JP3920152B2 - 熱可塑性樹脂中空成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂の成形体に関する。更に詳しくは、ヒケが少なく、表面外観に優れ、かつ、成形収縮率が小さく、金型再現性に優れた、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂、及び、同樹脂とポリカーボネート樹脂とのアロイの成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂に代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気特性等に優れ、自動車材料、電気・電子部品等の幅広い分野で使用されている。そして、用途の拡大、多様化に伴い、さらに精密で、かつ、意匠性に優れた成形体が求められるようになってきた。
従来、ポリエステル系樹脂成形体のヒケ、及び、表面外観を改善する為に様々な方法が提案されている。例えば、特開平11−80470号公報にはポリエステル系樹脂と特定のビニル共重合体とからなる樹脂組成物の成形体が開示されているが、異種類の重合体の組成物であるため、ポリエステル樹脂が本来有している機械特性、耐薬品性等が損なわれ、好ましくない。
【0003】
一方、射出成形に際し、成形体の冷却に伴う収縮(成形収縮)を押さえ、成形体の型再現性を向上させる方法として、中空射出成形法が知られている。この中空射出成形法は、通常の射出成形機とガス圧入装置を組み合わせて実施され、溶融樹脂の射出途中又は射出完了後に金型内に加圧ガスを圧入することにより、金型キャビティ内の溶融樹脂中に加圧ガスによって中空部を形成し、この中空部内の加圧ガス圧力を適宜に保ちながら成形体の冷却を進行させる成形法であり、得られる成形体は中空成形体となる。
【0004】
ポリブチレンテレフタレートを用いた中空成形体も知られているが、ヒケ及び表面外観の改善が充分ではなく、また成形収縮率が大きいという点で満足のいく成形体が得られていないのが実状であった。
表面外観の改善を目的として、特開2001−106891号公報には、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート及び特定のビニル共重合体とからなる樹脂組成物を用いた中空射出成形体が開示されている。しかしながら、表面外観は改善されるものの、ポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートとの組成物(アロイ)と異種類の重合体との組成物であるため、ポリブチレンテレフタレートとポリカーボネートとの組成物が本来有する機械特性等が損なわれるため充分満足のいく成形体が得られていないのが実状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑み、ポリエステル系樹脂が本来有する特性を損なうことなく、ヒケが少なく、表面外観に優れ、かつ、成形収縮率が小さく、金型再現性に優れた成形体を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリトリメチレンテフテレートを主体とするポリエステル系樹脂の、中空射出成形法で成形された、中空部を有する成形体を見出し、本発明に到った。
即ち、本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、またはポリトリメチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂のアロイに対して、ガラス繊維を含み、前記樹脂または前記樹脂のアロイと、ガラス繊維の総重量に対するガラス繊維の割合が70重量%以下であり、、中空射出成形法により成形されていることを特徴とする中空部を有する熱可塑性樹脂成形体である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリトリメチレンテレフタレート樹脂(以下、PTTと略称することがある。)とは、酸成分に主としてテレフタル酸を、グリコール成分に主としてトリメチレングリコールを用いたポリエステルポリマーである。
【0008】
テレフタル酸以外の他の酸成分としては、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ε―オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸が例示される。なお、テレフタル酸は、酸成分の80モル%以上であることが好ましい。
【0009】
トリメチレングリコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオールあるいはこれらの混合物の中から選ばれるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオールが特に好ましく、グリコール成分の80モル%以上であることが好ましい。
他のグリコール成分としてはエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノンなどが例示される。
【0010】
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の三官能または四官能のエステル形成能を持つ酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよく、その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下である。更に、PTTはこれら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
【0011】
本発明に用いられるPTTの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特開昭51−140992号公報、特開平5−262862号公報、特開平8−311177号公報等に記載されている方法によって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0012】
本発明のPTTは、その数平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、分子量分布を示すMw/Mnが1.5〜4.5であることが好ましい。さらには、分子量100,000以上の分子が、1〜20%含有されることが好ましい。
数平均分子量および分子量分布の測定方法については、例えば分子量測定の方法は、浸透圧法や末端定量法、或いはGPC法(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定することができる。例えば、東ソー(株)製HLC−8120、及びカラムとして昭和電工(株)HFIP804−803(30cmカラム2本)、キャリアとしてヘキサフルオロイソプロパノール(以後HFIPと呼ぶ)を用い、標準試料としてポリマーラボラトリー社製PMMAを用いて、温度40℃、流量0.5ml/分で実施することができる。
【0013】
又、本発明のポリトリメチレンテレフタレートは、その特性を損なわない範囲で、ポリトリメチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の他のポリエステル樹脂との混合物であってもかまわない。
本発明でいうポリカーボネートとは、下記式(1)で表される繰り返し単位からなる主鎖を有するものである。
【0014】
【化1】
Figure 0003920152
【0015】
(式中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、下記式(2)で表される基が挙げられる。)
【0016】
【化2】
Figure 0003920152
【0017】
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれアリーレン基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基を表す。Yはアルキレン基または置換アルキレン基である。)
また、下記式(3)で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有していても良い。
【0018】
【化3】
Figure 0003920152
【0019】
(式中、Ar1、Ar2は式(2)と同じ。Zは単なる結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−CO2−、−CON(R1)−(R1は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜31のアラルキル基であって、場合によりハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていても良い。)等の二価の基である。)
これら二価の芳香族残基の例としては、下記式で表されるもの等が挙げられる。
【0020】
【化4】
Figure 0003920152
【0021】
(式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合は各R8はそれぞれ同一でも異なるものであっても良い。)
なかでも、下記式(4)で表される基が好ましい一例である。
【0022】
【化5】
Figure 0003920152
【0023】
特に、上記の式(4)で表される基をArとする繰り返し単位を85モル%以上(ポリカーボネート中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネートが特に好ましい。
また、本発明に用いることができるポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有していても良い。
【0024】
ポリマー末端の分子構造は特に限定されないが、フェノール性水酸基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結合することができる。これらの中で、フェノール性水酸基、フェニルカーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカーボネート等が末端構造として好ましい。本願において、フェノール性水酸基末端と他の末端との比率は、特に限定されないが、よりすぐれた色調や機械的物性を得る観点からは、フェノール性水酸基末端の比率が全末端基数の20%以上であることが好ましく、20〜80%の範囲にあることが更に好ましい。フェノール性末端基の比率が全末端基数の80%を超えると、溶融時の熱安定性が若干低下する傾向にある。フェノール性水酸基末端量の測定方法は、一般にNMRを用いて測定する方法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方法(チタン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(UV法もしくはIR法)で求めることができる。
【0025】
本発明に使用されるポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、一般に5,000〜200,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは10,000〜60,000であり、さらに好ましくは15,000〜40,000であり、特に好ましくは18,000〜30,000である。
【0026】
重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
PC=0.3591MPS 1.0388
(式中、MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポリスチレンの重量平均分子量)
【0027】
本発明で用いられるポリカーボネートは、公知の方法で製造したものを使用することができる。具体的には、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と反応せしめる公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法〔特開平1−158033号公報(米国特許第4,948,871号明細書に対応)、特開平1−271426号公報、特開平3−68627号公報(米国特許第5,204,377号明細書に対応)〕等の方法により製造されたものが用いられる。
【0028】
好ましいポリカーボネートとしては、2価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まないポリカーボネートがあげられる。
本発明では異なる構造や分子量の2種以上の異なるポリカーボネートを組み合わせて使用することも可能である。
ポリカーボネートの組成は、アロイの総量に対し99重量%以下である。好ましくは、70重量%以下であり、さらに好ましくは、50重量%以下である。ポリカーボネートの組成が99重量%を越えると、中空射出成形性が損なわれるため好ましくない。
【0029】
本発明でいうガラス繊維とは、通常、ポリエステル樹脂に用いられるものであれば特に制限はない。又、組成物中のガラス繊維の数平均長さ(以下Lという)、数平均繊維径(以下Dという)、LとDの比(以下L/Dともいう)については特に限定されないが、Lは100μm以上、L/Dは20以上であることが好ましい。
ガラス繊維の配合量は、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂の総量の70重量%以下が好ましい。配合量が70重量%を越えると、成形体の表面外観が劣るため好ましくない。
【0030】
又、前期ガラス繊維は、特に表面処理を施したものが好ましく用いられる。表面処理としては公知のカップリング剤やフィルム形成剤を用いて行う。好ましく用いられるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤があげられる。
シラン系カップリング剤としては、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−4,5ジヒドロイミダゾールプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア等が挙げられる。
【0031】
この中でも、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシランおよびエポキシシランが好ましく用いられる。
【0032】
チタン系カップリング剤は、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
【0033】
フィルム形成剤としては、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、無水マレイン酸とエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエンなどの不飽和単量体とのコポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマーなどの重合体を挙げることが出来る。これらの中でも、エポキシ系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、ブタジエン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、及び、これらの混合物が好ましく用いられる。
【0034】
本発明のポリトリメチレンテレフタレートまたはポリトリメチレンテレフタレート/ポリカーボネートアロイには、所望に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、離型剤、潤滑剤、顔料、染料、無機フィラー等、従来、ポリエステル系樹脂に公知の添加剤を配合してもよい。
本発明に係る成形体は、上述のポリトリメチレンテレフタレートを用いた中空射出成形法で成形された中空の成形体である。
【0035】
ここで、中空射出成形法とは、[従来の技術]においても説明したように、溶融樹脂の射出途中、又は、射出完了後に金型内に加圧ガスを圧入して、金型キャビティ内の溶融樹脂中に加圧ガスによって中空部を形成し、この中空部内の加圧ガスの圧力を適宜に保ちながら成形体の冷却を進める成形法をいう。
さらに中空射出成形法について説明すると、中空射出成形における溶融樹脂の射出量は、金型キャビティ内を満たすに十分な量を射出するフルショットでも、又、金型キャビティ内を満たすに足りない量を射出するショートショットのいずれでもよい。
【0036】
加圧ガスとしては、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂と不活性であればどのようなものでもよく、例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスを挙げることが出来る。また、成形時のポリトメリチレンテレフタレート系樹脂の分解やヤケを防止するために、不純成分の少ないガスを用いることが好ましい。加圧ガスの圧入は、アキュウムレーターに蓄えた加圧ガスを金型に導くことも可能であるし、又、ポンプで連続的に金型へ供給することも可能である。
【0037】
通常、成形体は、必要な冷却完了後、中空部内の加圧ガスを排出すると共に、中空部内を大気圧開放してから金型から取り出される。従って、本発明に係る成形体の中空部は、通常、大気圧となっている。しかし、中空部内に加圧ガスを密封した成形体であってもよい。
本発明に係る成形体は、上述のような中空射出成形法で成形されたものであるため、中空部を有する。中空率は、3〜50%であることが好ましく、更に好ましくは、5〜40%である。
本発明における上記中空部は、中空射出成形の加圧ガスの圧入によって形成された中空部をいい、ボイドや発泡による中空部とは本質的に異なるものである。
【0038】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
まず、実施例におけるポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ガラス繊維、及び、測定項目と測定条件を述べる。
(1)ポリエステル樹脂
a−1:極限粘度0.95(dl/g)であり、かつ、数平均分子量が9800、Mw/Mn=2.5、100,000以上の分子量が占める割合が5.8%であるポリトリメチレンテレフタレート
(2)ポリカーボネート
b−1:ユーピロンS−2000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製)
(3)ガラス繊維
繊維径10μm、長さ3mmのチョップドストランドをアミノシランカップリング剤とエポキシ系収束剤の混合物で表面処理したもの
【0039】
(4)中空率
得られた成形体の見かけ上の体積(V)と、使用した樹脂材料の密度(ρ)および得られた成形体の質量(M)とから、次式によって算出した。
中空率(%)=[(V×ρ−M)/(V×ρ)]×100
又、評価は100ショットの算術平均値で実施した。尚、100ショットの中、成形にガスの突き抜けが認められたものは「×」で表記した。
(5)金型寸法と成形体寸法の差
後述するように、キャビティ内寸法、縦10mm、横10mm、長さ150mmの角柱状に加工された金型により成形された成形体の中心軸長さ(L1;mm)を測定し、金型の寸法である150mmから、L1を差し引いて求めた。
又、評価は100ショットの算術平均値で実施した。尚、100ショットの中、成形にガスの突き抜けが認められたものは「×」で表記した。
【0040】
(6)成形収縮率
上述のように得られた成形体の中心軸長さ(L1;mm)と、金型の寸法である150mmとから、次式により算出した。
成形収縮率(%)=[(150−L1)/150]×100
又、評価は100ショットの算術平均値で実施した。尚、100ショットの中、成形にガスの突き抜けが認められたものは「×」で表記した。
(7)成形体外観(1)
以下の基準に基づき目視判定を実施した。
○:100ショット全てにヒケの発生がない。
×:ヒケの発生した成形体がある。
(8)成形体外観(2)
試料面として、後述する成形体の4つの周面の中、ゲートの対面の外側部(10mm×150mm)に設けた梨地のシボの発現性を目視で判定した。
○:シボ発現性が良好
×:シボ発現性が不良
【0045】
[実施例1〜3]
ポリトリメチレンテレフタレート(a-1)と、ガラス繊維(繊維径10μm、長さ3mmのチョップドストランドをアミノシランカップリング剤とエポキシ系収束剤の混合物で表面処理したもの)とを表1に示す重量比で混合し、2軸押出機(東芝機械(株)製:TEM35、2軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6(D=37mmφ))を用いて溶融混練を行った。この時、スクリュー回転数は300rpm、シリンダー温度は250℃、押出しレート60kg/Hrであった。先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行いペレットを得た。該ペレットを120℃の窒素雰囲気下で5時間乾燥した。このペレットを用い、キャビティ内寸法、縦10mm、横10mm、長さ150mmの角柱状に加工された金型にて中空射出成形を行った。
ゲートは1点とし、成形体の4つの周面の1つの面の重心位置に設けた。また、ゲートの対面の外側部(10mm×150mm)に梨地のシボを設けた。金型温度は80℃、シリンダー設定温度は260℃とした。加圧ガスとしては窒素ガスを用い、射出シリンダーへのガスの逆流を防止するためのシャットオフ弁を設け、射出ノズルに内蔵させたガスノズルから圧入を行った。加圧ガスの圧入は、窒素ガスを150kg/cmに昇圧してアキュームレーターに蓄え、溶融樹脂の射出後、配管を通して上記ガスノズルから金型内へ送り込むことにより行った。加圧ガスの圧入条件は、ガス圧入遅延時間(溶融樹脂の射出完了後、加圧ガスの圧入開始までの時間)を0.5秒、ガス圧入時間(加圧ガスの圧入を行う時間)を5秒、圧力保持時間(加圧ガスの圧入を止め、ガスを閉じた状態に保持する時間にガス圧入時間を加えた時間)を60秒とした。型開きは、中空部内の加圧ガスを排出した後で、圧力保持時間終了から5秒後に行った。この成形体の測定結果を表1に示す。
【0047】
[実施例4]
ポリトリメチレンテレフタレート(a-1)、ポリカーボネート(b-1)および実施例1で用いたガラス繊維とを表1に示す重量比で混合し、2軸押出機(東芝機械(株)製:TEM35、2軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6(D=37mmφ))を用いて溶融混練を行った。この時、スクリュー回転数は300rpm、シリンダー温度は250℃、押出しレート60kg/Hrであった。先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行いペレットを得た。該ペレットを120℃の窒素雰囲気下で5時間乾燥した。このペレットを用い、シリンダー温度を260℃とした以外は実施例1と同様の操作にて中空射出成形を行った。この成形体の測定結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003920152
【0052】
【発明の効果】
実施例から明らかなように、本発明に係る成形体は、ヒケが少なく、表面外観性に優れるばかりでなく、成形収縮率が著しく小さく、金型再現性に優れており、自動車、家電・OA、工業部品等各種用途に有用に利用されるものである。

Claims (1)

  1. ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、またはポリトリメチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂のアロイに対して、ガラス繊維を含み、前記樹脂または前記樹脂のアロイと、ガラス繊維の総重量に対するガラス繊維の割合が70重量%以下であり、中空射出成形法により成形されていることを特徴とする中空部を有する熱可塑性樹脂成形体。
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