JP2003176116A - 炭素からなる骨格を持つ大型の薄膜状粒子 - Google Patents

炭素からなる骨格を持つ大型の薄膜状粒子

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JP2003176116A
JP2003176116A JP2001374537A JP2001374537A JP2003176116A JP 2003176116 A JP2003176116 A JP 2003176116A JP 2001374537 A JP2001374537 A JP 2001374537A JP 2001374537 A JP2001374537 A JP 2001374537A JP 2003176116 A JP2003176116 A JP 2003176116A
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Masukazu Hirata
益一 平田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素からなる骨格を持つ大型の薄膜状粒子を
提供する。 【解決手段】 黒鉛の酸化処理において、層の分離を促
進し、同時に各層内部の分解を防止することで、厚さが
0.4nm〜10μm、平面方向の広がりが500μm
以上であり、比誘電率が15以上の液体に親液性のあ
る、独立形状を持つ酸化黒鉛の薄膜状粒子を得る。ま
た、それを還元して黒鉛類似の薄膜状粒子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素からなる骨格
を持つ大型の薄膜状粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、形状の異方性が高い物質の探索と
その応用が急速に進行している。炭素原子を骨格とする
異方性形状の物質としては、1次元では黒鉛繊維やそれ
が特に細くなった炭素ナノチューブが知られており、2
次元では黒鉛、フッ化黒鉛、酸化黒鉛などが知られてい
る。これらのうち、黒鉛、フッ化黒鉛、酸化黒鉛はいず
れも2次元的な基本層が積み重なった多層構造体であ
り、一般に層数の非常に多いものが知られている。さら
に、酸化黒鉛については、層数の少ない非常に薄いもの
も作られており(例えば、N.A.Kotov et al.,Adv.Mate
r.,8,637(1996))、本発明者も先に、そのような酸化黒
鉛(層数が1枚の場合は例えば酸化グラフェンと呼ぶこ
とが望ましい)の薄膜状粒子を高収率で製造する方法を
見出すと共に、それを還元して層数の非常に少ない黒鉛
(層数が1枚の場合はグラフェンと呼ぶことが望まし
い)類似の薄膜状粒子を得ている(特願2000−27
7307)。
【0003】ここで、酸化黒鉛の基本層は、炭素原子1
個分または2個分の厚さの炭素骨格(sp3炭素とsp2
炭素からなり、前者が多い)と、その骨格の両側の面に
酸性の水酸基などが結合した構造を持つと考えられてい
る(例えば、T.Nakajima etal.,Carbon,26,357(1988);
M.Mermoux et al.,Carbon,29,469(1991))。炭素骨格の
厚さが炭素原子1個分で、その両側の面に水酸基などが
あり、層間の水が極めて少ない場合には、基本層の厚さ
は0.61nmである。また、酸化の程度が高く、よく
乾燥された場合、酸化黒鉛に含まれる酸素は40wt%
程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これまでの
製造方法では、平面方向の大きさが通常で数十μm、大
きくても500μm未満程度の薄膜状粒子しか得られ
ず、微細加工部分を含む炭素系の各種電子デバイスなど
への展開のためには、より広い連続した層(単層または
多層)からなる大型の薄膜状粒子が望ましいと考えられ
た。本発明の目的は、このような大型の薄膜状粒子を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために、原料として大型で結晶性の高い黒鉛
を用いると共に、合成(酸化と精製)途中の平面方向の
分解を極力抑制することで、その平面方向の大きさをで
きるだけ維持したままで層の分離を進めて、酸化黒鉛の
大型の薄膜状粒子を得た。さらに、その薄膜状粒子を還
元して、黒鉛類似の大型の薄膜状粒子を得た。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜状粒子の原料には、
層構造が発達した結晶性の高い黒鉛が望ましい。このよ
うな黒鉛は、各基本層が大きく、また隣接している2つ
の基本層の間を繋ぐシグマ結合の存在頻度が極めて低い
ために、酸化反応の後で薄膜状粒子に分離し易い。逆
に、層構造が未発達で結晶性の低い黒鉛では、酸化は生
じるが、層の分離が極めて悪い。より具体的には、粒子
内部の最も広い基本層の直径が粒子の直径にほぼ等し
く、粒子全体で単一の多層構造を持つ黒鉛が望ましい。
このような黒鉛として、天然黒鉛(特に良質なもの)、
キッシュ黒鉛(特に高温で作られたもの)、高配向性熱
分解黒鉛が知られている。天然黒鉛とキッシュ黒鉛の各
基本層はほぼ単一の方位を持つ単独の結晶(グラフェ
ン:黒鉛の単層分)であり、高配向性熱分解黒鉛の各基
本層は異なる方位を持つ数十μm以下の多数のグラフェ
ンのモザイク状の集合体である。本発明ではこれらの黒
鉛のうち、特に大きなものを原料に用いる。
【0007】黒鉛の基本層や基本層の内部の微小部分の
大きさは、X線回折におけるピーク形状、走査型電子顕
微鏡による電子チャネリングコントラスト像の観察、偏
光顕微鏡観察などで推定することができる。また、他の
指標として、例えば電気抵抗が約10-6Ωm以下となる
ことも目安になる。しかし、それらの指標は層の分離の
可能性を示すのみであるため、実際には対象となる黒鉛
原料を用いて酸化と精製を行い、多層構造の分離を確認
することが望ましい。
【0008】黒鉛中の金属元素などの不純物は、予め約
0.5%以下に除去されていることが望ましい。不純物
が多いと、多層構造の分離が阻害される可能性がある。
【0009】黒鉛のa軸とb軸の作る平面方向の大きさ
は、生成する薄膜状粒子の平面方向の大きさに反映され
るため、合成したい薄膜状粒子の大きさで選択すればよ
い。ただし、平面方向の大きさが大きくなるにつれて、
酸化に要する時間が長くなる。また、生成する薄膜状粒
子の平面方向の形状を例えば正方形のように規定したい
場合には、黒鉛原料の段階で予め正方形に切断しておい
てもよい。ただし、切断の際には、結晶の方位を認識し
ておく必要がある。
【0010】本発明における黒鉛の酸化には、公知のBr
odie法(硝酸、塩素酸カリウムを使用)、Staudenmaier
法(硝酸、硫酸、塩素酸カリウムを使用)、Hummers-Of
feman法(硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウ
ムを使用)などが利用できる。これらのうち、特に酸化
が進行するのはHummers-Offeman法(W.S.Hummers eta
l.,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958);米国特許No.279887
8(1957))であり、本発明でもこの酸化方法が特に推奨
される。
【0011】これらの黒鉛の酸化方法では、まず、酸化
剤のイオンが黒鉛の層間に侵入し、層間化合物を生成す
る。Hummers-Offeman法の場合には、酸化性の酸素酸イ
オン(主に硝酸イオン、過マンガン酸イオン)と水素イ
オンが関与する反応により黒鉛の電子が引き抜かれ、正
の帯電した黒鉛の各層の間に酸素酸イオン(主に硫酸水
素イオン)が侵入して層間化合物を形成する(例えば、
岩下哲雄ら,日本化学会誌,12,1412(1992))。その後、
水を加えることで、層間化合物が加水分解されて、酸化
黒鉛となる。これらの反応のうち、層間化合物の生成
は、特に時間を要し、黒鉛の粒径に依存する。そのた
め、黒鉛のa軸とb軸の作る平面の大きさにより酸化剤
と共存させる時間を変化させ、黒鉛粒子の内部にできる
だけ酸化剤のイオンを侵入させておくことが望ましい。
本発明者が調べたところ、Hummers-Offeman法の場合に
は、20℃付近において、1時間当たり約10μm以上
のイオンの侵入が認められたことから、黒鉛のa軸とb
軸の作る平面方向の長さ10μm当たりで少なくとも3
0分以上、できれば3時間以上の酸化時間で、黒鉛を酸
化することが望ましい。このような長時間の酸化では、
層間化合物を生成してもさらに酸素酸イオンの侵入が続
くために、部分的に層の分離が生じる。
【0012】本発明における黒鉛の酸化には、前記の化
学的な酸化の他に、電気化学的な酸化を用いることも可
能である(例えばT.Nakajima et al.,Carbon,32,469(19
94)、この文献における酸化剤は過塩素酸)。この場
合、電極反応で黒鉛の電子が引き抜かれることで、層間
化合物が形成される。
【0013】酸化の途中の段階では、酸化された領域の
層間は拡がり(さらに部分的に層が分解する)、未酸化
の領域の層間は拡がっていないため、両領域の変形の程
度が異なる状態が続く。厚い(c軸方向の厚さが大き
い)黒鉛を用いると、両領域の境界付近において、厚さ
方向の中央部分が両側の周辺部分から圧迫されるため
か、その中央部分で酸素酸イオンの侵入が遅くなり、酸
化が進行しにくくなる。逆に、黒鉛のc軸方向の厚さが
小さいほど酸化が進行し易い。このため、原料黒鉛の望
ましい厚さは300μm以下、できれば100μm以下
となる。原料黒鉛が厚い場合には予め劈開させて薄くし
ておけばよい。
【0014】大型の生成物を得る場合には、大型の原料
黒鉛を用いるだけでなく、その反応中に原料黒鉛の平面
方向の破壊が最小限となるようにして、酸化反応を進め
る必要がある。具体的には、反応中の撹拌をできるだけ
行わず、生成物に加わる力を極めて少なくする。また、
少ない撹拌でも局所的に酸化剤が不足しないように、黒
鉛に対して酸化剤を過剰で用いることが望ましい。さら
に、発生する気体を含んだ酸化途中の黒鉛が反応液に浮
かぶことから、液面の広くなる浅い容器を用いることが
望ましい。
【0015】以上の黒鉛の酸化方法では、反応液中に残
存する酸化剤または酸化剤が分解されて生じるイオンや
イオン由来の成分を除去して精製する必要がある。公知
の酸化方法では、この精製を水やアルコールなどによる
洗浄で行っている。本発明では、この精製段階におい
て、反応液中または層間に残って層の分離を妨害する可
能性のある成分をより積極的に除き、薄膜状粒子への分
離を促進する。すなわち、液中に共存する分散媒以外の
低分子や小さなイオンを可能な限り除くことで、酸化黒
鉛の各層に存在する酸性の水酸基のイオン解離度を高
め、イオン性の大型粒子と見なせる各層の間の静電的反
発を強めることで、多層構造の分離を促進する。
【0016】本発明者が調べたところ、例えば酸化黒鉛
の濃度約1wt%以下において、硫酸の濃度が約0.0
5wt%以下になると、多層構造の分離が急速に進行し
ていた。硫酸のイオン解離を1段までとして計算する
と、反応液中の酸化黒鉛由来(酸化黒鉛のイオン解離で
生じる水素イオンを含む)以外の小さなイオンの濃度は
約10mol/m3以下となる。そこで、この濃度以下
となるように生成物を精製することが望ましく、一般に
この精製を進めるほど層の分離が進行する。具体的に
は、水を加えてから、小さなイオンと共に水を除く。用
いる水は高純度のものが望ましい。
【0017】他方、イオン性の大型粒子である各層の分
離を進めるためには、精製時の液中の酸化黒鉛粒子の濃
度を低くして、各層のイオン解離度を高めることも重要
である。そこで、水を加えて粒子を均一に分散させた段
階の酸化黒鉛の濃度を約5wt%以下、より望ましくは
1wt%以下とする。
【0018】ここで、特に大きい薄膜状粒子では、分散
媒に対する親液性(分散性など)は十分であるが、静電
的反発の影響よりも重力の影響が大きくなるため、基本
的に沈降気味の粒子を含む液になる。しかし、これも分
散液と呼ぶことにする。
【0019】Hummers-Offeman法では、通常、加水分解
後に過酸化水素を加えて過マンガン酸イオンをマンガン
(IV)イオンに分解してから水で洗浄して、他の硫酸イオ
ンやカリウムイオンなどと共に除去する(W.S.Hummers
et al.,J.Am.Chem.Soc.,80,1339(1958))。しかし、中
性になるとマンガンイオンの溶解性が低下し、マンガン
の水酸化物などとなって層間に残存する可能性がある。
そこで、水による洗浄の前に、硫酸水溶液または硫酸と
過酸化水素の混合水溶液で十分に洗浄することが望まし
い。
【0020】具体的な洗浄による精製操作には、デカン
テーション、濾過、遠心分離、透析、イオン交換などの
公知の手段を用いればよい。ここで、原料黒鉛の粒子径
が小さいほど、また、層の分離が進んで薄膜状粒子が増
えるほど、さらには、小さなイオンなどの除去が進むに
つれて、薄膜状粒子の単位体積当たりの電荷が増す。そ
の結果、粒子間の反発が強くなり、また、分散媒を保持
(水であれば水和)する程度も高くなるため、いずれの
精製操作も困難になっていく。この場合、精製効率の比
較的高い操作は遠心分離、透析、イオン交換であり、特
に比較的短時間で精製可能な操作は遠心分離である。他
方、デカンテーションや濾過は、沈降が遅いことや薄膜
状粒子による閉塞により、薄膜状粒子の直径が小さくな
るほど困難となる。なお、粒子間の反発を一時的に低下
させるために、誘電率の低い他の溶媒の使用や塩析など
を適宜組み合わせてもよい。
【0021】大型の薄膜状粒子の精製の場合には、沈降
が速く、特に液を減らさなければ濾過における閉塞も小
さな粒子の場合ほどは生じないため、上記の全ての精製
手段が使用できる。しかし、薄膜状粒子の平面方向の破
壊を防ぐためには、撹拌を最小限にして、薄膜状粒子に
かかる力を少なくする必要がある。この点から、精製手
段としてデカンテーション、遠心分離(ただし緩やか
に)、透析、イオン交換が望ましい。これらの中でも、
特に容易な操作はデカンテーションであり、大型の薄膜
状粒子を入れた容器の中の液を順次交換することで精製
が可能となる。その際、薄膜状粒子と液の分離に例えば
粗めの網を用いると分離が容易になる。ここで、薄膜状
粒子が多層の場合には、薄膜状粒子が大きいほど、その
内部からのイオンの拡散に時間を要するため、精製時の
放置時間を長くする必要がある。
【0022】精製時において、多層構造の分離は自発的
に生じる。これに加えて、小さなイオンと共に水を除い
た後で、再度水を加える際に、多少の撹拌効果が加わる
ため、分離がさらに促進される。ここで、超音波照射な
どの積極的な攪拌も層の分離を促進するが、大きな各層
も破壊されるため、大型の薄膜状粒子の場合には用いな
いことが望ましい。
【0023】以上のように精製することで、多くの粒子
内部で層の分離が進むが、多層構造の分離が不十分な、
薄膜状でない粒子もわずかに残存する。これは、原料中
の不純物(分離困難な黒鉛や他の無機物)や、酸化時と
精製時に混入した異物などである。これらは一般に沈降
し易いため、精製時にデカンテーションや極めて緩やか
な遠心分離で除くことが可能である。また、薄膜状でな
い粒子が極めて少ない場合は、直接選んで薬さじやピン
セットなどで除くことが可能である。
【0024】以上の操作で、多くの粒子内部で層の分離
が進む。他方、分離していない層同士の部分でも分離の
可能性が高まるが、大きな粒子であるために粒子内部の
層間に水素結合などが数多く存在し、実質的には短時間
での分離が困難になっている可能性がある。そこで、さ
らに層の分離を促進する方法としては、精製の終了した
分散液を希釈してから、さらに分散媒の分子運動や薄膜
状粒子の運動を強めることが考えられる。具体的には、
分散液への加熱などがある。加熱では、イオン解離度が
高まることも期待できるが、特に高温の場合に粒子が部
分的に還元される可能性があるので、あまり高温にしな
いことが望ましい。具体的には50〜150℃となる。
【0025】さらに層の分離が進んだ粒子を選択的に得
るには、分散性の違いにより分別すればよい。例えば、
デカンテーションや比較的緩やかな遠心分離を行い、非
沈降部分を用いればよい。
【0026】大型の薄膜状粒子の場合には、個々の粒子
を識別して、層の分離が進んだ粒子を選択することが可
能である。その際には、粒子の厚さによって光の透過率
が変化する(厚さが薄いほど透明になる)ことを用いれ
ばよい。
【0027】以上の各操作により、大型の薄膜状粒子が
水に分散した分散液が完成する。
【0028】この薄膜状粒子の分散液は、一般的な酸化
黒鉛と同様、高濃度のままで乾燥させると、多数の粒子
が凝集し、再度の分散が困難となる。そこで、この薄膜
状粒子を具体的な目的に用いる場合には、その保存を含
めてできるだけ分散液のままで扱うことが望ましい。
【0029】分散液のままで用いる場合、用途によって
は水以外の分散媒が望ましいことがある。その場合に
は、前記の精製の途中で他の分散媒を用いるか、精製後
に分散液を遠心分離やデカンテーションなどで濃縮して
水を減らしてから、他の溶媒を加えて混合後に遠心分離
やデカンテーションなどで濃縮することを繰り返して、
分散媒を交換すればよい。ここで、薄膜状粒子は極性が
高いため、誘電率の高い極性の分散媒との親和性が高
く、そのような分散媒を用いれば薄膜状粒子の凝集が少
ない。具体的には、メタノール、エタノール、アセト
ン、2−ブタノンなどの比誘電率で約15以上の高極性
の分散媒が望ましい。また、分散媒の交換の際に、2種
の分散媒同士の相溶性がよくない場合には、それら2種
の分散媒の両方に相溶性のよい第3の分散媒を経由して
交換してもよい。
【0030】本発明で得られる薄膜状粒子に電子物性な
どを期待する場合には、この薄膜状粒子を還元し、黒鉛
類似のsp2結合主体の電子状態にして、電気伝導性を
高めることが望ましい。還元には還元剤を用いる各種の
公知の還元反応や電極反応(電解還元)が利用可能であ
るが、特に還元剤を用いる場合には、基本層まで分解で
きていないと、多層粒子の内部までの完全な還元は困難
であると考えられる。他方、酸化黒鉛の一般的挙動とし
て、加熱により多層内部まで黒鉛類似の構造にすること
が可能であり、複数の粒子が凝集した状態で加熱すれ
ば、多層粒子内部の層間や複数の粒子間に分子間力が生
じて、通常の黒鉛フィルムなどの巨視的な形状の付与も
可能であることが知られている(J.Maire et al.,Carbo
n,6,555(1968))。本発明の薄膜状粒子は、同様の加熱
により黒鉛類似の構造にすることで、単独の薄膜状黒鉛
粒子、またはそれが複数個で平面状に凝集したより大き
な膜状構造体とすることが可能である。
【0031】ここで、薄膜状粒子が完全に還元されれ
ば、各基本層はほぼ黒鉛の基本層(グラフェン)にな
る。多層の場合には、層間距離はほぼ黒鉛の層間距離に
一致するが、各層の相互位置関係は黒鉛のそれよりも少
し乱れた乱層気味の構造となる。また、複数の薄膜状粒
子を単純に重ねた場合、それらの平面方向の相互位置関
係は、非常に乱れた(ほとんどランダムな)乱層構造と
なり、広い範囲に重ねた場合にはさらに複数の粒子の間
に隙間のある構造となる。ただし、大型の薄膜状粒子で
あれば、方位を揃えて複数の粒子を重ねることや並べる
ことも比較的容易である。
【0032】他方、薄膜状粒子の還元の程度は、必ずし
も完全である必要は無く、電子物性などが安定して利用
可能であれば、部分還元でもよい。この場合には、各基
本層は酸素などを含み、多層であればその層間距離は黒
鉛の層間距離よりも大きくなる。
【0033】加熱による還元は、特に200℃付近で急
激に生じ、さらに非酸化性の雰囲気下や真空中では10
00℃以上まで緩やかに進行する。他方、空気中では6
00℃以下で焼失するため、部分的な還元のみが可能で
ある。加熱による還元の際には、水、酸素、炭素化合物
などの脱離が生じる。
【0034】具体的な利用に際しては、例えば薄膜状粒
子を高耐熱性の適当な基板に乗せて、加熱により還元
し、得られた薄膜状黒鉛粒子を各種のエッチング方法な
どにより所定の形状に加工すればよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。
【0036】実施例1 ビーカーに硫酸(純度96%)276.6gと撹拌子を
入れ、撹拌しながら硝酸ナトリウム(純度99%)3.
4gを加え、さらにこの液を氷水を入れた水浴で冷却し
ながら、過マンガン酸カリウム(純度99%)20.0
gを約2時間で徐々に加えた。冷却を終了し、さらに4
時間撹拌してから、撹拌子を取り出した。この酸化剤混
合液の中に、高配向性熱分解黒鉛(Advanced Ceramics
Corporation製、STM−1、純度99.99wt%以
上、約3000℃の加熱で製造したもの、平面方向の大
きさ12mm×12mm、厚さ2mm)を入れ、撹拌せ
ずに室温(約10〜20℃)で放置した。以上の各工程
では、できるだけポリ塩化ビニリデンのフィルム(内
側)とアルミニウム箔(外側)で蓋をして、水分の侵入
を防止した。
【0037】放置中に反応が進行し、黒鉛は複数に分
裂、さらに膨潤して、液面を覆うようになった。この生
成物を均一に拡げるため、また、副生するマンガンの酸
化物をできるだけ沈めるため、放置中に2回、ビーカー
を手に持って緩やかに振とうした。
【0038】72日後に、薬さじを用いて、生成した反
応物の約1/3を3wt%硫酸/1wt%過酸化水素の
混合水溶液(希釈用の水には伝導度0.1μS/cm未
満のものを用いた(以下同じ))1000cm3の中に穏
やかに移した。生成物の約95%はさらに多数に薄く分
裂し、透明な薄膜状粒子になった。他方、生成物の約5
%は、その中央の部分が分裂せず黒色のままであった。
生成した薄膜状粒子は、大部分が5mm×5mm以下、
平均3mm×3mm程度であった。それらの粒子の輪郭
は、ほとんどが不定形で、一部に元の黒鉛の輪郭に由来
する直線部分を含んでいた。また、わずかに12mm×
12mmの大きさの粒子が存在したが、少しひびが入っ
ていた。
【0039】この液から、4mm×4mm程度の薄膜状
粒子5枚をわずかな液ごと薬さじで取り出して、3wt
%硫酸/1wt%過酸化水素の混合水溶約液100cm
3の中に入れた。約30分以上放置してから液を流して
新しい混合水溶液を加えることを10回繰り返して、マ
ンガンイオンなどを除いた。次に、液を水に替えて、同
様に10回交換して、硫酸などを除いた。これらの精製
中に、薄膜状粒子はさらに分裂して、その数は約10倍
になった。
【0040】得られた薄膜状粒子の1枚を、少量の液と
共に薬さじで取り出してホウ珪酸ガラスの板の上に移
し、埃除けの覆いをして、温度約20℃、相対湿度約4
0%で液を乾燥させた。粒子はガラス板によく密着して
いた。光学顕微鏡で観察したところ、粒子には光の干渉
による着色が見られた。その色は粒子の各部分で変化し
ていたが、色の変化(紫から赤まで)は1周期のみで、
また粒子の外周部は特に薄いために着色が見られなかっ
た(いわゆる黒膜に相当)ことから、粒子の厚みは光の
波長の1倍以内(赤色で700nm程度)と考えられ
た。これと粒子の屈折率が1.5以上と予想されること
から、粒子の厚さは最も厚い部分で約500nm以下と
推定された。
【0041】このガラス板上の薄膜状粒子(酸化型)
を、空気中で、約20℃から300℃まで約20時間で
昇温し、300℃から500℃まで1時間で昇温して、
500℃で1時間放置してから約20℃に戻した。粒子
は銀色の薄膜状黒鉛粒子(還元型)になった。
【0042】実施例2 実施例1で得られた透明な薄膜状粒子を約100枚用
い、各粒子が互いに一部重なるようにしてガラス板上に
乗せてから、実施例1と同様に乾燥させて、約20mm
×20mmの薄膜状粒子の集合体とした。この集合体
(酸化型)は、実施例1と同様に加熱することで、銀色
の薄膜状黒鉛粒子の集合体(還元型)になった。
【0043】実施例3 実施例1と同じ酸化剤混合液30gに、大きな粒径の天
然黒鉛((株)エスイーシー製、純度99.76wt%以
上、2900℃の加熱で金属元素などを除いた精製品、
直径約1.4〜2.0mm、厚さ0.1mm以下の鱗片
状)20粒を入れ、撹拌せずに放置した。40日後に、
薬さじを用いて、生成した反応物を液ごと3wt%硫酸
/1wt%過酸化水素の混合水溶液500cm3の中に
穏やかに移した。生成物は全て多数に薄く分裂し、全て
透明な薄膜状粒子になった。生成した薄膜状粒子は、半
分程度が1mm×1mm程度で、残りはより小さな粒子
であった。
【0044】この液から、1mm×1mm程度の薄膜状
粒子5枚をわずかな液ごと薬さじで取り出して、実施例
1と同様に精製した。精製中に薄膜状粒子はさらに分裂
して、その数は約5倍になった。得られた薄膜状粒子の
1枚を、実施例1と同様にガラス板上で乾燥させて観察
した。粒子の厚さは最も厚い部分で約500nm以下と
推定された。さらに、実施例1と同様に加熱すること
で、この薄膜状粒子(酸化型)は銀色の薄膜状黒鉛粒子
(還元型)になった。
【0045】実施例4 実施例3で得られた透明な薄膜状粒子を約30枚用い、
各粒子が互いに一部重なるようにしてガラス板上に乗せ
てから、実施例1と同様に乾燥させて、約4mm×4m
mの薄膜状粒子の集合体とした。この集合体(酸化型)
は、実施例1と同様に加熱することで、銀色の薄膜状黒
鉛粒子の集合体(還元型)になった。
【0046】実施例5 実施例1と同じ酸化剤混合液30gに、厚さを100μ
mとした以外は実施例1と同じ1個の高配向性熱分解黒
鉛を入れ、攪拌せずに放置した。40日後に、薬さじを
用いて、生成した反応物を液ごと実施例3と同じ混合水
溶液500cm3の中に穏やかに移した。多数に薄く分
裂した生成物のうち、2枚のみはその中央の部分が分裂
せず黒色のままであったが、他は透明な薄膜状粒子にな
った。その大きさは平均3mm×3mm程度であった。
さらに実施例1と同様に精製、乾燥、加熱することで薄
膜状粒子(酸化型)と薄膜状黒鉛粒子(還元型)を得
た。
【0047】実施例6 実施例1と同じ酸化剤混合液30gに、平面方向の大き
さを6mm×6mm、厚さを25μmとした以外は実施
例1と同じ1個の高配向性熱分解黒鉛を入れ、攪拌せず
に放置した。40日後に、薬さじを用いて、生成した反
応物を液ごと実施例3と同じ混合水溶液500cm3
中に穏やかに移した。多数に薄く分裂した生成物は全て
透明な薄膜状粒子になった。その大きさは平均3mm×
3mm程度であった。さらに実施例1と同様に精製、乾
燥、加熱することで薄膜状粒子(酸化型)と薄膜状黒鉛
粒子(還元型)を得た。
【0048】実施例7 実施例1で得られた薄膜状粒子1枚を、薬さじを用いて
メタノール(純度99.8%、25℃における比誘電率
32.7)の中に入れ、分散媒を交換した。さらにその
薄膜状粒子(酸化型)を少量のメタノールと共にガラス
板上に乗せてから、実施例1と同様に乾燥、加熱するこ
とで薄膜状黒鉛粒子(還元型)を得た。
【0049】比較例1 実施例1と同じ酸化剤混合液30gに、実施例3と同じ
大きな粒径の天然黒鉛20粒を入れ、攪拌子を入れて約
100rpmで攪拌し続けた。10日後に、薬さじを用
いて、生成した反応物を液ごと実施例3と同じ混合水溶
液500cm3の中に穏やかに移した。光学顕微鏡観察
したところ、得られた薄膜状粒子は平面方向の大きさが
平均約100μmであり、わずかに含まれる大きな粒子
でも大きさが約300μmであった。
【0050】比較例2 実施例1で得られた精製後の薄膜状粒子(酸化型)を含
む分散液に、超音波を照射した。薄膜状粒子は照射直後
に分解し、全て100μm以下の大きさになった。
【0051】
【発明の効果】本発明の薄膜状粒子は、従来知られてい
た酸化黒鉛の薄膜状粒子よりも極めて大きい形状を持
つ。この薄膜状粒子を還元して黒鉛類似の電子状態にす
ると、その形状が薄くて広いために、炭素系の微細な電
子デバイスなどの作製に使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】大型の薄膜状粒子(酸化型、下は定規で数字の
単位はcm)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛を酸化して得られる、厚さが0.4
    nm〜10μm、平面方向の大きさが500μm以上で
    ある、炭素からなる骨格を持つ大型の薄膜状粒子。
  2. 【請求項2】 平面方向の大きさが3mm以上である請
    求項1に記載の大型の薄膜状粒子。
  3. 【請求項3】 比誘電率が15以上の高極性の液体に親
    液性があることを特徴とする請求項1および請求項2に
    記載の大型の薄膜状粒子。
  4. 【請求項4】 粒子内部の最も広い基本層の直径が粒子
    の直径にほぼ等しく、粒子全体で単一の多層構造を持
    ち、不純物が0.5%以下に除去された黒鉛を原料に用
    いて、これを酸化することを特徴とする請求項1〜請求
    項3に記載の大型の薄膜状粒子の合成方法。
  5. 【請求項5】 黒鉛のc軸方向の厚さが300μm以下
    であることを特徴とする請求項4に記載の大型の薄膜状
    粒子の合成方法。
  6. 【請求項6】 黒鉛のa軸とb軸の作る平面方向の長さ
    10μm当たり30分以上の酸化時間で黒鉛を酸化する
    ことを特徴とする請求項4に記載の大型の薄膜状粒子の
    合成方法。
  7. 【請求項7】 酸化剤の撹拌を最小限として黒鉛を酸化
    することを特徴とする請求項4に記載の大型の薄膜状粒
    子の合成方法。
  8. 【請求項8】 黒鉛の酸化の後に、反応液中の酸化生成
    物由来以外の小さなイオンの濃度が10mol/m3
    下になるまで、精製に用いる液の撹拌を最小限として酸
    化生成物を精製することを特徴とする請求項4に記載の
    大型の薄膜状粒子の合成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項3に記載の大型の薄膜
    状粒子を還元して得られる、大型の薄膜状黒鉛粒子また
    は大型の薄膜状黒鉛粒子の集合体。
  10. 【請求項10】 還元手段として、加熱、還元剤または
    電極反応を使用することを特徴とする請求項9に記載の
    大型の薄膜状黒鉛粒子または大型の薄膜状黒鉛粒子の集
    合体の合成方法。
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