JP2016194046A - 樹脂ペレット、樹脂ペレットの製造方法、成形体及び成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂とPAN系炭素繊維とを配合した樹脂ペレットが開示されている。また、特許文献2には、熱可塑性樹脂とピッチ系炭素繊維とを配合した樹脂ペレットが開示されている。更に、特許文献3には、熱可塑性樹脂とPAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊維とを配合した樹脂ペレットが開示されている。
また、本発明は、成形体の熱伝導性、機械特性、耐熱性に優れる樹脂ペレットの製造方法を提供することにある。
[1]熱可塑性樹脂(A)及び炭素繊維(B)を含む樹脂ペレットであって、熱可塑性樹脂(A)が、結晶性樹脂であり、炭素繊維(B)が、PAN系炭素繊維(B−1)及びピッチ系炭素繊維(B−2)を含み、樹脂ペレット中の炭素繊維(B)の質量平均繊維長が、0.1mm〜0.9mmである、樹脂ペレット。
[2]熱可塑性樹脂(A)の含有率が、熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)との合計100質量%中、40質量%〜90質量%であり、炭素繊維(B)の含有率が、熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)との合計100質量%中、10質量%〜60質量%である、[1]に記載の樹脂ペレット。
[3]PAN系炭素繊維(B−1)の含有率が、樹脂ペレット100質量%中、5質量%〜30質量%である、[1]又は[2]に記載の樹脂ペレット。
[4]ピッチ系炭素繊維(B−2)の含有率が、樹脂ペレット100質量%中、5質量%〜50質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂ペレット。
[5]熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂ペレット。
[6]熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[5]に記載の樹脂ペレット。
[7]更に、黒鉛(C)を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂ペレット。
[8]黒鉛(C)の含有率が、樹脂ペレット100質量%中、1質量%〜9質量%である、[6]に記載の樹脂ペレット。
[9]溶融状態の熱可塑性樹脂(A)に、質量平均繊維長2mm〜20mmのPAN系炭素繊維(B−1)及び質量平均繊維長2mm〜20mmのピッチ系炭素繊維(B−2)を供給する、樹脂ペレットの製造方法。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂ペレットを成形した、成形体。
[11]ノッチ無しのシャルピー衝撃強度が、10kJ/m2以上であり、厚さ1mmの熱線法で測定した熱伝導率が、2〜9W/mKである、[9]又は[10]に記載の成形体。
[12]引張強度が、150MPa以上である、[11]に記載の成形体。
[13][9]に記載の樹脂ペレットの製造方法で樹脂ペレットを得た後、射出成形して成形体を得る、成形体の製造方法。
また、本発明の樹脂ペレットの製造方法により得られる樹脂ペレットは、成形体の熱伝導性、機械特性、耐熱性に優れる。
本発明の樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂(A)を含む。
本発明の樹脂ペレットは、炭素繊維(B)を含む。
PAN系炭素繊維(B−1)の直径は、樹脂ペレット又は成形体を空気雰囲気下で3時間600℃に加熱して熱可塑性樹脂(A)等を熱分解により除去し、残存した炭素繊維(B)の中からPAN系炭素繊維(B−1)10本の直径を電子顕微鏡にて測定し、その平均値とする。PAN系炭素繊維(B−1)の直径は、PAN系炭素繊維(B−1)を構成するフィラメント繊維の最大フェレ径とする。
ピッチ系炭素繊維(B−2)の直径は、樹脂ペレット又は成形体を空気雰囲気下で3時間600℃に加熱して熱可塑性樹脂(A)等を熱分解により除去し、残存した炭素繊維(B)の中からピッチ系炭素繊維(B−2)10本の直径を電子顕微鏡にて測定し、その平均値とする。ピッチ系炭素繊維(B−2)の直径は、ピッチ系炭素繊維(B−2)を構成するフィラメント繊維の最大フェレ径とする。
樹脂ペレット中の炭素繊維(B)の質量平均繊維長は、樹脂ペレットを空気雰囲気下で3時間600℃に加熱して熱可塑性樹脂(A)等を熱分解により除去し、残存した炭素繊維(B)100本の繊維長を光学顕微鏡にて測定し、その平均値とする。質量平均繊維長は、繊維長をLとしたとき、下式(1)で算出される。
質量平均繊維長=ΣL2/ΣL (1)
本発明の樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂(A)、炭素繊維(B)以外に、黒鉛(C)を含んでもよい。樹脂ペレットが黒鉛(C)を含むことで、成形体の熱伝導性に優れる。
本発明の樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂(A)、炭素繊維(B)、黒鉛(C)以外に、本発明の効果が得られる範囲で、必要に応じて、各種添加剤を含んでもよい。
本発明の樹脂ペレットを製造する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂(A)、炭素繊維(B)をドライブレンドした後に溶融混練する方法;溶融状態の熱可塑性樹脂(A)に炭素繊維(B)を供給して混練する方法等が挙げられる。炭素繊維(B)の折損を抑制し質量平均繊維長を制御でき、炭素繊維(B)の分散性に優れることから、溶融状態の熱可塑性樹脂(A)に炭素繊維(B)を供給して混練する方法が好ましく、成形体の熱伝導性、機械特性に優れることから、溶融状態の熱可塑性樹脂(A)にPAN系炭素繊維(B−1)を供給して混練した後に、ピッチ系炭素繊維(B−2)を供給して混練する方法がより好ましい。
樹脂ペレットの製造に用いるPAN系炭素繊維(B−1)の表面処理剤としては、例えば、エポキシ系サイジング剤、ウレタン系サイジング剤、ナイロン系サイジング剤、オレフィン系サイジング剤等が挙げられる。これらの表面処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの表面処理剤の中でも、取り扱い性に優れることから、ウレタン系サイジング剤、ナイロン系サイジング剤が好ましく、ナイロン系サイジング剤がより好ましい。
樹脂ペレットの製造に用いるPAN系炭素繊維(B−1)の繊維長とピッチ系炭素繊維(B−2)の繊維長は、同じ長さであってもよく、異なる長さであってもよい。
押出機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機等が挙げられ、二軸押出機が好ましい。
炭素繊維(B)の供給前のニーディングゾーンにて熱可塑性樹脂(A)を十分に溶融させ、炭素繊維(B)の供給後のニーディングゾーンにて溶融状態の熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)とを混練することで、炭素繊維(B)の折損を抑制し質量平均繊維長を制御でき、炭素繊維(B)の分散性に優れる樹脂ペレットを得ることができる。
上流側のサイドフィーダーの上流のニーディングゾーンにて熱可塑性樹脂(A)を十分に溶融させ、上流側のサイドフィーダーからPAN系炭素繊維(B−1)及びピッチ系炭素繊維(B−2)の一方の炭素繊維(B)を供給し、上流側のサイドフィーダーと下流側のサイドフィーダーとの間のニーディングゾーンにて熱可塑性樹脂(A)と前記一方の炭素繊維(B)とを混練し、下流側のサイドフィーダーからPAN系炭素繊維(B−1)及びピッチ系炭素繊維(B−2)の他方の炭素繊維(B)を供給し、熱可塑性樹脂(A)と両方の炭素繊維(B)とを混練することで、炭素繊維(B)の折損を抑制し質量平均繊維長を制御でき、炭素繊維(B)の分散性に優れる樹脂ペレットを得ることができる。
本発明の成形体は、本発明の樹脂ペレットを成形して得られる。
成形体中の炭素繊維(B)の質量平均繊維長は、成形体を空気雰囲気下で3時間600℃に加熱して熱可塑性樹脂(A)等を熱分解により除去し、残存した炭素繊維(B)100本の繊維長を光学顕微鏡にて測定し、その平均値とする。質量平均繊維長は、繊維長をLとしたとき、前述した式(1)で算出される。
成形体の熱伝導率は、熱線法で測定した値とする。具体的には、厚さ1mmの成形体をを熱伝導率計により測定する。ボックス式プローブを用いる場合、複数の熱伝導率既知のリファレンスプレート、成形体、ボックス式プローブの順に、成形体の射出成形の流動方向と熱線が直交するように重ねて測定した結果から、成形体の熱伝導率を算出することができる。
成形体の曲げ弾性率は、成形体の薄肉化が可能であることから、15000MPa以上が好ましく、20000MPa〜40000MPaがより好ましい。
成形体の曲げ強度、成形体の曲げ弾性率は、ISO178準拠して測定した値とする。
成形体の引張伸度は、割れにくい成形体が得られることから、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましい。
成形体の引張強度、引張伸度は、ISO527準拠して測定した値とする。
ノッチなしの成形体のシャルピー衝撃強度は、割れにくい成形体が得られることから、10kJ/m2以上が好ましく、20kJ/m2以上がより好ましく、30kJ/m2以上が更に好ましい。
成形体のシャルピー衝撃強度は、ISO179準拠して測定した値とする。また、ノッチは、Vノッチとする。
成形体の荷重たわみ温度は、ISO75準拠し、1.8MPaの条件で測定した値とする。
成形体の体積は、0.5cm3〜50cm3が好ましく、1cm3〜20cm3がより好ましい。成形体の体積が0.5cm3以上であると、優れた機械特性が要求されるので、本発明の樹脂ペレットが好適である。また、成形体の体積が50cm3以下であると、微細な形状が要求されるので、成形性に優れる本発明の樹脂ペレットが好適である。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、空気雰囲気下で3時間600℃に加熱して熱可塑性樹脂(A)等を熱分解により除去し、残存した炭素繊維(B)の任意の100本の繊維長を光学顕微鏡で測定し、質量平均繊維長を算出した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、成形体(幅10mm、長さ80mm、厚さ4mm)を得た。得られた成形体の一部を、空気雰囲気下で3時間600℃に加熱して熱可塑性樹脂(A)等を熱分解により除去し、残存した炭素繊維(B)の任意の100本の繊維長を光学顕微鏡で測定し、質量平均繊維長を算出した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、成形体(幅20mm、長さ40mm、厚さ4mm)を得た。得られた成形体を23℃の恒温室に24時間静置させた後、ISO1183に準拠し、アルキメデス法により、比重を測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、成形体(幅100mm、長さ100mm、厚さ1mm)を得た。
熱伝導率既知のリファレンスプレート上に、得られた成形体、ボックス式プローブの順に、ボックス式プローブの熱源である細線を成形体の射出成形の流動方向と直交するように重ねて配置し、迅速熱伝導率計(機種名「QTM−500」、京都電子工業(株)製)を用いて測定した。
複数のリファレンスプレートを用いて測定した結果から、リファレンスプレートとの差がゼロになるように内挿し、その成形体の熱伝導率を算出した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、成形体(幅10mm、長さ80mm、厚さ4mm)を得た。得られた成形体を23℃の恒温室に24時間静置させた後、ISO178に準拠し、3点曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、ダンベル状の成形体(平行部の幅10mm、長さ80mm、厚さ4mm)を得た。得られた成形体を23℃の恒温室に24時間静置させた後、ISO527に準拠し、引張試験を行い、引張強度を測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、成形体(幅10mm、長さ80mm、厚さ4mm)を得た。得られた成形体を23℃の恒温室に24時間静置させた後、ISO179に準拠し、シャルピー衝撃試験を行い、ノッチなしの成形体のシャルピー衝撃強度を測定した。また、得られた成形体に機械加工でVノッチを付与し、23℃の恒温室に24時間静置させた後、ISO179に準拠し、シャルピー衝撃試験を行い、ノッチありの成形体のシャルピー衝撃強度を測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂ペレットを、射出成形機(機種名「IS55」、東芝機械(株)製)を用い、実施例1〜6、比較例1〜2はシリンダー温度280℃、金型温度120℃、実施例7〜9、比較例3はシリンダー温度300℃、金型温度120℃、実施例10〜11はシリンダー温度230℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行い、成形体(幅10mm、長さ80mm、厚さ4mm)を得た。得られた成形体を23℃の恒温室に24時間静置させた後、ISO75に準拠し、1.8MPaにおける荷重たわみ温度を測定した。
熱可塑性樹脂(A−1):ポリアミド樹脂(ポリ(キシレンセバカミド)(商品名「Lexter8500」、三菱ガス化学(株)製)88質量%、ナイロン66 9質量%に添加剤(離型剤、造核剤及びカーボンブラックを含む)3質量%を配合した樹脂組成物)
熱可塑性樹脂(A−2):ポリアミド樹脂(ポリ(m−キシレンアジパミド)(商品名「MXナイロン6007」、三菱ガス化学(株)製)88質量%、ナイロン66 9質量%に添加剤(離型剤、造核剤及びカーボンブラックを含む)3質量%を配合した樹脂組成物)
熱可塑性樹脂(A−3):ポリフェニレンサルファイド樹脂(商品名「DSP C−115」、DIC(株)製、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂)
熱可塑性樹脂(A−4):ポリプロピレン樹脂(商品名「ノバテックPP MA04A」(日本ポリプロ(株)製)と商品名「ユーメックス1001」(三洋化成工業(株)製)との混合樹脂)
PAN系炭素繊維(B−1−2):PAN系炭素繊維(商品名「パイロフィル MR03NE」、三菱レイヨン(株)製、繊維長3mm、引張弾性率280GPa以上、引張強度4400MPa以上、ナイロン系サイジング剤)
PAN系炭素繊維(B−1−3):PAN系炭素繊維(商品名「パイロフィル TR06UL」、三菱レイヨン(株)製、繊維長6mm、引張弾性率230GPa以上、引張強度3720MPa以上、ウレタン系サイジング剤)
ピッチ系炭素繊維(B−2−1):ピッチ系炭素繊維(商品名「ダイアリード K6371T」、三菱樹脂(株)製、繊維長6mm、引張弾性率640GPa、引張強度2600MPa)
ピッチ系炭素繊維(B−2−2):ピッチ系炭素繊維(商品名「ダイアリード K223HE」、三菱樹脂(株)製、繊維長6mm、引張弾性率900GPa、引張強度3800MPa)
黒鉛(C−1):膨張黒鉛(商品名「GRAFOILパウダー GFP−100」、米国グラフテック社製、膨張黒鉛シートを粉砕したもの、平均粒子径0.1mm)
添加剤(D−1):マイカ(商品名「SYA−41R」、(株)山口雲母工業所製、平均粒子径45μm)
樹脂ペレットを製造する押出機として、同方向二軸押出機(「TEX44αII」、(株)日本製鋼所製)を準備した。押出機のフィーダーは、上流から、メインフィーダー、第1サイドフィーダー、第2サイドフィーダーと設置した。押出機のニーディングゾーンは、メインフィーダーと第1サイドフィーダーとの間に1箇所、第1サイドフィーダーと第2サイドフィーダーとの間に1箇所、第2サイドフィーダーとダイとの間に1箇所、合計3箇所配置した。スクリュー回転数200rpm、吐出量80kg/時間、シリンダー温度280℃の条件で、熱可塑性樹脂(A−1)70質量%と黒鉛(C−1)5質量%とをメインフィーダーから供給し、PAN系炭素繊維(B−1−1)15質量%を第1サイドフィーダーから供給し、ピッチ系炭素繊維(B−2−1)10質量%を第2サイドフィーダーから供給し、樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
熱可塑性樹脂(A)、PAN系炭素繊維(B−1)、ピッチ系炭素繊維(B−2)、黒鉛(C)、添加剤の種類と割合を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、樹脂ペレットを得た。
実施例2〜6のいずれの実施例においても、熱可塑性樹脂(A)、黒鉛(C)、添加剤をメインフィーダーから供給し、PAN系炭素繊維(B−1)を第1サイドフィーダーから供給し、ピッチ系炭素繊維(B−2)を第2サイドフィーダーから供給した。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
熱可塑性樹脂(A)、PAN系炭素繊維(B−1)、ピッチ系炭素繊維(B−2)、黒鉛(C)、の種類と割合を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、樹脂ペレットを得た。
実施例7〜8のいずれの実施例においても、熱可塑性樹脂(A)、黒鉛(C)、添加剤をメインフィーダーから供給し、PAN系炭素繊維(B−1)を第1サイドフィーダーから供給し、ピッチ系炭素繊維(B−2)を第2サイドフィーダーから供給した。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
熱可塑性樹脂(A)、PAN系炭素繊維(B−1)、ピッチ系炭素繊維(B−2)、黒鉛(C)、の種類と割合を表1のように変更し、シリンダー温度を320℃とし、ピッチ系炭素繊維(B−2)を第1サイドフィーダーから供給し、PAN系炭素繊維(B−1)を第2サイドフィーダーから供給した以外は、実施例1と同様に操作を行い、樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
熱可塑性樹脂(A)、PAN系炭素繊維(B−1)、ピッチ系炭素繊維(B−2)、黒鉛(C)、の種類と割合を表1のように変更し、シリンダー温度を230℃とした以外は、実施例1と同様に操作を行い、樹脂ペレットを得た。
実施例10〜11のいずれの実施例においても、熱可塑性樹脂(A)、黒鉛(C)、添加剤をメインフィーダーから供給し、PAN系炭素繊維(B−1)を第1サイドフィーダーから供給し、ピッチ系炭素繊維(B−2)を第2サイドフィーダーから供給した。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
樹脂ペレットを製造する押出機として、同方向二軸押出機(機種名「PCM−30」、(株)池貝製)を準備した。押出機のフィーダーは、上流から、メインフィーダー、サイドフィーダーと設置した。押出機のニーディングゾーンは、メインフィーダーとサイドフィーダーとの間に1箇所、サイドフィーダーとダイとの間に1箇所、合計2箇所配置した。スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/時間、シリンダー温度280℃の条件で、熱可塑性樹脂(A−2)70質量%をメインフィーダーから供給し、PAN系炭素繊維(B−1−1)30質量%をサイドフィーダーから供給し、樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
熱可塑性樹脂(A−2)、PAN系炭素繊維(B−1−1)の割合を表1のように変更した以外は、比較例1と同様に操作を行い、樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
シリンダー温度を320℃とし、熱可塑性樹脂(A−3)70質量%をメインフィーダーから供給し、ピッチ系炭素繊維(B−2−2)30質量%をサイドフィーダーから供給した以外は、比較例1と同様に操作を行い、樹脂ペレットを得た。
得られた樹脂ペレットの評価結果を、表2に示す。
中でも、実施例1〜9で得られた樹脂ペレットは、成形体の曲げ強度、引張強度、耐熱性に優れた。特に、実施例1〜6で得られた樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂(A)としてポリアミド樹脂を用いたため、成形体の曲げ強度、引張強度に特に優れ、実施例7〜9で得られた樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂(A)としてポリフェニレンサルファイド樹脂を用いたため、成形体の耐熱性に特に優れた。
比較例1〜2で得られた樹脂ペレットは、ピッチ系炭素繊維(B−2)を用いなかったため、成形体の熱伝導性に劣った。
比較例3で得られた樹脂ペレットは、PAN系炭素繊維(B−1)を用いなかったため、曲げ強度、引張強度、シャルピー衝撃強度等の成形体の機械特性に劣った。
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂(A)及び炭素繊維(B)を含む樹脂ペレットであって、
熱可塑性樹脂(A)が、結晶性樹脂であり、
炭素繊維(B)が、PAN系炭素繊維(B−1)及びピッチ系炭素繊維(B−2)を含み、
樹脂ペレット中の炭素繊維(B)の質量平均繊維長が、0.1mm〜0.9mmである、
樹脂ペレット。 - 熱可塑性樹脂(A)の含有率が、熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)との合計100質量%中、40質量%〜90質量%であり、
炭素繊維(B)の含有率が、熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)との合計100質量%中、10質量%〜60質量%である、
請求項1に記載の樹脂ペレット。 - PAN系炭素繊維(B−1)の含有率が、樹脂ペレット100質量%中、5質量%〜30質量%である、請求項1又は2に記載の樹脂ペレット。
- ピッチ系炭素繊維(B−2)の含有率が、樹脂ペレット100質量%中、5質量%〜50質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂ペレット。
- 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びポリプロピレン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂ペレット。
- 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の樹脂ペレット。
- 更に、黒鉛(C)を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂ペレット。
- 黒鉛(C)の含有率が、樹脂ペレット100質量%中、1質量%〜9質量%である、請求項6に記載の樹脂ペレット。
- 溶融状態の熱可塑性樹脂(A)に、繊維長2mm〜20mmのPAN系炭素繊維(B−1)及び繊維長2mm〜20mmのピッチ系炭素繊維(B−2)を供給する、樹脂ペレットの製造方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂ペレットを成形した、成形体。
- ノッチなしのシャルピー衝撃強度が、10kJ/m2以上であり、
厚さ1mmの熱線法で測定した熱伝導率が、2〜9W/mKである、
請求項10に記載の成形体。 - 引張強度が、150MPa以上である、請求項10又は11に記載の成形体。
- 請求項9に記載の樹脂ペレットの製造方法で樹脂ペレットを得た後、射出成形して成形体を得る、成形体の製造方法。
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