JP4674811B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な熱可塑性樹脂組成物に関する。本発明は特に、極めて優れた機械物性、成形性を有するとともに、外観、耐衝撃性、耐熱性、高温剛性などに優れた熱可塑性樹脂組成物に関する、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、自動車部品材料、電気電子材料、産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適に使用することができる。
一般に芳香族ポリエステルとポリカーボネートからなる樹脂組成物は産業界で広く使われている。中でも、ポリトリメチレンテレフタレートとポリカーボネートからなる樹脂組成物は外観、機械特性、耐熱性及び寸法特性に優れるため、自動車部品、電気・電子部品、建築部品および工業部品用材料として期待されている。中でも、特に自動車部品においては、その優れた外観、耐熱性から外装部品として期待されているが、近年当該分野において、耐熱性に対する要求がさらに厳しくなっている。そのため、従来のポリトリメチレンテレフタレートとポリカーボネートからなる樹脂組成物では、例えば自動車のアウターハンドル、ルーフレッグ等の高温時の機械物性が要求される分野において、熱時物性が不足している。
例えば、湿熱疲労特性を改善させる目的で、ポリトリメチレンテレフタレートとポリカーボネートを含む樹脂組成物の溶融粘度安定性を規定した熱可塑性樹脂組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながら、上記手法を用いても、依然として耐熱性や熱時剛性に関する要求特性を満たすに至っていない。また、湿熱疲労特性を改善させる目的で、ポリトリメチレンテレフタレート中に特定量のジプロピレングリコール成分を有することを特徴とするポリトリメチレンテレフタレートとポリカーボネートを含む樹脂組成物が開示されている(特許文献2)。しかしながら、上記手段を用いても、耐熱性や熱時物性は依然として改善されない。
特開2002−265771号公報 特開2002−275369号公報
本発明の目的は、極めて優れた機械物性、成形性を有するとともに、外観、耐衝撃性、耐熱性、熱時剛性などに優れ、例えば、自動車部品材料、電気電子材料、産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適に使用することができる熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、(A)ポリトリメチレンテレフタレートと(B)ポリカーボネートからなる樹脂組成物及び樹脂成形品の昇温時の結晶化エンタルピーΔHccが特定の範囲に存在する場合に、該成形体が外観、機械物性、耐衝撃性、成形性に加え、耐熱性及び熱時剛性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。また、中でも特に降温時の結晶化温度が特定範囲に存在する場合、耐熱性に関して著しい効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の構成は、下記の通りである。
1.(A)ポリトリメチレンテレフタレート1〜50重量部と(B)ポリカーボネート99〜50重量部を含む熱可塑性樹脂組成物であって、下記式(I)によって算出される、該熱可塑性樹脂組成物を0℃から20℃/minの条件で昇温した時に得られる(A)成分の結晶化エンタルピーΔHccが0〜15J/gである、上記熱可塑性樹脂組成物:
DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/熱可塑性樹脂組成物の全重量に対する(A)成分含有率(重量%)×100=ΔHcc(J/g)・・・(I)。
2.該熱可塑性樹脂組成物を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化温度Tcが145℃以上である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
3.該熱可塑性樹脂組成物を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化温度Tcが175℃以上である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
.(A)成分50〜99重量部と(B)成分50〜1重量部を含む(D)樹脂組成物2〜99重量部と、(B)成分98〜1重量部を((D)成分+(B)成分=100重量部)の条件で、溶融混練することにより得られる、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
.該熱可塑性樹脂組成物は更に、(B)成分100重量部に対して0.1〜100重量部である(C)ポリアルキレンテレフタレート樹脂(ポリトリメチレンテレフタレートを除く)を含み、そして、
(A)成分及び(C)成分の結晶化エンタルピーΔHccを求めるために、上記式(I)に代えて下記式(II)を用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物:
DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/(熱可塑性樹脂組成物の全量に対する(A)成分含有率(重量%)と(C)成分含有率(重量%)の和)×100=ΔHcc(J/g)・・・(II)。
.(C)成分がポリエチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリブチレンテレフタレート樹脂である、請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
.請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする樹脂成形品。
.下記式(III)あるいは(IV)によって算出される、該樹脂成形品を0℃から20℃/minの条件で昇温した時に得られる(A)成分あるいは(A)成分及び(C)成分の結晶化エンタルピーΔHccが0〜15J/gである、請求項に記載の樹脂成形品:
DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/樹脂成形品の全重量に対する(A)成分含有率(重量%)×100=ΔHcc(J/g)・・・(III)
DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/(樹脂成形品の全重量に対する(A)成分含有率(重量%)と(C)成分含有率(重量%)の和)×100=ΔHcc(J/g)・・・(IV)。
.該樹脂成形品を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化温度Tcが145℃以上である、請求項に記載の樹脂成形品。
10.該樹脂成形品を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化速度Tcが175℃以上である、請求項に記載の樹脂成形品。
11.請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分50〜99重量部と(B)成分50〜1重量部を含む(D)樹脂組成物2〜50重量部と(B)成分98〜50重量部を((D)成分+(B)成分=100重量部)の条件で、溶融混練することを含む、上記方法
12.請求項10のいずれか1項に記載の樹脂成形品の成形方法であって、(A)成分50〜99重量部と(B)成分50〜1重量部を含む(D)樹脂組成物2〜50重量部と(B)成分98〜50重量部を((D)成分+(B)成分=100重量部)の条件で、ドライブレンドすること、及び、続いてドライブレンド物を成形加工することを含む、上記方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来の熱可塑性樹脂組成物と比較し、極めて優れた機械物性、成形性を有するとともに、外観、耐衝撃性、耐熱性、熱時剛性などに優れるという顕著な効果を有する。
本発明における(A)ポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTと略称することがある。)とは、酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成分としてトリメチレングリコールを用いたポリエステルポリマーを示している。本発明においてトリメチレングリコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,1−プロパンジオール、2,2−プロパンジオール、及びこれらの混合物からなる群から選ばれるが、安定性の観点から1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
このほかに、本発明の目的を損なわない範囲で、酸成分として、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ジフェニルスルフォンジカルボン酸等;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;ε―オキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオキシジカルボン酸を一部用いて共重合することができる。また、グリコール成分として、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ハイドロキノンなどを一部用いて共重合することができる。共重合する場合の共重合成分の量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限はないが、通常酸成分の20モル%以下、あるいはグリコール成分の20モル%以下であることが好ましい。
また、上述のポリエステル成分に分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸等の、三官能または四官能のエステル形成能を持つ酸またはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリットなどの三官能または四官能のエステル形成能を持つアルコールを共重合してもよい。その場合にそれらは全ジカルボン酸成分の1.0モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、さらに好ましくは、0.3モル%以下であってもよい。更に、これら共重合成分を2種類以上組み合わせて使用しても構わない。
本発明に用いられるPTTの製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、特開昭51−140992号公報、特開平5−262862号公報、特開平8−311177号公報等に記載されている方法によって、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体(例えばジメチルエステル、モノメチルエステル等の低級アルキルエステル)とトリメチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを、触媒の存在下、好適な温度・時間で加熱反応させ、更に得られるテレフタル酸のグリコールエステルを触媒の存在下、好適な温度・時間で所望の重合度まで重縮合反応させる方法が挙げられる。
本発明に用いられるPTTの極限粘度[η]は0.60dl/g〜1.50dl/gであることが機械特性、成形性、特に靭性面から好ましく、[η]が0.68dl/g〜1.40dl/gであることがより好ましい。さらに成形性、耐薬品性の観点から[η]が0.75dl/g〜1.30dl/gであることが最も好ましい。
極限粘度[η]については、オストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中にPTTをPTT/溶液=1.00g/dlになるように溶解させ、比粘度ηspを測定し、下記式により求めることができる。
[η]=0.713×ηsp/C+0.1086
C=1.00g/dl
また、本発明のポリトリメチレンテレフタレートには必要に応じて、各種の添加剤、例えば、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、艶消し剤などを共重合、または混合する場合も含む。
本発明の(B)ポリカーボネート樹脂(以下、PCと省略することもある)は、下記式(1)で表される繰り返し単位からなる主鎖を有するものである。
−(O−Ar−O−CO)− (1)
(式中、Arは、二価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、下記式(2)で表される基が挙げられる。)
−Ar−Y−Ar− (2)
(式中、Ar及びArはそれぞれアリーレン基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン等の基を表す。Yはアルキレン基または置換アルキレン基である。)
また、下記式(3)で示される二価の芳香族残基を共重合体成分として含有している場合も含む。
−Ar−Z−Ar− (3)
(式中Ar、Arは式(2)と同じ。Zは単なる結合または−O−、−CO−、−S−、−SO−、−CO−、−CONR−等の二価の基である。ただし、Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。)
これら二価の芳香族残基の具体例としては下記式(4)で表されるもの等が挙げられる。
Figure 0004674811

(式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数5〜10のシクロアルキル基または炭素数6〜30のアリール基である。m及びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各Rはそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合は各Rはそれぞれ同一でも異なるものであっても良い。)
これらの二価の芳香族残基の中でも、下記式(5)で表される基が好ましい一例である。
Figure 0004674811

特に、上記の式(5)で表される基をArとする繰り返し単位を85モル%以上(ポリカーボネート中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボネートが特に好ましい。また、本発明に用いることができるポリカーボネートは、三価以上の芳香族残基を共重合成分として含有している場合も含む。
ポリマー末端の分子構造は特に限定されないが、フェノール性水酸基、アリールカーボネート基、アルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結合することができる。これらの中で、フェノール性水酸基、フェニルカーボネート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミルフェニルカーボネート等が末端構造として好ましい。フェノール性水酸基末端の全末端基数に対する割合は、特に限定されないが、よりすぐれた色調や機械的物性を得る観点からは、フェノール性水酸基末端の割合が全末端基数の20%以上であることが好ましく、20〜80%の範囲にあることが更に好ましい。フェノール性水酸基末端の割合が全末端基数の80%を超えると、組成物の溶融時の熱安定性が若干低下する傾向にある。フェノール性水酸基末端の割合は、一般にNMRを用いて測定する方法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方法(チタン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する方法(UV法もしくはIR法)で求めることができる。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)は、耐衝撃性の点から5000以上であり、溶融流動性の点から200000以下の範囲にあることが好ましい。より好ましくは10000〜60000であり、さらに好ましくは15000〜40000であり、特に好ましくは18000〜30000である。
重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行い、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
PC=0.3591MPS 1.0388
(式中、MPCはポリカーボネートの重量平均分子量、MPSはポリスチレンの重量平均分子量である。)
本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は、公知の方法で製造したものを使用することができる。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体と反応せしめる公知の方法で製造することが出来る。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法〔特開平1−158033号公報(米国特許第4,948,871号明細書に対応)、特開平1−271426号公報、特開平3−68627号公報(米国特許第5,204,377号明細書に対応)〕等の方法により製造されたものが用いられる。
好ましいポリカーボネート樹脂としては、2価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まないポリカーボネート樹脂があげられる。本発明では異なる構造や分子量の2種以上の異なるポリカーボネートを組み合わせて使用することも可能である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物あるいは樹脂成形品を昇温した時に得られる(A)成分の結晶化エンタルピーΔHccは、0〜15J/gであることが必要である。耐熱性および熱時剛性の観点から結晶化エンタルピーΔHccは0〜10J/gであることが好ましく、0〜5J/gであることが最も好ましい。
昇温時の結晶化エンタルビーΔHcc(J/g)とは、該樹脂組成物あるいは該樹脂成形品5mgを示差走査熱量測定器(DSC:Differential Scanning Calorimeter)を使用して、窒素雰囲気下、0℃で3min保持した後、0℃から150℃まで20℃/minの昇温速度で加熱した際に発熱ピークとして現われる結晶化ピーク面積ΔH(J/g)を樹脂組成物中或いは樹脂成形品中のおける(A)成分であるPTT含有率(重量%)nPTTで割った数値である。
ΔHcc=ΔH/nPTT×100
PTT含有率(重量%)は、例えば該樹脂組成物100mgをHFIP:CDCl=1:1に溶解させ、不溶成分をMEMBRANE FILTER(1μm、PTFE)で濾過するか、あるいは遠心分離機で不溶成分を沈殿させ取り除いた溶液を用いて、H−NMR測定を行い、PCのポジションeのおけるシグナル(4H分)とPTTのポジションcのおけるシグナル(4H分)の積分値を元に求めることが出来る。PCのポジションeとPTTのポジションcについては以下の式(6)及び(7)参照のこと。
Figure 0004674811

Figure 0004674811
なお、後述のように、樹脂組成物中にさらにポリトリメチレンテレフタレート以外のポリアルキレンテレフタレート樹脂が含まれる場合においては、結晶化エンタルピーΔHcc(J/g)は、(A)成分及びその他のポリアルキレンテレフタレート樹脂に関するものとして規定される。すなわち、そのような場合では、結晶化エンタルピーΔHcc(J/g)は、PTT及びその他のポリアルキレンテレフタレート樹脂の含有率(重量%)に基づいた数値であって、その数値が0〜15J/gであることが必要である。また、PTT及びその他のポリアルキレンテレフタレート樹脂の含有率(重量%)は、PTT単独の場合と同様に、H−NMR測定によるPCのポジションeのシグナル(4H分)とPTT及びその他のポリアルキレンテレフタレート樹脂のポジションcにおけるシグナル(4H分)の積分値を元に求めることが出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物あるいは樹脂成形品は、降温時の結晶化温度Tcが145℃以上であることが、耐熱性および熱時剛性の観点から好ましい。160℃以上であることがより好ましく、175℃以上であることさらに好ましく、180℃以上であることが最も好ましい。降温時の結晶化温度Tcとは、120℃、5時間真空乾燥機で乾燥した該樹脂組成物あるいは樹脂成形品5mgを、示差走査熱量測定器を使用して、窒素雰囲気下、30℃から270℃まで20℃/minの速度で昇温し、270℃で2min保持した後、270℃から50℃まで−20℃/minの降温速度で冷却した際に発熱ピークとして現われる結晶化ピーク温度である。
さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物は、昇温時の結晶化エンタルピーが前記範囲である(A)ポリトリメチレンテレフタレート1〜50重量部と(B)ポリカーボネート99〜50重量部からなる樹脂組成物である。耐熱性、熱時剛性および耐衝撃性の観点から(A)成分10〜50重量部に対して(B)成分90〜50重量部であることがさらに好ましく、(A)成分20〜50重量部に対して(B)成分80〜50重量部であることが最も好ましい。
また、(A)ポリトリメチレンテレフタレートと(B)ポリカーボネートは、両者の混練温度における溶融粘度が近いことが望ましい。また、剪断速度100sec−1におけるそれぞれの溶融粘度(単位;poise)をμ(A)及びμ(B)で表した場合、次の条件を満たすことが望ましい。
|μ(A)−μ(B)|≦18,000(poise)
この溶融粘度差は、(A)ポリトリメチレンテレフタレートと(B)ポリカーボネートに対する相溶化を進め、樹脂組成物の成形性および物性を発揮させるために望ましい範囲である。
また、本発明の熱可塑組成樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではない。昇温時の結晶化エンタルピーΔHccが0〜15J/gの範囲を示すような熱可塑性樹脂組成物、さらには降温時の結晶化温度Tcが145℃以上を発現するような熱可塑性樹脂組成物の製造方法として、(A)ポリトリメチレンテレフタレート50〜99重量部と(B)ポリカーボネート1〜50重量部を含む樹脂組成物2〜99重量部に対して、(B)ポリカーボネート98〜1重量部をドライブレンド後溶融混練する方法が好ましく用いられる。また、本発明の樹脂成形品の製造方法としては、(A)成分50〜99重量部と(B)成分1〜50重量部からなる樹脂組成物2〜99重量部に対して(B)ポリカーボネート98〜1重量部をドライブレンドする前段工程と当該工程で得られた混合物を成形加工する後段工程とを包含する方法が好ましく用いられる。上記製造方法で製造された樹脂成形体の耐熱性および熱時剛性に関する改善効果は著しい。
上記の樹脂成形体の製造方法における後段工程としての成形加工とは、公知の成形方法である。例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、発泡成形が挙げられる。また、本発明の樹脂成形体は形状には特に制限されない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、第3成分としてポリトリメチレンテレフタレート樹脂以外の(C)ポリアルキレンテレフタレート樹脂を(B)成分100重量部に対して0.1〜100重量部含有することが、(1)該組成物の昇温時の結晶化エンタルピーΔHccを0〜15J/gにする観点、(2)降温時の結晶化温度を145℃以上にする観点および成形品の耐熱性、熱時剛性の観点から好ましい。(B)成分100重量部に対して(C)成分0.3〜30重量部であることがさらに好ましく、(B)成分100重量部に対して(C)成分0.5〜10重量部であることが最も好ましい。
好ましく用いられる(C)ポリアルキレンテレフタレート樹脂としては、ポリトリメチレンテレフタレート以外の、例えば、テレフタル酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール成分とから得られるポリアルキレンテレフタレート樹脂が挙げられる。上記ポリアルキレンテレフタレート樹脂は単独で用いることもできるし、2種以上の混合物を用いることもできる。中でも、特にポリエチレンテレフタレート樹脂とポリブチレンテレフタレート樹脂は(A)ポリトリメチレンテレフタレートと(B)ポリカーボネートを含む樹脂組成物の降温時の結晶化温度を著しく高くさせる効果があり、より好ましく用いられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形体には、本発明の目的を損なわない範囲で、剛性及び耐熱性の向上を目的として無機充填剤を配合したものも含む。無機充填剤としては目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の無機充填剤が用いられる。
繊維状無機充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ウォラストナイト、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物質があげられる。特に代表的な繊維状無機充填剤はガラス繊維およびカーボン繊維である。なおポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使用することができる。
一方、粉粒状無機充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻土、のごとき硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナのごとき金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのごとき金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのごとき金属の硫酸塩、その他、炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられる。
又、板状無機充填剤としてはタルク、マイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。
本発明の無機充填剤はなかんずく、ガラス繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、炭素繊維(CF)及びチタン酸カリウムウィスカーからなる群から選ばれた少なくとも一つの無機充填剤が好ましい。特に、機械的特性の補強効果という観点から、ガラス繊維が最も好ましく用いられる。
これらの無機充填剤は一種又は二種以上併用することができる。繊維状無機充填剤、特にガラス繊維と粒状及び/又は板状無機充填剤の併用は、機械的強度と寸法精度、電気的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。
本発明に用いられる繊維状無機充填剤の平均繊維長(以下、Lともいう)、平均繊維径(以下、dともいう)、アスペクト比(以下、L/dともいう)については特に限定されない。ガラス繊維の場合、平均繊維長(L)が50〜10000μm、平均繊維径(d)が5〜30μm、アスペクト比(L/d)が10〜1000であることが高い機械的特性を発現するという観点から最も好ましい。また炭素繊維は、平均繊維長(L)が100〜750μm、平均繊維径(d)が、3〜30μm、アスペクト比(L/d)が10〜100であるものが好ましく用いられる。さらに、ウォラストナイトは、平均繊維径は、3〜30μm、平均繊維長が10〜500μm、前記アスペクト比(L/d)が3〜100のものが好ましく用いられる。その他のタルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカーは平均粒径が0.1〜100μmのものが最も好ましく用いられる。
無機充填剤の樹脂組成物への添加量としては、(A)成分+(B)成分100重量部に対して、0〜150重量部が好ましく、0〜100重量部がより好ましく、0〜50重量部がより好ましい。(C)無機充填剤が150重量部を超える場合は、成形体表面の光沢が低くなる。
これらの無機充填剤は、特に表面処理を施したものが好ましく用いられる。表面処理としては公知のカップリング剤やフィルム形成剤を用いて行う。好ましく用いられるカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤があげられる。これ等の化合物はあらかじめ表面処理又は収束処理を施して用いるか、又は材料調製の際同時に添加してもよい。
シラン系カップリング剤としては、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−α−(アミノエチル)−α−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−α−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン、N−メチル−α−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−α−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−4,5ジヒドロイミダゾールプロピルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア等が挙げられる。
この中でも、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−α−(アミノエチル)−α−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシランおよびエポキシシランが好ましく用いられる。
チタン系カップリング剤は、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェイト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル、アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
フィルム形成剤としては、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、無水マレイン酸とエチレン、スチレン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジクロロブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロオクタジエンなどの不飽和単量体とのコポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、ポリエーテル系ポリマーなどの重合体を挙げることが出来る。これらの中でも、エポキシ系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アクリル酸系ポリマー、ブタジエン無水マレイン酸コポリマー、エチレン無水マレイン酸コポリマー、スチレン無水マレイン酸コポリマー、及び、これらの混合物が好ましく用いられる。
更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形体には衝撃特性の向上を目的として、衝撃性改良剤を添加することが可能である。
衝撃性改良剤としては、ゴム様のコア上に一つ以上のシェルをグラフトさせて構成されているコアーシェルポリマーが挙げられる。コアとなるゴム成分としては、ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル−シリコン複合ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−プロプレンゴム、二トリルゴム、エチレン−アクリルゴム、シリコンゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴムおよびこれらの不飽和結合部分に水素が添加した形のものを挙げることができる。一方のシェル成分としては、ビニル芳香族化合物、シアン化ビニル、アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸およびこれらの共重合可能なビニル化合物を挙げることができる。ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができる。また、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル等を挙げることができる。さらに、上記コア及び/またはシェルは架橋剤及び/またはグラフト剤として機能し得る多官能性化合物を含んでいることが好ましい。
オレフィンアクリレート、オレフィン−ジエンターポリマーのようなオレフィンを含有するコポリマーも衝撃性改良剤として使用することができる。オレフィンアクリレートコポリマーとしてはエチレン−エチルアクリレートコポリマーであるDPD−6169(Union Carbide社)が挙げられる。また、オレフィン−ジエンターポリマーとしては、エチレン−プロピレン−ジエン系ターポリマーであるEPYSN704(Copolymer Rubber Company社)が挙げられる。
また、ゴム質の各種ポリマーやコポリマーも衝撃性改良剤として用いることができる。例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル−シリコン複合ゴムが挙げられる。
更に、スチレン含有ポリマーも衝撃性改良剤として好ましく用いられる。例としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−アクリロニトリル(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン、α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン、メタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)、その他耐衝撃性のスチレン含有ポリマーが挙げられる。
その他衝撃性改良剤としては、各種エラストマー性物質、たとえば有機シリコーンゴム、エラストマー性フルオロ炭化水素、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー、ランダムブロックポリシロキサン−ポリカーボネート、ランダムブロックポリシロキサン−ポリカーボネートコポリマー等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物あるいは樹脂成形体に、さらに成形性改良剤を添加するとより本発明の目的に合致した樹脂組成物あるいは樹脂成形体が得られる。成形性改良剤としては、リン酸エステル類、亜リン酸エステル類、高級脂肪酸類、高級脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸アミド化合物類、ポリアルキレングリコールあるいはその末端変性物類、低分子量ポリエチレンあるいは酸化低分子量ポリエチレン類、置換ベンジリデンソルビトール類、ポリシロキサン類、カプロラクトン類が挙げられる。特に好ましいのは、(x)高級脂肪酸類、(y)高級脂肪酸金属塩類、(z)高級脂肪酸エステル類である。以下これら成形性改良剤について詳細に説明する。
(x)高級脂肪酸類
高級脂肪酸類としては、高級飽和脂肪酸類、高級不飽和脂肪酸類あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
(x−1)高級飽和脂肪酸類
高級脂飽和肪酸類は、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(x−2)高級不飽和脂肪酸類
高級不飽和脂肪酸類としては、炭素数が6〜22の不飽和脂肪酸が好ましく用いられる。中でも、より好ましいものとしては、例えばウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビル酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸、2−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、9−ヘキサデセン酸、ガドレイン酸、ガドエライジン酸、11−エイコセン酸など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(y)高級脂肪酸金属塩類
高級脂肪酸金属塩類としては、高級飽和脂肪酸金属塩類、高級不飽和脂肪酸金属塩類あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
(y−1)高級飽和脂肪酸金属塩類
高級脂飽和肪酸類は、下記一般式で示される。
CH(CHCOO(M)
ここで、n=8〜30であり、金属元素(M)が、元素周期律表の1A、2A、3A族元素、亜鉛、アルミニウムなどが好ましく用いられる。
中でも、より好ましいものとしては、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(y−2)高級不飽和脂肪酸金属塩類
高級不飽和脂肪酸金属塩類としては、炭素数が6〜22の不飽和脂肪酸と、元素周期律表の1A、2A、3A族元素、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩が好ましく用いられる。中でも、より好ましいものとしては、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビル酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸、2−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセン酸、9−ヘキサデセン酸、ガドレイン酸、ガドエライジン酸、11−エイコセン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(z)高級脂肪酸エステル類
本発明における高級脂肪酸エステル類は、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル、あるいは多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
(z−1)高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類
高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類として、好ましいのは、炭素数8以上の脂肪族アルコールと炭素数8以上の高級脂肪酸とのエステル類である。好ましい高級脂肪酸エステル類としては、例えばラウリルラウレート、ラウリルミリステート、ラウリルパルミテート、ラウリルステアレート、ラウリルベヘネート、ラウリルリグノセレート、ラウリルメリセート、ミリスチルラウレート、ミリスチルミリステート、ミリスチルステアレート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルリグノセレート、ミリスチルメリセート、パルミチルラウレート、パルミチルミリステート、パルミチルステアレート、パルミチルベヘネート、パルミチルリグノセレート、パルミチルメリセート、ステアリルラウレート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルベヘネート、ステアリルアラキネート、ステアリルリグノセレート、ステアリルメリセート、アイコシルラウレート、アイコシルパルミテート、アイコシルステアレート、アイコシルベヘネート、アイコシルリグノセレート、アイコシルメリセート、ベヘニルラウレート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルアラキネート、ベヘニルメリセート、テトラコサニルラウレート、テトラコサパルミテート、テトラコサニルステアレート、テトラコサニルベヘネート、テトラコサニルリグノセレート、テトラコサニルセロテート、セロチニルステアレート、セロチニルベヘネート、セロチニルセロチネート、メリシルラウレート、メリシルステアレート、メリシルベヘネート、メリシルメリセートなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
(z−2)多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル類
多価アルコールと高級脂肪酸の部分エステル類は、多価アルコールとして、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、エリスリット、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、マニトール、ソルビトールなどが好ましく用いられる。また高級脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウラデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸などが好ましく用いられる。
これら多価アルコールと高級脂肪酸とのエステル類は、モノエステル類、ジエステル類またはトリエステルのいずれであってもかまわない。より好ましいものとしては、例えばグリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノリグノセレート、グリセリンモノメリセートなどの高級脂肪酸モノグリセリド、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ラウレート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ラウレート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ミリステート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−パルミテート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ステアレート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−ベヘネート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−リグノセレート、ペンタエリスリトール−モノまたはジ−メリセートなどのペンタエリスリトールのモノまたはジ高級脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−ラウレート、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−ミリステート、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−パルミテート、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−ステアレート、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−ベヘネート、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−リグノセレート、トリメチロールプロパン−モノ−またはジ−メリセートなどのトリメチロールプロパンのモノ−またはジ−高級脂肪酸エステルが挙げられる。
また、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ−ラウレート、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ−ミリステート、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ−ステアレート、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ−ベヘネート、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ−リグノセレート、ソルビタン−モノ、ジまたはトリ−メリセートなどのソルビタン−モノ、ジ、またはトリ高級脂肪酸エステル、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ラウレート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ミリステート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−パルミテート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ステアレート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−ベヘネート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−リグノセレート、マンニタン−モノ、ジまたはトリ−メリセレートなどのマンニタン−モノ、ジまたはトリ−高級脂肪酸エステルなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
これら(x)高級脂肪酸類、(y)高級脂肪酸金属塩類、(z)高級脂肪酸エステル類の配合量は、本発明の熱可塑性樹脂組成物中のPTT100重量部に対して、0.001〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜3重量部である。前記の成形性改良剤の配合量が、0.001重量部未満の場合には、成形加工性が本発明の目的を達成するまでに向上せず好ましくない。また5重量部を越える場合には、成形品表面に、銀ぶくれを発生させたり、成形品の機械的物性を低下させる傾向にあるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に、本発明の特徴および効果を損なわない範囲で必要に応じて他の樹脂または添加剤、例えば、酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、難燃助剤、耐候(光)性改良剤、スリップ剤、各種着色剤等を添加してもかまわない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、各種成形加工性に優れるため、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、発泡成形などを用いて良好に成形加工ができる。
(実施例)
以下実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例になんら限定されるものではない。なお、使用した熱可塑性樹脂およびその配合剤は下記のとおりである。
・PTT1:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂。
極限粘度[η]=1.10dl/gのポリトリメチレンテレフタレート
極限粘度[η]については、オストワルド粘度計を用い、35℃、o−クロロフェノール中に(A)ポリトリメチレンテレフタレート樹脂が1.00g/dlになるように溶解させ、比粘度ηspを測定し、下記式により求めた。
[η]=0.713×ηsp/C+0.1086
C=1.00g/dl
・PTT2:ポリトリメチレンテレフタレート樹脂
極限粘度[η]=0.89dl/gのポリトリメチレンテレフタレート
・PET1:ポリエチレンテレフタレート樹脂;NEH−2050、ユニチカ社製
・PBT1:ポリブチレンテレフタレート樹脂;ジュラネックス2002、ウィンテック社製
・PC1:ポリカーボネート樹脂;ユーピロンS−2000、三菱エンジニアリングプラスチックス社製
・GF1:ガラス繊維;T−187、日本電気硝子社製(エポキシ集束処理、繊維径13μm)
・MF1:タルク;MS−P、日本タルク社製
・MF2:タルク;ミクロエースL−1、日本タルク社製
・EL1:MBS;パラロイド EXL2602、呉羽化学社製
・S1:IRGAFOS168、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製
・S2:IRGANOX1098、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製
なお、以下の実施例、比較例において記載した樹脂成形品の物性評価は、以下のように行った。
1.樹脂成形品の作成および物性
樹脂成形品は、射出成形機を用いて作成した。装置は日精樹脂(株)製FN3000、金型温度80℃に設定し、射出20秒、冷却20秒の射出成形条件で、樹脂成形品を得た。なお、シリンダー温度は255℃に設定した。
(1−1)昇温時の結晶化エンタルピーΔHcc(J/g)
上記成形条件で成形したISOダンベル試験片(4mm厚)から5mgを切出し、示差走査熱量測定器(DSC)を使用して、0℃で3min保持した後、0℃から200℃まで20℃/minの昇温速度で加熱した際に発熱ピークとして現われる結晶化ピーク面積ΔH(J/g)を樹脂成形品中におけるPTT含有率(重量%)nPTTで割った数値をΔHcc(J/g)とした。PTTの替わりにPBTを用いた場合(比較例2)には、同様に結晶化ピーク面積ΔH(J/g)を、PBT含有率(重量%)nPBTで割った数値をΔHcc(J/g)とした。また、PTTとPETあるいはPTTとPBTを併用した場合(実施例7〜14)は、結晶化ピーク面積ΔHcc(J/g)を、PTTとPETを含めた含有率(重量%)nPTT+PETあるいはPTTとPBTを含めた含有率(重量%)nPTT+PBTで割った数値をΔHccとした。すなわち、結晶化エンタルピーΔHccの計算式は以下の通りである。
ΔHcc=ΔH/n×100(n=nPTT、nPBT、nPTT+PET、nPTT+PBT
PTT(及び/又は、PET、PBT)含有率(重量%)は、上記試験片100mgをHFIP:CDCl=1:1に溶解させ、不溶成分をMEMBRANE FILTER(1μm、PTFE)で濾過した後の溶液を用いて、H−NMR測定を行い、PCのシグナルe(4H分)とPTT(PBT、PET)のシグナルc(4H分)の積分値から求めた。
濾過して取り除いた不溶成分は真空乾燥後重量を測定し、PTT(PBT、PET)含有率を求める際に用いた。
(1−2)降温時の結晶化温度Tc(℃)
上記成形条件で成形したISOダンベル試験片(4mm厚)を1mm角の大きさに刻み、120℃、5時間真空乾燥機で乾燥した。その後、該成形品5mgを示差走査熱量測定器を使用して、窒素雰囲気下、30℃から270℃まで20℃/minの速度で昇温し、270℃で2min保持した後、270℃から50℃まで−20℃/minの降温速度で冷却した。前記冷却過程で出現する結晶化ピーク温度を結晶化温度Tc(℃)とした。
(1−3)引張強度(MPa)
ISO 527−1に準じて測定した。
(1−4)曲げ弾性率(GPa)(23℃、70℃)
ISO短冊試験片(4mm厚)を23℃あるいは70℃の温度で1時間保持した後、測定を行った。ISO 178に準じて測定した。
(1−5)ノッチ付きシャルピー衝撃強度(KJ/m
ISO 179に準じて測定した。
(1−6)荷重たわみ温度(℃)
ISO 75−1に準じて測定した。その際の荷重は0.46MPaとした。
(Blend)
PTT2、PC1、PBT1、GF1、MF1、EL1、S1、S2を下記の表1に示した配合比でドライブレンドし、2軸押出機(東芝機械(株)製:TEM58)を用いて溶融混練した。スクリュー回転数300rpm、シリンダー温度280℃(先端ノズル付近のポリマー温度は、290℃であった)、押出速度150Kg/hr(滞留時間1分)、減圧度は0.04MPaで押出を行った。先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行いペレットとした。該ペレットを其々Blend1〜6とした。
Figure 0004674811
(実施例1〜6)
Blend1〜6とPC1を120℃、5時間、除湿型乾燥機で乾燥した後、以下の表2に示した配合比でドライブレンドし、上記に示す射出成形方法で試験片を作成し、所定の方法で物性測定および解析を行った。
(実施例7〜14、比較例1、2)
PTT1〜PTT2、PET1、PBT1、PC1、GF1、MF1、MF2、EL1、S1、S2を以下の表2に示した配合比でドライブレンドし、2軸押出機(東芝機械(株)製:TEM58)を用いて溶融混練した。スクリュー回転数300rpm、シリンダー温度280℃(先端ノズル付近のポリマー温度は、300℃であった)、押出速度150Kg/hr(滞留時間1分)、減圧度は0.04MPaで押出を行った。先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷・カッティングを行いペレットとした。該ペレットを120℃で5時間、除湿型乾燥機で乾燥した後、上記に示す射出成形方法で試験片を作成し、所定の方法で物性測定および解析を行った。
Figure 0004674811
本発明により、極めて優れた機械物性、成形性を有するとともに、外観、耐衝撃性、耐熱性、熱時剛性などに優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することが可能となった。自動車外装・外板部品、自動車内装部品、自動車アンダーフード部品、二輪車用部品、家具用部品、OA機器分野用品、電子電器用部品、工業用部品など、各種用途に求められている高性能化・高機能化という要求の解決にも大きく貢献できることが期待される。

Claims (12)

  1. (A)ポリトリメチレンテレフタレート1〜50重量部と(B)ポリカーボネート99〜50重量部を含む熱可塑性樹脂組成物であって、下記式(I)によって算出される、該熱可塑性樹脂組成物を0℃から20℃/minの条件で昇温した時に得られる(A)成分の結晶化エンタルピーΔHccが0〜15J/gである、上記熱可塑性樹脂組成物:
    DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/熱可塑性樹脂組成物の全重量に対する(A)成分含有率(重量%)×100=ΔHcc(J/g)・・・(I)。
  2. 該熱可塑性樹脂組成物を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化温度Tcが145℃以上である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 該熱可塑性樹脂組成物を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化温度Tcが175℃以上である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. (A)成分50〜99重量部と(B)成分50〜1重量部を含む(D)樹脂組成物2〜50重量部と、(B)成分98〜50重量部を((D)成分+(B)成分=100重量部)の条件で、溶融混練することにより得られる、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 該熱可塑性樹脂組成物は更に、(B)成分100重量部に対して0.1〜100重量部である(C)ポリアルキレンテレフタレート樹脂(ポリトリメチレンテレフタレートを除く)を含み、そして、
    (A)成分及び(C)成分の結晶化エンタルピーΔHccを求めるために、上記式(I)に代えて下記式(II)を用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物:
    DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/(熱可塑性樹脂組成物の全量に対する(A)成分含有率(重量%)と(C)成分含有率(重量%)の和)×100=ΔHcc(J/g)・・・(II)。
  6. (C)成分がポリエチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリブチレンテレフタレート樹脂である、請求項記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする樹脂成形品。
  8. 下記式(III)あるいは(IV)によって算出される、該樹脂成形品を0℃から20℃/minの条件で昇温した時に得られる(A)成分あるいは(A)成分及び(C)成分の結晶化エンタルピーΔHccが0〜15J/gである、請求項に記載の樹脂成形品:
    DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/樹脂成形品の全重量に対する(A)成分含有率(重量%)×100=ΔHcc(J/g)・・・(III)
    DSCを用いて測定された結晶化ピーク面積ΔH(J/g)/(樹脂成形品の全重量に対する(A)成分含有率(重量%)と(C)成分含有率(重量%)の和)×100=ΔHcc(J/g)・・・(IV)。
  9. 該樹脂成形品を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化温度Tcが145℃以上である、請求項に記載の樹脂成形品。
  10. 該樹脂成形品を270℃の溶融状態から−20℃/minの条件で降温した時に得られる結晶化速度Tcが175℃以上である、請求項に記載の樹脂成形品。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、(A)成分50〜99重量部と(B)成分50〜1重量部を含む(D)樹脂組成物2〜50重量部と(B)成分98〜50重量部を((D)成分+(B)成分=100重量部)の条件で、溶融混練することを含む、上記方法。
  12. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の樹脂成形品の成形方法であって、(A)成分50〜99重量部と(B)成分50〜1重量部を含む(D)樹脂組成物2〜50重量部と(B)成分98〜50重量部を((D)成分+(B)成分=100重量部)の条件で、ドライブレンドすること、及び、続いてドライブレンド物を成形加工することを含む、上記方法。
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