JPH07188569A - 液晶高分子フィブリルを用いた複合材料及びその製造方法 - Google Patents

液晶高分子フィブリルを用いた複合材料及びその製造方法

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JPH07188569A
JPH07188569A JP33113093A JP33113093A JPH07188569A JP H07188569 A JPH07188569 A JP H07188569A JP 33113093 A JP33113093 A JP 33113093A JP 33113093 A JP33113093 A JP 33113093A JP H07188569 A JPH07188569 A JP H07188569A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal polymer
composite material
fibril
melt
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JP33113093A
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Yoshiyuki Ono
善之 小野
Kazutoshi Haraguchi
和敏 原口
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ポリエステル系液晶高分子からなる直径0.
1〜1μm、アスペクト比100以上のフィブリル
(A)と、(A)の融点以下で溶融混練できる熱可塑性
高分子(B)とを、(A)/(B)の重量比、1/99
〜10/90で配合した、液晶高分子フィブリルを用い
た複合材料、及びポリエステル系液晶高分子(C)と、
その融点以下で溶融混練できる熱可塑性高分子とを、重
量比が1/9〜5/5で、(C)の融点以上の温度で溶
融混合して押し出し、(C)から成る直径0.1〜1μ
m、アスペクト比100以上のフィブリル(A)を含む
樹脂組成物(D)を得て、次いで、(A)/(B)の重
量比が1/99〜10/90となるよう(D)と(B)
とを、(C)の融点以下の温度で溶融混合する複合材料
の製造方法。 【効果】 各種電気・電子部品、機械部品、雑貨等の射
出成形品、押出成形品に有用な複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性のポリエステル
系液晶高分子を微細なフィブリルの形態で含む複合材料
に関し、更に詳しくは、ポリエステル系液晶高分子から
なるフィブリルと、該ポリエステル系液晶高分子の融点
以下で溶融可能な熱可塑性高分子との、機械的特性に優
れた複合材料に関する。
【0002】本発明になる複合材料は、射出成形品、押
出成形品等に利用され、各種電気・電子部品、機械部
品、精密機械部品、自動車部品、スポーツ用品、雑貨等
の用途に有用であり、例えば、コネクタ、プリント基
板、封止成形品などの電気・電子部品、ランプリフレク
ター、各種電装品部品などの自動車部品、
【0003】各種建築物、航空機、自動車等の内装材、
テニスラケット、スキー、ゴルフクラブ、釣竿などのレ
ジャー、スポーツ用具、スピーカー等のエンクロージャ
ーや弦楽器等の裏甲板など音響用材料、あるいはOA機
器部品、カメラ部品、時計部品などの精密部品、あるい
はコンポジット、フィルム、シート、パイプ、あるいは
繊維として用いられる。
【0004】
【従来の技術】熱可塑性のポリエステル系液晶高分子は
耐熱性、難燃性、高剛性、耐薬品性、寸法安定性、成形
加工性等の機械的特性に優れたエンジリアリングプラス
チックとして、電気部品、精密機械部品、自動車部品等
の各種分野に利用されている。
【0005】一方、この優れた特性を他の樹脂に付与
し、効率的に新素材の開発を行うために、ポリマーブレ
ンドによる液晶高分子と他樹脂との複合化が試みられて
いる。液晶高分子は他の樹脂と溶融混練し押し出すこと
により、フィブリル、即ち、微細な繊維状物質となり、
このような操作により液晶高分子からなる補強繊維と他
の樹脂との複合材料を一度に得る方法が知られている。
【0006】特開平1−320128号公報には、この
ような性質を利用してフィブリルを含有した成形物を得
た後、それを粉砕し、再度押し出すことによってフィブ
リルの形態を保存したままフィブリルの方向性を乱し、
異方性のない機械的強度の優れたシートを得る方法が開
示されている。
【0007】また特開平2−263849号公報では、
上記で再度押し出す際、シートを延伸下で引き取ること
により、フィブリルの形態を保存したままフィブリルの
方向を揃え、熱膨張率の低減を図る方法が開示されてい
る。しかしながら、複合材料における液晶高分子の含有
量が液晶高分子と他の樹脂との重量比で1/9以下でな
いと、複合材料の極限伸びが極端に低下することが知ら
れており、上記の例でも同様な欠点を有していた。
【0008】一方、同様な方法から得られる液晶高分子
からなるフィブリルは液晶高分子と他の樹脂との重量比
が、およそ2/8か、それ以上に液晶高分子を多く含有
した組成で溶融混練、押し出さないとその高次構造は、
球状もしくは楕円状となり、アスペクト比が十分高くな
らず、特に複合材料の弾性率や破壊強度等の改良効果が
不十分なものとなる。
【0009】また液晶高分子を比較的多量に含有するこ
のような系では、高価な液晶高分子を用いることの経済
的な不利益も大きな問題であった。液晶高分子の含有率
により生じる、このような相反する効果のためにバラン
スのとれた機械的性質を有する複合材料を得ることは困
難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の技術では両立困難であった弾性率、
破壊強度と極限伸びとのバランスのとれた機械的特性を
有する、ポリエステル系液晶高分子と熱可塑性高分子と
の複合材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、微細な繊維径の
フィブリルを少量含み、力学的性質がバランスよく備わ
った複合材料を得ることが可能であることを見いだし本
発明を完成するに至った。
【0012】即ち、熱可塑性のポリエステル系液晶高分
子からなる直径0.1〜1μm、アスペクト比100以
上のフィブリル(A)と、(A)の融点以下で溶融混練
できる熱可塑性高分子(B)とを、(A)/(B)の重
量比にして1/99〜10/90となるよう配合した、
液晶高分子フィブリルを用いた複合材料である。
【0013】更に本発明は、熱可塑性のポリエステル系
液晶高分子(C)と、(C)の融点以下で溶融混練でき
る熱可塑性高分子(B)とを、(C)/(B)の重量比
が1/9〜5/5で、(C)の融点以上の温度で溶融混
合して押し出し、(C)から成る直径0.1〜1μm、
アスペクト比100以上のフィブリル(A)を含む樹脂
組成物(D)を得て、次いで、(A)/(B)の重量比
が1/99〜10/90となるよう(D)と(B)と
を、(C)の融点以下の温度で溶融混合することを特徴
とする液晶高分子フィブリルを用いた複合材料の製造方
法である。
【0014】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
に用いられる熱可塑性のポリエステル系液晶高分子と
は、溶融状態において90度に交差した偏光子を備える
光学系において、偏光を通過させる性質を持つポリエス
テルを意味する。
【0015】また本発明における融点とは、結晶相が液
晶相へ転移する温度を指し、窒素雰囲気下、10℃/m
inの昇温速度で測定した示差走査型熱量計(DSC)
の吸熱曲線におけるピーク温度によって示される。また
該液晶高分子が結晶相を持たない場合には、等方性の状
態から低温へ降温する際に、系が液晶相へ転移する温度
を指し、窒素雰囲気下、10℃/minの降温速度で測
定した示差走査型熱量計(DSC)の発熱曲線における
ピーク温度によって示される。
【0016】本発明におけるポリエステル系液晶高分子
から成るフィブリル(A)は、ポリエステル系液晶高分
子(C)から成るフィブリルであって、素材となるポリ
エステル系液晶高分子(C)としては、(1)パラヒド
ロキシ安息香酸を主成分とするポリエステル、(2)2
−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を主成分とするポリエス
テル、(3)テレフタル酸とハイドロキノン類を主成分
とするポリエステル、
【0017】(4)パラヒドロキシ安息香酸成分とポリ
エチレンテレフタレート成分からなるポリエステル、
(5)パラヒドロキシ安息香酸と芳香族ジオールとを主
成分とするポリエステル、(6)パラヒドロキシ安息香
酸、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸とを主成分と
するポリエステル等があり、液晶ポリエステルの特性を
損なわない範囲で、イソフタル酸、メタヒドロキシ安息
香酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、
【0018】4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテ
ル、2,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル、2−フェニルハイドロキノン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス
(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビ
ス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等
の芳香族成分の他、マロン酸、コハク酸、スペリン酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
【0019】ドデカンニ酸、テトラデカンニ酸、エイコ
サンニ酸、トリメチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の脂肪族成分、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール等の脂環族成分を適宜共重合成分として含
むものでよい。
【0020】本発明に用いられる熱可塑性高分子(B)
とは、上記に挙げられたポリエステル系液晶高分子と溶
融混合し、かつ熱可塑性のポリエステル系液晶高分子の
融点より低い温度で溶融成形可能な高分子である。
【0021】液晶高分子との組み合わせによって、その
対象熱可塑性高分子は異なる為、熱可塑性高分子の範囲
を限定することはできないが、例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリイソプレン、
ポリ1,4ブタジエン、ポリクロロプレン等のジエン系
高分子、ポリスチレン、ポリメタクリレートエステル、
ポリアクリレートエステル、ポリアクリル酸、ポリアク
リロニトリル、
【0022】ポリビニルエステル、ポリビニルエーテ
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポ
リ塩化ビニル等のビニル系高分子、ポリ塩化ビニリデン
等のビニリデン高分子、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン等のフッ素系高分子、ポリカプロラクタム、
ポリヘキサメチレンアジパミド等のアミド系高分子、ポ
リウレタン系高分子、ポリエチレンテレフタレート、
【0023】ポリブチレンテレフタレート等のエステル
系高分子、ポリペプチド系高分子、ポリカーボネート系
高分子、ポリエーテル系高分子、シリコーン系高分子、
ポリイミド系高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン等
が挙げられる。
【0024】熱可塑性のポリエステル系液晶高分子から
成る直径0.1〜1μm、アスペクト比100以上のフ
ィブリル(A)と、熱可塑性高分子(B)との混合比率
は、(A)/(B)の重量比で1/99から10/9
0、より好ましくは3/97から7/93である。これ
より(A)の含有量が多いと機械的特性のうち極限伸び
が激減し、脆弱であって実用的でなく、また、これより
(A)が少ないと弾性率、破壊強度の向上が望めず改良
効果が不十分である。
【0025】本発明で用いられる熱可塑性のポリエステ
ル系液晶高分子から成るフィブリルの直径は、実用上差
し支えない範囲で、一定の分布を有していれば良く、便
宜上、例えば走査型電子顕微鏡などを用いた観察によっ
て、最も頻度高く現れるフィブリルの直径をもって複合
材料中のフィブリルの直径とする。
【0026】本発明において、フィブリル(A)の直径
は、0.1〜1μmであり、好ましくは、0.1〜0.
5μm、更に好ましくは0.1〜0.3μmである。フ
ィブリル(A)の直径は、細ければ細いほど物性の改良
効果は高いが、例えば、液晶高分子と他の熱可塑性高分
子とを溶融混合し、次いで押し出す方法では、最も細い
もので0.1μm程度である。
【0027】逆に、フィブリル(A)の直径が1μmを
越えると、次第にフィブリルの単位体積あたりの表面積
が減少し、他の熱可塑性高分子との接着性が不十分とな
ること、またフィブリル間の距離が増大する事などによ
って機械的性質の改良効果が不十分なものとなる。
【0028】また、フィブリルのアスペクト比が10程
度では、繊維状形態が持つ補強効果は望めず、少なくと
も100以上は必要である。本発明の液晶高分子フィブ
リルを用いた複合材料を得る一つの方法として、次の方
法がある。
【0029】第1工程として、ポリエステル系液晶高分
子(C)がフィブリル化しやすい組成で溶融混練し、こ
れを剪断応力下または伸張流動条件下で押し出し、必要
に応じてこれを延伸をかけながら引き取る。第2工程と
して、これを他の熱可塑性高分子(B)と、フィブリル
が溶融せず、他の熱可塑性高分子が溶融する温度で再度
混合し、液晶高分子からなるフィブリルの含有率を適当
な値にして複合材料を得る方法である。
【0030】即ち、第1工程においては、熱可塑性のポ
リエステル系液晶高分子(C)と熱可塑性で、(C)の
融点以下で溶融混練できる熱可塑性高分子(B)とを、
(C)/(B)の重量比が1/9〜5/5となるよう、
(C)の融点以上の温度で溶融混合し、押し出し、必要
によりロール巻取り機等を用いて押し出されたストラン
ド(D)を延伸をかけながら巻きとる。
【0031】(C)の含有率が(C)/(B)の重量比
において1/9より少ないと、(C)はアスペクト比の
高いフィブリルとならず、場合により球状、楕円体状等
の形態となることすらあり不適当である。(C)の含有
率が(C)/(B)の重量比において5/5より多い場
合は、(C)からなるフィブリル(A)が互いに融合し
塊状になり、アスペクト比の高い繊維状形態とならず、
同じく適当でない。
【0032】溶融混練の温度は、ポリエステル系液晶高
分子(C)と他の熱可塑性高分子(B)とが溶融状態と
なっていればよく、特に具体的に規定するものではない
が、液晶高分子のフィブリル化を促進する意味で、ポリ
エステル系液晶高分子(C)の成形温度における粘度
が、他の熱可塑性高分子(B)の粘度より相対的に最も
低くなる温度で行うことが望ましい。
【0033】押し出し後の延伸を、高速かつ高倍率で行
うことは、(D)の中に一旦生成したフィブリルが、よ
りアスペクト比の大きい、直径の小さなものとなるので
好ましい。延伸倍率は、ポリエステル系液晶高分子とそ
の他の熱可塑性高分子(B)との組み合わせにより異な
るので、一概に決めることはできないが、10〜100
好ましくは20〜50であり、あまり大きな値では
(D)のストランドが切れやすくなり生産効率上採用さ
れない。
【0034】続いて第2工程においては、上記の(D)
を、これに含有されている熱可塑性高分子と同種もしく
は異種の熱可塑性高分子に溶融混練するのであるが、こ
れは(D)に含まれているフィブリル(A)を溶融する
ことなく、(D)を成形するに十分な高い温度で行う必
要がある。
【0035】ポリエステル系液晶高分子と他の熱可塑性
高分子とを混練する際、液晶高分子がアスペクト比の高
いフィブリルになるのは、比較的液晶高分子の含有率が
高い場合であるが、それでは機械的物性の内の極限伸び
が小さくなりすぎる。
【0036】そこで本発明では、始めにフィブリルを生
成するに最適な条件でフィブリルを含む組成物を作り、
その後、これに他の熱可塑性高分子を混合し、フィブリ
ルの含有率を小さくすることにより、機械的特性のバラ
ンスの良い複合材料を得るものである。
【0037】本発明における1μmの程度の直径を持つ
フィブリルは、一旦単離すると二次凝集し易いために、
他の高分子材料と再混合し、フィブリルを均一に分散さ
せることは、通常は非常に困難である。しかしながら、
本発明のようにフィブリルを単離することなく、フィブ
リルの含有量の高い(D)を、他の熱可塑性高分子
(B)に混合する方法を採ることにより、再分散での問
題が解決し、フィブリルが均一に分散した複合材料を得
ることができる。
【0038】(D)と(B)との混合比は、あくまで
(A)と(B)との最終的な混合比が(A)/(B)の
重量比で1/99〜10/90、好ましくは、3/97
〜7/93となるように定める。本発明の製造方法にお
いて、第1工程および第2工程での組成物の調製法は、
公知慣用の方法で可能である。
【0039】例えば、原料ポリマーをタンブラーまたは
ヘンシェルミキサーのような混合機で混合した後、1軸
または2軸の押出機に供給し、溶融混練した後、ペレッ
ト化したり、特に第2工程で言えば、直接シート、パイ
プ等の形態をとった複合材料に調製することができる。
【0040】またペレットは更に、射出成形、圧縮成形
等の適当な成形を行うことが可能であるが、この場合の
成形温度は、第2工程と同様にフィブリル(A)が溶融
せず、他の熱可塑性高分子(B)を成形するに十分な温
度でなければならない。
【0041】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
繊維状または粒状の強化剤を配合することが可能であ
り、樹脂組成物100に対して、通常3〜300重量部
の範囲で配合することにより、強度、剛性、耐熱性、寸
法安定性を、更に向上させることができる。
【0042】繊維状強化材としては、公知慣用の強化材
は特に制限無く使用することができるが、例えば、ガラ
ス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、ボロン繊維、ウ
ィスカー、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ
素、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維などが挙
げられる。
【0043】また、粒状の強化材も同様に、公知慣用の
強化材は特に制限無く使用することができるが、例え
ば、マイカ、タルクなどの珪酸塩や炭酸塩、硫酸塩、金
属酸化物、ガラスビーズ、シリカなどが挙げられる。こ
れらは2種類以上併用しても良く、また、これらの無機
充填剤は、通常充填剤の処理剤として用いられるシラン
系やチタン系のカップリング剤で処理することもでき
る。
【0044】また、本発明組成物には、本発明の目的で
ある機械的特性を低下せしめない範囲で、用途に応じ
て、離型剤、着色剤、紫外線安定剤、発泡剤、難燃剤、
難燃助剤、防錆剤、あるいはエポキシ樹脂、フェノール
樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂を含有せしめるこ
とができる。
【0045】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。もとより、本発明はこれら実施例にのみ限定され
るものではない。
【0046】(実施例1)熱可塑性のポリエステル系液
晶高分子(A)として、ポリプラスチックス株式会社の
ベクトラA950を用い、他の熱可塑性高分子(B)と
して大日本インキ化学工業株式会社のポリスチレンGR
4500を用いた。液晶高分子と他の熱可塑性高分子
(B)を、重量比にして4/6の割合で、あらかじめド
ライブレンドした後、二軸混練押出機へ供給し、混練温
度285℃で混練し、直径3mm径のストランドダイか
ら押し出した。
【0047】直ちに、これを引き取りローラを用いて、
延伸倍率40で引き取りながら、長さ3mmのペレット
に切断し、これをD−1とした。次いでD−1とポリス
チレンGR4500とを、重量比にして1/7の割合
で、ドライブレンドした後、二軸混練押出機へ供給し、
混練温度265℃で混練後、直径3mm径のストランド
ダイから押し出し、長さ3mmのペレットに切断した。
【0048】更に、これを265℃で射出成形し、引張
試験に用いる長さ114mm、幅19mm、厚さ1.5
mmのダンベル片を得た。
【0049】(実施例2)他の熱可塑性高分子(B)と
して、三菱瓦斯化学株式会社のポリカーボネートE−2
000を用いた他は、実施例1と同様の条件で、ペレッ
トを調製し、これをD−2とした。更にD−2とポリカ
ーボネートE2000を用いて、実施例1と同様の条件
によってダンベル片を得た。
【0050】(実施例3)他の熱可塑性高分子(B)と
して、大日本インキ化学工業株式会社のポリブチレンテ
レフタレートPBT128を用いた他は、実施例1と同
様の条件で、ペレットを調製し、これをD−3とした。
更にD−3とポリブチレンテレフタレートPBT128
を用いて、実施例1と同様の条件によってダンベル片を
得た。
【0051】(比較例1)大日本インキ化学工業株式会
社のポリスチレンGR4500を、成形温度265℃で
射出成形し、実施例1と同様に処理して、引張試験用ダ
ンベル片を得た。
【0052】(比較例2)熱可塑性のポリエステル系液
晶高分子(A)としてポリプラスチックス株式会社のベ
クトラA950を用い、他の熱可塑性高分子高分子
(B)として大日本インキ化学工業株式会社のポリスチ
レンGR4500を用いた。
【0053】液晶高分子と他の熱可塑性高分子(B)を
重量比にして2/8の割合で、あらかじめドライブレン
ドした後、二軸混練押出機へ供給し、混練温度285℃
で混練し、直径3mm径のストランドダイから押し出し
た。直ちに、これを引き取りローラを用いて、延伸倍率
40で引き取りながら、長さ3mmのペレットに切断し
た。次いでこれを265℃で射出成形し、引張試験用ダ
ンベル片を得た。
【0054】(比較例3)熱可塑性高分子(B)として
三菱瓦斯化学株式会社のポリカーボネートE−2000
を用い、他の条件を変えずに、比較例2と同様にして、
ペレットを調製し、次いでこれを265℃で射出成形し
て、引張試験用ダンベル片を得た。
【0055】(比較例4)熱可塑性高分子(B)として
大日本インキ化学工業株式会社のポリブチレンテレフタ
レートPBT128を用い、他の条件を変えずに比較例
2と同様にしてペレットを調製し、次いで、これを26
5℃で射出成形して、引張試験用ダンベル片を得た。
【0056】上述の試験片を用い、ASTM−D638
に準拠して、引張試験を行った。結果を表1及び表2に
示す。表中のPSはポリスチレン、PCはポリカーボネ
ート、PBTはポリブチレンテレフタレートを各々指
す。
【0057】D−1、D−2は、テトラヒドロフランに
より、D−3はジメチルスルホキサイドにより、熱可塑
性高分子を溶解してフィブリルを単離し、走査型電子顕
微鏡でフィブリルの形態を観察した。D−1からは直径
0.9μm、D−2からは直径0.3μm、D−3から
は直径0.7μmの液晶高分子からなるアスペクト比1
00以上のフィブリルの生成を確認できた。
【0058】同様な方法で、比較例2〜4についても液
晶高分子成分を単離し、比較例2からは直径0.9μ
m、比較例4からは直径0.7μmの液晶高分子からな
るアスペクト比100以上のフィブリルの生成を確認で
きた。しかし比較例3ではフィブリル形状とならず、球
状、及び楕円体形状の分散物となった。
【0059】
【0060】
【0061】
【発明の効果】本発明は、弾性率と破断強度、極限伸び
がバランスよく改良され、また価格が高い為に、使用し
にくかった液晶高分子の量を削減したことにより、安価
で、各種電気・電子部品、機械部品、精密機械部品、自
動車部品、スポーツ用品、雑貨等の種々の射出成形品、
押出成形品に有用な複合材料、及びその製造方法を提供
できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性のポリエステル系液晶高分子か
    らなる直径0.1〜1μm、アスペクト比100以上の
    フィブリル(A)と、(A)の融点以下で溶融混練でき
    る熱可塑性高分子(B)とを、(A)/(B)の重量比
    にして1/99〜10/90となるよう配合した、液晶
    高分子フィブリルを用いた複合材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性のポリエステル系液晶高分子
    (C)と、(C)の融点以下で溶融混練できる熱可塑性
    高分子(B)とを、(C)/(B)の重量比が1/9〜
    5/5で、(C)の融点以上の温度で溶融混合して押し
    出し、(C)から成る直径0.1〜1μm、アスペクト
    比100以上のフィブリル(A)を含む樹脂組成物
    (D)を得て、次いで、(A)/(B)の重量比が1/
    99〜10/90となるよう(D)と(B)とを、
    (C)の融点以下の温度で溶融混合することを特徴とす
    る液晶高分子フィブリルを用いた複合材料の製造方法。
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