電子あたりの出ていく光子)は、約1%である。こり
デバイスにより発せられる光は、低いバイアス電圧(3
−4ボルト)(図24)においてでさえ、通常の部屋の
照明のもとで容易に見られ得る。 【0176】(実施例55)実施例54で用いた、PA
Ni−CSA複合体の透明な導電性フィルムを、多様な
厚さにスピンコートした。厚さおよびそれに従うPAN
i/PET電極の表面比抵抗は、スピン速度、および/
または、PANi溶液の濃度を変化させることによって
制御し得る。これは、3種類の厚さ、および、それに従
う3種類の表面比抵抗値のPANiフィルムの475−
675nmの間の可視光の透過率を示す、図9に見られ
得るように、PANiフィルムの透過率にも影響を与え
る。 【0177】PANiで被覆されたPET電極は、機械
的にフレキシブルおよび強固であり、表面導電性の損失
なしに鋭い前後の曲げの繰り返しに耐え得る。これは、
ITOで被覆されたPET電極が弱く、簡単に裂けて導
電性を損失するのと対照的である。 【0178】導電性PANiフィルムは、p型半導電性
ポリマーと優れたオームコンタクトを作成する。 【0179】(実施例56)以下の手順を用いて、ガラ
スファイバー(直径50ミクロン)上に発光ダイオード
を作成した。 【0180】工程1:ガラスファイバーを洗浄した後、
このファイバーを、m−クレゾール中のポリアニリン/
CSA溶液(実施例44)の中に、約5cmの深さまで
浸した。溶液からファイバーを取り出した後には、ホー
ル−インジェクティングコンタクトとして使用するに適
当なPANi/CSAフィルムが、ファイバーの表面上
に形成された。60℃で1時間、このPANiフィルム
を乾燥した。 【0181】工程2:PANiフィルムの被着したガラ
スファイバーの所定の部分を、実施例54に従って調製
されたMEH−PPVの溶液中にさらに浸した。MEH
−PPV層を形成するためにPANi被覆されたファイ
バーを浸す際に、PANiホール−インジェクティング
電極との電気的コンタクトを容易にするために、若干長
のPANiフィルムを露出して残すように注意した。 【0182】工程3:整流および電子注入トップコンタ
クトとして機能するための電気的陽性金属としてカルシ
ウムを用いた。カルシウムを、10−6トルより低い圧
力で真空蒸着によりファイバー上に被覆した。 【0183】結果として得られたファイバーの端のフレ
キシブルなLEDは、壊れを生じることなく曲げ得る。
デバイスの電流−電圧(I−V)特性は、整流作用を示
している。本実施例のデバイスの量子効率(入ってくる
電子あたりの出ていく光子)は、約1%である。デバイ
スにより発せられる光は、低バイアス電圧(3−4ボル
ト)においてでさえ、通常の部屋の照明のもとで容易に
見られ得る。 【0184】ガラスファイバー上に直接作成されたフレ
キシブルなLEDの特別な特色は、ファイバーの端で明
るい発光が存在するように内部反射によりLEDからの
光が低下することである。 【0185】(実施例58)実施例57のファイバーL
EDを、90℃に加熱した金属ロッド(直径10mm)
と交差するように置いた。ファイバーが熱せられると、
次いでロッド上で屈曲させた。屈曲したLEDを室温に
冷し、その曲がった形状およびその発光特性を保持し
た。 【0186】熱可塑性基板(ロッド、ファイバー、フィ
ルム、シートなど)で支持されたLEDが、ポリマー産
業で使用される通常の熱処理手段により後成形し得るこ
とを、この実施例は示している。 【0187】(実施例59)実施例54のフレキシブル
なLEDに、粘着性の接着剤を用いた。その発光特性を
保持したままの構造物は、屈曲した表面に付着した。 【0188】フレキシブルに屈曲した表面への接着が困
難なラベルや標識などにおける多様な応用に、このフレ
キシブルなLEDが使用できることを、この実施例は示
している。 【0189】(実施例60)電子注入カルシウムコンタ
クトの代わりに、n型として特徴づけられてきた半導電
性ポリマーであるポリキノリンを用いて、実施例54を
繰り返した。ポリキノリンフィルムを、蟻酸中の溶液
(1重量%ポリキノリン)からスピンキャストした。ポ
リキノリンヘの電気的コンタクトは、ポリキノリン層上
に蒸着した金フィルムでなされた。 【0190】MEH−PPVは、p型ポリマーとして特
徴づけられてきたので、結果として得られた構造物はp
nヘテロ接合を形成する。総ポリマーのpnヘテロ接合
は、整流ダイオード(5ボルトバイアスで整流比が10
、2ボルトのターンオーバー電圧、200オームの前
方向の抵抗(線状様式))として電気的に特徴づけられ
た。 【0191】60ボルトを越える電圧の前方向のバイア
スのもとで、発光が見られた。 【0192】フレキシブルなLEDを提供する本発明の
一般的な局面の特定の実施態様を、実施例54−60は
示している。これらのフレキシブルなLEDは、構造物
(それらのすべてはフレキシブルである−−すなわち、
破砕することなく、少なくとも15°は屈曲し得る)中
に以下の層を含んでいる。典型的には(随意ではある
が)、LEDは、固体のフレキシブルで透明なポリマー
支持体を含んでいる。ポリマー支持体は、ポリ(エステ
ル)、ポリ(オレフィン)、ポリ(アラミド)、ポリ
(アクリレート)、メタクリレート、ポリ(カーボネー
ト)などのような、あらゆるフレキシブルなポリマーか
ら広く選択し得る。この支持体の機能は、LEDに構造
形体を加えることである。この支持体は導電性ではな
い。図21において、この層は「PET」として示され
ている。LEDの他の層がそれ自体強固な場合は、この
支持層は除き得る。存在する場合には、この層は、いか
なる厚さでもあり得る。その次の層は、導電性ホール−
インジェクティング電極である。この層は、明細書に記
載したようにPANi物質を含む。これはPANi単独
または他のポリマーとの混合物質でもあり得る。この層
は、低抵抗(例えば、平方(□)あたり300オーム未
満、そして好ましくは平方(□)あたり100未満)で
あり得る。これらの抵抗は、通常約50mmから数(1
0までの)ミクロンの厚さで達成され得る。所望する低
抵抗を達成するために、より厚いまたはより薄い層を用
い得る。この層は、上記明細書に記載したようにキャス
トまたは他の方法で形成し得る。 【0193】PANi層に電気的コンタクトを作成す
る。金以外に電気的コンタクトが機能するあらゆる方法
を使用し得る。 【0194】LED構造物の第3の層は、共役されたポ
リマーから作られた電気発光層である。ここで使用する
共役されたポリマーには、当業者に公知の可溶な共役さ
れたポリマーを含む。これらには、例えば、ポリ(2−
メトキシ,5−(2’エチル−ヘキシルオキシ)−p−
フェニレンビニレン)または「MEH−PPV」、P3
AT類、ポリ(2,5−ジメトキシ−p−フェニレンビ
ニレン)−「PDMPV」およびポリ(2,5−チエニ
レンビニレン)、ポリ(フェニレンビニレン)または
「PPV」およびそれらのアルコキシ誘導体、並びにポ
リアニリンなどのポリ(3−アルキルチオフェン)(こ
こで、上記アルキルは炭素数6から16炭素である)、
を含む。 【0195】共役されたポリマーは、溶液から直接積層
またはキャストされ得る。使用した溶媒は、ポリマーは
溶解するが、続く積層物には影響しないものである。ま
た溶媒は、すでに形成されたPANi層を溶解しないよ
うに選ばなければならない。 【0196】共役されたポリマー溶液のために、典型的
には有機溶媒が使用される。これらの有機溶媒には、メ
チレンクロライド、クロロホルム、およびカーボンテト
ラクロライドなどのハロ炭化水素類、キシレン、ベンゼ
ン、トルエンなどのアロマチック炭化水素類、デカリン
などのその他の炭化水素類などを含み得る。混合溶媒も
同様に使用し得る。水、アセトン、酸のような極性溶媒
なども好適であり得る。これらは、単に代表する例であ
って、溶媒は前記の基準に合う物質から広く選択し得
る。 【0197】PANi層上に共役されたポリマーを積層
するとき、溶液は比較的薄く、例えば、濃度0.1から
20%w、特に0.2から5%wであり得る。50−4
00および100−200nmの厚さのフィルムを使用
する。 【0198】ある実施態様では、共役されたポリマー
は、キャリアポリマーと混合して存在する。 【0199】キャリアポリマーの選択のための基準は以
下の通りである。その物質は、低濃度で機械的にコヒー
レントな電気発光フィルムの形成を行え、そして最終フ
ィルムの形成のための共役されたポリマーを分散または
溶解し得る溶媒中で安定を保持しなければならない。例
えば、非常に高い粘性あるいは著しい総不均一性の形成
などの過程上の困難を軽減するためには、キャリアポリ
マーが低濃度であることが好ましい。しかし、キャリア
の濃度は、コヒーレントな構造物を形成するのに充分な
程度に高くなければならない。好ましいキャリアポリマ
ーは、ポリエチレン、イオソタクチックポリプロピレ
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリスチレンなどのフレ
キシブルな鎖状ポリマーである。当業者により容易に決
められ得る適切な状態のもとで、これらの巨大分子物質
は、水、酸、並びに様々な極性および非極性有機溶媒を
含む多様な液体から、コヒーレントな構造物を形成し得
る。 【0200】キャリアポリマーの選択は、使用する1種
または多種の溶媒と同様、主に共役されたポリマーの融
和性に基づいて行われる。 【0201】キャリアポリマーの初期濃度は、通常、体
積あたり0.1%以上、より好ましくは体積あたり約
0.75%以上から選ばれる。一方、体積あたり90%
を越えるキャリアポリマー濃度を選ぶことは好ましくな
い。なぜなら、これは最終的な共役されたポリマー複合
生成品を弱める効果を有するからである。さらに好まし
い溶液中のキャリアポリマーの濃度は、体積あたり50
%未満である。 【0202】共役されたポリマーおよびキャリアポリマ
ーを積層するための溶媒系もまた同様であり、前の層ま
たはその後の構造物の形成過程に影響し得ない。 【0203】(電子注入コンタクト)共役されたポリマ
ーフィルムのPANi層の反対側に位置するLED構造
物の最終層は、電子注入コンタクトである。これは、低
仕事関数(low workfunction)金属ま
たは合金から作成する(低仕事関数金属は4.3以下の
仕事関数を有する)。典型的な物質には、インジウム、
カルシウム、バリウム、およびマグネシウムが含まれ、
カルシウムが特に好適な物質である。これらの電極は、
当業者に公知の方法(例えば、エバポレート、スパッタ
リング、または電子ビームエバポレーション)を使用し
て供給され、ダイオード構造物中で整流コンタクトとし
て機能する。 【0204】 【発明の効果】本発明によれば、高い導電性で、高度に
加工し得る、コスト上有利な、ポリアニリンをベースと
した導電性ポリマー、ならびにそれから形成された導電
性物品を提供することができる。 【0205】本発明によると、以下の項目1〜46が提
供され、上記目的が達成される。 【0206】(項目1.)効果的にプロトン化し得る量
のプロトン酸を有する混合物中に十分にそれらと混合し
た、フィルムを形成し得る程の分子量のポリアニリンを
有する、非導電性または半導性の基材を含有する、導電
性高分子組成物であって、該プロトン酸の対イオンは該
基材と適合するように官能化され、そして該高分子組成
物に導電性を付与するポリアニリンとの複合体を形成す
る、組成物。 【0207】(項目2.)上記基材が22以下の誘電率
を有し、および該ポリアニリン複合体が約10−3S−
cm−1以上の導電率を有する、項目1に記載の導電性
高分子組成物。 【0208】(項目3.)上記基材が非極性または弱極
性である、項目2に記載の導電性高分子組成物。 【0209】(項目4.)上記基材が官能化した対イオ
ンを溶存する溶媒を含有する、項目2に記載の導電性高
分子組成物。 【0210】(項目5.)上記基材が官能化した対イオ
ンと適合するバルクポリマーである、項目2に記載の導
電性高分子組成物。 【0211】(項目6.)上記基材が、官能化した対イ
オンと適合するバルクポリマーおよび溶媒の両方を含有
する、項目2に記載の導電性高分子組成物。 【0212】(項目7.)少なくとも約10重量%の基
材を含有し、上記ポリアニリンおよび上記官能化された
対イオンを有するプロトン酸を含む連続相を含有するミ
クロ構造を有する、項目2に記載の導電性高分子組成
物。 【0213】(項目8.)十分量のポリアニリンおよび
少なくとも約10−1S−cm−1の導電率を有するプ
ロトン化したポリアニリンを提供するための官能化した
プロトン酸を含有する、項目2に記載の導電性高分子組
成物。 【0214】(項目9.)十分量のポリアニリンおよび
少なくとも約3×10S−cm の導電率を有する
プロトン化したポリアニリンを提供するための官能化し
たプロトン酸を含有する、項目2に記載の導電性高分子
組成物。 【0215】(項目10.)上記ポリアニリンが、以下
の式1で表されるアニリンの重合によって調製されるお
よそ10,000以上の重量平均分子量を有するポリア
ニリンである、項目2に記載の導電性高分子組成物: 【0216】 【化11】 ここで:nは0から4の整数;mは1から5の整数で、
ただしnおよびmの合計は5;Rは同一かまたは各存在
ごとに異なり、アルキル、アルケニル、アルコキシ、シ
クロアルキル、シクロアルケニル、アルカノイル、アル
キルチオ、アリールオキシ、アルキルチオアルキル、ア
ルキルアリール、アリールアルキル、アルキルスルフィ
ニル、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アリ
ール、アリールチオ、アリールスルフィニル、アルコキ
シカルボニル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロ
ゲン、シアノ、または1つまたはそれ以上のスルホン
酸、カルボン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノまたはエポ
キシ部分で置換されたアルキルであり;または、任意の
2つのR置換基が一緒になって、アルキレンまたは3、
4、5、6または7員環の芳香族または脂環式炭素環を
完成するアルケニレン基であり、該環は一つまたはそれ
以上の窒素、硫黄、スルフィニル、スルホニルまたは酸
素の二価のヘテロ原子を含有し得る。 【0217】(項目11.)上記アニリンが置換されて
いないアニリンであり、上記mが5に等しくおよびnが
0である、項目10に記載の導電性高分子組成物。 【0218】(項目12.)上記ポリアニリンが置換さ
れたアニリンから誘導され、上記nが0以上である、項
目10に記載の導電性高分子組成物。 【0219】(項目13.)上記対イオンが次式VI−
VIIである、項目3に記載の導電性高分子組成物: 【0220】 【化12】 ここで:Aはスルホン酸、セレン酸、ホスホン酸、カル
ボン酸、硫酸水素塩、セレン酸水素塩、またはリン酸水
素塩;n*は0から5の整数;m*は1から4の整数
で、ただしn*およびm*の合計は5;Rは、アルキ
ル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキル
チオ、アルキルチオアルキルであって、5からおよそ2
0までの炭素原子を有すもの;または、アルキルアリー
ル、アリールアルキル、アルキルスルフィニル、アルコ
キシアルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボ
ニル、カルボン酸であって、ここで該アルキルまたはア
ルコキシは、0からおよそ20までの炭素原子を有すも
の;または、1つまたはそれ以上のスルホン酸、カルボ
ン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジアゾ、またはエポ
キシ部分で置換された3からおよそ20までの炭素原子
を有すアルキル;または、置換された、または置換され
ていない3、4、5、6または7員環の芳香族または脂
環式炭素環であって、該環は、1つまたはそれ以上の窒
素、硫黄、スルフィニル、スルホニルまたは酸素の二価
のヘテロ原子を含有し得る、例えばチオフェニル、ピロ
リル、フラニル、ピリジニルであり;または、多数のA
単位が付加したポリマー骨格。 【0221】R*は同一かまたは各存在ごとに異なり、
アルキル、アルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、
シクロアルケニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリ
ールオキシ、アルキルチオアルキル、アルキルアリー
ル、アリールアルキル、アルキルスルフィニル、アルコ
キシアルキル、アルキルスルホニル、アリール、アリー
ルチオ、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニ
ル、アリールスルホニル、カルボン酸、ハロゲン、シア
ノ、または1つまたはそれ以上のスルホン酸、カルボン
酸、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ジアゾまたはエポキシ
部分で置換されたアルキルであり;または、任意の2つ
のR置換基が一緒になって、3、4、5、6または7員
環の芳香族または脂環式炭素環を完成させるアルキレン
基またはアルケニレン基、またはそれらの複合であっ
て、該環またはその複合は、1つまたはそれ以上の窒
素、硫黄、スルフィニル、スルホニルまたは酸素の二価
のヘテロ原子を含有し得る。 【0222】(項目14.)Aがスルホン酸である、項
目13に記載の導電性高分子組成物。 【0223】(項目15.)m*が4であり、およびn
*が1であり、および対イオンがR*を含有し、ここで
R*は同一かまたは各存在ごとに異なり、2からおよそ
14までの炭素原子を有する、アルキル、アルケニルま
たはアルコキシであって、1つまたはそれ以上のカルボ
ン酸、ハロゲン、ニトロ、シアノまたはエポキシ部分で
置換されたアルキルである、項目14に記載の導電性高
分子組成物。 【0224】(項目16.)ポリアニリン、および、ス
ルホン酸HOSO−R、ここでRは、C
12−、C17−、C17−、4−ドデシル−
ベンゼン、(L,D)−10−カンホル−、エチルベン
ゼン−、0−アニシジン−5−、p−クロロベンゼン
−、ヒドロキシベンゼン−、トリクロロベンゼン−、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−、4−
ニトロトルエン−2−、ジノニルナフタレン−、4−モ
ルホリンエタン−、および2−{[トリス(ヒドロキシ
メチル)メチル]アミノ}−1−エタン−からなる群か
ら選択される;およびC17COOH、ビス(2−
エチルヘキシルリン酸水素)、および5から95重量パ
ーセントの量で該ポリアニリンと複合体を形成し、およ
そ10−8S−cmと同じか、それより大きな導電率を
有するジフェニルリン酸水素からなる群から選択され
た、1つまたはそれ以上の非プロトン酸を含有する、項
目13に記載の導電性高分子組成物。 【0225】(項目17.)ポリアニリン、および、5
から95重量パーセントの量で上記ポリアニリンと複合
体を形成するドデシルベンゼンスルホン酸を含有し、お
よそ10−8S−cm−1と同じかまたはそれより大き
い導電率を有する、項目14に記載の導電性高分子組成
物。 【0226】(項目18.)4−ヘキシルオキシフェノ
ール、3−ペンタデシルフェノール、ノニルフェノー
ル、4−ドデシルレソルシノール、4−(tert−オ
クチル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、
2,6−ジメチルフェノール、メチルp−トルエンスル
ホネート、エチルp−トルエンスルホネート、n−ヘキ
シルp−トルエンスルホネート、エチルドデシルベンゼ
ンスルホン酸イソプロピルアミンアルキルアリールスル
ホネート、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1
−ドコサノール、次の化学式のエトキシラート CH(CHCH(OCHCHOH、
ここでx=10−14、n=1.3;x=6.8、n=
1.0;x=10−12、n=3;x=6−8、n=
2;ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、アルファ
(ノニルフェノキシ)−ω−ヒドロキシ、および硫酸化
アルキルアルコールエトキシラ−トアンモニウム塩から
なる群から選択される可塑剤を含有する項目2に記載の
導電性高分子組成物。 【0227】(項目19.)加工し得る液状導電性高分
子組成物であって、上記基材が溶解状、融解状、あるい
は液状のバルクポリマーまたはプレポリマーを含有す
る、項目2に記載の導電性高分子組成物。 【0228】(項目20.)上記基材が付加的に液状溶
媒および/または可塑剤を含有する、項目19に記載の
加工し得る液状導電性高分子組成物。 【0229】(項目21.)上記溶媒が有機溶媒であ
る、項目20に記載の加工し得る液状導電性高分子組成
物。 【0230】(項目22.)上記溶媒の誘電率が約22
より小さく、ここで、上記溶媒がおよそ5からおよそ1
2までの炭素原子を有するアルカンおよびアルケン、鉱
物油、芳香族化合物、ハロゲン化芳香族化合物、ハロゲ
ン化アルカン、および脂肪族アルコール、4からおよそ
12までの炭素原子を有するアルキルエーテルおよびケ
トン、シクロアルカン、シクロアルケン、四塩化炭素、
二硫化炭素、クロロホルム、ブロモホルム、ジクロロメ
タン、モルホリン、アニリン、アルキルベンゼン、キシ
レン、トルエン、デカヒドロナフタレン、スチレン、ベ
ンジルアルコール、ナフタレン、フェノール類、および
クレゾール類からなる群から選択される、項目21に記
載の加工し得る液状導電性高分子組成物。 【0231】(項目23.)上記可塑剤が4−ヘキシル
オキシフェノール、3−ペンタデシルフェノール、ノニ
ルフェノール、4−ドデシルレソルシノール、4−(t
ert−オクチル)フェノール、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェノール、3,4−ジメチルフ
ェノール、2,6−ジメチルフェノール、メチルp−ト
ルエンスルホネート、エチルp−トルエンスルホネー
ト、n−ヘキシルp−トルエンスルホネート、エチルド
デシルベンゼンスルホン酸イソプロピルアミンアルキル
アリールスルホネート、1−ドデカノール、1−トリデ
カノール、1−ドコサノール、次の化学式のエトキシラ
ート CH(CH)xCH(OCHCHOH、
ここでx=10−14、n=1.3;x=6.8、n=
1.0;x=10−12、n=3;x=6−8、n=
2;ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、アルファ
(ノニルフェノキシ)−ω−ヒドロキシ、および硫酸化
アルキルアルコールエトキシラートアンモニウム塩から
なる群から選択される、項目20に記載の加工し得る液
状導電性高分子組成物。 【0232】(項目24.)上記ポリマーが、ポリエチ
レン類、イソタクチックポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ(エチルビニルアセテート)、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、エチレン−ビニレン共重合体類、
ポリ(塩化ビニル)、エチレン−プロピレン共重合体
類、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリカーボネート
類、ポリ(エチレンテレフタラート)、アクリロニトリ
ルのホモ重合体類および共重合体類、ポリ(ブチレンテ
レフタラート)、ナイロン12、ナイロン8、ナイロン
6、ナイロン6.6、ナイロン4.6、非晶質ナイロ
ン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルブチラール)お
よびポリ(ビニルピロリドン)からなる群から選択され
る、項目5に記載の導電性高分子組成物。 【0233】(項目25.)項目19に記載の加工し得
る液状導電性高分子組成物であって、該組成物がおよそ
10−8S−cm−1より大きい導電率を有し、10
オーム/平方(□)より小さい表面抵抗および485か
ら675nmのスペクトル範囲で60%以上の面積透過
率を有する、透明導体に固体化し得る、組成物。 【0234】(項目26.)上記基材が融解状または液
状のバルクポリマーを含有する、項目25に記載の加工
し得る液状導電性高分子組成物。 【0235】(項目27.)上記基材が液状溶媒および
/または可塑剤を含有する、項目25に記載の加工し得
る液状導電性高分子組成物。 【0236】(項目28.)上記基材が溶媒、および、
融解状または液状のバルクポリマーを含有する、項目2
5に記載の加工し得る液状導電性高分子組成物。 【0237】(項目29.)上記基材が22より小さい
誘電率を有し、上記溶媒が、およそ5からおよそ12ま
での炭素原子を有するアルカンおよびアルケン、鉱物
油、芳香族化合物、ハロゲン化芳香族化合物、ハロゲン
化アルカン、および脂肪族アルコール、4からおよそ1
2までの炭素原子を有するアルキルエーテルおよびケト
ン、シクロアルカン、シクロアルケン、四塩化炭素、二
硫化炭素、クロロホルム、ブロモホルム、ジクロロメタ
ン、モルホリン、アニリン、アルキルベンゼン、キシレ
ン、トルエン、デカヒドロナフタレン、スチレン、ナフ
タレン、フェノール類、クレゾール類、ベンジルアルコ
ール、エポキシ類、およびアクリラート類からなる群か
ら選択される、項目28に記載の加工し得る液状導電性
高分子組成物。 【0238】(項目30.)官能化したプロトン酸が2
2と等しいかまたはそれより小さい誘電率を有す液体で
あり、上記プロトン酸が基材として十分に適している、
項目25に記載の加工し得る液状導電性高分子組成物。 【0239】(項目31.)ポリアニリン、および、該
ポリアニリンと複合体を形成する官能化したプロトン酸
を含有し、およそ10−6S−cm−1と等しいかまた
はそれより大きい導電率および485から675nmの
スペクトル範囲で60%以上の面積透過率を有する、項
目1−18に記載の導電性高分子物質。 【0240】(項目32.)項目1に記載の導電性高分
子化合物であって、10−8S−cm−2より小さい導
電率および室温で22またはそれより小さい誘電率を有
し、効果的にプロトン化し得る量のプロトン酸を有する
混合物中に十分に混合されたフィルムを形成し得る程の
分子量のポリアニリンを有し、該プロトン酸の対イオン
が該基材と適合し、ポリアニリンと複合体を形成し、導
体に、およそ10−8S−cm−2より大きな導電性を
付与し、該導体が、10オーム/平方(□)より小さ
い表面抵抗および485から675nmのスペクトル範
囲で60%以上の面積透過率を有するようにするために
官能化された、有機溶媒、融解状ポリマーおよびオリゴ
マーから選択される基材を含有する流動性の高分子組成
物から形成される透明導体である、組成物。 【0241】(項目33.)上記導体が1000オーム
/平方(□)以下の表面抵抗および475から675n
mのスペクトル範囲で90%以上の透過率を有する、項
目32に記載の透明導体。 【0242】(項目34.)少なくとも10S−cm
−1の導電率を有し、そして、ポリアニリンおよび
(L,D)−10−カンホルスルホン酸を含有する項目
33に記載の透過性導体。 【0243】(項目35.)以下の工程(aおよびb)
を包含する、導電性高分子物品の形成方法: a.ポリアニリン、22以下の誘電率を有する液状有機
溶媒と必要に応じて非導電性、または半導性の基材ポリ
マーを含有する基材、および、上記溶媒および上記の必
要に応じたポリマーと適合する官能化したプロトン酸を
含有する、溶液の形成工程;および b.該溶液から所望の物品の作成後または同時に該溶液
から上記溶媒の全部または一部を除去する工程。 【0244】(項目36.)以下の工程(aおよびb)
を包含する、導電性高分子物質の形成方法: a.ポリアニリン、22以下の誘電率を有する液状有機
モノマーの液状基材、および、該基材と適合し得る官能
化したプロトン酸を含有する溶液の形成工程;および b.該溶液から所望の物品の作成後または同時の該溶液
中でのモノマーの重合工程。 【0245】(項目37.)以下の工程(aおよびb)
を包含する、溶液からの導電性高分子物品の形成方法: a.ポリアニリン、22以下の誘電率を有する溶媒、お
よび、該溶媒および基材ポリマーおよび一つまたはそれ
以上のバルク基材ポリマーと適合し得るように官能化し
たプロトン酸を含有する溶液の形成工程;および b.該溶液から該溶媒の全部または一部を除去し、該導
電性高分子物品を生成する工程。 【0246】(項目38.)以下の工程(aおよびb)
を包含する、非導電性の基材ポリマーを有する固体導電
性高分子物品の形成方法: a.ポリアニリン、該基材ポリマーについての液状有機
モノマー前駆体、および該モノマーと適合し得るように
官能化したプロトン酸溶質を含有する溶液の形成工程;
および b.該固体物品を得るための該モノマーの重合工程。 【0247】(項目39.)以下の工程(aおよびb)
により、基材を用いて、導電性ポリアニリンの導電性物
品を形成する方法: a.ポリアニリン、および熱可塑性ポリマーからなる群
から選択された融解状のポリマー基材中で十分に混合さ
れた官能化したプロトン酸溶質を含有する溶融物の形成
工程;および b.該溶融物の固体化工程。 【0248】(項目40.)項目31−34に記載の透
明電極を包む発光ダイオード。 【0249】(項目41.)ファイバー、ロッド、プロ
フィル、フィルム、コーティング、膜、コンテナー、包
装、およびそれらの使用からなる群から選択された項目
1−18、31−34、および24に記載の物質を包む
電気的導電性物品。 【0250】(項目42.)接着剤、粘着物、インキ、
塗料、スプレー、油、ペーストおよびワックス、および
それらの使用からなる群から選択された項目19−23
および25−30に記載の物質を包む電気的導電性液
体。 【0251】(項目43.)乳化重合により調製された
項目1に記載の導電性高分子組成物。 【0252】(項目44.)項目31に記載の導電性高
分子物質およびフレキシブルな共役されたポリマーを含
有する電界発光層を含有する導電性ホール−インジェク
ティング(hole−injecting)電極を含有
するフレキシブルな発光ダイオード。 【0253】(項目45.)さらに、4.3以下の仕事
関数を有する、電子注入コンタクト(electron
−injecting contact)を含有する、
項目44に記載のフレキシブルな発光ダイオード。 【0254】(項目46.)さらに導電性ホール−イン
ジェクティング電極のコンタクトを保持するフレキシブ
ルなポリマーを含有する項目45に記載のフレキシブル
な発光ダイオード。
【図面の簡単な説明】 【図1A】図1Aは、導電性ポリアニリン−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸(DBSA)総量のアニリン繰り返し
単位に対するモル比の関数としてのキシレン中のDBS
A−プロトン酸複合体の溶液濃度を示したグラフであ
る。 【図1B】図1Bは、導電性ポリアニリン−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸(DBSA)総量のアニリン繰り返し
単位に対するモル比の関数としてのキシレン中のDBS
A−プロトン酸複合体の溶液濃度を示したグラフであ
る。 【図2A】図2Aは、ポリアニリン−DBSA複合体お
よびイソタクチックポリプロピレンを含有するキシレン
溶液から調製されたポリブレンドフィルムの4端子導電
率の、フィルムの組成に対するグラフを示す。 【図2B】図2Bはこポリアニリン−CSA複合体およ
び、ナイロン12またはナイロン4.6を含有するm−
クレゾール溶液から調製されたポリブレンドフィルムの
4端子導電率のフィルムの組成に対するグラフを示す。
白抜きおよび黒塗の記号は、それぞれ、ナイロン12お
よびナイロン4.6を表す。 【図3】図3は、ポリアニリン−DBSA複合体およ
び、超高分子量のポリエチレンを含有するキシレン溶液
から調製されたポリブレンドフィルムの4端子導電率
の、フィルムの組成に対するグラフである。白抜きの記
号は引張っていない、(等方性の)フィルムを;黒塗の
円は延伸比40まで、105℃のホットプレート上で引
張ったフィルムである。 【図4】図4は、ポリアニリン−DBSA複合体およ
び、ポリスチレンまたはポリ(3−オクチルチオフェ
ン)を含有するクロロホルム溶液から調製されたポリブ
レンドフィルムの組成の関数としての、4端子導電率の
グラフである。白抜きおよび黒塗の記号は、それぞれ、
ポリスチレンおよびポリ(3−オクチルチオフェン)を
表す。 【図5】図5は、ポリアニリン−DBSA複合体および
ポリエチレンを含有する溶融物から調製されたポリブレ
ンドフィルムの4端子導電率の、フィルムの組成に対す
るグラフである。白抜きおよび黒塗の記号は、DBSA
のアニリン繰り返し単位(PhN)に対するモル比がそ
れぞれ、0.5、1であったことを表す。 【図6】図6は、ポリアニリン−DBSA複合体および
ナイロン12を含有する溶融物から調製されたポリブレ
ンドフィルムの4端子導電率の、フィルムの組成に対す
るグラフである。DBSAのアニリン繰り返し単位(P
hN)に対するモル比は0.5であった。 【図7】図7は、可塑剤メサモール(Mesamol
l)の存在下または非存在下でのポリアニリン−DBS
A複合体およびポリ(塩化ビニル)を含有する溶融物か
ら調製されたポリブレンドフィルムの4端子導電率のフ
ィルムの組成に対するグラフを示す。白抜きの三角およ
び円は、DBSAのアニリン繰り返し単位(PhN)に
対するモル比がそれぞれ、0.5、1.0の組成物であ
ることを表す。黒塗の円は、組成物のPhN、DBSA
およびメサモールが1:0.5:0.5であることを表
す。 【図8】図8は、ポリアニリン−ジオクチルヒドロゲン
フォスフェート(DOHP)複合体およびポリ塩化ビニ
ルを含有する溶融物から調製されたポリブレンドフィル
ムの4端子導電率のフィルムの組成に対するグラフを示
す。DOHPのアニリン繰り返し単位(PhN)に対す
るモル比は、0.33であった。 【図9】図9は、3種のPANi/CSAフィルムの連
続可視透過率スペクトログラムである; 【図10】図10は、種々のPANi濃度での、PAN
i/CSA/PMMAフィルムの導電率のグラフであ
る; 【図11】図11は、PANi/CSA/PMMAフィ
ルムの連続可視透過率スペクトログラムである; 【図12】図12は、種々の厚みのPANi/CSA/
PMMAフィルムの連続可視透過率スペクトログラムで
ある; 【図13】図13は、PANi/CSA/PMMAフィ
ルムの連続可視透過率スペクトログラムである; 【図14】図14は、PANi/CSA/PMMAフィ
ルムの連続可視透過率スペクトログラムである; 【図15】図15は、種々のPANi濃度での、PAN
i/DBSA/PMMAフィルムの導電率のグラフであ
る; 【図16】図16は、種々のPANi濃度での、PAN
i/CSA/PVAcフィルムの導電率のグラフであ
る; 【図17】図17は、PANi/CSA/PVAcフィ
ルムの連続可視透過率スペクトログラムである; 【図18】図18は、種々のPANi濃度での、PAN
i/CSA/PCフィルムの導電率のグラフである; 【図19】図19は、種々のPANi濃度での、PAN
i/CSA/ポリ(アクリロニトリル)フィルムの導電
率のグラフである;および 【図20】図20は、種々のPANi/CSA/ポリマ
ーフィルムの連続可視透過率スペクトログラムである; 【図21】図21は、本発明のLEDの半略透視図であ
る。 【図22】図22は、本発明のLEDについての波長の
関数としての、吸光度および光ルミネセンスのグラフで
ある。 【図23】図23は、本発明のLBDについてのバイア
ス電圧の関数としての、電流のグラフである。 【図24】図24は、バイアス電圧の関数としての、こ
れらLEDで観察された光強度のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール スミス アメリカ合衆国 カリフォルニア 93105 サンタ バーバラ,アナカパ ストリー ト 2318 (72)発明者 アラン ジェイ. ヒーガー アメリカ合衆国 カリフォルニア 93103 サンタ バーバラ,ラス アルトゥラス ロード 1042 Fターム(参考) 4J002 BB002 BB152 BC022 BG052 CM011 EA017 EA037 EB007 EF006 EV236 EW026 EW126 EW176 FD136 FD202 FD207 4J043 PC13 QB02 RA08 SA02 SA05 SA47 UA121

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 以下: (i) 10,000ダルトンを超える重量平均分子量
    のポリアニリン; (ii) プロトン酸であって、該プロトン酸は、(i
    ii)の基材に可溶性であるように官能化された対イオ
    ンを含み、10−3S−cm−1より高い導電率を有
    す、ポリアニリンと該基材との混合物を形成し、そして
    以下の式VI〜VII: 【化1】 ここで:Aはスルホン酸、セレン酸、ホスホン酸、カル
    ボン酸、硫酸水素塩、セレン酸水素塩、またはリン酸水
    素塩;n*は0から4の整数;m*は1から5の整数
    で、ただしn*およびm*の合計は5;Rは、アルキ
    ル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキル
    チオ、アルキルチオアルキルであって、5から20まで
    の炭素原子を有すもの;または、アルキルアリール、ア
    リールアルキル、アルキルスルフィニル、アルコキシア
    ルキル、アルキルスルホニル、アルコキシカルボニル、
    カルボン酸であって、ここで該アルキルまたはアルコキ
    シは、1から20までの炭素原子を有すもの;または、
    1つまたはそれ以上のスルホン酸、カルボン酸、ハロゲ
    ン、ニトロ、シアノ、ジアゾ、またはエポキシ部分で置
    換された3から20までの炭素原子を有すアルキル;ま
    たは、置換された、または置換されていない3、4、
    5、6または7員環の芳香族または脂環式炭素環であっ
    て、該環は、1つまたはそれ以上の窒素、硫黄、スルフ
    ィニル、スルホニルまたは酸素の二価のヘテロ原子を含
    有し得る、例えばチオフェニル、ピロリル、フラニル、
    ピリジニルであり;またはA単位が付加したポリマー骨
    格、 R*は同一かまたは各存在ごとに異なり、アルキル、ア
    ルケニル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケ
    ニル、アルカノイル、アルキルチオ、アリールオキシ、
    アルキルチオアルキル、アルキルアリール、アリールア
    ルキル、アルキルスルフィニル、アルコキシアルキル、
    アルキルスルホニル、アリール、アリールチオ、アリー
    ルスルフィニル、アルコキシカルボニル、アリールスル
    ホニル、カルボン酸、ハロゲン、シアノ、または1つま
    たはそれ以上のスルホン酸、カルボン酸、ハロゲン、ニ
    トロ、シアノ、ジアゾまたはエポキシ部分で置換された
    アルキルであり;または、任意の2つのR置換基が一緒
    になって、3、4、5、6または7員環の芳香族または
    脂環式炭素環を完成させるアルキレン基またはアルケニ
    レン基であって、該環は、1つまたはそれ以上の窒素、
    硫黄、スルフィニル、スルホニルまたは酸素の二価のヘ
    テロ原子を含有し得る、プロトン酸; (iii) 有機溶媒、バルクポリマー、またはそれら
    の混合物より選択される基材であって、該基材は液体で
    あるか、または溶融することにより液体にされ得、そし
    て10−8S−cm−1より低いバルク導電率および室
    温で22より小さい誘電率を有する、基材、を含有し、
    ここで、該ポリアニリンが該プロトン酸と混合された状
    態である、導電性高分子組成物。
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