JP2004526848A - ポリエチレンテレフタレートと少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロヘキサン系ポリカーボネートを含有する衝撃変性された組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フィラーおよび/または強化剤を含有し、かつモノマーとして、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロヘキサンをベースとするポリカーボネート成分を少なくとも1種含有する、衝撃変性されたポリエチレンテレフタレート/ポリカーボネートブレンドに関する。本発明は、さらに、半完成品および成形品の製造における前記熱可塑性成形用組成物の使用、および前記熱可塑性成形用組成物から得られる半完成品および成形品にも関する。
【0002】
自動車ボディのプラスチック付属部品に課される要件は、衝撃下および延伸負荷の下での、特に低温における良好な靭性、適度な剛性、低い熱膨張、良好な流動性、良好な表面品質、優れたラッカー塗装性と良好なラッカー接着性、良好な薬品および燃料耐性であり、また、使用される成形用組成物は、自動車ボディ外装部品の製造に好適でなければならない。
【0003】
自動車ボディのプラスチック外装部品は、一般に、ラッカー吹き付け塗装されなければならない。車の色に着色されたプラスチック材料の場合、それから製造される自動車ボディの付属部品は、通常、1層以上の透明ラッカーで塗装される。車の色に着色されていないプラスチック材料の場合、それから製造される自動車ボディの付属部品は、複数のラッカー層でラッカー吹き付け塗装されている。そのラッカー層のうち少なくとも1層は着色性である。適用されるラッカー層は、通常、高温で焼き付けられて硬化されなければならない。要求される温度と温度暴露時間は、用いられるラッカー吹き付け塗装プロセスやラッカーシステムによって異なう。ラッカー吹き付け塗装される部品がスチール鋼ボディと一緒にカソード浸漬塗装(CDC)される、いわゆるオンラインプロセスでは、その温度は一般に約165℃〜180℃以上である。ラッカー吹き付け塗装される部品が、スチール鋼ボディのカソード浸漬塗装の後でボディラッカー吹き付け塗装プロセスに導入される、いわゆるインラインプロセスでは、その温度は一般に130℃〜160℃以上である。自動車ボディの付属部品のプラスチック材料は、できれば、硬化または焼き付け操作中に不可逆的な変形などのような変化を発現してはいけない。そのため、加熱下で高い寸法安定性を有する熱可塑性ポリカーボネート成形用組成物を提供する必要がある。
【0004】
実際の実験は、自動車ボディの付属部品に用いられる材料の特性が、当該材料の具体的な使用分野(concrete field)によって広範に変化し得ることを表している。しかし、全ての材料に非常に重要な最終決定要因は、問題無くラッカー吹き付け塗装できる、十分な加熱下での寸法安定性である。
【0005】
半結晶性ポリエステル、グラフトコポリマーおよび鉱物フィラーを含む、フィラー含有ポリカーボネート成形用組成物が知られている。このような成形用組成物は、例えば、自動車分野で使用される。
【0006】
独国特許出願公開第A19753541号公報には、芳香族ポリエステル、グラフトコポリマーおよび鉱物フィラーを一部含有し、かつ自動車のボデ外装部品にとって十分な靭性を有するポリカーボネート成形用組成物が開示されている。しかし、前記公報の請求項に記載の成形用組成物は、加熱下での不十分な寸法安定性を有する。
【0007】
欧州特許出願公開第A135904号公報には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエン系グラフトコポリマーおよび4重量%までの量のタルクを含有するポリカーボネート成形用組成物が記載されている。低い反りと高い靭性との好ましい特性の組み合わせが長所として開示されている。
【0008】
特開平8-176339号公報には、鉱物フィラーとしてタルクを含有するポリカーボネート成形用組成物が記載されている。更なるブレンドパートナーとして、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートが使用できる。良好な衝撃強度と表面品質が、この成形用組成物の長所として強調されている。
【0009】
特開平7-025241号公報には、高い剛性と良好な表面品質を有するポリカーボネート成形用組成物が記載されている。この成形用組成物は、ポリカーボネートを(ポリマー成分100部に対して)60〜70重量%、ポリエステルを20〜30重量%、アクリレートゴムを5〜10重量%、タルクを5〜10重量%、および酸化防止剤を0.1〜1重量%含有する。
【0010】
特開昭62-138550号公報には、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、弾性コポリマー5〜20重量%および鉱物フィラー5〜40重量%を含有するポリカーボネート成形用組成物が開示されている。特開昭63-132961号公報には、自動車分野での応用のための、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル、弾性コポリマー3〜20重量%および鉱物フィラー0.3〜40重量%を含有する同等のポリカーボネート成形用組成物が開示されている。
【0011】
独国特許出願公開第A19912987号公報には、ポリエステル、グラフトコポリマーおよび鉱物フィラーを含有するポリカーボネート成形用組成物が開示されているが、達成される加熱下での寸法安定性が140℃以下である。
【0012】
米国特許第5,376,736号公報には、透明なブレンドのための、ポリエチレンテレフタレートとジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン系ポリカーボネートを含有するポリカーボネート成形用組成物が開示されている。
【0013】
欧州特許出願公開第0385086号公報には、ポリアルキレンテレフタレートと、ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン系ポリカーボネートおよびエラストマーから成る組成物が記載されている。この出願には、ポリブチレンテレフタレートと、ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン系ポリカーボネートとエラストマーとのブレンドも示されており、157℃の加熱下でのVicatB寸法安定性は、極めて乏しい靭性と組み合わせたときのみ達成され、そして良好な靭性は、高くて142℃の加熱下でのVicatB寸法安定性を有する組成物でのみ達成される。
【0014】
本発明の目的は、加熱下での優れた寸法安定性およびラッカー塗装性を有するため、インラインプロセスなどのように、130℃〜160℃までの温度負荷を有するラッカー吹き付け塗装プロセスでも使用できるポリカーボネート成形用組成物を提供することであった。
【0015】
驚くことに、ポリエチレンテレフタレートを、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロアルカン誘導体をベースとする少なくとも1種のポリカーボネート、衝撃変性剤およびフィラーと組み合わせて含有する組成物が、要求される特性を表すことが分かった。特に、このような組成物は、ポリエチレンテレフタレートと、ビスフェノールA系ポリカーボネート、衝撃変性剤およびフィラーとの組み合わせと比べて、またはポリブチレンテレフタレートとビスフェノールA系ポリカーボネートおよび衝撃変性剤との組み合わせと比べて、加熱下での顕しく高いVicatB寸法安定性を示す。そのため、本発明の組成物は、例えばインラインラッカー吹き付け塗装プロセスのように、130〜160℃以上の温度負荷が生じるプロセスでラッカー吹き付け塗装される自動車ボディ外装部品としての適用に特に好適である。
【0016】
とりわけ、ポリエチレンテレフタレート、衝撃変性剤、フィラーを、少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロアルカン誘導体をベースとするポリカーボネートおよびジヒドロキシジアリールシクロアルカン誘導体を含まない他のポリカーボネート少なくとも1種と組み合わせて含有する組成物は、初めに記載した要件のプロフィールに加えて、加熱下での高いVicatB寸法安定性および非常に良好な靭性を示し、そしてそれによって、例えば、インラインラッカー吹き付け塗装プロセスなどのように、130〜160℃以上の温度負荷が生じるプロセスでラッカー吹き付け塗装される自動車ボディ外装部品としての適用に特に適していることが分かった。
【0017】
従って、本発明は、145℃以上の加熱下でのVicatB寸法安定性(DIN ISO306/B120)を有するポリカーボネート成形用組成物を提供する。本発明の組成物は、更に、低温での衝撃強度の意外に低い低下を示す。ポリカーボネート成形用組成物は、初めに記載した要件に関し、自動車ボディのプラスチック付属部品にとって優れた全体特性プロフィールを有するものである。
【0018】
本発明は、
A)少なくとも1種のポリエチレンテレフタレート4〜80重量部、好ましくは10〜60重量部、特に好ましくは12〜40重量部、、とりわけ19〜29重量部、
B)ジヒドロキシジアリールシクロアルカンをベースとしない少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート0〜50重量部、好ましくは3〜50重量部、より好ましくは4〜43重量部、特に好ましくは4〜32重量部、最も好ましくは5〜27重量部、
C)該成分B)以外の少なくとも1種のポリカーボネートであって、その基材が少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロアルカン誘導体を含むもの10〜90重量部、好ましくは15〜80重量部、特に好ましくは20〜60重量部、とりわけ23〜55重量部、
D)少なくとも1種のエラストマー性ポリマー1.5〜35重量部、好ましくは3〜25重量部、特に好ましくは6〜20重量部、とりわけ8〜17重量部、
E)少なくとも1種のフィラーおよび/または強化剤1.5〜54重量部、好ましくは2.5〜34重量部、特に好ましくは3.5〜28重量部、とりわけ5〜21重量部
を含有する組成物を提供する。
【0019】
本発明の組成物は、核形成剤、安定化剤、潤滑剤および/またはリリース剤、伝導性添加物、難燃剤、顔料および/または着色剤などの更なる添加物を更に含有していてよい。
【0020】
前記成分A〜Eと前記の更なる添加物との合計重量部は100であることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、前記組成物は、成分Aとして、ポリエチレンテレフタレート、または2種以上の異なるポリエチレンテレフタレートの混合物を含有する。本発明の範疇のポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸(またはその反応性誘導体)とエチレングリコール系アルカンジオールとから誘導されるポリアルキレンテレフタレートである。
【0022】
好ましいポリエチレンテレフタレート(以降、PETと略すこともある)は、テレフタル酸(またはその反応性誘導体)と、エチレングリコール単位を有する脂肪族または脂環式ジオールから、公知の方法で調製され得る(クンシュトシュトッフ-ハンドブッフ(Kunststoff-Handbuch)、第VIII巻、695頁以降、カール・ハンサー・フェルラーク、ミュンヘン、ウィーン1973年)。
【0023】
好ましいポリエチレンテレフタレートは、ジカルボン酸に対して少なくとも80モル%、好ましくは90モル%のテレフタル酸基と、ジオール成分に対して少なくとも80モル%、好ましくは90モル%のエチレングリコール基とを含有する。
【0024】
好ましいポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸基に加えて、炭素数8〜14の他の芳香族ジカルボン酸基または炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸基、好ましくはフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、4,4'-ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロへヘキサン二酢酸の基を20モル%まで含有していてよい。
【0025】
好ましいポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールに加えて、炭素数3〜12の他の脂肪族ジオール、または炭素数6〜21の脂環式ジオール、例えば、1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、3-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールおよび-1,6,2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-ジ-(β-ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2-ビス-(3-β-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパンおよび2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパンを20モル%まで含有していてよい(独国特許出願公開第A2407674号公報、同第2407776号公報、同第2715932号公報)。ポリエチレンテレフタレートは、更に、エーテルまたはポリエーテル構造を20モル%含有していてよい。
【0026】
ポリエチレンテレフタレートは、独国特許出願公開第1900270号公報および米国特許第3,692,744号公報等に記載されているような、比較的少量の3価もしくは4価のアルコールまたは3塩基性もしくは4塩基性のカルボン酸の組み込みによって枝分かれされていてよい。好ましい枝分かれ剤の例は、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロール-エタンおよび-プロパン、およびペンタエリスリトールである。枝分かれ剤を、酸成分に対して1モル%以下で使用するのが望ましい。
【0027】
好ましいポリエチレンテレフタレートは、少なくとも2種の酸成分および/または少なくとも2種のアルコール成分から調製されるコポリエステルでもある。特に好ましいコポリエステルは、ポリ-(エチレングリコール/1,4-ブタンジオール)テレフタレートである。
【0028】
テレフタル酸とその反応性誘導体(例えば、そのジアルキルエステル)、およびエチレングリコールから単に調製されるポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0029】
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は、一般に、フェノール/o−ジクロロベンゼン(重量比1:1)中、25℃で測定すれば、約0.3〜1.5dL/g、好ましくは0.4〜1.3dL/g、特に好ましくは0.5〜0.8dL/gである。
【0030】
速い結晶性のポリエチレンテレフタレート、すなわち等温結晶化に関するDSC法に準拠すれば、215℃での結晶化時間が一般には15分以下、好ましくは10分以下、特に好ましくは5分以下のポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0031】
本発明によれば、ポリエチレンテレフタレートの速い結晶化は、ポリエチレンテレフタレートの調製中またはその後にポリエチレンテレフタレートへ結晶化剤を添加することによって、例えば、結晶化剤をポリエチレンテレフタレート溶融物に混入することによって、好ましく達成される。結晶化剤としては、安息香酸または置換安息香酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩などの有機カルボン酸の有機塩が好ましく使用される。
【0032】
ポリエチレンテレフタレートの一部を、他の熱可塑性ポリエステル、好ましくはポリブチレンテレフタレートで置換してよい。一般には、ポリエチレンテレフタレートの(ポリエチレンテレフタレートを基準として)50重量%まで、好ましくは10重量%までを、他の熱可塑性ポリエステル、好ましくはポリアルキレンテレフタレートで置換してよい。
【0033】
熱可塑性ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘導体(例えば、ジメチルエステルまたは無水物)と、脂肪族、脂環式または芳香脂肪族ジオールとの反応生成物、および前記反応生成物の混合物である。
【0034】
好ましい、前記以外の熱可塑性ポリエステルは、テレフタル酸(またはその反応性誘導体)と、炭素数3〜10の脂肪族または脂環式ジオールとから公知の方法で調製され得るポリアルキレンテレフタレートである(クンシュトシュトッフ-ハンドブッフ(Kunststoff-Handbuch)、第VIII巻、695頁以降、カール・ハンサー・フェルラーク、ミュンヘン1973年)。
【0035】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基を、ジカルボン酸に対して少なくとも80モル%、好ましくは90モル%、および1,4-ブタンジオール基を、ジオール成分に対して少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%含有する。
【0036】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基に加えて、炭素数8〜14の他の芳香族ジカルボン酸の基または炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸の基を20モル%まで含有していてよく、例えば、フタル酸基、イソフタル酸基、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸基、4,4'-ジフェニルジカルボン酸基、コハク酸基、アジピン酸基、セバシン酸基、アゼライン酸基、シクロヘキサン二酢酸基が挙げられる。
【0037】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、1,4-ブタンジオールグリコール基に加えて、炭素数3〜12の他の脂肪族ジオールまたは炭素数6〜21の脂環式ジオールを20モル%まで含有していてよく、例えば、1,3-プロパンジオール基、2-エチル-1,3-プロパンジオール基、ネオペンチルグリコール基、1,5-ペンタンジオール基、1,6-ヘキサンジオール基、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール基、3-メチル-2,4-ペンタンジオール基、2-メチル-2,4-ペンタンジオール基、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール基および-1,6,2-エチル-1,3-ヘキサンジオール基、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール基、2,5-ヘキサンジオール基、1,4-ジ-(β-ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン基、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン基、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン基、2,2-ビス-(3-β-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン基および2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン基が挙げられる(独国特許出願公開第A2407674号公報、同第2407776号明細書公報、同第2715932号公報)。
【0038】
ポリアルキレンテレフタレートは、―既に先に記載したのと―同様に、比較的少量の3価もしくは4価アルコールまたは3塩基性もしくは4塩基性カルボン酸を組み込むことによって枝分かれされてもよい。
【0039】
テレフタル酸およびその反応性誘導体(例えば、そのジアルキルエステル)と、1,4-ブタンジオール(ポリブタンテレフタレート)とから単に調製されたポリアルキレンテレフタレートが特に好ましい。
【0040】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、前記酸成分のうち少なくとも2種から、および/または前記アルコール成分のうち少なくとも2種から調製されるコポリエステルである。
【0041】
ポリアルキレンテレフタレートの固有粘度は、一般に、フェノール/o−ジクロロベンゼン(重量比1:1)中、25℃で測定すれば、約0.3〜1.5dL/g、好ましくは0.4〜1.3dL/gである。
【0042】
本発明によれば、本発明の前記組成物は、成分Bとして、ポリカーボネートまたはポリカーボネートの混合物を含有する。
【0043】
好ましいポリカーボネートは、式(I)で表されるビスフェノールをベースとするホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートである。
【化1】
(ここで、Zは、芳香族基を1個以上含有する炭素数6〜30の2価の有機基である。)
【0044】
式(Ia)のビスフェノールが好ましい。
【化2】
前記式中、Aは、単結合、C1〜C5-アルキレン、C2〜C5-アルキリデン、C5〜C6-シクロアルキリデン、-O-、-SO-、-CO-、-S-、-SO2-、C6〜C12-アリーレン(これらには、ヘテロ原子を任意に含有する別の芳香環が縮合されていてもよい。)であるか、あるいは式(II)または(III):
【化3】
の基であり、Bはそれぞれ、C1〜C12-アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素であり、置換分xはそれぞれ独立して、0、1または2であり、およびpは、1または0であり、およびR1およびR2は、各C1について独立して選択できかつそれぞれ独立して、水素またはC1〜C12-アルキルであって、好ましくは水素、メチルまたはエチルである。
【0045】
成分Bにおいて、ジヒドロキシジアリールシクロアルカンをベースとするポリカーボネート(成分C)は排除される。
【0046】
前記式(I)のビスフェノールの例は、以下の群に属するビスフェノールである。
ジヒドロキシジフェニル、ビス-(ヒドロキシフェニル)-アルカン、インダンビスフェノール、ビス-(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス-(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス-(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス-(ヒドロキシフェニル)-スルホン、ビス-(ヒドロキシフェニル)スルホキシドおよびα,α'-ビス-(ヒドロキシフェニル)-ジイソプロピルベンゼン。
【0047】
例えば、前記ビスフェノールの芳香環でのアルキル化またはハロゲン化によって生成される前記ビスフェノールの誘導体は、前記式(I)に係るビスフェノールの例でもある。
【0048】
前記式(I)のビスフェノールの例は、特に以下の化合物である。
ヒドロキノン、レゾルシノール、4,4'-ジヒドロキシジフェニル、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-スルフィド、ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-スルホン、ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-メタン、ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-スルホン、1,1-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-p/m-ジイソプロピルベンゼン、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン(すなわちビスフェノールA)、2,2-ビス-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、2,4-ビス-(3,5-字メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、α,α'-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-o-ジイソプロピルベンゼン、α,α'-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-m-ジイソプロピルベンゼン(すなわちビスフェノールM)α,α'-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼンおよびインダンビスフェノール。
【0049】
特に好ましいポリカーボネートB)は、ビスフェノールAをベースとするホモポリカーボネートである。
【0050】
前記式(I)のビスフェノールは、公知の方法により、例えば対応するフェノールとケトンから調製され得る。
【0051】
前記ビスフェノールとその製造方法は、例えば、論文:エイチ・シュネル(H. Schnell)著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ(Chemistry andPhysics of Polycarbonates)」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年、および米国特許第3,028,635号公報、同第3,062,781号公報、同第2,999,835号公報、同第3,148,172号公報、同第2,991,273号公報、同第3,271,367号公報、同第4,982,014号公報、同第2,999,846号公報、同第1,570,703号公報、同第2,063,050号公報、同第2,036,052号公報、独国特許出願公開第A2,211,956号公報、同第A3,832,396および仏国特許発明第A1561518号公報、並びに特開昭61(1986)-62039号公報、同昭61(1986)-62040号公報および同昭61(1986)-105550号公報に記載されている。
【0052】
1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンおよびその製造は、例えば、米国特許第A4,982,014号公報に記載されている。
【0053】
インダンビスフェノールとその製造は、例えば、米国特許第3,288,864号公報特開昭60-035150号公報および米国特許第4,334,106号公報に記載されている。インダンビスフェノールは、イソプロピルフェノールまたはその誘導体から、あるいはイソプロピペニルフェノールの二量体またはその誘導体から、フリーデル-クラフト触媒の存在下、有機溶媒中で製造される。
【0054】
ポリカーボネートは、公知の方法に従って調製されてよい。ポリカーボネートの好適な製造方法は、例えば、ビスフェノールとホスゲンからの相境界法による製造、またはビスフェノールとホスゲンからの均一相中での方法(いわゆるピリジン法)による製造、またはビスフェノールと炭酸エステルからの溶融エステル交換法による製造である。これらの製造方法は、例えば、エイチ・シュネル著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、31〜76頁、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年に記載されている。前記製造方法は、また、ディ・フライターグ(D. Freitag)、ユー・グリゴ(U. Grigo)、ピー・アール・ミュラー(P. R. Muller)、エヌ・ヌーヴェルン(N. Nouvertne)著、エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジニアリング中の「ポリカーボネーツ(Polycarbonates)」、第11巻、第2版、1988年、648〜718頁、およびユー・グリゴ、ケイ・キルヒナー(K. Kirchner)およびピー・アール・ミュラー著、「ポリカーボネート」、ベッカー/ブラウン、クンシュトシュトッフ-ハンドブッフ(Kunststoff-Handbuch)、第3/1巻、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、セルロースエステル(Polycarbonate, polyacetale, Polyester, Celluloseester)、カール・ハンサー・フェルラーク、ミュンヘン、ウィーン1992年、117〜299頁、およびディ・シー・プレヴォルセック(D. C. Prevorsek)、ビー・ティ・デボナ(B. T. Debona)およびワイ・ケステン(Y. Kesten)著、コーポレイト・リサーチ・センター、アライド・ケミカル・コーポレイション、モーリスタウン、ニュージャージー州07960、「シンセシス・オブ・ポリ(エステル)カーボネート・コポリマーズ(Synthesis of Poly(ester)carbonate Copolymers)」、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、ポリマー・ケミストリー・エディション、第19巻、75〜90頁(1980年)にも記載されている。
【0055】
前記溶融エステル交換法は、特に、エイチ・シュネル著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、44〜51頁、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年、および独国特許出願公開第A1031512号公報、米国特許第3,022,272号公報、同第5,340,905号公報および同第5,399,659号公報に記載されている。
【0056】
ポリカーボネートの製造において、低い不純物度を有する原材料および補助物質が好ましく使用される。とりわけ溶融エステル交換法による製造の場合、用いられるビスフェノールと用いられる炭酸誘導体は、アルカリイオンやアルカリ土類イオンをできる限り有していてはならない。そのような純度の原材料は、例えば、炭酸誘導体(例えば、炭酸エステル)とビスフェノールを再結晶、洗浄または蒸留することによって得られる。
【0057】
本発明に好適なポリカーボネートは、好ましくは、重量平均分子量(
【化4】
、これは超延伸分離または光散乱測定法によって求められる)10,000〜200,000g/モルを有する。特に好ましくは、前記重量平均分子量は、12,000〜80,000g/モル、特に好ましくは20,000〜35,000g/モルである。
【0058】
本発明のポリカーボネートの平均分子量は、例えば、適当な量の連鎖停止剤を用いて、公知の方法で確定できる。連鎖停止剤は、単独でまたは別の連鎖停止剤との混合物の形態で使用されてよい。
【0059】
好適な連鎖停止剤は、モノフェノールおよびモノカルボン酸である。好適なモノフェノールは、例えば、フェノール、p-クロロフェノール、p-tert-ブチルフェノール、クミルフェノールまたは2,4,6-トリブロモフェノール、および長鎖アルキルフェノール(例えば、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)、またはアルキル置換基中の炭素数が8〜20のモノアルキルフェノールまたはジアルキルフェノール(例えば、3,5-ジ-tert-ブチルフェノール、p-tert-オクチルフェノール、p-ドデシルフェノール、2-(3,5-ジメチル-ヘプチル)-フェノールまたは4-(3,5-ジメチル-ヘプチル)-フェノールである。好適なモノカルボン酸は、安息香酸、アルキル安息香酸およびハロ安息香酸である。
【0060】
好ましい連鎖停止剤は、フェノール、p-tert-ブチルフェノール、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールおよびクミルフェノールである。
【0061】
連鎖停止剤の量は、特別な場合、使用されるビスフェノールの合計に対して、好ましくは0.25〜10モル%である。
【0062】
本発明に好適なポリカーボネートは、公知の方法で、好ましくは官能価が3以上の枝分かれ剤を組み込むことにより、枝分かれされていてよい。好適な枝分かれ剤は、例えば、フェノール性基を3個以上有するもの、またはカルボン酸基を3個以上有するものである。
【0063】
好適な枝分かれ剤は、例えば、フロログルシノール、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプト-2-エン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゼン、1,1,1-トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、2,2ビス-[4,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)-フェノール、2,6-ビス-(2-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロパン、ヘキサ-(4-(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)-フェニル)-テレフタル酸エステル、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、テトラ-(4-(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)-フェノキシ)-メタンおよび1,4-ビス-(4',4''-ジヒドロキシトリフェニル)-メチルベンゼン、および2,4-ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌール酸クロライド、3,3-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドール、トリメシン酸トリクロライドおよびα,α'-α''-トリス-(4-ヒドロキシフェノール)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンである。
【0064】
好ましい枝分かれ剤は、1,1,1-トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタンおよび3,3-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドールである。
【0065】
任意に使用される枝分かれ剤の量は、使用されるビスフェノールのモル数に対して、好ましくは0.05モル%〜2モル%である。
【0066】
枝分かれ剤は、例えば、本発明のポリカーボネートを相境界法で製造する場合は、アルカリ水相中にビスフェノールおよび連鎖停止剤と一緒に配置されてよく、あるいは、添加されて、炭酸誘導体と一緒に有機溶媒中に溶解されてもよい。エステル交換法の場合は、枝分かれ剤を、好ましくは、ジヒドロキシ芳香族化合物またはビスフェノールと合わせて計量して供給する。
【0067】
溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造で好ましく使用される触媒は、文献公知のアンモニウム塩およびホスホニウム塩である(例えば、米国特許第3,442,864号公報、特開昭47(1972)-14742号公報、米国特許第5,399,659号公報および独国特許出願公開第A19539290号公報参照)。
【0068】
コポリカーボネートも使用してよい。本発明の範疇のコポリカーボネートは、特に、ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーであり、その重量平均分子量(
【化5】
)は、好ましくは10,000〜200,000g/モル、特に好ましくは20,000〜80,000g/モルである(これは、予め較正した後のゲルクロマトグラフィーによって、光散乱測定法または超延伸分離によって求められる)。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマー中の芳香族カーボネート構造単位の含量は、好ましくは75〜97.5重量%、特に好ましくは85〜97重量%である。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマー中のポリジオルガノシロキサン構造単位の含量は、好ましくは25〜2.5重量%、特に好ましくは15〜3重量%である。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、例えば、α,ω-ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含みかつ平均重合度Pnが好ましくは5〜100、特に好ましくはPnが20〜80のポリオルガノシロキサンから出発して、製造され得る。
【0069】
ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーと、汎用のポリシロキサンを有しない熱可塑性ポリカーボネートとの混合物であってよい。この混合物中のポリジオルガノシロキサン構造単位の合計含量は、好ましくは2.5〜25重量%である。
【0070】
このようなポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、そのポリマー鎖中に、一方では、芳香族カーボネート構造単位(1)を、および他方では、アリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサン(2)を含むことを特徴とする。
【化6】
前記式中、置換基Arは、同一または異なる2官能の芳香族基であり、およびRおよびR1は、同一または異なって、直鎖アルキル、分枝アルキル、アルケニル、ハロゲン化直鎖アルキル、ハロゲン化分枝アルキル、アリールまたはハロゲン化アリール、好ましくはメチルを表し、およびnは、好ましくは5〜100まで、特に好ましくは20〜80までの平均重合度を表す。
【0071】
式(2)中のアルキルは、好ましくは、C1〜C20-アルキルである。前記式(2)中のアルケニルは、好ましくはC2〜C6-アルケニルである。前記式(2)中のアリールは、好ましくはC6〜C14-アリールである。前記式中のハロゲン化とは、部分的または完全な塩素化、臭素化またはフッ素化を表す。
【0072】
アルキル、アルケニル、アリール、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アリールの例は、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ビニル、フェニル、ナフチル、クロロメチル、ペルフルオロブチル、ペルフルオロオクチルおよびクロロフェニルである。
【0073】
このようなポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーおよびその製造法は、例えば、米国特許第3,189,662号公報、同第3,821,325号公報および同第3,832,419号公報に記載されている。
【0074】
好ましいポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、例えば、α,ω-ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサンを他のビスフェノールと合わせて、場合により枝分かれ剤を通常使用される量で共に用いて、(エイチ・シュネル著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、31〜76頁、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年に記載の)2相境界法に従って反応させることによって製造されてよい。前記合成において出発物質として使用されるα,ω-ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサンおよびその製造法は、例えば、米国特許第3,419,634号公報に記載されている。
【0075】
汎用の添加物、例えば、リリース剤などを、溶融したポリカーボネートと混合しても、あるいはその表面に適用してもよい。用いられるポリカーボネートは、好ましくは、本発明の前記成形用組成物の他の成分とコンパウンド化する前に既にリリース剤を含有している。
【0076】
本発明によれば、本発明の組成物は、成分Cとして、ポリカーボネートまたはポリカーボネートの混合物を含有する。
【0077】
好ましいポリカーボネートは、式(I)のビスフェノールをベースとする成分Bに対応するホモポリカーボネートとコポリカーボネートである。
【化7】
(式中、Zは、芳香族基を1個以上含有する炭素数6〜30の2価の基である。)
【0078】
成分C)は、成分C)ポリカーボネートの基材が少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロヘキサン(IV):
【化8】
、好ましくはジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン(IVa):
【化9】
、特に好ましくはジ(p-ヒドロキシジフェニル)シクロヘキサン(IVb):
【化10】
を包含する点で、本発明の成分B)とは異なる(前記式中、置換基Arは、所望により置換または非置換の芳香族単位またはアリーレンであり、好ましくはフェニレンまたはナフチレンであり、特に好ましくはフェニレンであり、最も好ましくはp-フェニレンであり、R1およびR2は、各X1について独立して選択でき、かつ互いに独立して、水素またはC1〜C6-アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルであり、X1は、炭素であり、Dはそれぞれ、C1〜C12-アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素であり、置換分yは、互いに独立して、0、1、2、3または4、好ましくは0、1または2、特に好ましくは0であり、mは、R1およびR2が少なくとも1個の原子X1について同時にアルキルであれば、4〜7までの整数、好ましくは4または5である。)。
【0079】
本発明によれば、成分C)のポリカーボネートにおける基材として、好ましくは1種以上の前記ジヒドロキシジアリールシクロアルカン(前記式(IV))と成分B)として前述の1種以上の式(I)のビスフェノールとの混合物も使用できるため、本発明では、それらから、少なくとも1のジアリーレンシクロアルカン単位を含むコポリカーボネートが得られる。本発明では、成分C)のポリカーボネートは、ジヒドロキシジアリールシクロアルカン(前記式(IV))またはジヒドロキシジアリールシクロアルカンを含む基材を有するコポリカーボネートをベースとするポリカーボネートブロックと、前記式(I)のビスフェノールをベースとするポリカーボネートブロックとから成るブロックコポリカーボネートであってもよい。
【0080】
成分C)は、特に好ましくは、脂環式基中の環員炭素数が5または6であるジヒドロキシジフェニルシクロアルカン(前記式(IVb)中、mが4または5であるもの)少なくとも1種、例えば、以下の式:
【化11】
で表されるジフェノール、特に好ましくは1,1-ビス-(4-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(式V)をベースとするポリカーボネートである。
【0081】
成分C)としての特に好ましいポリカーボネートは、1,1-ビス-(4-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(式V)をベースとするホモポリカーボネートである。ビスフェノールAと1,1-ビス-(4-4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(式V)をベースとするコポリカーボネートが最も好ましい。
【0082】
成分C)のポリカーボネートは、好ましくは、150〜260℃まで、特に好ましくは155〜245℃まで、更に好ましくは167〜230℃まで、最も好ましくは181〜206℃までの加熱下でのVicatB寸法安定性を有する。
【0083】
本発明の成分C)およびその製造、並びに対応するフェノールとケトンからのジヒドロキシジアリールシクロアルカンの製造は、例えば、欧州特許出願公開第A0359953号公報および同第A04698404号公報に詳細に記載されている。1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(式V)およびその製造は、例えば、米国特許第4,982,014号公報または欧州特許出願公開第A0359953号公報に記載されている。
【0084】
コモノマーとして前記式(I)で表されるビスフェノールの製造は、既に成分B)の説明で行っている。
【0085】
成分C)のポリカーボネートは、公知のプロセスによって製造されてよい。ポリカーボネートの好適な製造方法は、例えば、ビスフェノールとホスゲンからの相境界法による製造、またはビスフェノールとホスゲンからの均一相中での方法(いわゆるピリジン法)による製造、あるいはビスフェノールと炭酸エステルからの溶融エステル交換法による製造である。前記製造法は、例えば、エイチ・シュネル著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、31〜76頁、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年に記載されている。前記製造法は、ディ・フライターグ、ユー・グリゴ、ピー・アール・ミュラー、エヌ・ヌーヴェルン著、エンサイクロペディア・オブ・ポリマー・サイエンス・アンド・エンジニアリング中の「ポリカーボネーツ」、第11巻、第2版、1988年、648〜718頁、およびユー・グリゴ、ケイ・キルヒナーおよびピー・アール・ミュラー著、「ポリカーボネート」、ベッカー/ブラウン、クンシュトシュトッフ-ハンドブッフ、第3/1巻、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、セルロースエステル、カール・ハンサー・フェルラーク、ミュンヘン、ウィーン1992年、117〜299頁、およびディ・シー・プレヴォルセック、ビー・ティ・デボナおよびワイ・ケステン著、コーポレイト・リサーチ・センター、アライド・ケミカル・コーポレイション、モーリスタウン、ニュージャージー州07960、「シンセシス・オブ・ポリ(エステル)カーボネート・コポリマーズ」、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、ポリマー・ケミストリー・エディション、第19巻、75〜90頁(1980年)にも記載されている。
【0086】
溶融エステル交換法は、特に、エイチ・シュネル著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、44〜51頁、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年、および独国特許出願公開第A1031512号公報、米国特許第A3,022,272号公報、同第A5,340,905号公報および同第A5,399,659号公報に記載されている。
【0087】
成分C)のポリカーボネートの製造において、低い不純物度の原材料と補助物質が好ましく使用される。とりわけ溶融エステル交換法による製造の場合、用いられるビスフェノールと用いられる炭酸誘導体は、アルカリイオンやアルカリ土類イオンをできる限り有していてはならない。そのような純度の原材料は、例えば、炭酸誘導体(例えば、炭酸エステル)とビスフェノールを再結晶、洗浄または蒸留することによって得られる。
【0088】
本発明に好適な成分C)のポリカーボネートは、重量平均分子量(
【化12】
、これは超延伸分離、光散乱測定法または予め較正した後のゲル浸透クロマトグラフィーによって求められる)10,000g/モル以上、好ましくは10,000〜300,000g/モルを有する。特に好ましくは、前記重量平均分子量は、12,000〜80,000g/モル、特に好ましくは20,000〜35,000g/モルである。
【0089】
本発明の成分C)のポリカーボネートの平均分子量は、例えば適当な量の連鎖停止剤を用いて、公知の方法で確定できる。連鎖停止剤は、単独でまたは別の連鎖停止剤との混合物の形態で使用されてよい。
【0090】
好適な連鎖停止剤は、モノフェノールおよびモノカルボン酸である。好適なモノフェノールは、例えば、フェノール、p-クロロフェノール、p-tert-ブチルフェノール、クミルフェノールまたは2,4,6-トリブロモフェノール、および長鎖アルキルフェノール(例えば、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)、またはアルキル置換基中の炭素数が8〜20のモノアルキルフェノールまたはジアルキルフェノール(例えば、3,5-ジ-tert-ブチルフェノール、p-tert-オクチルフェノール、p-ドデシルフェノール、2-(3,5-ジメチル-ヘプチル)-フェノールまたは4-(3,5-ジメチル-ヘプチル)-フェノールである。好適なモノカルボン酸は、安息香酸、アルキル安息香酸およびハロ安息香酸である。
【0091】
好ましい連鎖停止剤は、フェノール、p-tert-ブチルフェノール、4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノールおよびクミルフェノールである。
【0092】
連鎖停止剤の量は、特別な場合、使用されるビスフェノールの合計に対して、好ましくは0.25〜10モル%である。
【0093】
本発明に好適な成分C)のポリカーボネートは、公知の方法で、好ましくは官能価が3以上の枝分かれ剤を組み込むことにより、枝分かれされていてよい。好適な枝分かれ剤は、例えば、フェノール性基を3個以上有するもの、またはカルボン酸基を3個以上有するものである。
【0094】
好適な枝分かれ剤は、例えば、フロログルシノール、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプト-2-エン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘプタン、1,3,5-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-ベンゼン、1,1,1-トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタン、トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-フェニルメタン、2,2ビス-[4,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-シクロヘキシル]-プロパン、2,4-ビス-(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)-フェノール、2,6-ビス-(2-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-プロパン、ヘキサ-(4-(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)-フェニル)-テレフタル酸エステル、テトラ-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン、テトラ-(4-(4-ヒドロキシフェニル-イソプロピル)-フェノキシ)-メタンおよび1,4-ビス-(4',4''-ジヒドロキシトリフェニル)-メチルベンゼン、および2,4-ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、シアヌール酸クロライド、3,3-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドール、トリメシン酸トリクロライドおよびα,α'-α''-トリス-(4-ヒドロキシフェノール)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンである。
【0095】
好ましい枝分かれ剤は、1,1,1-トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-エタンおよび3,3-ビス-(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-オキソ-2,3-ジヒドロインドールである。
【0096】
任意に使用される枝分かれ剤の量は、使用されるビスフェノールのモル数に対して、好ましくは0.05モル%〜2モル%である。
【0097】
枝分かれ剤は、例えば、本発明の成分C)のポリカーボネートを相境界法で製造する場合は、アルカリ水相中にビスフェノールおよび連鎖停止剤と一緒に配置されてよく、あるいは添加されて、炭酸誘導体と一緒に有機溶媒中に溶解されてもよい。エステル交換法の場合は、枝分かれ剤を、好ましくは、ジヒドロキシ芳香族化合物またはビスフェノールと合わせて計量して供給する。
【0098】
溶融エステル交換法によるポリカーボネートの製造で好ましく使用される触媒は、文献公知のアンモニウム塩およびホスホニウム塩である(例えば、米国特許第3,442,864号公報、特開昭47(1972)-14742号公報、米国特許第5,399,659号公報および独国特許出願公開第A19539290号公報参照)。
【0099】
コポリカーボネートも使用してよい。本発明の範疇の成分C)のコポリカーボネートは、特に、ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーであり、その重量平均分子量(
【化13】
)は、好ましくは10,000〜200,000g/モル、特に好ましくは20,000〜80,000g/モルである(これは、予め較正した後のゲル浸透クロマトグラフィーによって、光散乱測定法または超延伸分離によって求められる)。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマー中の芳香族カーボネート構造単位の含量は、好ましくは75〜97.5重量%、特に好ましくは85〜97重量%である。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマー中のポリジオルガノシロキサン構造単位の含量は、好ましくは25〜2.5重量%、特に好ましくは15〜3重量%である。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、例えば、α,ω-ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含みかつ平均重合度Pnが好ましくは5〜100、特に好ましくはPnが20〜80のポリオルガノシロキサンから出発して、製造され得る。
【0100】
ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーと、汎用のポリシロキサンを有しない熱可塑性ポリカーボネートとの混合物であってよい。この混合物中のポリジオルガノシロキサン構造単位の合計含量は、好ましくは2.5〜25重量%である。
【0101】
このようなポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、そのポリマー鎖中に、一方では、芳香族カーボネート構造単位(1)を、および他方では、アリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサン(2)を含むことを特徴とする。
【化14】
前記式中、置換基Arは、同一または異なって、2官能の芳香族基であり、およびRおよびR1は、同一または異なって、直鎖アルキル、分枝アルキル、アルケニル、ハロゲン化直鎖アルキル、ハロゲン化分枝アルキル、アリールまたはハロゲン化アリール、好ましくはメチルを表し、およびnは、好ましくは5〜100まで、特に好ましくは20〜80までの平均重合度を表す。
【0102】
式(2)中のアルキルは、好ましくは、C1〜C20-アルキルである。前記式(2)中のアルケニルは、好ましくはC2〜C6-アルケニルである。前記式(2)中のアリールは、好ましくはC6〜C14-アリールである。前記式中のハロゲン化とは、部分的または完全な塩素化、臭素化またはフッ素化を表す。
【0103】
アルキル、アルケニル、アリール、ハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アリールの例は、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、ビニル、フェニル、ナフチル、クロロメチル、ペルフルオロブチル、ペルフルオロオクチルおよびクロロフェニルである。
【0104】
このようなポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーおよびその製造法は、例えば、米国特許第3,189,662号公報、同第3,821,325号公報および同第3,832,419号公報に記載されている。
【0105】
好ましいポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、例えば、α,ω-ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサンを他のビスフェノールと合わせて、場合により枝分かれ剤を通常使用される量で共に用いて、(エイチ・シュネル著、「ケミストリー・アンド・フィジックス・オブ・ポリカーボネーツ」、ポリマー・レヴューズ、第9巻、31〜76頁、インターサイエンス・パブリッシャーズ、ニューヨーク、ロンドン、シドニー1964年に記載の)2相境界法に従って反応させることによって製造されてよい。前記合成において出発物質として使用されるα,ω-ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサンおよびその製造法は、例えば、米国特許第3,419,634号公報に記載されている。
【0106】
汎用の添加物、例えば、リリース剤などを、溶融した成分C)のポリカーボネートに混入しても、あるいはその表面に適用してもよい。用いられるポリカーボネートは、好ましくは、本発明の前記成形用組成物の他の成分とコンパウンド化する前に既にリリース剤を含有している。
【0107】
本発明では、前記組成物は、成分D)として、ガラス転移温度−5℃以下、好ましくは−15℃以下、より好ましくは−30℃以下、最も好ましくは−50℃以下のエラストマー性ポリマー、または前記種類の2種以上の異なるポリマーの混合物(このようなポリマーは、しばしば衝撃変性剤とも呼ばれる)、エラストマーまたはゴムを含有する。
【0108】
本発明の成分D)は、一般に、少なくとも2種の、好ましくは3種のモノマー(スチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、アルコール成分としての炭素数1〜18のアルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、1,3-ブタジエン、イソブテン、イソプレンおよび/またはクロロプレン)のコポリマー、好ましくはグラフトコポリマーを包含する。成分D)の前記ポリマーは、例えば、「メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー(Methoden der Organischen Chemie)」(ホウベン−ヴェイル(Houben-Weyl)著)、第14/1巻、ゲオルグ・ティエメ-フェルラーク、シュトゥットガルト、1961年、392〜406頁、およびシー・ビー・バックノール(C. B. Bucknall)著「タフンド・プラスティクス(Toughened Plastics)」、アプル・サイエンス・パブリッシャーズ、ロンドン1977年に記載されている。グラフトコポリマーの場合、少なくとも1層の外側シェルがコアにグラフト化されている。
【0109】
成分D)として好ましく使用されるグラフトコポリマーは、例えば、スチレン、アクリロニトリルおよび/またはメチルメタクリレートの、1,3-ブタジエン、イソプレン、n-ブチルアクリレート、スチレンおよび/または2-エチルヘキシルアクリレートのグラフトベースへのグラフト化反応、より好ましくはアクリロニトリル、スチレンおよび/またはメチルメタクリレートの、1,3-ブタジエン、イソプレン、n-ブチルアクリレート、スチレンおよび/または2-エチルヘキシルアクリレートのグラフトベースへのグラフト化反応によって得られる。
【0110】
本発明では、メチルメタクリレートまたはメチルメタクリレートとスチレンとの混合物が、1,3-ブタジエン系のグラフトベース、または1,3-ブタジエンとスチレンとの混合物から成るグラフトベースにグラフト化されたグラフトコポリマーが特に好ましい。このようなコポリマーは、MBS(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン)ゴムとも呼ばれる。
【0111】
n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、1,3-ブタジエン、イソプレンおよび/または2-エチルヘキシルアクリレートが、1,3-ブタジエン、イソプレン、n-ブチルアクリレート、スチレンおよび/または2-エチルヘキシルアクリレートのグラフトベースへグラフト化されたグラフトコポリマーも、成分D)として好ましく使用される。
【0112】
グラフトベースにグラフト化されるモノマー混合物は、エポキシ基またはグリシジル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、アミノ基および/またはアミド基などの更なる反応性基で官能性化されたモノマー、およびエチレン性二重結合を有するモノマーを包含し、例えば、アシルアミド、メタクリルアミド、(N,N-ジメチルアミノ)エチルアクリレート、好ましくはマレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。
【0113】
本発明では、架橋性モノマーをグラフトベースおよび/または外側シェルに重合してもよく、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジヒドロジシクロペンタジエンアクリレートおよび/または1,3-ブタジエンが挙げられる。
【0114】
いわゆるグラフト架橋性モノマーを使用してもよく、これは少なくとも2個の重合性二重結合を有し、これら二重結合は、重合中に異なる速度で重合する。好ましくは、1個の二重結合は、他のモノマーとほぼ同じ速度で重合するが、それ以外の二重結合は、著しく遅く重合し、結果として、ゴム中に特定の割合の二重結合をもたらす。別の形態のグラフト化中では、前記二重結合のうちいくつかがグラフトモノマーと反応でき、それによってグラフト化相をグラフトベースに部分的に化学的に結合する。これに関して挙げられる例には、エチレン性不飽和カルボン酸エステル、例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレートまたは米国特許第PS4,148,846号公報に記載の化合物などが包含される。
【0115】
化合物D)は、好ましくは、ガラス転移温度が−5℃以下のアクリレート系グラフトベースを有するグラフトポリマー(このようなグラフトポリマーは一般にはアクリレートゴムと呼ばれ、当業者には公知である)、またはこの種の2種以上の異なるグラフトポリマーの混合物、あるいはビニル芳香族化合物とジエンをベースとする弾性ブロックポリマー、特に2成分または3成分ブロックコポリマー、あるいは2種以上のこの種の異なる弾性ブロックポリマーの混合物、あるいはグラフトポリマーと弾性ブロックポリマーとの混合物を更に包含する。
【0116】
同様に、成分D)として好ましく使用できる前記アクリレートゴムは、好ましくは、以下のモノマー:アルコール成分中の炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸エステル、クロロプレン、1,3-ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレンおよび酢酸ビニルのうち少なくとも2種から実質上得られる、弾性特性を有するグラフトコポリマーを包含する。グラフトベースは、少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルを含有し、同様に、「メトーデン・デル・オルガニッシェン・ヘミー」(ホウベン−ヴェイル著)、第14/1巻、ゲオルグ・ティエメ-フェルラーク、シュトゥットガルト、1961年、392〜406頁、およびシー・ビー・バックノール著「タフンド・プラスティクス」、アプル・サイエンス・パブリッシャーズ、ロンドン1977年に記載されている。
【0117】
好ましいポリマーD)は、部分的に架橋されていてよく、そして5重量%を超え、好ましくは20重量%、より好ましくは40重量%を超え、特に60重量%を超えるゲル含量を有していてよい。
【0118】
成分D)としての好ましいアクリレートゴムは、
D.1)成分Dを基準として95〜5重量%、好ましくは10〜80重量%の、グラフトモノマーとしての少なくとも1種の重合性エチレン性不飽和モノマー系グラフトベースと、
D.2)成分Dを基準として5〜95重量%、好ましくは20〜90重量%の、グラフトベースとしてのガラス転移温度−10℃未満、好ましくは−20℃未満のアクリレートゴムと
を含有するグラフトコポリマーである。D.2)は、特に好ましくは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのポリマーを含有し、これは、D.2)に対して40重量%までの他のエチレン性不飽和モノマーを含有していてよい。
【0119】
D.2のアクリレートゴムは、好ましくは、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルと、任意にD.2に対して40重量%までの他の重合性エチレン性不飽和モノマーとのポリマーである。好ましいアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルは、C1〜C8-アルキルエステル、特にメチル、エチル、ブチル、n-オクチルおよび2-エチルヘキシルエステル、およびハロアルキルエステル、好ましくはハロ-C1〜C8-アルキルエステル、例えば、クロロエチルアクリレート、並びにこれらモノマーの混合物を包含する。
【0120】
アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸エステルは、好ましくは、アクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜18の1価アルコールとのエステルである。メタクリル酸メチルエステル、エチルエステルおよびプロピルエステル、n-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよびtert-ブチルメタクリレートが特に好ましい。
【0121】
グラフトベースD.1のグラフトモノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、ハロゲンまたはメチルで核置換されたスチレン、(メタ)アクリル酸C1〜C8-アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、C1〜C4-アルキル-またはフェニル-N-置換マレイミド、またはこれらの混合物から成る群のうち少なくとも1種のモノマー、好ましくは2または3種のモノマーから好ましく選択される。
【0122】
特に好ましいグラフトコポリマーD)は、
D.1)
D.1.1 メチルメタクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、ハロゲンまたはメチルで核置換されたスチレン、これらの化合物の混合物50〜99重量%、好ましくは60〜95重量%と、
D.1.2 メチルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、C1〜C4-アルキル-またはフェニル-N-置換マレイミド、またはこれら化合物の混合物1〜50重量%、好ましくは35〜10重量%と
の混合物5〜95重量部、好ましくは10〜80重量部、特に30〜80重量部と、
D.2)ガラス転移温度−10℃以下、好ましくは−20℃以下のアルキルアクリレート系ポリマー5〜95重量部、好ましくは20〜90重量部、特に20〜70重量部と
のグラフトポリマーを包含する。ここで、前記成分D.1)とD.2)の重量部の合計は100である。
【0123】
α グラフトベースD.1としての、グラフトポリマーDを基準として10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%、特に20〜40重量%の少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル、または混合物であって、混合物を基準として10〜50重量%、好ましくは20〜35重量%のアクリロニトリルまたは(メタ)アクリル酸エステルと、混合物を基準として50〜90重量%、好ましくは65〜80重量%のスチレンとの混合物10〜70重量%、好ましくは15〜50重量%、特に20〜40重量%と、
β グラフトポリマーD)を基準として30〜90重量%、好ましくは50〜85重量%、特に60〜80重量%の、単一アルキルアクリレートとしての、アルキル基中の炭素原子数が1〜8の少なくとも1種のアルキルクリレート、好ましくはn-ブチルアクリレートおよび/またはメチル-n-ブチルアクリレートおよび/または2-エチルヘキシルアクリレート、特にn-ブチルアクリレート70〜100重量%と、0〜30重量%、好ましくは0〜15重量%の更なる共重合性モノエチレン性不飽和モノマー(例えば、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートまたはビニルメチルエーテルまたはこれらの混合物)と、0〜5重量%の架橋を生じる共重合性多官能性(好ましくは2官能性および3官能性)モノマーとを含有するグラフトベースD.2)(ここで、前記重量割合は、グラフトベースの合計重量に対する値である。)と
のグラフト化反応によって生成されるグラフトコポリマーD)が特に好ましい。
【0124】
アクリレートゴムをベースとする好ましいグラフトポリマーD)は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび/またはスチレンおよび/またはアクリロニトリルとグラフト化されるベースD.2)である。n-ブチルアクリレート系アクリレートゴムがグラフトベースD.2)として特に好ましい。
【0125】
アクリレートゴムをベースとする特に好ましいグラフトポリマーD)は、特に、グラフト合計重量に対して5重量%以下のポリスチレン単位、好ましくは1重量%以下のポリスチレン単位を含むものであって、特に好ましくは、ポリスチレン単位を含まないものである。
【0126】
成分D)は、異なるグラフトコポリマーの混合物でもある。
【0127】
グラフトベースβのゲル含量(トルエン中で測定)は、一般には、少なくとも20重量%、好ましくは40重量%であり、グラフト化度Gは、0.15〜0.55である。
【0128】
成分D)のグラフトコポリマーの平均粒径は、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.05〜1.0μm、特に好ましくは0.1〜0.08μm、とりわけ0.1〜0.4μmである。
【0129】
平均粒径は、例えば、OsO4およびRuO4で処理した本発明の成形用組成物の極薄の断面の電子顕微鏡画像(TEM)において、粒子(約50個の)の対応する大きさ(representative amount)を測定することによって求められる。
【0130】
超遠心分離によって求められる平均粒径d50(ダブリュー・ショルタン(W. Scholtan)、エイチ・ランゲ(H. Lange)著、コロイド・ツァイシュリフト・ウント・ツァイシュリフト・フューア・ポリメレ(Kolloid, Z. und Z. Polymere)250巻(1972年)、第782〜796頁)は、粒子の50%がそれを超えかつ残りの50%がそれ以下である直径である。グラフトポリマーD)の平均粒径d50は、0.1〜0.6μmである。
【0131】
グラフトベースD.2のゲル含量は、25℃においてジメチルホルムアミド中で求められる(エム・ホフマン(M. Hoffmann)、エイチ・クレマー(H. Kromer)、アール・クーン(R. Kuhn)著、ポリマーアナリティーク(Polymeranalytik)IおよびII、ゲオルグ・ティエメ−フェルラーク、シュトゥットガルト1977年)。
【0132】
グラフト化度Gは、グラフト化されるモノマーとグラフトベースとの重量比を表し、無次元である。
【0133】
アクリレートゴムをベースとするポリマーD)の好ましくは架橋のために、1個以上の重合性二重結合を有するモノマーを共重合してよい。架橋性モノマーの好ましい例は、炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸と炭素数3〜12の不飽和1価アルコールまたはOH基2〜4個および炭素原子2〜20個を有する飽和ポリオールとのエステルであって、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、ポリ不飽和複素環化合物(例えば、トリビニルおよびトリアリルシアヌレート)、多官能ビニル化合物(ジ-およびトリ-ビニルベンゼン)、およびトリアリルホスフェートおよびジアリルフタレートが挙げられる。好ましい架橋性モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレートおよび少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する複素環式化合物である。特に好ましい架橋性モノマーは、環式モノマートリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリビニルシアヌレート、トリアシロイルヘキサヒドロ-s-トリアジン、トリアリルベンゼン、トリシクロデセニルアルコールのアクリル酸エステルである。
【0134】
架橋性モノマーの量は、グラフトベースD.2を基準として、好ましくは0.02〜5重量%、特に0.05〜2重量%である。
【0135】
少なくとも3個のエチレン性不飽和基を有する環状の架橋性モノマーの場合、グラフトベースD.2の量を1重量%以下に制限することが有利である。
【0136】
グラフトポリマーD)は、塊、懸濁、エマルションまたは塊−懸濁法などの公知の方法で製造され得る。
【0137】
グラフトモノマーは、グラフト反応において必ずしもグラフトベースに完全にグラフト化されないことから、グラフトポリマーD)は、本発明では、グラフトベースの存在下でのグラフトモノマーの重合によって生成される生成物を意味すると解される。
【0138】
グラフトポリマーD)は、好ましくは、成形体(compacted phase)で使用される。
【0139】
本発明の成分D)は、弾性特性を有するブロックポリマー、特に、2成分(A−B)および3成分(A−B−A)ブロックコポリマーも包含する。A−BおよびA−B−A型のブロックコポリマーは、熱可塑性エラストマーの典型的な特性を示し得る。前記A−BおよびA−B−A型の好ましいブロックコポリマーは、1以上のビニル芳香族ブロック(特に好ましくはスチレンをベースとするもの)およびゴムブロック(特に好ましくはジエンゴムブロック、最も好ましくはポリブタジエンブロックまたはイソプレンブロック)を含有し、これらは部分的または完全に水素されていてよい。
【0140】
前記A−BおよびA−B−A型の好適なブロックコポリマーは、例えば、米国特許第3,078,254号公報、同第3,402,159号公報、同第3,297,793号公報、同第3,265,765号公報および同第3,594,452号公報、および英国特許出願公開第A1264741号公報に記載されている。前記A−BおよびA−B−A型の典型的なブロックコポリマーの例は、ポリスチレン−ポリブタジエン(SBR)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)、ポリスチレン−ポリイソプレン、ポリ(α-メチルスチレン)−ポリブタジエン、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBR)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンおよびポリ(α-メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α-メチルスチレン)、並びにこれらの水素化物、好ましい例としては、水素化ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBR)および水素化ポリスチレン−ポリイソプレンである。衝撃変性剤としての非水素化前駆体と任意に組み合わせた、対応する水素化ブロックコポリマーの使用は、例えば、独国特許発明第A2750515号公報、同第A2434848号公報、同第A038551号公報、欧州特許出願公開第A0080666号公報および国際公開第A83/01254号公報に記載されている。前記公報の開示内容をここに参照として挿入する。
【0141】
前記ブロックポリマーの混合物も使用できる。
【0142】
部分的にまたは完全に水素化されたブロックコポリマーが特に好ましく、水素化ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SEBS)および水素化ポリスチレン−ポリイソプレン(SEP)が特に好ましい。
【0143】
このようなA−BおよびA−B−A型のブロックコポリマーは、多数の製造元から市販されており、例えば、フィリップス・ペトロレウム製の商品名SOLPRENE、シェル・ケミカル・カンパニー製の商品名KRATON、デキスコ製の商品名VECTOR、およびクラレ製の商品名SEPTONが挙げられる。
【0144】
熱可塑性成形用組成物は、成分E)として、フィラーまたは強化剤、または2種の異なるフィラーおよび/または強化剤の混合物を含有し、例えば、これらはタルク、マイカ、シリケート、石英、二酸化チタン、珪灰石、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョーク、長石、硫酸バリウム、ガラス球および/または繊維状フィラーをベースとするもの、および/または炭素繊維および/またはガラス繊維をベースとする強化剤が挙げられる。タルク、マイカ、シリケート、石英、二酸化チタン、珪灰石、カオリン、非晶質シリカ、炭酸マグネシウム、チョーク、長石、硫酸バリウムをベースとする粒状の鉱物フィラーが好ましい。本発明では、タルクおよび/または珪灰石および/またはカオリンをベースとする粒状の鉱物フィラーが特に好ましい。タルクをベースとする粒状の鉱物フィラーが最も好ましい。
【0145】
特に、寸法安定性と高い熱寸法安定性の場合に等方性を要求する用途、例えば、自動車ボディ外装部品のための自動車用途などでは、好ましくは鉱物フィラーが、特に好ましくはタルクまたは珪灰石またはカオリン、最も好ましくはタルクが使用される。
【0146】
成分D)がブロックコポリマーであれば、前記ブレンドは、鉱物フィラーを好ましくは2.5〜34重量部、特に好ましくは3.5〜28重量部、最も好ましくは5〜21重量部の量で含有する。
【0147】
針状の鉱物フィラーも特に好ましい。本発明によれば、針状の鉱物フィラーは、明らかな針状特徴を有する鉱物フィラーであると考えられる。針状の珪灰石が例として挙げられる。鉱物は、好ましくは、長さ:直系の比が2:1〜35:1、特に好ましくは3:1〜19:1、最も好ましくは4:1〜12:1である。本発明では、針状の鉱物の平均粒径は、CILAS GRANULOMETERを用いて求めると、好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下、更に好ましくは10μm以下、最も好ましくは5μm以下である。
【0148】
タルクをベースとする鉱物フィラーが成分E)として最も好ましい。本発明の範疇でタルクをベースとする好適な鉱物フィラーは、当業者がタルクを連想する全ての粒状フィラーである。工業上供給されかつその製品等級が特徴としてタルクという用語を含む全ての粒状フィラーも適している。
【0149】
フィラーの合計重量を基準として50重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは95重量%以上、最も好ましくは98重量%以上のDIN55920に準拠したタルク含量を有する鉱物フィラーが好ましい。
【0150】
タルクをベースとする鉱物フィラーは、表面処理されていてもよく、また、シラン系などの接着促進系を提供されてもよい。
【0151】
本発明によれば、タルクをベースとする鉱物フィラーは、上位の粒子または顆粒寸d9 7が50μm以下、好ましくは25μm以下、特に好ましくは10μm以下、最も好ましくは6μm以下を有する。平均粒径d50としては、10μm以下、好ましくは6μm以下、特に好ましくは2μm以下、最も好ましくは1μm以下の値が好ましく選択される。フィラーDの前記d97およびd50値は、SEDIGRAPH D5000沈殿分析によって、またはDIN66165篩分析によって求められる。
【0152】
タルクをベースとする粒状フィラーの平均アスペクト比(直径:厚さ)は、完成品の極薄断面の電子顕微鏡画像においてフィラー粒子(約50個)の対応する大きさを測定すれば、好ましくは1〜100、特に好ましくは2〜25、最も好ましくは5〜25である。
【0153】
フィラーおよび/または強化剤は、場合により、シラン系などの接着促進剤または接着促進系などで表面変性されていてよい。しかし、前処理は必ずしも必要ではない。特に、ガラス繊維を使用する場合は、シラン以外に、ポリマー分散剤、フィルム形成剤、枝分かれ剤および/またはガラス繊維加工助剤も使用してよい。
【0154】
前処理用の汎用のシラン化合物は、例えば、、式:
【化15】
で表される。ここで、置換分は以下の意味を表す:
xは、
【化16】
であり、qは、2〜10までの整数、好ましくは3または4であり、rは、1〜5までの整数、好ましくは1または2であり、kは、1〜3までの整数、好ましくは1である。
【0155】
好ましいシラン化合物は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、およびグリシジル基を置換基Xとして含有する対応するシランである。
【0156】
シラン化合物は、一般に、表面被覆のために、鉱物フィラーを基準として0.05重量〜、好ましくは0.05〜1.5重量%、特に0.8〜1重量%の量で使用される。
【0157】
前記成形用組成物または成形品に加工した結果、前記成形用組成物または成形品中のフィラーは、用いられる本来のフィラーよりも小さなd97またはd50を有していてよい。
【0158】
完成品の粒径は、例えば、ポリマー混合物の薄い断面の電子顕微鏡画像を記録して、少なくとも25個、好ましくは少なくとも50個のフィラー粒子を用いて評価することによって求められる。
【0159】
本発明の組成物は、汎用の添加物も含有していてよく、一般に、前記成形用組成物の合計重量に対して15重量%まで、好ましくは0.01〜10重量%の量で、特に好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%添加されてよい。
【0160】
成分A)〜E)に加えて、本発明の組成物は、例えば、安定化剤(UV安定化剤、熱安定化剤など)、帯電防止剤、流動助剤、リリース剤、難燃性添加剤、乳化剤、核形成剤、可塑剤、潤滑剤、pH降下用添加剤(カルボキシル基を含有する化合物など)、伝導性を高めるための添加物、着色剤、顔料などの汎用の添加物、およびこれらの混合物も含有し得る。前記添加物および更に好適な添加物は、例えば、ゲヒター(Gachter)、ミュラー著、クンシュトシュトッフ−アディティヴ(Kunststoff-Additive)、第3版、ハンサー−フェルラーク、ミュンヘン、ウィーン、1989年に記載されている。添加物は、単独で、混合物で、またはマスターバッチの形態で使用されてよい。添加物は、混合されても、および/またはその表面に適用されてもよい。
【0161】
安定化剤として、好ましくは立体障害性フェノールおよび/またはホスフィット、ヒドロキノン、芳香族2級アミン(例えば、ジフェニルアミン)、置換レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾールおよびベンゾフェノン、および種々の置換基を担持する前記基の代表的なもの、およびこれらの混合物を使用してよい。ホスフィット系安定化剤および/または亜燐酸エステル安定化剤および/またはホスホネートおよび/またはホスホン酸エステル安定化剤が特に好ましい。
【0162】
顔料としては、二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ニグロシンおよびアントラキノンを使用してよい。
【0163】
核形成剤としては、ナトリウムフェニルホスフィナート、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、好ましくはタルクおよび前述の核形成剤を使用してよい。
【0164】
潤滑剤およびリリース剤としては、好ましくはエステルワックス、ペンタエリスリトールステアレート(PETS)、長鎖脂肪酸(ステアリン酸またはベヘン酸など)およびそれらの塩(ステアリン酸CaまたはZn塩など)、およびアミド誘導体(エチレン-ビル-ステアリルアミド)またはモンタンワックス(鎖長が炭素数28〜32である直鎖飽和カルボン酸の混合物)、並びに低分子量ポリエチレンまたはポリプロピレンワックスを使用してよい。
【0165】
可塑剤としては、好ましくはフタル酸ジオクチルエステル、フタル酸ジベンジルエステル、フタル酸ブチルベンジルエステル、炭化水素油、N-(n-ブチル)ベンゼンスルホンアミドを使用してよい。
【0166】
伝導性の成形用組成物を生成するために、好ましくは、カーボンブラック、伝導性カーボンブラック、カーボン繊維、ナノスケールグラファイト繊維(ナノチューブ)、グラファイト、伝導性ポリマー、金属繊維、および伝導性を高めるための他の汎用の添加物などを添加してもよい。
【0167】
難燃剤として、市販の有機ハロゲン化合物を共同剤とともに、または市販の有機窒素化合物、または有機/無機リン化合物を、単独でまたは混合物として使用してもよい。水酸化マグネシウムまたはCa−Mg−炭化水素(例えば、独国特許発明第OS−4236122号公報)などの鉱物難燃性添加物を使用してもよい。例示できるハロゲン含有化合物、特に臭素化および塩素化化合物としては、エチレン1,2-ビステトラブロモフタルイミド、エポキシド化テトラブロモビスフェノールA樹脂、テトラブロモビスフェノールAオリゴカーボネート、テトラクロロビスフェノールAオリゴカーボネート、ペンタブロモポリアクリレート、臭素化ポリスチレンなどが挙げられる。好適な有機リン化合物は、国際公開第98/17720号公報(PCT/EP/05705)に記載のリン化合物であり、例えば、トリフェニルホスフェート(TPP)、オリゴマーを含むレゾルシノールビス-(ジフェニルホスフェート)、およびオリゴマーを含むビスフェノールAビスジフェニルホスフェート(例えば、欧州特許出願公開第A363608号公報および同第A640655号公報参照)、メラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、メラミンポリホスフェートおよびこれらの混合物が挙げられる。好適な窒素化合物は、特にメラミンおよびメラミンシアヌレートである。アンチモン化合物、特に三酸化アンチモンおよび五酸化アンチモン、亜鉛化合物、スズ酸錫などの錫化合物、およびホウ酸塩が、共同剤として好適である。炭素形成剤およびテトラフルオロエチレンポリマーを添加してよい。任意にアンチモン化合物などの共同剤を含む難燃剤や滴り落ち防止剤(antidripping agents)は、一般に、(合計組成物を基準として)30重量%、好ましくは20重量%の量まで使用される。
【0168】
本発明は、前記組成物の製造方法、成形体、成形用組成物、半完成品および成形品の製造における本発明の組成物の使用、および、それから製造される成形体、成形用組成物、半完成品および成形品にも関する。
【0169】
本発明の組成物の製造は、自体公知の方法に従って、前記成分を混合することにより行われる。個々の成分をプレミックスするも有利であり得る。成分A〜Eおよび更なる構成要素の混合は、220〜330℃の温度で成分を合わせて混練、押出しまたは圧延することによって有利に行われる。
【0170】
本発明の組成物は、常套の方法であらゆる半完成品または成形品に加工され得る。例示できる加工方法の例としては、押出法および射出成形法が挙げられる。例示できる半完成品の例としては、フィルムおよびシートが挙げられる。
【0171】
前記成形品は、小さなまたは大きな寸法のものであってよく、また外装または内装用途のために使用され得る。自動車構造物、特に自動車分野における大きな寸法の成形品の製造が好ましい。本発明の成形用組成物は、特に自動車ボディ外装部品、例えば、ウィング、後尾扉(talgates)、ボンネット、バンパー、荷台部分(load areas)、荷台部分用のカバー、車の屋根または自動車ボディの付属部品などを製造するのに使用され得る。
【0172】
本発明の成形用組成物/組成物から製造される成形品または半完成品は、金属またはプラスチック材料などの他の材料との複合構造で使用されてもよい。自動車ボディ外装部品の任意のラッカー吹き付け塗装後、ラッカー層は、本発明の成形用組成物上および/または前記複合材料に使用される材料の上に直接配置されてもよい。本発明の成形用組成物、または本発明の成形用組成物から製造される成形品/半完成品は、複合構造物中で他の材料と共に使用されても、あるいは自動車ボディ外装部品などの完成品を、複数の構成要素または部品を、同時押出、裏地へフィルムを吹付けること、インサート周囲の噴霧、接着結合、溶接、ねじ留めまたはクランプなどの常套の結合および接合技術によって製造するのに使用されてもよい。
【0173】
本発明の組成物から製造される成形用組成物、成形品および/または半完成品は、好ましくは、自動車ボディ外装部品としての用途に使用され、その用途では、1工程以上のラッカー吹き付け塗装工程を経るかまたは連帯的に経る。自動車ボディ外装部品として、本発明の成形用組成物、成形品および/または半完成品が1工程以上のラッカー吹き付け塗装工程を経るかまたは連帯的に経る用途が特に好ましい。ここで、ラッカー吹き付け塗装および/またはその後処理は、120〜220℃、好ましくは130〜200℃、特に好ましくは140〜185℃、最も好ましくは150〜170℃の温度負荷を有する工程を包含する。この温度負荷は、5分以上、好ましくは10分以上、特に好ましくは15分以上、最も好ましくは24分以上作用する。前記温度負荷は、例えば、カソード浸漬コーティングの硬化および/または乾燥中、好ましくはフィラーおよび/またはプライマーの硬化および/または乾燥中に生じ得る。
【0174】
しかし、本発明の組成物から得られる成形用組成物、成形品および/または半完成品は、接着剤やフィラーの熱硬化時および/または成形用組成物および/または複合部品の後-焼き戻し時に、加熱下での高い寸法安定性が要求される場所に使用されてよい。
【0175】
本発明の成形用組成物は、多数のほかの用途にも使用され得る。電気工学、建築分野またはデータ記憶における使用が挙げられる。前記使用分野では、本発明の成形用組成物から製造される成形品を、ランプカバーとして、スプールとして、安全プレートとして、電子デバイス用のケーシング材料として、家庭内機器用のケーシング材料として、被覆の製造のためのシートとして使用できる。
【0176】
本発明の組成物は、加熱下での優れたVicatB寸法安定性および加熱下での寸法安定性を特徴とする。本発明の組成物の加熱下での寸法安定性は、加熱下でのVicatB安定性として測定され、145℃〜240℃、好ましくは150℃〜220℃、特に好ましくは156℃〜202℃、最も好ましくは160℃〜185℃の範囲である。成分B)のポリカーボネートを含まない組成物は、好ましくは、加熱下での特に高いVicatB寸法安定性および加熱下での寸法安定性を特徴とする。
【0177】
本発明の組成物は、優れた寸法安定性と低い線熱膨張も特徴とする。
【0178】
成分C)のポリカーボネート少なくとも1種および成分Bのポリカーボネート少なくとも1種を含有する組成物は、加熱下での高いVicatB寸法安定性を有すると同時に、非常に高い靭性と衝撃強度および意外にも低温での衝撃強度の低い低下を有することから、加熱下での寸法安定性と合わせて高い靭性に関して高い要求を有する用途、例えば、インラインラッカー吹き付け塗装プロセスなどでラッカー吹き付け塗装される自動車ボディ外装部品に特に適している。とりわけ、成分D)として少なくとも1種のMBSゴムを含有する組成物が加熱下での高いVicatB寸法安定性と、特に高い靭性および衝撃強度、更には低温での衝撃強度の低い低下を示すことが分かったため、所望の用途に特に適している。
【0179】
本発明の組成物は、更に、加工安定性、靭性、低温靭性、剛性、熱膨張、表面品質、溶融流動性、ラッカー塗装性、薬品耐性および燃料耐性に関する要求を満たす。
【0180】
実施例
成分 A
A1型のポリエチレンテレフタレート:固有粘度IVが0.74cm3/gでかつ等温結晶化時間が215℃で約4.2分であるポリエチレンテレフタレート。
A2型のポリエチレンテレフタレート:固有粘度IVが0.78cm3/gでかつ等温結晶化時間が215℃で約23.7分であるポリエチレンテレフタレート。
A3型のポリエチレンテレフタレート:固有粘度IVが0.64cm3/gでかつ等温結晶化時間が215℃で約7.2分であるポリエチレンテレフタレート。
固有粘度は、フェノール/o-ジクロロベンゼン(重量比1:1)中、25℃で測定される。
【0181】
DSC法(示差走査熱量計)PETの等温結晶化時間の決定は、PERKIN ELMER DSC7示差走査熱量計(荷重部分約10mg、穿孔Alパン)において、以下の温度プログラムを用いて行う。
1.30℃から290℃まで毎分40℃で加熱、
2.290℃で5分間等温、
3.290℃から215℃まで毎分160℃で冷却、
4.215℃で30分間等温(結晶化時間)
評価ソフトウェアは、PEThermal Analysis4.00である。
【0182】
成分 B
ビスフェノールAをベースとしかつ粘度ηrel 1.29(測定条件:塩化メチレン1リットルに対してポリカーボネート5g、25℃)および分子量Mw29,000g/モル(ポリカーボネート標準に対してGPC法で求めたもの)である直鎖ポリカーボネート(バイエル・アクチエンゲゼルシャフト、レーフェルクーゼン、ドイツ製のMakrolon2805)。
成分 C
モノマーとしてビスフェノールAと1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンをベースとし、加熱下でのVicatB寸法安定性203℃〜206℃および粘度ηrel 1.28(測定条件:塩化メチレン1リットルに対してApecHT KU1-9371 5g、25℃)
および分子量Mw33,000g/モル(ポリカーボネート標準に対してGPC法で求めたもの)の直鎖ポリカーボネート(バイエル・アクチエンゲゼルシャフト、レーフェルクーゼン、ドイツ製のApecHT KU1-9371)。
【0183】
成分 D
成分D1の場合に使用したアクリレートグラフトポリマーは、ローム・ウント・ハース・ドイツェランド・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン(Rohm und Haas Deutschland GmbH)、フランクフルト製のParaloidEXL2300である。
D2の場合に使用されるMBSグラフトポリマー(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン)は、ローム・ウント・ハース・ドイツェランド・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン、フランクフルト製のParaloidEXL2650であり、いずれもシェル・ケミカル製である。
使用されるブロックコポリマーは、成分D3の場合はKratonG1651(SEBS)、およびD4の場合はKratonG1702(SEP)である。
成分D5の場合に使用されるAESポリマーは、ジーイー/ウベ・サイコン(GE/Ube Cycon)製のBlendexWX270である。
【0184】
成分 E
E1:d50値が0.9μmおよびd97値が5μm以下である、インセミン・アクチエンゲゼルシャフト(Incemin AG)製のタルク。
E2:直径:長さ比が11:1であり、かつ平均粒径4μm、d10 1.0μmおよびd90 20μmである、ナイコ・ミネラルズ・インク(Nyco Minerals, Inc.)製の表面処理された珪灰石。
E3:直径:長さ比が19:1であり、かつ平均粒径8μm、d10 2.2μmおよびd90 50μmである、ナイコ・ミネラルズ・インク製の表面処理された珪灰石。
E4:直径:長さ比が13:1であり、かつ平均粒径12μm、d10 3.0μmおよびd90 75μmである、ナイコ・ミネラルズ・インク製の表面処理された珪灰石。
E5:直径:長さ比が5:1であり、かつ平均粒径3μm、d10 0.65μmおよびd90 8μmである、ナイコ・ミネラルズ・インク製の表面処理された珪灰石。
E6:直径:長さ比が5:1であり、かつ平均粒径3μm、d10 0.65μmおよびd90 8μmである、ナイコ・ミネラルズ・インク製の未処理の珪灰石。
前記鉱物E1のd50およびd97は、Sedigraph5000DまたはDIN66165篩分析による粒径分布測定から求めた。
使用した前記珪灰石鉱物E2〜E6の平均粒径、d10およびd90は、CILAS GRANULOMETERによる粒径分布曲線から求めた。
【0185】
添加物として、市販の亜リン酸塩および/または亜リン酸エステル安定化剤、および/またはホスホン酸塩および/またはホスホン酸エステル安定化剤などの汎用の安定化剤を用いた。
【0186】
コンパウンド化は、ZSK32二軸押出機(ワーナー・ウント・フライダラー(Wener und Pfleiderer)製)においてマス温度260〜312℃で行った。
【0187】
試験片は、Arburg320-210-500射出成形機において、マス温度260〜300℃およびツール温度70〜90℃で射出成形した。
【0188】
本発明の成形用組成物は、以下の方法で試験した。
VicatB:加熱下での寸法安定性、またはDIN ISO306/B120に準拠した、シリコーン油中における加熱下での寸法安定性
HDT A:加熱下での寸法安定性、またはDIN ISO75-2法Afに準拠した加熱下での寸法安定性
Izod衝撃強度:ISO180法1Uに準拠した靭性
引張弾性率:DIN/EN/ISO527-2/1Aに準拠した剛性
引裂き時の伸び:DIN/EN/ISO527-2/1Aに準拠して求めた伸び率
線熱膨張係数:DIN53752Bに準拠して前記温度範囲で求めた
MVR:DIN/ISO1133に準拠した、280℃および2.16kgでの流動性
【0189】
本発明の熱可塑性成形用組成物の組成および特性を表1〜6に示す。
表1〜6からは、本発明の成形用組成物が、優れた加熱下での寸法安定性/加熱下での寸法安定性(VicatB)を示し、かつ意外にも低温での衝撃強度(Izod衝撃強度)の低い低下を示すことが分かる。特に、本発明によれば、加熱下でのVicatB寸法安定性は140℃以上、好ましくは146℃以上、特に好ましくは150℃以上、もっとも好ましくは156℃以上である。全てのバッチの表面品質は、目視評価試験では、非常に良好であった。これは、表面が平滑でかつ非常に容易にラッカー吹き付け塗装できることを表している。
【0190】
さらに、これは、大きな寸法の自動車ボディ外装部品のための、剛性(引張弾性率)、伸び率(引裂き時の伸び)、熱膨張(線熱膨張係数)、溶融物の流動性(MVR)およびラッカー塗装性(表面品質)に関する熱可塑性成形用組成物の要件を満たす。
【0191】
【表1】
【0192】
【表2】
【0193】
【表3】
【0194】
【表4】
【0195】
【表5】
【0196】
【表6】
Claims (20)
- A)少なくとも1種のポリエチレンテレフタレート4〜80重量部、
B)ジヒドロキシジアリールシクロアルカンをベースとしない少なくとも1種の芳香族ポリカーボネート0〜50重量部、
C)該成分B)以外の少なくとも1種のポリカーボネートであって、その基材が少なくとも1種のジヒドロキシジアリールシクロアルカン誘導体を含むもの10〜90重量部、
D)少なくとも1種のエラストマー性ポリマー1.5〜35重量部、
E)少なくとも1種のフィラーおよび/または強化剤1.5〜54重量部
を含有する組成物。 - 少なくとも1種のポリカーボネートB)3〜50重量部を含有する請求項1記載の組成物。
- ポリカーボネートC)の基材が少なくとも1種のジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン誘導体を含む請求項1または2記載の組成物。
- ポリカーボネートC)の基材が少なくとも1種の1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンを含む請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
- ポリカーボネートC)が、1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールAとをベースとするコポリカーボネートである請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
- ビスフェノールAをベースとするポリカーボネートB)および1,1-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールAとをベースとするコポリカーボネートC)を含有する請求項1〜5のうち1以上に記載の組成物。
- 粒状鉱物フィラーがフィラーE)として使用される請求項1〜6のうち1以上に記載の組成物。
- 少なくとも1種のフィラーE)が、タルクをベースとする鉱物フィラーである請求項1〜7のうち1以上に記載の組成物。
- 成分Dとして、エラストマー性グラフトコポリマーを3〜25重量部含有する請求項1〜8のうち1以上に記載の組成物。
- 成分Dとして、MBS(メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン)ゴムをベースとする少なくとも1種のグラフトポリマーを含有する請求項1〜9のうち1以上に記載の組成物。
- 成分Dとして、ガラス転移温度が−5℃以下のアクリレートをベースとするグラフトベースを有するグラフトポリマー、または少なくとも1種のエラストマー性ブロックポリマー、特にビニル芳香族化合物とジエンとをベースとする2成分もしくは3成分ブロックコポリマー、またはこれらの混合物を含有する請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
- 成分D)として、
D.1)成分D)を基準として95〜5重量%の、グラフトモノマーとしての少なくとも1種の重合性エチレン性不飽和モノマー系グラフトベースと、
D.2)成分D)を基準として5〜95重量%の、グラフトベースとしてのガラス転移温度−10℃未満のアクリレートゴムと
のグラフトポリマーを含有する請求項1〜11のうち1以上に記載の組成物。 - 成分D)として、2成分(A-B)または3成分ブロック(A-B-A)を有する1種以上のブロックコポリマーを含有する請求項1〜12のうち1以上に記載の組成物。
- 該組成物の加熱下でのVicatB寸法安定性が145℃以上220℃以下である請求項1〜13のうち1以上に記載の組成物。
- 成形用組成物、成形体、成形品および半完成品の製造における、請求項1〜14のうち1以上に記載の組成物の使用。
- 請求項1〜15のうち1以上の記載に従って製造される成形用組成物、成形体、成形品および半完成品。
- 自動車ボディ外装部品としての、請求項1〜16のうち1以上に記載の成形用組成物、成形体、成形品および半完成品の使用。
- 請求項1〜17のうち1以上の記載に従って製造される自動車ボディ外装部品。
- 請求項1〜18のうち1以上に記載の自動車ボディ外装部品が、120〜220℃の範囲の温度負荷を有する1以上のラッカー吹き付け塗装プロセス工程を経験するかまたは連帯的に経験する方法。
- 請求項1〜19のうち1以上に記載のラッカー塗装された自動車ボディ外装部品。
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