JPWO2017033375A1 - 導電性塗料組成物、導電性材料、導電性塗料組成物の製造方法、導電性材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
導電性塗料組成物100は、黒鉛層間化合物10と、酸化黒鉛20と、バインダーと、溶剤とを含む。黒鉛層間化合物10は、炭素六角網面を平行に積層した層状物質である黒鉛の層間に、さまざまな原子や分子等を侵入させたサンドイッチ構造の化合物である。バインダー、溶剤は、黒鉛層間化合物10と、酸化黒鉛20とを接着させる。黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、化学的に結合している。
Description
本発明は、導電性複合材料に関し、特に黒鉛層間化合物を使用する導電性塗料組成物、導電性材料、導電性塗料組成物の製造方法、導電性材料の製造方法に関する。
エレクトロニクス技術の発展に伴い、プリント配線回路等における信号用回路には、導電性の塗料を印刷して形成された回路が利用されつつある。このような目的に使用される導電性材料には、軽量と高い導電性が求められる。そのため、黒鉛層間化合物が合成樹脂マトリックス中に分散される(例えば、特許文献1参照)。
高い導電性を実現する材料の1つが、銀などの金属材料である。しかしながら、金属材料では、一般的に材料の単価が高い。そのため、単価が比較的安い黒鉛層間化合物を使用しながら、導電性をさらに向上することが求められる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、単価の上昇を抑制しながら、導電性を向上する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の導電性塗料組成物は、黒鉛層間化合物と、酸化黒鉛と、バインダーと、溶剤とを含む導電性塗料組成物であって、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛は、化学的に結合している。
本発明の別の態様は、導電性材料である。この導電性材料は、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを含む導電性材料であって、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛は、化学的に結合している。
本発明のさらに別の態様は、導電性塗料組成物の製造方法である。この方法は、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを混合することによって、導電性材料を生成するステップと、導電性材料を加熱することによって、酸化黒鉛を還元するステップと、バインダーと溶剤とを撹拌、加熱しながらバインダー溶液を生成するステップと、バインダー溶液に、酸化黒鉛が還元された導電性材料を加えるステップとを備える導電性塗料組成物の製造方法であって、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛は、化学的に結合している。
本発明のさらに別の態様は、導電性材料の製造方法である。この方法は、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを混合する導電性材料の製造方法であって、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛は、化学的に結合している。
本発明によれば、単価の上昇を抑制しながら、導電性を向上できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施の形態は、黒鉛層間化合物を含んだ導電性材料と、それを利用した導電性塗料組成物に関する。前述のごとく、金属材料の導電性は高いが、その材料単価は高い。一方、カーボン材料の材料単価は安いが、その導電性は低い。ここで、黒鉛層間化合物は、安価でありつつも、比較的高い導電性を有するが、黒鉛層間化合物同士の結合にカーボン材料を使用すると接合抵抗が高くなる。そのため、黒鉛層間化合物の導電性を向上することが求められる。本実施の形態は、黒鉛層間化合物同士を酸化黒鉛を還元することで結合する。このような結合によって接合抵抗が低くなり、高い導電性が得られる。
図1は、本発明の実施の形態に係る導電性塗料組成物100の構成を示す。導電性塗料組成物100は、黒鉛層間化合物10、酸化黒鉛20を含む。また、導電性塗料組成物100は、これらを接着させるために、図示しないバインダー、溶剤を含む。なお、黒鉛層間化合物10、酸化黒鉛20は、導電性材料であるともいえる。
黒鉛層間化合物10は、炭素六角網面を平行に積層した層状物質である黒鉛の層間に、さまざまな原子や分子等を侵入させたサンドイッチ構造の化合物である。黒鉛層間化合物10では、黒鉛層間に侵入した原子や分子等のインターカレートと、それと隣接する黒鉛の層との間で電荷移動が生じることによって、黒鉛の層上の伝導キャリア数が増大する。その結果、黒鉛層間化合物10は高導電性を有する。
ここでの黒鉛層間化合物10は、例えば、鱗片状天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、黒鉛繊維などの粉末を母材とする。また、黒鉛層間化合物10は、例えば、ポリイミドフィルムを2600〜3000℃で熱処理することにより得られる熱分解グラファイトシートまたは熱分解グラファイトシートを粉砕したものを母材としてもよい。さらに、黒鉛層間化合物10は、これらの黒鉛材料の端部に金属を担持したものなど結晶完全性のよい黒鉛材料を母材としてもよい。黒鉛材料の端部に金属を担持させるために、例えば、金属錯体と黒鉛材料が混合されてから焼成される。なお、母材は、これらに限定されるものではない。なお、黒鉛層間化合物10の表面は、酸化している。
インターカレートとして、原子、分子、およびイオン等のあらゆる物質種が使用可能であり、例えば、金属塩化物、アルカリ金属、アルカリ土類金属が使用される。金属塩化物の一例は、塩化鉄、塩化銅、塩化ニッケル、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化金、塩化ビスマスなどであり、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の一例は、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、マグネシウムなどである。なお、インターカレートとして、これらを2種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、金属塩化物が挿入された黒鉛層間化合物10を、5〜100%の水素気流下、250〜500℃で熱処理することにより、挿入された金属塩化物を還元し、金属微粒子として存在させてもよい。黒鉛中に挿入されたインターカレートは、電子親和力の大きい塩化鉄または塩化銅である場合、黒鉛層間化合物10に正孔を与えるアクセプタとして機能する。また、黒鉛中に挿入されたインターカレートは、イオン化ポテンシャルが黒鉛より小さいリチウム、カリウム、またはセシウムである場合、黒鉛層間化合物10に電子を与えるドナーとして機能する。
酸化黒鉛20は、黒鉛を特定の方法により酸化することで得られる黒鉛層間化合物の一種である。酸化黒鉛20は、2次元的な基本層が積み重なった多層構造体であり、一般に層数は非常に多い。酸化黒鉛20の基本層は、ジグザグの炭素の列で数えて炭素原子1個分または2個分の厚さのsp2結合の傾向のあるsp3結合主体の炭素骨格と、その骨格の両側の面に結合した酸性の水酸基とを有する構造を持つ。なお、このような酸化黒鉛20として、層数の少ない非常に薄いものも作られている酸化黒鉛20の粒子は、黒鉛を酸化することにより得られるものである。
酸化黒鉛20の粒子の原料として用いられる黒鉛には、各種黒鉛が使用可能であるが、層構造が発達した結晶性の高い黒鉛が酸化黒鉛製造の収率が高く、基本層の層数が少ない酸化黒鉛が得られやすいという理由から好ましい。このような黒鉛として、天然黒鉛(特に良質なもの)、キッシュ黒鉛(特に高温で作られたもの)、高配向性熱分解黒鉛が好ましく用いられる他、これらの黒鉛の層間を予め広げた膨張黒鉛も好ましく用いられる。また、黒鉛中の金属元素などの不純物は、予め約0.5質量%以下になるまで除去されていることが望ましい。
酸化黒鉛20を効率よく還元するために、還元剤が導電性塗料組成物100に混合されてもよい。還元剤には、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ピロガロール、没食子酸、L−システイン、ヨウ化水素酸、ヒドラジン、ホスフィン酸、クエン酸、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜リン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、L(+)アスコルビン酸などが使用される。特に、ヒドロキノン、ピロガロール、ホスフィン酸が、より高い導電性が得られるので、好ましい。
バインダーには、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、セルロースなどが使用される。また、これらに限定されない。
溶剤は、溶媒とも呼ばれる。溶媒としては、沸点が150℃以上の溶媒、特に沸点が200℃以上の溶媒を50質量%以上含むことが好ましい。このように、沸点が高い溶媒を多数含むことによって、炭素と無機物質の分散性が確保しやすくなり、かつ平滑な膜が得られる。また、溶媒としては、無機物質(金属等)と親和性が高く、かつ後述の添加剤を溶解する溶媒が好ましく、一般には、アルコール性OH基を有する有機溶媒が好ましい。
有機溶媒の一例は、アルコール類等である。アルコール類は、例えば、α−テルピネオール等の非脂肪族アルコール類;ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル等のグリコール類等である。その他、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン等から、炭素、酸化黒鉛20との親和性に合わせて選択することが好ましい。
ペースト状の導電性塗料組成物100から乾燥物をスキージ法で基板上に形成して電極を製造する場合、有機溶媒には、前述したアルコール類全般が使用可能である。一方、ペースト状の導電性塗料組成物100から乾燥物をスクリーン印刷で基板上に形成して電極を製造する場合、有機溶媒の粘度を高くし、かつ均質な塗膜を得る必要がある。そのため、有機溶媒としてα−テルピネオールやブチルカルビトール等を使用することが多い。その他、スピンコート、ディップコート、スプレーコート等を行う場合、脂肪族アルコールやケトン類等の粘度が低い溶媒が使用されてもよく、エタノール、2−プロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が使用されてもよい。また、高沸点溶媒と低沸点溶媒との混合物が溶媒として使用されてもよい。その際、その含有量の比は、特に制限されるわけではないが、前述のごとく、高沸点溶媒の量を50質量%以上とすることが好ましい。
ここで、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、化学的に結合している。具体的に説明すると、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、共有結合あるいはイオン結合している。また、導電性塗料組成物100において黒鉛層間化合物10が占める体積は、導電性塗料組成物100において酸化黒鉛20が占める体積よりも大きい。例えば、導電性塗料組成物100において黒鉛層間化合物10が占める体積は、35%であり、導電性塗料組成物100において酸化黒鉛20が占める体積は、15%である。なお、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20によって構成される導電性材料においても黒鉛層間化合物10が占める体積は、導電性材料において酸化黒鉛20が占める体積よりも大きい。例えば、導電性材料において黒鉛層間化合物10が占める体積は、70%であり、導電性材料において酸化黒鉛20が占める体積は、30%である。
次に、本実施の形態にかかる導電性塗料組成物100、導電性材料の製造方法の一例を説明する。
(1)まず、黒鉛層間化合物10を生成する。そのために、黒鉛層間化合物10の原料となる黒鉛材料を準備する。この黒鉛材料はグラフェンの積層体によって形成された層状構造を有する。これに続いて、黒鉛材料の層間に、インターカレートとなる化学種を挿入する。挿入する化学種は、前述の材料で構成される。化学種を黒鉛材料に挿入するために、公知の技術、例えば、気相法、液相法が使用される。気相法では、高温下で化学種の蒸気をホストである黒鉛に接触させる。また、液相法では、化学種を有機溶媒に溶解させた溶液、または化学種を高温で溶融させて液体としたものに、ホストである黒鉛が浸漬される。
(1)まず、黒鉛層間化合物10を生成する。そのために、黒鉛層間化合物10の原料となる黒鉛材料を準備する。この黒鉛材料はグラフェンの積層体によって形成された層状構造を有する。これに続いて、黒鉛材料の層間に、インターカレートとなる化学種を挿入する。挿入する化学種は、前述の材料で構成される。化学種を黒鉛材料に挿入するために、公知の技術、例えば、気相法、液相法が使用される。気相法では、高温下で化学種の蒸気をホストである黒鉛に接触させる。また、液相法では、化学種を有機溶媒に溶解させた溶液、または化学種を高温で溶融させて液体としたものに、ホストである黒鉛が浸漬される。
また、酸化黒鉛20の粒子は、公知のBrodie法、Staudenmaier法、Hummers−Offeman法などによって、黒鉛を酸化することにより得られる。ここで、Brodie法は硝酸、塩素酸カリウムを使用して黒鉛を酸化させる方法であり、Staudenmaier法は、硝酸、硫酸及び塩素酸カリウムを使用して黒鉛を酸化させる方法である。またHummers−Offeman法は、硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを使用して黒鉛を酸化する方法である。
(2)次に、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20とを混合することによって混合物である導電性材料を生成する。その際、ボールミル、三本ロール、押出し機、バンバリーミキサー、Vブレンダー、ニーダ、リボンミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いて均一に混合される。なお、導電性材料の生成は、これに限定されない。
(3)導電性材料を加熱することによって、酸化黒鉛20が還元される。還元する雰囲気は、大気雰囲気、窒素雰囲気、水素雰囲気など特に制限がされることはないが、安全性も考慮すると、4%水素、96%窒素の混合ガス雰囲気で加熱されると、より還元が進みやすく好ましい。
(4)撹拌機、加熱装置を有した容器に、バインダーと溶剤とを加え、撹拌、加熱しながらバインダー溶液を生成する。
(5)バインダー溶液に、酸化黒鉛20が還元された導電性材料を加えて混和、混練することによって、導電性材料をバインダー溶液で分散させ、導電性塗料組成物100を製造する。さらに、導電性塗料組成物100を焼成することによって、導電性配線を製造してもよい。
(4)撹拌機、加熱装置を有した容器に、バインダーと溶剤とを加え、撹拌、加熱しながらバインダー溶液を生成する。
(5)バインダー溶液に、酸化黒鉛20が還元された導電性材料を加えて混和、混練することによって、導電性材料をバインダー溶液で分散させ、導電性塗料組成物100を製造する。さらに、導電性塗料組成物100を焼成することによって、導電性配線を製造してもよい。
次に、本実施の形態にかかる実施例を説明する。まず、黒鉛として平均粒子径が10μmの伊藤黒鉛製天然黒鉛0.06gと、塩化カリウム0.26g、および無水塩化銅(II)0.6gをガラス製アンプルに真空封入し、そのアンプルを400℃で10時間熱処理した。自然冷却後、アンプルより黒鉛を取り出し、表面に付着した塩化カリウムおよび塩化銅(II)を水洗によって除去することで、黒鉛層間化合物10を得た。
また、黒鉛として平均粒子径が2μmの伊藤黒鉛製人造黒鉛0.06gに対し、Brodie法によって酸化処理を行い、真空乾燥によって水分を蒸発させた酸化黒鉛20を得た。
黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20を1:1の割合で混合して、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20の複合材料である導電性材料を得た。さらに、導電性材料を、5Paの圧力をかけながら、200℃の温度に熱することで、酸化黒鉛20を還元した導電性材料の圧粉体を得た。
本発明の実施の形態によれば、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛を化学的に結合させるので、導電パスを形成できる。また、導電パスが形成されるので、導電性を向上できる。また、黒鉛層間化合物同士が酸化黒鉛によって接続されるので、接合抵抗を低減できる。また、黒鉛層間化合物を使用するので、単価の上昇を抑制できる。また、黒鉛層間化合物の表面を酸化しているので、酸化黒鉛を結合できる。また、黒鉛層間化合物には、金属塩化物がインターカレートされているので、導電性を向上できる。また、黒鉛層間化合物と金属粒子は、共有結合あるいはイオン結合しているので、導電性を向上できる。
また、導電性塗料組成物において黒鉛層間化合物が占める体積が、酸化黒鉛が占める体積よりも大きいので、黒鉛層間化合物同士を酸化黒鉛によって接続できる。また、還元剤を含むので、黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを結合できる。また、導電性材料において黒鉛層間化合物が占める体積が、酸化黒鉛が占める体積よりも大きいので、黒鉛層間化合物同士を酸化黒鉛によって接続できる。また、従来高価格な金属材料を用いた配線材料について、低コストで高導電な黒鉛層間化合物を使用するので、高導電特性を保ったまま低コスト化できる。また、黒鉛層間化合物を酸化黒鉛を用いて結合するので、従来のカーボン系配線では得られなかった高導電性を得ることができる。
本実施の形態の概要は、次の通りである。本発明のある態様の導電性塗料組成物100は、黒鉛層間化合物10と、酸化黒鉛20と、バインダーと、溶剤とを含む導電性塗料組成物100であって、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、化学的に結合している。
黒鉛層間化合物10の表面は、酸化していてもよい。
黒鉛層間化合物10には、金属塩化物がインターカレートされていてもよい。
黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、共有結合あるいはイオン結合していてもよい。
導電性塗料組成物100において黒鉛層間化合物10が占める体積は、導電性塗料組成物100において酸化黒鉛20が占める体積よりも大きい。
還元剤をさらに含んでもよい。
本発明の別の態様は、導電性材料である。この導電性材料は、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20とを含む導電性材料であって、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、化学的に結合している。
本発明のさらに別の態様は、導電性塗料組成物100の製造方法である。この方法は、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20とを混合することによって、導電性材料を生成するステップと、導電性材料を加熱することによって、酸化黒鉛20を還元するステップと、バインダーと溶剤とを撹拌、加熱しながらバインダー溶液を生成するステップと、バインダー溶液に、酸化黒鉛20が還元された導電性材料を加えるステップとを備える導電性塗料組成物100の製造方法であって、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、化学的に結合している。
本発明のさらに別の態様は、導電性材料の製造方法である。この方法は、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20とを混合する導電性材料の製造方法であって、黒鉛層間化合物10と酸化黒鉛20は、化学的に結合している。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 黒鉛層間化合物、 20 酸化黒鉛、 100 導電性塗料組成物。
本発明によれば、単価の上昇を抑制しながら、導電性を向上できる。
Claims (9)
- 黒鉛層間化合物と、酸化黒鉛と、バインダーと、溶剤とを含む導電性塗料組成物であって、
前記黒鉛層間化合物と前記酸化黒鉛は、化学的に結合していることを特徴とする導電性塗料組成物。 - 前記黒鉛層間化合物の表面は、酸化していることを特徴とする請求項1に記載の導電性塗料組成物。
- 前記黒鉛層間化合物には、金属塩化物がインターカレートされていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性塗料組成物。
- 前記黒鉛層間化合物と前記酸化黒鉛は、共有結合あるいはイオン結合していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の導電性塗料組成物。
- 前記導電性塗料組成物において前記黒鉛層間化合物が占める体積は、前記導電性塗料組成物において前記酸化黒鉛が占める体積よりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の導電性塗料組成物。
- 還元剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の導電性塗料組成物。
- 黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを含む導電性材料であって、
前記黒鉛層間化合物と前記酸化黒鉛は、化学的に結合していることを特徴とする導電性材料。 - 黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを混合することによって、導電性材料を生成するステップと、
導電性材料を加熱することによって、酸化黒鉛を還元するステップと、
バインダーと溶剤とを撹拌、加熱しながらバインダー溶液を生成するステップと、
前記バインダー溶液に、酸化黒鉛が還元された導電性材料を加えるステップとを備える導電性塗料組成物の製造方法であって、
前記黒鉛層間化合物と前記酸化黒鉛は、化学的に結合していることを特徴とする導電性塗料組成物の製造方法。 - 黒鉛層間化合物と酸化黒鉛とを混合する導電性材料の製造方法であって、
前記黒鉛層間化合物と前記酸化黒鉛は、化学的に結合していることを特徴とする導電性材料の製造方法。
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