JP2006320853A - 黒鉛系水素吸蔵材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 黒鉛の層間を利用し、常温において活性炭等の多孔質材料よりも高い水素吸蔵量を有し、作製も容易な黒鉛系水素吸蔵材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発明の黒鉛系水素吸蔵材料は、水素が吸着できる空間を有効に創生するために有機金属反応剤が締結した酸化黒鉛からなる構成である。この材料は、黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させて層間を広げた黒鉛層間複合体よりなる水素吸蔵材料の製造方法を工夫したもので、さらに前記層間内の酸素、反応物の一部または全て取り出すことで、層間内に水素侵入用の空間を形成することを特徴としている。
【選択図】 なし
【解決手段】発明の黒鉛系水素吸蔵材料は、水素が吸着できる空間を有効に創生するために有機金属反応剤が締結した酸化黒鉛からなる構成である。この材料は、黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させて層間を広げた黒鉛層間複合体よりなる水素吸蔵材料の製造方法を工夫したもので、さらに前記層間内の酸素、反応物の一部または全て取り出すことで、層間内に水素侵入用の空間を形成することを特徴としている。
【選択図】 なし
Description
本発明は、黒鉛系の水素吸蔵材料及びその製造方法に関するものである。
地球温暖化と大気汚染対策、エネルギー供給の安定化と効率化の観点から燃料電池が注目されている。そして、燃料電池を輸送用機器に搭載するためには水素貯蔵法の検討が重要であり、コストが安く、軽量で、体積水素吸蔵密度が高く、水素の充填・放出速度が速く、安全で取り扱いやすい水素貯蔵材料及び貯蔵方法の開発が望まれている。そして、水素吸蔵用の炭素材料としては、例えば、(1)多孔質カーボンの比表面積が1500m2/g以上、嵩密度0.25g/cm3以上の材料であり、炭素原料を含水の水酸化カリウムと混合した後、焼成して製造する構成(特開昭60−247073号公報)、(2)炭素1g当たり0.0022gより大きい水素の容量と790KPa及び25℃で測定して15V/Vより大きい容積効率を有する炭素モレキュラーシーブに水素を吸着させる水素吸蔵方法で、モレキュラーシーブは塩化ビニリデン共重合体の炭素化により形成する構成(特表平8−504394号公報)、(3)粘土状無機物マトリックスの隙間に有機重合性前駆物質を満たし、重合炭化により細孔構造を有する活性炭吸着剤を得る構成(特表平8−506048号公報)が知られている。
また、活性炭系の水素吸蔵メカニズムは、活性炭のミクロポアへの水素の吸着により水素吸蔵性を発現させることであり、水素吸蔵量の向上には、活性炭表面への貴金属の担持や細孔径を小さくしたり比表面積を増加させることが必要である。この点に関し、特開平10−72201号公報には水素分子を原子に分離させる機能を持った金属を表面に有する多孔質炭素質材料について挙げられおり、炭素材料は活性炭、フラーレンまたはカーボンナノチューブ、金属は白金、パラジウムまたは水素吸蔵合金などが記載されている。また、特許文献1には、水素貯蔵用炭素材料として、0.3nm以上、1.5nm以下の細孔直径を有する炭素材料で、0.3nm以上、1.5nm以下の細孔直径、50m2/g以上、800m2/g以下の比表面積、かつ、0.01ml/g以上、0.3ml/g以下の細孔容積を有する材料が特定されている。この材料は273〜373Kの温度領域で高水素吸蔵能を示とされる。特許文献2には、水素吸蔵用炭素材料として、比表面積が3000m2/g以上であり、細孔を有し、BJH法により求めた細孔の細孔モード径が1nm以上、2nm以下である材料が特定されている。
また、黒鉛の水素吸蔵にはミクロポアの存在が重要であるが、黒鉛の層間をより有効利用し、比表面積の大きな多孔質材料を調整する方法としての新規な提案もなされている。その中でも、グラファイト酸化物層状体の層間にピラーとして金属又は半金属の化合物を導入して安定な多孔質構造とした、多孔質グラファイト複合材料およびその製法が注目されている。特許文献3においては、黒鉛を酸化して得た黒鉛酸化物をアルカリ中に分散し、或いは予め長鎖有機イオンで層間を拡張し、続いて金属或いは半金属酸化物のような硬い架橋剤を導入することにより高表面積の含炭素多孔質複合体を合成できることが報告されている。また、特許文献4には、含炭素多孔質複合体を炭素または炭素酸化物のみからなる多孔質体の調整が提案されている。具体的には、高比表面積の含炭素多孔質複合材料をより高温で炭化処理して、好ましくは更に金属(半導体)酸化物をフッ酸等で溶出することで比表面積700m2/g以上のメソポーラス炭素構造体を製造する方法である。
また、特許文献5には、層間予備拡張方法の簡略化の提案がなされている。長鎖有機アミンとグラファイト酸化物とを有機溶剤が介在する条件下で固相において混合し、イオン交換反応を起こさせることで、長鎖有機アミン分子が黒鉛層間に均一的にカレーションすることが出来、黒鉛酸化物の層間が広げられる。この方法で拡張した黒鉛酸化物の層間に更にテトラエトキシシラン(TEOS)等の半金属或いは金属酸化物前駆体を導入し、炭化等の熱処理により表面積500m2/g以上の含炭素多孔体複合材料を製造出来ることが記載されている。
一方、酸化黒鉛の層間を広げかつ安定化し、しかも導電性を有する酸化黒鉛と導電性高分子化合物との層間複合体を提供する方法の提案もある。特許文献6には、酸化黒鉛の層間に導電性高分子化合物を取り込んだ層間複合体に関するもので、導電性高分子化合物の一部は酸化黒鉛と化学的に結合していることが記載されている。そして、層間複合体の具体的調整法は、酸化黒鉛をアルカリ水溶液に入れ、酸化黒鉛の層間を広げ、次に導電性高分子化合物を形成しうる重合性単量体(アニリン、ピロール、アセチレンなど)を加え酸化黒鉛の広がった層間で重合させることである。
特開2003−171111号公報
特開2003−225563号公報
特開2001−392871号公報
特開2004−210583号公報
特開2004−217450号公報
特開平11−263613号公報
上記した酸化黒鉛を用いた含炭素多孔体複合材料は、層間予備拡張の手法としてアルカリ水溶液中で酸化黒鉛を分散させたり、長鎖有機アミンを黒鉛層間に均一にインターカレーションすることが必要不可欠であり、酸化黒鉛の層間にアルカリイオンが吸着したりカチオンであるアミンが吸着することが必要と考えられていた。このようなメカニズムで層間を予備拡張した材料は、しっかりとした層間架橋構造を構成できず、水素吸蔵材料のような10Å程度の均一な層間および、水素が吸着される空間を有効に創生するには課題が多かった。
そこで、本発明の目的は、水素の吸着できる空間を有効に創生するために有機金属反応剤が締結した酸化黒鉛からなる水素吸蔵材料を提供することである。すなわち、酸化黒鉛の層間に存在するC=OやOHの官能基と有機金属反応剤が有効に反応し、層間内で効率よいピラー化がなされて層間が拡張される新規合成法を提供することである。また、黒鉛の層間を水素吸蔵用として有効活用できるようにし、例えば、常温で活性炭等の多孔質材料よりも高い水素吸蔵能を有し、製法も容易な黒鉛系水素吸蔵材料およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、原料としては入手及び製造が容易な酸化黒鉛を使用して、黒鉛の層間を如何に利用するかの点から鋭意研究を重ねてきた結果、本発明を完成した。すなわち、請求項1の発明は、有機金属反応剤を締結した酸化黒鉛からなる黒鉛系水素吸蔵材料である。
これに対し、請求項2〜9の発明は、以上の黒鉛系水素吸蔵材料を製造方法から捉えたものである。このうち、請求項2の発明は、黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させることを特徴としており、黒鉛の層間を広げた黒鉛層間複合体よりなる水素吸蔵材料の製造方法である。
また、請求項3〜4の発明は、層間内反応に用いる有機金属反応剤およびモノマーの範囲を特定したものである。請求項5の発明は、黒鉛層間複合体内に含有される酸化物の元素を特定しており、請求項6は前記黒鉛層間複合体の層間の広がりを規定したものである。
さらに、請求項7〜9の発明は、前記層間複合体を加熱にて還元することで層間内の有機物の一部または全てを取り除くことを特徴とする水素吸蔵材料の製造方法である。また、還元後の黒鉛層間複合体には少なくとも有機金属反応剤の元素が検出されることが重要である。黒鉛の層間に酸素が共有結合した酸化黒鉛は絶縁体であるが、還元により層間内の有機物の一部を取り除くことでπ電子の移動が生じ体積固有抵抗が低下する。請求項9に規定したように水素吸蔵性の良い体積固有抵抗は100Ω・cm以下であり、層間内の有機物を全て除くことで10Ω・cm以下の導電性を得ることが出来る。
最後の請求項10の発明は、原料となる酸化黒鉛の調整に用いる黒鉛として人造黒鉛、天然黒鉛、ホウ素や窒素で黒鉛の六角網面の一部が置換されたヘテロ黒鉛を用いることであり、酸化黒鉛の特性や黒鉛層間複合体の特性に影響を与える。
上記した本発明は、黒鉛系水素吸蔵材料として、又は、その製造方法として黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させて層間を広げた層間複合体を構成したり、必要に応じ加熱にて還元したり、或いは酸化を行い層間内の有機物の一部を除いたり、無機酸化物を層間内に形成することで、水素が侵入される空間(ナノスペース)を創生し、より大量の水素を吸蔵できるようにして、軽量で、繰り返し使用できる。また、製法の他の利点としては、還元や酸化処理を主体としているため簡易で、製造費や設備費を抑えて実用化に寄与できる。
以下、本発明の黒鉛系水素吸蔵材料とその製造方法を説明した後、実施例を挙げて本発明の有用性を明らかにする。
《請求項1について》発明の黒鉛系水素吸蔵材料は、水素が吸着される空間を有効に創生するために有機金属反応剤が締結した酸化黒鉛からなる構成である。この構成は、特に、黒鉛の層間内の官能基と結合して、層間を広げるためには有機金属反応剤が有効であることを知見したことに基づいている。
《請求項2について》上記黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法としては、黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させて層間を広げた層間複合体、つまり層間内に水素侵入用の空間を有している層間複合体に成形する。
以上の各発明は次のような背景から完成されたものである。まず、水素吸蔵量の多い黒鉛系材料を調整するためには層間に水素が侵入される空間を多く創生する必要がある。その場合、規則的な空間を調整するためには酸化黒鉛を構成している層間内の−OH、C=Oの官能基を有効に利用し、その官能基に有機物を反応させることで強固なピラーを形成し、加熱などの還元や酸化処理においても大きな膨脹が発生しない層間架橋体を構築することが必要となる。本発明は、そのような考えと実証試験を通して完成されたものである。また、層間内での反応については、層間内の−OHやC=Oの官能基と反応させるため種々の検討を重ねたところ、炭素―金属結合を持つ有機金属化合物が合成上有用であることを知見した。これは炭素―金属結合が炭素側δ-に、陽性の金属側がδ+に分極しているためである。一般のハロゲン化アルキル、アルコール、カルボニル化合物など電気陰性度の高い酸素やハロゲンに結合した炭素は全てδ+に分極しているため、このような逆の極性(δ-)の炭素を作り出すことが重要である。
このように、層間内での反応では、炭素側と金属側で分極している有機金属化合物を用いることで酸化黒鉛の層間の官能基である−OH、C=Oと反応させることができ、還元時に大きく膨脹することなく、層間内に水素侵入用として好適な空間を形成できるようになる。創生した層間内の空間は、水素が侵入できる空間であるが、空間の径が大きくなり過ぎると水素吸着力が弱くなる。なお、吸着力を左右する主なものとしては、London分散力相互作用、双極子相互作用、水素結合、静電引力、共有結合の5種類に分類される。London分散力は原子と分子、また分子同士が互いに接近したときに瞬間的に電気分極が起き、原子または分子間にごく弱い引力が発生するものである。この分散力は距離が離れると極端に低下する。活性炭が強い吸着力を有するのは細孔径が小さいことに起因する。すなわち、気体分子と同程度の大きさの細孔内では分子は周りの壁からの強い分散力によって吸着する。これは、本発明においても、黒鉛の層間を5〜10Å程度に均一に広げた空間を確保できれば、該空間内でLondon分散力等のvan der Waals力が働き、水素吸蔵量を増加できるものと考えれられる。そして、本発明者らは、水素吸蔵量の多い空間を創生するためには酸化黒鉛の層間の官能基である−OH、C=Oと有機化合物を反応させることで、還元時において酸素を主体とした急激なガス放出が少なくなり、また、層間内での架橋反応などにより大きく膨脹することがなくなり、還元時に黒鉛の層間内に形成される空間をできるだけ小さく、かつ多く分布させることができることを見出した。
《請求項3について》上記黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法において、前記有機金属反応剤がリチウム化合物、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物のいずれか1以上からなる構成である。リチウム化合物、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物などは酸化黒鉛層間の−OH、C=Oの官能基と反応して層間内でピラー化し、層間を強固に広げる効果がある。このうち、リチウム化合物としてはn-C4H9Li、sec-C4H9Li、t-C4H9Li、C6H5Li、CH3Li、[(CH3)2CH]2NLi、[(H3C)3Si]2NLiなどが挙げられる。ホウ素化合物としてはBH3・C4H8O、(C2H5)3B、C8H15B、(C2H5)2B(OCH3)、Li(C2H5)3BH、Li(sec-C4H9)3BH、NaB(OAc)3Hなどが挙げられる。また、アルミニウム化合物としては(CH3)3Al、(C2H5)3Al、(i-C4H9)3Al、(i-C4H9)2AlH、LiAlH(OC4H9-t)3、などが挙げられ、マグネシウム化合物としてはグリニヤード試薬が挙げられ、CH3MgBr、CH3MgCl、C2H5MgBr、C2H5MgCl、n-C4H9MgBr、n-C9H9MgCl、C6H5MgBr、C6H5MgCl、CH2=CHMgCl、C6H11MgClなどがある。また、亜鉛化合物としては(C2H5)2Zn、その他のもので[(H3C)3Si]2NNa、CH3OLi、Cp2TiCl2など有機金属反応剤として好適である。
《請求項4および請求項6について》これらの構成は、酸化黒鉛と有機金属反応剤が反応して生成した複合体とモノマーを有機溶剤中で反応させ、層間を広げるようにした黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法である。まず、酸化黒鉛は、非水系溶剤中で有機金属反応剤と反応し酸化黒鉛−有機金属複合化物を形成するが、その複合物の中には未反応の有機金属反応剤もわずかに含まれるため、非水系溶剤中でモノマーと反応し層間を拡大する。この場合、各種試験から、モノマーとしてはメタクリル酸メチル、スチレン、アクリルニトリルなどが反応性が良好であり、溶剤としてはトルエンよりテトラヒドロフラン(THF)がモノマーとの反応が良好であった。層間の拡大は、前記の複合物の中に長鎖アルキルアミンを導入したり、金属アルコキシドを導入した複合物を非水系溶剤中で有機金属反応剤と反応させても起こる。このため、この反応においては、少なくとも酸化黒鉛と有機金属反応剤とを反応させた層間複合物にモノマーを反応させることである。また、酸化黒鉛、有機金属反応剤、モノマー、必要に応じ長鎖アルキルアミンや金属アルコキシドを同時に反応させたり、順序を変えて反応させることも有効であり、本発明はそのような態様も含む。また、請求項2から5における層間を広げた複合体は、請求項6に示すように、粉末X線回折法による回折角度(2θ)が、酸化黒鉛特有の14〜16.0°のピークより、底角側にピークがシフトし層間が拡大していることを確認した。
《請求項5の発明について》この構成は、黒鉛層間複合体中にケイ素、チタン、ジルコニウム、リチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛のうちの少なくとも1つ以上の元素を取り込むようにした黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法である。黒鉛の層間を広げ、還元後も層間の拡大を維持するためには、層間内に有機物によるピラーを形成し炭化させたり、無機化合物を介在させることが有効である。本発明においては、黒鉛層間を広げるために酸化黒鉛と有機金属反応剤を非水系溶剤中で反応させる層間反応複合物を形成するほかに、酸化黒鉛の層間や粒子間に長鎖アルキルアミンを導入したり、金属アルコキシドを導入した複合物を更に非水系溶剤中で有機金属反応剤と反応させ、層間をより均一に拡大させた複合物を調整し、加熱による還元後も層間が拡大した多孔質体を調整するのに有効である。
有機金属反応剤としては、リチウム化合物、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物などであり、加熱による還元でリチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛の炭酸化物、水酸化物、酸化物などを形成し黒鉛の層間や粒子間でピラー化し層間の拡大を維持する効果がある。また、ピラー化剤としてケイ素、チタン、ジルコニウムの金属アルコシドなどを酸化黒鉛、長鎖アルキルアミンとともに非水系溶剤中で混合し、さらに有機金属反応剤と反応させることで層間複合物を調整し、熱還元により層間でピラー化させることも有効である。ここで、金属アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ-t-ブトキシジルコニウム、テトライソプロピルチタネートなどが挙げられる。また、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリコロロシラン、ヘキサメチルジシラザンなどのシリル化剤等を用いることができる。長鎖アルキルアミンとしては、例えば特開2003−192316に開示されているものが有用である。
《請求項7および8、9について》これらの構成は、層間複合体を加熱して還元することで層間内の有機物の一部または全てを取り除くようにした黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法であり、還元後の層間複合体中に、少なくともリチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛のいずれかの元素を含むことを特長とする。また、還元後の黒鉛層間複合体の体積固有抵抗が100Ω・cm以下であることを特長としている。まず、黒鉛の層間に酸素が共有結合した酸化黒鉛は、層間が広がっているものの、その状態において水素が侵入する空間は創生されていない。そして、加熱を伴う還元処理で、層間の酸素の一部または全てを取り出そうとした場合、層間内で共有結合した酸素が還元過程で急激にガス化したり分解するため、還元後の粒子は層間の拡張で微粒子化が進んで層間内に水素が侵入できる空間を形成しづらい。本発明者らは、水素侵入用の空間を創生するため検討を重ねた結果、前記酸化黒鉛−有機金属複合化物を用いることで、還元時に、層間で共有結合する酸素が急激にガス化することがなく、過大に膨脹する部分が少なくなって微粒子化も起こらなくなることを確認した。また、層間内でのピラー化も比較的均一に進み、層間内に水素侵入用として好適な空間が形成されることも分かった。酸化黒鉛−有機金属複合化物は、少なくともリチウム化合物、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物を含むが熱による還元によりリチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛の炭化物、炭酸化合物、水酸化物、酸化物などを形成し黒鉛の層間や粒子間でピラー化し層間の拡大を維持する効果がある。
したがって、還元後の黒鉛層間複合体中に、少なくともリチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛のいずれかの元素を含むことが重要である。また、酸化黒鉛または酸化黒鉛を用いた黒鉛層間複合体は、黒鉛層間の反応物が六角網面の炭素原子と共有結合で強く結合しており導電性が失われる。水素吸蔵の観点からは、層間内が反応物で埋まっているため、水素を吸蔵する空間が少なく、水素吸蔵量も少ない。しかし、還元により、黒鉛層間の六角網面の炭素原子と共有結合で反応している酸素や反応物の一部または全てを除くことで、導電性が発現する。水素が吸蔵する空間を確保するためには、黒鉛層間複合体の体積固有抵抗が100Ω・cm以下まで加熱による還元を進める必要がある。そして、本発明の製造方法は、以上の現象を指標として具体的な製造条件を設計管理することで容易かつ品質のばらつきを抑えて量産可能となる。
《請求項10について》この構成は、酸化黒鉛の特性や黒鉛層間複合体の特性に影響を与えるため、原料となる酸化黒鉛の調整に用いる黒鉛として、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛の六角網面の一部をホウ素や窒素で置換したヘテロ黒鉛を用いることである。すなわち、調整した酸化黒鉛における層間の六角網面内や、開環された構造内にホウ素や窒素が置換されていることで、有機金属反応剤との層間反応が強固になり、安定した層間架橋構造を構築でき、また六角網面内に異元素が置換しているため、ひずみにより層間内に活性点が発現しやすくなり水素の吸蔵能も向上する効果がある。
以下の実施例1〜15は、黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させて層間を広げた黒鉛層間複合体を調整する方法、また層間内の酸素や有機物などを加熱または加熱を伴わない処理で一部または全て取り出して層間内に水素侵入用の空間を形成させ、水素吸蔵材料の有効性を調べた一例である。また、層間内の空間を形成している炭素の六角網面の一部または前記空間にホウ素や窒素を置換したり炭素との化合物を形成し、黒鉛層間に有機物や無機酸化物の安定なピラーを形成し、かつ活性点の付与を狙った黒鉛系水素吸蔵材料の実施例も示す。
〈1.酸化黒鉛の調製〉
(酸化黒鉛の作製)比較例1〜2、実施例1〜14の酸化黒鉛は、表1〜3にまとめたように、平均粒径8μmの天然黒鉛(鱗片状黒鉛)を用い、Brodie法にて調製した。まず、発煙硝酸150ml中に天然黒鉛8gを投入し、更に塩素酸カリウムを64.4g加えて3時間反応させた。反応温度は55℃とした。反応終了後は、希釈、濾過、乾燥することで酸化黒鉛を調製した。また、実施例15については平均粒径8μmの窒素と、ほう素を5%含むヘテログラファイトを用い、上記と同様な方法で酸化黒鉛を作製した。
(酸化黒鉛の作製)比較例1〜2、実施例1〜14の酸化黒鉛は、表1〜3にまとめたように、平均粒径8μmの天然黒鉛(鱗片状黒鉛)を用い、Brodie法にて調製した。まず、発煙硝酸150ml中に天然黒鉛8gを投入し、更に塩素酸カリウムを64.4g加えて3時間反応させた。反応温度は55℃とした。反応終了後は、希釈、濾過、乾燥することで酸化黒鉛を調製した。また、実施例15については平均粒径8μmの窒素と、ほう素を5%含むヘテログラファイトを用い、上記と同様な方法で酸化黒鉛を作製した。
(還元処理)前記調製された各酸化黒鉛について、窒素ガスの雰囲気中で400℃で1h加熱することで試料(水素吸蔵材料)とした。
〈2.試料の物性〉
以上により作製された実施例1〜15と比較例1〜2の各試料(水素吸蔵材料)について粉末X線回折分析、FT−IRによる分析、比表面積、粉体抵抗、He平衡圧密度、水素吸蔵量を次のようにして測定した。
以上により作製された実施例1〜15と比較例1〜2の各試料(水素吸蔵材料)について粉末X線回折分析、FT−IRによる分析、比表面積、粉体抵抗、He平衡圧密度、水素吸蔵量を次のようにして測定した。
(粉末X線回折)この回析では、カウンタ(計数管)による自動記録方式(ディフラクトメータ)を利用したX線回折装置として、マックサイエンス社製のMXP18VAHFを使用した。計測では、X線管球への印加電圧および電流は40kV、150mAの条件とし、入射X線としてはCuKαを用いた。各試料のX線粉末図形を測定し、(002)面の2θ及び(002)面の層間距離を測定した。
(FT−IR)日本分光製FT−IR−660を用い、各試料の赤外スペクトルを測定した。測定に当たっては、試料をできるだけ大気に触れさせないように試料室に入れ真空に排気した後に測定した。試料はATR PRO400−Sに未処理状態でセッティングし、ATR法で測定した。
(比表面積)各試料の比表面積[m2 /g]の測定は、窒素吸着法を適用し、解析にはBrunauer-Emmett-TellerによるBET式より求めた(準拠規格:ISO 9277)。
(粉体抵抗)三菱化学株式会社製の粉体抵抗計PD―51を用い、1000g/cm2時の粉体抵抗を測定した。
(He平衡圧密度の測定)この測定では、図1に模式化したように、圧力容器1と2からなる測定装置を用い、He平衡圧密度を次のようにして計測した。まず、圧力容器2に測定試料を約1g精量して投入する。次に、圧力容器1と2を真空排気した後、容器2に約0.2MPaのHeを入れて正確に圧力P0.2を測定する。また、圧力容器2側の弁1を閉じた状態で、圧力容器1に圧力0.8MPaのHeを入れて正確に圧力P0.8を測定する。また、圧力容器2の上流側配管部に設けられた弁2を閉じた状態で、弁1と弁3を開き圧力容器1と圧力容器2のHe平衡圧PEを測定する。そして、試料のHe平衡圧密度は以下の式1に基づいてV0を求める。
(式1)
[(P0.8・V2)/T0.8]+[(P0.2・(V1-Vs)/T0.2)=
[(PE・V2)/TE]+[PE・(V1-Vs)/TE]
[(P0.8・V2)/T0.8]+[(P0.2・(V1-Vs)/T0.2)=
[(PE・V2)/TE]+[PE・(V1-Vs)/TE]
そして、He法における密度は試料重量W/試料容積V0より求める。ここで、反応容器の容積V1,V2はあらかじめ測定しておく。また、それぞれの圧力条件での圧力容器内の温度(T0.8、T0.2、TE)は30℃に設定したが、He法での密度の測定には実測値を用いた。
〈3.各試料の水素吸蔵特性評価〉実施例1〜15および比較例1〜2の各試料はJIS 7201、7203に準じた試験方法により、水素吸蔵量と水素放出量の測定を行った。この測定では、各試料を精秤した後、試料管に入れて真空排気した後、11.5MPaまで水素圧を上げて水素吸蔵量[質量%]を容量法で測定した。次に常温まで戻して水素放出量を確認した。表1は以上の実施例1〜5及び比較例1を材料構成・物性とともに評価結果を一覧し、表2、3は以上の実施例6〜10、11〜14及び比較例1、2を材料構成・物性とともに評価結果を一覧したものである。
実施例1は、平均粒径8μの天然黒鉛を用いて、Brodie法で酸化黒鉛を作製し、さらにn−ブチルリチウムを反応させた複合体の製法及び物性である。比較例1の酸化黒鉛と比較しXRDにて、酸化黒鉛よりも底角に位置する2θ=10〜14°にピ−クが発現し、また、FT-IRの結果よりC=O基の減少も確認できる。これより層間内での反応が想定され、層間も拡大したと考えられる。また、実施例2,3は酸化黒鉛とn-ブチルリチウムを反応させた複合体にメタクリル酸メチル、スチレンモノマーを反応させた例である。酸化黒鉛に見られる2θ=14〜16°のピークが消失し、6〜10°、10〜14°に新たなピークが発現し、層間の広がりが推察された。また、実施例4は、酸化黒鉛とn-ヘキサデシルアミンを予め前処理として混合した試料にn-ブチルリチウムを入れて反応させた例であるが、層間の拡大が確認でき、また、実施例5の400℃焼成後の特性は、水素吸蔵量も増加しており、試料の膨脹もほとんど認められなかった。
本発明は、規則的な空間を調製する上で酸化黒鉛の有する層間内の−OH、C=Oの官能基を有効に利用し、官能基に有機物を反応させることで強固なピラーを形成し、加熱などの還元、酸化処理においても大きな膨脹が発生しない層間架橋体を構築することが必要との考えで完成されたものである。そして、本発明者らは、水素吸蔵量の多い空間を創生するためには酸化黒鉛の層間の官能基である−OH、C=Oと有機化合物を反応させることで、還元時において酸素を主体とした急激なガス放出が少なくなり、また、層間内での架橋反応などにより大きく膨脹することがなくなり、還元時に黒鉛の層間内に形成される空間をできるだけ小さく、かつ多く分布させることができることを見出した。また、酸化黒鉛−有機金属複合化物の複合物は、非水系溶剤中でモノマーと反応し層間を拡大する。一方、前記複合物の中に長鎖アルキルアミンを導入した複合物を非水系溶剤中で有機金属反応剤と反応させても層間の拡大は起こり、本反応においては少なくとも酸化黒鉛と有機金属反応剤とを反応させた層間複合物にモノマーを反応させることが特徴である。また、前記した層間を広げた複合体は、請求項6で特定したように、粉末X線回析法(XRD)による回析角度2θが、酸化黒鉛特有の14〜16.0°のピークより、底角側にピークがシフトし、層間が拡大していることを確認できた。
表2は,有機金属反応剤としてリチウム化合物の他にホウ素化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物について確認した例である。実施例6〜10はホウ素化合物であるリチウムトリエチルボロハイドライド、アルミニウム化合物であるトリエチルアルミニウム、マグネシウム化合物(グリニヤード試薬)であるエチルマグネシウムブロミド、亜鉛化合物であるジエチルジンクを酸化黒鉛と反応させた例であるが、2θが10〜14°にピークが発現することが確認でき、酸化黒鉛の官能基であるC=O、OHと反応し層間を広げる効果が確認できた。また実施例10はグリニヤード試薬であるエチルマグネシウムブロミドと反応させた複合体を窒素ガス中で400℃焼成した例であるが、導電性が向上し水素吸蔵量も向上している。
実施例6〜10、11〜14は黒鉛層間複合体中にケイ素、チタン、ジルコニウム、リチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛のうちの少なくとも1つ以上の元素を取り込ませことを特長とする水素吸蔵材料である。黒鉛の層間を広げ、還元後も層間の拡大を維持するためには、層間内に有機物によるピラーを形成し炭化させることのほかに、無機化合物を介在させることが有効である。実施例6〜10は、黒鉛層間を広げるために酸化黒鉛と有機金属反応剤を非水系溶剤中で反応させた層間反応複合体の実施例を示す。また、酸化黒鉛の層間や粒子間に長鎖アルキルアミンを導入した複合物に金属アルコキシドを導入し、更に非水系溶剤中で有機金属反応剤と反応させた複合体を調整し、最後に加熱による還元で層間内に微細な空間を形成させた実施例を11〜13に示す。実施例11〜13は、酸化黒鉛とn−ヘキサデシルアミンの複合物に有機金属反応剤であるn-ブチルリチウム、更にTHF中でモノマー、金属アルコシドと反応させた例である。有機金属反応剤を用いることで、層間内での反応が進行し熱還元時のガスの放出や膨脹が急激に起こらず、かさ密度の比較的高い材料が得られる。そして、比較としてn−ブチルリチウムを配合しない比較例2の結果を示すが、400℃の還元条件にて層間内の酸素や化合物がガスとなって一気に放出されるために、膨張率が大きく、粒子が微細化され水素が吸蔵される空間が調製されなかったと考えられ、水素吸蔵性はほとんど発現しない。このように有機金属反応剤であるn-ブチルリチウムなどを反応に用いることで層間内での反応が進行し、熱還元後の層間内での安定なスペースの確保が達成できたと考えられる。
また、実施例14,15は原料として黒鉛を用いたもの、また、ほう素、層間を形成する六角網面の一部を窒素で置換したヘテロ黒鉛を用いた実施例である。ヘテロ黒鉛を原料とした酸化黒鉛は、有機金属反応剤であるn-ブチルリチウムと反応性が強く、ピラー化に有利である。その結果、熱還元後も膨脹が少なく、水素吸蔵量も多くなっている。原料となる黒鉛としては天然黒鉛、人造黒鉛のどちらでも使用ができ、また、黒鉛を構成している六角網面の一部をホウ素や窒素で置換しヘテロ化した黒鉛を用いることで水素吸蔵性が向上する。
1と2は圧力容器
Claims (10)
- 有機金属反応剤を締結した酸化黒鉛からなることを特徴とする黒鉛系水素吸蔵材料。
- 黒鉛の層間に−OH、C=Oの官能基を有する酸化黒鉛を用い、酸化黒鉛の層間を広げる工程として、非水系溶剤中で少なくとも有機金属反応剤を反応させて層間を広げた黒鉛層間複合体を得ることを特徴とする黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記有機金属反応剤がリチウム化合物、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、亜鉛化合物の少なくとも1以上からなることを特徴とする請求項2に記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記黒鉛層間複合体とモノマーとを有機溶剤中で反応させ、層間を更に広げることを特徴とする請求項2または3に記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記黒鉛層間複合体中にケイ素、チタン、ジルコニウム、リチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛のうちの少なくとも1つ以上の元素を取り込ませることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法
- 前記有機金属反応剤を用いて反応させた黒鉛層間複合体の熱還元前のXRDピークは、酸化黒鉛のピークより底角に位置し、層間が広がっていることを特徴とする請求項2に記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記黒鉛層間複合体を加熱で還元することで層間内の有機物の一部または全てを取り除くことを特徴とする請求項2から6の何れかに記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記還元後の黒鉛層間複合体中に、リチウム、ホウ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛のいずれか1以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記還元後の黒鉛層間複合体の体積固有抵抗が100Ω・cm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
- 前記原料となる酸化黒鉛の調整に用いる黒鉛として人造黒鉛、天然黒鉛、ホウ素や窒素で黒鉛の六角網面の一部が置換されたヘテロ黒鉛を用いることを特徴とする請求項2に記載の黒鉛系水素吸蔵材料の製造方法。
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