JP2002003617A - 樹脂成形品、及び、その製造方法 - Google Patents
樹脂成形品、及び、その製造方法Info
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- JP2002003617A JP2002003617A JP2000183959A JP2000183959A JP2002003617A JP 2002003617 A JP2002003617 A JP 2002003617A JP 2000183959 A JP2000183959 A JP 2000183959A JP 2000183959 A JP2000183959 A JP 2000183959A JP 2002003617 A JP2002003617 A JP 2002003617A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 成形材料としてファイブロ化複合材料を用い
るとともに、その繊維方向の最適化を図ることにより、
循環利用可能で耐圧性に優れた樹脂成形品を得る。 【解決手段】 マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドからなるペレットを押出機3に供給し、該押出機3
内で前記ペレットを混練・溶融し、該溶融ポリマーブレ
ンドを押出機3から円筒状樹脂流路を有するダイ2に供
給し、前記流路は、ダイヘッド21及びダイリップ22
を含む外型と、マンドレル23を含む内型との間の隙間
により形成されるものであり、前記溶融ポリマーブレン
ドが前記樹脂流路を流動する際に、流路の径方向外側の
表層部及び径方向内側の表層部のうちのいずれか一方に
周方向の剪断力を作用させて、ダイ2内で繊維化された
分散相を周方向に配向させる。
るとともに、その繊維方向の最適化を図ることにより、
循環利用可能で耐圧性に優れた樹脂成形品を得る。 【解決手段】 マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドからなるペレットを押出機3に供給し、該押出機3
内で前記ペレットを混練・溶融し、該溶融ポリマーブレ
ンドを押出機3から円筒状樹脂流路を有するダイ2に供
給し、前記流路は、ダイヘッド21及びダイリップ22
を含む外型と、マンドレル23を含む内型との間の隙間
により形成されるものであり、前記溶融ポリマーブレン
ドが前記樹脂流路を流動する際に、流路の径方向外側の
表層部及び径方向内側の表層部のうちのいずれか一方に
周方向の剪断力を作用させて、ダイ2内で繊維化された
分散相を周方向に配向させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強化繊維で補強さ
れた樹脂成形品及びその製造方法に関し、特に、強化繊
維を熱可塑性樹脂で構成することで成形樹脂材料のリサ
イクルの容易化を図り得るとともに、成形中(In-sit
u)に樹脂を繊維化させて、該強化繊維を周方向に配向
させることで耐圧性を向上させ得る新規な繊維強化樹脂
成形品、並びにその製造方法に関する。
れた樹脂成形品及びその製造方法に関し、特に、強化繊
維を熱可塑性樹脂で構成することで成形樹脂材料のリサ
イクルの容易化を図り得るとともに、成形中(In-sit
u)に樹脂を繊維化させて、該強化繊維を周方向に配向
させることで耐圧性を向上させ得る新規な繊維強化樹脂
成形品、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エアゾール容器等の耐圧性が
要求される容器などにおいては、金属製容器が一般的に
用いられている。
要求される容器などにおいては、金属製容器が一般的に
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属製容器の
場合、エポキシ系コーティング剤が使用されることが多
いが、エポキシ系樹脂は環境ホルモンへの影響が懸念さ
れているため、市場においては樹脂製の耐圧容器が望ま
れている。
場合、エポキシ系コーティング剤が使用されることが多
いが、エポキシ系樹脂は環境ホルモンへの影響が懸念さ
れているため、市場においては樹脂製の耐圧容器が望ま
れている。
【0004】樹脂製の機能性容器としては、異種の樹脂
が積層成形された積層容器が種々開発されている。しか
し、積層容器の廃材は混合材料となってしまい、再利用
が困難である。容器包装リサイクル法の施行により、
「その他プラスチック製容器包装」の再商品化が義務付
けされることとなったが、機能性追求のために異種材料
を積層成形すると、その廃材を同一用途に用いることは
できず、樹脂材料の循環利用を行うことができない。
が積層成形された積層容器が種々開発されている。しか
し、積層容器の廃材は混合材料となってしまい、再利用
が困難である。容器包装リサイクル法の施行により、
「その他プラスチック製容器包装」の再商品化が義務付
けされることとなったが、機能性追求のために異種材料
を積層成形すると、その廃材を同一用途に用いることは
できず、樹脂材料の循環利用を行うことができない。
【0005】一方、単一の樹脂材料のみで、ガスバリア
ー性、水蒸気バリアー性、内容物化学品に対する耐薬品
性等の所望の特性を確保するとともに、耐圧性の向上を
図ることは従来は困難であった。
ー性、水蒸気バリアー性、内容物化学品に対する耐薬品
性等の所望の特性を確保するとともに、耐圧性の向上を
図ることは従来は困難であった。
【0006】本発明は、成形材料としてファイブロ化複
合材料を用いるとともに、その繊維方向の最適化を図る
ことにより、循環利用可能で耐圧性に優れた樹脂成形品
を得ることを目的とする。
合材料を用いるとともに、その繊維方向の最適化を図る
ことにより、循環利用可能で耐圧性に優れた樹脂成形品
を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】ファイブロ化複合材料の
一例は、「材料 別冊 第47巻第12号」の1270
〜1275頁に、「ファイブロ化複合材料に関する研究
−PBT/PEブレンドのモルフォロジー−」と題し
て、新規な成形樹脂材料としての異種ポリマーブレンド
の研究成果が公表されている。このポリマーブレンド
は、PBTとPEの非相溶系ポリマーブレンドであり、
これを適切な成形条件で混練、射出成形することにより
PBTが長繊維化するものである。繊維化したPBTの
繊維長は、ナノ次元さらにミクロフイブリルよりはるか
に長く、直径数μmのPBT極細連続繊維がPEマトリ
ックス中で形成され、該繊維化PBTが強化繊維として
作用する。
一例は、「材料 別冊 第47巻第12号」の1270
〜1275頁に、「ファイブロ化複合材料に関する研究
−PBT/PEブレンドのモルフォロジー−」と題し
て、新規な成形樹脂材料としての異種ポリマーブレンド
の研究成果が公表されている。このポリマーブレンド
は、PBTとPEの非相溶系ポリマーブレンドであり、
これを適切な成形条件で混練、射出成形することにより
PBTが長繊維化するものである。繊維化したPBTの
繊維長は、ナノ次元さらにミクロフイブリルよりはるか
に長く、直径数μmのPBT極細連続繊維がPEマトリ
ックス中で形成され、該繊維化PBTが強化繊維として
作用する。
【0008】本願発明者らは、上記した新規なファイブ
ロ化複合材料を用いて試験片を作成し、内部構造を観察
したところ、上記論文にも開示しているように、繊維化
PBTの繊維方向は、成形時の樹脂流動方向に一次元的
に配向していた。かかる繊維構造では、ボトル容器や管
製品などのように円筒状部分を有する成形品において
は、その射出成形及び押出成形のいずれにおいても樹脂
流動方向は軸方向となり、上記繊維が軸方向に配向する
ため、耐内圧性の向上を十分に図ることができない。
ロ化複合材料を用いて試験片を作成し、内部構造を観察
したところ、上記論文にも開示しているように、繊維化
PBTの繊維方向は、成形時の樹脂流動方向に一次元的
に配向していた。かかる繊維構造では、ボトル容器や管
製品などのように円筒状部分を有する成形品において
は、その射出成形及び押出成形のいずれにおいても樹脂
流動方向は軸方向となり、上記繊維が軸方向に配向する
ため、耐内圧性の向上を十分に図ることができない。
【0009】かかる知見に基づき、本願発明者らは、次
の技術的手段を講じた。
の技術的手段を講じた。
【0010】即ち、本発明の樹脂成形品は、マトリック
ス相を構成するポリマーと分散相を構成するポリマーと
を含む非相溶系ポリマーブレンドからなり、前記分散相
を構成するポリマーが繊維化されており、該繊維化ポリ
マーの繊維方向が、引っ張り強度が要求される所望の方
向に配向されていることを特徴とするものである。
ス相を構成するポリマーと分散相を構成するポリマーと
を含む非相溶系ポリマーブレンドからなり、前記分散相
を構成するポリマーが繊維化されており、該繊維化ポリ
マーの繊維方向が、引っ張り強度が要求される所望の方
向に配向されていることを特徴とするものである。
【0011】ポリマーブレンドとは、2種以上のポリマ
ーが共有結合でつながることなく混合しているポリマー
多成分系をいう。非常に高い混練度が要求されるため、
二軸混練機を用いることが好ましい。
ーが共有結合でつながることなく混合しているポリマー
多成分系をいう。非常に高い混練度が要求されるため、
二軸混練機を用いることが好ましい。
【0012】ポリマーブレンドとしては、例えば、非相
溶系ポリマーブレンドであるPBT(ポリブチレンテレ
フタレート)/PE(ポリエチレン)ブレンドを用いる
ことができ、このポリマーブレンドを混練、押出成形す
ることにより、PBTをファイブロ(長繊維)化させる
ことができる。この繊維化したPBTの繊維長は、ナノ
次元さらにミクロフィブリルよりはるかに長く、直径数
μmのPBT極細連続繊維がPEマトリックス中で形成
される。このように非相溶系ポリマーブレンドを用い、
適正な条件下で押出成形することにより、一方のポリマ
ーマトリックス中に、他方のポリマー分散相が長繊維化
し、一種の繊維強化樹脂が成形される。
溶系ポリマーブレンドであるPBT(ポリブチレンテレ
フタレート)/PE(ポリエチレン)ブレンドを用いる
ことができ、このポリマーブレンドを混練、押出成形す
ることにより、PBTをファイブロ(長繊維)化させる
ことができる。この繊維化したPBTの繊維長は、ナノ
次元さらにミクロフィブリルよりはるかに長く、直径数
μmのPBT極細連続繊維がPEマトリックス中で形成
される。このように非相溶系ポリマーブレンドを用い、
適正な条件下で押出成形することにより、一方のポリマ
ーマトリックス中に、他方のポリマー分散相が長繊維化
し、一種の繊維強化樹脂が成形される。
【0013】また、ポリマーブレンドとして、モレキュ
ラーコンポジットを形成する複合材料を用いることもで
きる。モレキュラーコンポジットは屈曲性分子のマトリ
ックス中に剛直分子を分散させ、高強度、高弾性率を達
成させた材料である。モレキュラーコンポジットとして
は、ポリアミド6/ポリ(p−フェニレンテレフタルア
ミド)(PPTA,アラミド繊維の一種)系が広く知ら
れており、ポリアミドマトリックス中にPPTAが分子
状に分散した形態をとることで、強化繊維の役割をPP
TAが果たしている。
ラーコンポジットを形成する複合材料を用いることもで
きる。モレキュラーコンポジットは屈曲性分子のマトリ
ックス中に剛直分子を分散させ、高強度、高弾性率を達
成させた材料である。モレキュラーコンポジットとして
は、ポリアミド6/ポリ(p−フェニレンテレフタルア
ミド)(PPTA,アラミド繊維の一種)系が広く知ら
れており、ポリアミドマトリックス中にPPTAが分子
状に分散した形態をとることで、強化繊維の役割をPP
TAが果たしている。
【0014】なお、マトリックス相は一若しくは複数種
のポリマーにより構成されていてもよく、また、分散相
は一若しくは複数種のポリマーにより構成されていても
よい。前記ポリマーブレンドは、上記ポリマー以外に、
可塑剤、安定剤、難燃剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、着
色剤及び帯電防止剤などの添加剤や充填材などが必要に
応じて添加されていてもよい。多数の分散相のすべてが
繊維化されていることは必要ではなく、例えば、成形品
の表層部に含まれる分散相のみが繊維化され、内部の分
散相は繊維化されていなくてもよい。本発明は、ボトル
容器、樹脂管、樹脂チューブ、エアゾール管などの耐圧
容器の他、板状成形品、異形成形品など、あらゆる樹脂
成形品に適用することができる。さらに、本発明の樹脂
成形品は、押出成形法によって好適に成形することがで
きるが、射出成形法やブロー成形法によって成形するこ
とも可能である。
のポリマーにより構成されていてもよく、また、分散相
は一若しくは複数種のポリマーにより構成されていても
よい。前記ポリマーブレンドは、上記ポリマー以外に、
可塑剤、安定剤、難燃剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、着
色剤及び帯電防止剤などの添加剤や充填材などが必要に
応じて添加されていてもよい。多数の分散相のすべてが
繊維化されていることは必要ではなく、例えば、成形品
の表層部に含まれる分散相のみが繊維化され、内部の分
散相は繊維化されていなくてもよい。本発明は、ボトル
容器、樹脂管、樹脂チューブ、エアゾール管などの耐圧
容器の他、板状成形品、異形成形品など、あらゆる樹脂
成形品に適用することができる。さらに、本発明の樹脂
成形品は、押出成形法によって好適に成形することがで
きるが、射出成形法やブロー成形法によって成形するこ
とも可能である。
【0015】なお、高分子には非晶性のものと結晶性の
ものとがあるが、上記各ポリマーとしては、結晶性高分
子を用いることが好ましい。非晶性高分子はほとんど結
晶構造をとりえない無定形状態を保つ高分子で、ポリ酢
酸ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどが典型例として
挙げられ、さらに、汎用ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニルなども含まれる。結晶性高分子は、
結晶化に好都合な環境下ではかなりの割合の結晶部分を
含む組織となるもので、ポリエチレン、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセ
タールなどを挙げることができる。
ものとがあるが、上記各ポリマーとしては、結晶性高分
子を用いることが好ましい。非晶性高分子はほとんど結
晶構造をとりえない無定形状態を保つ高分子で、ポリ酢
酸ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどが典型例として
挙げられ、さらに、汎用ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニルなども含まれる。結晶性高分子は、
結晶化に好都合な環境下ではかなりの割合の結晶部分を
含む組織となるもので、ポリエチレン、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポ
リプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセ
タールなどを挙げることができる。
【0016】上記本発明の樹脂成形品によれば、分散相
を構成するポリマーが繊維化され、該繊維方向が所望の
方向(例えば、ボトル胴部の周方向、管の周方向、板状
製品にあっては縦横の網目状など)に配向されているた
め、この繊維化ポリマーによってボトルや管の耐内圧性
の向上等を図ることができる。さらに、上記繊維は、成
形材料であるポリマーブレンドを構成するポリマーを成
形時に繊維化させることにより得られるものであるか
ら、既存の成形機に若干の改良を加えることで成形する
ことが可能であり、低コストで繊維強化樹脂成形品を得
ることができる。また、上記各ポリマーを熱可塑性樹脂
とすることで、廃材の再溶融により容易に循環利用を行
うことができ、リサイクル可能な繊維強化樹脂成形品を
低コストで提供できる。
を構成するポリマーが繊維化され、該繊維方向が所望の
方向(例えば、ボトル胴部の周方向、管の周方向、板状
製品にあっては縦横の網目状など)に配向されているた
め、この繊維化ポリマーによってボトルや管の耐内圧性
の向上等を図ることができる。さらに、上記繊維は、成
形材料であるポリマーブレンドを構成するポリマーを成
形時に繊維化させることにより得られるものであるか
ら、既存の成形機に若干の改良を加えることで成形する
ことが可能であり、低コストで繊維強化樹脂成形品を得
ることができる。また、上記各ポリマーを熱可塑性樹脂
とすることで、廃材の再溶融により容易に循環利用を行
うことができ、リサイクル可能な繊維強化樹脂成形品を
低コストで提供できる。
【0017】また、本発明の樹脂成形品の製造方法は、
押出成形装置によりマトリックス相を構成するポリマー
と分散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマー
ブレンドを押出成形する工程を有し、該押出成形工程に
おいて前記分散相を構成するポリマーを繊維化させるも
のである。そして、分散相構成ポリマーが繊維化する
際、若しくは、繊維化した後に、該繊維化ポリマーの繊
維方向を所望の方向に配向制御することにより、上記し
た本発明の樹脂成形品が得られる。
押出成形装置によりマトリックス相を構成するポリマー
と分散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマー
ブレンドを押出成形する工程を有し、該押出成形工程に
おいて前記分散相を構成するポリマーを繊維化させるも
のである。そして、分散相構成ポリマーが繊維化する
際、若しくは、繊維化した後に、該繊維化ポリマーの繊
維方向を所望の方向に配向制御することにより、上記し
た本発明の樹脂成形品が得られる。
【0018】かかる繊維化ポリマーの繊維方向の配向制
御は適宜の配向制御手段により行うことができる。例え
ば、上記繊維化ポリマーの繊維方向は、通常、押出成形
用ダイ内の樹脂流動方向に配向するが、本発明では、ダ
イ内を流動する樹脂材料に、樹脂流動方向と交差(より
好ましくは直交)する方向の剪断応力を作用させること
によって、繊維化ポリマーの一部若しくは全部を樹脂流
動方向と交差する方向に繊維を配向させることが可能で
ある。上記剪断応力を作用させるには、例えば、ダイの
一部を回転駆動すればよい。
御は適宜の配向制御手段により行うことができる。例え
ば、上記繊維化ポリマーの繊維方向は、通常、押出成形
用ダイ内の樹脂流動方向に配向するが、本発明では、ダ
イ内を流動する樹脂材料に、樹脂流動方向と交差(より
好ましくは直交)する方向の剪断応力を作用させること
によって、繊維化ポリマーの一部若しくは全部を樹脂流
動方向と交差する方向に繊維を配向させることが可能で
ある。上記剪断応力を作用させるには、例えば、ダイの
一部を回転駆動すればよい。
【0019】上記本発明の製造方法によれば、既存の押
出成形装置に若干の改良を加えることによって、押出成
形法により繊維強化樹脂成形品を成形することが可能で
あり、該成形品の成形コスト低減、スループットの向上
を図ることができる。
出成形装置に若干の改良を加えることによって、押出成
形法により繊維強化樹脂成形品を成形することが可能で
あり、該成形品の成形コスト低減、スループットの向上
を図ることができる。
【0020】なお、上記本発明の製造方法は、円筒状パ
リソンを押出成形する工程を含むボトル製品のダイレク
トブロー成形、チューブやパイプ等の円筒状製品の押出
成形、押出成形による電線被覆など、種々の成形法に適
用することが可能である。
リソンを押出成形する工程を含むボトル製品のダイレク
トブロー成形、チューブやパイプ等の円筒状製品の押出
成形、押出成形による電線被覆など、種々の成形法に適
用することが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂成形品は、マトリッ
クス相を構成するポリマーと分散相を構成するポリマー
とを含む非相溶系ポリマーブレンドからなり、前記分散
相を構成するポリマーが繊維化されているとともに、該
多数の繊維化ポリマーの繊維方向が網目状に配向された
ものとして実施することができる。これによれば、繊維
化したポリマー分散相によって縦横いずれの方向にも引
っ張り強度の向上を図ることができ、ガラス繊維等の別
途の強化材を用いないので、容易に循環利用可能な繊維
強化樹脂成形品の成形の容易化、コスト低減等を図るこ
とが可能である。
クス相を構成するポリマーと分散相を構成するポリマー
とを含む非相溶系ポリマーブレンドからなり、前記分散
相を構成するポリマーが繊維化されているとともに、該
多数の繊維化ポリマーの繊維方向が網目状に配向された
ものとして実施することができる。これによれば、繊維
化したポリマー分散相によって縦横いずれの方向にも引
っ張り強度の向上を図ることができ、ガラス繊維等の別
途の強化材を用いないので、容易に循環利用可能な繊維
強化樹脂成形品の成形の容易化、コスト低減等を図るこ
とが可能である。
【0022】上記ポリマーブレンドは、再利用可能な熱
可塑性樹脂組成物からなる複合材料とするのが好ましい
く、上記各ポリマーは、結晶性の熱可塑性高分子とする
のが最も好ましい。
可塑性樹脂組成物からなる複合材料とするのが好ましい
く、上記各ポリマーは、結晶性の熱可塑性高分子とする
のが最も好ましい。
【0023】網目状に配向した繊維構造は、成形品の肉
厚方向のいかなる部位においても構成されていてもよい
が、縦方向(軸方向)に配向した繊維化ポリマーと、横
方向(周方向)に配向した繊維化ポリマーとが、成形品
の肉厚方向に層分離状に分散し、全体として網目状の繊
維構造が得られるものであってよい。
厚方向のいかなる部位においても構成されていてもよい
が、縦方向(軸方向)に配向した繊維化ポリマーと、横
方向(周方向)に配向した繊維化ポリマーとが、成形品
の肉厚方向に層分離状に分散し、全体として網目状の繊
維構造が得られるものであってよい。
【0024】また、上記本発明の樹脂成形品は、板状や
樋状の成形品に実施することもできるが、ボトルや管な
ど、円筒状部分を有するものに好適に実施できる。すな
わち、ボトル胴部や管本体などの円筒状部分の内面側及
び外面側のいずれか一方の表層部の繊維化ポリマーは軸
線方向に配向され、他方の表層部の繊維化ポリマーは周
方向に配向されており、これら軸線方向に配向された繊
維化ポリマーと、周方向に配向された繊維化ポリマーと
により、全体として網目状の強化繊維構造が形成されて
いるものとすることにより、成形時の樹脂流動方向と交
差する方向である周方向の引っ張り強度をも繊維化ポリ
マーにより向上することができ、ガラス繊維などの別途
の強化材を添加することなく、繊維化ポリマーによって
耐内圧性の向上を図ることができる。
樋状の成形品に実施することもできるが、ボトルや管な
ど、円筒状部分を有するものに好適に実施できる。すな
わち、ボトル胴部や管本体などの円筒状部分の内面側及
び外面側のいずれか一方の表層部の繊維化ポリマーは軸
線方向に配向され、他方の表層部の繊維化ポリマーは周
方向に配向されており、これら軸線方向に配向された繊
維化ポリマーと、周方向に配向された繊維化ポリマーと
により、全体として網目状の強化繊維構造が形成されて
いるものとすることにより、成形時の樹脂流動方向と交
差する方向である周方向の引っ張り強度をも繊維化ポリ
マーにより向上することができ、ガラス繊維などの別途
の強化材を添加することなく、繊維化ポリマーによって
耐内圧性の向上を図ることができる。
【0025】また、本発明は、繊維方向が周方向に配向
された強化繊維で強化された円筒状部分を有する樹脂成
形品であって、マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドからなり、前記分散相を構成するポリマーが繊維化
されており、該繊維化ポリマーにより前記周方向強化繊
維が構成されているものとして実施できる。なお、周方
向強化繊維のすべてが繊維化ポリマーにより構成される
ことが好ましいが、周方向強化繊維の一部に、ガラス繊
維やアラミド繊維などの従来公知の強化材を含んでいて
も本発明に包含される。また、繊維化ポリマーの全てが
周方向に配向されている必要はなく、繊維化ポリマーの
一部が軸線方向に配向されていてもよい。また、分散相
構成ポリマーのすべてが繊維化されている必要はなく、
例えば成形品壁部の表層部に存在する分散相のみが繊維
化され、内層の分散相は繊維化されていなくともよい。
された強化繊維で強化された円筒状部分を有する樹脂成
形品であって、マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドからなり、前記分散相を構成するポリマーが繊維化
されており、該繊維化ポリマーにより前記周方向強化繊
維が構成されているものとして実施できる。なお、周方
向強化繊維のすべてが繊維化ポリマーにより構成される
ことが好ましいが、周方向強化繊維の一部に、ガラス繊
維やアラミド繊維などの従来公知の強化材を含んでいて
も本発明に包含される。また、繊維化ポリマーの全てが
周方向に配向されている必要はなく、繊維化ポリマーの
一部が軸線方向に配向されていてもよい。また、分散相
構成ポリマーのすべてが繊維化されている必要はなく、
例えば成形品壁部の表層部に存在する分散相のみが繊維
化され、内層の分散相は繊維化されていなくともよい。
【0026】かかる樹脂成形品によれば、繊維化された
ポリマー分散相によって、円筒状部分を有する成形品の
周方向引っ張り強度の向上を図り、耐内圧性の向上が図
られる。また、上記ポリマーブレンドを熱可塑性樹脂組
成物とすることにより、廃材を再溶融することで容易に
材料の再利用を行うことができ、繊維強化樹脂成形品の
リサイクルの促進を図ることができる。
ポリマー分散相によって、円筒状部分を有する成形品の
周方向引っ張り強度の向上を図り、耐内圧性の向上が図
られる。また、上記ポリマーブレンドを熱可塑性樹脂組
成物とすることにより、廃材を再溶融することで容易に
材料の再利用を行うことができ、繊維強化樹脂成形品の
リサイクルの促進を図ることができる。
【0027】なお、上記本発明の樹脂成形品において、
マトリックス相を構成するポリマー、及び、分散相を構
成するポリマーは、熱可塑性高分子であり、マトリック
ス相を構成するポリマーの融点は、分散相を構成するポ
リマーの融点よりも低いものとすることができる。これ
によれば、廃材を再溶融することで上記ポリマーブレン
ドとなるため、材料の循環利用を容易に行うことがで
き、容易にリサイクル可能な繊維強化樹脂成形品とする
ことができる。なお、上記各ポリマーの溶融時粘度差に
より、成形時にポリマーブレンドに生じる剪断応力によ
って分散相構成ポリマーが繊維化される。さらに、マト
リックスとなるポリマーの融点を、繊維化ポリマーの融
点よりも低くしているため、廃材利用の際、マトリック
スとなるポリマーのみが溶融し、繊維化ポリマーは溶融
しない温度に加熱することで、マトリックス相構成ポリ
マーのみ若しくは繊維化ポリマーのみを比較的容易に抽
出することができる。
マトリックス相を構成するポリマー、及び、分散相を構
成するポリマーは、熱可塑性高分子であり、マトリック
ス相を構成するポリマーの融点は、分散相を構成するポ
リマーの融点よりも低いものとすることができる。これ
によれば、廃材を再溶融することで上記ポリマーブレン
ドとなるため、材料の循環利用を容易に行うことがで
き、容易にリサイクル可能な繊維強化樹脂成形品とする
ことができる。なお、上記各ポリマーの溶融時粘度差に
より、成形時にポリマーブレンドに生じる剪断応力によ
って分散相構成ポリマーが繊維化される。さらに、マト
リックスとなるポリマーの融点を、繊維化ポリマーの融
点よりも低くしているため、廃材利用の際、マトリック
スとなるポリマーのみが溶融し、繊維化ポリマーは溶融
しない温度に加熱することで、マトリックス相構成ポリ
マーのみ若しくは繊維化ポリマーのみを比較的容易に抽
出することができる。
【0028】さらに、押出成形温度を、分散相構成ポリ
マーの融点近傍とすることで、押出機内部では分散相構
成ポリマーをマトリックス相とともに十分に溶融した状
態として、分散相をマトリックス相内で均一に分散させ
ることが可能である。さらに、ダイ通過時にポリマーブ
レンドがダイ内の樹脂流路を流動することで分散相構成
ポリマーが剪断変形を受けて繊維化し、ダイにより冷却
されることで繊維化状態で半固化される一方、溶融状態
にあるマトリックス中で繊維化分散相が遊動可能である
から、ダイの一部を軸心回りに回転させてポリマーブレ
ンドに周方向の剪断応力を作用させることで容易に繊維
化ポリマーを周方向に配向させることが可能である。
マーの融点近傍とすることで、押出機内部では分散相構
成ポリマーをマトリックス相とともに十分に溶融した状
態として、分散相をマトリックス相内で均一に分散させ
ることが可能である。さらに、ダイ通過時にポリマーブ
レンドがダイ内の樹脂流路を流動することで分散相構成
ポリマーが剪断変形を受けて繊維化し、ダイにより冷却
されることで繊維化状態で半固化される一方、溶融状態
にあるマトリックス中で繊維化分散相が遊動可能である
から、ダイの一部を軸心回りに回転させてポリマーブレ
ンドに周方向の剪断応力を作用させることで容易に繊維
化ポリマーを周方向に配向させることが可能である。
【0029】また、本発明の樹脂成形品の製造方法は、
以下の形態で実施することができる。
以下の形態で実施することができる。
【0030】即ち、本発明は、押出機及びダイを備える
押出成形装置により、マトリックス相を構成するポリマ
ーと分散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマ
ーブレンドを円筒状若しくは円柱状に押出成形する工程
を有し、該押出成形工程において前記分散相を構成する
ポリマーを繊維化させる樹脂成形品の製造方法として実
施できる。そして、ダイ内の樹脂流路を形成するダイの
構成部材の一部を回転させることで、該回転部材の樹脂
流路形成面近傍を流動する前記繊維化ポリマーの繊維方
向を、該回転部材の回転方向に沿う方向であってダイ内
の樹脂流動方向と交差する方向に配向させることができ
る。
押出成形装置により、マトリックス相を構成するポリマ
ーと分散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマ
ーブレンドを円筒状若しくは円柱状に押出成形する工程
を有し、該押出成形工程において前記分散相を構成する
ポリマーを繊維化させる樹脂成形品の製造方法として実
施できる。そして、ダイ内の樹脂流路を形成するダイの
構成部材の一部を回転させることで、該回転部材の樹脂
流路形成面近傍を流動する前記繊維化ポリマーの繊維方
向を、該回転部材の回転方向に沿う方向であってダイ内
の樹脂流動方向と交差する方向に配向させることができ
る。
【0031】円筒状成形品を押出成形する場合には、上
記ダイは、成形品の外面形状を定義する外型と、成形品
の内面形状を定義する内型とを備えるものとすることが
できる。外型は、ダイ本体やダイリップなどを有してい
てもよく、内型は、マンドレルやダイリップなどを有し
ていてもよい。
記ダイは、成形品の外面形状を定義する外型と、成形品
の内面形状を定義する内型とを備えるものとすることが
できる。外型は、ダイ本体やダイリップなどを有してい
てもよく、内型は、マンドレルやダイリップなどを有し
ていてもよい。
【0032】上記回転部材は、円筒状樹脂流路を流動す
るポリマーブレンドの外周面側及び内周面側のうちの一
方に周方向の剪断応力を作用させるものとすることがで
きる。この場合、他方側には、ポリマーブレンドが樹脂
流路を流動することにより、流路壁面との間で樹脂流動
方向の摩擦抵抗が生じ、ポリマーブレンドには樹脂流動
方向の剪断応力が作用する。なお、かかる回転部材とし
ては、マンドレル、ダイ本体、ダイリップなどを用いる
ことができる。内型となるマンドレルを軸線周りに回転
駆動すれば、成形品の内周面側に周方向の剪断応力が生
じ、成形品の内面層に存在する繊維化ポリマーが周方向
に配向される一方、成形品の外面層に存在する繊維化ポ
リマーは軸線方向に配向される。また、外型となるダイ
本体やダイリップを軸線周りに回転駆動すれば、成形品
の外周面側に周方向の剪断応力が生じ、成形品の外面層
に存在する繊維化ポリマーが周方向に配向される一方、
成形品の内面層に存在する繊維化ポリマーは軸線方向に
配向される。
るポリマーブレンドの外周面側及び内周面側のうちの一
方に周方向の剪断応力を作用させるものとすることがで
きる。この場合、他方側には、ポリマーブレンドが樹脂
流路を流動することにより、流路壁面との間で樹脂流動
方向の摩擦抵抗が生じ、ポリマーブレンドには樹脂流動
方向の剪断応力が作用する。なお、かかる回転部材とし
ては、マンドレル、ダイ本体、ダイリップなどを用いる
ことができる。内型となるマンドレルを軸線周りに回転
駆動すれば、成形品の内周面側に周方向の剪断応力が生
じ、成形品の内面層に存在する繊維化ポリマーが周方向
に配向される一方、成形品の外面層に存在する繊維化ポ
リマーは軸線方向に配向される。また、外型となるダイ
本体やダイリップを軸線周りに回転駆動すれば、成形品
の外周面側に周方向の剪断応力が生じ、成形品の外面層
に存在する繊維化ポリマーが周方向に配向される一方、
成形品の内面層に存在する繊維化ポリマーは軸線方向に
配向される。
【0033】なお、上記本発明の製造方法は、上記した
押出成形工程を有するものであればよく、パイプやチュ
ーブの押出成形による製造方法のみならず、ダイレクト
ブロー成形法によるボトル状製品の製造方法をも包含す
るものである。
押出成形工程を有するものであればよく、パイプやチュ
ーブの押出成形による製造方法のみならず、ダイレクト
ブロー成形法によるボトル状製品の製造方法をも包含す
るものである。
【0034】また、上記製造方法において、ダイは、円
形吐出口を有するダイリップを備え、前記回転部材は、
ダイリップの軸心回りに回転するものとすることができ
る。なお、この回転部材は、ダイリップであってもよ
く、その他のダイ構成部材(例えば、ダイ本体、マンド
レルなど)であってもよい。かかる構成によれば、回転
部材が、成形材料の吐出口と同心状に回転するものであ
るから、樹脂の流動が円滑化し、歩留まりの向上を図る
ことができる。
形吐出口を有するダイリップを備え、前記回転部材は、
ダイリップの軸心回りに回転するものとすることができ
る。なお、この回転部材は、ダイリップであってもよ
く、その他のダイ構成部材(例えば、ダイ本体、マンド
レルなど)であってもよい。かかる構成によれば、回転
部材が、成形材料の吐出口と同心状に回転するものであ
るから、樹脂の流動が円滑化し、歩留まりの向上を図る
ことができる。
【0035】また、本発明は、マトリックス相を構成す
るポリマーと分散相を構成するポリマーとを含む非相溶
系ポリマーブレンドを混練・溶融し、異種ポリマーの溶
融粘度差により分散相を構成するポリマーを繊維化さ
せ、該多数の繊維化ポリマーの繊維方向を網目状に配向
させる工程を含む樹脂成形品の製造方法として実施する
ことができる。かかる製造方法は、上記した押出成形工
程を含むものとすることができ、また、押出機と射出成
形金型とを備える射出成形装置による射出成形品の製造
にも適用し得るものである。射出成形法を採用する場合
には、射出成形金型の雄型(コア)及び雌型(キャビテ
ィ)とを軸線周りに相対回転させることで、キャビティ
内に射出充填されたポリマーブレンドに周方向の剪断応
力を作用させ、繊維化ポリマーを周方向に配向させれば
よい。
るポリマーと分散相を構成するポリマーとを含む非相溶
系ポリマーブレンドを混練・溶融し、異種ポリマーの溶
融粘度差により分散相を構成するポリマーを繊維化さ
せ、該多数の繊維化ポリマーの繊維方向を網目状に配向
させる工程を含む樹脂成形品の製造方法として実施する
ことができる。かかる製造方法は、上記した押出成形工
程を含むものとすることができ、また、押出機と射出成
形金型とを備える射出成形装置による射出成形品の製造
にも適用し得るものである。射出成形法を採用する場合
には、射出成形金型の雄型(コア)及び雌型(キャビテ
ィ)とを軸線周りに相対回転させることで、キャビティ
内に射出充填されたポリマーブレンドに周方向の剪断応
力を作用させ、繊維化ポリマーを周方向に配向させれば
よい。
【0036】また、本発明は、マトリックス相を構成す
るポリマーと分散相を構成するポリマーとを含む非相溶
系ポリマーブレンドからなるペレットを押出機に供給
し、該押出機内で前記ペレットを混練・溶融し、該溶融
ポリマーブレンドを押出機から円筒状樹脂流路を有する
ダイに供給し、前記流路は、ダイヘッド及びダイリップ
を含む外型と、マンドレルを含む内型との間の隙間によ
り形成されるものであり、前記溶融ポリマーブレンドが
前記樹脂流路を流動する際に、流路の径方向外側の表層
部及び径方向内側の表層部のうちのいずれか一方に周方
向の剪断力を作用させる工程を含む樹脂成形品の製造方
法として実施できる。上記の周方向の剪断力を作用させ
るには、例えば、マンドレルを軸心回りに回転させる
か、或いは、ダイヘッド若しくはダイリップを軸心回り
に回転させればよい。
るポリマーと分散相を構成するポリマーとを含む非相溶
系ポリマーブレンドからなるペレットを押出機に供給
し、該押出機内で前記ペレットを混練・溶融し、該溶融
ポリマーブレンドを押出機から円筒状樹脂流路を有する
ダイに供給し、前記流路は、ダイヘッド及びダイリップ
を含む外型と、マンドレルを含む内型との間の隙間によ
り形成されるものであり、前記溶融ポリマーブレンドが
前記樹脂流路を流動する際に、流路の径方向外側の表層
部及び径方向内側の表層部のうちのいずれか一方に周方
向の剪断力を作用させる工程を含む樹脂成形品の製造方
法として実施できる。上記の周方向の剪断力を作用させ
るには、例えば、マンドレルを軸心回りに回転させる
か、或いは、ダイヘッド若しくはダイリップを軸心回り
に回転させればよい。
【0037】上記ペレットとしては、その成形時に延伸
処理を施してなる延伸ペレットを用いることが好まし
い。かかる延伸ペレットは、例えば、マトリックス相と
なるポリマーと分散相となるポリマーとを二軸押出成形
機を用いて混練し、押し出された成形材料を冷却して表
面のみを固化させ、延伸ローラを通過させることにより
延伸処理を行い、再度十分に冷却固化させた後にペレッ
ト化することで得ることができる。延伸ペレットを用い
ることにより、最終成形品の引張弾性率や引張強度の大
きな向上を図ることが可能となる。
処理を施してなる延伸ペレットを用いることが好まし
い。かかる延伸ペレットは、例えば、マトリックス相と
なるポリマーと分散相となるポリマーとを二軸押出成形
機を用いて混練し、押し出された成形材料を冷却して表
面のみを固化させ、延伸ローラを通過させることにより
延伸処理を行い、再度十分に冷却固化させた後にペレッ
ト化することで得ることができる。延伸ペレットを用い
ることにより、最終成形品の引張弾性率や引張強度の大
きな向上を図ることが可能となる。
【0038】
【実施例】本発明の樹脂成形品を製造するための一実施
例として、図1に示す押出成形装置1により円筒状樹脂
成形品を押出成形する工程を有する製造方法について説
明する。
例として、図1に示す押出成形装置1により円筒状樹脂
成形品を押出成形する工程を有する製造方法について説
明する。
【0039】上記押出成形装置1は、クロスヘッドダイ
2と、該ダイ2へ溶融・混練されたファイブロ化ポリマ
ーブレンドを供給する二軸混練押出機3とを備えてい
る。なお、押出機3の上流側には、原材料となるペレッ
トが投入されるホッパー(図示せず)が設けられてお
り、該ホッパーに、ファイブロ化ポリマーブレンドから
成形された延伸ペレットが投入される。なお、必要なら
ば、延伸ペレットとともに各種添加材料がホッパーに供
給される。また、図示例ではクロスヘッドダイ2を例示
したが、ストレートダイやオフセットダイを用いること
も可能である。
2と、該ダイ2へ溶融・混練されたファイブロ化ポリマ
ーブレンドを供給する二軸混練押出機3とを備えてい
る。なお、押出機3の上流側には、原材料となるペレッ
トが投入されるホッパー(図示せず)が設けられてお
り、該ホッパーに、ファイブロ化ポリマーブレンドから
成形された延伸ペレットが投入される。なお、必要なら
ば、延伸ペレットとともに各種添加材料がホッパーに供
給される。また、図示例ではクロスヘッドダイ2を例示
したが、ストレートダイやオフセットダイを用いること
も可能である。
【0040】押出機3は、シリンダー31と、シリンダ
ー31内に平行に配設された2本の押出スクリュー32
とを備えている。なお、2本のスクリュー32の回転方
向は同方向であってもよく、異方向であってもよい。
ー31内に平行に配設された2本の押出スクリュー32
とを備えている。なお、2本のスクリュー32の回転方
向は同方向であってもよく、異方向であってもよい。
【0041】ダイ2は、ダイヘッド(ダイ本体)21及
びダイリップ(ダイヘッドブッシング)22を備える外
型と、マンドレル23からなる内型とを備え、これら外
型と内型との間の空間により円筒状の樹脂流路が形成さ
れている。
びダイリップ(ダイヘッドブッシング)22を備える外
型と、マンドレル23からなる内型とを備え、これら外
型と内型との間の空間により円筒状の樹脂流路が形成さ
れている。
【0042】ダイリップ22は、偏心調節ネジ24によ
りダイヘッド21に対して偏心調節可能に取付けられて
いる。ダイリップ22の下流端には円形吐出口25が形
成されており、ダイ内の樹脂流路を流動する成形材料は
円形吐出口25から円筒状に押し出される。なお、ダイ
2から押し出された直後の成形材料は、まだ熱く、それ
自身の自重で変形する状態にある。この円筒状成形材料
を、ダイ2の下流側に配設した適宜のサイザーや冷却装
置によってチューブ状若しくはパイプ状に冷却賦形すれ
ば管状樹脂成形品を得ることができ、また、ダイ2の下
流側にブロー成形金型を配設して、ダイレクトブロー成
形を行えば、ボトル状樹脂成形品を得ることも可能であ
る。
りダイヘッド21に対して偏心調節可能に取付けられて
いる。ダイリップ22の下流端には円形吐出口25が形
成されており、ダイ内の樹脂流路を流動する成形材料は
円形吐出口25から円筒状に押し出される。なお、ダイ
2から押し出された直後の成形材料は、まだ熱く、それ
自身の自重で変形する状態にある。この円筒状成形材料
を、ダイ2の下流側に配設した適宜のサイザーや冷却装
置によってチューブ状若しくはパイプ状に冷却賦形すれ
ば管状樹脂成形品を得ることができ、また、ダイ2の下
流側にブロー成形金型を配設して、ダイレクトブロー成
形を行えば、ボトル状樹脂成形品を得ることも可能であ
る。
【0043】マンドレル23は、ダイリップ22と同心
状に配設されており、ダイヘッド21及びダイリップ2
2に対して軸心回りに回転可能に構成されている。該マ
ンドレル23は、適宜の回転駆動機構によって軸心回り
に回転駆動される。図示例では、モータ26及び伝導ギ
ア27,28を有する回転駆動機構によってマンドレル
23が軸心回りに回転駆動される。なお、マンドレル2
3内には、冷却水の流通路が形成されており、ダイ3内
の樹脂流路を流動する成形材料を冷却、半固化させるよ
うになっている。
状に配設されており、ダイヘッド21及びダイリップ2
2に対して軸心回りに回転可能に構成されている。該マ
ンドレル23は、適宜の回転駆動機構によって軸心回り
に回転駆動される。図示例では、モータ26及び伝導ギ
ア27,28を有する回転駆動機構によってマンドレル
23が軸心回りに回転駆動される。なお、マンドレル2
3内には、冷却水の流通路が形成されており、ダイ3内
の樹脂流路を流動する成形材料を冷却、半固化させるよ
うになっている。
【0044】上記ホッパーに供給されるポリマーブレン
ドは、マトリックス相を構成するポリマーと分散相を構
成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレンドであ
って、上記押出成形装置1による押出成形工程において
分散相を構成するポリマーが繊維化するものである。か
かるポリマーブレンドとしては、例えば、ポリエチレン
(PE)とポリブチレンテレフタレート(PBT)とを
含むPBT/PEブレンドを挙げることができる。この
場合、PBTが分散相となり、PEがマトリックス相と
なる。分散相が繊維化する非相溶系ポリマーブレンド
は、上記構成に限定されるものではなく、予め種々試験
を行うことにより知見しておくことができ、その最適な
成形条件も予め種々試験を行うことにより特定しておく
ことが好ましい。好ましくは、分散相となるポリマーの
溶融温度よりも、マトリックス相となるポリマーの溶融
温度の方が低くなるように各ポリマーを選定する。分散
相となるポリマーとしては、DSC曲線により観察され
る融点のピークが2つ存在するもの(例えば、ポリプラ
スチックス(株)製の「ジュラネックス2002」)を用
いることが好ましく、この場合、押出機3による押出成
形温度を、低温側の融点よりも高温であって、高温側の
融点よりも低温とするのが好ましい。PBT/PEブレ
ンドの最適な成形条件の具体例は、既に述べた論文「フ
ァイブロ化複合材料に関する研究」において詳細に開示
している。
ドは、マトリックス相を構成するポリマーと分散相を構
成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレンドであ
って、上記押出成形装置1による押出成形工程において
分散相を構成するポリマーが繊維化するものである。か
かるポリマーブレンドとしては、例えば、ポリエチレン
(PE)とポリブチレンテレフタレート(PBT)とを
含むPBT/PEブレンドを挙げることができる。この
場合、PBTが分散相となり、PEがマトリックス相と
なる。分散相が繊維化する非相溶系ポリマーブレンド
は、上記構成に限定されるものではなく、予め種々試験
を行うことにより知見しておくことができ、その最適な
成形条件も予め種々試験を行うことにより特定しておく
ことが好ましい。好ましくは、分散相となるポリマーの
溶融温度よりも、マトリックス相となるポリマーの溶融
温度の方が低くなるように各ポリマーを選定する。分散
相となるポリマーとしては、DSC曲線により観察され
る融点のピークが2つ存在するもの(例えば、ポリプラ
スチックス(株)製の「ジュラネックス2002」)を用
いることが好ましく、この場合、押出機3による押出成
形温度を、低温側の融点よりも高温であって、高温側の
融点よりも低温とするのが好ましい。PBT/PEブレ
ンドの最適な成形条件の具体例は、既に述べた論文「フ
ァイブロ化複合材料に関する研究」において詳細に開示
している。
【0045】マトリックス相構成ポリマーと分散相構成
ポリマーの配合比は、種々のものとすることができ、例
えば、マトリックス相構成ポリマー100重量部に対
し、分散相構成ポリマーを100重量部添加することが
でき、かかる配合比に限定されず、要求される強度に応
じて適宜調節することが可能である。
ポリマーの配合比は、種々のものとすることができ、例
えば、マトリックス相構成ポリマー100重量部に対
し、分散相構成ポリマーを100重量部添加することが
でき、かかる配合比に限定されず、要求される強度に応
じて適宜調節することが可能である。
【0046】上記押出成形装置1を用いて樹脂成形品の
成形を行うと、次のようにして、多数の繊維化ポリマー
が、周方向と軸方向の網目状に配向された繊維強化樹脂
成形品が得られる。
成形を行うと、次のようにして、多数の繊維化ポリマー
が、周方向と軸方向の網目状に配向された繊維強化樹脂
成形品が得られる。
【0047】即ち、上記ポリマーブレンドからなる延伸
ペレットと、所望の添加剤とをホッパーに投入して押出
機3に供給すると、これらペレット及び添加剤がスクリ
ュー32により混練・溶融される。この溶融成形材料
は、樹脂成形品の成形材料となる熱可塑性樹脂組成物で
あり、該組成物は非相溶系ポリマーブレンドである。押
出機3の内部では、上記ポリマーブレンドが十分に溶融
状態にあり、PEマトリックス相中でPBT分散相が粒
状に均一に分散した状態にある。なお、押出機3内の樹
脂温度は、PBTの低温側溶融温度よりも大きく、高温
側溶融温度よりも小さくすることが好ましい。具体的に
は、215℃〜220℃に温調するのが好ましい。
ペレットと、所望の添加剤とをホッパーに投入して押出
機3に供給すると、これらペレット及び添加剤がスクリ
ュー32により混練・溶融される。この溶融成形材料
は、樹脂成形品の成形材料となる熱可塑性樹脂組成物で
あり、該組成物は非相溶系ポリマーブレンドである。押
出機3の内部では、上記ポリマーブレンドが十分に溶融
状態にあり、PEマトリックス相中でPBT分散相が粒
状に均一に分散した状態にある。なお、押出機3内の樹
脂温度は、PBTの低温側溶融温度よりも大きく、高温
側溶融温度よりも小さくすることが好ましい。具体的に
は、215℃〜220℃に温調するのが好ましい。
【0048】かかる溶融状態のポリマーブレンドが押出
機3からダイ2に供給されると、ポリマーブレンド中の
PBT分散相は、細いダイ2内の樹脂流路を通過するこ
とにより剪断変形を受け長繊維化する。なお、型面に近
いスキン層のPBT分散相は大きな剪断応力を受けるた
めに繊維化し易いが、型面から遠いコア層のPBT分散
相は、ダイからの剪断応力をさほど受けないために、繊
維化せず、粒子状のままとなり易い。また、延伸ペレッ
トを用いた場合、半固化したスキン層のPBT分散相が
さらに細く延伸され、コア層の粒子状PBTについても
繊維化が促進され易くなる。繊維化したPBTは、ポリ
マーブレンドがダイ3に接触して冷却されると半固化
し、PEマトリックス中で遊動状態にある。
機3からダイ2に供給されると、ポリマーブレンド中の
PBT分散相は、細いダイ2内の樹脂流路を通過するこ
とにより剪断変形を受け長繊維化する。なお、型面に近
いスキン層のPBT分散相は大きな剪断応力を受けるた
めに繊維化し易いが、型面から遠いコア層のPBT分散
相は、ダイからの剪断応力をさほど受けないために、繊
維化せず、粒子状のままとなり易い。また、延伸ペレッ
トを用いた場合、半固化したスキン層のPBT分散相が
さらに細く延伸され、コア層の粒子状PBTについても
繊維化が促進され易くなる。繊維化したPBTは、ポリ
マーブレンドがダイ3に接触して冷却されると半固化
し、PEマトリックス中で遊動状態にある。
【0049】ダイ3内の樹脂流路を流動するポリマーブ
レンドの径方向内側の表層部には、マンドレル23が軸
心回りに回転することによって、周方向の大きな剪断力
が作用される。すると、径方向内側の表層部の繊維化P
BTの繊維方向は、周方向、即ちマンドレル23の回転
方向に沿う方向であってダイ3内の樹脂流動方向と交差
する方向に配向する。一方、径方向外側の表層部の繊維
化PBTの繊維方向は、ダイヘッド21からの軸心方向
の剪断応力が強く作用するため、軸心方向、即ち樹脂流
動方向に沿う方向に配向する。
レンドの径方向内側の表層部には、マンドレル23が軸
心回りに回転することによって、周方向の大きな剪断力
が作用される。すると、径方向内側の表層部の繊維化P
BTの繊維方向は、周方向、即ちマンドレル23の回転
方向に沿う方向であってダイ3内の樹脂流動方向と交差
する方向に配向する。一方、径方向外側の表層部の繊維
化PBTの繊維方向は、ダイヘッド21からの軸心方向
の剪断応力が強く作用するため、軸心方向、即ち樹脂流
動方向に沿う方向に配向する。
【0050】ポリマーブレンドは、ダイリップ22から
押し出される時点ではPBT分散相のみならずPEマト
リックス相も半固化される。その円筒状成形品の径方向
内面側の表層部の繊維化PBTは周方向に配向され、径
方向外面側の表層部の繊維化PBTは軸線方向に配向さ
れ、これらにより全体として網目状の強化繊維構造が形
成される。
押し出される時点ではPBT分散相のみならずPEマト
リックス相も半固化される。その円筒状成形品の径方向
内面側の表層部の繊維化PBTは周方向に配向され、径
方向外面側の表層部の繊維化PBTは軸線方向に配向さ
れ、これらにより全体として網目状の強化繊維構造が形
成される。
【0051】上記実施例ではマンドレル23を回転させ
て内面側のスキン層のPBT強化繊維を周方向に、外面
側のスキン層のPBT強化繊維を軸線方向に配向させた
例を示したが、図2に示すように、ダイリップ22をそ
の軸心回りに回転駆動することで、内面側のスキン層の
PBT強化繊維を軸線方向に、外面側のスキン層のPB
T強化繊維を周方向に配向させてもよい。
て内面側のスキン層のPBT強化繊維を周方向に、外面
側のスキン層のPBT強化繊維を軸線方向に配向させた
例を示したが、図2に示すように、ダイリップ22をそ
の軸心回りに回転駆動することで、内面側のスキン層の
PBT強化繊維を軸線方向に、外面側のスキン層のPB
T強化繊維を周方向に配向させてもよい。
【0052】また、図3に示すように、樹脂流路の中途
部で、外型の一部となる回転部材29をダイヘッド21
に軸心回り回転自在に設け、この回転部材29を回転駆
動することによって内面側のスキン層のPBT強化繊維
を軸線方向に、外面側のスキン層のPBT強化繊維を周
方向に配向させてもよい。
部で、外型の一部となる回転部材29をダイヘッド21
に軸心回り回転自在に設け、この回転部材29を回転駆
動することによって内面側のスキン層のPBT強化繊維
を軸線方向に、外面側のスキン層のPBT強化繊維を周
方向に配向させてもよい。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、従来にない新規な繊維
強化樹脂成形品を得ることができ、非相溶系ポリマーブ
レンドの分散相を繊維化させて、その繊維化ポリマーを
管やボトル胴部の周方向に積極的に配向させることによ
って、分散相によって耐内圧性の向上を図ることが可能
である。さらに、本発明により得られる繊維強化樹脂成
形品は、再溶融することにより原材料たるポリマーブレ
ンドからなるペレットに容易に復元することが可能であ
り、樹脂材料の循環利用の容易化が図られ、リサイクル
容易な繊維強化樹脂成形品を提供することができる。さ
らに、その成形は、従来の成形金型に若干の改良を加え
るのみであり、低コストで繊維強化樹脂成形品を得るこ
とが可能であるとともに、その生産性の向上をも図るこ
とができる。
強化樹脂成形品を得ることができ、非相溶系ポリマーブ
レンドの分散相を繊維化させて、その繊維化ポリマーを
管やボトル胴部の周方向に積極的に配向させることによ
って、分散相によって耐内圧性の向上を図ることが可能
である。さらに、本発明により得られる繊維強化樹脂成
形品は、再溶融することにより原材料たるポリマーブレ
ンドからなるペレットに容易に復元することが可能であ
り、樹脂材料の循環利用の容易化が図られ、リサイクル
容易な繊維強化樹脂成形品を提供することができる。さ
らに、その成形は、従来の成形金型に若干の改良を加え
るのみであり、低コストで繊維強化樹脂成形品を得るこ
とが可能であるとともに、その生産性の向上をも図るこ
とができる。
【図1】本発明の製造方法を実施するための押出成形装
置の第1実施例を示す要部概略断面図である。
置の第1実施例を示す要部概略断面図である。
【図2】本発明の製造方法を実施するための押出成形装
置の第2実施例を示す要部概略断面図である。
置の第2実施例を示す要部概略断面図である。
【図3】本発明の製造方法を実施するための押出成形装
置の第3実施例を示す要部概略断面図である。
置の第3実施例を示す要部概略断面図である。
1 押出成形装置 2 ダイ 21 ダイヘッド 22 ダイリップ 23 マンドレル 25 吐出口 3 押出機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 28:00 B29L 28:00 (72)発明者 松下 義弘 大阪府茨木市藤の里2丁目11番6号 大成 化工株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA04 AB05 AB06 AB27 AD04 AD44 AH04 AH05 AK04 AK16 AL01 4F207 AA04K AA25K AA50 AD16 AG08 AG15 KA01 KA17 KF01 KK12 KK76 KL83 4J002 BB032 CF071 CL011 CL062 GG01
Claims (9)
- 【請求項1】 マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドからなり、前記分散相を構成するポリマーが繊維化
されているとともに、該多数の繊維化ポリマーの繊維方
向が網目状に配向されていることを特徴とする樹脂成形
品。 - 【請求項2】 マトリックス相を構成するポリマー、及
び、分散相を構成するポリマーは、熱可塑性高分子であ
り、マトリックス相を構成するポリマーの融点は、分散
相を構成するポリマーの融点よりも低いことを特徴とす
る請求項1に記載の樹脂成形品。 - 【請求項3】 円筒状部分を有する請求項1又は2に記
載の樹脂成形品であって、円筒状部分の内面側及び外面
側のいずれか一方の表層部の繊維化ポリマーは軸線方向
に配向され、他方の表層部の繊維化ポリマーは周方向に
配向されており、これら軸線方向に配向された繊維化ポ
リマーと、周方向に配向された繊維化ポリマーとによ
り、全体として網目状の強化繊維構造が形成されている
ことを特徴とする樹脂成形品。 - 【請求項4】 繊維方向が周方向に配向された強化繊維
で強化された円筒状部分を有する樹脂成形品であって、
マトリックス相を構成するポリマーと分散相を構成する
ポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレンドからなり、
前記分散相を構成するポリマーが繊維化されており、該
繊維化ポリマーにより前記周方向強化繊維が構成されて
いることを特徴とする樹脂成形品。 - 【請求項5】 押出機及びダイを備える押出成形装置に
より、マトリックス相を構成するポリマーと分散相を構
成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレンドを円
筒状若しくは円柱状に押出成形する工程を有し、該押出
成形工程において前記分散相を構成するポリマーを繊維
化させる樹脂成形品の製造方法であって、 ダイ内の樹脂流路を形成するダイの構成部材の一部を回
転させることで、該回転部材の樹脂流路形成面近傍を流
動する前記繊維化ポリマーの繊維方向を、該回転部材の
回転方向に沿う方向であってダイ内の樹脂流動方向と交
差する方向に配向させることを特徴とする樹脂成形品の
製造方法。 - 【請求項6】 ダイは、円形吐出口を有するダイリップ
を備え、前記回転部材は、ダイリップの軸心回りに回転
することを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品の製
造方法。 - 【請求項7】 マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドを混練・溶融し、異種ポリマーの溶融粘度差とによ
り分散相を構成するポリマーを繊維化させ、該多数の繊
維化ポリマーの繊維方向を網目状に配向させる工程を含
む樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項8】 マトリックス相を構成するポリマーと分
散相を構成するポリマーとを含む非相溶系ポリマーブレ
ンドからなるペレットを押出機に供給し、該押出機内で
前記ペレットを混練・溶融し、該溶融ポリマーブレンド
を押出機から円筒状樹脂流路を有するダイに供給し、前
記流路は、ダイヘッド及びダイリップを含む外型と、マ
ンドレルを含む内型との間の隙間により形成されるもの
であり、前記溶融ポリマーブレンドが前記樹脂流路を流
動する際に、流路の径方向外側の表層部及び径方向内側
の表層部のうちのいずれか一方に周方向の剪断力を作用
させる工程を含む樹脂成形品の製造方法。 - 【請求項9】 ペレットとして、その成形時に延伸処理
を施してなる延伸ペレットを用いることを特徴とする請
求項8に記載の樹脂成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000183959A JP2002003617A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 樹脂成形品、及び、その製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000183959A JP2002003617A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 樹脂成形品、及び、その製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002003617A true JP2002003617A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18684459
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000183959A Pending JP2002003617A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 樹脂成形品、及び、その製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002003617A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6171421U (ja) * | 1984-10-16 | 1986-05-15 | ||
JPH01320128A (ja) * | 1988-06-22 | 1989-12-26 | Sekisui Chem Co Ltd | 成形品の製造方法 |
JPH02263849A (ja) * | 1989-04-03 | 1990-10-26 | Sekisui Chem Co Ltd | ポリオレフィン成形体 |
JPH07188569A (ja) * | 1993-12-27 | 1995-07-25 | Dainippon Ink & Chem Inc | 液晶高分子フィブリルを用いた複合材料及びその製造方法 |
JPH1071639A (ja) * | 1995-08-29 | 1998-03-17 | Sekisui Chem Co Ltd | 管状体の製造方法及び管状体製造用金型 |
-
2000
- 2000-06-20 JP JP2000183959A patent/JP2002003617A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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