JP2014139300A - 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、それを成形してなるペレットおよび薄肉成形品 - Google Patents

炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、それを成形してなるペレットおよび薄肉成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性に優れ、高い剛性および引張強度を有するとともに、ウェルド強度が改善された成形品を得ることのできる炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、それを成形してなるペレットおよび薄肉成形品を提供すること。
【解決手段】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(C)炭素繊維、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を配合してなる樹脂組成物であって、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量%として、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂配合量が1〜99重量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂配合量が99〜1重量%であり、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、(C)炭素繊維配合量が25〜100重量部、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物配合量が0.01〜2重量部である炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、それを成形してなるペレットおよび薄肉成形品に関する。
ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填材で強化された熱可塑性樹脂組成物は、機械強度、加工性に優れているため、広く利用されている。特に、芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械強度、寸法安定性、難燃性等に優れる特性を有することから、機械部品、自動車部品、電気・電子部品、事務機器部品などの多くの用途に用いられている。一方で、芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス繊維、炭素繊維等の繊維状充填材を配合した樹脂組成物は、剛性、機械強度は優れるものの、流動性が低下するため、射出成形温度を高温に設定する必要があり、薄肉の成形品を得ることが困難な場合があった。また、薄肉の成形品を得るために、多点ゲートの金型を用いて射出成形した場合、ウェルド部の強度が著しく低下する課題があった。近年のデジタルカメラ等の筐体、鏡筒部品や、事務機器部品などの精密機械部品に用いる場合には、剛性、機械強度だけでなく、成形時の流動性、ウェルド強度の良好な芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
剛性、機械的特性に優れ、成形品の表面外観が良好な熱可塑性樹脂組成物として、芳香族ポリカーボネート樹脂、熱可塑性芳香族ポリエステル樹脂、充填材、ヒドロキシル記含有重合体およびポリラクトンを配合してなる繊維強化樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、線膨張係数が小さく、高い剛性および良好な表面外観を有する熱可塑性樹脂組成物として、芳香族ポリカーボネート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、タルク、炭素繊維を配合してなる樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−242809号公報 特開2010−275449号公報
特許文献1〜2に記載の樹脂組成物では、炭素繊維を用いることにより剛性は向上するが、いずれも、高い剛性が必要とされる用途で使用するためには、曲げ弾性率が不十分なレベルである。一方、剛性を向上させるためには、例えば、炭素繊維配合量を増やすことが有効であると考えられるが、特許文献1〜2に記載の技術において炭素繊維配合量を大幅に増加すると、得られる樹脂組成物のウェルド強度や流動性が低下するという、炭素繊維強化系熱可塑性樹脂組成物で特に顕著な課題が発生する。
本発明は、流動性に優れ、高い剛性および引張強度を有するとともに、ウェルド強度が改善された成形品を得ることのできる炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、それを成形してなるペレットおよび薄肉成形品を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は次の構成を有する。
(1)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(C)炭素繊維、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を配合してなる樹脂組成物であって、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量%として、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂配合量が1〜99重量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂配合量が99〜1重量%であり、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、(C)炭素繊維配合量が25〜100重量部、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物配合量が0.01〜2重量部である炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
(2)(B)熱可塑性ポリエステル樹脂が芳香族ポリエステル樹脂を含む(1)に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
(3)(B)熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートを含む(1)または(2)に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
(4)(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物がイソシアネート基を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、
(5)(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、さらに(E)3つ以上の水酸基を有する化合物0.01〜5重量部を配合してなる(1)〜(4)のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂組成物、
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなるペレットであって、ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.01〜2mmであるペレット、
(7)(6)に記載のペレットを成形して得られる薄肉成形品、
(8)ウェルド部を有する電気電子機器の筐体または部品である(7)に記載の薄肉成形品。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、流動性に優れる。さらに、本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物によれば、高い剛性および引張強度を有するとともに、ウェルド強度が改善された成形品を得ることができる。
以下に本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物、そのペレットおよび成形品について具体的に説明する。本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と記載する場合がある)は、 (A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(C)炭素繊維、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を配合してなる。
本発明に使用する(A)芳香族ポリカーボネート樹脂とは、直鎖または分岐の芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体である。(A)芳香族ポリカーボネート樹脂を配合することにより、樹脂組成物から得られる成形品に、耐衝撃性、寸法安定性などの特性を付与することができる。
本発明に使用する(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン、炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体と反応させることにより容易に得ることができる。反応方法としては公知の方法が用いられ、例えば、界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]が代表的である。その他、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらを2種以上使用してもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、ホスゲン、炭酸ジエステルなどが挙げられる。炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類などが挙げられる。
本発明に使用する(A)芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物、カーボネート前駆体と、その他の化合物、例えば、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル類との共重合体であってもよい。フロログルシン等の多官能性化合物を共重合することにより、分岐を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、好ましくは10,000〜50,000であり、より好ましくは15,000〜40,000であり、最も好ましくは18,000〜30,000である。
所望の分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂を得る方法としては、例えば、末端停止剤または分子量調節剤を用いる方法や、重合反応条件を選択する方法等、公知の方法が採用される。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂とは、(イ)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体、(ロ)ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体および(ハ)ラクトンからなる群より選択される一種以上の残基を主構造単位とする重合体または共重合体である。(B)熱可塑性ポリエステル樹脂は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂に比べて流動性に優れ、(C)炭素繊維との界面接着性に優れるため、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂を配合することにより、樹脂組成物の流動性を向上させ、樹脂組成物から得られる成形品の引張強度およびウェルド強度を向上させることができる。
上記ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
また、上記ジオールまたはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ダイマージオールなどの炭素数2〜20の脂肪族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの分子量200〜100000の長鎖グリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどの芳香族ジオキシ化合物およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を構造単位とする重合体または共重合体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリプロピレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンイソフタレート、ポリへキシレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリエチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/サクシネート、ポリプロピレンテレフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレンテレフタレート/セバケート、ポリプロピレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/セバケートなどの芳香族ポリエステル樹脂、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルグリコールアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリプロピレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペートなどの脂肪族ポリエステル樹脂などが挙げられる。ここで、「/」は共重合を示す。これらを2種以上用いてもよい。
上記(イ)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体中の全ジカルボン酸に対するテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体の割合は、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がさらに好ましい。
また、上記(ロ)ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体の残基を構造単位とする重合体または共重合体としては、例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸/乳酸、ポリヒドロキシ酪酸/β−ヒドロキシ酪酸/β−ヒドロキシ吉草酸などの脂肪族ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
また、上記(ハ)ラクトンとしては、例えば、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
(ハ)ラクトンを構造単位とする重合体または共重合体としては、例えば、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリプロピオラクトン、ポリカプロラクトン/バレロラクトンなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
これらの中で、(イ)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体が好ましく、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体がより好ましく、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールから選ばれる脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体の残基を主構造単位とする重合体または共重合体がさらに好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレートなどの芳香族ポリエステル樹脂が特に好ましく、成形品の剛性、引張強度および耐熱性をより向上させることができる。ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートがさらに好ましい。ポリブチレンテレフタレートが最も好ましく、成形品の剛性、引張強度、ウェルド強度をより向上させることができる。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル末端基量は、流動性、耐加水分解性および耐熱性の点で、50eq/t以下であることが好ましく、30eq/t以下であることがより好ましく、20eq/t以下であることがさらに好ましく、10eq/t以下であることが特に好ましい。下限は0eq/tである。なお、本発明において、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂のカルボキシル末端基量は、o−クレゾール/クロロホルム溶媒に溶解させた後、エタノール性水酸化カリウムで滴定し測定した値である。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂のヒドロキシル末端基量は、成形性および流動性の点で、50eq/t以上であることが好ましく、80eq/t以上であることがより好ましく、100eq/t以上であることがさらに好ましく、120eq/t以上であることが特に好ましい。一方、上限は180eq/t以下であることが好ましい。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の粘度は、成形性の点で、固有粘度が0.36〜1.60dl/gの範囲であることが好ましく、0.50〜1.50dl/gの範囲であることがより好ましい。なお、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の固有粘度は、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定した値である。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、耐熱性の点で、重量平均分子量(Mw)8000を超え500000以下の範囲であることが好ましく、8000を超え300000以下の範囲であることがより好ましく、8000を超え250000以下の範囲であることがさらに好ましい。本発明において、ポリエステル樹脂のMwは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の値である。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂は、公知の重縮合法や開環重合法などにより製造することができる。バッチ重合および連続重合のいずれでもよく、また、エステル交換反応および直接重合による反応のいずれでも適用することができるが、カルボキシル末端基量を少なくすることができ、かつ、流動性向上効果が大きくなるという点で、連続重合が好ましく、コストの点で、直接重合が好ましい。
本発明に使用する(B)熱可塑性ポリエステル樹脂が、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体である場合には、ジカルボン酸またはそのエステル形成誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを、エステル化反応またはエステル交換反応し、次いで重縮合反応することにより製造することができる。なお、エステル化反応またはエステル交換反応および重縮合反応を効果的に進めるために、これらの反応時に重縮合反応触媒を添加することが好ましい。重縮合反応触媒の具体例としては、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソプロピルエステル、テトライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、トリルエステル、あるいはこれらの混合エステルなどの有機チタン化合物、ジブチルスズオキシド、メチルフェニルスズオキシド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキシド、シクロヘキサヘキシルジスズオキシド、ジドデシルスズオキシド、トリエチルスズハイドロオキシド、トリフェニルスズハイドロオキシド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイドおよびブチルヒドロキシスズオキシド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などのアルキルスタンノン酸などのスズ化合物、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドなどのジルコニア化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも有機チタン化合物およびスズ化合物が好ましく、さらに、チタン酸のテトラ−n−プロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステルおよびテトライソプロピルエステルが好ましく、チタン酸のテトラ−n−ブチルエステルが特に好ましい。重縮合反応触媒の添加量は、機械特性、成形性および色調の点で、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.005〜0.5重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.2重量部の範囲がより好ましい。
本発明の樹脂組成物における(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の配合量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量%として、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂配合量が1〜99重量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂配合量が1〜99重量%である。(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量が1重量%未満であると、樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性、寸法安定性が低下する。30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。一方、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の配合量が99重量%を超えると、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の配合量が相対的に減少するため、樹脂組成物の流動性、成形品の剛性、引張強度およびウェルド強度が低下する。95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましく、85重量%以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は(C)炭素繊維を配合してなる。(C)炭素繊維を配合することにより、樹脂組成物から得られる成形品の剛性および耐衝撃性を向上させることができる。本発明に使用する(C)炭素繊維は、特に制限がなく、公知の各種炭素繊維、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ、レーヨン、リグニン、炭化水素ガス等を用いて製造される炭素質繊維や黒鉛質繊維、これらの繊維を金属でコートした繊維などを挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。中でも機械的特性向上が可能なPAN系炭素繊維が好ましく利用できる。
本発明に使用する(C)炭素繊維は、特に制限はないが、チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状のものを挙げることできる。直径は15μm以下が一般的であり、好ましくは5〜10μmである。
本発明に使用する(C)炭素繊維は、チョップドストランドが好ましく、チョップドストランドの前駆体である炭素繊維ストランドのフィラメント数は、1,000〜150,000本が好ましい。炭素繊維ストランドのフィラメント数がこの範囲内であると、製造コストを抑制でき、生産工程における安定性を確保できる。
本発明に使用する(C)炭素繊維のストランド弾性率は、特に制限はないが、150GPa以上が好ましく、220GPa以上がより好ましく、250GPa以上がさらに好ましい。またストランド弾性率の上限は、1000GPa以下が好ましく、700GPa以下がより好ましく、さらに好ましくは500GPa以下である。ストランド弾性率がこの好ましい範囲であると、得られる成形品の機械特性がより向上し、製造コストを抑制できる。
本発明に使用する(C)炭素繊維のストランド強度は、特に制限はないが、1GPa以上が好ましく、4GPa以上がより好ましく、5GPa以上がさらに好ましい。一方、ストランド強度の上限は、20GPa以下であることが好ましく、15GPa以下がより好ましく、10GPa以下がさらに好ましい。ストランド強度がこの範囲内であると、得られる成形品の引張強度がより向上し、製造コストを抑制できる。
ここで、ストランド弾性率およびストランド強度とは、炭素繊維単繊維3,000〜90,000本よりなる連続繊維束にエポキシ樹脂を含浸硬化させて作製されたストランドの弾性率および強度をいい、ストランド試験片をJIS R 7601に準拠して引張試験に供して得られる値である。
本発明に使用する(C)炭素繊維は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂あるいは(B)熱可塑性ポリエステル樹脂との接着性を向上するために、表面酸化処理が施されていてもよい。表面酸化処理としては、例えば、通電処理による表面酸化処理、オゾンなどの酸化性ガス雰囲気中での酸化処理などが挙げられる。
また、本発明に使用する(C)炭素繊維は、その表面に樹脂の濡れ性の改善、取り扱い性の向上を目的として、集束剤等を付着させたものであってもよい。集束剤としては、例えば、無水マレイン酸系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、フェノール系化合物およびこれら化合物の誘導体から選ばれる1種以上を含有する集束剤が挙げられ、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物を含有する集束剤が好適に使用可能である。(C)炭素繊維中の集束剤の含有量は、0.1〜10.0重量%であることが好ましく、0.3〜8.0重量%がさらに好ましく、0.5〜6.0重量%が特に好ましい。(C)炭素繊維中の収束剤がこの範囲内の場合は、十分な濡れ性が得られ、より優れた機械特性を得ることができる。
本発明に使用する(C)炭素繊維のストランドにサイジング剤を付与し、さらにチョップド炭素繊維を製造する方法としては、例えば、特公昭62−9541号公報におけるガラス繊維チョップドストランドで採用されている方法や、特開昭62−244606号公報、特開平5−261729号公報などに記載の方法などを適用することができる。
本発明の樹脂組成物における(C)炭素繊維の配合量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、25〜100重量部である。(C)炭素繊維の配合量が25重量部未満の場合、得られる成形品の曲げ弾性率が不十分である。(C)炭素繊維の配合量は30重量部以上が好ましく、35重量部以上がより好ましい。一方、(C)炭素繊維の配合量が100重量部を超える場合、樹脂組成物の流動性および成形品のウェルド強度が低下する。(C)炭素繊維の配合量は90重量部以下が好ましく、80重量部以下がより好ましく、70重量部以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を配合してなる。(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を配合することにより、イソシアネート基および/またはエポキシ基が、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂および(B)熱可塑性ポリエステル樹脂のポリマー末端と反応して、ポリマー末端の官能基量が増加する。ポリマー末端官能基と炭素繊維表面の官能基および/またはサイジング剤との反応あるいは相互作用により、(C)炭素繊維との界面接着性が向上し、成形品のウェルド強度および耐衝撃性を大幅に改良することができる。繊維状充填材を高充填した熱可塑性樹脂組成物を射出成形する場合、ウェルド部分において、せん断力による流れに平行な方向の配向状態と、コア層における垂直方向の配向状態が存在し、流れに垂直方向の配向がウェルド強度を低下させることが知られている。特に、繊維状充填材として(C)炭素繊維を多量に用いた場合には、成形品内部で(C)炭素繊維が絡まり合った集合体を形成しやすいが、本発明における(D)成分の配合により、熱可塑性樹脂と(C)炭素繊維との界面接着性が向上することに加え、上述の集合体の形成を抑制し、ウェルド強度を大きく向上させることができる。
本発明に使用する(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物は、一分子中にイソシアネート基および/またはエポキシ基を1個以上有する。一分子中にアルコキシ基を1〜3個有することが好ましい。かかる化合物を2種以上用いてもよい。
一分子中にイソシアネート基を1個以上有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアネトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルエチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルエチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリクロロシランなどが挙げられる。
一分子中にエポキシ基を1個以上有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
中でも、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂および(B)熱可塑性ポリエステル樹脂と、(C)炭素繊維との界面接着性を高め、樹脂組成物のウェルド強度を向上させる効果が高い点から、イソシアネート基を含有するアルコキシシラン化合物が好ましく、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
本発明の樹脂組成物における、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の配合量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量100重量部に対して、0.01〜2重量部である。(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の配合量が0.01重量部未満の場合、(C)炭素繊維との界面接着性の向上が不十分であり、成形品におけるウェルド強度および耐衝撃性の改良効果が十分に得られない。(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の配合量は0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましい。一方、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の配合量が2重量部を超える場合、成形品の引張強度が低下する。(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物の配合量は1.5重量部以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、さらに(E)3つ以上の水酸基を有する化合物(以下、「(E)多官能性化合物」と記載する場合がある)を配合することができる。(E)多官能性化合物を配合することにより、樹脂組成物の流動性をさらに向上させ、成形時の残留応力を低減することができる。また、(E)多官能性化合物の一部は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂または(B)熱可塑性ポリエステル樹脂と反応し、(C)炭素繊維との界面接着性が向上するため、薄肉成形品の強度をより向上させることができる。
(E)3つ以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−へキサントリオール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、トリエタノールアミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、スクロース、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンなどの炭素数3〜24の多価アルコールやポリビニルアルコールなどのポリマーが挙げられる。なかでも、流動性、機械物性をより向上させる点から、分岐構造を有するグリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい。
また、樹脂組成物の流動性、薄肉成形品の強度向上効果により優れる点から、(E)3つ以上の水酸基を有する化合物がアルキレンオキシド単位を一つ以上含むことが好ましい。アルキレンオキシド単位を一つ以上含む(E)3つ以上の水酸基を有する化合物の好ましい例として、例えば、(ポリ)オキシエチレングリセリン、(ポリ)オキシプロピレングリセリン、(ポリ)オキシエチレンジグリセリン、(ポリ)オキシプロピレンジグリセリン、(ポリ)オキシエチレントリメチロールプロパン、(ポリ)オキシプロピレントリメチロールプロパン、(ポリ)オキシエチレンジトリメチロールプロパン、(ポリ)オキシプロピレンジトリメチロールプロパン、(ポリ)オキシエチレンペンタエリスリトール、(ポリ)オキシプロピレンペンタエリスリトール、(ポリ)オキシエチレンジペンタエリスリトール、(ポリ)オキシプロピレンジペンタエリスリトールが挙げられる。流動性と薄肉成形品の強度がより向上する点で、(ポリ)オキシプロピレントリメチロールプロパンが好ましい。
本発明に使用する(E)多官能性化合物は、流動性と薄肉成形品の強度をより向上させる点から、重量平均分子量(Mw)が50〜10000の範囲であることが好ましく、150〜8000の範囲であることがより好ましく、200〜3000の範囲であることがさらに好ましい。本発明において、(E)多官能性化合物のMwは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の値である。
本発明の樹脂組成物における(E)多官能性化合物の配合量は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、0.01〜5重量部の範囲であることが好ましい。(E)多官能性化合物の配合量が0.01重量部以上であると、樹脂組成物の流動性および薄肉成形品の強度をより向上させることができる。0.05重量部以上がより好ましく、0.1重量部以上がさらに好ましい。一方、(E)多官能性化合物の配合量が5重量部以下であると、成形品の機械特性をより向上させることができる。4重量部以下がより好ましく、3重量部以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤など)、滑剤、離型剤、難燃剤、染料または顔料を含む着色剤、帯電防止剤、発泡剤などを配合することができる。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂および(B)熱可塑性ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)、軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体などの軟質ポリオレフィン系ポリマー、各種コアシェル型エラストマー、ポリアミドエラストマーなど)などの少なくとも1種をさらに配合することができる。これらの樹脂を配合することで、優れた特性を有する成形品を得ることができる場合がある。
本発明の樹脂組成物は各成分が均一に分散されていることが好ましく、その製造方法としては、任意の方法を用いることができる。代表例として、単軸あるいは二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーあるいはミキシングロールなど、公知の溶融混練機を用いて、200〜350℃の温度で各成分を溶融混練する方法を挙げることができる。各成分は、予め一括して混合してから溶融混練してもよい。なお、各成分に付着している水分は少ない方がよく、予め事前乾燥しておくことが望ましいが、必ずしも全ての成分を乾燥させる必要があるわけではない。
本発明の炭素繊維強化芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造する好ましい方法は、(A)〜(D)および必要によりその他の添加物を、主原料供給口あるいはサイドフィーダーから二軸押出機に供給し、シリンダー温度200〜300℃、好ましくは220〜260℃の条件で溶融混練する方法である。
二軸押出機を用いた溶融混練において、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(C)炭素繊維、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物および必要に応じて(E)多官能性化合物を供給する方法としては、特に制限はないが(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物および(E)多官能性化合物は主原料供給口から供給することが好ましく、(C)炭素繊維は主原料供給口から投入することもできるが、ニーディングゾーンにおける炭素繊維の切断を抑制する等の目的で、サイドフィーダーから投入することもできる。
本発明の樹脂組成物を、例えば、二軸押出機のダイから吐出後のガットを20℃に温調した水を満たした冷却バス中を約10秒間かけて通過させることで急冷し、構造を固定した後、ストランドカッターでペレタイズすることにより、ペレットを得ることができる。本発明の樹脂組成物を成形してなるペレットは、ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.01〜2mmであることが好ましい。ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.01mm以上であると、得られる成形品の耐衝撃性をより向上させることができる。0.05mm以上がより好ましく、0.1mm以上がさらに好ましい。また、ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長が2mm以下であると、成形時の流動性に優れ、成形品の耐衝撃性をより向上させることができる。1mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。
ここで、ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長は、得られたペレットを500℃で1時間焼成し、得られた灰分を水分散させた後、濾過を行い、その残渣を光学顕微鏡にて観察し、1,000本の長さを測定した結果を重量平均繊維長に換算することにより求めることができる。具体的には、樹脂組成物のペレットを10g程度ルツボに入れ、電気コンロにて可燃性ガスが発生しなくなるまで蒸し焼きにした後、500℃に設定した電気炉内でさらに1時間焼成することにより、炭素繊維の残渣のみを得る。その残渣を光学顕微鏡にて50〜100倍に拡大した画像を観察し、無作為に選んだ1,000本の長さを測定し、その測定値(mm)(小数点2桁が有効数字)を用いて次の式1または式2に基づき計算する。
重量平均繊維長(Lw)=Σ(Wi×Li)/ΣWi=Σ(π×ri×Li×ρ×ni×Li)/Σ(π×ri×Li×ρ×ni)・・・(式1)
ここで、Liは炭素繊維の繊維長、niは繊維長Liの炭素繊維の本数、Wiは繊維長Liの炭素繊維の重量、riは繊維長Liの炭素繊維の繊維径、ρは炭素繊維の密度、πは円周率を示し、炭素繊維の断面形状を繊維径riの真円と近似している。
繊維径ri、および密度ρが一定である場合、上記式1は次の通りに近似され、次の式2により重量平均繊維長を求めることができる。
重量平均繊維長(Lw)=Σ(Li×ni)/Σ(Li×ni)・・・(式2)
本発明の樹脂組成物は、通常上記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
本発明の樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。また、シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の熱可塑性樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより中空成形品とすることも可能である。
本発明の樹脂組成物を用いて成形してなる成形体は、特に制限はないが、厚みの薄い薄肉部を有する薄肉成形品とすることができる。本発明における薄肉成形品は、薄肉部の厚みが、0.01〜2mmであることが好ましい。薄肉部の厚みが0.01mm以上であれば、成形性と成形品の剛性、引張強度をより高いレベルで両立することができる。0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。一方、薄肉部の厚みが2mm以下であれば、成形品の軽量化が可能となる。1.5mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましい。
本発明の薄肉成形品中の炭素繊維の重量平均繊維長は、特に限定されるものでないが、0.01〜0.5mmの範囲であることが好ましい。薄肉成形品中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.01mm以上であれば、剛性、引張強度、耐衝撃性をより向上させることができる。0.125mm以上がより好ましく、0.15mm以上がさらに好ましい。一方、薄肉成形品中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.5mm以下であれば、剛性、引張強度、耐衝撃性と流動性をより高いレベルで両立することができる。0.45mm以下がより好ましく、0.40mm以下がさらに好ましい。
ここで、成形品中の重量平均繊維長は、得られた薄肉成形品を500℃で1時間焼成し、得られた灰分を水分散させた後、濾過を行い、ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長の測定と同様の方法で、その残渣を光学顕微鏡にて観察し、1,000本の長さを測定した結果を重量平均繊維長に換算することにより求めることができる。
本発明の樹脂組成物を成形してなる薄肉成形品は、幅広い用途に有用である。例えば、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品に好適であり、これらの中でも、電気電子機器の筐体、部品に好適に用いることができ、ウェルド部を有する電気電子機器の筐体、部品に特に好適に用いることができる。
電気電子機器としては、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、ノートパソコン、テレビ、ビデオテープレコーダ、オーディオプレーヤー、DVDプレーヤー、エアコンディショナー、携帯電話、ディスプレイ、レジスター、電卓、複写機、プリンター、ファクシミリが挙げられ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、ノートパソコンの部品または筐体に好ましく用いることができ、ウェルド部を有するデジタルカメラ、ビデオカメラ、パソコン、ノートパソコンがより好ましく、デジタルカメラ、ビデオカメラに特に好ましく用いることができる。電気電子機器の部品としては、例えば、カメラ鏡筒、カメラ用レンズユニット、デジタルカメラなどの各種デジタル画像情報装置のカバー、枠などを挙げることができる。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例の評価方法を次に示す。なお特に断りがない限り、「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
(1)曲げ弾性率
ISO178に従い、23℃で曲げ弾性率を評価した。
(2)曲げ強度
ISO178に従い、23℃で曲げ強度を評価した。
(3)引張強度
ISO527に従い、23℃で引張強度を評価した。
(4)ウェルド強度
ASTM1号ダンベルの両末端にゲート(溶融樹脂が流れる流路)を持ち、ASTM1号ダンベルの中央部に溶融樹脂と溶融樹脂が接合するウェルド部が生じる金型を用いた射出成形により、ASTM1号ダンベルを成形し、ASTMD−638に準拠して引張試験を行い、ウェルド強度を評価した。
(5)耐衝撃性
ISO179に従い、23℃でシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)を評価した。
(6)寸法安定性
射出成形にて80×80×3mmの角板を作製し、流動方向(MD)、流動方向に垂直の方向(TD)の寸法を測定し、下記式により成形収縮率を評価した。
(金型の実寸法(mm)−成形品の寸法(mm))/金型の実寸法(mm)×100(%)
(7)炭素繊維の重量平均繊維長
各実施例および比較例で得られたペレットおよび前記(3)項により作製した引張試験片から、それぞれサンプル10gを切り出し、電気コンロにて可燃性ガスが発生しなくなるまで蒸し焼きにした後、500℃に設定した電気炉中で1時間焼成した後、イオン交換水に分散、濾過を行った。その残渣を光学顕微鏡にて20〜100倍の倍率で観察し、無作為に選択した1,000本の長さを測定し、下記(式2)によりペレット、成形品における炭素繊維の重量平均繊維長(mm)をそれぞれ求めた。
重量平均繊維長(Lw)=Σ(Li×ni)/Σ(Li×ni)・・・(式2)
ここで、Liは炭素繊維の繊維長、niは繊維長Liの炭素繊維の本数を示す。
(8)流動性
ASTM D1238に従い、メルトマスフローレイト(MFR)の測定を行い、流動性の指標とした。測定は、(株)東洋精機製作所製メルトインデクサーを用い、280℃、2.2Nの条件で行った。
(9)薄肉成形品の強度
200×12.7×1mm厚の試験片を作製し、(1)と同様の条件で曲げ試験を行い、破断時の荷重(N)を測定した。
原料としては下記のものを使用した。
(A)芳香族ポリカーボネート樹脂
(A−1)芳香族ポリカーボネート樹脂“タフロン”(登録商標)A1900(出光興産(株)製、粘度平均分子量19,000)
(B)熱可塑性ポリエステル樹脂
(B−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂“トレコン”(登録商標)1100M(東レ(株)製、固有粘度(o−クロロフェノール溶液、25℃)1.41、融点225℃)
(C)炭素繊維
(C−1)炭素繊維“トレカ”(登録商標)原糸T800SC−24K(東レ(株)製、引張強度5.88GPa、引張弾性率294GPa)を、樹脂成分付着量が3.0重量%になるようにウレタン樹脂エマルジョン:スーパーフレックス300(第一工業製薬(株)製)を付着させ、200℃の乾燥炉で乾燥し水分を除去したのち、ロータリーカッターで繊維長6.0mmにカットしたカットファイバーを使用した。
(C−2)炭素繊維“トレカ”(登録商標)カットファイバーTV14−006(東レ(株)製、原糸T700SC−12K:引張強度4.90GPa、引張弾性率230GPa)を使用した。
(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物
(D−1)3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製KBE−9007)
(D−2)2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学
工業(株)製KBM−303)
(D’)イソシアネート基、エポキシ基のいずれも有しないアルコキシシラン化合物
(D’−1)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製KBM−903)
(E)3つ以上の水酸基を有する化合物
(E−1)ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン(日本乳化剤(株)製TMP−F32、重量平均分子量:308)。
(実施例1〜9、比較例1〜7)
表1〜2に記載の組成について、シリンダー温度を250℃に設定した(株)日本製鋼所製2軸押出機TEX30αを用い、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物、必要に応じて(D’)イソシアネート基、エポキシ基のいずれも有しないアルコキシシラン化合物および(E)3つ以上の水酸基を有する化合物を主原料供給口に供給後、(C)炭素繊維をサイドフィーダーを用いて溶融樹脂中に供給し、ダイから吐出されたストランドを水中にて冷却した後トランドカッターにより長さ3.0mm長にカットしてペレット化を実施し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
前記で得られた炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃で一昼夜真空乾燥し、住友重機械工業(株)製射出成形機SG75H−DUZを使用し、表1〜2に示す成形温度に設定し、金型温度80℃、射出速度50mm/秒、射出圧を成形下限圧(最低充填圧力)+5MPaの条件にそれぞれ設定し、射出成形を行うことにより各種試験片を成形し、前述の方法により特性評価を行った。評価結果を表1〜2に示す。
Figure 2014139300
Figure 2014139300
実施例1〜9の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は曲げ弾性率が高く、引張強度、ウェルド強度、耐衝撃性、寸法安定性および流動性にも優れている。一方、比較例に示した樹脂組成物は、いずれかの特性が劣っていることがわかる。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、流動性に優れる。さらに、本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物によれば、高い剛性および引張強度を有するとともに、ウェルド強度が改善された成形品を得ることができる。そのため、機械特性に加え、寸法精度、流動性およびウェルド強度が必要なデジタルカメラ等の筐体、鏡筒部品を始めとする、電気電子機器の筐体、部品に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂、(C)炭素繊維、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物を配合してなる樹脂組成物であって、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量%として、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂配合量が1〜99重量%、(B)熱可塑性ポリエステル樹脂配合量が99〜1重量%であり、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、(C)炭素繊維配合量が25〜100重量部、(D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物配合量が0.01〜2重量部である炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  2. (B)熱可塑性ポリエステル樹脂が芳香族ポリエステル樹脂を含む請求項1に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  3. (B)熱可塑性ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートを含む請求項1または2に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  4. (D)イソシアネート基および/またはエポキシ基を有するアルコキシシラン化合物がイソシアネート基を有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (A)芳香族ポリカーボネート樹脂と(B)熱可塑性ポリエステル樹脂の合計配合量を100重量部として、さらに(E)3つ以上の水酸基を有する化合物0.01〜5重量部を配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなるペレットであって、ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.01〜2mmであるペレット。
  7. 請求項6に記載のペレットを成形して得られる薄肉成形品。
  8. ウェルド部を有する電気電子機器の筐体または部品である請求項7に記載の薄肉成形品。
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