JP2003175526A - 新規な射出成形法及び該成形品 - Google Patents

新規な射出成形法及び該成形品

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JP2003175526A
JP2003175526A JP2002282669A JP2002282669A JP2003175526A JP 2003175526 A JP2003175526 A JP 2003175526A JP 2002282669 A JP2002282669 A JP 2002282669A JP 2002282669 A JP2002282669 A JP 2002282669A JP 2003175526 A JP2003175526 A JP 2003175526A
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Hideyuki Ariyasu
秀之 有安
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性熱可塑性樹脂の射出成形において、金
型表面状態を高度に成形品に転写する方法を、複雑な装
置や金型を使用せず経済的に提供する。 【解決手段】 大気圧以上の二酸化炭素ガスを充填した
金型キャビティにポリトリメチレンテレフタレートを主
成分とする熱可塑性樹脂組成物を充填する新規な射出成
形法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリトリメチレンテ
レフタレートを主成分とする熱可塑性樹脂組成物の射出
成形法及び該成形法で成形された成形品であり、金型表
面状態を成形品表面に高度に転写する成形法及び成形品
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリ
ブチレンテレフタレート樹脂に代表される熱可塑性ポリ
エステル樹脂は、機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐候
性、電気特性等に優れ、自動車材料、電気・電子部品等
の幅広い分野で使用されている。そして、用途の拡大、
多様化に伴い、さらに精密で、機能性、外観に優れた成
形体が求められるようになってきた。
【0003】結晶性熱可塑性樹脂の成形において、通
常、金型の温度は成形樹脂の固化する温度よりも十分に
低い温度に保たれる。これは、熱伝導性が著しく低い樹
脂素材を、短時間で溶融状態から、成形品として取り出
せる温度にまで冷却するために必要なことである。ま
た、金型表面状態を高度に成形品に転写するには粘度が
低い状態の樹脂を高い圧力で金型に押しつける必要があ
る。しかし、樹脂の固化温度よりも金型温度が低いと、
樹脂充填と樹脂の固化が同時に進行することになり、樹
脂流動先端部(Flow front)付近で金型に接
触した樹脂は、急激に冷却され粘度が高くなるととも
に、金型表面に低い圧力で押し付けられた状態で固化す
るため、金型表面状態を高度に成形品に転写することは
困難となる。
【0004】このため通常の射出成形では、光沢ムラ、
ウェルドライン、フローマーク、ジェッティングなどの
外観不良や転写不良を起こしやすく、薄肉部品ではショ
ートショットを起こすこともある。金型表面の転写性を
高めるには、樹脂充填工程中の樹脂の固化を防止した
り、最小限にとどめることが必要となる。熱可塑性樹脂
の射出成形等では、成形サイクルタイムを長くせず、経
済的に金型表面転写性を高めることが常に要求されてき
た。金型表面転写性を高める手段としてこれまで種々の
方法が提案されており、例えば、次のような方法があ
る。
【0005】1.金型に熱媒と冷媒を交互に流して金型
表面の加熱、冷却を繰り返す方法(例えば、非特許文献
1参照。)。 2.成形直前に高周波誘導加熱で金型表面を選択的に加
熱する方法(例えば、特許文献1参照。)。 3.金型表面に絶縁層と導電層を設け、導電層に通電し
て加熱する方法(例えば、非特許文献2参照。)。 4.金型表面を輻射加熱する方法(例えば、非特許文献
3参照。)。 5.金型表面を断熱層で被覆し、成形樹脂自身の熱で金
型表面を加熱しつつ成形する断熱層被覆法(例えば、特
許文献2参照。)。 本発明はこれらの従来の金型表面転写性を良くする成形
メカニズムとは異なるメカニズムによりその目的を達成
する方法である。多くの文献に示されるように、二酸化
炭素を樹脂に吸収させると、樹脂の可塑剤として働き、
ガラス転移温度を低下させることが知られている(例え
ば、非特許文献4参照。)。本出願人、二酸化炭素を充
填した金型キャビティに熱可塑性樹脂を射出する成形法
について出願した(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
【特許文献1】USP4439492号明細書
【特許文献2】USP5362226号明細書
【特許文献3】WO97/04938号明細書
【特許文献4】WO98/52743号明細書
【非特許文献1】Plastic Technolog
y,VOL.34(June),150(1988)
【非特許文献2】Polym.Eng.Sci.,Vo
l.34(11),894(1994)
【非特許文献3】合成樹脂,Vol.42(1),48
(1996)
【非特許文献4】J.Appl.Polym.Sc
i.,Vol.30,2633(1985)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、結晶
性熱可塑性樹脂の成形において、樹脂充填工程中の樹脂
の固化や粘度上昇を防止し、金型表面状態を高度に成形
品に転写する方法を経済的に提供することにある。すな
わち、本出願人が既に出願しているWO98/5274
3に示している成形法を用いて、結晶性熱可塑性樹脂の
射出成形について更に詳細に検討した結果、本発明に至
ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明者は検討の結果、結晶性熱可塑性樹脂であるポリ
トリメチレンテレフタレートを主成分とする熱可塑性樹
脂の射出成形において、金型表面状態が成形品に高度に
転写できることを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の各発明からなる。 1.大気圧以上の二酸化炭素ガスを充填した金型キャビ
ティにポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする
熱可塑性樹脂組成物を充填する新規な射出成形法。 2.0.5MPa以上、15MPa以下の二酸化炭素ガ
スで加圧状態にした金型キャビティに、溶融した樹脂組
成物を充填し成形する上記1の成形法。 3.1MPa以上、10MPa以下の二酸化炭素ガスで
加圧状態にした金型キャビティに、溶融した樹脂組成物
を充填し成形する上記1の成形法。 4.上記1、2あるいは3の成形法で成形された射出成
形品。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする熱可塑
性樹脂組成物とは、ポリトリメチレンテレフタレートを
10重量%以上含有する熱可塑性樹脂であり、好ましく
は20重量%以上、更に好ましくは30重量%以上含有
する熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂を構成する物質
としては、ポリトリメチレンテレフタレートの他に、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ABS樹
脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン、ポリ
アミド等の一般に射出成形に使用される各種熱可塑性樹
脂、エチレン−αオレフィン共重合体等からなる各種熱
可塑性エラストマー、ガラス繊維、炭素繊維等の各種繊
維状強化材、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウ
ム、ウオラストナイト等の無機粉末状充填材および繊維
状強化材と粉末状強化材との併用材、臭素化ポリスチレ
ン等のハロゲン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、ポ
リリン酸メラミン等の非ハロゲン系難燃剤等の配合剤等
である。
【0010】これらには必要に応じて、酸化防止剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、顔料、染料
等、従来、一般に使用されている公知の添加剤を配合し
てもよい。ポリマーアロイの成分としてポリトリメチレ
ンテレフタレートに配合されるポリマーとしては、ポリ
カーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ABS
樹脂が好ましく、特にポリカーボネートが好ましい。
【0011】本発明では一般の押出成形には使用される
が、流動性が射出成形するには悪い熱可塑性樹脂、射出
成形するには分子量が大きすぎる熱可塑性樹脂などが良
好に使用できる。一般に分子量が大きい程、成形品の耐
化学薬品性、耐衝撃性などが良くなるが、成形時の流動
性が悪くなり、射出成形が困難になる。押出成形には射
出成形ほど高い流動性が必要とされないため、分子量の
大きな重合体が一般に使用されており、本発明ではこれ
らの押出成形に使用され、射出成形には使用されない高
分子量の重合体も良好に使用できる。強化材としてはガ
ラス繊維と炭素繊維、及び、無機粉末状充填剤が好まし
い。次に本発明を構成する特に好ましい各成分である、
ポリトリメチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ガラス繊維について次に詳しく述べる。
【0012】<ポリトリメチレンテレフタレート>本発
明におけるポリトリメチレンテレフタレート(以下、P
TTと略称することがある。)とは、酸成分に主として
テレフタル酸を、グリコール成分に主としてトリメチレ
ングリコールを用いたポリエステルポリマーである。テ
レフタル酸以外の他の酸成分としては、テレフタル酸以
外の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフ
ォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸;ε−オキシカプロン酸、ヒ
ドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオ
キシジカルボン酸が例示される。なお、テレフタル酸
は、酸成分の80モル%以上であることが好ましい。
【0013】トリメチレングリコールとしては、1,3
−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,
1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオールある
いはこれらの混合物の中から選ばれるが、安定性の観点
から1,3−プロパンジオールが特に好ましく、グリコ
ール成分の80モル%以上であることが好ましい。他の
グリコール成分としてはエチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キ
シリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキ
シアルキレングリコール、ハイドロキノンなどが例示さ
れる。
【0014】また、上述のポリエステルには、分岐成
分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリ
ット酸等の三官能または四官能のエステル形成能を持つ
酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成
能を持つアルコールが共重合されていてもよく、その場
合、分岐成分の量は全ジカルボン酸成分の1.0モル%
以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましく
は、0.3モル%以下である。更に、PTTはこれら共
重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わな
い。
【0015】本発明に用いられるPTTの製造方法は、
特に限定されるものではないが例えば、特開昭51−1
40992号公報、特開平5−262862号公報、特
開平8−311177号公報等に記載されている方法に
よって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体
(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低
級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたは
そのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な
温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸
のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時
間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられ
る。本発明のPTTは、その数平均分子量が5,000
〜100,000であることが好ましく、分子量分布を
示すMw/Mnが1.2〜4.5であることが好まし
い。さらには、分子量100,000以上の分子が、1
〜20%含有されることが好ましい。
【0016】数平均分子量および分子量分布は、例え
ば、浸透圧法や末端定量法、或いはGPC法(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー)により測定すること
ができる。具体的には、測定装置として東ソー(株)製
HLC−8120、カラムとして昭和電工(株)HFI
P804−803(30cmカラム2本)、キャリアと
してヘキサフルオロイソプロパノール(以後HFIPと
呼ぶ)を用い、標準試料としてポリマーラボラトリー社
製PMMAを用いて、温度40℃、流量0.5ml/分
で実施することができる。又、本発明のポリトリメチレ
ンテレフタレートは、その特性を損なわない範囲で、ポ
リトリメチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレート等の他のポリエ
ステル樹脂との混合物であってもかまわない。
【0017】<ポリカーボネート>本発明でいうポリカ
ーボネート樹脂とは、下記式(1)で表される繰り返し
単位からなる主鎖を有するものである。 −(O−Ar−O−CO)− (1) (式中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フ
ェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、
下記式(2)で表される基が挙げられる。) −Ar−Y−Ar− (2) (式中、Ar及びArは、それぞれアリーレン基で
あり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ピリジレン等の基を表す。Yはアルキレン基または
置換アルキレン基である。)また、下記式(3)で示さ
れる二価の芳香族残基を共重合体成分として含有してい
ても良い。 −Ar−Z−Ar− (3) (式中、Ar、Arは式(2)と同じ。Zは単なる
結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO
−、−CO−、−CON(R)−(Rは、それ
ぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル
基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜3
0のアリール基、炭素数7〜31のアラルキル基であっ
て、場合によりハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコ
キシ基で置換されていても良い。)等の二価の基であ
る。) これら二価の芳香族残基の例としては下式で表されるも
の等が挙げられる。
【0018】
【化1】
【0019】(式中、R及びRは、それぞれ独立
に、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭
素数1〜10のアルコキシ基、炭素数5〜10のシクロ
アルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。
m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R
はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、n
が2〜4の場合は各Rはそれぞれ同一でも異なるもの
であっても良い。) なかでも、下記式(4)で表される基が好ましい一例で
ある。
【0020】
【化2】
【0021】特に、上記の式(4)で表される基をAr
とする繰り返し単位を85モル%以上(ポリカーボネー
ト中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネ
ートが特に好ましい。また、本発明に用いることができ
るポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を共重合
成分として含有していても良い。ポリマー末端の分子構
造は特に限定されないが、フェノール性水酸基、アリー
ルカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれ
た1種以上の末端基を結合することができる。これらの
中で、フェノール性水酸基、フェニルカーボネート基、
p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフ
ェニルカーボネート等が末端構造として好ましい。
【0022】本願において、フェノール性水酸基末端と
他の末端との比率は、特に限定されないが、よりすぐれ
た色調や機械的物性を得る観点からは、フェノール性水
酸基末端の比率が全末端基数の20%以上であることが
好ましく、溶融時の熱安定性の観点から80%以下の範
囲にあることが好ましい。フェノール性水酸基末端量の
測定方法は、一般にNMRを用いて測定する方法(NM
R法)や、チタンを用いて測定する方法(チタン法)
や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(UV法も
しくはIR法)で求めることができる。
【0023】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
の重量平均分子量(Mw)は、一般に5,000〜20
0,000の範囲にあることが好ましく、より好ましく
は10,000〜60,000であり、さらに好ましく
は15,000〜40,000であり、特に好ましくは
18,000〜30,000である。重量平均分子量
(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の
通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒と
し、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレ
ンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用い
て求められる。 MPC=0.3591MPS 1.0388 (MPC、MPSは、各々ポリカーボネート、ポリスチ
レンの重量平均分子量)
【0024】本発明で用いられるポリカーボネート樹脂
は、公知の方法で製造したものを使用することができ
る。具体的には、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物と
カーボネート前駆体と反応せしめる公知の方法、例え
ば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体
(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化
メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えば
ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させ
るエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法
で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合
する方法〔特開平1−158033号公報(米国特許第
4,948,871号明細書に対応)、特開平1−27
1426号公報、特開平3−68627号公報(米国特
許第5,204,377号明細書に対応)〕等の方法に
より製造されたものが用いられる。
【0025】好ましいポリカーボネート樹脂としては、
2価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジ
エステルとからエステル交換法にて製造された実質的に
塩素原子を含まないポリカーボネート樹脂があげられ
る。本発明では異なる構造や分子量の2種以上の異なる
ポリカーボネート樹脂を組み合わせて使用することも可
能である。ポリカーボネート樹脂の組成は、アロイの総
量に対し90重量%以下であることが好ましい。さらに
好ましくは70重量%以下であり、最も好ましくは50
重量%以下である。
【0026】<ガラス繊維>本発明でいうガラス繊維と
は、通常ポリエステル樹脂に用いられるものであれば特
に制限はない。又、組成物中のガラス繊維の数平均長さ
(以下Lという)、数平均繊維径(以下Dという)およ
びLとDの比(以下L/Dともいう)については特に限
定されないが、Lは100μm以上、L/Dは20以上
であることが好ましい。ガラス繊維の配合量は、成形体
の表面外観の観点からポリトリメチレンテレフタレート
系樹脂組成物の総量の70重量%以下が好ましい。又、
前期ガラス繊維は、特に表面処理を施したものが好まし
く用いられる。表面処理としては公知のカップリング剤
やフィルム形成剤を用いて行う。好ましく用いられるカ
ップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタ
ン系カップリング剤があげられる。
【0027】シラン系カップリング剤としては、トリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキ
シ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラ
ン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、
3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−4,5
ジヒドロイミダゾールプロピルトリエトキシシラン、ヘ
キサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリ
ル)アミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア
等が挙げられる。
【0028】この中でも、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシランお
よびエポキシシランが好ましく用いられる。チタン系カ
ップリング剤は、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニ
ルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスフェイト)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テト
ラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオ
クチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチ
タネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタ
ネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、
イソプロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)
チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネ
ート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げ
られる。
【0029】フィルム形成剤としては、ウレタン系ポリ
マー、アクリル酸系ポリマー、無水マレイン酸とエチレ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソ
プレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、
1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエンなどの不飽
和単量体とのコポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリエ
ステル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、ポリエーテ
ル系ポリマーなどの重合体を挙げることが出来る。これ
らの中でも、エポキシ系ポリマー、ウレタン系ポリマ
ー、アクリル酸系ポリマー、ブタジエン無水マレイン酸
コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチ
レン無水マレイン酸コポリマー、及び、これらの混合物
が好ましく用いられる。
【0030】本発明の成形法、すなわち二酸化炭素を充
填した金型キャビティに熱可塑性樹脂を射出する成形法
では、次のメカニズムで型表面転写性が改良されると考
えられる。すなわち、射出成形では、樹脂は金型キャビ
ティ内を常に層流で流れ、冷却された金型壁面に接触す
るとその界面に固化層が形成され、後から充填される樹
脂はその固化層の内側を流動して前進し、樹脂流動先端
部(Flow Front)に達してから金型壁面に向
かうファウンテンフローと呼ばれる流動をする。
【0031】金型キャビティを二酸化炭素で、適度なガ
ス圧力で満たしてから樹脂を充填すると、二酸化炭素は
流動樹脂のFlow Frontで吸収されたり、金型
と樹脂の界面に入り込み樹脂表面層に溶解する。樹脂に
溶解した二酸化炭素は可塑剤として作用し、樹脂表面だ
け固化温度を選択的に低下させたり、樹脂の溶融粘度を
下げる。薄い樹脂表面層だけ固化温度が下がり、固化温
度が金型表面温度以下となれば、樹脂充填工程中の固化
が起きず、成形品の金型表面転写性を著しく改良するこ
とができることになる。
【0032】樹脂表面層に溶解した二酸化炭素は、時間
とともに樹脂内部に拡散し、樹脂表面層の固化温度が上
昇するため、通常の樹脂冷却時間内で表面層は固化し、
製品として取り出すことができる。この結果、樹脂充填
工程中に金型に接する樹脂表面の固化温度を低下させつ
つ成形できる。非結晶性樹脂は二酸化炭素により固化温
度が大きく低下するため、この成形法は特に非結晶性樹
脂に適している。これに対して本発明は結晶性熱可塑性
樹脂であるポリトリメチレンテレフタレートを主成分と
する熱可塑性樹脂の射出成形について更に詳細に検討し
た結果である。すなわち、ポリトリメチレンテレフタレ
ートは結晶化速度が比較的遅く、その遅い結晶化速度が
型表面転写性に大きく影響することを発見し、本発明に
至った。
【0033】すなわち、結晶性熱可塑性樹脂の結晶化温
度は二酸化炭素を含有してもほとんど変わらないが、結
晶化速度が遅い樹脂では非結晶部が存在する間に射出圧
力等により溶融樹脂を金型表面に押しつける圧力が加わ
れば、型表面転写性が良くなるものと考えられる。結晶
化速度が遅すぎると、成形品の結晶化度が上がらず、成
形品性能として好ましくない。ポリトリメチレンテレフ
タレートはそのバランスが非常に好ましく、本発明の二
酸化炭素を用いた成形法に適している。
【0034】代表的なポリエステル樹脂である、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)の結晶化速度は非常に
遅く、射出成形時に溶融樹脂が冷却された型表面に接触
すると接触する成形品表層部は非結晶状態で固化され
る。一方、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の結
晶化速度は非常に速く、射出成形時に溶融樹脂が冷却さ
れた金型表面に接触すると接触する成形品表層部が直ち
に結晶化を起こす。ポリトリメチレンテレフタレートは
この両者の中間にある。すなわち、ポリトリメチレンテ
レフタレートの射出成形では溶融樹脂が冷却された型表
面に接触すると接触する成形品表層部の薄い最表面層が
非結晶状態で固化される。射出成形時の成形品表面光沢
等の型表面転写性は、成形品の薄い最表面層の転写性が
大きく関係している。本発明では、この最表面層の非結
晶層に金型キャビティ内の二酸化炭素が吸収されて、固
化温度を低下させることにより、良好な型表面転写性を
もたらすと考えられる。
【0035】金型キャビティに封入する二酸化炭素ガス
圧力は、高い圧力になるほど多量の二酸化炭素が樹脂に
溶解するため、より効果が大きくなる。実用的には、要
求する金型表面転写性の程度、樹脂の種類、金型温度等
から必要な二酸化炭素圧力が決まり、金型温度を高く設
定すれば低い二酸化炭素圧力で十分な転写性を得ること
もできる。好ましい圧力の下限は、0.5MPaであ
り、更に好ましくは1MPaである。また、圧力の上限
は、特に限定はないが、あまりに高圧になると金型を開
こうとする力が無視できなくなったり、金型のシールが
難しくなるなどの問題が生じやすいことから、15MP
a以下が実用的であり、好ましくは10MPa以下であ
る。
【0036】本発明に述べる圧力はゲージ圧であり、0
MPaが大気圧を示す。二酸化炭素圧力は1工程に使用
する二酸化炭素の量を最小限に押さえ、金型のシールや
ガス供給装置の構造を簡単にするために、要求する効果
が得られる範囲で低い方が好ましい。型閉時に型内に残
る空気は、型締め中や型締め完了後に使用するガス体
で、置換した方が好ましいが、使用する二酸化炭素圧力
が1MPaを越えるような場合、空気の影響はほとんど
無視できる。
【0037】樹脂充填後、キャビティ外に押し出された
二酸化炭素を解放し、大気圧とする。二酸化炭素の解放
は、キャビティ内を溶融樹脂で満たした後に行う。樹脂
充填後は金型表面状態を成形品に転写するため、成形品
表面が固化するまでキャビティ内の樹脂に十分な圧力を
与えることが望ましい。特に、金型表面にある点状の凹
み形状を転写する場合には、凹み内部の二酸化炭素圧力
に対抗して樹脂を金型に押しつける必要があり、このよ
うな場合には通常の成形よりも高い樹脂圧力で成形する
ことが望ましい。
【0038】樹脂中に溶解した二酸化炭素は、樹脂の成
形後に成形品を大気中に放置すれば徐々に大気中に放散
する。放散により成形品に気泡を生じることはなく、放
散後の成形品の機械的性能は通常の成形法で作ったもの
と変わらない。二酸化炭素をキャビティに供給、排出す
る装置、ガス配管および金型は、二酸化炭素の液化を防
ぐための対策をとることが好ましい。これは二酸化炭素
の液化が起きるような温度では、高い二酸化炭素圧力が
得られないばかりか、キャビティ内で液化ガスが樹脂に
触れると多量の二酸化炭素が樹脂中に溶け込み、二酸化
炭素圧力解放後に成形品表面が発泡し、外観不良を起こ
すためである。液化防止の対策としては、二酸化炭素を
加温器により加熱し、二酸化炭素の流路や金型の温度も
二酸化炭素の臨界温度以上に保つことや、樹脂充填時に
キャビティから二酸化炭素が押し出されことによる大幅
な圧力上昇を防止するために、キャビティと配管内の二
酸化炭素圧力を任意の範囲に保つことのできる圧力解放
弁や、キャビティから二酸化炭素が逆流可能なガス溜め
を設けことがあげられる。
【0039】ただし、二酸化炭素の液化を防止するため
に、二酸化炭素の温度を過剰に高くすることは、二酸化
炭素の膨張によりキャビティ内の二酸化炭素量が減少す
るため好ましくない。通常、Counter Pres
sure成形などで金型を気密構造にするには、パーテ
ィング面や各プレート間Oリングでシールし、キャビテ
ィに連通する突き出しピンなどの可動ピンもOリングで
シールしたり、突き出しピンが固定された突き出しプレ
ート部分全体を覆い気密とするなどの方法が採られてい
るが、本発明においても同様に使用できる。
【0040】本発明を図を用いて説明する。図1は本発
明法を実施する金型の構造と二酸化炭素ガス供給装置の
例を示す。図1において、成形品中心にダイレクトゲー
ト1を設ける。金型のキャビティ外周にはガス供給と開
放のための深さ0.05mmのベントスリット3とベン
ト4、およびベント4から金型外に通じる穴5を設けて
カウンタガス供給装置と接続し、ベントスリットと穴の
外周にガスシールのためにOリング6を設け、キャビテ
ィを気密構造とする。
【0041】ガス供給装置では、液化炭酸ガスを充填し
たボンベ7を50℃で保温しガス供給源として用いる。
ガスは容器より加温器8を通り、減圧弁9にて所定圧力
に調圧された後、約40℃に保温された内容量100c
3ガス溜10に溜められる。金型キャビティへのガス
供給は、ガス溜の下流にある供給用電磁弁11を開け、
同時に解放用電磁弁12を閉じることで行われ、樹脂充
填中はガス溜とキャビティはつながっている。樹脂充填
が終了するとほぼ同時に、供給用電磁弁11を閉じ、解
放用電磁弁12を開けることでガスを金型外に解放す
る。キャビティへのガス体の注入は、一般にキャビティ
のガス抜きに用いられる金型構造を用いれば可能であ
り、キャビティ外周のパーティング面に設けたスリッ
ト、金型入れ子や突き出しピンの隙間、ガス抜きピン、
多孔質焼結体でできた入れ子などが使用できる。
【0042】本発明には、二酸化炭素を金型キャビティ
に大気圧から1MPa程度の低い圧力で満たし、次いで
溶融樹脂の充填によりキャビティの二酸化炭素を圧縮
し、二酸化炭素圧力を増加させつつ成形する方法も含ま
れる。Oリング等でキャビティの二酸化炭素をシールし
た構造の金型を用い、二酸化炭素で大気圧から1MPa
程度の低い圧力で満たした金型キャビティに樹脂を充填
すると、樹脂により二酸化炭素は圧縮され、樹脂充填が
進む程二酸化炭素圧力は上昇する。二酸化炭素圧力が上
昇すると樹脂中に溶解する二酸化炭素量が増大し、溶解
した二酸化炭素により樹脂は可塑化され、流動性は良く
なる。一般の射出成形品では、射出圧力伝達の悪い樹脂
流動末端部の金型表面転写性はゲート付近に比べ低い
が、上記の方法では流動末端部の金型表面転写性を改良
することができる。
【0043】同様な効果は、金型表面の微細な凹部の転
写に対しても有効である。一般に、微細な凹部では、樹
脂流動中の固化や凹形状内にトラップされた空気のため
に、十分奥まで樹脂が入り込めない場合が多いが、本発
明ではトラップされた二酸化炭素が樹脂に吸収されるた
め樹脂充填の障害となることが少なく、吸収された二酸
化炭素の可塑剤効果により樹脂の固化温度が下がり、流
動性が増すため、凹部の奥まで樹脂を充填することが可
能となる。本発明では各種の射出成形法が良好に使用で
きる。一般に、金型表面転写性に劣るとされる、ガスア
シスト射出成形、液体アシスト射出成形、射出圧縮成形
などの低圧射出成形法も使用できる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に実施例を用いて本発明の効
果をさらに具体的に説明する。 (ポリトリメチレンテレフタレート)極限粘度[η]が
1.02であり、かつ、数平均分子量が9800、Mw
/Mn=2.5、100,000以上の分子量が占める
割合が5.8%であるポリトリメチレンテレフタレート なお、極限粘度[η]は以下の定義式によって求められ
る値である。 [η]=lim1/C×(η−1) [C→0] 式中のηは、ポリエステル樹脂を純度98%以上のo
−クロロフェノールに溶解させた希釈溶液の35℃にお
ける粘度を、同一温度における上記溶媒の粘度で除した
値であり、相対粘度として定義されているものである。
また、Cは上記希釈溶液100ml中の溶質の重量
(g)である。
【0045】(ポリカーボネート)ユーピロンS−20
00(三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製) (ガラス繊維)繊維径10μm、長さ3mmのチョップ
ドストランドをアミノシランカップリング剤とエポキシ
系収束剤の混合物で表面処理したもの (二酸化炭素)二酸化炭素としては純度99%以上の二
酸化炭素を使用する。 (成形機)射出成形機は住友重機械工業製SG125M
−HPを使用する。
【0046】(金型及び二酸化炭素供給装置)図1に示
す基本構造の金型と供給装置を使用する。成形品は厚み
2mmで縦横各120、60mmの長方形平板である。
固定側の金型キャビティ表面は鏡面状である。ゲートは
幅3mm、厚み2mmでランド長さを3mmのサイドゲ
ートとする。 (成形品の光沢度測定)JIS K7105、反射角度
60度で測定。
【0047】
【実施例1】金型表面温度80℃の金型内に、加熱溶融
したポリトリメチレンテレフタレートを充填時間1秒で
射出する。金型キャビティを大気圧の空気、2MPaの
二酸化炭素、4MPaの二酸化炭素でそれぞれ満たして
射出成形した。金型に満たした二酸化炭素は、樹脂充填
完了と同時に大気中に開放した。30秒間冷却した後成
形品を取り出した。得られた成形品の表面状態を観察す
ると、金型キャビティを4MPaの二酸化炭素で満たし
て射出成形した場合が最も型表面転写性に優れ(光沢度
89%)、次いで2MPaの二酸化炭素で満たした場合
(光沢度85%)、大気圧の空気で満たした場合が最も
転写性が悪い(光沢度75%)。
【0048】
【実施例2】ポリトリメチレンテレフタレートとポリカ
ーボネートの50%/50%(重量比)のポリマーアロ
イに二酸化炭素を用い、実施例1と同様に射出成形を行
った。得られた成形品の表面状態を観察すると、金型キ
ャビティを4MPaの二酸化炭素で満たして射出成形し
た場合が最も型表面転写性に優れ(光沢度85%)、次
いで2MPaの二酸化炭素で満たした場合(光沢度82
%)、大気圧の空気で満たした場合が最も転写性が悪い
(光沢度72%)。
【0049】
【実施例3】ポリトリメチレンテレフタレートにガラス
繊維を30重量%配合した樹脂に二酸化炭素を用い、実
施例1と同様に射出成形を行った。得られた成形品の表
面状態を観察すると、金型キャビティを4MPaの二酸
化炭素で満たして射出成形した場合が最も型表面転写性
に優れ(光沢度80%)、次いで2MPaの二酸化炭素
で満たした場合(光沢度79%)、大気圧の空気で満た
した場合が最も転写性が悪い(光沢度70%)。
【0050】
【発明の効果】本発明によって、経済的に金型表面状態
を高度に成形品に転写することが可能となるため、従
来、成形品の外観が悪い場合にやむをえず施されていた
塗装などの後工程が不要になり、部品の大幅なコストダ
ウンができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する金型の模式図、および金型キ
ャビティに圧入する二酸化炭素のガス供給装置の構成例
を示す。
【符号の説明】
1:ダイレクトゲート 2:スプルー 3:ベントスリット 4:ベント 5:ベントから金型外に通じる穴 6:Oリング 7:液化二酸化炭素を充填したボンベ 8:加温器 9:減圧弁 10:ガス溜 11:供給用電磁弁 12:解放用電磁弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧以上の二酸化炭素ガスを充填した
    金型キャビティに、ポリトリメチレンテレフタレートを
    主成分とする熱可塑性樹脂組成物を充填する射出成形
    法。
  2. 【請求項2】 0.5MPa以上、15MPa以下の二
    酸化炭素ガスで加圧状態にした金型キャビティに、溶融
    した樹脂組成物を充填し成形する請求項1に記載の成形
    法。
  3. 【請求項3】 1MPa以上、10MPa以下の二酸化
    炭素ガスで加圧状態にした金型キャビティに、溶融した
    樹脂組成物を充填し成形する請求項1に記載の成形法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2あるいは3の成形法で成形
    された射出成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139300A (ja) * 2012-12-19 2014-07-31 Toray Ind Inc 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、それを成形してなるペレットおよび薄肉成形品
JP2014518794A (ja) * 2011-05-20 2014-08-07 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 低圧で実質的に一定圧における射出成形のための方法

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