JPH0959592A - シール部材 - Google Patents

シール部材

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Publication number
JPH0959592A
JPH0959592A JP7220288A JP22028895A JPH0959592A JP H0959592 A JPH0959592 A JP H0959592A JP 7220288 A JP7220288 A JP 7220288A JP 22028895 A JP22028895 A JP 22028895A JP H0959592 A JPH0959592 A JP H0959592A
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JP
Japan
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weight
seal member
carbon fiber
polyphenylene sulfide
graphite powder
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Application number
JP7220288A
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English (en)
Inventor
Kozo Yoshimura
幸三 吉村
Tsuneyuki Adachi
恒行 足立
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DIC Corp
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より低い摩擦係数とより低い摩耗特性を合わせ
持つ特性を有するコンプレッサー用シール部材を得
る。。 【解決手段】素線の引張り強さが100Kgf/mm2以上の炭素
繊維(A)5−30重量%、黒鉛粉末又はピッチ系炭素
質の炭素繊維の内から選ばれた一種以上の摺動性向上材
(B)1−20重量%、残部が実質的にポリフェニレン
サルファイド樹脂(C)を溶融混練してなるペレットを
射出成形してうず巻き状シール部材を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低い摩擦係数、お
よびシール特性に優れ、かつ相手材を傷つけにくい優れ
たシール部材に関する。このシール部材は、特にコンプ
レッサー用のシール部材に適する。
【0002】
【 従来の技術】コンプレッサーには既存のピストン往
復型、ロータリ−型と呼ばれる斜板によるピストン往復
型、スクロール型と呼ばれる形式があるが、何れも摺動
性に優れたシール部材が必要である。
【0003】特に、スクロール型コンプレッサーはスク
ロール部基板の片面に渦巻壁を設け、固定側と可動側の
各スクロール部材がお互いに渦巻壁を偏心状態でかみ合
い回転することによって流体を圧縮する。各スクロール
部材の渦巻溝の底部にはチップシールと呼ばれる部材が
挿入され、この部材の品質が運転効率、性能、耐久性に
深く関与している。
【0004】従来は、一般的にはシール部材は、リン青
銅等の摺動性に優れた金属を用い、油潤滑されていた。
近年、量産性、経済性、メンテナンスの面で、耐熱性の
ある樹脂材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(以
下PEEKと記す)、ポリフェニレンサルファイド樹脂
(以後PPSと記す)等に焼成低分子量ポリテトラフロ
ロエチレン樹脂粉末(以下、PTFEと記す)やPAN
系炭素繊維を添加した材料が使用されている(特開昭6
2−223488号公報、特開平6−340866号公
報。)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる材料は、射出成
形を可能にし、コストの低減に効果は大きい。しかし、
最近の新規に開発される上記コンプレッサー、とりわけ
車両エアコン用のコンプレッサーは、更に高荷重、高温
といった厳しい条件下で使用される場合には、摩擦摩耗
特性が劣り、シール特性を充分満足できるものでは無
い。
【0006】本発明は、PPSをマトリックス樹脂と
し、摩擦、摩耗特性に優れたシール部材を提供し、従来
技術では対応できなかった高荷重条件でも使用できるシ
ール部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成すべく鋭意検討の結果、PAN系炭素繊維を含む高
引張強度の炭素繊維と、PPSと、PTFEからなるシ
ール部材中の、PTFEに代えてピッチ系炭素繊維及び
/又は黒鉛粉末を用いることにより、前記課題が解決さ
れることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、素線の引張り強さが100Kgf
/mm2以上の炭素繊維(A)5−30重量%、黒鉛粉末又
はピッチ系炭素質の炭素繊維の内から選ばれた一種以上
の摺動性向上材(B)1−20重量%、残部が実質的に
ポリフェニレンサルファイド樹脂(C)からなることを
特徴とするコンプレッサー用シール部材を提供するもの
である。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
使用されるPPS樹脂(C)としては、公知慣用のもの
が何れも使用できる。PPS樹脂とは、フェニレン基と
イオウ原子との繰り返し単位を主成分として含む合成樹
脂であり、具体的には、例えば以下の様にして製造する
ことができる。
【0010】PPS樹脂(C)の重合方法としては、p
−ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソーダの存在下で重合
させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリウムあるいは水硫
化ナトリウムと水酸化ナトリウム又は硫化水素と水酸化
ナトリウムの存在下で重合させる方法、p−クロルチオ
フェノールの自己縮合などがあげられるが、N−メチル
ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤
やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウムと
p−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当である。
【0011】この際に、重合度を調節するためにカルボ
ン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸
化アルカリを添加したりすることは好ましい方法であ
る。共重合成分として30モル%未満であればメタ結
合、エーテル結合、スルホン結合、スルフィドケトン結
合、ビフェニル結合、置換フェニルスルフィド結合、3
官能フェニルスルフィド、ナフチル結合などを含有して
いてもポリマーの結晶性に大きく影響しない範囲でかま
わないが、好ましくは共重合成分は10モル%以下がよ
い。
【0012】特に3官能機以上のフェニル、ビフェニ
ル、ナフチルスルフィド結合などを共重合に選ぶ場合は
3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下がよい。
【0013】かかるPPS樹脂(C)は一般的な製造
法、例えば(1) ハロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカ
リとの反応(米国特許第2513188号明細書等、特
公昭44−27671号および特公昭45−3368号
各公報参照)(2) チオフェノール類のアルカリ触媒又は
は銅塩等の共存下に於ける縮合反応(米国特許第327
4615号、英国特許第1160660号各明細書参
照)(3) 芳香族化合物を塩化硫黄とのルイス酸触媒共存
下に於ける縮合反応(特公昭46−27255号公報、
ベルギー特許第29437号明細書参照)等により合成
されるものであり、目的に応じ任意に選択し得る。
【0014】本発明の組成物に使用するPPS樹脂
(C)としては、架橋型のPPS樹脂でも或は、非架橋
型(リニアー型)PPSでも良い。しかしながら、同一
の溶融粘度の場合、実質的に線状の分子構造を有するリ
ニアー型PPSの方が、伸び、靱性が優れるためリニア
ー型のほうが好適である。
【0015】これらのPPS樹脂(C)のうち、特にA
STM D1238−86による316℃/5000g
荷重下(オリフィス;0.0825±0.002インチ
径× 0.315±0.001インチ長さ)でのメルト
フロ−レ−トが1500g/10分以下で更に好ましく
は800g/10分以下のPPS樹脂が好適である。
【0016】さらにPPS樹脂(C)の形態としてはペ
レットのような粒状でも、粉末状でも良いが、黒鉛粉
末、二硫化モリブデン等の粉末との混合を考慮した場
合、粉末状のほうが扱い易い。
【0017】本発明で用いる主体として用いる炭素繊維
(A)は、素線の引張り強さが100Kgf/mm2以上のもので
ある。これは、シール部材に充分な強度を与えるのに必
要な強化材としての必要条件であると共に、通常強化材
として使用されるガラス繊維では、得る事の出来ない高
度な摩擦摩耗特性を提供するものである。
【0018】上記の条件に合致する炭素繊維としては、
例えばポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維あ
るいは高度に黒鉛化されたピッチ系炭素繊維がある。
【0019】本発明の部材を構成する組成物における該
炭素繊維の含有率は、5−30重量%であり、より好ま
しくは10−20重量%の範囲である。含有率が5重量
%未満では、強度、耐摩擦摩耗特性、クリープ性におい
て改良効果が少ない。また30重量%を越えると相手材
を損傷し、シール効果が悪くなる。
【0020】本発明で摩擦摩耗性向上の為に必須であ
る、黒鉛粉末又はピッチ系炭素繊維(B)は、上記の炭
素繊維に比べ、PPSの強化材としての効果は、少ない
が、充填、添加する事に依って、摩擦係数の低減と摩耗
の低減に効果が大きいのみならずシール部材の放熱性が
より良くなり、シール材と相手材の焼き付き防止に効果
が大きい。黒鉛粉末、ピッチ系炭素繊維は単独あるいは
併用してもよい。
【0021】摩擦と摩耗の低減効果は、焼成低分子量ポ
リテトラフロロエチレン粉末の充填添加に依っても達成
できるが、熱伝導の改善は不可能であり、放熱性改善は
見込めない。更にPPSよりも大幅に剛性の低いポリテ
トラフロロエチレン粉末の充填添加は、シール材として
必要なクリープ性を阻害する。
【0022】また、シール材を構成する組成物中、該黒
鉛粉末あるいは/及び炭素質ピッチ系炭素繊維は、1重
量%以上の添加で効果を認められる。又20重量%以上
充填添加するとシール部材が脆くなり実用的でない。こ
のましくは5−15重量%である。
【0023】本発明では、更にシール部材中に、繊維状
のポリテトラフロロエチレンを含有させることが、有用
である。当該ポリテトラフロロエチレンは、例えばシー
ル材を構成する組成物の成形前ペレットを製造する際、
未焼成で数平均分子量が200−90万の常温で粉末の
ポリテトラフロロエチレンをPPS、炭素繊維、黒鉛粉
末等と共に混練することによって得られ、ペレット中或
いはシール部材中で繊維状とすることができる。
【0024】前記の焼成した、数平均分子量が90万以
下の低分子量のポリテトラフロロエチレン粉末は、通
常、そのままで摺動性向上材として使用されるが、前記
操作を行っても繊維状とはなり得ない。
【0025】繊維状にすることに依ってはじめて、摺動
性のみならず、シール部材に靱性と強度を付加するもの
である。当該ポリテトラフロロエチレンは、該組成物中
1重量%以上10重量%を含有させることが出来る。1
重量%以下では摺動性、靱性の改善効果は少なく、10
重量%を越えると成形時の流動性を阻害する。好ましく
は、3−7重量%である。
【0026】更に本発明の組成物には、前記炭素繊維以
外の繊維状強化材及び/又は無機フィラ−を本発明の効
果を阻害しない範囲で含有せしめることもできる。
【0027】繊維状強化材としては、例えばガラス繊
維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊
維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維、ホウ素繊維、チタ
ン酸カリウム繊維、さらにステンレス,アルミニウム,
チタン,銅,真ちゅう等の金属の繊維状物の無機質繊維
状物質及びアラミド繊維等の有機質繊維状物質等が挙げ
られる。なおポリアミド,アクリル樹脂等の高融点有機
質繊維状物質も使用することができる。
【0028】また無機フィラ−としては、例えば炭化珪
素、窒化ホウ素、各種金属粉末、硫酸バリウム、硫酸カ
ルシウム、カオリン、クレ−、パイロフィライト、ベン
トナイト、セリサイト、ゼオライト、雲母、ネフェリン
シナイト、タルク、アタルパルジャイト、ウオラストナ
イト、PMF、フェライト、硅酸アルミニウム、硅酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマ
イト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、アル
ミナ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
鉄、二硫化モリブデン、石膏、ガラスビ−ズ、ガラスパ
ウダ−、ガラスバル−ン、石英、シリカ、石英ガラス等
を挙げることができる。
【0029】好適には摺動性の更なる改善に効果が期待
される二硫化モリブデン、三酸化アンチモン、コストに
有利な炭酸カルシウム、電気絶縁性に優れたタルクやク
レー、寸法精度や反り変形防止に効果の高い雲母(マイ
カ)があげられる。
【0030】本発明において添加することができる繊維
状強化材及び/又は無機フィラ−の配合割合は、当該P
PS組成物の性能を損なわない範囲で強化、充填出来る
が、好ましくはPPS組成物30−95重量%に対し、
上記繊維状強化材および/または無機フィラーを70−
5重量%である。
【0031】本発明の組成物には、シラン化合物を1種
以上添加することができる。添加することができるシラ
ン化合物としては、具体的にはアミノアルコキシシラ
ン、エポキシアルコキシシラン、ビニルアルコキシシラ
ンの1種または2種以上であり、アミノアルコキシシラ
ンとしては、1分子中にアミノ基を1個以上有し、アル
コキシ基を2個あるいは3個有するシラン化合物であれ
ばいずれのものでも有効である。
【0032】アミノアルコキシシランとしては、例えば
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、 N−β(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0033】エポキシアルコキシシランとしては、1分
子中にエポキシ基を1個以上有し、アルコキシ基を2個
あるいは3個有するシラン化合物であればいずれのもの
でも有効であり、例えば、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0034】ビニルアルコキシシランとしては、1分子
中にビニル基を1個以上有し、アルコキシ基を2個ある
いは3個有するシラン化合物であればいずれのものでも
有効であり、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエ
トキシ)シランなどが挙げられる。
【0035】本発明の組成物には、本発明の目的を損わ
ない範囲で、公知慣用の重合体を混合して使用できる。
これら重合体としては、例えばエチレン、ブチレン、ペ
ンテン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、スチ
レン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、(メタ)
アクリロニトリルなどの単量体の単独重合体または共重
合体、ポリウレタン、ポリアミド、ブチレンテレフタレ
−ト・ポリエチレンテレフタレ−ト等のポリエステル、
ポリアセタ−ル、ポリカ−ボネ−ト、ポリサルホン、ポ
リアリルサルホン、ポリエ−テルサルホン、ポリア−リ
レ−ト、ポリフェニレンオキシド、ポリエ−テルケト
ン、ポリエ−テルエ−テルケトン、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、ポリエ−テルイミド、シリコ−ン樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、液晶ポリマ−、ポリアリ
−ルエ−テルなどの単独重合体、ランダム共重合体また
はブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げること
ができる。
【0036】また、本発明のシール部材用組成物には、
例えば可塑剤、少量の離型剤、着色剤、滑剤、耐熱安定
剤、耐候性安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、ワックス
等を添加してもよい。この様にして得られた組成物は、
所望の形状となる様に、押出成形、射出成形、或いはト
ランスファー成形することにより、各種のシール部材を
形成することができる。
【0037】
【発明の実施態様】次に本発明の好ましい態様について
説明する。まず、PPS樹脂(C)として、ASTM
D1238−86による316℃/5000g荷重下
(オリフィス;0.0825±0.002インチ径 ×
0.315±0.001インチ長さ)でのメルトフロ
−レ−トが800g/10分以下のPPS樹脂100重
量部当たり、炭素繊維(A)として、素線引張強度が2
00〜800kgf/mm2のPAN系炭素繊維10〜
30重量部、そして摺動性向上材(B)として、黒鉛粉
末及び/又はピッチ系炭素繊維5〜15重量部を必須成
分として予めミキサーで乾式混合し、それを溶融押出機
にて、250〜400℃で溶融混練して、カッティング
してペレットを得る。
【0038】基板の片面にうず巻き壁を形成してなる一
対のスクロール部材を使用し、各スクロール部材のうず
巻き壁相互を偏心状態にかみあわせ、かつ溝壁先端に形
成された溝に嵌合したシール部材とによって両スクロー
ル部材間に密閉空間を形成し、かつ、いずれか一方のう
ず巻き壁端面と対向する他方のスクロール部材の相手面
を金属によって形成したスクロール型コンプレッサーの
スクロール部材のひとつを得るに当たっては、次の通り
とする。
【0039】まず、溝壁先端に形成された溝にシール部
材が嵌合されていない、一つのスクロール部材を準備
し、この溝に嵌合するシール部材に相当する成形品を前
記ペレットを用いて、シリンダー温度300〜400
℃、射出圧力700〜1600kgf/cm2、金型温
度120〜200℃で、射出成形して得る。この様にし
て得たうず巻き状の成形体を前記溝に嵌合してスクロー
ル部材を得る。
【0040】ここで得られた各スクロール部材を、その
うず巻き壁相互を偏心状態にかみあ合わせ、相対的な公
転円運動を行わせることによって、流体を圧縮すること
ができる。
【0041】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0042】本発明および比較例に使用した原材料を次
に示す。 PPS−A:ASTM D-1238に依るメルトフローレート
(以下MFRと記す)が200g/10Minの粉状の架橋型PP
S:大日本インキ化学工業(株)製DSP B600 PPS−B:MFRが500g/10minの粉状のリニアー型PP
S:大日本インキ化学工 業(株)製 D
SP B−105
【0043】炭素繊維:素線の引張り強さが300Kgf/mm2
の東邦レーヨン(株)製のエポキシ樹脂サイジング剤処
理のPAN系チョップド炭素繊維ベスファイトHTA−
C6S 黒鉛粉:日本黒鉛工業(株)製の固定炭素分98%以上
の黒鉛粉末CSPE 炭素質ピッチ系炭素繊維:(株)ドナック製の平均長さ
200ミクロン素線径13ミクロンのミルドファイバー:ドナカ
ーボ S242
【0044】未焼成ホ゜リテトラフロロエチレン:ダイキン工業
(株)製の未焼成の数平均分子量が約500万のホ゜リテトラフロロ
エチレン粉末:ポリフロン F201 焼成ホ゜リテトラフロロエチレン:ダイキン工業(株)製の焼成の数
平均分子量が約50万の低分子ホ゜リテトラフロロエチレン粉末:ルブ
ロンL−7
【0045】上記原料を表1に示す割合(重量部)で配
合し、ヘンシェルミキサーで混合、次いで東芝機械(株)製のスクリ
ュー径37mmのヘ゛ント付き2軸押出機:TEMー35Bを用いてシリ
ンダ−温度設定 320℃、スクリュウ回転数250rpmにて溶融
混練してペレットを得た。
【0046】
【表1】
【0047】この各ペレットをインラインスクリュ−式
の3オンス射出成形機:東芝機械(株)製のIS-50AM型
を用いシリンダ−温度 310℃、金型温度 135℃、射出圧
力1000kgf/cm2 、射出スピード中速にて、摩擦摩耗評価
用テストピ−ス、引張試験片、アイゾット衝撃試験片を
成形し、各種特性を評価した。尚、実施例3の試験片中
には、繊維状ポリテトラフロロエチレンが形成されてい
た。
【0048】尚、摩擦摩耗特性は、JIS K7218記載のA
法(回転中空円筒試験片)に準じて計測した。測定条件
は表2に記載する。試験装置は、東洋ボールドウイン
(株)製摩擦摩耗試験機えFM−3−F型である。
【0049】
【表2】
【0050】また引張強さ試験は、ASTM D−63
8,アイゾット衝撃試験(ノッチ無し)は、ASTM
D256に準じて実施した。以上の各測定結果を表3に
示す。
【0051】
【表3】
【0052】表3の結果から、実施例2と比較例3とか
らわかる通り、焼成低分子量ポリテトラフロロエチレン
粉末を用いた従来のシール部材(比較例3)に比べて、
ピッチ系炭素繊維を用いた本発明のシール部材(実施例
2)は、格段に摩耗量が少ないことがわかる。
【0053】素線の引張強さが100Kgf/mm2以下の炭素繊
維に該当しない、ピッチ系炭素繊維を用いた比較例2の
場合、その部材の引張強度は低く、実用性に乏しい。
又、比較例1からPAN系炭素繊維が少量添加の場合、
黒鉛粉末と併用しても摩耗量は大きい。
【0054】これらのことは、摩擦摩耗低減材としての
黒鉛粉末、炭素質のピッチ系炭素繊維を素線強度の高い
炭素繊維と併用すると摩擦係数、摩耗量の低減に劇的な
効果が有る事を実施例1−3は示している。さらに、未
焼性の高分子量ポリテトラフロロエチレン粉末の少量添
加は、繊維状ポリテトラフルオロエチレンを部材中に形
成させる結果となり、結果的に摩擦係数の低減に効果を
もたらすのみならず、衝撃特性の改善を示している。
【0055】
【発明の効果】本発明のコンプレッサー用シール部材
は、PAN系で代表される高強度の炭素繊維と、黒鉛粉
末及び/又は炭素質ピッチ系炭素繊維とを併用使用する
ので、従来に比べて摩擦摩耗特性を飛躍的に向上させる
ことが出来、より低摩擦係数で低摩擦量のシール部材が
得られるという格別顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 29/00 F04C 29/00 U F16J 15/20 F16J 15/20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素線の引張り強さが100Kgf/mm2以上の炭
    素繊維(A)5−30重量%、黒鉛粉末又はピッチ系炭
    素質の炭素繊維の内から選ばれた一種以上の摺動性向上
    材(B)1−20重量%、残部が実質的にポリフェニレ
    ンサルファイド樹脂(C)からなることを特徴とするコ
    ンプレッサー用シール部材。
  2. 【請求項2】ポリフェニレンサルファイド樹脂(C)
    が、実質的に線状の分子構造を有するリニアー型のポリ
    フェニレンサルファイド樹脂である請求項1記載のシー
    ル部材。
  3. 【請求項3】更にシール部材中に、繊維状ポリテトラフ
    ロロエチレン樹脂(D)を1−10重量%含む請求項1
    記載のシール部材。
  4. 【請求項4】素線の引張り強さが100Kgf/mm2以上の炭素
    繊維(A)5−30重量%、黒鉛粉末又はピッチ系炭素
    質の炭素繊維の内から選ばれた一種以上の摺動性向上材
    (B)1−20重量%、残部が実質的にポリフェニレン
    サルファイド樹脂(C)からなることを特徴とするスク
    ロール型コンプレッサー用シール部材。
JP7220288A 1995-08-29 1995-08-29 シール部材 Pending JPH0959592A (ja)

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