JP2014141663A - ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のプロピレン樹脂(ア)80〜99重量%と特定の炭素繊維(イ)1〜20重量%(ただし、成分(ア)と成分(イ)の合計を100重量%とする)の合計量100重量部に対して、さらに、特定のフィラー(ウ)を25〜90重量部、特定のエラストマー(エ)10〜45重量部を含有するポリプロピレン系樹脂組成物などによる。
【選択図】なし
Description
しかし、近年の自動車分野においては、ハイブリッド車や電気自動車を代表とする低燃費・低排出ガス車の需要の高まりから、より一層の軽量化が求められており、とりわけフェンダーやバックドアなど、軽量性かつ高剛性、低線膨張係数で表される寸法安定性が求められる自動車外装部品においては、従来の無機フィラーの配合では、その効果は不十分であった。
しかし、特許文献1ではメルトフローレートが低めのエラストマーを使用している為、ポリプロピレン系樹脂組成物の粘度が高くなり、ポリプロピレン系樹脂組成物、及びその成形体を得るに際し、混練による炭素繊維の折損が懸念される。ここで特許文献1の実施例を見ると、ペレット中に残存している炭素繊維長は0.1mm以下となってしまっており、炭素繊維を使用することによる効果を十分に引き出しているとは言い難い。また、これらの文献においては炭素繊維はポリプロピレンとの接着性が低いため、成形体表面においては炭素繊維とポリプロピレンとの界面に大きな溝ができ、かつ、ポリプロピレンの収縮により炭素繊維の繊維形状が浮き出るため、自動車外装部品としての凄艶性(光沢・色相・表面平滑性等の外観)や質感を著しく失ってしまうなど、成形品の外観に問題点がある。
また、特許文献4では、メタロセン触媒を用いて重合した特定のポリプロピレン樹脂と特定のポリプロピレンブロック共重合体とを組合せ、これに炭素繊維を配合した樹脂組成物が提案されている。しかし、剛性や耐衝撃性などの物性については、記載がなく不明である。
プロピレン系樹脂(ア):次の(ア−i)〜(ア−iv)に規定する要件を有する。
(ア−i):プロピレン単独重合体および/又はプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体である。
(ア−ii):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1〜500g/10分である。
(ア−iii):前記プロピレン単独重合体においては、プロピレン単独重合体全体のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。
(ア−iv):前記プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体においては、プロピレン単独重合体部分のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。
炭素繊維(イ):次の(イ−i)に規定する要件を有する。
(イ−i)繊維径が3〜15μm、繊維長が0.1〜20mmである。
フィラー(ウ):次の(ウ−i)に規定する要件を有する。
(ウ−i)炭素繊維(イ)以外の無機系フィラー及び有機系フィラーから選ばれる少なくとも一種である。
エラストマー(エ):次の(エ−i)〜(エ−iii)に規定する要件を有する。
(エ−i)オレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーから選ばれる少なくとも一種である。
(エ−ii):密度が0.860〜0.910g/cm3である。
(エ−iii):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜70g/10分である。
変性ポリオレフィン系樹脂(オ):酸変性ポリオレフィン系樹脂及びヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の変性ポリオレフィン系樹脂。
(P−1):ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が15〜70g/10分である。
(P−2):JIS K7171に準拠するポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率が3000MPa以上である。
(P−3):TMA法によって測定されるポリプロピレン系樹脂組成物全体の25〜80℃における線膨張係数が5.0×10−5/℃以下である。
(P−4):ISO179(ノッチ付)に準拠して、測定雰囲気温度23℃にて測定したポリプロピレン系樹脂組成物のシャルピー衝撃強度が5kJ/m2以上である。
そのため、自動車部内外装部品、とりわけ従来より金属が使用されていたフェンダーやバックドアなどの高い剛性と寸法安定性が求められる自動車外装部品へ好適に用いることで自動車を軽量化し、燃費の向上やCO2排出量削減などが期待できる。
以下、本願発明において用いられる各成分、得られるポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体について、詳細に説明する。
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(ア)は、次の(ア−i)〜(ア−iii)に規定する要件を有する。
(ア−i):プロピレン単独重合体および/又はプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体である。
(ア−ii):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1〜500g/10分である。
(ア−iii):前記プロピレン単独重合体においては、プロピレン単独重合体全体のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。
(ア−iv):前記プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体においては、プロピレン単独重合体部分のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(ア)は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体において、良好な成形性、成形外観、機械的強度などを付与する機能を有する。
(ア−i)種類
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(ア)は、プロピレン単独重合体および/又はプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体である。これらの重合体を用いることにより、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を成形体とした時の剛性、強度や、軽量性などを高めることができる。
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体におけるプロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)の含量は、通常3〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは7〜40重量%である。プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)の含有量が3%未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の十分な耐衝撃強度が得られない場合がある。また、60重量%を超えると、剛性などが低下するおそれがある。
プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)のプロピレン含量は、通常40〜80重量%、好ましくは45〜75重量%、50〜70重量%がさらに好ましい。該含有量が上記範囲外であると、ポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の衝撃強度が低下するおそれがある。プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)のプロピレン含量は、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)の重合時のα−オレフィンとプロピレンの組成比を制御することにより、調整することができる。
また、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)の割合や、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)のプロピレン含量は、クロス分別装置やFT−IR等を用いて測定される値であり、その測定条件等は、例えば、特開2008−189893号公報に記載されている方法を使用すればよい。
なお、プロピレン単独重合体と、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体のプロピレン単独重合体部分(a1)については、以下の(ア−ii)MFRの部分で説明する。
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(ア)の全体のメルトフローレート(以下MFRと略記することがある)(230℃、2.16kg荷重)は、1〜500g/10分、好ましくは10〜400g/10分、より好ましくは20〜300g/10分である。MFRが1g/10分未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物の成形体への成形時にショートショットが生じたり、大型の成形体が得られなくなったりする場合がある。なお、500g/10分を超えると、ポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の衝撃強度が低下するおそれがある。
プロピレン系樹脂(ア)がプロピレン単独重合体の場合は、重合時の水素濃度等を制御することにより、MFRを調整することができる。また、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体においては、MFRは、プロピレン単独重合体部分(a1)のMFRとプロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)のMFRとのバランスにより調整、決定されるので、プロピレン単独重合体部分(a1)を製造する際の水素濃度などを制御することで、調整することができる。
なお、MFRは、JIS K7210に準拠して測定した値である。
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(ア)のアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)は、前記プロピレン単独重合体においては、プロピレン単独重合体全体のアイソタクチックペンタッド分率を、前記プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体においては、プロピレン単独重合体部分(a1)のアイソタクチックペンタッドを13C−NMRで測定したものである。ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性、軽量性などの観点から、前記プロピレン単独重合体においては、プロピレン単独重合体全体のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上であり、前記プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体においては、プロピレン単独重合体部分のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。これらは共に、92%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましく、97%以上であることがより好ましい。これらのアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が、90%未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の剛性や寸法安定性、軽量性などが低下するおそれがある。前記アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が90%以上であると、剛性や寸法安定性などが高くなり、その物性がより良好なものとなる。これは、プロピレン系樹脂分子の配向結晶性が高まり、また、プロピレン系樹脂(ア)中において炭素繊維(イ)の配向と均一分散が容易になるためと推察される。
ここで、アイソタクチックペンタッド分率は、同位体炭素による核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を使用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック分率である。すなわち、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個連続してアイソタクチック結合したプロピレン単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中mmmmピークの強度分率をもってアイソタクチックペンタッド単位を測定する。
また、アイソタクチックペンタッド分率は、プロピレン単独重合体、または、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体のプロピレン単独重合体部分(a1)の重合時の温度や使用する触媒の種類によって、調整することができる。
以下、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に用いられるプロピレン系樹脂(ア)の製造方法について説明する。先ず、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体の製造方法について説明する。
(i)プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体の製造方法
本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体の製造は、高立体規則性触媒を用いて重合する方法が好ましく用いられる。プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体は、プロピレン単独重合体部分(a1)とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)との反応混合物である。これは、結晶性プロピレン重合体部分であるプロピレン単独重合体部分(a1)の重合(前段)と、この後に続く、プロピレン・α−オレフィン共重合体(a2)の重合(後段)の製造工程により得られる。
また、上述の触媒には、立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種重合添加剤を使用することができる。例えば、ジフェニルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、酢酸エチル、安息香酸ブチル、p−トルイル酸メチル、ジブチルフタレートなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、安息香酸、プロピオン酸などの有機酸類、エタノール、ブタノールなどのアルコール類等の電子供与性化合物を挙げることができる。
また、重合形式として、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよく、所望により、二段及び三段等の複数段の連続重合法を用いてもよい。
さらに、重合用の反応器としては、特に形状、構造を問わないが、スラリー重合、バルク重合で一般に用いられる攪拌機付き槽や、チューブ型反応器、気相重合に一般に用いられる流動床反応器、攪拌羽根を有する横型反応器などが挙げられる。
気相重合においては、プロピレン単独重合体部分(a1)の重合工程は、プロピレン、連鎖移動剤として水素を供給して、前記触媒の存在下に、温度0〜100℃、好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃、プロピレンの分圧0.6〜4.2MPa、好ましくは1.0〜3.5MPa、特に好ましくは1.5〜3.0MPa、滞留時間は0.5〜10時間で行う。プロピレン単独重合体部分(a1)には、本発明の効果を損なわない範囲で、プロピレン以外のα−オレフィン、例えばα−オレフィンがエチレンの場合は7重量%以下のエチレンが共重合されていても構わない。
プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体を製造する際は、引き続いて、即ち前段重合工程で製造されたプロピレン単独重合体部分(a1)の存在下、後段重合工程で、プロピレン、α−オレフィンと水素を供給して、前記触媒(前記プロピレン単独重合体部分(a1)の製造に使用した当該触媒)の存在下に0〜100℃、好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃、プロピレン及びα−オレフィンの分圧各0.1〜2.0MPa、好ましくは0.1〜1.5MPa、滞留時間は0.5〜10時間の条件で、プロピレンとα−オレフィンの共重合を行い、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)を製造し、最終的な生成物として、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体を得る。プロピレン・α−オレフィン共重合体部分(a2)には、本発明の効果を損なわない範囲でプロピレンと2種類以上のα−オレフィンが共重合されていても構わない。
また、このようなプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体は、各社から種々の市販品が上市されているので、これら市販品の物性を測定して、所望のものを用いることもできる。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体の製造は、前記のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体の製造方法のうち、プロピレン単独重合体部分(a1)の製造方法に準じて行えばよい。
本発明に用いられるプロピレン単独重合体のMFRは、1〜500g/10分、好ましくは10〜400g/10分、より好ましくは20〜300g/10分である。。プロピレン単独重合体のMFRをこの様な範囲とする為には、触媒の種類にもよるが、連鎖移動剤の水素を、水素/プロピレンのモル比で5×10−3〜0.2の範囲で行うことにより、所望のMFRに調節することが可能である。
本発明において用いられるプロピレン系樹脂(ア)の配合割合は、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)との合計を100重量%として、80〜99重量%、好ましくは82〜95重量%である。プロピレン系樹脂(ア)の配合割合が80重量%未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の耐衝撃性と外観が著しく悪化してしまうため好ましくない。一方、99重量%を越えると、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の強度、寸法安定性のより一層の向上が達成できないおそれがある。
また、本発明において用いられるプロピレン系樹脂(ア)の、プロピレン系樹脂組成物全体における配合割合は、通常は24〜77重量%であり、さらに好ましくは35〜70重量%である。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、次の(イ−i)に規定する要件を有する。
(イ−i)繊維径が3〜15μm、繊維長が0.1〜20mmである。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、本発明のポリプロピレン樹脂組成物において、良好な剛性、寸法安定性などを付与する機能を有する。
(イ−i)繊維径および繊維長
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、繊維径が3〜15μmであり、好ましくは、5〜12μmである。繊維径が3μm未満の場合、炭素繊維の剛性が著しく低下することで、ポリプロピレン樹脂組成物の機械強度が低下する場合があり、一方、繊維径が15μmを超えると、繊維が太くなるために、しなりがなくなり、折れやすくなるので、ポリプロピレン樹脂組成物への補強効果が低下する。
なお、繊維径は、走査型電子顕微鏡などを用いて測定することができる。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、繊維長が0.1〜20mmであり、好ましくは、0.5〜15mmであり、さらに好ましくは、1〜10mmである。繊維長が0.1mm未満の場合、長さが短すぎるために、ポリプロピレン樹脂組成物への補強効果が低下し、一方、繊維長が20mm以上であると、溶融混練の際に繊維の投入が困難になる。
なお、繊維長は、必要に応じて顕微鏡等で拡大した後、一般の定規、又はノギスなどにより測定することができる。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、通常、200〜1000GPa程度の引張弾性率を有するが、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の強度や経済性の点などから、本発明においては、200〜900GPaのものを用いるのが好ましく、200〜300GPaのものを用いるのがより好ましい。
なお、引張弾性率は、JIS R7606(旧JIS R7601)に準拠して、測定することができる。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、通常1.7〜5g/cm3程度の密度を有するが、軽量性や経済性などから、1.7〜2.5g/cm3の密度を有するものを用いるのが好ましい。
なお、密度は、JIS R7603(旧JIS R7601)に準拠して測定することができる。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、繊維原糸を所望の長さに裁断した、いわゆるチョップドカーボンファイバー(以下、単にCCFともいう。)を用いることもでき、必要に応じて、各種サイジング剤を用いて、CCFを集束処理されたものであってもよいし、またCCFをさらに細かく粉砕して使用しても良い。
さらに、これらの炭素繊維は、予め任意の量のプロピレン系樹脂(ア)とCCFとを溶融混練して得られた炭素短繊維含有ペレットや、また、予め任意の量のプロピレン系樹脂(ア)と溶融押出加工して連続した多数本の繊維を集合一体化したペレットとし、且つ、該ペレット中における炭素繊維長さが実質的に該ペレットの一辺(押出方向)の長さと同じである、炭素長繊維含有ペレットとして用いてもよい。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)は、ポリプロピレン系樹脂組成物の製造を簡略化し、また炭素繊維の取り扱いの容易さや、作業工程の簡略化の点などから、CCFを用いることが好ましい。
また、繊維集束に用いるサイジング剤は、プロピレン系樹脂(ア)との溶融混練において、融解する必要があるため、200℃以下で溶融するものであることが好ましい。
また、このCCFの形状は、直線状のものだけでなく、繊維が湾曲したカール状のカーボンファイバーであってもよい。
この様なCCFの具体例としては、PAN系炭素繊維では、三菱レイヨン社製商品名「パイロフィルチョップ」、東レ社製商品名「トレカチョップ」、東邦テナックス社製商品名「ベスファイトチョップ」などを挙げることができ、また、ピッチ系炭素繊維では、三菱樹脂社製商品名「ダイアリードチョップドファイバー」、大阪ガスケミカル社製商品名「ドナカーボチョップ」、呉羽化学社製商品名「クレカチョップ」などを挙げることができる。
この溶融混練の際には、得られた樹脂組成物ペレット中、あるいは成形体中に存在する該炭素繊維の重量平均繊維長さは、好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.6mmとなる様な複合化方法を選択するのが好ましい。ペレットや成形体中に残存する炭素繊維(イ)の重量平均繊維長さをこの様な範囲とすることにより、得られる成形体の剛性や衝撃強度等の機械物性、線膨張係数及び外観を良好にすることが可能となる。即ち、ペレットや成形体中に残存する炭素繊維(イ)の重量平均繊維長さが0.1mm未満の場合、アスペクト比が低く線膨張係数が悪化したり、剛性が低下するなど十分な補強効率が得られない傾向となり、一方、ペレットや成形体中に残存する炭素繊維(イ)の重量平均繊維長さが1.0mmを超えると、衝撃強度や外観が著しく悪化する場合がある。なお、ペレットや成形体中に残存する炭素繊維(イ)の重量平均繊維長さは、測定試料をるつぼ内で450℃で40分加熱し、残渣として得られた炭素繊維をデジタルマイクロスコープにて拡大、撮影を行い、撮影した画像を画像解析ソフトを用いて解析する方法によって測定することができる。
炭素繊維(イ)の重量平均繊維長さをこの様な範囲とする方法としては、例えば、2軸押出機による溶融混練では、プロピレン系樹脂(ア)、フィラー(ウ)及びエラストマー(エ)を共に十分に溶融混練した後、炭素繊維(イ)をサイドフィード法等によりフィードし、繊維の折損を最小限に留めながら、集束繊維を分散させる等の方法を好ましい方法として挙げることができる。
本発明に用いられる炭素繊維(イ)の配合割合は、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)との合計を100重量%として、1〜20重量%、好ましくは2〜18重量%である。炭素繊維(イ)の配合割合が1重量%未満の場合、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の強度、寸法安定性のより一層の向上が期待できないおそれがあり、一方、20重量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の耐衝撃性と外観が著しく悪化し、経済性の観点からも好ましくない。
また、本発明において用いられる炭素繊維(イ)の、プロピレン系樹脂組成物全体における配合割合は、通常は0.5〜15重量%であり、好ましくは1〜13重量%であり、さらに好ましくは3〜10重量%である。
本発明において用いられるフィラー(ウ)は、次の(ウ−i)に規定する要件を有する。
(ウ−i)炭素繊維(イ)以外の無機系フィラー及び有機系フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
本発明において用いられるフィラー(ウ)は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体において、剛性、寸法安定性などの更なる向上に有効であり、併せて経済性の向上にも寄与する。
(ウ−i)種類
本発明において用いられるフィラー(ウ)は、炭素繊維(イ)以外の無機系フィラー及び有機系フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
無機系フィラーとしては、例えば、シリカ、ケイ藻土、バリウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルンなどの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、硫化モリブデン、ボロン繊維、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、塩基性硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維などを挙げることができる。
一方、有機系フィラーとしては、例えば、モミ殻などの殻繊維、木粉、木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、芳香族ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、各種有機繊維、熱硬化性樹脂粉末などを挙げることができる。
本発明において用いられるフィラー(ウ)としては、本発明の効果を得られるものであれば、炭素繊維(イ)以外の無機系フィラー及び有機系フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一種を特に制限なく使用することができるが、剛性や寸法安定性をより向上させ得ると共に、経済性などの観点から、タルクを使用するのが好ましい。
本発明において用いられるフィラー(ウ)の形状は特に制限はなく、粒状、板状、棒状、繊維状、ウィスカー状など、いずれの形状のものも使用することができる。中でも、フィラー(ウ)として粒状や板状のフィラーを、特にタルクを使用する場合、剛性や寸法安定性の向上効果が特に大きく、かつ経済的であるなどの観点から、レーザー回折法により測定した平均粒径が1〜10μmであることが好ましい。平均粒径が1μm未満、又は10μmを越える場合、機械物性バランス(特に剛性と衝撃強度)が悪化する場合がある。平均粒径の測定は、レーザー回折法(具体的には、堀場製作所製LA920W及び同等の測定機器)によって測定した粒度累積分布曲線から読み取った累積量50重量%の粒径値より求めることができる。
これらのフィラー(ウ)は、ポリマー用フィラーとして、後述のマスターバッチ用ペレットも含め、種々の製品が多くの会社から市販されているので、それらの中から所望の製品を購入し、使用することができる。
本発明に用いられるフィラー(ウ)の配合割合は、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)との合計100重量部に対して、25〜90重量部、好ましくは28〜80重量部、さらに好ましくは30〜65重量部、特に好ましくは35〜55重量部である。フィラー(ウ)の配合割合が、25重量部未満であると、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の強度、寸法安定性のより一層の向上が期待できず、また、外観が悪化してしまうおそれがある。一方、90重量部を超えると、成形品の衝撃強度が悪化するおそれがある。
また、本発明において用いられるフィラー(ウ)の、プロピレン系樹脂組成物全体における配合割合は、通常は15〜45重量%であり、さらに好ましくは20〜35重量%である。
本発明に用いるエラストマー(エ)は、下記(エ−i)〜(エ−iii)に規定する要件を有する。
(エ−i)オレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(エ−ii):密度が0.860〜0.910g/cm3である。
(エ−iii):MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜70g/10分である。
本発明に用いるエラストマー(エ)は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体において、適度の柔軟性、良好な耐衝撃性及び流動性などの機能を付与する。
(エ−i)種類
本発明に用いるエラストマー(エ)は、オレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体などのエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマーなどを挙げることができる。
中でも、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)及び/又はエチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)を使用すると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体において、適度の柔軟性などが付与し易く、耐衝撃性及び流動性などの性能がより優れ、経済性にも優れる傾向にあるなどの点から好ましい。
なお、エラストマー(エ)は、2種以上を併用することもできる。
(エ−ii)密度
本発明に用いられるエラストマー(エ)は、その密度が0.860〜0.910g/cm3であり、好ましくは0.863〜0.886g/cm3である。密度が0.860g/cm3未満であれば、剛性の低下が極端に大きくなり、一方、密度が0.910g/cm3超であれば。衝撃改質能が劣り好ましくない。
密度は、製造する際の各成分のモノマー濃度を制御すること等により調整することができる。
なお、密度は、ASTM D 1505に準拠して測定される値である。
(エ−iii)MFR
また、エラストマー(エ)は、MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜70g/10分であり、好ましくは1.0〜68g/10分、さらに好ましくは10〜65g/10分、より好ましくは25〜63g/10分、特に好ましくは30〜60g/10分の範囲内である。MFRが0.1g/10分未満であると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の成形性(流動性)、成形外観などが低下するおそれがあり、一方、MFRが70g/10分を超えると、耐衝撃性が低下するおそれがある。
MRFは、製造する際の水素濃度などを制御することなどにより、調節することができる。
なお、MFRは、ASTM D 1238に準拠して測定される値である。
本発明に用いられるエラストマー(エ)は、例えば、オレフィン系エラストマーにおいては、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーや、エチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマーなどの各モノマーを、触媒の存在下、重合することにより製造される。触媒としては、例えば、ハロゲン化チタンの様なチタン化合物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯体の様な有機アルミニウム−マグネシウム錯体、アルキルアルミニウム、またはアルキルアルミニウムクロリドなどのいわゆるチーグラー型触媒、WO91/04257号パンフレットなどに記載のメタロセン化合物系触媒などを使用することができる。
重合法としては、気相流動床法、溶液法、スラリー法などの製造プロセスを適用して重合することができる。
また、エラストマー(エ)のうち、スチレン系エラストマーは、通常のアニオン重合法及びそのポリマー水添技術などにより製造することができる。
また、エラストマー(エ)は種々の製品が市販されており、これらの製品から本願規定の条件を満たす製品を選択して入手し、使用することもできる。
本発明に用いられるエラストマー(エ)の配合割合は、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)との合計100重量部に対して、10〜45重量部、好ましくは13〜40重量部である。
エラストマー(エ)の配合割合が10重量部未満であると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の耐衝撃性や寸法安定性が低下するおそれがある。一方、配合割合が45重量部を超えると、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の成形性や強度が損なわれるおそれがある。
また、本発明において用いられるエラストマー(エ)の、プロピレン系樹脂組成物全体における配合割合は、通常は5〜25重量%であり、好ましくは7〜23重量%であり、さらに好ましくは10〜20重量%である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体において、衝撃強度や剛性のより一層の向上を図るなどのため、変性ポリオレフィン系樹脂(オ)を含有することが好ましい。
本発明において用いられる変性ポリオレフィン系樹脂(オ)は、酸変性ポリオレフィン系樹脂及びヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
変性ポリオレフィン系樹脂(オ)を配合することにより、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)との間の親和性を高めたり、プロピレン系樹脂(ア)中の炭素繊維(イ)の分散を良好にするなどのため、ポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体において、耐衝撃強度、外観品質、剛性等の機能をより高度に付与できる。
変性ポリオレフィン系樹脂(オ)として用いる、酸変性ポリオレフィン系樹脂及びヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂の種類としては、特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン化合物共重合体(EPDMなど)、エチレン−芳香族モノビニル化合物−共役ジエン化合物共重合エラストマーなどのポリオレフィンを、マレイン酸又は無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸を用いてグラフト共重合し、化学変性したものが挙げられる。このグラフト共重合は、例えば、上記ポリオレフィンを適当な溶媒中において、ベンゾイルパーオキシドなどのラジカル発生剤を用いて、不飽和カルボン酸と反応させることにより行われる。また、不飽和カルボン酸又はその誘導体の成分は、ポリオレフィン用モノマーとのランダム又はブロック共重合によりポリマー鎖中に導入することもできる。
この様な無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂は市販品から適宜選択して用いることができ、例えば、アルケマ社製の「OREVAC CA100」等を挙げることができる。
酸変性ポリオレフィン系樹脂中の酸量がこの範囲であれば、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)、ポリプロピレン系樹脂組成物におけるそれらの親和性や分散性が十分なものとなるため、剛性や外観が向上した前記樹脂組成物が得られ易く、また、酸量が過大になって、成形性を損ねることや、前記樹脂組成物が脆性になり耐衝撃性が失われることもない。又、これらの酸変性ポリオレフィン系樹脂や後記するヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
ヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセンなどのα−オレフィンの単独又は共重合体、前記α−オレフィンと共重合性単量体との共重合体などが例示できる。
好ましいヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂には、ヒドロキシ変性ポリエチレン系樹脂(例えば、低密度、中密度又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ヒドロキシ変性ポリプロピレン系樹脂(例えば、アイソタクチックポリプロピレンなどのポリプロピレンホモポリマー、プロピレンとα−オレフィン(例えば、エチレン、ブテン、ヘキサンなど)とのランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体など)、ヒドロキシ変性ポリ(4−メチルペンテン−1)などが例示できる。
また、ヒドロキシル基を有する単量体による変性量は、変性前のポリオレフィン系樹脂に対して、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%程度である。ヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂の平均分子量は、特に限定されない。
本発明に用いられる変性ポリオレフィン系樹脂(オ)の配合割合は、プロピレン系樹脂(ア)と炭素繊維(イ)との合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは2〜15重量部である。
また、本発明において用いられる変性ポリオレフィン系樹脂(オ)の、プロピレン系樹脂組成物全体における配合割合は、通常は0.4〜13重量%、好ましくは1〜10重量%であり、さらに好ましくは2〜5重量%である。
変性ポリオレフィン系樹脂(オ)の配合量が1重量部未満であると、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の衝撃強度、強度のより一層の向上ができないおそれがある。一方、配合量が15重量部を超えると、適度の柔軟性が損なわれるおそれがある(柔軟性不足)し、耐衝撃性も低下するおそれがある。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物においては、前記のプロピレン系樹脂(ア)〜変性ポリオレフィン系樹脂(オ)以外に、さらに必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば、発明の効果を一層向上させたり、他の効果を付与する等の目的のため、任意の添加成分を配合することができる。
これらの任意添加成分は、2種以上を併用してもよく、組成物に添加してもよいし、プロピレン系樹脂(ア)などに添加されていてもよく、それぞれの成分においても、2種以上併用することもできる。
具体例として、無機系顔料としては、ファーネスカーボン、ケッチェンカーボンなどのカーボンブラック;酸化チタン;酸化鉄(ベンガラ等);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物などが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレート;その他のアゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレン;チオインジゴなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。また、メタリック調やパール調にするには、アルミフレーク;パール顔料を含有させることができる。また、染料を含有させることもできる。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
ここで、前記光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する方法は、耐候性、耐久性、耐候変色性などの向上効果が大きく好ましい。
また、帯電防止剤として、例えば、非イオン系やカチオン系などの帯電防止剤は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体の帯電防止性の付与、向上に有効である。
(1)特性
本発明のポリプロピレン樹脂組成物およびその成形体は、成形性、剛性、寸法安定性、耐衝撃性等の物性バランスに優れるとともに、成形外観に優れ、具体的には、以下の特性を有する。
(i)メルトフローレート(MFR)
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物のMFRは、好ましくは15〜70g/10分、より好ましくは16〜50g/10分、さらに好ましくは17〜40g/10分、特に好ましくは18〜35g/10分である。MFRが15g/分未満であると、成形が困難となるおそれがあり、一方、70g/分を越えると、成形体の衝撃強度等が低下するおそれがある。
MFRは、JIS−K7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定される。
(ii)曲げ弾性率
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体の曲げ弾性率は、好ましくは3000MPa以上、より好ましくは、3200MPa以上であり、好ましくは9000MPa以下である。曲げ弾性率が3000MPa未満であると、剛性が不足するおそれがある。一方、9000MPaを越えると、炭素繊維およびフィラーの配合割合が増加するため、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の耐衝撃性が著しく悪化する場合がある。
なお、曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠し測定され、具体的には、後述する実施例項に記述の方法で決定される。
(iii)線膨張係数
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の線膨張係数は、好ましくは5.0×10−5/℃以下、より好ましくは、3×10−5/℃以下であり、好ましくは0.1×10−5/℃以上である。線膨張係数が5.0×10−5/℃を超えると、寸法安定性が十分でないおそれがある。一方、0.1×10−5/℃未満であると、炭素繊維およびフィラーの配合割合が増加するため、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の耐衝撃性が著しく悪化したり、外観が悪化する場合がある。
なお、線膨張係数は、TMA法によって25〜80℃において測定され、具体的には、後述する実施例項に記述の方法で決定される。
(iv)シャルピー衝撃強度
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びその成形体のシャルピー衝撃強度は、好ましくは5kJ/m2以上、より好ましくは8kJ/m2以上であり、好ましくは60kJ/m2以下である。シャルピー衝撃強度が5kJ/m2未満であると、耐衝撃性が不足するおそれがある。一方、60kJ/m2を超えると、炭素繊維およびフィラーの配合割合が減少するため、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の剛性および寸法安定性が著しく悪化する場合がある。
なお、シャルピー衝撃強度は、ISO179(ノッチ付)に準拠して、測定雰囲気温度23℃にて測定され、具体的には、後述する実施例項に記述の方法で決定される。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系樹脂(ア)、炭素繊維(イ)、フィラー(ウ)及びエラストマー(エ)と、必要に応じ変性ポリオレフィン系樹脂(オ)及び任意添加成分などを、前記配合割合で、従来公知の方法で混合・溶融混練することにより、製造することができる。また、有機過酸化物を配合する際には、押出機などを用いて溶融混練されることが好ましい。
何故なら、炭素繊維の折損を最小限に留めながら集束繊維を分散させ、本発明の樹脂組成物およびその成形体の強度や寸法安定性、外観耐熱性などを高い水準で発現することができるからである。
さらに、炭素繊維(イ)又はフィラー(ウ)は、それを高濃度化した所謂マスターバッチペレット(以下、単にMBPともいう場合がある。)としたものを、プロピレン系樹脂(ア)などと混合又は混練する方法も、好ましい。何故なら、この方法によれば、前記本発明のポリプロピレン系樹脂組成物における炭素繊維(イ)又はフィラー(ウ)の混合・分散を容易にするなどして、前記同様、本発明の樹脂組成物の性能向上を図ることができ、また、製造効率が向上するなど経済性も改善できるからである。
本発明の成形体は、前記方法で製造されたポリプロピレン系樹脂組成物を、例えば、射出成形(ガスアシスト射出成形、二色射出成形、インサート射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、シート成形及び中空成形機などの周知の成形方法にて、成形することによって得ることができる。この内、射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形にて得ることが好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体の用途としては、例えば、自動車用部品、電気製品・電子製品用部品、建材部品等が挙げられる。とりわけ、剛性及び寸法安定性に優れるため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、フェンダー、バックドアなどなどに代表される自動車外装部品などの用途に、好適に用いることができる。
なお、実施例で用いた評価法、分析の各法および材料は、以下の通りである。
(1)MFR(単位:g/10分):JIS−K7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重(21.18N荷重)で測定した。
(2)シャルピー衝撃強度:
厚さ4.0mm、幅10.0mm、長さ80mmのノッチ付き(ノッチ半径0.25mm)射出成形試験片を用い、ISO179(ノッチ付)に準拠して、測定雰囲気温度23℃にて測定した(単位はkJ/m2)。
試験片の成形は、東芝社製射出成形機IS80Gを用い、成形温度200℃、金型温度40℃の条件で行った。
(3)曲げ弾性率:
厚さ4.0mm、幅10.0mm、長さ80mmの射出成形試験片を用い、JIS K7171に準拠し、測定雰囲気温度23℃にて測定した(単位はMPa)。試験片の成形は、前記シャルピー衝撃強度と同様に行った。
(4)曲げ応力:
厚さ4.0mm、幅10.0mm、長さ80mmの射出成形試験片を用い、JIS K7171に準拠し、測定雰囲気温度23℃にて測定した(単位はMPa)。試験片の成形は、前記シャルピー衝撃強度と同様に行った。
(5)線膨張係数:
線膨張係数は、以下のようにして測定した。先ず、型締め圧170トンの射出成形機
(株式会社東芝製「IS170FII」)にて、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形した120mm×120mm×3mmの試験片を恒温室にて5日以上調整した後、成形加工時のひずみの除去、脱水及び脱気を行うために100℃にて1時間アニール処理した。次いで、その試験片の中央から10mm×10mm×3mmの試験片を切り出し、各々樹脂の流れ方向とその直角方向の線膨張係数を、JISK−7197に従って、線膨張係数測定装置(株式会社島津製作所製「TMA−60」)を用いて、圧縮モードにて測定した。測定は、16℃〜85℃の温度範囲について2℃/分の昇温速度で行った内の25〜80℃までの平均線膨張係数を測定し、2方向の測定値の平均値を線膨張係数とした。
(6)外観評価:
前記線膨張係数と同様に成形した120mm×120mm×3mmの試験片の120mm×120mmの面を、下記基準に従い目視にて判定した。
○:成形体表面に炭素繊維の繊維形状が目立たない。
×:成形体表面に炭素繊維の繊維形状が目立つ。
下記の各実施例記載の方法で得られた溶融混練後のペレットを測定試料として用い、測定を行った。各試料をるつぼに入れ、当該るつぼを加熱装置(CEM Corporation製Phoenix Microwave Furnace)にて450℃で40分加熱し、炭素繊維を残渣として得た。得られた残渣は、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE製VHX−900)を用いて、30倍の倍率で視野内の炭素繊維を撮影した。撮影した画像を画像処理ソフト(製Image−Pro Plus 6.3J)を用いて繊維長(長いものから300〜400本程度)を測定し、得られた個々の繊維の繊維長をLiとして、次式に基づき重量平均繊維長さLwを求めた。
Lw=(ΣLi2)/(ΣLi)
(1)プロピレン系樹脂(ア)
(以下いずれも酸化防止剤、中和剤を添加済みのペレットである。)
(i)ア−1:日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP」の下記組成のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ触媒で重合されたプロピレン・エチレンブロック共重合体であり、プロピレン・エチレンブロック共重合体全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が50g/10分、プロピレン単独重合体部分の13C−NMRで測定するアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が97%、プロピレン・エチレンブロック共重合体全体に対するプロピレン・エチレン共重合体部分の含有率が20重量%、プロピレン・エチレン共重合体部分のエチレン含量が36重量%である。
(ii)ア−2:日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP」の下記組成のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ触媒で重合されたプロピレン・エチレンブロック共重合体であり、プロピレン・エチレンブロック共重合体全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が110g/10分、プロピレン単独重合体部分の13C−NMRで測定するアイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)が97%、プロピレン・エチレンブロック共重合体全体に対するプロピレン・エチレン共重合体部分の含有率が9.7重量%、プロピレン・エチレン共重合体部分のエチレン含量が40重量%である。
(i)イ−1:三菱レイヨン社製、商品名「パイロフィル」 TR066A(繊維径7μm、繊維長6mm、引張弾性率235GPa、密度1.8g/cm3)を使用した。
(i)ウ−1:林化成社製タルク、商品名「ミクロンホワイト5000SMA」(平均粒子径5μm)を使用した。
(i)エ−1:三井化学社製、エチレン・ブテン共重合体、商品名「タフマーA4050S」、MFR(230℃、2.16kg荷重):6.7g/10分、密度:0.864g/cm3を使用した。
(ii)エ−2:三井化学社製、エチレン・ブテン共重合体、商品名「タフマーA35070S」、MFR(230℃、2.16kg荷重):60g/10分、密度:0.870g/cm3を使用した。
(i)オ−1:無水マレイン酸変性ポリオレフィン系樹脂(無水マレイン酸グラフト率=0.8重量%)であるアルケマ社製、商品名「OREVAC CA100」を使用した。
(1)ポリプロピレン系樹脂組成物の製造及び成形
[実施例1〜8、比較例1〜8]
表1に示す配合割合で、炭素繊維(イ)以外の成分を、プロピレン系樹脂(ア)及び炭素繊維(イ)の合計100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:イルガノックス1010)0.16重量部、リン系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:イルガフォス168)0.08重量部、ステアリン酸カルシウム0.48重量部とともにスーパーミキサーを用い混合した後、日本製鋼所製「TEX30」、L/D=42、シリンダー径30mmのシリンダー後部から供給し、さらに押出機先端から3バレル手前の位置から、サイドフィーダーを用いて炭素繊維(イ)を所定の濃度となるようにサイドフィードして溶融混練(230℃)する方法で、ペレットを得た。
得られたペレットは、前記評価方法に示した要領で、それぞれの評価用試験片を成形し、性能評価を行った。
結果を表2に示す。
例えば、比較例1においては、炭素繊維(イ)が含まれないため、外観は優れるものの、実施例5に比べて、剛性と線膨張係数(寸法安定性)が劣る。また、比較例2、5においては、フィラー(ウ)が含まれない、又はその含有量が少ないため、線膨張係数が大きく寸法安定性が悪い。比較例3、7においては、エラストマー(エ)が含まれない、又はその含有量が少ないため、シャルピー衝撃強度、線膨張係数が劣る。比較例4においては、炭素繊維(イ)の含有量が多いため、シャルピー衝撃強度と成形外観が大きく劣る。比較例6においては、フィラー(ウ)の含有量が多いため、シャルピー衝撃強度が劣る。比較例8においては、エラストマー(エ)の含有量が多いため、MFRが低く、曲げ弾性率が劣る。
Claims (5)
- 下記のプロピレン系樹脂(ア)80〜99重量%および炭素繊維(イ)1〜20重量%(ただし、(ア)と(イ)の合計を100重量%とする)の合計量100重量部に対して、下記のフィラー(ウ)25〜90重量部およびエラストマー(エ)10〜45重量部を含有することを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
プロピレン系樹脂(ア):次の(ア−i)〜(ア−iv)に規定する要件を有する。
(ア−i):プロピレン単独重合体および/又はプロピレン単独重合体部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分とからなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体である。
(ア−ii):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1〜500g/10分である。
(ア−iii):前記プロピレン単独重合体においては、プロピレン単独重合体全体のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。
(ア−iv):前記プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体においては、プロピレン単独重合体部分のアイソタクチックペンタッド分率が90%以上である。
炭素繊維(イ):次の(イ−i)に規定する要件を有する。
(イ−i)繊維径が3〜15μm、繊維長が0.1〜20mmである。
フィラー(ウ):次の(ウ−i)に規定する要件を有する。
(ウ−i)炭素繊維(イ)以外の無機系フィラー及び有機系フィラーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
エラストマー(エ):次の(エ−i)〜(エ−iii)に規定する要件を有する。
(エ−i)オレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
(エ−ii):密度が0.860〜0.910g/cm3である。
(エ−iii):メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜70g/10分である。 - プロピレン系樹脂(ア)および炭素繊維(イ)の合計量100重量部に対して、さらに下記の変性ポリオレフィン系樹脂(オ)1〜20重量部を含有する請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
変性ポリオレフィン系樹脂(オ):酸変性ポリオレフィン系樹脂及びヒドロキシ変性ポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種である。 - フィラー(ウ)がタルクである請求項1又は2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
- 下記の条件(P−1)〜(P−4)を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
(P−1):ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が15〜70g/10分である。
(P−2):JIS K7171に準拠するポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率が3000MPa以上である。
(P−3):TMA法によって測定されるポリプロピレン系樹脂組成物全体の25〜80℃における線膨張係数が5.0×10−5/℃以下である。
(P−4):ISO179(ノッチ付)に準拠して、測定雰囲気温度23℃にて測定したポリプロピレン系樹脂組成物のシャルピー衝撃強度が5kJ/m2以上である。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を、射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形により成形してなることを特徴とする成形体。
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