JP2016056260A - ポリアミド樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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大 秋田
中川 裕史
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梅津 秀之
Hideyuki Umezu
秀之 梅津
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Abstract

【課題】流動性、溶融滞留安定性および金属密着性に優れ、無機充填材を配合することにより機械強度に優れる成形品を得ることのできるポリアミド樹脂を提供すること。
【解決手段】テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする単量体の重縮合により得られる、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.6以上2.2未満であり、かつアミノ末端基量/ピロリジン含有量の比が1.5以上であるポリアミド樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要構成成分とする、流動性、溶融滞留安定性、金属密着性に優れるポリアミド樹脂に関するものである。
ポリアミド樹脂は、強度・靭性・耐熱性が高いため、特に無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物として、自動車用途を中心に広く使用されている。しかしながら、ポリアミド樹脂はアミド結合を有するため、大気中に放置するだけでも吸水して強度が低下する課題があった。
また、近年の電機・電子機器には、小型化の流れから射出成形時の流動性に優れる樹脂材料が望まれているが、併せて樹脂と金属部品との複合材料による部品設計が主流となっており、防水性、封止性を得るために、樹脂・金属間の高い密着性が重要となっている。しかしながら、樹脂は金属に比べて温度変化や吸水によって寸法変化しやすく、金属との密着性が低下することが知られている。金属との密着性向上の手法としては、例えば特許文献1には、無機質繊維を分散させた樹脂材料を基に形成された樹脂部材に金属を配した樹脂金属複合体が開示されている。また、特許文献2には、表面の一部又は全面に凹凸部を有するアルミニウム合金製のアルミ形状体と樹脂成形体とを含み、アルミ形状体の表面には前記凹凸部に起因した複数の凹状部が形成され、これらの凹状部内には前記熱可塑性樹脂の射出成形時に熱可塑性樹脂が進入して固化した樹脂成形体の嵌入部が形成され、前記凹状部と嵌入部とによりアルミ形状体と樹脂成形体とが互いに係止されているアルミ・樹脂射出一体成形品が開示されている。しかしながら、これらの特許文献に開示された樹脂材料は流動性および溶融滞留安定性が不十分である課題があった。
特許文献3には、テトラメチレンジアミンと炭素数8から14の脂肪族ジカルボン酸を構成単位に含むポリアミド樹脂を、オリゴマーを作製後、固相重合する2段重合法が開示されている。また、特許文献4には、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸、またはその塩を加熱重縮合して得られる、98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が2.2〜5.0、分散度が2.7以下のポリアミド樹脂が開示されている。これらの特許文献には、実施例においてポリアミド410が開示されている。ポリアミド410は、ポリアミド66と同等の強度を有しながら飽和吸水率が低いため、例えば、大気平衡吸水時の強度は、ポリアミド66はもちろん、ポリアミド6および610と比較しても高い。また、温度変化による膨張(線膨張率)も、ポリアミド66と同等で、ポリアミド610よりも小さい。しかしながら、流動性、溶融滞留安定性および金属との密着性がなお不十分である課題があった。
また、近年では、強度・剛性を向上させることを目的に、無機充填材を高充填させた材料開発も行われている。この高充填系においては、成形加工時の流動性確保、混練時における無機充填材の折損抑制およびせん断発熱による樹脂分解抑制のために、ベース樹脂として溶融粘度の低い樹脂を使用することが好ましい。ベース樹脂の溶融粘度を低くする方法としては、例えば、ポリアミド樹脂であれば、硫酸溶液における相対粘度(重合度)を低くすることが挙げられる。例えば、特許文献5には、相対粘度が1.4〜1.8であり末端カルボキシル基濃度が50mek/g以下であるポリメタキシリレンアジパミドを含むポリアミド樹脂に、偏平断面ガラス繊維からなるガラス繊維束を添加した混合物を溶融混練して得られるガラス繊維強化ポリアミド樹脂組成物が開示され、ポリアミドMXD6、ポリアミド66、ポリアミド6などのポリアミド樹脂を用いた実施例が挙げられている。しかしながら、これらのポリアミド樹脂は吸水率が高いため、大気平衡吸水時に強度が低下するという課題があった。
特開2010−274456号公報 国際公開第2009/151099号 国際公開第00/09586号 国際公開第2010/098335号 国際公開第2010/087192号
本発明は、流動性、溶融滞留安定性および金属密着性に優れ、無機充填材を配合することにより機械強度に優れる成形品を得ることのできるポリアミド樹脂を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく検討した結果本発明者らは、線膨張率が小さく低吸水である、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする単量体の重縮合により得られるポリアミド樹脂において、樹脂濃度98%の硫酸溶液の25℃における相対粘度と、アミノ末端基量とピロリジン含有量の比を調整することにより、流動性、溶融滞留安定性および金属密着性が著しく向上することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする単量体を重縮合することにより得られる、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.6以上2.2未満であり、かつアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5以上であるポリアミド樹脂、
(2)ピロリジン末端基量が6.0×10−5mol/g以下である、(1)に記載のポリアミド樹脂、
(3)融点+35℃で5分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度をA、融点+35℃で30分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度をBとしたとき、B/Aが0.7〜1.2である、(1)または(2)のいずれかに記載のポリアミド樹脂、
(4)炭素数7以上のジカルボン酸がアゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸および/またはドデカン二酸である、(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂、
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂100重量部に対し、無機充填材0.1〜400重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物、
(6)テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸、またはその塩を加熱重縮合し、融点以上の温度で溶融重合する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法、
(7)201℃未満の温度で、原料中の水含有量を30重量%以下に濃縮する工程を有する、請求項6に記載のポリアミド樹脂の製造方法、
である。
本発明によれば、流動性、溶融滞留安定性および金属密着性に優れるポリアミド樹脂を提供することが可能となる。本発明のポリアミド樹脂に無機充填材を配合することにより、機械強度に優れる成形品を提供することができる。
本発明のポリアミド樹脂は、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする単量体を重縮合して得られる。かかるポリアミド樹脂は線膨張率が低く、低吸水性であるため、金属密着性に優れ、無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物において、特に吸水時に成形品の機械強度に優れる。ここで、「テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする」とは、ポリアミド樹脂の原料である単量体全量中、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を合計70重量%以上含むことを意味する。75重量%以上含むことが好ましく、80重量%以上含むことがより好ましい。テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分として、さらに他の成分を共重合したものであってもよい。
本発明で用いる炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、1、2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。特に、耐熱性と溶融滞留安定性のバランスに優れるアゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が好ましい。
共重合することができる他の成分としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムなどが挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。
本発明のポリアミド樹脂は、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.6以上2.2未満である。相対粘度は重合度と相関があり、相対粘度が1.6より小さいと、ポリアミド樹脂自体の強度が低下し、特に無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物において、成形品の機械強度が著しく低下する。相対粘度は1.7以上が好ましい。一方、相対粘度が2.2以上であると、流動性が乏しくなり、特に無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物において、無機充填材の折損やせん断発熱による樹脂分解が生じやすく、成形品の機械強度が低下する。また、相対粘度が2.2以上のポリアミド樹脂は末端基の総量も少なく、無機充填材との密着性に寄与するアミノ末端基量も減少する傾向にあるため、成形品の機械強度が低下する。相対粘度は2.1以下が好ましい。
相対粘度を1.6以上にする手法としては、特に限定されないが、例えば、後述するポリアミド樹脂の製造方法において、溶融1段重合法で系内の水量を調整する方法、原料であるジアミンの過剰添加量を適度に大きくする方法、重合時間(特に、重合の最終段階において、融点以上の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下で重合を行う時間)を長くする方法などが挙げられる。一方、相対粘度を2.2未満にする手法としては、特に限定されないが、例えば、後述するポリアミド樹脂の製造方法において、原料であるジアミンの過剰添加量を適度に小さくする方法、原料であるジカルボン酸またはジアミンの過剰添加量を適度に大きくする方法、重合時間(特に、重合の最終段階において、融点以上の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下で重合を行う時間)を短くする方法などが挙げられる。
ここで、ポリアミド樹脂の相対粘度は、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液を作製し、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定することができる。
本発明のポリアミド樹脂は、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5以上である。テトラメチレンジアミンは、例えば高温下では環化反応(脱アンモニア反応)によりピロリジン(モノアミン)を生成し、これがポリアミド樹脂の末端封鎖剤として作用し、ピロリジン末端を形成する。ピロリジン末端は反応性の低い環構造を形成するため、金属や無機充填材との相互作用が小さい。一方、アミノ末端は、極性が大きく反応性が高いため、金属や無機充填材との相互作用が大きい。本発明のポリアミド樹脂は、金属や無機充填材との相互作用が小さいピロリジン末端基よりも、これらとの相互作用の大きいアミノ末端基を1.5倍量以上有することにより、金属や無機充填材との親和性に優れ、金属密着性を向上させ、無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物において、成形品の機械強度も向上させることができる。また、相対粘度が1.6以上2.2未満であるポリアミド樹脂において、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比を1.5以上とすることにより、流動性と溶融滞留安定性も良好となる。アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5未満では、流動性、溶融滞留安定性および金属密着性が低下し、無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物において、成形品の機械強度が低下する。アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比は、2.0以上が好ましく、3.0以上がより好ましく、4.0以上がさらに好ましい。
アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比を1.5以上にする手法としては、特に限定されないが、例えば、後述するポリアミド樹脂の製造方法において、後述する溶融1段重合法により製造する方法、系内の水量を調整する方法(例えば、201℃未満の温度で原料中の水含有量を30重量%以下に濃縮する工程を経る方法や、201℃以上で水を留出させる工程を経る方法)などが挙げられる。
ここで、ポリアミド樹脂中のアミノ末端基量は、ポリアミド樹脂をフェノール・エタノール混合溶媒(体積比83.5:16.5)に溶解し、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。また、ピロリジン末端基量は、ポリアミド樹脂を臭化水素酸水溶液により150℃で3時間加水分解を行って得られた処理液に、40%水酸化ナトリウム水溶液、トルエンを加え、次いでクロロギ酸エチルを添加して撹拌し、上澄みのトルエン溶液を抽出して、ガスクロマトグラフ分析することにより求めることができる。
本発明のポリアミド樹脂は、ピロリジン末端基量が6×10−5mol/g以下であることが好ましい。ピロリジン末端基量が6×10−5mol/g以下であれば、前述のアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比をより大きくし、前述の効果をより向上させることができる。5×10−5mol/g以下がより好ましい。
ピロリジン末端基量を6×10−5mol/g以下にする手法としては、特に限定されないが、例えば、後述するポリアミド樹脂の製造方法において、後述する溶融1段重合法により製造する方法、系内の水量を調整する方法(例えば、201℃未満の温度で原料中の水含有量を30重量%以下に濃縮する工程を経る方法や、201℃以上で水を留出させる工程を経る方法)などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂は、アミノ末端基量がカルボキシル末端基量よりも多いことが好ましく、溶融滞留安定性および金属密着性をより向上させ、無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物において、成形品の機械強度をより高めることができる。
アミノ末端基量をカルボキシル末端基量よりも多くする手法としては、特に限定されないが、例えば、後述するポリアミド樹脂の製造方法において、後述する溶融1段重合法により製造する方法、系内の水量を調整する方法(例えば、201℃未満の温度で原料中の水含有量を30重量%以下に濃縮する工程を経る方法や、201℃以上で水を留出させる工程を経る方法)、原料であるジアミンをジアミンとジカルボン酸の塩に対して大過剰に添加して重縮合する方法などが挙げられる。
ここで、ポリアミド樹脂中のカルボキシル末端基量は、ポリアミド樹脂をベンジルアルコールに溶解し、0.02N水酸化カリウム・エタノール溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
本発明のポリアミド樹脂は、融点+35℃で5分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度をA、融点+35℃で30分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度をBとしたとき、B/Aが0.7〜1.2であることが好ましい。なお、本発明においては、滞留安定性の指標として、一般的な射出成形時のせん断速度に近い1216sec−1における溶融粘度の変化に着目した。B/Aが0.7〜1.2であれば、成形などの溶融加工時に滞留させてもポリアミド樹脂の溶融粘度の変化が小さいため、成形品のロット間バラツキ(不良品)を少なくすることができる。B/Aは0.8以上がより好ましく、また、1.15以下がより好ましい。
B/Aを0.7〜1.2にする手法としては、特に限定されないが、例えば、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量やカルボキシル末端基量が前述の範囲にある、本発明のポリアミド樹脂を用いる方法などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂は、融点+35℃で5分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度が、25Pa・s以下であることが好ましい。25Pa・s以下であれば、成形などの溶融加工時の流動性をより向上させ、また無機充填材を配合してなるポリアミド樹脂組成物においても、無機充填材の折損やせん断発熱による樹脂分解を抑制し、成形品の機械強度をより向上させることができる。20Pa・s以下がより好ましく、15Pa・s以下がさらに好ましい。
ここで、ポリアミド樹脂の溶融粘度は、キャピログラフ1C(東洋精機(株)製)を用い、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーを用いて測定することができる。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法は特に限定されないが、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸、またはその塩を加熱重縮合し、融点以上の温度で溶融重合する方法が好ましい。ここで、加熱重縮合とは、製造時の最高到達温度を201℃以上に上昇させる製造プロセスと定義する。他の成分を共重合する場合は、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸とともに、他の成分を用いてもよい。
ポリアミド樹脂の製造方法としては、主に、低次縮合物(オリゴマー)を作製して一旦取り出し、これを融点未満の温度で固相重合する2段重合法や、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸、またはその塩を加熱重縮合し、オリゴマー段階で一旦取り出すことなく、融点以上の温度で溶融重合する溶融1段重合法が挙げられる。2段重合法を用いる場合、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする単量体から、相対粘度が1.6以上2.2未満、かつアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5以上であるポリアミド樹脂を作製することは困難であるが、溶融1段重合法を用いて、その重合条件・原料仕込み量などを調整することにより、相対粘度が1.6以上2.2未満、かつアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5以上であるポリアミド樹脂を容易に作製することができる。また、ポリアミド樹脂のピロリジン末端基量を6.0×10−5mol/g以下に容易に調整することができる。
本発明で使用するテトラメチレンジアミンは、高温下での環化反応(脱アンモニア反応)によりピロリジン(モノアミン)を生成し、これが末端封鎖剤として作用し、ピロリジン末端を形成する。従って、本発明のポリアミド樹脂を製造するためには、テトラメチレンジアミンの環化副反応を抑制することが好ましい。テトラメチレンジアミンの環化反応は、系内に存在する水量が増大するに従い促進される傾向があるため、この環化反応を抑制するためには、系内の水量を調整することが有効である。テトラメチレンジアミンの環化反応は、201℃以上で著しく進行するので、原料に含まれる水を201℃未満の温度で除去しておくことが有効である。本発明においては、201℃未満の温度で、原料中の水含有量を30重量%以下に濃縮する工程を有することが好ましい。より好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。ただし、201℃未満での原料中の水含有量は、縮合水を除いた値とする。この濃縮工程は、テトラメチレンジアミンの揮発を抑制するため、0.049〜0.49MPaの加圧下で行うことが好ましい。より好ましくは0.098〜0.392MPaである。上記方法で系内の水量を調整することにより、ポリアミド樹脂のアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比およびピロリジン末端基量を前述の所望の範囲に容易に調整することができる。なお、201℃未満の温度において、原料に含まれる水の含有量は、仕込み時の水の添加量から、201℃未満で留出した水の量を差し引くことにより求めることができる。
また、原料に含まれる水に加え、ポリアミド樹脂の製造過程で発生する縮合水を効率的に除去することが、上記環化反応を抑制するためには好ましい。縮合反応は201℃以上で促進されるため、本発明においては、201℃以上で水を留出させる工程を経由することが好ましい。より好ましくは210℃以上である。上記方法で系内の水量を調整することにより、ポリアミド樹脂のアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比およびピロリジン末端基量を前述の所望の範囲に容易に調整することができる。
系内の温度が上昇すると、原料に含まれる水や縮合水の揮発により系内の圧力が上昇するので、本発明においては、2.45MPa以下の圧力下で水を留出させる工程を経由することが好ましい。2.45MPa以下の圧力下で水を留出させることにより、水を効率的に除去し、テトラメチレンジアミンの環化副反応をより抑制することができる。より好ましくは1.764MPa以下、さらに好ましくは0.98MPa以下、さらに好ましくは0.49MPa以下である。
本発明においては、重合の最終段階において、融点以上の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下で、高重合度化を行うことが好ましい。特に減圧下で行うことが、ポリアミド樹脂の製造過程で発生する縮合水を効率的に除去することができ、重合時間を短縮できるため、より好ましい。
本発明においては、高温で重合反応を行うため、テトラメチレンジアミンやその環化反応により生成するピロリジンが揮発したり、ピロリジンが末端封鎖剤となるなどの理由で、重合の進行に伴い、重合系内において、全カルボキシル基量に対する全アミノ基量が少なくなり、重合速度が遅延する傾向がある。テトラメチレンジアミンの揮発を抑制するためには、重合系内の圧力が高い方が好ましいが、反面、縮合水の揮発が抑制され、テトラメチレンジアミンの環化反応が促進されるので、重合系内の最高圧力を0.098〜2.45MPaとすることが好ましい。圧力が0.098MPa以上であると、テトラメチレンジアミンの揮発を十分に抑制し、アミノ基、カルボキシル基のモルバランスを維持することができる。0.196MPa以上がより好ましく、0.294MPa以上がさらに好ましい。一方、圧力が2.45MPa以下であると、重縮合による水の脱離を促進し、重合度を容易に高くすることができる。1.47MPa以下がより好ましく、0.98MPa以下がさらに好ましい。縮合反応の進行により、縮合水が生成し、系内の圧力は上昇するので、重合開始時の圧力はゼロでもよいが、テトラメチレンジアミンの揮発を最小限に抑制する場合には、原料にあらかじめ水を添加する方法、重合開始時にあらかじめ不活性ガスで加圧する方法などにより、系内の圧力が高くなるよう調整することができる。
また、原料を仕込む段階で、あらかじめ特定量のテトラメチレンジアミンを過剰に添加して、重合系内のジアミン量を増加させておくことが、本発明のポリアミド樹脂を得るためには好ましく、相対粘度および末端基量を前述の所望の範囲に容易に調整することができる。テトラメチレンジアミンと炭素数7以上のジカルボン酸の塩1000molに対し、テトラメチレンジアミンを10〜100mol過剰に添加することが好ましい。過剰のテトラメチレンジアミン量は20mol以上がより好ましく、30mol以上がさらに好ましい。一方、過剰のテトラメチレンジアミン量は90mol以下がより好ましく、80mol以下がさらに好ましい。
本発明において、テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸の塩の作製方法としては、例えば、水または水/アルコール混合中で塩反応を行った後、溶媒を揮発させる方法、アルコール中で塩反応を行った後、析出した塩を回収する方法などが挙げられる。アルコール溶媒としては、メタノール、エタノールなどが好適に用いられる。なお、水中で塩反応を行った後、得られる塩の水溶液をそのまま原料として用いてもよい。
本発明において、テトラメチレンジアミンの揮発や、脱アンモニア反応による環化の抑制に加え、分解による着色を防止するためには、重合工程全体でポリマーが受ける熱履歴を極力小さくすることが有効であり、その手段として、重合系内の最高到達温度を低くすることが好ましい。本発明において、重合系内の最高到達温度は、ポリアミド樹脂の融点以上、300℃未満にすることが好ましい。重合系内の最高到達温度を300℃未満にすることにより、テトラメチレンジアミンの環化をより抑制することができる。融点+40℃以下がより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法においては、必要に応じて、重合促進剤を添加することができる。重合促進剤としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。特に、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムが好適に用いられる。重合促進剤の添加量は、ポリアミド樹脂の原料100重量部に対して、0.001〜1重量部が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂に、無機充填材、他種ポリマー、ゴム質重合体、難燃剤等の任意の成分を配合することにより、ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
無機充填材を配合することにより、成形品の機械強度を向上させることができる。かかる無機充填材の形状は、繊維状であっても非繊維状であってもよいが、より高い機械強度を発現させるために繊維状のものが好ましい。また繊維状と非繊維状の無機充填材を組み合わせて用いてもよい。
繊維状無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などが挙げられる。
非繊維状無機充填材としては、例えば、ワラストナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、合成雲母、アスベスト、アルミノシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカなどが挙げられる。
これら無機充填材は中空であってもよい。これら無機充填材を2種以上用いることも可能である。また、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、合成雲母などの膨潤性層状珪酸塩は、有機アンモニウム塩で層間イオンをカチオン交換した有機化モンモリロナイトであってもよい。
ポリアミド樹脂の機械強度を向上させるためには、前記無機充填材の中でも、ガラス繊維、炭素繊維、ワラストナイト、カオリン、マイカ、クレー、タルク、アルミナ、ガラスビーズが好ましく、特にガラス繊維、炭素繊維が好ましい。
本発明で使用されるガラス繊維は特に限定されず、公知のものが使用できる。通常、ガラス繊維は、所定長さにカットしたチョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状があり、平均繊維径5〜15μmのものが好ましく使用される。チョップドストランドを使用する場合、繊維長に特に制限はないが、押出混練作業性の高いストランド長3mmのガラス繊維が好ましく使用される。これらのガラス繊維を2種以上併用してもよい。
本発明で使用される炭素繊維は特に限定されず、公知の各種炭素繊維、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ、レーヨン、リグニン、炭化水素ガス等を用いて製造される炭素質繊維や黒鉛質繊維や、これらの繊維を金属でコートした繊維が使用できる。中でも、機械特性をより向上させる観点から、PAN系炭素繊維が好ましく使用できる。炭素繊維は通常、所定長さにカットしたチョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状があり、直径15μm以下のものが好ましく用いられる。より好ましくは5〜10μmである。チョップドストランドを使用する場合、繊維長に特に制限はないが、押出混練作業性の高いストランド長のものを使用することが好ましい。本発明においては、チョップドストランドを用いることが好ましく、チョップド炭素繊維の前駆体である炭素繊維ストランドのフィラメント数は、製造コストおよび生産工程における安定性の観点から、1,000〜150,000本が好ましい。
無機充填材は、カップリング剤で予備処理されたものであることが好ましく、ポリアミド樹脂組成物において、成形品の機械強度をより向上させることができる。カップリング剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などが挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。これらの中でも有機シラン系化合物がより好ましい。その具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシラン化合物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等の炭素不飽和基含有アルコキシシラン化合物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物などの酸無水物基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。特に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましく用いられる。これらのシランカップリング剤を用いて、常法に従って、予め無機充填材を表面処理した後、ポリアミド樹脂と配合してもよいし、無機充填材とポリアミド樹脂を配合する際に、これらカップリング剤を添加するいわゆるインテグラルブレンド法を用いてもよい。
これらカップリング剤の添加量は、無機充填材100重量部に対して、0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜3重量部である。
本発明のポリアミド樹脂組成物における無機充填材の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.1〜400重量部であることが好ましい。0.1重量部以上であれば、ポリアミド樹脂に強度・剛性を付与し、成形品の機械強度をより向上させることができる。1重量部以上がより好ましく、100重量部以上がさらに好ましい。一方、400重量部以下であれば、ポリアミド樹脂中に容易に均一に分散させることができる。350重量部以下がより好ましい。本発明のポリアミド樹脂は、流動性と溶融滞留安定性に優れることから、無機充填材を高い割合で配合した場合にも、無機充填材の折損、せん断発熱による樹脂分解、溶融粘度上昇などが抑制され、高い強度が発現する。また、本発明のポリアミド樹脂は、無機充填材との相互作用が大きいため、無機充填材との密着性が高く、高い強度が発現する。これらの効果は、無機充填材の配合量が100〜400重量部のときに特に顕著となる。
ポリアミド樹脂と無機充填材の界面を強化するために、さらに無水物を配合することが好ましい。無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、ポリ無水マレイン酸などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。これらの中で、無水マレイン酸、ポリ無水マレイン酸が、延性、剛性のバランスに優れるため好ましく用いられる。ポリ無水マレイン酸としては、例えば、J. Macromol. Sci.-Revs. Macromol. Chem.,C13(2), 235(1975)等に記載のものを用いることができる。
これら無水物の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量部である。
なお、これら無水物は、実質的にポリアミド樹脂、無機充填材と配合される際に無水物の構造を取ればよく、例えば、溶融混練によりポリアミド樹脂組成物を製造する場合、無水物を加水分解してカルボン酸あるいはその水溶液などの形態で溶融混練に供し、溶融混練の際の加熱により脱水反応させ、実質的に無水酸の形でナイロン樹脂と溶融混練してもかまわない。
他種ポリマーとしては、例えば、本発明のポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、液晶ポリマー、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアルキレンオキサイド樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、SAN樹脂(スチレン/アクリルニトリル共重合体)、ポリスチレン樹脂等を挙げることができる。これらを2種以上併用してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物にゴム質重合体を配合することにより、成形品の耐衝撃性を向上させることができる。ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、ブタジエン/イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン/プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン/ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン/α−オレフィンの共重合体、エチレン/アクリル酸エステル、エチレン/メタクリル酸エステルなどのエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体、ブチルアクリレート/ブタジエン共重合体などのアクリル酸エステル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエチレン/脂肪酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/ヘキサジエン共重合体などのエチレン/プロピレン/非共役ジエン3元共重合体、ブチレン/イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマーなどの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの中でも、ポリアミド樹脂との相溶性の観点から、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体が好ましく用いられる。不飽和カルボン酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸とアルコールとのエステルである。(メタ)アクリル酸エステルの具体的な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等を挙げることができる。これらを2種以上併用してもよい。ここで、ゴム質重合体とは、ガラス転移温度が室温より低い重合体であって、分子間の一部が共有結合・イオン結合・ファンデルワールス力・絡み合い等により、互いに拘束されている重合体を指す。
前記ゴム質重合体は、ポリアミド樹脂との反応性の観点から、反応性官能基を有することが好ましい。反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、オキサゾリン基、水酸基、イソシアネート基、メルカプト基、スルホン酸基等が挙げられる。これらを2種以上有してもよい。これらの中でも、エポキシ基、酸無水物基、アミノ基、カルボキシル基、カルボキシル金属塩、オキサゾリン基は反応性が高く、しかも分解、架橋などの副反応が少ないため好ましく用いられる。反応性官能基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術が挙げられ、特に制限はないが、例えば、反応性官能基を有する単量体とゴム質重合体の原料である単量体とを共重合する方法、反応性官能基を有する化合物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるゴム質重合体の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、5〜100重量部であることが好ましい。5重量部以上であれば、ポリアミド樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性を向上させることができる。10重量部以上がより好ましい。一方、100重量部以下であれば、ポリアミド樹脂組成物の溶融滞留安定性をより高いレベルで維持することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物に難燃剤を配合することにより、難燃性を向上させることができる。難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤および金属水酸化物系難燃剤などのハロゲン原子を含まない非ハロゲン系難燃剤、臭素系難燃剤などのハロゲン系難燃剤を挙げることができる。これらを2種以上併用してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における難燃剤の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜100重量部であることが好ましい。1重量部以上であれば、ポリアミド樹脂に難燃性を付与できる傾向にある。100重量部以下であれば、成形品の靭性・耐衝撃性の著しい低下を抑制することができる傾向にある。
リン系難燃剤としては、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどのポリリン酸系化合物、(ジ)ホスフィン酸金属塩、ホスファゼン化合物、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなどが挙げられる。
(ジ)ホスフィン酸塩は、例えば、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物を使用して水性媒体中で製造される。(ジ)ホスフィン酸塩は、本来モノマー性化合物であるが、反応条件に依存し、環境によっては重合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩となる場合もある。ホスフィン酸としては、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また、上記のホスフィン酸と反応させる金属成分(M)としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを含む金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物が挙げられる。これらのホスフィン酸と金属成分から得られるホスフィン酸塩の中でも、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
ホスファゼン化合物は、分子中に−P=N−結合を有する有機化合物であり、環状フェノキシホスファゼン、鎖状フェノキシホスファゼン、架橋フェノキシホスファゼン化合物が好ましい。環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等が挙げられる。鎖状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、ヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物等が挙げられる。架橋フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、4,4’−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4’−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4’−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、環状ホスファゼン化合物および/または鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基およびフェニレン基数を基準として、好ましくは70〜90%である。また、架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しないことが好ましい。
芳香族リン酸エステルとしては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェートなどのブチル化フェニルホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェートなどのプロピル化フェニルホスフェートなどが挙げられる。
芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス−ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェートなどが挙げられる。
ハロゲン化リン酸エステルとしては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、ポリオキシアルキレンビス(ジクロロアルキル)ホスフェートなどが挙げられる。
窒素系難燃剤としては、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を形成する化合物が挙げられる。具体例としては、メラミンシアヌレート、モノ(β−シアノエチル)イソシアヌレート、ビス(β−シアノエチル)イソシアヌレート、トリス(β−シアノエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、とりわけメラミンシアヌレートが好ましい。
金属水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどが挙げられ、水酸化マグネシウムがより好ましい。これらは通常市販されているものであり、粒子径、比表面積、形状など特に限定されるものではないが、好ましくは粒子径が0.1〜20μm、比表面積が3〜75m/g、形状は球状、針状または小板状のものがよい。金属水酸化物系難燃剤は、表面処理が施されていてもいなくてもよい。表面処理法の例としては、シランカップリング剤、アニオン界面活性剤、多価官能性有機酸、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂による被覆形成などの処理法が挙げられる。
臭素系難燃剤としては、例えば、モノマー系有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ化合物、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)などのハロゲン化されたポリマー系臭素化合物が挙げられる。なかでも臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが好ましい。
また、上記の臭素化難燃剤とともに難燃助剤を配合することも好ましく、難燃性をより向上させることができる。難燃助剤としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を配合することができる。各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)などが挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、アミド型高分子ヒンダードフェノールタイプが好ましく、具体的には、N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]などが好ましく用いられる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンホスファイト、ジ−ステアリルペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、トリフェニルホスファイト、3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネートジエチルエステルなどが挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。酸化防止剤の配合量には特に制限はないが、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。
耐熱安定剤としては、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅のハロゲン化銅、酸化銅、硫酸銅、硝酸銅などの無機酸銅化合物、酢酸銅、ラウリン酸銅、ステアリン酸銅、ナフテン酸銅、カプリン酸銅等の有機酸銅化合物が挙げられる、好ましくはヨウ化銅である。耐熱安定剤の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.01〜0.1重量部が好ましい。
さらに、銅化合物とハロゲン化アルカリを併用することで、より高い耐熱性を付与することができる。ハロゲン化アルカリとしては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム等を挙げることができ、好ましくはヨウ化カリウムである。上記銅化合物中の銅1原子に対し、ハロゲン化アルカリ中のハロゲン原子が0.3〜4原子の割合となるように、ハロゲン化アルカリを配合することが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に制限されないが、本発明のポリアミド樹脂と、必要に応じて無機充填材、他種ポリマー、難燃剤、その他成分を溶融混練する方法が好ましい。溶融混練装置としては、単軸あるいは2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどが挙げられる。ポリアミド樹脂と、無機充填材、他種ポリマー、難燃剤、その他成分をより均一に分散させるためには、溶融混練装置のL/D(スクリュー長/スクリュー径)、ベントの有無、混練温度、滞留時間、それぞれの成分の添加位置、配合量を調整することが有効である。一般に、溶融混練装置のL/Dを長く、滞留時間を長くすることは、均一分散を促進するため好ましい。無機充填材としてガラス繊維や炭素繊維などのロービングストランドを使用する場合、押出機などの溶融混練装置にロービングストランドを直接投入することにより配合することができる。
本発明のポリアミド樹脂およびポリアミド樹脂組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、中空成形、カレンダ成形、圧縮成形、発泡成形、溶融紡糸、フィルム成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形でき、例えば、自動車部品、電子部品、電気機器部品、家庭用品、事務用品、建材、スポーツ用品、繊維、フィルムなどに使用することができる。
自動車部品としては、例えば、エンジン冷却水系部品、特にラジエタータンクのトップおよびベースなどのラジエタータンク部品、冷却液リザーブタンク、ウォーターパイプ、ウォーターポンプハウジング、ウォーターポンプインペラー、バルブなどのウォーターポンプ部品など自動車エンジンルーム内で冷却水との接触下で使用される部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・冷却系・ブレーキ系・ワイパー系・排気系・吸気系各種パイプ・ホース・チューブ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、電池周辺部品、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、トランスミッション用オイルパン、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクター、ヒューズ用コネクター等の各種コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルパン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオォッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、インストルメントパネル、エアバッグ周辺部品、ドアパッド、ピラー、コンソールボックス、各種モーターハウジング、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプベゼル、ドアハンドル、ドアモール、リアフィニッシャー、ワイパー、クラッシュボックス、エアバッグ部品、ピラー、フェンダー、ドアパネルなどに好ましく使用される。
電子部品としては、例えば、コネクター、コイルをはじめとして、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、リレーベース、リレー用スプール、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、サーマルプロテクター、コンピューター関連部品などに好ましく使用される。
電気機器部品としては、例えば、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネットなどに好ましく使用される。
家庭用品、事務用品としては、例えば、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク、DVD等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、パソコンやノートパソコン等の電子機器筐体、オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに好ましく使用される。
建材としては、例えば、土木建築物の壁、屋根、天井材関連部品、窓材関連部品、断熱材関連部品、床材関連部品、免震・制振部材関連部品、ライフライン関連部品などに好ましく使用される。
スポーツ用品としては、例えば、ゴルフクラブやシャフト等のゴルフ関連用品、アメリカンフットボールや野球、ソフトボール等のマスク、ヘルメット、胸当て、肘当て、膝当て等のスポーツ用身体保護用品、スポーツシューズの底材等のシューズ関連用品、釣り竿、釣り糸等の釣り具関連用品、サーフィン等のサマースポーツ関連用品、スキー・スノーボード等のウィンタースポーツ関連用品、テニスやバトミントンラケットのフレーム、ストリング、その他インドアおよびアウトドアスポーツ関連用品などに好ましく使用される。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。まず、実施例における評価方法について説明する。
(1)相対粘度
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂のペレットを98%硫酸に溶解して樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液を作製した。得られた硫酸溶液を用いて、25℃でオストワルド式粘度計を用いて、相対粘度を測定した。
(2)アミノ末端基量
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂のペレット約0.5gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶媒(体積比83.5:16.5)25mlに溶解した後、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定し、アミノ末端基量を測定した。
(3)カルボキシル末端基量
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂のペレット約0.5gを精秤し、ベンジルアルコール20mlを加えて190℃で溶解した後、0.02N水酸化カリウム・エタノール溶液を用いて滴定し、カルボキシル末端基量を測定した。
(4)ピロリジン末端基量
各実施例および比較例で得られたポリアミド樹脂のペレット約0.06gを精秤し、臭化水素酸水溶液にて150℃で3時間加水分解を行った。得られた処理液に、40%水酸化ナトリウム水溶液、トルエンを加え、次いでクロロギ酸エチルを添加して撹拌した。上澄みのトルエン溶液を抽出し測定溶液とし、ガスクロマトグラフ分析によりピロリジン末端基量を測定した。定量はピロリジン標準溶液を用いた。測定条件を以下に示した。
装置:島津GC−2010 Plus AF/AOC
カラム:NB−1(GLサイエンス社製)60m×0.25mm
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
オーブン温度:150℃から330℃まで10℃/分で昇温
試料注入部温度:250℃
検出部温度:330℃
キャリアガス:He
試料注入量:3.0μl 。
(5)融点
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂のペレット約5mg採取し、SIIナノテクノロジー社製ロボットDSC RDC220を用いて、窒素雰囲気下、次の条件で融点を測定した。350℃に昇温して溶融状態とした後、20℃/分の降温速度で50℃まで降温して5分間保持した後、20℃/分の昇温速度で350℃まで昇温したときに観測される吸熱ピークの温度(融点)を求めた。吸熱ピークが2つ以上観測される場合には、温度が高いピークを融点とした。
(6)溶融粘度
キャピログラフ1C(東洋精機株式会社製)を用い、融点+35℃に温度設定し、長さ10mm、直径1mmのキャピラリーを用いて、各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂およびガラス繊維複合ポリアミド樹脂組成物のペレットを、5分間および30分間溶融滞留させた後の、1216sec−1における溶融粘度を測定した。この値が低いほど、射出成形時の流動性が良好であることを示す。
(7)溶融滞留安定性
(6)で測定した5分間溶融滞留させた後の溶融粘度をA、30分間溶融滞留させた後の溶融粘度をBとし、B/Aにより溶融滞留安定性を評価した。
(8)金属密着性
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂のペレットを、シリンダー温度を融点+20℃、金型温度を80℃に設定した射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、UH1000(80t))に投入し、5mm×5mm×50mm長さのアルミ製角柱の両端10mmから、厚さ5mmで長さ30mmを覆うように成形し(成形部外径寸法は、15mm×15mm×30mm長さ)、吸湿乾燥サイクル金属密着試験片を20個作製した。次いで、得られた試験片を、恒温恒湿機にて65℃、90%RHの条件で48時間吸湿処理した後、熱風乾燥機により110℃で24時間乾燥した。上記吸湿乾燥試験片を20個作製し、試験片を赤インクに浸漬し、水洗、乾燥したものを実体顕微鏡を用いて倍率20倍で観察し、クラックの有無を評価した(浸透深傷法)。樹脂と金属の密着部位から、インクの浸み出しが認められた試験片の個数を計数した。個数が少ないほど金属密着性に優れることを示す。
(9)引張強度(絶乾時)
各実施例および比較例により得られたポリアミド樹脂組成物のペレットを、シリンダー温度を融点+20℃、金型温度を80℃に設定した射出成形機(住友重機械工業株式会社製、SG75H−MIV)に投入し、下限圧(最低充填圧力)+1MPaの条件で射出成形してASTM1号ダンベル試験片を作製した。得られた試験片について、オートグラフAG−2000C(株式会社島津製作所製)を用いて、ASTM−D638に従い、23℃、50%RHの雰囲気下で引張試験を行い、引張強度を測定した。尚、測定は3本行い、その平均値を引張強度とした。
(10)引張強度(大気平衡吸水時)
前記(9)に記載の方法で得られたASTM1号ダンベル試験片を、23℃、50%RHの環境で1年間処理した後、オートグラフAG−2000C(株式会社島津製作所製)を用いて、ASTM−D638に従い、23℃、50%RHの雰囲気下で引張試験を行い、引張強度を測定した。尚、測定は3本行い、その平均値を引張強度とした。
参考例1(ナイロン410塩の作製)
エタノール15000gにセバシン酸(東京化成)1500g(7.42mol)を添加し、60℃のウォーターバスに浸漬して溶解させた。ここに、あらかじめ調製したテトラメチレンジアミン(関東化学)654g(7.42mol)をエタノール8000gに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。3時間撹拌を続けた後、静置下で室温に放置し、析出した塩を沈降させた。その後、ろ過、エタノール洗浄を行い、50℃で24時間真空乾燥して、ナイロン410塩を得た。
参考例2(ナイロン49塩の作製)
メタノール10000mlにアゼライン酸(コグニス製Emerox1144)2000g(10.6mol)を添加し、60℃のウォーターバスに浸漬して溶解させた。ここに、あらかじめ調製したテトラメチレンジアミン(関東化学)937g(10.6mol)をメタノール20mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。3時間撹拌を続けた後、エバポレーターで濃縮し、塩を析出させた。その後、ろ過、メタノール洗浄を行い、50℃で24時間真空乾燥して、ナイロン49塩を得た。
参考例3(ナイロン412塩の作製)
メタノール20000mlにドデカン二酸(宇部興産)2000g(8.68mol)を添加し、60℃のウォーターバスに浸漬して溶解させた。ここに、あらかじめ調製したテトラメチレンジアミン(関東化学)766g(8.68mol)をメタノール2000mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下した。3時間撹拌を続けた後、静置下で室温に放置し、析出した塩を沈降させた。その後、ろ過、メタノール洗浄を行い、50℃で24時間真空乾燥して、ナイロン412塩を得た。
実施例1
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン13.11g(ナイロン410塩に対して61.7mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間2分後に、缶内温度は213℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は248℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は253℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で120分間保持することにより、缶内温度は268℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を80℃で24時間以上真空乾燥した後、前記(1)〜(8)の評価を行った。
得られたナイロン410 100重量部とガラス繊維(「T−275H」、日本電気硝子(株)製、繊維径10.5μm、密度2.55g/cm)186重量部からなるポリアミド樹脂組成物を、以下の要領で作製した。スクリュー径が30mm、スクリューが2条ネジの2本のスクリューである、L/D=35の同方向回転完全噛み合い型二軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX−30α)を使用し、窒素フローを行いながら、シリンダー温度をナイロン410の融点+20℃に設定し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hの条件で溶融混練を行い、吐出口(L/D=35)よりストランド状の溶融樹脂を吐出した。その際のスクリュー構成は、L/D=7、16、25の位置から始まる3箇所のニーディングゾーンを設け、各ニーディングゾーンの長さLk/Dは、順番にLk/D=3.0、3.0、3.0とした。さらに各ニーディングゾーンの下流側に、逆スクリューゾーンを設け、各逆スクリューゾーンの長さLr/Dは、順番にLr/D=0.5、0.5、0.5とした。L/D=23の位置にサイドフィーダーを設置し、ナイロン410を押出機根元(L/D=1の位置)から投入し、ガラス繊維は押出機途中(L/D=23の位置)から投入した。ベント真空ゾーンをL/D=30の位置に設け、ゲージ圧力−0.1MPaで揮発成分の除去を行った。ダイヘッドを通過して4mmφ×2ホールから吐出された溶融樹脂組成物をストランド状に引いて冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザーにより引取りながら裁断することにより、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。該ペレットは80℃で24時間以上真空乾燥した後、前記(6)および(9)の評価に供した。また、前記(10)の評価を行った。
実施例2
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン9.56g(ナイロン410塩に対して45.0mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間5分後に、缶内温度は216℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は250℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は254℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で120分間保持することにより、缶内温度は270℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
実施例3
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン13.11g(ナイロン410塩に対して61.7mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間2分後に、缶内温度は213℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は248℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は253℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で5分間保持することにより、缶内温度は267℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
実施例4
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン8.07g(ナイロン410塩に対して38.0mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間6分後に、缶内温度は216℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は251℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は254℃であった。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
実施例5
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン4.67g(ナイロン410塩に対して22.0mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間6分後に、缶内温度は216℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は249℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は253℃であった。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
実施例6
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン8.07g(ナイロン410塩に対して38.0mol/1000mol塩)、イオン交換水467gを撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を170℃に設定して加熱を開始した。45分後に、缶内温度は140℃、缶内圧力は0.196MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.196MPaで1時間45分保持した。このとき缶内温度は173℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を260℃に変更し、一旦放圧弁を閉じた(この段階で留出した水は367gであった)。5分後に缶内圧力が0.294MPa、缶内温度が177℃に到達し、放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.294MPaで1時間20分間保持した。このとき、缶内温度は250℃に上昇した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は258℃であった。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
実施例7
参考例2で作製したナイロン49塩700g、テトラメチレンジアミン13.77g(ナイロン49塩に対して61.7mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間後に、缶内温度は210℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は247℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は252℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で120分間保持することにより、缶内温度は266℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン49を得た。得られたナイロン49を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン49およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
実施例8
参考例3で作製したナイロン412塩700g、テトラメチレンジアミン11.96g(ナイロン412塩に対して61.7mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。1時間1分後に、缶内温度は212℃、缶内圧力は0.490MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.490MPaで88分間保持した。このとき缶内温度は247℃に到達した。続いて、ヒーター設定温度を270℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、10分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は251℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で120分間保持することにより、缶内温度は266℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン412を得た。得られたナイロン412を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン412およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例1
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン1.91g(ナイロン410塩に対して9.0mol/1000mol塩)を撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.490MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を230℃に設定して加熱を開始した。3時間後に、缶内温度は224℃、缶内圧力は1.793MPaに到達した。続いて、ヒーター設定温度を260℃に変更し、放圧を開始して、水を留出させながら、70分間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は255℃であった。さらに、ヒーター設定温度を270℃に変更し、−0.021MPaの減圧下で60分間保持することにより、缶内温度は269℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例2
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン10.6g(ナイロン410塩に対して50.0mol/1000mol塩)、イオン交換水700gを撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を270℃に設定して加熱を開始した。28分後に、缶内温度は117℃、缶内圧力は0.294MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を0.294MPaで1時間42分保持した(200℃到達時の留出水は645g)。このとき缶内温度は249℃に到達した。放圧を開始して、水を留出させながら、5分かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は253℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で60分間保持することにより、缶内温度は270℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例3
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン6.37g(ナイロン410塩に対して30mol/1000mol塩)、イオン交換水70gを、撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで密閉し、窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。100分後に、内温223℃、1.470MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を1.470MPaで30分間保持した。このとき缶内温度は241℃に到達した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥し、得られた低次縮合物を、220℃、100Paで24時間固相重合し、ナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例4
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン9.56g(ナイロン410塩に対して45.0mol/1000mol塩)、イオン交換水70gを、撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで密閉し、窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を260℃に設定して加熱を開始した。100分後に、内温221℃、1.470MPaに到達した。放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を1.470MPaで30分間保持した。このとき缶内温度は238℃に到達した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥し、得られた低次縮合物を、220℃、100Paで24時間固相重合し、ナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例5
参考例1で作製したナイロン410塩700g、テトラメチレンジアミン13.11g(ナイロン410塩に対して61.7mol/1000mol塩)、イオン交換水467gを撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を290℃に設定して加熱を開始した。55分後に、缶内温度は217℃、缶内圧力は1.715MPaに到達した。ヒーター温度を270℃に変更して、放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を1.715MPakg/cmで75分間保持した。このとき缶内温度は240℃に到達した。続いて、1時間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は261℃にであった。さらに、−0.021MPaの減圧下で120分間保持することにより、缶内温度は265℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物を取り出し、ナイロン410を得た(溶融粘度が低すぎてガットにならなかった)。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例6
テトラメチレンジアミン36.9g(0.419mol)、水酸化ナトリウム33.5g(0.838mol)を、イオン交換水1000mlに溶解し、水相を調製した。また、セバコイルクロリド100g(0.418mol)をトルエン1000mlに溶解し、有機相を調製した。室温下で、水相を撹拌しているところに、有機相を1時間かけて滴下し、2時間撹拌した。ろ過、メタノール洗浄して、ナイロン410を得た。得られたナイロン410を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン410およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例7
ナイロン66塩700g、ヘキサメチレンジアミン6.82g(ナイロン66塩に対して22.0mol/1000mol塩)、イオン交換水467gを撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を295℃に設定して加熱を開始した。50分後に、缶内温度は223℃、缶内圧力は1.715MPaに到達した。ヒーター温度を280℃に変更して、放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を1.715MPaで1時間10分保持した。このとき缶内温度は250℃に到達した。続いて、1時間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は276℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で15分保持することにより、缶内温度は280℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン66を得た。得られたナイロン66を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン66およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
比較例8
ナイロン610塩700g、ヘキサメチレンジアミン5.62g(ナイロン610塩に対して22.0mol/1000mol塩)、イオン交換水467gを撹拌翼付きの内容積が3Lの圧力容器に仕込んで窒素置換した後、窒素で缶内圧力を0.049MPaに加圧した。この圧力容器を密閉したまま、ヒーター温度を275℃に設定して加熱を開始した。50分後に、缶内温度は202℃、缶内圧力は1.715MPaに到達した。ヒーター温度を260℃に変更して、放圧弁を操作して水分を系外へ留出させながら、缶内圧力を1.715MPaで1時間10分保持した。このとき缶内温度は230℃に到達した。続いて、1時間かけて缶内圧力をゼロにした。このとき、缶内温度は255℃であった。さらに、−0.021MPaの減圧下で15分間保持することにより、缶内温度は261℃に到達した。圧力容器底部の吐出口から内容物をガット状にして取り出し、ペレタイズすることによりナイロン610を得た。得られたナイロン610を用いて、実施例1と同様にポリアミド樹脂組成物を作製した。得られたナイロン610およびポリアミド樹脂組成物について、実施例1と同様に評価した。
Figure 2016056260
Figure 2016056260
実施例1〜8のポリアミド410、ポリアミド49、ポリアミド412は、相対粘度が1.6〜2.2と低く、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5以上と大きいために、流動性、溶融滞留安定性、金属密着性に優れる。また無機充填材であるガラス繊維を高い割合で複合した場合でも、流動性と大気平衡吸水時の機械強度に著しく優れることがわかる。
比較例1のナイロン410は、相対粘度が高いため流動性が低く、特にガラス繊維を高い割合で配合したポリアミド樹脂組成物の流動性が著しく低下した。このため、ガラス繊維の折損が生じやすく、さらに、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比も小さいため、成形品の引張強度が低下した。また、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が小さいため、金属密着性および溶融滞留安定性も低下した。
比較例2のナイロン410は、比較例1と同様、相対粘度が高いが、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比は大きい。しかし、流動性、溶融滞留安定性は比較例1とほぼ同等であることがわかる。
比較例3のナイロン410は、実施例2および5と比較して相対粘度はほぼ同等であるが、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が小さいため、流動性、溶融滞留安定性、金属密着性が低いことがわかる。
比較例4のナイロン410も、実施例2および5と比較して相対粘度はほぼ同等であるが、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が小さいため、流動性、溶融滞留安定性、金属密着性が低いことがわかる。比較例4では、低次縮合物を作製した後、固相重合により相対粘度を上げる重合方法をとっているが、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比を高める目的で、アミノ末端基量を増やそうとテトラメチレンジアミンを過剰添加して重合しても、ピロリジン末端基量も同時に増加してしまい、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比率を高めることはできなかった。
比較例5のナイロン410は、相対粘度が極端に低く、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比も低く、金属密着性が低い。また、ガラス繊維を高い割合で配合したポリアミド樹脂組成物において、ベース樹脂の重合度(相対粘度)が低いことと、アミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が小さいことから、引張強度が低下した。
比較例6のナイロン410は、界面重縮合により得たものであいるが、界面重縮合では、テトラメチレンジアミンの親水性が高く、有機相への移動率が低いため、相対粘度が低くなる。界面重縮合で得たナイロン410は繊維状であり、ペレットでは採取できなかったため、二軸押出機でガラス繊維を高充填する検討を行うことができなかったが、比較例5と同様、相対粘度(重合度)が低いポリアミド410であるため、引張強度は低くなると想定される。また、界面重縮合では加熱しないためピロリジン末端基量はゼロにできるが、アミノ末端基量を増やすことができず、金属密着性が低下した。
比較例7は、実施例とほぼ同等の相対粘度を有するナイロン66であるが、吸湿処理時の吸水率が大きいため寸法変化し、金属密着性が低いことがわかる。また無機充填材であるガラス繊維を高い割合で複合した場合も、絶乾時の引張強度は高いが、大気平衡吸水時の引張強度は低くなることがわかる。
比較例8は、実施例と同等の相対粘度を有するナイロン610であるが、線膨張率が大きいため、吸湿処理時および乾燥時の熱で寸法変化するため、金属密着性が低いことがわかる。また無機充填材であるガラス繊維を高い割合で複合した場合は、ポリアミド610自体の強度が低いため、実施例と比較すると低いことがわかる。

Claims (7)

  1. テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸を主要成分とする単量体の重縮合により得られる、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が1.6以上2.2未満であり、かつアミノ末端基量/ピロリジン末端基量の比が1.5以上であるポリアミド樹脂。
  2. ピロリジン末端基量が6.0×10−5mol/g以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. 融点+35℃で5分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度をA、融点+35℃で30分間溶融滞留させた後の1216sec−1における溶融粘度をBとしたとき、B/Aが0.7〜1.2である、請求項1または2のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
  4. 炭素数7以上のジカルボン酸がアゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸および/またはドデカン二酸である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂100重量部に対し、無機充填材0.1〜400重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
  6. テトラメチレンジアミンと炭素数7以上の脂肪族ジカルボン酸、またはその塩を加熱重縮合し、融点以上の温度で溶融重合する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  7. 201℃未満の温度で、原料中の水含有量を30重量%以下に濃縮する工程を有する、請求項6に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
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