JP2008106211A - ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】寸法安定性と面衝撃性に優れるポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂、(C)層状珪酸塩、および(D)エステル交換防止剤を配合してなるポリエステル樹脂組成物であって、ASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験における破壊エネルギーが、30J以上であるポリエステル樹脂組成物および、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(C)層状珪酸塩、および(D)エステル交換防止剤を溶融混練して得られる樹脂組成物に、(C)ポリカーボネート樹脂を添加し溶融混練するポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、低線膨張率と高い面衝撃性を両立したポリエステル樹脂組成物に関するものである。
近年、自動車の燃費向上、地球温暖化防止を目的として車体重量の軽量化が望まれており、自動車外装部品においては、アルミニウムやスチール材から熱可塑性樹脂への代替が検討されている。しかし、バンパーのような大型射出成形品の場合には、板厚と比較して樹脂流動距離が極めて長いため、板厚方向と比較して、樹脂流動方向の膨張量は大きくなることが課題となっていた。従って、寸法安定性に優れる樹脂材料を得るためには、樹脂流動方向の線膨張率を低減することが重要となっている。
また、自動車外装部品に熱可塑性樹脂を利用する場合には、衝突時のダメージの低減、および歩行者保護などを想定し、耐衝撃性を付与することも重要である。
特許文献1、2には、外観、面衝撃性、溶融熱安定性に優れ、線膨張係数が小さい熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかし、該熱可塑性樹脂組成物は、無機充填材を大量に配合することが必要であり、比重が増加するという課題があった。
特許文献3には、ポリカーボネート樹脂の耐熱性、耐薬品性、流動性等を両立するために、層状珪酸塩を含有したポリエステル樹脂を配合する方法が記載されている。しかし、ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂の相構造の制御が不十分であり、衝撃特性を充分満足するものではなかった。
特許文献4には、高剛性、流動性、熱安定性に優れるポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物が記載されている。しかし、上記組成物では、有機オニウムイオンで処理した層状珪酸塩に加え、ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性を有する化合物の添加が必要であった。また、特許文献3と同様の理由で、衝撃特性を充分満足するものではなかった。
上述のように、これまで、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の相構造を精密に制御したポリブチレンテレフタレート/ポリカーボネート樹脂組成物をマトリックスとし、該組成物中に層状珪酸塩が微分散したポリエステル樹脂組成物については知られていなかった。
特開2004−331718号公報 特開平6−49343号公報 特開平9−143359号公報 特開2004−204003号公報
本発明は、ポリブチレンテレフタレート/ポリカーボネート樹脂組成物の寸法安定性、および面衝撃性に優れるポリエステル樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、低線膨張率と面衝撃特性を両立するためには、(A)〜(D)成分から形成される相構造を精密に制御することが必要であることを見い出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(i)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂、(C)層状珪酸塩、および(D)エステル交換防止剤を配合してなるポリエステル樹脂組成物であって、ASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験における破壊エネルギーが、30J以上であるポリエステル樹脂組成物、
(ii)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の重量比が20:80〜80:20であり、(A)と(B)の合計100重量部に対して、(C)層状珪酸塩0.1〜20重量部、前記(D)エステル交換防止剤0.001〜1重量部を配合してなる(i)記載のポリエステル樹脂組成物、
(iii)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が0.01〜1μmの構造周期を有する両相連続構造、または分散径が0.01〜1μmの海島構造を形成している(i)または(ii)記載のポリエステル樹脂組成物、
(iv)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が0.05〜0.4μmの構造周期を有する両相連続構造、または分散径が0.05〜0.4μmの海島構造を形成している(i)または(ii)記載のポリエステル樹脂組成物、
(v)(C)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性金属イオンがトリアルキルメチルアンモニウムイオンでイオン交換されたものを配合する(i)〜(iv)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(vi)(C)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性金属イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンでイオン交換されたものを配合する(v)に記載のポリエステル樹脂組成物、
(vii)(C)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性金属イオンがベンゼン環を有する有機オニウムイオンでイオン交換されたものを配合する(i)〜(iv)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(viii)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および/または(B)ポリカーボネート樹脂がインターカレートした(C)層状珪酸塩が分散している(i)〜(vii)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(ix)(C)層状珪酸塩が平均層厚み150nm以下で分散している(i)〜(viii)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(x)(C)層状珪酸塩が膨潤性フッ素雲母である(i)〜(ix)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xi)層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して、0.4当量以上0.95当量以下の有機オニウムイオンで置換された(C)層状珪酸塩を配合する(i)〜(x)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xii)(A)と(B)の合計100重量部に対して、さらに(E)成分として無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸から選ばれた少なくとも1種を5重量部以下配合する(i)〜(xi)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xiii)(C)層状珪酸塩の70%以上が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂相に偏在している(i)〜(xii)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xiv)(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂のラメラの長軸方向の平均長さが125nm以下である(i)〜(xiii))のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xv)(A)と(B)の合計100重量部に対して、さらに(F)耐衝撃性改良材を30重量部以下配合する(i)〜(xiv)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xvi)ASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験において、延性破壊を示す(i)〜(xv)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xvii)動的粘弾性試験において、(B)ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度に相当するtanδのピークトップ温度が117℃以上である(i)〜(xvi)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
(xviii)(D)エステル交換防止剤が下記一般式(1)で示される(i)〜(xvii)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物、
O=P(OR)(OH)3−n ・・・(1)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは1あるいは2である。)
(xix)(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(C)層状珪酸塩、(D)エステル交換防止剤を溶融混練して得られる樹脂組成物に、(C)ポリカーボネート樹脂を添加し、溶融混練するポリエステル樹脂組成物の製造方法、および
(xx)得られる樹脂組成物が(i)〜(xviii)のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物である(xix)記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
本発明によれば、線膨張係数が低減され、かつ面衝撃性に優れるポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明で用いる(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、テレフタル酸あるいはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体とを主成分とし重縮合反応によって得られる重合体であって、特性を損なわない範囲において共重合成分を含んでも良い。
これら重合体および共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタレート/ナフタレート)ポリ(ブチレン/エチレン)テレフタレート等が挙げられ、単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
またこれら重合体および共重合体は、成形性、機械的特性の観点からo−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定したときの固有粘度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.50の範囲にあるものが好適であり、さらには0.60〜1.40の範囲にあるものが最も好ましい。
本発明で用いる(B)ポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノールA、つまり2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた1種以上を主原料とするものが好ましく挙げられ、なかでもビスフェノールA、つまり2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料として製造されたものが好ましい。具体的には、上記ビスフェノールAなどをジヒドロキシ成分として用い、エステル交換法あるいはホスゲン法により得られたポリカーボネート樹脂であることが好ましい。さらに、ビスフェノールAの一部、好ましくは10モル%以下を、4,4’−ジヒドロキシジフェニルアルカンあるいは4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどで置換したものも好ましく用いられる。
上記ポリカーボネート樹脂は、優れた耐衝撃性と成形性の観点から、好ましい重量平均分子量としては10000〜80000、より好ましくは20000〜70000、さらに好ましくは30000〜65000である。
本発明では、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の合計100重量部に対して、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂が20重量部以上80重量部以下、(B)ポリカーボネート樹脂が20重量部以上80重量部以下であるものが好ましく、(A)成分が30重量部以上、70重量部以下、(B)成分が30重量部以上、70重量部以下であるものがより好ましい。さらには、(A)成分が40重量部以上60重量部以下、(B)成分が40重量部以上60重量部以下であるものが最も好ましい。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂を20重量部以上、あるいは(B)ポリカーボネート樹脂を80重量部以下とすることで、耐薬品性に優れる樹脂組成物とすることができる。また、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂を80重量部以下、あるいはポリカーボネート樹脂を20重量部以上とすることで、耐衝撃性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
本発明の(C)成分として用いられる層状珪酸塩としては、珪酸マグネシウムまたは珪酸アルミニウムの層から構成される層状フィロ珪酸塩を挙げることができる。その構造は、例えばアルミニウム、マグネシウム、リチウム等から選ばれる元素を含む8面体シートの上下に珪酸4面体シートが重なって1枚の板状結晶層を形成している2:1型であり、その板状結晶層の層間に交換性の陽イオンを有しているものである。通常、幅0.05〜0.5μm、厚さ6〜15オングストロームの板状物が積層した構造を持つ。また、カチオン交換容量は通常0.2〜3meq/gであり、0.8〜1.5meq/gのものが好ましい。
その具体例としてはスメクタイト族(例えば、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バーミキュライト族(例えばバーミキュライト)、雲母族(例えば、白雲母、パラゴナイト金雲母、黒雲母、レピドナイト)、脆雲母族(例えば、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石族(例えば、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト)が挙げられる。これらの層状珪酸塩は天然に産するものでも、人工的に合成され、あるいは変性されたものでもあってもよい。人工の層状珪酸塩の具体例としては、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性フッ素雲母が挙げられる。これらのなかで、スメクタイトや膨潤性フッ素雲母が好ましく、特にモンモリロナイト、Na型四珪素フッ素雲母が好ましい。
本発明における(C)層状珪酸塩の配合量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましい。特に靱性と剛性のバランスから、1〜10重量部がさらに好ましい。0.1重量部以上配合することで、ポリエステル樹脂組成物の線膨張係数を低下させることができ、20重量部以下配合することで、比重の増加を適度に押さえることができ、耐衝撃特性を向上させることができる。
本発明では、比重の増加を極力抑えて線膨張係数の小さいポリエステル樹脂組成物を得ようとするものであるので、(C)層状珪酸塩を平均層厚み150nm以下で微分散させることが好ましい。さらに好ましくは100nm以下である。ここで、(C)層状珪酸塩の平均層厚みは、樹脂組成物成形品から切り出した超薄切片を、透過型電子顕微鏡により観察し、樹脂中に分散している層状珪酸塩の厚み方向のサイズを算出することにより求めることができる。(C)層状珪酸塩は、その層間に交換性金属イオンを有しているので、これを有機オニウムイオンでイオン交換することにより、(C)層状珪酸塩の疎水性を向上させ、ポリマーとの親和性を改良することができる。また、有機オニウムイオンにより層間隔の拡大した(C)層状珪酸塩では、層間へのポリマーの侵入が促進され、さらには層を劈開させることができる。
層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属イオンを交換する有機オニウムイオンとしてはアンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。これらのなかではアンモニウムイオンとホスホニウムイオンが好ましく、特にアンモニウムイオンが好んで用いられる。
アンモニウムイオンとしては、1級アンモニウムイオン、2級アンモニウムイオン、3級アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオンなどいずれでも良い。
1級アンモニウムイオンとしてはデシルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、オクタデシルアンモニウム、オレイルアンモニウム、ベンジルアンモニウムなどのイオンが挙げられる。
2級アンモニウムイオンとしてはメチルドデシルアンモニウム、メチルオクタデシルアンモニウム、アリルシクロヘキシルアンモニウム、ジアリルアンモニウムなどのイオンが挙げられる。
3級アンモニウムイオンとしてはジメチルドデシルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、トリアリルアンモニウムなどのイオンが挙げられる。
4級アンモニウムイオンとしてはベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルドデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウムなどのベンジルトリアルキルアンモニウム、ベンザルコニウム類のイオン、トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、トリヘキサデシルメチルアンモニウムなどのトリアルキルメチルアンモニウム類のイオン、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウムなどのアルキルトリメチルアンモニウム類のイオン、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムなどのジメチルジアルキルアンモニウム類のイオン、ジアリルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
また、これらの他にもアニリン、p−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミン、p−アミノジメチルアニリン、ベンジジン、ピリジン、ピペリジン、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、3−アミノ−1−プロパノールビニルエーテル、2−(ジエチルアミノ)エタノールビニルエーテル、エタノールアミン誘導体、ジエタノールアミン誘導体などから誘導されるアンモニウムイオン類、それらのエチレンオキシド付加体なども挙げられる。
(C)層状珪酸塩を平均層厚み150nm以下で分散させるためには、層間に存在する交換性金属イオンが有機オニウムイオンでイオン交換された(C)層状珪酸塩を広角X線回折測定した場合に観測される層間隔が1.5nm以上となる有機オニウムイオンを用いることが有効である。また、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、および/あるいは(B)ポリカーボネート樹脂と親和性に優れる有機オニウムイオンとして、ベンゼン環を有するイオン、あるいは長鎖アルキル基を有するイオンなどが挙げられる。その具体例として、ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、ベンジルジメチルドデシルベンザルコニウム、トリオクチルメチルアンモニウムなどのイオンが挙げられる。
これらのオニウムイオンは単独で用いても、2種類以上を併用しても良い。
これら有機オニウムイオンによる層状珪酸塩のイオン交換処理は、水、メタノール、エタノールなどの極性溶媒中でのイオン交換反応による方法か、層状珪酸塩に液状あるいは溶融させたアンモニウム塩を直接反応させることによる方法のどちらを用いても良い。
本発明において、層状珪酸塩に対する有機オニウムイオンの量は、層状珪酸塩の分散性、溶融時の熱安定性、成形時のガス、臭気の発生抑制などの点から、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対し、通常、有機オニウムイオンが、0.3当量以上2.0当量以下の範囲となるよう使用されるが、0.35当量以上1.2当量以下であることが好ましい。さらに好ましくは、0.4当量以上0.95当量以下である。
層状珪酸塩に含まれる有機オニウムイオンの量は、有機オニウムイオンで置換された層状珪酸塩を500℃の電気炉で3時間灰化させた前後の重量変化から求めることができる。
本発明では、線膨張係数の小さいポリエステル樹脂組成物を得ようとするものであるので、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および/あるいは(B)ポリカーボネート樹脂の一部が、(C)層状珪酸塩の層間にインターカレートすることが、それらの分子運動を効果的に抑制できるため好ましい。(C)層状珪酸塩の層間に(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および/あるいは(B)ポリカーボネート樹脂がインターカレートしているか確認するには、本発明のポリエステル樹脂組成物またはそれを成形してなる成形品の広角X線回折により観察された(C)層状珪酸塩の層間隔に相当するピークが、原料として用いた(C)層状珪酸塩の広角X線回折により得られる層間隔に相当するピークよりも、低角度側に観察されることで判断することができる。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および/あるいは(B)ポリカーボネート樹脂がインターカレートした(C)層状珪酸塩が分散したポリエステル樹脂組成物を得るためには、原料として、ベンゼン環を有するイオンか、ホスホニウムイオンで有機化された層状珪酸塩を用いる、あるいは層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して0.4当量以上0.95当量以下の有機オニウムイオンで有機化した層状珪酸塩を用いることが有効である。
本発明では、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が0.01〜1μmの構造周期を有する両相連続構造、または分散径が0.01〜1μmの海島構造を形成することが好ましい。また、前記構造周期あるいは分散径を0.05〜0.4μmとすることがさらに好ましく、更に好ましくは、0.05〜0.3μmである。構造周期あるいは分散径が0.01μm以上の構造である場合には、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂のエステル交換反応の進行が少なく、マトリックスである(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂や(B)ポリカーボネート樹脂の分子量低下がおきにくく、耐衝撃性が向上するため好ましい。また、1μm以下の場合には、衝撃を受けたときに応力が均一に分散、耐衝撃性が向上するので好ましい。
かかる両相連続構造、もしくは分散構造が得られていることの確認は、分解能がすくなくとも1nm以下の透過型電子顕微鏡で観察し、最終的に30000倍以上に拡大した写真を観察することにより行うことができる。なお、構造周期または分散径を画像解析により算出する場合には、精度向上の点から最終的に1000倍以下に拡大した写真を使用することが好ましい。その他に、光散乱装置や小角X線散乱装置を用いて行う散乱測定において、散乱極大が現れることにより構造を確認することも可能である。なお、光散乱装置、小角X線散乱装置は最適測定領域が異なるため、構造周期の大きさに応じて適宜選択して用いられる。この散乱測定における散乱極大の存在は、ある周期を持った規則正しい相分離構造が存在することの証明であり、その周期Λm は、両相連続構造の場合構造周期に対応し、分散構造の場合粒子間距離に対応する。またその値は、散乱光の散乱体内での波長λ、散乱極大を与える散乱角θm を用いて次式
Λm =(λ/2)/sin(θm /2)
により計算することができる。
本発明において、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂を混合する際に(C)層状珪酸塩を共存させると、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が形成する相構造の構造周期、または分散径が著しく微細化される傾向にある。さらには、通常(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂には、チタン触媒に代表されるエステル交換反応触媒が含まれるため、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂を混合する場合には、両者間でのエステル交換反応により、融点、分子量の低い共重合体が生成される傾向がある。その結果、得られる組成物中では、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が0.01μm未満の構造周期を有する両相連続構造、または分散径が0.01μm未満の構造を形成し、ポリエステル樹脂組成物中のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度が著しく低下する。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の相構造を精密に制御するためには、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂に含まれるエステル交換反応触媒を失活させることが必要である。
本発明では、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂に含まれるエステル交換反応触媒を失活させる添加剤として、(D)エステル交換防止剤を配合することが重要である。(D)エステル交換防止剤としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂に含まれるエステル交換反応触媒を失活する化合物であれば特に制限なく用いることができるが、ホスファイト系化合物やホスフェート系化合物が好ましく用いられる。
ホスファイト系化合物の具体例としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、および(f) テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイトなどが挙げられる。
また、ホスフェート系化合物としては、下記一般式(1)
O=P(OR)(OH)3−n ・・・(1)
(式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは1あるいは2である)で表される化合物が挙げられる。
具体的には、モノ−あるいはジ−メチルアシッドホスフェート、モノ−あるいはジ−エチルアシッドホスフェート、モノ−あるいはジ−ブチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホスフェート、モノ−あるいはジ−ラウリルアシッドホスフェート、モノ−あるいはジ−ステアリルアシッドホスフェート、モノ−あるいはジ−オレイルアシッドホスフェートなどが挙げられる。好ましくは、モノ−あるいはジ−ステアリルアシッドホスフェートである。これらホスフェート系化合物は単独あるいは2種以上を併用して用いられる。
ホスフェート系化合物は、ホスファイト系化合物よりも、エステル交換反応触媒の失活速度が速いため、より好ましく用いられる。
本発明においては、図1に示したように、(C)層状珪酸塩の70%以上が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂相に偏在していることが好ましい。偏在しているとは、個々の(C)層状珪酸塩とポリマーとの界面の70%以上が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂との界面である場合と定義する。この場合には、耐衝撃性に優れる(B)ポリカーボネート樹脂相が、効果的に衝撃エネルギーを吸収するため、本発明のポリエステル樹脂組成物が、より高い耐衝撃性を示す。(C)層状珪酸塩が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂相に偏在化しているか確認するためには、(C)ポリカーボネート樹脂相を染色して、分解能が少なくとも1nm以下の透過型電子顕微鏡で観察し、最終的に30000倍以上に拡大した写真を観察し、任意に100個選択した(C)層状珪酸塩が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂相に存在している割合を求めることにより判断することができる。
また、本発明では(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂のラメラ結晶を任意に100本選択した際のラメラの長軸方向の平均長さが125nm以下であることが高い耐衝撃性を得るためには好ましい。ここで言うラメラ結晶とは、ポリブチレンテレフタレート樹脂の折り畳み鎖によって形成される結晶物を表し、その結晶成長方向を長軸方向と定義する。ラメラ結晶の長軸方向の長さが125nmより長い場合には、衝撃を受けた場合に、クラックが伝播しやすく、衝撃性を低下させる要因となる場合がある。かかるラメラ結晶の長軸方向の長さは、上述した手法と同様に透過型電子顕微鏡で観察することにより求めることができる。特に、粒径の小さい(C)層状珪酸塩を原料として用いた場合に、ラメラの長軸方向の長さが短くなる傾向がある。
本発明では、面衝撃性に優れるポリエステル樹脂組成物を得ようとするものであるので、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、および/あるいは(B)ポリカーボネート樹脂と(C)層状珪酸塩との親和性を向上させる、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および/あるいは(B)ポリカーボネート樹脂の分子量を増大させる目的で、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤を添加することが有効である。
カップリング剤として好ましいのは、有機シラン系化合物(シランカップリング剤)であり、その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物などが挙げられる。特に、エポキシ基含有アルコキシシラン化合物、炭素炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物が好ましく用いられる。これらシランカップリング剤は単独で用いても、2種類以上を併用して用いても良い。
本発明のポリエステル樹脂組成物への、これらシランカップリング剤の添加は、予め(C)層状珪酸塩をカップリング剤で処理する方法、あるいは原料を混合する際に添加するいわゆるインテグラルブレンド法が挙げられる。カップリング剤の添加量は、(C)層状珪酸塩100重量部に対し、通常0.01〜20重量部の範囲であり、0.05〜15重量部であることがより好ましい。
また、本発明において、有機アンモニウムイオンで有機化した層状珪酸塩を使用し、溶融混練によってポリエステル樹脂組成物を製造する場合には、耐熱性の低い有機アンモニウムイオンの影響により、ポリカーボネートの分解が促進される場合がある。4級アンモニウム塩は、ホフマン脱離と呼ばれる化学反応により熱分解されアミンを形成することが知られており、ポリカーボネートの分解がアミンにより生じている可能性がある。本発明では、熱分解によって生じたアミンを中和するため、(E)成分として酸を添加することが好ましい。具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、またはこれらオレフィン化合物の重合体、後述する耐衝撃性改良材として用いる酸変性された重合体などが挙げられるが、無水マレイン酸が最も好ましい。本発明における(E)酸成分の配合量は、(A)と(B)の総量100重量部に対して、5重量部以下であることが好ましい。ただし、(E)成分として無水マレイン酸等で変性されたポリマーを配合する場合には、酸成分中の無水マレイン酸量が5重量部以下となるように配合する事が好ましい。(E)酸成分が5重量部より多い場合には、過剰な酸によりポリエステル樹脂組成物の加水分解が促進される傾向がある。
さらに、本発明では、(F)成分として耐衝撃改良材を配合することができる。用いられる耐衝撃性改良材としては、ガラス転移温度が20℃以下、より好ましくは0℃以下、さらに好ましくは−10℃以下である重合体あるいはその共重合体が用いられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロプレン、エチレン/プロピレン共重合体、酸変性エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、酸変性エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、酸変性エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン/グリシジルアクリレート共重合体、エチレン/アクリル酸アルキルエステル共重合体(たとえば、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体)、ジエンゴム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)およびジエンとビニル単量体との共重合体(たとえばスチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体、スチレン/イソプレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、ポリイソブチレンおよびイソブチレンとブタジエン又はイソプレンとの共重合体、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴムなどが挙げられる。本発明では、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および(B)ポリカーボネート樹脂の相構造を精密に制御する必要があるため、耐衝撃性改良材としては、これらマトリックスとエステル交換反応を引き起こす懸念のあるポリエステルエラストマーやポリアミドエラストマーは含まない。
本発明における(F)耐衝撃性改良材の配合量は、(A)と(B)の総量100重量部に対して、30重量部以下が好ましい。30重量部以下とすることで、線膨張係数の低減効果を損なうことがなく好ましい。
本発明では、前記(D)エステル交換防止剤により、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の相構造を制御することで、耐衝撃性に優れたポリエステル樹脂組成物を得ることができ、縦80mm、横80mm、厚み3mmの成形品を用いて、23℃、撃芯径1/2インチ(先端は半球状)、受け台穴径2インチ、最大荷重1トン、衝突速度10m/sでASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験における破壊エネルギーが、30J以上のポリエステル樹脂組成物を得ることができる。40J以上であることがさらに好ましい。なお、破壊エネルギーは、高速面衝撃試験を少なくとも3回以上行い、それらを平均した値である。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は上記と同条件で測定した高速面衝撃試験において、脆性破壊ではなく、延性破壊する組成物とすることができる。ここで言う脆性破壊とは、撃芯貫通後、試料が破壊して飛び散る、あるいは試料が破壊しなくても貫通部が変形せずに割面がシャープな状態を示す。また、延性破壊とは、撃芯貫通後、試料が破壊せずに残っていて、変形部は一様に突出して残っている状態を示す。
さらに、本発明では、薄肉試験片においても耐衝撃特性に優れるポリエステル樹脂組成物を得ることができ、1mm厚の成形品を用いて、上記と同様の条件で、ASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験における破壊エネルギーが、10J以上の組成物を得ることができ、さらには薄肉試験片であっても延性破壊する組成物を得ることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が形成する相構造が制御されているか確認する手法として、ポリエステル樹脂組成物における(B)ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度を指標として用いることができる。具体的には、本発明のポリエステル樹脂組成物の成形品を曲げモードで動的粘弾性試験した場合に現れる、(B)ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度に相当するtanδのピークトップ温度が117℃以上であることが好ましい。117℃未満の場合には、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂のエステル交換反応が著しく進行している可能性があるため好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、寸法安定性に優れたポリエステル樹脂組成物であり、3mm厚の成形品を用いて、−30〜80℃の温度領域で測定した時の線膨張係数が7.5×10−5/℃以下のものを得ることができる。7.5×10−5/℃より大きい場合には、寸法安定性に劣るため好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法として、原料の(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂、(C)層状珪酸塩、前記(D)エステル交換防止剤を溶融混練する方法が挙げられる。その混練方法には特に制限はなく、例えば単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混練機を用いることができるが、二軸押出機を用いることが好ましい。また、溶融混練時に発生する水分や低分子量の揮発成分を除去する目的で、ベント口を設けることも好んで用いられる。また、(E)酸成分や(F)耐衝撃性改良剤を添加する場合は(A)〜(D)を溶融混練している任意の時期に添加して混練すれば良い。
本発明では、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(C)層状珪酸塩、前記(D)エステル交換防止剤を予め溶融混練して得られる組成物を、(B)ポリカーボネート樹脂と溶融混練する方法が、低線膨張率と耐衝撃性のバランスに優れるため好ましい。また、メインフィーダーに(A)、(C)、(D)成分を添加し、サイドフィーダーから(B)成分を添加する方法も好ましく用いられる。
さらに、(C)層状珪酸塩を添加して(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、あるいは(B)ポリカーボネート樹脂を重合して、層状珪酸塩添加組成物を予め製造しておき、これをもう一方の樹脂および(D)エステル交換防止剤と混練する方法、さらには溶液中で混合する方法や、固相で混合する方法なども用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、結晶核剤の添加により、結晶化速度を早くすることができる。
結晶核剤としては、本発明のポリエステル樹脂組成物の結晶化を促進する化合物であれば特に制限なく用いることができ、無機系結晶核剤および有機系結晶核剤のいずれも使用することができる。無機系結晶核剤としては、タルク、マイカ、カオリン、シリカ、酸化マグネシウムなどを挙げることができる。また、有機系結晶核剤としては、有機カルボン酸金属塩、有機スルホン酸金属塩、有機リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール誘導体、ロジン金属塩などを挙げることができる。これらの中で、タルク、マイカ、カオリンを好ましく使用することができる。
結晶核剤の添加量は、(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の合計100重量部に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.02〜15重量部、さらに好ましくは0.03〜10重量部である。
本発明のポリエステル樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲で、他の充填材、他種ポリマーなどを添加することができる。これらは、任意の時期に添加してよい。充填材としては一般に樹脂用フィラーとして用いられる公知のものが用いられ、本発明のポリエステル樹脂組成物の強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などを改良できる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、パイロフィライト、アスベスト、アルミノシリケート、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカなどが挙げられる。これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填材を2種類以上用いることも可能である。また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で処理して使用してもよい。本発明のポリエステル樹脂組成物を効果的に補強するには、前記充填材の中でも、特にガラス繊維、炭素繊維を添加することが好ましい。
さらに、本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)を任意の時点で添加することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系、硫黄系、リン系化合物などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリトリチル(3−ラウリルチオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
これら酸化防止剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせると相乗的な効果が得られることがあるので、併用して使用してもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形のみならず、溶融紡糸、フィルム成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形でき、自動車部品、特にフロントフェンダー、リアフェンダー、ドアパネル、バックドアなどの垂直外板部品や電機部品などに好適に使用することができる。
その他の自動車部品の例としては、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、エアフローメーター、エアポンプ、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、サーモスタットハウジング、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブ−スター部品、各種ケース、燃料関係・排気系・吸気系等の各種チューブ、各種タンク、燃料関係・排気系・吸気系等の各種ホース、各種クリップ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、各種パイプ、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、ブレーキパッド摩耗センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコンパネルスイッチ基板、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ステップモーターローター、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー、スタータースイッチ、スターターリレー、安全ベルト部品、ドアロックハウジング、ドアロックプロテクター等のドアロック部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、デュストリビューター、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジング、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、ホーンターミナル、ウィンドウォッシャーノズル、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプソケット、ランプハウジング、ランプベゼル、ドアハンドル、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクター、ヒューズ用コネクターなどの各種コネクターなどが挙げられる。
また、電気部品の例としては、コネクター、コイル、各種センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネット、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスク・DVD等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、携帯電話関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等の光学機器/精密機械関連部品などが挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
[層状珪酸塩の層間隔]
リガクX線回折装置RINT2100、Cu線源(λ=0.15406nm)を用いて、原料となる層状珪酸塩およびポリエステル樹脂組成物中に分散した層状珪酸塩の(001)面由来の回折ピークから求めた。
[構造周期あるいは分散径]
成形片から一部を切り出し、公知の方法によりポリカーボネート相を染色した後、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片を作成して、日立製作所透過型電子顕微鏡H−7100(分解能:0.204nm(格子像)、0.38nm(粒子像)、カメラシステム:ボトム型)により観察し、最終的に650倍に拡大した写真を画像解析し、構造周期を求めた。
[層状珪酸塩の層厚み]
上記と同様、透過型電子顕微鏡により観察し、最終的に50000倍に拡大した写真から任意に層状珪酸塩を100個選択し、それらの厚み方向のサイズを測定し、平均値を求めた。
[層状珪酸塩のポリブチレンテレフタレート相への偏在化割合]
上記と同様、透過型電子顕微鏡により観察し、最終的に50000倍に拡大した写真から、任意に層状珪酸塩を100個選択し、ポリブチレンテレフタレート相に偏在している割合を算出した。
[ポリブチレンテレフタレート樹脂のラメラ結晶の長軸方向長さ]
上記と同様、透過型電子顕微鏡により観察し、最終的に100000倍に拡大した写真から、ポリブチレンテレフタレート樹脂のラメラ結晶を任意に100本選択し、その長軸方向の長さの平均値を算出した。
[線膨張係数]
縦80mm、横80mm、厚み3mmの成形品から縦5mm、横3mm、高さ10mmの大きさに切り出した試験片を−30℃から80℃まで5℃/minの速度で昇温させた時の寸法変化から求めた。
[高速面衝撃試験]
島津製作所製サーボパルサーEHF−U2H−20L型高速面衝撃試験機を用い、
縦80mm、横80mm、厚み3mmの成形品を試料として、23℃、撃芯径1/2インチ(先端は半球状)、受け台穴径2インチ、最大荷重1トン、衝突速度10m/sでASTM D3763法に従って破壊吸収エネルギーを測定した。本試験において、撃芯貫通後、試料が破壊して飛び散る、あるいは試料が破壊しなくても貫通部が変形せずに割面がシャープな状態を示すものを脆性破壊、撃芯貫通後、試料が破壊せずに残っていて、変形部は一様に突出して残っている状態を示すものを延性破壊とした。
[動的粘弾性]
3mm厚の成形品から、長さ55mm、幅13mmの試験片を切り出し、SII製DMS6100を用い、曲げモードにて、周波数1Hz、チャック間距離20mm、昇温速度2℃/分、20℃〜210℃で測定し、ポリエステル樹脂組成物中のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度に対応するtanδのピークトップの温度を求めた。
参考例1(有機化層状珪酸塩の製造)
膨潤性フッ素雲母(コープケミカル、ソマシフME−100、陽イオン交換容量:120meq/100g、平均粒径5〜7μm)100gを温水10Lに撹拌分散し、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(東京化成)48g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して1当量)を溶解させた温水2Lを添加して2時間撹拌した。生じた沈殿を濾別した後、温水で洗浄した。この洗浄と濾別の操作を3回行い、得られた固体を80℃で真空乾燥して、トリオクチルメチルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例2(有機化層状珪酸塩の製造)
Na型モンモリロナイト(クニミネ工業、クニピアF、陽イオン交換容量:119meq/100g)100gを温水10Lに撹拌分散し、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(東京化成)48g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して1当量)を溶解させた温水2Lを添加して2時間撹拌した。生じた沈殿を濾別した後、温水で洗浄した。この洗浄と濾別の操作を3回行い、得られた固体を80℃で真空乾燥して、トリオクチルメチルアンモニウムイオンで有機化されたモンモリロナイトを得た。
参考例3(有機化層状珪酸塩の製造)
トリオクチルメチルアンモニウムクロリドの代わりに、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド(東京化成)51g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して1当量)を用いる以外は、参考例2と全く同様の方法で、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムイオンで有機化されたモンモリロナイトを得た。
参考例4(有機化層状珪酸塩の製造)
トリオクチルメチルアンモニウムクロリドの代わりに、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成)22g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して1当量)を用いる以外は、参考例1と全く同様の方法で、ベンジルトリメチルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例5(有機化層状珪酸塩の製造)
膨潤性フッ素雲母(コープケミカル、ソマシフS1ME、陽イオン交換容量:100meq/100g、平均粒径1〜3μm)100gを温水10Lに撹拌分散し、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(東京化成)41g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して1当量)を溶解させた温水2Lを添加して2時間撹拌した。生じた沈殿を濾別した後、温水で洗浄した。この洗浄と濾別の操作を3回行い、得られた固体を80℃で真空乾燥して、トリオクチルメチルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例6(ポリエーテルエステルの製造)
テレフタル酸48部、1,4ブタンジオール52部、およびチタン触媒0.1部を230℃、3hの条件で重合を行い、数平均分子量255のビスヒドロキシブチルテレフタレートを得た。ビスヒドロキシブチルテレフタレート25部、数平均分子量6000のポリエチレングリコール75部およびヒンダードフェノール系酸化防止剤0.1部ヘリカルリボン攪拌翼を備えた反応容器に仕込み、窒素置換後240℃で少量の窒素を流しながら加熱攪拌して均質な透明溶液とした後、チタン触媒0.1部を加え、250℃、0.3mmHgの真空下で3時間重合してポリエーテルエステル共重合体を得た。
参考例7(有機化層状珪酸塩の製造)
膨潤性フッ素雲母(コープケミカル、ソマシフME−100、陽イオン交換容量:120meq/100g、平均粒径5〜7μm)100gを温水10Lに撹拌分散し、ここにトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(東京化成)32g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して0.67当量)を溶解させた温水2Lを添加して2時間撹拌した。生じた沈殿を濾別した後、温水で洗浄した。この洗浄と濾別の操作を3回行い、得られた固体を80℃で真空乾燥して、トリオクチルメチルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例8(有機化層状珪酸塩の製造)
有機化試薬としてトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(東京化成)21g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して0.5当量)を用いる以外は、参考例7と全く同様の方法でトリオクチルメチルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例9(有機化層状珪酸塩の製造)
有機化試薬として、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(東京化成)21g、およびベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド(アルドリッチ)23gを併用する以外は参考例7と全く同様の方法でトリオクチルメチルアンモニウムイオンおよびベンジルジメチルドデシルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例10(有機化層状珪酸塩の製造)
有機化試薬として、トリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミド(東京化成)61g(膨潤性フッ素雲母の陽イオン交換容量に対して1当量)を使用する以外は参考例7と全く同様の方法でトリブチルヘキサデシルホスホニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
参考例11(有機化層状珪酸塩の製造)
有機化試薬として、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド(アルドリッチ)46gを使用する以外は参考例7と全く同様の方法でベンジルジメチルドデシルアンモニウムイオンで有機化された膨潤性フッ素雲母を得た。
実施例1〜19、比較例2、3
表1、表2および表3に示す組成になるように、ポリブチレンテレフタレート樹脂、層状珪酸塩、エステル交換防止剤、(シランカップリング剤)、(酸化防止剤)を配合し、ドライブレンドした後、シリンダ温度を250℃に設定したPCM30型二軸押出機(池貝鉄鋼)で溶融混練し、ポリブチレンテレフタレート/層状珪酸塩樹脂組成物を得た。得られた組成物を110℃で12時間熱風乾燥した後、ポリブチレンテレフタレート/層状珪酸塩組成物にポリカーボネート樹脂、核剤、(耐衝撃性改良材)、(無水マレイン酸)を配合してドライブレンドした後、シリンダ温度を240℃に設定した前記と同様の押出機で溶融混練し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
比較例1、4〜6
表3に示す組成になるように、すべての原料を配合し、ドライブレンドした後、シリンダ温度を240℃に設定した実施例1と同様の押出機で溶融混練し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
比較例7
表3に示す組成になるように、ポリエチレンテレフタレート樹脂、層状珪酸塩を配合し、ドライブレンドした後、シリンダ温度を280℃に設定した実施例1と同様の押出機で溶融混練し、ポリエチレンテレフタレート/層状珪酸塩樹脂組成物を得た。得られた組成物を130℃で12時間熱風乾燥した後、ポリエチレンテレフタレート/層状珪酸塩組成物にポリカーボネート樹脂、エステル交換防止剤、核剤を配合してドライブレンドした後、シリンダ温度を280℃に設定した前記と同様の押出機で溶融混練し、ポリエステル樹脂組成物を得た。
なお、原料は以下に示すものを使用した。
PBT:25℃、o−クロロフェノール溶液の固有粘度が1.24のポリブチレンテレフタレート
PET:25℃、o−クロロフェノール溶液の固有粘度が0.69のポリエチレンテレフタレート
PC:ポリカーボネート(出光興産(株)製“タフロン”A2600)
耐衝撃性改良材:メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体((株)カネカ製“カネエース”M511)
シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング(株)製 SH6040)
核剤:タルク(富士タルク(株)製 LMS300)
エステル交換防止剤:
ホスフェート系化合物(旭電化工業(株)製アデカスタブAX−71)
ホスファイト系化合物(旭電化工業(株)製アデカスタブPEP−8)
酸化防止剤:テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製 Irganox1010)
Figure 2008106211
Figure 2008106211
Figure 2008106211
実施例1と比較例2、3の比較から、ポリエステル樹脂組成物中に分散した層状珪酸塩の層厚みが大きい場合には、線膨張係数の低減効果が小さく、かつ面衝撃特性は脆性破壊となるため、層厚みを150nm以下にすることが必要である。
実施例1と比較例5から、層間に交換性陽イオンを有さないタルクが分散した場合には、層厚みが大きく、面衝撃特性が脆性破壊となることから、層状珪酸塩としては、膨潤性層状珪酸塩を用いることが必要である。
実施例3と比較例6から、線膨張係数、面衝撃の観点から、耐衝撃性改良材としては、ポリエーテルエステル共重合体は不適である。
実施例1と比較例7から、面衝撃の観点から、原料のポリエステル樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いることが必要である。
実施例8と比較例4の比較から、原料として用いる層状珪酸塩の種類によっては、すべての原料を一括混練して組成物を作成した場合に、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂から構成される相構造の構造周期が0.01μm未満となり、面衝撃特性が脆性破壊となるため、層状珪酸塩の種類によって、最適なエステル交換防止剤添加量、混練方法を選択すべきである。
実施例1と実施例9の比較から、原料として用いる層状珪酸塩の平均粒径が小さい方が、ポリブチレンテレフタレート樹脂のラメラ結晶が小さくなり、面衝撃特性に優れる傾向がある。
実施例1と実施例11、13の比較から、層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して、1当量未満の有機オニウムイオンで置換された層状珪酸塩を用いる方が、ガラス転移温度(tanδmax)が向上する傾向がある。また、実施例1と実施例17、18の比較から、無水マレイン酸を添加することによっても、同様の効果が発現する。
以上の結果から、層状珪酸塩を微分散させ、エステル交換防止剤を用いて、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂の相構造を制御することにより、低線膨張率と面衝撃特性のバランスに優れたポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の1例を顕微鏡観察した場合の相構造の模式図である。

Claims (20)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(B)ポリカーボネート樹脂、(C)層状珪酸塩、および(D)エステル交換防止剤を配合してなるポリエステル樹脂組成物であって、ASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験における破壊エネルギーが、30J以上であるポリエステル樹脂組成物。
  2. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂の重量比が20:80〜80:20であり、(A)と(B)の合計100重量部に対して、(C)層状珪酸塩0.1〜20重量部、前記(D)エステル交換防止剤0.001〜1重量部を配合してなる請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が0.01〜1μmの構造周期を有する両相連続構造、または分散径が0.01〜1μmの海島構造を形成している請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)ポリカーボネート樹脂が0.05〜0.4μmの構造周期を有する両相連続構造、または分散径が0.05〜0.4μmの海島構造を形成している請求項1または2記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. (C)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性金属イオンがトリアルキルメチルアンモニウムイオンでイオン交換されたものを配合する請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. (C)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性金属イオンがトリオクチルメチルアンモニウムイオンでイオン交換されたものを配合する請求項5に記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. (C)層状珪酸塩として、その層間に存在する交換性金属イオンがベンゼン環を有する有機オニウムイオンでイオン交換されたものを配合する請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  8. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂および/または(B)ポリカーボネート樹脂がインターカレートした(C)層状珪酸塩が分散している請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  9. (C)層状珪酸塩が平均層厚み150nm以下で分散している請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  10. (C)層状珪酸塩が膨潤性フッ素雲母である請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  11. (C)層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して、0.4当量以上0.95当量以下の有機オニウムイオンで置換された(C)層状珪酸塩を配合する請求項1〜10いずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  12. (A)と(B)の合計100重量部に対して、さらに(E)成分として無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸から選ばれた少なくとも1種を5重量部以下配合する請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  13. (C)層状珪酸塩の70%以上が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂相に偏在している請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  14. (B)ポリブチレンテレフタレート樹脂のラメラの長軸方向の平均長さが125nm以下である請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  15. (A)と(B)の合計100重量部に対して、さらに(F)耐衝撃性改良材を30重量部以下配合する請求項1〜14のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  16. ASTM D3763法に従って測定した高速面衝撃試験において、延性破壊を示す請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  17. 動的粘弾性試験において、(B)ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度に相当するtanδのピークトップ温度が117℃以上である請求項1〜16のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
  18. (D)エステル交換防止剤が下記一般式(1)で示される請求項1〜17のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物。
    O=P(OR)(OH)3−n ・・・(1)
    (式中、Rは炭素数1〜30のアルキル基であり、nは1あるいは2である。)
  19. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(C)層状珪酸塩、(D)エステル交換防止剤を溶融混練して得られる樹脂組成物に、(C)ポリカーボネート樹脂を添加し溶融混練するポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  20. 得られる樹脂組成物が請求項1〜18のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物である請求項19記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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