JP2009259716A - 導電体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】導電膜2を備えており、導電膜2が、酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥することによって得られるものであり、酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%以上であり、且つ酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した場合に、下記式酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100(上記式中、Zは、フィルム状に形成された酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは酸化黒鉛粒子含有液中の酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)で表される酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下である、導電体100。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電体及びその製造方法に関する。
導電体としては、高分子材料に導電材料、必要に応じてバインダ、顔料、接着成分及び増粘剤などの材料を含有させたものが一般に知られている。
高分子材料としては、一般に知られている多くの有機高分子(例えば、Polymer Handbook(John Wiley & Sons,Inc.)、Encyclopedia of Polymer Science
and Engineering(同))や無機高分子(例えばゾル−ゲル法で作製可能であるもの)が単独又は混合物で使用可能である。
導電材料としては、界面活性剤を用いたもの、カーボンブラックなどの炭素系粉末、ITO(酸化インジウム錫)およびこれらの成分と高分子化合物とを組み合わせたものなどが知られている。
これらの導電材料のうち界面活性剤を使用した場合は、高い透明性を得ることは可能であるが、帯電防止能が周囲の環境や水分の影響を受け変化しやすい。特に界面活性剤により低下した表面抵抗が、低湿度下では大幅に増大して、所望の帯電防止能が得られなくなる欠点がある。また炭素系材料を使用した導電体は、帯電防止能の環境依存性が少ないという特徴を有するが、一般には、材料が黒色であることから高い透明性を得ることは困難である。さらにITO等の透明性がある電気伝導性粉末を用いた場合、粒子が重いために沈降しやすく、また凝集しやすいことから添加量を多くする必要があるといった問題がある。
ところで、最近では異方性が高い炭素材料として、酸化黒鉛からなる薄膜状粒子(特許文献1)が知られている。この酸化黒鉛からなる薄膜状粒子は、異方性が高いことから添加量を少なくすることが可能であり、且つ導電性の環境依存性が少ないことから注目されている。
ここで、酸化黒鉛からなる薄膜状粒子については、以下のようなことが知られている。
即ち、酸化黒鉛は黒鉛を特定の方法により酸化することで得られる黒鉛層間化合物の一種である。この酸化黒鉛は2次元的な基本層が積み重なった多層構造体であり、一般に層数の非常に多いものが知られている。さらに、層数の少ない非常に薄いものも作られており(例えば、非特許文献1参照)、本発明者らも先に、そのような酸化黒鉛(層数が1枚の場合は例えば酸化グラフェンと呼ぶことが望ましい(グラフェンは黒鉛の1層分の名称)))の薄膜状粒子を高収率で製造する方法を見出すと共に、それを還元して層数の非常に少ない黒鉛(層数が1枚の場合はグラフェンと呼ぶことが望ましい)類似の薄膜状粒子を得た(特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
ここで、酸化黒鉛の基本層は、炭素原子1個分または2個分の厚さの炭素骨格(sp3炭素とsp2炭素からなり、sp3炭素が多い)と、その骨格の両側の面に酸性の水酸基などが結合した構造を持つと考えられている(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照)。炭素骨格の厚さが炭素原子1個分で、その両側の面に水酸基などがあり、層間の水が極めて少ない場合には、基本層の厚さは0.61nmである。また、酸化の程度が高く、よく乾燥された場合、酸化黒鉛に含まれる酸素は40質量%程度である。
そして、上記酸化黒鉛の薄膜状粒子は、部分的に、または完全に還元されることで、黒鉛類似のsp2結合の多い電子状態となり、電気伝導性が高くなることが知られている。
特開2005−48089号公報 特開2002−53313号公報 特開2003−176116号公報 特開2005−63951号公報 N. A. Kotov et al.Ultrathin Graphite Oxide-Polyelectrolyte Composites Prepared by Self-Assembly:TransitionBetween Conductive and Non-Conductive States, Adv. Mater., 8, 637 (1996) T. Nakajima et al.A NEW STRUCTURE MODEL OF GRAPHITE OXIDE, Carbon, 26, 357 (1988) M. Mermoux et al.FTIR AND 13C NMR STUDY OF GRAPHITEOXIDE, Carbon, 29, 469 (1991)
しかし、上述した酸化黒鉛の薄膜状粒子は高い導電性を有するものの、茶色に着色しており、特に導電材料として使用される還元された状態では、黒色に変化し不透明になる。このことから、上述した酸化黒鉛の薄膜状粒子は、高い透明性と高い導電性とを両立した導電性材料として使用することは困難であると考えられており、透明性が要求される分野への適用は困難と考えられていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を進めた結果、酸化黒鉛粒子を用いた酸化黒鉛粒子含有液として、当該酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率を特定の範囲とした酸化黒鉛粒子含有液を用い、当該酸化黒鉛含有液を、酸化黒鉛粒子の使用量が特定の範囲となるようにフィルム状に形成して乾燥させて得られる導電膜により、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、導電膜を備えており、前記導電膜が、酸化黒鉛粒子を含有する酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥することによって得られるものであり、前記酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の前記酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%以上であり、且つ前記酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した場合に、下記式:
前記酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100
(上記式中、Zは、フィルム状に形成された前記酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは前記酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは前記酸化黒鉛粒子含有液中の前記酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)
で表される前記酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下である、導電体である。
この発明によれば、高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体が提供される。
さらに、本発明は、導電膜を備えた導電体の製造方法であって、酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成して乾燥させることによって、前記導電膜を得る工程を含み、前記工程において、前記酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%以上であり、且つ前記酸化黒鉛粒子含有液を、下記式:
前記酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100
(上記式中、Zは、フィルム状に形成された前記酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは前記酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは前記酸化黒鉛粒子含有液中の前記酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)
で表される前記酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下となるようにフィルム状に形成される、導電体の製造方法である。
この発明によれば、高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体を製造できる。
上記酸化黒鉛粒子含有液は、前記酸化黒鉛粒子含有液を乾燥する前には前記酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させず、前記酸化黒鉛粒子含有液を乾燥する過程または前記酸化黒鉛粒子含有液を乾燥した後に前記酸化黒鉛粒子を還元する作用を有する還元剤をさらに含有すると好ましい。
この場合、酸化黒鉛粒子が、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥する過程または酸化黒鉛粒子含有液を乾燥した後に還元剤によって還元されるので、還元による酸化黒鉛粒子同士の分散状態の悪化を抑制することができ、ひいては、酸化黒鉛粒子の含有率が低くても、より高い導電性を有する導電体を実現することができる。さらにまた、上記構成の還元剤が酸化黒鉛粒子含有液中に含まれていると、還元剤を用いない場合に比べて酸化黒鉛粒子含有液を低温で加熱しただけで酸化黒鉛粒子を還元させることができる。
上記酸化黒鉛粒子含有液においては、酸化黒鉛粒子が平板状であり、100nm以上の平均粒径を有し、0.4nm〜10nmの平均厚さを有することが好ましい。
この場合、酸化黒鉛における基本層の層数が非常に少なく、平均厚さが薄いことで還元が容易であり、また形状異方性が顕著に高く、そのため酸化黒鉛粒子の含有率を低減することが可能となる。このため、高い透明性が得られるとともに、酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥して導電膜を得た場合にその導電膜からの酸化黒鉛粒子の脱離を顕著に抑制できる。
なお、本発明において、「導電膜」とは、1.0×1012(Ω/□)以下の面積抵抗率を有する膜を言うものとする。
また本発明において、「酸化黒鉛」とは、天然黒鉛、人工黒鉛等の黒鉛を公知のBrodie法、Staudenmaier法、Hummers−Offeman法などにより酸化して得られる黒鉛層間化合物をいい、主として、黒鉛からなる基本層と、基本層に結合する酸素原子又は酸性の水酸基とを含むものであり、不純物を含んでいてもよい。さらに、「酸化黒鉛」とは、未還元の酸化黒鉛だけでなく、部分的に還元された酸化黒鉛を含めた酸化黒鉛を意味している。また本発明において「還元」とは、得られる導電膜の面積抵抗率を1.0×1012(Ω/□)以下にできることを言う。
さらに酸化黒鉛粒子の「平均粒径」とは、光学顕微鏡または電子顕微鏡を使って5個の酸化黒鉛粒子を観察した場合に、酸化黒鉛粒子の平面方向の粒径の平均値を言うものとする。ここで、「粒径」とは、光学顕微鏡または電子顕微鏡を使って酸化黒鉛粒子を観察したときの酸化黒鉛粒子の最も長い対角線の長さを言うものとする。
また、酸化黒鉛粒子の「平均厚さ」とは、原子間力顕微鏡を使って5個の酸化黒鉛粒子について測定された厚さの平均値を言うものとする。
本発明によれば、高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体及びその製造方法が提供される。
以下、本発明に係る導電体の実施形態について詳細に説明する。
[導電体]
図1は、本発明の導電体の一実施形態を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態の導電体100は、基材1と、基材1の一面1a上に設けられる導電膜2とを備えている。
基材1は、本実施形態では透明性を有する。基材1が透明であれば導電体100全体として高い透明性が得られる。具体的に、透明な基材1としては、ガラス板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。
導電膜2は導電性を有しており、酸化黒鉛粒子含有液を基材1の一面1a上に塗布してフィルム状に形成した後、乾燥することによって得られるものである。
ここで、酸化黒鉛粒子含有液は、酸化黒鉛粒子と液体媒体とを含有する。酸化黒鉛粒子含有液は、固形分を含んでおり、酸化黒鉛粒子はその固形分の一部を構成している。ここで、全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率は0.5質量%以上である。また、上記酸化黒鉛粒子含有液は、基材1の一面1a上に塗布してフィルム状に形成した場合に、下記式:
酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100
(上記式中、Zは、基材1上に塗布しフィルム状に形成した酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは酸化黒鉛粒子含有液中の酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)
で表される酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下となるものである。
この導電体100によれば、酸化黒鉛粒子含有液を、基材1の一面1a上に塗布してフィルム状に形成した後、乾燥させることにより、高い透明性及び高い導電性を有する導電膜2を実現することができる。このため、導電体100は、透明な帯電防止体として有効である。また導電膜2は、界面活性剤を用いて得られる導電膜に比べると、環境依存性が少ないという効果をも有する。
さらに本実施形態の導電体100では、基材1が透明性を有するため、導電体100全体としても高い透明性を有することとなる。
ここで、導電体100の全光線透過率は、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。導電体100の全光線透過率が50%未満であると、導電体100をカバーや容器として使用した場合に内容物の確認が困難であるが、50%以上であると、内容物の確認が容易になる。
また導電膜2の面積抵抗率は1×10〜1×1010(Ω/□)であることが好ましい。この場合、導電膜2の導電性が特に高いため、導電体100を透明な帯電防止体(特にクリーンルーム内で使用する透明容器や透明カバー)として使用する場合に有効である。
[導電体の製造方法]
次に、上述した導電体100の製造方法について説明する。
まず酸化黒鉛粒子含有液を準備する。酸化黒鉛粒子含有液は上述したように酸化黒鉛粒子と液体媒体とを少なくとも含むものである。
(酸化黒鉛粒子)
酸化黒鉛粒子は、黒鉛を酸化することにより得られるものである。
酸化黒鉛粒子の形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状であってもよい。例えば酸化黒鉛粒子の形状は球状であっても平板状であってもよい。ここで、酸化黒鉛粒子の形状が平板状であると好ましい。酸化黒鉛粒子の形状が平板状であると、形状異方性が高まり、形状異方性が小さい酸化黒鉛粒子と比べて、導電性を発現させるための添加量を少なくすることができ、結果的に得られる導電膜2からの酸化黒鉛粒子の脱離を抑制でき且つ透明性をより高めることができる。
酸化黒鉛粒子の形状が平板状である場合、酸化黒鉛粒子の平均粒径が100nm以上であり、且つ平均厚さが0.4nm〜100nmであることが好ましい。この場合、酸化黒鉛における基本層の層数が非常に少なく、平均厚さが薄いことで還元が容易となり、また、形状異方性が顕著に高く、そのため酸化黒鉛粒子の含有率を低減することが可能となる。このため、より高い透明性が得られるとともに、導電膜2からの酸化黒鉛粒子の脱離を顕著に抑制できる。このような酸化黒鉛粒子は、特開2002−53313号公報および特開2003−176116号公報で開示された方法を利用することにより製造できる。
上記酸化黒鉛粒子の原料として用いられる黒鉛には、各種黒鉛が使用可能であるが、層構造が発達した結晶性の高い黒鉛が酸化黒鉛製造の収率が高く、基本層の層数が少ない酸化黒鉛が得られやすいという理由から好ましい。このような黒鉛として、天然黒鉛(特に良質なもの)、キッシュ黒鉛(特に高温で作られたもの)、高配向性熱分解黒鉛が好ましく用いられる他、これらの黒鉛の層間を予め広げた膨張黒鉛も好ましく用いられる。また、黒鉛中の金属元素などの不純物は、予め約0.5質量%以下になるまで除去されていることが望ましい。
黒鉛の平均粒径は、酸化黒鉛粒子の平均粒径に反映されるため、合成したい酸化黒鉛粒子の平均粒径に応じて適宜選択すればよい。具体的には、酸化黒鉛粒子の平均粒径が例えば100nm以上である場合には、黒鉛の平均粒径を0.1μm以上100μm以下とすればよい。ここで、黒鉛の平均粒径を0.5μm以上50μm以下とすることが好ましく、1μm以上25μm以下とすることがさらに好ましい。黒鉛の平均粒径が100nm以上であると、平均粒径が100nm未満の場合に比べて、得られる酸化黒鉛粒子のアスペクト比が大きくなって形状異方性が大きくなり、黒鉛の平均粒径が100μm以下であると、黒鉛の平均粒径が100μmを超える場合に比べて、酸化に要する時間を短縮することができる。
上記酸化黒鉛粒子としては、公知のBrodie法、Staudenmaier法、Hummers−Offeman法、特開2002−53313号公報および特開2003−176116号公報で開示される方法などによって、黒鉛を酸化することにより得られる酸化黒鉛粒子が利用できる。ここで、Brodie法は硝酸、塩素酸カリウムを使用して黒鉛を酸化させる方法であり、Staudenmaier法は、硝酸、硫酸及び塩素酸カリウムを使用して黒鉛を酸化させる方法である。またHummers−Offeman法は、硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを使用して黒鉛を酸化する方法である。中でもHummers−Offeman法により製造することが、安全性が高く、短時間で製造できる点から好ましい。
ここで、Hummers−Offeman法は、
(1)硝酸ナトリウム、硫酸、過マンガン酸カリウム、黒鉛を混合することで黒鉛の層間に硫酸イオンを侵入させて、反応液中に硫酸−黒鉛層間化合物を生成させる層間化合物生成工程、
(2)上記反応液中に水を添加することで硫酸−黒鉛層間化合物に加水分解を起こし、酸化黒鉛を生成させる加水分解工程、及び
(3)反応液中に残存する硫酸イオン、マンガンイオン等の不純物イオンを除去して精製する精製工程
を経て、酸化黒鉛からなる酸化黒鉛粒子を得るものである。
上記層間化合物生成工程において、硝酸ナトリウム、硫酸、過マンガン酸カリウムの比率を、例えば質量比で硝酸ナトリウム10に対して、硫酸が828、過マンガン酸カリウムが60とすると、硫酸−黒鉛層間化合物を効果的に生成することができる。
上記精製工程において反応液中に残存する不純物イオンを除去する方法としては、イオン交換水の添加操作と溶媒の除去操作とを繰り返す方法が例示できる。溶媒の除去操作には、デカンテーション、濾過、遠心分離、透析、イオン交換などの公知の手段を用いることができる。デカンテーションや濾過は、沈降が遅いために精製時間が長くなることや酸化黒鉛粒子による閉塞によってほとんど濾過ができないことから、比較的短時間で精製可能な遠心分離がより好ましい。
上記のような操作を繰り返すことで層の分離が進むため、上記操作は、酸化黒鉛粒子の平均厚さが100nm以下になるまで繰り返すことが好ましく、50nm以下とすることがより好ましく、10nm以下とすることがさらに好ましい。該酸化黒鉛粒子の平均厚さが100nmを超えると、得られる酸化黒鉛粒子のアスペクト比が小さくなってしまう。
なお、上記精製工程においては、酸化黒鉛粒子同士の凝集を防止する観点から、上記溶媒として、比誘電率が15以上である液体を用いることが好ましく、中でも水を用いることが特に好ましい。
上記精製工程終了後、酸化黒鉛粒子は、上述した酸化黒鉛粒子含有液を得るために通常、分散媒と混合される。この分散媒は必要に応じて適切なものを選択することが可能であるが、精製工程で用いる溶媒として水が用いられる場合には、分散媒としても水を用いることが、交換が不要でコストを低減できることから好ましい。
但し、精製工程で用いる溶媒として水が用いられる場合でも、分散媒として、必ずしも水を用いる必要はなく、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、2−ブタノンなど、比誘電率が15以上の高極性液体を用いてもよい。このような水以外の高極性の液体を主な分散媒とするための手段として、元の分散液に含まれる水よりも十分多量の水以外の高極性液体を加えて希釈する方法、水以外の高極性液体を加えてから遠心分離とデカンテーションなどで上澄みを除くことを繰り返して水以外の高極性の分散媒に徐々に交換する方法、などが例示できる。また、数種類の液体を適当な割合で混合した液体を分散媒として用いることも可能である。この場合、一部に比誘電率15未満の液体を用いてもよい。
(液体媒体)
液体媒体は特に限定されるものではないが、酸化黒鉛粒子の同士の凝集を抑制できるものが好ましい。このような液体媒体としては、例えば上述したような比誘電率が15以上である液体が挙げられる。
なお、比誘電率が15未満の液体と、比誘電率が15以上の液体との混合液であっても、これらが相互に溶解して全体として比誘電率が15以上となる化合物であれば、酸化黒鉛粒子を分散させることが可能であることから上記液体として使用可能である。
さらに、全体として比誘電率が15未満となる液体であっても、酸化黒鉛粒子の凝集を抑制できる液体であれば上記液体媒体として使用することが可能である。このような液体としては、特開2005−53773で開示されたような、50質量%以上の割合で水に溶解する比誘電率が15未満となる液体、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、2−ブトキシエタノール、ピリジン、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、およびα−ピコリンなどが挙げられる。
(還元剤)
さらに、上記酸化黒鉛粒子含有液は、酸化黒鉛粒子に対して還元作用を有する還元剤を更に含んでいてもよい。還元作用のある化合物としては、各種還元剤が利用可能である。なかでも、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して液体媒体を除去する前には酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させず、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥し液体媒体を除去する過程または酸化黒鉛粒子含有液を乾燥し液体媒体を除去した後に酸化黒鉛粒子を還元する作用を有する還元剤をさらに含有すると好ましい。ここで、この還元剤が、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して液体媒体を除去する前に酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させないかどうかについては次のようにして測定することができる。即ちまず酸化黒鉛粒子含有液と比率を同一にした酸化黒鉛粒子、還元剤及び液体媒体のみからなる液を作製し、25℃で1時間放置した後に還元剤を除去し、このときの液中に含まれる酸化黒鉛粒子中の酸素量を測定する。そして、この測定された酸素量と、予め還元剤と接触させない状態で測定された酸化黒鉛粒子中の酸素量との差を算出する。こうして、上記還元剤が、酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させないかどうかを判断することができる。
この場合、酸化黒鉛粒子が、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥し液体媒体を除去する過程または酸化黒鉛粒子含有液を乾燥し液体媒体を除去した後に還元剤によって還元されるので、還元による酸化黒鉛粒子同士の分散状態の悪化を抑制することができ、ひいては、酸化黒鉛粒子の含有率が低くても、導電膜2がより高い導電性を有することとなる。さらにまた、上記構成の還元剤が酸化黒鉛粒子含有液中に含まれていると、還元剤を用いない場合に比べて酸化黒鉛粒子含有液を低温で加熱しただけで酸化黒鉛粒子を還元させることができる。このため、ランニングコストを低減できると共に、基材1への熱劣化及び基材1の変形などを防止することができる。さらに、還元剤として、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して液体媒体を除去する前に酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させないものを用いると、酸化黒鉛粒子含有液中の酸化黒鉛粒子の分散性が向上して導電性がより高められる傾向がある。
上記のような還元剤としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ピロガロール、没食子酸、L−システイン、ヨウ化水素酸、ヒドラジン、ホスフィン酸、クエン酸、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜リン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、L(+)アスコルビン酸などが挙げられ、中でもヒドロキノン、ピロガロール、ホスフィン酸が、より高い導電性が得られると言う理由から好ましく用いられる。
(その他の成分)
上記酸化黒鉛粒子含有液は高分子材料をさらに含有していてもよい。この場合、高分子材料としては、上記液体媒体に分散あるいは溶解する材料を使用することが望ましい。また上記酸化黒鉛粒子含有液は、必要に応じてバインダをさらに含有してもよい。この場合、バインダとして、上記液体媒体に分散あるいは溶解する材料を使用すると好ましい。高分子材料及びバインダを上記液体媒体に分散あるいは溶解する材料とすれば、実質的にすべての材料を均一に分散あるいは溶解させた酸化黒鉛粒子含有液を容易に得ることが可能である。
このような高分子材料又はバインダとしては、シリカゾルや有機シランなどの無機系材料、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などの有機系材料、これらの材料を適当な溶媒に分散させたエマルジョンが挙げられ、なかでも分散媒として水が使用できる水溶性の樹脂(例えばポリビニルアルコール)や水系エマルジョン(例えばJSR(株)製水性グラスカ)が好ましい。
(全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率)
上記酸化黒鉛粒子含有液において、当該酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率は0.5質量%以上である。全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%未満では、急激に導電膜2の導電性が低下する。但し、全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率は10質量%以下であることが好ましい。これは、全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有量が10質量%以下であると、10質量%を超える場合に比べて、導電膜2の強度が特に優れ、基材1からの剥離をより十分に防止できるためである。
全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率は例えば1〜5質量%にすることが好ましい。この場合、より高い透明性とより高い導電性とを有する導電膜2を実現できる傾向にある。例えば、導電膜2を1μm以下の膜厚で透明な基材1上に形成することで、全光線透過率で70〜90%程度の透明性を有し、1×10〜1×1010(Ω/□)程度の面積抵抗率の導電膜2を有する導電体100を得ることもできる。なお、目的とする透明性と面積抵抗率に応じて、最適な酸化黒鉛粒子の含有率と導電体100の厚さとの組合せは異なるため、最適な含有率が必ずしも1〜5質量%の範囲に入らないこともあり、その目的に応じて最適な含有率を選択する必要がある。
次に、基材1を準備する。そして、基材1の一面1a上に、上記のようにして準備した酸化黒鉛粒子含有液を塗布しフィルム状に形成して乾燥させる。このとき、酸化黒鉛粒子含有液を、下記式:
酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100
(上記式中、Zは、基材1上に塗布しフィルム状に形成した酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは酸化黒鉛粒子含有液中の酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)
で表される酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下となるように塗布する。
上記酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)未満では、導電膜2について高い導電性を実現することができない。反面、3×10−5(g/cm)を超えると、導電膜2の透明性が損なわれ、高い透明性を確保することができない。
上記酸化黒鉛粒子の使用量は、好ましくは5×10−8(g/cm)〜1×10−5(g/cm)であり、より好ましくは1×10−7(g/cm)〜5×10−6(g/cm)である。
塗布の方法は、基材1の一面1a上への塗布が可能であれば特に限定されるものではなく、例えばスピンコータ法、バーコータ法、ロールコータ法などの方法を用いることができる。
また酸化黒鉛粒子含有液の乾燥も特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことが可能である。
酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して液体媒体を除去する工程またはその後における加熱温度は、好ましくは30℃〜250℃、より好ましくは40℃〜200℃である。
このようにして酸化黒鉛粒子を分散させた導電膜2を基材1上に作製できる。なお、該酸化黒鉛粒子が未還元の状態で基材1上に設けられる膜で導電性が得られない場合には、必要に応じて、該酸化黒鉛粒子を部分的または完全に還元させるようにしてもよい。該酸化黒鉛粒子を還元させる方法としては、酸化黒鉛粒子含有液に対して200℃程度の熱処理を行う方法が例示できる。
また、上記のように高温で熱処理を行わなくても、上述したように、酸化黒鉛粒子含有液が、上述した還元剤を含んでいれば、より低い温度で酸化黒鉛粒子を部分的又は完全に還元させることができ、導電膜2がより高い導電性を得ることができる。
ここで、特に全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率を上記の範囲とした理由について図2を用いて説明する。図2の詳細な説明については後述する。
全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率を極端に少なくすると、その含有液から導電膜2を形成した場合にその透明性を向上させられるが、その場合、その導電膜2の導電性を確保することが困難になる。具体的に、図2に示すように、酸化黒鉛粒子の含有率と体積抵抗率との関係を調べた。その結果、酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%を下回ると急激に体積抵抗率が大きくなっており、安定的に導電性を確保することが困難であることがわかる。特に導電膜2の膜厚を薄くした場合に、0.5質量%未満の含有率では導電性を確保することが困難である。逆に含有率を0.5質量%以上とした場合、導電膜2の膜厚を薄くしても導電性を確保することが容易であることがわかる。
この理由として、導電性を得るためには、酸化黒鉛粒子がマトリックス中でパーコレーションしている(各粒子が互いに接触して繋がっている)必要があるところ、0.5質量%以上と含有率が高い場合にはマトリックス中で酸化黒鉛粒子が密集している。このため、膜厚が薄くなっていてもパーコレーション状態を維持できるが、含有量が0.5質量%未満と少なくなると、導電膜2の膜厚に依存してパーコレーションしにくくなるためではないかと本発明者は考えている。
そこで、酸化黒鉛粒子含有液においては、酸化黒鉛粒子の含有率を0.5質量%以上とし、膜厚も含めた該酸化黒鉛粒子の使用量を特定の範囲とすることで、導電性を確保しながら透明性を得ることを可能としたものである。
ここで、図2のグラフについて説明する。
1.6質量%濃度の酸化黒鉛粒子の水分散液とポリアクリル酸(固体)およびヒドロキノンと水とを表1の比率で混合し、混合した液をNo.18のバーコーター(塗布厚み約41.1μm)を使ってガラス板上にコートし、乾燥後に140℃で2時間加熱処理を行って試料1〜6(導電体)を得た。
そして、得られた各試料(1〜6)について、コート膜の面積抵抗率(Ω/□)の測定値と、原子間力顕微鏡で測定したコート膜の膜厚(cm)とから、
下記式:
{体積抵抗率(Ω・cm)}={面積抵抗率(Ω/□)}×{コート膜の膜厚(cm)}に従って体積抵抗率(Ω・cm)が算出された。この体積抵抗率(Ω・cm)が図1の縦軸である。
一方、各試料1〜6について、仕込みから、全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率(質量%)(=水を除いた成分(酸化黒鉛粒子、ヒドロキノン,ポリアクリル酸)中の酸化黒鉛粒子の濃度)が算出された。この全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率が図1の横軸である。
上記のように、酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率を0.5質量%以上とし、且つ酸化黒鉛粒子の使用量を1×10−8(g/cm)以上、3×10−5(g/cm)以下の範囲に定め、導電膜2の厚さを極端に薄くしていくことで、高い導電性と高い透明性を両立させることができる。
光線透過率が80%以上となるような高い透明性を出すには、導電膜が例えば、1μm以下となるような極端に薄いコート厚みになる場合もあるが、このような薄さでも本実施形態の導電体100の導電膜2では高い導電性が得られる。
なお、全光線透過率が50%以上の透明性が得られるのは、導電体が、透明な基材に酸化黒鉛粒子を導電成分とする導電層をコートしてなる場合である。
ここで、本発明における、全固形物中の酸化黒鉛粒子の含有率および酸化黒鉛粒子の使用量の算出方法について説明する。
(全固形物中の酸化黒鉛粒子の含有率)
分散液中の酸化黒鉛粒子の濃度がX(質量%)で、酸化黒鉛粒子及び分散媒以外の成分(例えば樹脂や還元剤)の含有率がY(質量%)とする。この場合、全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率(質量%)は下記式:
全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率(質量%)=X/(X+Y)×100
に基づいて算出される。
(酸化黒鉛粒子の使用量)
分散液中の酸化黒鉛粒子の濃度がX(質量%)で、酸化黒鉛粒子及び分散媒以外の成分(例えば樹脂や還元剤)の含有量がY(質量%)とする。この場合、分散媒の量は100−X−Y(質量%)となる。このように、酸化黒鉛粒子がX(質量%)、分散媒が100−X−Y(質量%)、それ以外がY(質量%)となる分散液に関してまず密度を確認する。密度の確認方法としては、例えば、メスフラスコで確認した分散液の体積V(cm)とメスフラスコに分散液を入れる前後の重量変化から求められる分散液の重量W(g)により分散液の密度dはd=W/V(g/cm)として計算できる。
次に、成膜した分散液の厚み、あるいはコートしたような場合はコートした分散液の厚み、は成膜装置により確認できることから、その厚みをZ(cm)とした場合、1cm当りの分散液の量がZ×d(g)となり、酸化黒鉛粒子の使用量(g/cm)は(Z×d)×X/100で計算される。
なお、上述した全固形物中の酸化黒鉛粒子の含有率および酸化黒鉛粒子の使用量の算出方法の説明において、「分散液」とは、例えば酸化黒鉛粒子、高分子材料、還元剤などの固形分を分散媒に混合させたものを意味する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では基材1として、透明性を有するものが用いられているが、基材1は不透明であってもよい。この場合、導電体としては不透明であるが、その場合でも導電膜2が高い透明性を有するため、基材1の表面に印刷等が施されていれば、導電膜2を通してそれを明瞭に確認することができる。このような不透明な基材1としては、ポスターなどのように表面に印刷(例えば絵)が施されたものなどが挙げられる。
また、上記実施形態では、導電体は、基材1と、基材1の一面1a上に設けられる導電膜2とを備えているが、導電膜2が自立性を有するものであれば、導電体は、基材1を含んでいなくても良い。例えば、導電膜2がポリイミド樹脂を含む場合には、導電体は基材1を含んでいなくても良い。なお、この場合、導電体は、上述した酸化黒鉛粒子含有液を基材1上に塗布して乾燥し、必要に応じて加熱処理を行って基材1上に導電膜2を得た後、基材1から導電膜2を剥離することによって得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
エスイーシー社製天然黒鉛SNO−2(純度99.97質量%以上)10gを、硝酸ナトリウム(純度99%)7.5g、硫酸(純度96%)621g、過マンガン酸カリウム(純度99%)45gからなる混合液中に入れ、約20℃で5日間、緩やかに撹拌しながら放置した。得られた高粘度の液を、5質量%硫酸水溶液1000cmに約1時間で撹拌しながら加えて、さらに2時間撹拌した。得られた液に過酸化水素(30質量%水溶液)30gを加えて、2時間撹拌した。
この液を、3質量%硫酸/0.5質量%過酸化水素の混合水溶液を用いた遠心分離と水を用いた遠心分離とで精製して、平板状の酸化黒鉛粒子(以下、「薄膜状粒子」と呼ぶ)の水分散液を得た。液の一部を40℃で真空乾燥させ、乾燥前後の重量変化を測定した結果から、液中の薄膜状粒子の濃度は1.3質量%と算出された。また、40℃で真空乾燥させた薄膜状粒子の元素分析で、酸素は42質量%、水素は2質量%であった。液の一部を水で希釈してからガラス板の上で乾燥させ、光学顕微鏡観察により薄膜状粒子の平面方向の粒径(平面内で最も長い対角線の長さ)を調べたところ、観察した範囲での粒径は、1〜7μmが大多数であり、その平均粒径は2.3μmであった。なお、光学顕微鏡観察で認められる各粒子の色は一部の例外を除いてほぼ同様の色であり、大多数の粒子の厚みは同程度と判断された。一部の色の異なる粒子は他の粒子よりも色が濃いことから少量存在する厚みの厚い粒子である。さらに、原子間力顕微鏡を使って薄膜状粒子の厚みを評価したところ、5個の粒子で確認された厚みは3nm,3nm,5nm,6nm,9nmであり、平均厚さは5.2nmであった。以下、この分散液を「分散液A」と呼ぶ。
10gの分散液Aに対して、26gの水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)、1gのヒドロキノン(還元剤)、32gの水及び16gのメタノール(液体媒体)を加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は1.13質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は9.92gであったことから、混合分散液の密度は0.992(g/cm)と計算された。また、上記混合分散液と比率を同一にした酸化黒鉛粒子、ヒドロキノン、水及びメタノールのみからなる液を作製し、25℃で1時間放置した後にヒドロキノンを除去し、そのときの液中における酸化黒鉛粒子中の酸素量を調べたところ、酸化黒鉛粒子中の酸素量は42質量%であった。この酸素量は、酸化黒鉛粒子を、還元剤であるヒドロキノンと接触させない状態における酸素量(42質量%)と同一であった。このことから、還元剤であるヒドロキノンは、上記混合分散液を乾燥させる前においては、酸化黒鉛粒子中の酸素量を変化させないことが分かった。
続いて、この混合分散液をNo.2のバーコーター(塗布厚み4.58μm)を使ってPCフィルム(300μm厚,全光線透過率90%)上に塗布しフィルム状に形成した後、分散媒を乾燥・除去した。その後、140℃,180分間の加熱処理を行った。得られた塗膜の面積抵抗率を調べたところ、面積抵抗率は5×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は89%であった。その結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は6.9×10−7(g/cm)であった。なお、全光線透過率の測定は日本電色工業(株)製濁度計NDH2000を用い、JIS K7361−1に準拠した方法で行った。
(実施例2)
No.5のバーコーター(塗布厚み11.45μm)を使用してPCフィルム上に塗膜を形成したこと以外は実施例1と同様にして導電体を作製した。得られた塗膜の面積抵抗率を調べたところ、面積抵抗率は3×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は85%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は1.7×10−6(g/cm)であった。
(実施例3)
10gの分散液Aに対して、13gの水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)、0.5gのヒドロキノン、8gの水及び8gのメタノールを加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は2.23質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は9.89gであったことから、混合分散液の密度は0.989(g/cm)と計算された。
続いて、この分散液を実施例1と同様にしてPCフィルム上に塗布し、分散媒を乾燥・除去した後、加熱処理を行って導電体を作製した。得られた塗膜の面積抵抗率を実施例1と同様にして調べたところ、面積抵抗率は5×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は85%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は1.5×10−6(g/cm)であった。
(実施例4)
No.5のバーコーター(塗布厚み約11.5μm)を使用する以外は実施例3と同様にして、PCフィルム上に塗膜を形成した。得られた塗膜の面積抵抗率を調べた所、面積抵抗率は2×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は75%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は3.7×10−6(g/cm)であった。
(実施例5)
5gの分散液Aに対して、26gの水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)、1gのヒドロキノンおよび32gの水、16gのメタノールを加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は0.57質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は9.91gであったことから、混合分散液の密度は0.991(g/cm)と計算された。
続いて、この混合分散液を実施例1と同様にしてPCフィルム上に塗布し、分散媒を乾燥・除去した後、加熱処理を行って導電体を作製した。得られた塗膜の面積抵抗率を調べたところ、面積抵抗率は5×1011(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は89%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は3.7×10−7(g/cm)であった。
(実施例6)
20gの分散液Aに対して、13gの水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)、0.5gのヒドロキノンおよび8gの水、8gのメタノールを加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は4.36質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は9.91gであったことから、混合分散液の密度は0.991(g/cm)と計算された。
続いて、この混合分散液を実施例1と同様にしてPCフィルム上に塗布し、分散媒を乾燥・除去した後、加熱処理を行って導電体を作製した。得られた塗膜の面積抵抗率を調べたところ、面積抵抗率は5×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は80%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は2.4×10−6(g/cm)であった。
(実施例7)
分散液Aの分散媒をN−メチルピロリドン(以下、「NMP」と表記する)に置換した。液の一部の乾燥前後の重量変化から、液中の薄膜状粒子の濃度は1質量%であった(以下、この分散液を「分散液B」と呼ぶ)。1.2gの分散液Bに対して、NMP 5.6g,ポリアミック酸溶液 15g(Pyre−ML,固形分量 15質量%、NMP85質量%),0.2gのホスフィン酸(30%濃度)を加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は0.52質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は10.44gであったことから、混合分散液の密度は1.044(g/cm)と計算された。また、上記混合分散液と比率を同一にした酸化黒鉛粒子、ホスフィン酸、NMPのみからなる液を作製し、25℃で1時間放置した後にホスフィン酸を除去し、そのときの液中における酸化黒鉛粒子中の酸素量を調べたところ、酸化黒鉛粒子中の酸素量は42質量%であった。この酸素量は、酸化黒鉛粒子を、還元剤であるホスフィン酸と接触させない状態における酸素量(42質量%)と同一であった。このことから、還元剤であるホスフィン酸は、上記混合分散液を乾燥させる前においては、酸化黒鉛粒子中の酸素量を変化させないことが分かった。
500μmのドクターブレードを使って、ガラス上にフィルムを形成し、乾燥およびイミド化処理(250度で1時間加熱)を行った。得られたポリイミドフィルムをガラスから剥がし、面積抵抗率を調べた所、面積抵抗率は1×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は50%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は2.8×10−5(g/cm)であった。
(比較例1)
20gの分散液Aに対して、13gの水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)、0.5gのヒドロキノンおよび8gの水、8gのメタノールを加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は4.36質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は9.91gであったことから、混合分散液の密度は0.991(g/cm)と計算された。
続いて、この混合分散液をベーカー式アプリケーター(塗布厚み75μm)を使ってPCフィルム(300μm厚,全光線透過率90%)上に塗布してフィルム状に形成し、分散媒を乾燥・除去した。その後、140℃,180分間の加熱処理を行った。得られた塗膜の面積抵抗率を調べた所、面積抵抗率は5×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は20%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は3.9×10−5(g/cm)であった。
(比較例2)
2.5gの分散液Aに対して、26gの水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)、1gのヒドロキノンおよび32gの水、16gのメタノールを加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は0.28質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は9.91gであったことから、混合分散液の密度は0.991(g/cm)と計算された。
続いて、この混合分散液をNo.10のバーコーター(塗布厚み約22.9μm)を使ってPCフィルム(300μm厚,全光線透過率90%)上に塗布し、分散媒を乾燥・除去した。その後、140℃,180分間の加熱処理を行った。得られた塗膜の面積抵抗率を調べた所、面積抵抗率は2×1012(Ω/□)以上で導電性がなかった。また、フィルムの全光線透過率は88%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は9.5×10−7(g/cm)であった。
(比較例3)
No.1のバーコーター(塗布厚み2.29μm)を使用してPCフィルム上に塗膜を形成したこと以外は比較例2と同様にして導電体を作製した。得られた塗膜の面積抵抗率を調べたところ、面積抵抗率は2×1012(Ω/□)以上であった。また、フィルムの全光線透過率は90%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は9.5×10−8(g/cm)であった。
(比較例4)
2.2gの分散液Bに対して、NMP 4.5g,ポリアミック酸溶液 15g(Pyre−ML,固形分量 15質量%、NMP85質量%)、0.2gのホスフィン酸(30%濃度)を加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから全固形分中の薄膜状粒子の含有率は0.94質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は10.44gであったことから、混合分散液の密度は1.044(g/cm)と計算された。
500μmのドクターブレードを使って、ガラス上にフィルムを形成し、乾燥およびイミド化処理(250度で1時間加熱)を行った。得られたポリイミドフィルムをガラスから剥がし、面積抵抗率を調べた所、面積抵抗率は1×10(Ω/□)であった。また、フィルムの全光線透過率は4%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は5.2×10−5(g/cm)であった。
(比較例5)
0.6gの分散液Bに対して、NMP 5.6g,ポリアミック酸溶液 15g(Pyre−ML,固形分量 15質量%、NMP85質量%)、0.2gのホスフィン酸(30%濃度)を加え、よく混合し混合分散液を得た。仕込みから薄膜状粒子の含有率は0.26質量%と計算された。上記混合分散液を、メスフラスコ(10cm用)を使って正確に10cm量り取り、メスフラスコの重量変化から、混合分散液10cmの重量は10.45gであったことから、混合分散液の密度は1.045(g/cm)と計算された。
上記混合分散液をガラス上に塗布し、500μmのドクターブレードを使って、ガラス上にフィルムを形成し、乾燥およびイミド化処理(250度で1時間加熱)を行った。得られたポリイミドフィルムをガラスから剥がし、面積抵抗率を調べた所、面積抵抗率は2×1012(Ω/□)以上であった。また、フィルムの全光線透過率は63%であった。結果を表2に示す。混合分散液の密度と塗膜の塗布厚みとから薄膜状粒子の使用量を計算すると薄膜状粒子の使用量は1.5×10−5(g/cm)であった。
表2の結果より、実施例1〜7の導電体については、比較例1〜5の導電体と比べると、高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体が得られることが分かった。
よって、本発明によれば、高い透明性及び導電性を有する導電膜を備えた導電体が得られることが確認された。
本発明の導電体の一実施形態を示す側面図である。 導電体を構成する導電膜中の酸化黒鉛粒子の含有率と体積抵抗率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…基材、2…導電膜、1a…基材の一面、100…導電体。

Claims (4)

  1. 導電膜を備えており、前記導電膜が、酸化黒鉛粒子を含有する酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥することによって得られるものであり、
    前記酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の前記酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%以上であり、且つ前記酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した場合に、下記式:
    前記酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100
    (上記式中、Zは、フィルム状に形成された前記酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは前記酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは前記酸化黒鉛粒子含有液中の前記酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)
    で表される前記酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下である、導電体。
  2. 前記酸化黒鉛粒子含有液を乾燥する前には前記酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させず、前記酸化黒鉛粒子含有液を乾燥する過程または前記酸化黒鉛粒子含有液を乾燥した後に前記酸化黒鉛粒子を還元する作用を有する還元剤をさらに含有する請求項1に記載の導電体。
  3. 前記酸化黒鉛粒子が平板状であり、100nm以上の平均粒径を有し、0.4nm〜10nmの平均厚さを有する、請求項1又は2に記載の導電体。
  4. 導電膜を備えた導電体の製造方法であって、
    酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥することによって前記導電膜を得る工程を含み、
    前記工程において、前記酸化黒鉛粒子含有液中に含まれる全固形分中の酸化黒鉛粒子の含有率が0.5質量%以上であり、且つ前記酸化黒鉛粒子含有液を、下記式:
    前記酸化黒鉛粒子の使用量=Z×d×X/100
    (上記式中、Zは、フィルム状に形成された前記酸化黒鉛粒子含有液の厚さ(cm)、dは前記酸化黒鉛粒子含有液の密度(g/cm)、Xは前記酸化黒鉛粒子含有液中の前記酸化黒鉛粒子の濃度(質量%)を表す)
    で表される前記酸化黒鉛粒子の使用量が1×10−8(g/cm)以上3×10−5(g/cm)以下となるようにフィルム状に形成する、導電体の製造方法。
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