JP5278739B2 - 導電体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、導電体の製造方法に関する。
近年、形状の異方性が高い物質の探索、及びその応用が急速に進行している。このような物質は、多数個で他の物質との複合体にする場合には、低い添加率で高強度などの各種性能を発現すると期待されている。またその形状が極めて細い線状(1次元)や極めて薄い平面状(2次元)で、その物質が電気的に半導体または良導体であれば、単独または少数個の集合体の場合に、電子物性などに量子的な効果を発現するとも期待されている。
炭素原子を骨格とする異方性形状の平面状物質として、酸化黒鉛が知られている。酸化黒鉛は黒鉛を特定の方法により酸化することで得られる黒鉛層間化合物の一種である。酸化黒鉛は2次元的な基本層が積み重なった多層構造体であり、一般に層数は非常に多い。酸化黒鉛の基本層は、ジグザグの炭素の列で数えて炭素原子1個分または2個分の厚さの、少しsp2結合の傾向のあるsp3結合主体の炭素骨格と、その骨格の両側の面に結合した酸性の水酸基とを有する構造を持つと考えられている(例えば、非特許文献1〜3)。
このような酸化黒鉛として、層数の少ない非常に薄いものも作られており(例えば、非特許文献4)、本発明者らも先に、そのような酸化黒鉛(層数が1枚の場合は例えば酸化グラフェンと呼ぶことが望ましい(グラフェンは黒鉛の1層分の名称))の薄膜状粒子を高収率で製造する方法を見出すと共に、それを還元して層数の非常に少ない黒鉛(層数が1枚の場合はグラフェンと呼ぶことが望ましい)類似の酸化黒鉛の薄膜状粒子を得たところである(特許文献1〜3)。
こうして得られる酸化黒鉛の薄膜状粒子は、部分的に、または完全に還元されることで、黒鉛類似のsp2結合の多い電子状態となり、電気伝導性が高くなることが知られている。
酸化黒鉛の薄膜状粒子を使った導電体は例えば次のようにして製造される。即ちまず、薄膜状粒子の分散液単独あるいは分散液にバインダ樹脂、顔料、接着成分、増粘剤などの成分を配合したものを基体表面に塗布し、分散媒を除去することで、基体表面に塗膜を製膜する。その後、塗膜を基体から剥がし、あるいは基体ごと導電性を得るために、200℃程度以上の温度で加熱し、薄膜状粒子を還元させ、導電体を得る。この場合、塗膜あるいは基体に200℃程度以上の耐熱性が必要となってしまい、バインダ樹脂や基体の選択幅が大幅に制限され、その結果、得られる導電体の用途も制限されるおそれがある。
これを改善する方法として、予め分散液中に還元剤を添加しておく方法がある(特許文献3)。この方法では、塗膜中に存在する還元剤の効果により200℃程度以上の高温にすることなく、例えば140℃程度のより低い温度で酸化黒鉛を還元できることから、バインダ樹脂や基体の選択肢を広げることが可能である。この場合、約3時間の加熱処理によって導電体の導電性を充分なレベルにまで向上させることができる。
特開2002−53313号公報
特開2003−176116号公報
特開2005−63951号公報
「黒鉛層間化合物」,第5章,炭素材料学会編,リアライズ社(1990)
T. Nakajima et al.A NEW STRUCTURE MODEL OF GRAPHITE OXIDE, Carbon,26, 357 (1988)
M. Mermoux et al.FTIR AND 13C NMR STUDY OF GRAPHITE OXIDE, Carbon,29, 469 (1991)
N. A. Kotov et al.Ultrathin Graphite Oxide-PolyelectrolyteComposites Prepared by Self-Assembly:Transition Between Conductive andNon-Conductive States, Adv. Mater., 8, 637 (1996)
しかしながら、140℃の処理温度でも基体として使用できる樹脂の種類は限定されてしまうため、より低温で加熱処理を行うことが求められていた。ここで、加熱処理温度を140℃よりも低くすることで、基体として使用できるバインダ樹脂の選択幅を広げることは可能であるが、その場合には反応時間が顕著に遅くなる。例えば100℃で酸化黒鉛粒子を加熱処理する場合には、酸化黒鉛粒子を十分に還元するために10日以上の時間が必要となり、導電体を得るために多大な時間が必要となることが本発明者らの研究によって判明した。
上記の背景から、酸化黒鉛粒子を用いて導電体を製造する場合、酸化黒鉛粒子の還元反応において、温度に依存しない反応速度の向上方法の確立、ひいては導電体の製造に要する時間の大幅な短縮が望まれていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、酸化黒鉛粒子を還元する際の加熱処理温度が低くても、導電体の製造に要する時間を大幅に短縮できる導電体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化黒鉛粒子を含有する酸化黒鉛粒子含有液を基体上に塗布し乾燥してコート膜を得て、加熱処理によって酸化黒鉛粒子を還元する際に、酸化黒鉛粒子を加湿することで還元反応速度の大幅な向上が認められ、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、導電膜を備えた導電体の製造方法において、酸化黒鉛粒子及び還元剤を含有する酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥することによってコート膜を形成するコート膜形成工程と、前記コート膜中の前記酸化黒鉛粒子を加熱処理して還元することで前記導電膜を備えた導電体を形成する還元工程とを含み、前記還元工程が、前記コート膜を加湿する加湿工程を含む、導電体の製造方法である。
この製造方法によれば、還元工程が、コート膜を加湿する加湿工程を含むことで、還元工程において酸化黒鉛粒子を加熱処理する場合の温度が低くても、コート膜を加湿しない場合に比べて、導電膜について十分に導電性が得られるまでの時間を大幅に短縮することができる。従って、酸化黒鉛粒子を還元する際の加熱処理温度が低くても、導電体の製造に要する時間を大幅に短縮することができる。
上記還元剤は、前記酸化黒鉛粒子含有液の乾燥前には、前記酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させず、少なくとも前記還元工程において前記酸化黒鉛粒子を還元する作用を有することが好ましい。
この場合、酸化黒鉛粒子が、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥した後の少なくとも還元工程において還元剤によって還元されるので、還元による酸化黒鉛粒子同士の分散状態の悪化を制御することができ、ひいては、酸化黒鉛粒子の含有率が低くても、より高い導電性を有する導電体を実現することができる。さらにまた、上記構成の還元剤が酸化黒鉛粒子含有液中に含まれていると、還元剤を用いない場合に比べて酸化黒鉛粒子含有液を低温で加熱しただけで酸化黒鉛粒子を還元させることができる。
上記酸化黒鉛粒子は平板状であり、100nm以上の平均粒径を有し、0.4nm〜10nmの平均厚さを有することが好ましい。
この場合、酸化黒鉛における基本層の層数が非常に少なく、平均厚さが薄いことで還元が容易であり、また形状異方性が顕著に高く、そのため導電膜に導電性を発現させるために必要な導電膜中の酸化黒鉛粒子の含有率を低減することが可能になる。このため、導電膜について高い透明性が得られるとともに、得られる導電膜からの酸化黒鉛粒子の脱離を顕著に抑制できる。
なお、本発明において、酸化黒鉛粒子の「平均粒径」とは、光学顕微鏡または電子顕微鏡を使って5個の酸化黒鉛粒子を観察した場合に、酸化黒鉛粒子の平面方向の粒径の平均値を言うものとする。ここで、「粒径」とは、光学顕微鏡または電子顕微鏡を使って酸化黒鉛粒子を観察したときの酸化黒鉛粒子の最も長い対角線の長さを言うものとする。
また本発明において、酸化黒鉛粒子の「平均厚さ」とは、原子間力顕微鏡を使って5個の酸化黒鉛粒子について測定された厚さの平均値を言うものとする。
さらに本発明において「導電膜」とは、1.0×1012(Ω/□)以下の面積抵抗率を有する膜を言う。
本発明によれば、酸化黒鉛粒子を還元する際の加熱処理温度が低くても、導電体の製造に要する時間を大幅に短縮できる導電体の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず導電体の製造方法の実施形態について説明する。
(導電体)
はじめに導電体の製造方法の実施形態の説明に先立ち、その製造方法により製造される導電体の構成について図1を用いて説明する。
はじめに導電体の製造方法の実施形態の説明に先立ち、その製造方法により製造される導電体の構成について図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の導電体の製造方法により製造される導電体の一例を示す側面図である。図1に示すように、本実施形態の導電体100は、基体1と、基体1の一面1a上に設けられる導電膜2とを備えている。
基体1としては、ガラス板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。
導電膜2は導電性を有しており、酸化黒鉛粒子を含有する酸化黒鉛粒子含有液を基体1の一面1a上に塗布してフィルム状に形成し、乾燥してコート膜を得て、そのコート膜を加熱処理によって還元し、還元に際してコート膜を加湿することによって得られるものである。
(導電体の製造方法)
次に、導電体100の製造方法について説明する。
次に、導電体100の製造方法について説明する。
まず酸化黒鉛粒子を含有する酸化黒鉛粒子含有液を準備する。酸化黒鉛粒子含有液は上述したように酸化黒鉛粒子を含む。
酸化黒鉛粒子は、黒鉛を酸化することにより得られるものである。
酸化黒鉛粒子の形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状であってもよい。例えば酸化黒鉛粒子の形状は球状であっても平板状であってもよい。ここで、酸化黒鉛粒子の形状が平板状であると好ましい。酸化黒鉛粒子の形状が平板状であると、形状異方性が高まり、形状異方性が小さい酸化黒鉛粒子と比べて、導電膜2に導電性を発現させるために必要な導電膜2中の酸化黒鉛粒子の含有率を少なくすることができ、結果的に得られる導電膜2からの酸化黒鉛粒子の脱離を抑制でき且つ導電膜2の透明性をより高めることができる。
酸化黒鉛粒子の形状が平板状である場合、酸化黒鉛粒子の平均粒径が100nm以上であり、且つ平均厚さが0.4nm〜10nmであることが好ましい。この場合、酸化黒鉛における基本層の層数が非常に少なく、平均厚さが薄いことで還元が容易となり、また、形状異方性が顕著に高く、そのため導電膜2に導電性を発現させるために必要な導電膜2中の酸化黒鉛粒子の含有率を低減することが可能となる。このため、導電膜2について高い透明性が得られるとともに、導電膜2からの酸化黒鉛粒子の脱離を顕著に抑制できる。このような酸化黒鉛粒子は、特開2002−53313号公報および特開2003−176116号公報で開示された方法を利用することにより製造できる。
上記酸化黒鉛粒子の原料として用いられる黒鉛には、各種黒鉛が使用可能であるが、層構造が発達した結晶性の高い黒鉛が酸化黒鉛製造の収率が高く、基本層の層数が少ない酸化黒鉛が得られやすいという理由から好ましい。このような黒鉛として、天然黒鉛(特に良質なもの)、キッシュ黒鉛(特に高温で作られたもの)、高配向性熱分解黒鉛が好ましく用いられる他、これらの黒鉛の層間を予め広げた膨張黒鉛も好ましく用いられる。また、黒鉛中の金属元素などの不純物は、予め約0.5質量%以下になるまで除去されていることが望ましい。
黒鉛の平均粒径は、酸化黒鉛粒子の平均粒径に反映されるため、合成したい酸化黒鉛粒子の平均粒径に応じて適宜選択すればよい。具体的には、酸化黒鉛粒子の平均粒径が例えば100nm以上である場合には、黒鉛の平均粒径を0.1μm以上100μm以下とすればよい。ここで、黒鉛の平均粒径を0.5μm以上50μm以下とすることが好ましく、1μm以上25μm以下とすることがさらに好ましい。黒鉛の平均粒径が0.1μm以上であると、平均粒径が0.1μm未満の場合に比べて、得られる酸化黒鉛粒子のアスペクト比が大きくなって形状異方性が大きくなり、黒鉛の平均粒径が100μm以下であると、黒鉛の平均粒径が100μmを超える場合に比べて、酸化に要する時間を短縮することができる。
上記酸化黒鉛粒子としては、公知のBrodie法、Staudenmaier法、Hummers−Offeman法、特開2002−53313号公報および特開2003−176116号公報で開示される方法などによって、黒鉛を酸化することにより得られる酸化黒鉛粒子が利用できる。ここで、Brodie法は硝酸、塩素酸カリウムを使用して黒鉛を酸化させる方法であり、Staudenmaier法は、硝酸、硫酸及び塩素酸カリウムを使用して黒鉛を酸化させる方法である。またHummers−Offeman法は、硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを使用して黒鉛を酸化する方法である。中でもHummers−Offeman法により製造することが、安全性が高く、短時間で酸化黒鉛粒子を製造できる点から好ましい。
ここで、Hummers−Offeman法は、
(1)硝酸ナトリウム、硫酸、過マンガン酸カリウム、黒鉛を混合することで黒鉛の層間に硫酸イオンを侵入させて、反応液中に硫酸−黒鉛層間化合物を生成させる層間化合物生成工程、
(2)上記反応液中に水を添加することで硫酸−黒鉛層間化合物に加水分解を起こし、酸化黒鉛を生成させる加水分解工程、及び
(3)反応液中に残存する硫酸イオン、マンガンイオン等の不純物イオンを除去して精製する精製工程を経て、酸化黒鉛からなる酸化黒鉛粒子を得るものである。
(1)硝酸ナトリウム、硫酸、過マンガン酸カリウム、黒鉛を混合することで黒鉛の層間に硫酸イオンを侵入させて、反応液中に硫酸−黒鉛層間化合物を生成させる層間化合物生成工程、
(2)上記反応液中に水を添加することで硫酸−黒鉛層間化合物に加水分解を起こし、酸化黒鉛を生成させる加水分解工程、及び
(3)反応液中に残存する硫酸イオン、マンガンイオン等の不純物イオンを除去して精製する精製工程を経て、酸化黒鉛からなる酸化黒鉛粒子を得るものである。
上記層間化合物生成工程において、硝酸ナトリウム、硫酸、過マンガン酸カリウムの比率を、例えば質量比で硝酸ナトリウム10に対して、硫酸が828、過マンガン酸カリウムが60とすると、硫酸−黒鉛層間化合物を効果的に生成することができる。
上記精製工程において反応液中に残存する不純物イオンを除去する方法としては、溶媒の添加操作と溶媒の除去操作とを繰り返す方法が例示できる。溶媒の除去操作には、デカンテーション、濾過、遠心分離、透析、イオン交換などの公知の手段を用いることができる。デカンテーションや濾過は、沈降が遅いために精製時間が長くなることや酸化黒鉛粒子による閉塞によってほとんど濾過ができないことから、比較的短時間で精製可能な遠心分離がより好ましい。
上記のような操作を繰り返すことで層の分離が進むため、上記操作は、酸化黒鉛粒子の平均厚さが10nm以下になるまで繰り返すことが好ましく、5nm以下とすることがより好ましく、2nm以下とすることがさらに好ましい。該酸化黒鉛粒子の平均厚さが10nmを超えると、得られる酸化黒鉛粒子のアスペクト比が小さくなってしまう。
なお、上記精製工程においては、酸化黒鉛粒子同士の凝集を防止する観点から、上記溶媒として、比誘電率が15以上である液体を用いることが好ましく、中でも水を用いることが特に好ましい。ここで、水の中でも特にイオン交換水を用いることが好ましい。
上記精製工程終了後、酸化黒鉛粒子は、上述した酸化黒鉛粒子含有液を得るために通常、分散媒と混合される。この分散媒は必要に応じて適切なものを選択することが可能であるが、精製工程で用いる溶媒として水が用いられる場合には、分散媒としても水を用いることが、交換が不要でコストを低減できることから好ましい。
但し、精製工程で用いる溶媒として水が用いられる場合でも、分散媒として、必ずしも水を用いる必要はなく、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、2−ブタノンなど、比誘電率が15以上の高極性液体を用いてもよい。このような水以外の高極性の液体を主な分散媒とするための手段として、元の分散液に含まれる水よりも十分多量の水以外の高極性液体を加えて希釈する方法、水以外の高極性液体を加えてから遠心分離とデカンテーションなどで上澄みを除くことを繰り返して水以外の高極性の分散媒に徐々に交換する方法、などが例示できる。また、数種類の液体を適当な割合で混合した液体を分散媒として用いることも可能である。この場合、一部に比誘電率15未満の液体を用いてもよい。
上記酸化黒鉛粒子は、酸化黒鉛粒子含有液を得るために、分散媒のほか、さらに還元剤と混合される。このような還元剤としては、各種還元剤が利用可能である。なかでも、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して分散媒を除去する前には酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させず、少なくとも後述する還元工程において酸化黒鉛粒子を還元する作用を有する還元剤がより好ましい。
ここで、この還元剤が、酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して分散媒を除去する前に酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させないかどうかについては次のようにして測定することができる。即ちまず酸化黒鉛粒子含有液と比率を同一にした酸化黒鉛粒子、還元剤及び分散媒のみからなる液を作製し、25℃で1時間放置した後に還元剤を除去し、このときの液中に含まれる酸化黒鉛粒子中の酸素量を測定する。そして、この測定された酸素量と、予め還元剤と接触させない状態で測定された酸化黒鉛粒子中の酸素量との差を算出する。こうして、上記還元剤が、酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させないかどうかを判断することができる。
この場合、酸化黒鉛粒子が、少なくとも後述する還元工程において還元剤によって還元されるので、還元による酸化黒鉛粒子同士の分散状態の悪化を抑制することができ、ひいては、酸化黒鉛粒子の含有率が低くても、得られる導電体100がより高い導電性を有することとなる。さらにまた、上記構成の還元剤が酸化黒鉛粒子含有液中に含まれていると、還元剤を用いない場合に比べて酸化黒鉛粒子含有液を低温で加熱しただけで酸化黒鉛粒子を還元させることができる。
上記のような還元剤としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ピロガロール、没食子酸、L−システイン、ヨウ化水素酸、ヒドラジン、ホスフィン酸、クエン酸、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、次亜リン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、L(+)アスコルビン酸などが挙げられ、中でもヒドロキノン、ピロガロール、ホスフィン酸が、より高い導電性が得られると言う理由から好ましく用いられる。
上記酸化黒鉛粒子は、酸化黒鉛粒子含有液を得るために、分散媒、及び還元剤のほか、さらに高分子材料と混合されてもよい。上記高分子材料としては、上記分散媒に分散あるいは溶解する材料を使用することが望ましい。また上記酸化黒鉛粒子含有液は、必要に応じてバインダをさらに含有してもよい。この場合、バインダとして、上記分散媒に分散あるいは溶解する材料を使用すると好ましい。高分子材料及びバインダを上記分散媒に分散あるいは溶解する材料とすれば、実質的にすべての材料を均一に分散あるいは溶解させた酸化黒鉛粒子含有液を容易に得ることが可能である。
上記高分子材料又はバインダとしては、シリカゾルや有機シランなどの無機系材料、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などの有機系材料、これらの材料を適当な溶媒に分散させたエマルジョンが挙げられる。
次に、上記のようにして得られた酸化黒鉛粒子含有液を、基体1の一面1a上に塗布してフィルム状に形成し、その後酸化黒鉛粒子含有液を乾燥させ、コート膜を形成する(コート膜形成工程)。
酸化黒鉛粒子含有液の塗布の方法は、基体1の一面1a上への塗布が可能であれば特に限定されるものではなく、例えばスピンコータ法、バーコータ法、ロールコータ法などの方法を用いることができる。
また酸化黒鉛粒子含有液の乾燥も特に限定されるものではなく、一般的な方法で行うことが可能である。
酸化黒鉛粒子含有液を乾燥して分散媒を除去する工程における加熱温度は、好ましくは30℃〜100℃、より好ましくは40℃〜80℃である。ただし、数分程度の短い時間であれば、高沸点の溶媒を除去する等の目的のために、200℃といった高温で加熱してもよい。
次に、上記のようにして得られるコート膜中の酸化黒鉛粒子を加熱処理して還元する(還元工程)。このとき、コート膜を加湿する(加湿工程)。こうして導電膜2を基体1の一面1a上に得ることができ、導電体100の製造が完了する。
上記導電体100の製造方法によれば、上記還元工程が、コート膜を加湿する加湿工程を含むことで、還元工程において酸化黒鉛粒子を加熱処理する場合の温度が低くても、コート膜を加湿しない場合に比べて、導電膜2について十分な導電性が得られるまでの時間を大幅に短縮するこができ、ひいては導電体100の製造に要する時間を大幅に短縮することができる。また、酸化黒鉛粒子含有液が上記還元剤を含むため、還元剤を含まない場合に比べてより低い温度で酸化黒鉛粒子を部分的又は完全に還元させることができる。
上記の還元工程における酸化黒鉛粒子の加熱処理は例えば100℃以下の温度で行うことが好ましく、80℃以下の温度で行うことがより好ましい。この場合、温度が100℃以下であることで、導電膜2を構成する高分子材料又はバインダの選択の幅を大幅に拡大することができる。なお、酸化黒鉛粒子を還元するためには、加熱処理は、50℃以上の温度で行うことが好ましく、60℃以上の温度で行うことがより好ましい。
また上記加湿工程におけるコート膜の加湿は、5%以上の湿度で行うことが好ましく、30%以上の湿度で行うことがより好ましい。この場合、湿度が5%以上となるように加湿を行うと、湿度が5%未満になる場合に比べて、導電膜2について十分な導電性が得られるまでの時間をより短縮することができる。但し、加湿は80%以下の湿度で行うことが好ましい。これは、湿度が80%以上では時間の短縮効果が少ないこと、そして、湿度を80%以下に抑えることで高分子材料又はバインダの劣化を抑制できることによるものである。
上記加湿は、上記還元工程において、酸化黒鉛粒子の加熱処理と同時に開始し、加熱処理時間と同時に終了させてもよく、酸化黒鉛粒子の加熱処理を開始した後、所定時間経過後に行ってもよい。また上記加湿は、上記還元工程において、酸化黒鉛粒子の加熱処理を開始した後、所定時間経過後に行い、加熱処理の終了前に終了させてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、導電体100は、基体1と、基体1の一面1a上に設けられる導電膜2とを備えているが、導電膜2が自立性を有するものであれば、導電体は、基体1を含んでいなくても良い。例えば、導電膜2がポリイミド樹脂を含む場合には、導電体は基体1を含んでいなくても良い。なお、この場合、導電体は、上述した酸化黒鉛粒子含有液を基体1上に塗布して乾燥し、必要に応じて加熱処理を行って基体1上に導電膜2を得た後、基体1から導電膜2を剥離することによって得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
エスイーシー社製天然黒鉛SNO―2(純度99.97質量%以上)10gを、硝酸ナトリウム(純度99%)7.5g、硫酸(純度96%)621g、過マンガン酸カリウム(純度99%)45gからなる混合液中に入れ、約20℃で5日間、緩やかに撹拌しながら放置した。得られた高粘土の液を5質量%硫酸水溶液1000cm3に撹拌しながら約1時間で加えて、さらに2時間撹拌した。得られた液に過酸化水素(30質量%水溶液)30gを加えて、2時間撹拌した。
エスイーシー社製天然黒鉛SNO―2(純度99.97質量%以上)10gを、硝酸ナトリウム(純度99%)7.5g、硫酸(純度96%)621g、過マンガン酸カリウム(純度99%)45gからなる混合液中に入れ、約20℃で5日間、緩やかに撹拌しながら放置した。得られた高粘土の液を5質量%硫酸水溶液1000cm3に撹拌しながら約1時間で加えて、さらに2時間撹拌した。得られた液に過酸化水素(30質量%水溶液)30gを加えて、2時間撹拌した。
この液を、3質量%硫酸/0.5質量%過酸化水素水の混合水溶液を用いた遠心分離と水を用いた遠心分離とで精製して、平板状の酸化黒鉛粒子(以下、「薄膜状粒子」と呼ぶ)の水分散液を得た。液の一部を40℃で真空乾燥させ、乾燥前後の質量変化を測定した結果から、液中の薄膜状粒子の濃度は1.3質量%と算出された。また、40℃で真空乾燥させた薄膜状粒子の元素分析で、酸素は42質量%、水素は2質量%であった。液の一部を水で希釈してからガラス板の上で乾燥させ、光学顕微鏡観察により薄膜状粒子の平面方向の粒径(平面内で最も長い対角線の長さ)を調べたところ、観察した範囲での粒径は、1〜7μmが大多数であり、その平均粒径は2.3μmであった。なお、光学顕微鏡観察で認められる各粒子の色は一部の例外を除いてはほぼ同様の色であり、大多数の粒子の厚みは同程度と判断された。一部の色の異なる粒子は他の粒子よりも色が濃いことから少量存在する厚みの厚い粒子である。さらに、原子間力顕微鏡を使って薄膜状粒子の厚みを評価したところ、5個の粒子で確認された厚みは3nm、3nm、5nm、6nm、9nmであり、平均厚さは5.2nmであった。以下、この分散液を「分散液A」と呼ぶ。
分散液Aと水系グラスカ(JSR社製、固形分量40質量%、水60質量%)およびピロガロール(還元剤)を含有した液を、PC(ポリカーボネート)フィルム基体の上に塗布・乾燥しコート膜を形成した。コート膜中の酸化黒鉛粒子の濃度は2.5質量%、ピロガロール(還元剤)の濃度は2.25質量%でコート膜の厚みは150nm程度であった。乾燥は80℃で5分程度行った。乾燥後のフィルムの面積抵抗率は1×1013(Ω/□)以上であった。以下、このようにして作製されたフィルムを「フィルムA」と呼ぶ。
フィルムAを恒温恒湿器(ESPEC社製恒温恒湿器プラチナスルシファー)に入れ、99℃の温度で、加湿を行った。このとき、湿度は5%とした。そして、適当なタイミングでフィルムAを上記恒温恒湿器から取り出して面積抵抗率を測定し、面積抵抗率が108(Ω/□)オーダーで面積抵抗率が加熱処理時間とともに変化しなくなった定常値に到達したフィルムAを導電体として得た。このとき、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が上記定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例2)
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が30%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が30%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例3)
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が40%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が40%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例4)
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が50%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が50%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例5)
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が60%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が60%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例6)
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が80%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が80%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例7)
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が98%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、湿度が98%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例8)
恒温恒湿器にて、フィルムAを、80℃の温度下で湿度が60%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にて、フィルムAを、80℃の温度下で湿度が60%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例9)
恒温恒湿器にてフィルムAを、80℃の温度下で湿度が80%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、80℃の温度下で湿度が80%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(実施例10)
恒温恒湿器にてフィルムAを、80℃の温度下で湿度が98%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを、80℃の温度下で湿度が98%となるように加湿したこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、実施例1と同様にして、フィルムAを加湿してから面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(比較例1)
恒温恒湿器にてフィルムAを加湿しなかったこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、フィルムAの面積抵抗率が一定の値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にてフィルムAを加湿しなかったこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、フィルムAの面積抵抗率が一定の値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(比較例2)
恒温恒湿器にて、80℃の温度下でフィルムAを加湿しなかったこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、フィルムAの面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
恒温恒湿器にて、80℃の温度下でフィルムAを加湿しなかったこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、フィルムAの面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
(参考例1)
フィルムAを乾燥機に入れ、加湿処理を行わずに140℃の温度で加熱処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、フィルムAの面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
フィルムAを乾燥機に入れ、加湿処理を行わずに140℃の温度で加熱処理を行ったこと以外は実施例1と同様にして導電体を得た。そして、フィルムAの面積抵抗率が定常値に到達するまでの到達時間を算出した。結果を表1に示す。
表1の結果より、実施例1〜7は、比較例1に比べて大幅に到達時間が短縮されることが分かった。また実施例8〜10は、比較例2に比べて大幅に到達時間が短縮されることが分かった。このことから、酸化黒鉛粒子を加熱処理するときに加湿を行うことで、同一処理温度での大幅な処理時間の短縮が図られることが分かった。なお、参考例1は、酸化黒鉛粒子の還元に際して、加湿をしなくても温度が高ければ短時間で十分な導電性が得られる例を示すものである。
よって、本発明によれば、酸化黒鉛粒子を還元する際の加熱処理温度が低くても、導電体の製造に要する時間を大幅に短縮できることが確認された。
1…基体、2…導電膜、100…導電体。
Claims (3)
- 導電膜を備えた導電体の製造方法において、
酸化黒鉛粒子及び還元剤を含有する酸化黒鉛粒子含有液をフィルム状に形成した後乾燥することによってコート膜を形成するコート膜形成工程と、
前記コート膜中の前記酸化黒鉛粒子を加熱処理して還元することで前記導電膜を備えた導電体を形成する還元工程とを含み、
前記還元工程が、前記コート膜を加湿する加湿工程を含む、導電体の製造方法。 - 前記還元剤が、前記酸化黒鉛粒子含有液の乾燥前には、前記酸化黒鉛粒子中の酸素量を10質量%以上減少させず、少なくとも前記還元工程において前記酸化黒鉛粒子を還元する作用を有する、請求項1に記載の導電体の製造方法。
- 前記酸化黒鉛粒子が平板状であり、100nm以上の平均粒径及び0.4nm〜10nmの平均厚さを有する、請求項1又は2に記載の導電体の製造方法。
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