JP2017008211A - ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017008211A JP2017008211A JP2015125236A JP2015125236A JP2017008211A JP 2017008211 A JP2017008211 A JP 2017008211A JP 2015125236 A JP2015125236 A JP 2015125236A JP 2015125236 A JP2015125236 A JP 2015125236A JP 2017008211 A JP2017008211 A JP 2017008211A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide
- resin composition
- polyamide resin
- parts
- terephthalamide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】耐熱性、難燃性、耐金属腐食性および耐湿熱性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供すること。【解決手段】テレフタル酸および/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を主成分とするジアミン成分を原料とする半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)1〜100重量部、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)0.5〜5重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。【選択図】図2
Description
本発明は、半芳香族ポリアミドに難燃剤および腐食防止剤を配合してなるポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド6およびポリアミド66に代表されるポリアミド樹脂は、その優れた諸特性を活かし、数々の機械部品、電気・電子部品、自動車部品などに使用されている。その中でも特にコネクタ用途においては、ポリアミド樹脂が広く使用されている。
コネクタを含む電気・電子分野においては、環境負荷低減のため、鉛フリー化の進展、表面実装(SMT)の普及に伴い、リフロー炉内の高温処理に耐え得る高耐熱性のポリアミド樹脂が要求されている。
また、電気・電子機器の小型化、軽量化や薄肉化に伴い、難燃性に関しては、UL94(米国Under WriterLaboratories Incで定められた規格)に準拠した垂直燃焼方法で評価し、V−0という高い目標を達成することが要求されている。さらに、環境負荷低減のため、ハロゲンフリーの難燃剤を配合することが要求されている。UL94の規格においてV−0を達成し得るハロゲンフリーの難燃剤としては、ホスフィン酸金属塩やジホスフィン酸金属塩などが知られている。しかしながら、ホスフィン酸金属塩およびジホスフィン酸金属塩を高耐熱性のポリアミド樹脂に配合すると、溶融混練や成形加工時に用いる機械設備の金属部品を腐食させる課題がある。
これに対して、金属腐食性を低減する手法として、例えば、融点が270〜300℃であるポリアミド樹脂、ホスフィン酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸金属塩、ホウ酸金属塩およびハイドロタルサイトまたはその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の金属化合物を押出機のシリンダー温度が310℃を超えない条件で溶融混練し、ペレット化する方法(例えば、特許文献1参照)や、少なくとも270℃の融点を有する半芳香族ポリアミド、ホスフィン酸塩、ジホスフィン酸塩およびそれらの縮合生成物からなる群から選択される少なくとも1種の有機リン化合物、酸化カルシウムを含むポリマー組成物(例えば、特許文献2参照)や、特定のポリアミド、充填剤および補強剤、ハロゲンを含まない難燃剤、バリウムカルボキシレート、添加剤からなるポリアミド成形組成物(例えば、特許文献3参照)や、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ホスフィン酸塩類、無機充填材、水酸化カルシウムおよび/または酸化カルシウムを含んでなる難燃性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)や、熱可塑性樹脂、遊離硫黄を含有する化合物、イオウ原子を有さない周期律第11族又は第12族元素の炭酸塩又は酸化物である無機化合物を含有する熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献5参照)や、ポリアミド樹脂、ホスフィン酸金属塩および/またはジホスフィン酸金属塩、ハイドロタルサイトおよび/またはステアリン酸亜鉛を0.1〜5重量部含有する難燃性ポリアミド樹脂組成物(例えば、特許文献6参照)や、ホスフィン酸塩、特定の防燃剤混合物が含まれている、ポリアミドおよびポリエステルの製造時の腐食を防止するための防燃剤混合物の使用(例えば、特許文献7参照)などが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1〜7に記載された技術は、いずれも高耐熱性のポリアミド樹脂に適用する場合には押出機のバレルやスクリュー、成形機の金型を腐食させやすく、耐金属腐食性が不十分であった。また、上記特許文献1、2に記載されたポリアミド樹脂組成物は、吸水時に金属化合物がブリードし、表面外観が損なわれるなど、耐湿熱性に課題があった。一方、上記特許文献3〜5、7に記載されたポリアミド樹脂組成物は、高温燃焼時にガスが発生し、耐熱性および難燃性に課題があった。
本発明は、これら従来技術の課題に鑑み、耐熱性、難燃性、耐金属腐食性および耐湿熱性に優れるポリアミド樹脂組成物を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明は主として下記構成を有する。
[1]テレフタル酸および/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を主成分とするジアミン成分を原料とする半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)1〜100重量部、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)0.5〜5重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
[2]前記半芳香族ポリアミド(A)が300℃より高い融点を有する[1]記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]前記Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)がLi、Naおよび/またはKの炭酸水素塩を含む[1]または[2]記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]前記Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)が炭酸水素ナトリウムを含む[1]〜[3]のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]前記半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、さらに無機充填材(D)1〜200重量部を配合してなる[1]〜[4]いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
[6][1]〜[5]のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
[7][1]〜[5]のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を溶融成形してなる電気・電子部品。
[1]テレフタル酸および/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を主成分とするジアミン成分を原料とする半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)1〜100重量部、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)0.5〜5重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
[2]前記半芳香族ポリアミド(A)が300℃より高い融点を有する[1]記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]前記Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)がLi、Naおよび/またはKの炭酸水素塩を含む[1]または[2]記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]前記Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)が炭酸水素ナトリウムを含む[1]〜[3]のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]前記半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、さらに無機充填材(D)1〜200重量部を配合してなる[1]〜[4]いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
[6][1]〜[5]のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
[7][1]〜[5]のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を溶融成形してなる電気・電子部品。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、耐熱性、難燃性、耐金属腐食性および耐湿熱性に優れる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、テレフタル酸および/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を主成分とするジアミン成分を原料とする半芳香族ポリアミド(A)(以下、「半芳香族ポリアミド(A)」と記載する場合がある)を配合してなる。かかる半芳香族ポリアミド(A)を配合してなることにより、耐熱性を向上させることができる。ここで、主成分とは、ジカルボン酸成分またはジアミン成分中、50重量%以上を占める成分を指し、以下同じとする。なお、前記ジカルボン酸成分および/または前記ジアミン成分を2種以上用いる場合、それらの合計が50重量%以上であればよい。
本発明における半芳香族ポリアミド(A)を構成するジカルボン酸成分の主成分をテレフタル酸および/またはイソフタル酸とすることにより、耐熱性を高めることができる。また、本発明における半芳香族ポリアミド(A)を構成するジアミン成分の主成分を1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択することにより、高温における半芳香族ポリアミド(A)の分解を抑制することができ、耐熱性を向上させ、成形加工時のガスの発生を抑制することができる。
本発明における半芳香族ポリアミド(A)の原料には、ジカルボン酸成分中、テレフタル酸およびイソフタル酸の総量が50重量%以上であれば、さらに他のジカルボン酸成分を用いてもよい。他のジカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸やこれらの誘導体などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。また、本発明における半芳香族ポリアミド(A)の原料には、ジアミン成分中、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンの総量が50重量%以上であれば、さらに他のジアミン成分を用いてもよい。他のジアミン成分としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,11−ジアミノウンデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明における半芳香族ポリアミド(A)の具体例としては、ポリオクタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド8T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリオクタメチレンイソフタルアミド(ポリアミド8I)、ポリノナメチレンイソフタルアミド(ポリアミド9I)、ポリデカメチレンイソフタルアミド(ポリアミド10I)、ポリドデカメチレンイソフタルアミド(ポリアミド12I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリノナメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/9I)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリドデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/12T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリドデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/12T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10I)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリドデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド12T/12I)や、ジカルボン酸成分中、テレフタル酸およびイソフタル酸の総量が50重量%以上であり、ジアミン成分中、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンの総量が50重量%以上である、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/6T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/5T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/4T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンセバカミドコポリマー(ポリアミド9T/410)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンセバカミドコポリマー(ポリアミド9T/510)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミドコポリマー(ポリアミド9T/610)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンセバカミドコポリマー(ポリアミド9T/1010)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカミドコポリマー(ポリアミド9T/612)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド9T/46)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド9T/56)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド9T/66)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/6T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/5T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/4T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド12T/6T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド12T/5T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド12T/4T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリノナメチレンフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/9P)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリノナメチレンナフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/9N)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10P)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンナフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10N)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/410)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/510)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/610)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/1010)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカミドポリマー(ポリアミド10T/612)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/46)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/56)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/66)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリドデカメチレンナフタルアミドコポリマー(ポリアミド12T/12N)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド12T/410)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド12T/510)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド12T/610)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド12T/1010)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカミドポリマー(ポリアミド12T/612)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド12T/46)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド12T/56)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド12T/66)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。ここで、「/」は共重合体を示す。これらを2種以上配合してもよい。
本発明における半芳香族ポリアミド(A)は、300℃より高い融点を有することが好ましく、耐熱性をより向上させることができる。融点を複数有する場合や、2種以上の半芳香族ポリアミド(A)を用いる場合には、300℃より高い融点とともに300℃以下の融点を有してもよい。
ここで、本発明における半芳香族ポリアミド(A)の融点とは、半芳香族ポリアミド(A)のペレットを約10mg採取して、示差走査熱量計を用いて、窒素雰囲気下で、半芳香族ポリアミド(A)を溶融状態から20℃/分の降温速度で20℃まで降温して5分間保持した後、20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの温度を指す。但し、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の高いピークを融点とする。
融点が300℃を超える半芳香族ポリアミド(A)の具体例としては、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリノナメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド9T/10T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリドデカメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/12T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10I)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10P)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンナフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10N)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンナフタルアミドコポリマー(ポリアミド10T/10N)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/410)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/510)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/610)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリデカメチレンセバカミドポリマー(ポリアミド10T/1010)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンドデカミドポリマー(ポリアミド10T/612)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリテトラメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/46)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリペンタメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/56)、ポリデカメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド10T/66)などが挙げられる。
これらの中で、耐熱性および引張強度をより向上させ、吸湿時の引張強度低下をより低減して耐湿熱性をより向上させる観点から、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)がより好ましい。
本発明における半芳香族ポリアミド(A)は、例えば、原料となるジカルボン酸成分とジアミン成分またはその塩を加熱して低次縮合物を得て、さらに固相重合および/または溶液重合により高重合度化する方法や、低次縮合物を溶融高重合度化する方法などにより得ることができる。例えば、重合缶などの圧力容器に半芳香族ポリアミド(A)の原料を一括仕込みして加熱することにより低次縮合物を得て、これを固相重合、溶液重合または溶融重合させることにより、半芳香族ポリアミド(A)を得ることができる。また、2種以上の半芳香族ポリアミド(A)の原料をそれぞれ圧力容器で固相重合、溶液重合または溶融重合して得られるポリアミド樹脂を、溶融混練してもよい。
低次縮合物を高重合度化する方法としては、低次縮合物を一旦取り出して、固相重合、溶液重合および/または溶融重合する2段重合、低次縮合物の製造工程に続いて、同一反応容器内で固相重合、溶液重合および/または溶融重合する1段重合のどちらを用いてもよい。なお、固相重合とは、100℃以上融点以下の温度範囲で、減圧下あるいは不活性ガス中で加熱する工程を指し、溶融重合とは、常圧または減圧下で融点以上に加熱する工程を指す。
溶融高重合度化に用いられる溶融混練装置としては、例えば、押出機やニーダーが挙げられるが、生産性の点から、連続的に溶融混練可能な押出機が好ましい。押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機、二軸単軸複合押出機等が挙げられ、これらを2種以上用いてもよい。混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機、四軸押出機等の多軸押出機が好ましく、二軸押出機がより好ましい。
本発明におけるポリアミド樹脂組成物は、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩を配合してなる。ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩を配合することにより、難燃性を向上させることができる。
ホスフィン酸塩としては、具体的には、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛などのアルキル基を有するホスフィン酸金属塩、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、エチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、エチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、エチルフェニルホスフィン酸カルシウム、エチルフェニルホスフィン酸亜鉛などのアルキル基とアリール基を有するホスフィン酸金属塩、ジフェニルホスフィン酸マグネシウムジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛などのアリール基を有するホスフィン酸金属塩などが挙げられる。ジホスフィン酸塩としては、具体的には、メチレンビス(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メチレンビス(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メチレンビス(メチルホスフィン酸)カルシウム、メチレンビス(メチルホスフィン酸)亜鉛などのアルキル基を有するジホスフィン酸金属塩、1,4−フェニレンビス(メチルホスフィン酸)マグネシウム、1,4−フェニレンビス(メチルホスフィン酸)アルミニウム、1,4−フェニレンビス(メチルホスフィン酸)カルシウム、1,4−フェニレンビス(メチルホスフィン酸)亜鉛などのアリール基を有するジホスフィン酸金属塩などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中で、耐熱性をより向上させる観点からアルキル基を有するホスフィン酸金属塩が好ましく、ジエチルホスフィン酸アルミニウムがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)の配合量は、前記半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、1〜100重量部である。なお、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩を2種以上配合する場合には、その合計配合量を1〜100重量部とする。ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)の配合量が1重量部未満であると、難燃性が低下する。20重量部以上が好ましい。一方、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)の配合量が100重量部を超えると、耐熱性および引張強度が低下し、さらに高温吸湿時にポリアミド樹脂が分解しやすいことから吸湿時の引張強度が低下しやすく、耐湿熱性が低下する。また、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)から発生する腐食ガスが多くなることから、耐金属腐食性も低下する。75重量部以下が好ましい。
本発明におけるポリアミド樹脂組成物は、さらにLi、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)を配合してなる。本発明に用いられるホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)は、難燃性を大きく向上させる一方、加熱時に金属腐食性ガスを生じ、金属を腐食させやすい性質を有する。これに対して、従来、種々の腐食防止剤が知られていたが、一般的に用いられていた腐食防止剤は、高耐熱性の半芳香族ポリアミド(A)とホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)を配合してなるポリアミド樹脂組成物に適用すると、ポリアミド樹脂組成物製造時や加工時に高温に晒されることから、押出機のバレルやスクリュー、成形機の金型を腐食させやすく、耐金属腐食性が不十分である課題があった。かかる耐金属腐食性の課題に関して、半芳香族ポリアミド(A)以外のポリアミド、例えばポリアミド66の場合には、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩を配合した場合であっても、押出機のバレルやスクリュー、成形機の金型などの金属腐食は認められず、かかる課題は、高耐熱性の半芳香族ポリアミド(A)とホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)との組合せに特有の課題である。これに対して、本発明においては、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)を配合することにより、加熱時にLi、Naおよび/またはKの一価の陽イオンが生じ、ホスフィン酸および/またはジホスフィン酸塩(B)から生じる金属腐食性ガスをトラップするため、高耐熱性の半芳香族ポリアミド(A)とホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)を配合してなるポリアミド樹脂組成物においても、耐金属腐食性を向上させることができる。さらに、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩を配合することにより、他の腐食防止剤、例えば、カルシウム、バリウムや遷移金属、ベーマイトを含む腐食防止剤と比較して、耐湿熱性、耐熱性および難燃性を向上させることができる。また、これらの腐食防止剤や、ハイドロタルサイトを含む腐食防止剤と比較して、ポリアミド樹脂自体の分解も抑制できることから、引張強度および耐金属腐食性を向上させることができる。
なお、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩の金属としては、その効果を阻害しない範囲で、Li、Na、K以外の金属を含んでもよいが、金属腐食性ガスをより効率よくトラップし、耐金属腐食性をより向上させる観点から、Li、Na、K以外の金属の含有量は少ないほど好ましく、半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、1.0重量部以下が好ましい。
Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウムなどが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。これらの中で、耐金属腐食性や吸湿時の引張強度をより向上させる観点から、Li、Naおよび/またはKの炭酸水素塩が好ましく、耐熱性をより向上させる観点から、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。また、かかる効果は、加工温度が高く、金属腐食が生じやすい300℃より高い融点を有する半芳香族ポリアミドに配合することにより、より顕著に奏される。
本発明のポリアミド樹脂組成物におけるLi、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)の配合量は、前記半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、0.5〜5重量部である。なお、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩を2種以上配合する場合には、その合計配合量が0.5〜5重量部である。Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)の配合量が0.5重量部未満であると、耐金属腐食性が低下する。1重量部以上が好ましい。一方、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)の配合量が5重量部を超えると、高温吸湿時に半芳香族ポリアミド(A)が分解しやすいことから吸湿時の引張強度が低下しやすく、また、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)はブリードアウトが発生しやすいことから、耐湿熱性が低下する。また、ポリアミド樹脂組成物中の半芳香族ポリアミド(A)やホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)の割合が相対的に減少するため、耐熱性、機械強度および難燃性が低下する。2.5重量部以下が好ましく、2.1重量部以下がより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、さらに無機充填材(D)を配合してもよい。無機充填材(D)を配合することにより、耐熱性および引張強度をより向上させることができる。
無機充填材(D)の形状は特定に限定されず、例えば、繊維状、板状、粉末状、粒状などが挙げられる。ただし、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)や、Li、Naおよび/またはKの炭酸塩および/または炭酸水素塩以外の腐食防止剤に該当するものは、無機充填材(D)には含めないこととする。無機充填材(D)としては、具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの金属珪酸塩、ガラス・ビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、ガラスフレーク、ガラス粉、カーボンブラック、シリカ、黒鉛などの非繊維状強化材、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母に代表される層状珪酸塩などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。また、無機充填材(D)は、その表面が公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理されたものであってもよい。これら無機充填材(D)の中でも、ガラス繊維が好ましく、引張強度をより向上させることができる。
本発明に用いられるガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの被覆剤あるいは収束剤で処理されたものでもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における無機充填材(D)の配合量は、前記半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対し、1〜200重量部が好ましい。無機充填材(D)の配合量を1重量部以上とすることにより、引張強度および耐熱性をより向上させることができる。一方、無機充填材(D)の配合量を200重量部以下とすることにより、ポリアミド樹脂組成物の製造および成形加工時の温度を適度に抑え、金属腐食性ガスの発生をより低減することができる。流動性をより向上させる観点から、150重量部以下がより好ましく、100重量部以下がより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、特性を損なわない範囲で、必要に応じて各種添加剤など、前記(A)〜(D)以外の成分を配合してもよい。(A)〜(D)以外の成分を配合することにより、耐熱性、引張強度、難燃性、耐金属腐食性などをさらに向上できる場合がある。かかる各種添加剤としては、例えば、前記半芳香族ポリアミド(A)以外のポリアミド、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)以外の難燃剤、Li、Naおよび/またはKの炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)以外の腐食防止剤、結晶核剤、着色防止剤、酸化防止剤(熱安定剤)、摺動剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、滑剤、染料系着色剤、顔料系着色剤、帯電防止剤、発泡剤などを挙げることができる。これらを2種以上含有してもよい。ただし、半芳香族ポリアミド(A)以外のポリアミドの配合量は、耐熱性をより向上させる観点から、少ないほど好ましい。また、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)以外の難燃剤の配合量は、難燃性をより向上させる観点から、少ないほど好ましい。Li、Naおよび/またはKの炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)以外の腐食防止剤は、金属腐食性ガスをより効率よくトラップし、耐金属腐食性をより向上させる観点から、少ないほど好ましい。
次に、本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法について説明する。本発明のポリアミド樹脂組成物は、例えば、前記各成分を溶融状態で混練する方法や、溶液状態で混合する方法などにより得ることができる。溶融状態における混練方法としては、押出機による溶融混練やニーダーによる溶融混練等が挙げられるが、生産性の点から、連続的に製造可能な押出機による溶融混練が好ましい。押出機としては、半芳香族ポリアミド(A)の製造方法において溶融高重合度化に用いられる押出機として例示したものが挙げられ、二軸押出機が好ましい。
押出機による溶融混練方法としては、半芳香族ポリアミド(A)、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)、必要に応じて無機充填材(D)およびその他添加剤を一括混練する方法(一括混練法)、半芳香族ポリアミド(A)、必要に応じてその他添加剤を溶融混練した後、サイドフィーダー等を用いてホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)およびLi、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)、必要に応じて無機充填材(D)およびその他添加剤をさらに添加し、溶融混練する方法(サイドフィーダー法−1)、半芳香族ポリアミド(A)、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)、必要に応じてその他添加剤を溶融混練した後、サイドフィーダー等を用いて必要に応じて無機充填材(D)およびその他添加剤をさらに添加し、溶融混練する方法(サイドフィーダー法−2)などが挙げられる。あらかじめ半芳香族ポリアミド(A)を溶融混練した後に、その他の成分を供給可能となる点で、サイドフィーダー法が好ましい。
二軸押出機を用いた溶融混練によりポリアミド樹脂組成物を製造する場合、二軸押出機の全スクリュー長さLとスクリュー径Dの比(L/D)は、25以上であることが好ましく、30を超えることがより好ましい。L/Dが25以上であると、半芳香族ポリアミド(A)を十分に混練した後にその他の成分を供給することが容易になる。その結果、各成分がより均一に混合され、ポリアミド樹脂組成物の耐熱性および引張強度をより向上させることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常公知の射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、紡糸などの任意の方法で成形することができ、各種成形品に加工し利用することができる。成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フィルム、シート、繊維などが挙げられる。フィルムとしては、未延伸、一軸延伸、二軸延伸などの各種フィルムとして、繊維としては、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維として利用することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物およびその成形品は、その優れた特性を活かし、電子部品、電気部品、家庭用品、事務用品、自動車・車両関連部品、建材、スポーツ用品など、様々な用途に使用される。
電子部品用途としては、例えば、コネクタ、コイル、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップシャーシ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに好ましく使用される。
電気部品用途としては、例えば、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品、モーターケース、ノートパソコンハウジングおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジングおよび内部部品、各種ギヤー、各種ケース、キャビネットなどに好ましく使用される。
家庭用品用途、事務用品用途としては、例えば、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ、レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク、DVD等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、パソコンやノートパソコン等の電子機器筐体、オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに好ましく使用される。
自動車・車両関連部品用途としては、例えば、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・冷却系・ブレーキ系・ワイパー系・排気系・吸気系各種パイプ・ホース・チューブ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、電池周辺部品、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、トランスミッション用オイルパン、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ワイヤーハーネスコネクタ、SMJコネクタ、PCBコネクタ、ドアグロメットコネクタ、ヒューズ用コネクタ等の各種コネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルパン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウォッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、インストルメントパネル、エアバッグ周辺部品、ドアパッド、ピラー、コンソールボックス、各種モーターハウジング、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプベゼル、ドアハンドル、ドアモール、リアフィニッシャー、ワイパーなどに好ましく使用される。
建材用途としては、例えば、土木建築物の壁、屋根、天井材関連部品、窓材関連部品、断熱材関連部品、床材関連部品、免震・制振部材関連部品、ライフライン関連部品などに好ましく使用される。
スポーツ用品用途としては、例えば、ゴルフクラブやシャフト等のゴルフ関連用品、アメリカンフットボールや野球、ソフトボール等のマスク、ヘルメット、胸当て、肘当て、膝当て等のスポーツ用身体保護用品、スポーツシューズの底材等のシューズ関連用品、釣り竿、釣り糸等の釣り具関連用品、サーフィン等のサマースポーツ関連用品、スキー・スノーボード等のウィンタースポーツ関連用品、その他インドアおよびアウトドアスポーツ関連用品などに好ましく使用される。
本発明のポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品は、上記各種用途の中でも、耐熱性、難燃性、耐金属腐食性および耐湿熱性に優れる点を生かして、電気・電子部品、例えば、コネクタ、リレーまたはスイッチなどに特に好ましく使用される。
以下、実施例により本発明を具体的に詳述するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。本実施例および比較例に用いたポリアミド樹脂は以下の通りである。
製造例1:(A−1)ポリアミド10T
デカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)とテレフタル酸(東京化成工業(株)製)を全量10kgになるように等モル量添加し、さらに、デカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のデカメチレンジアミンを過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度240℃で3時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.53、融点315℃のポリアミド10Tを得た。
デカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)とテレフタル酸(東京化成工業(株)製)を全量10kgになるように等モル量添加し、さらに、デカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のデカメチレンジアミンを過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度240℃で3時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.53、融点315℃のポリアミド10Tを得た。
製造例2:(A−2)ポリアミド10T/612
デカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)とヘキサメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)をモル比が91:9になるように混合してジアミン成分混合液を調製した。また、テレフタル酸(東京化成工業(株)製)とドデカン二酸をモル比が91:9になるように混合してジカルボン酸成分混合液を調製した。得られたジカルボン酸成分混合液に、ジアミン成分とジカルボン酸成分の全量が10kgで等モル量になるようにジアミン成分混合液を添加した。さらに、デカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のデカメチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンの混合液(91/9(mol%比))を過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、2.0時間かけて240℃まで上昇させ、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度240℃で2時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.10、融点290℃のポリアミド10T/612を得た。
デカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)とヘキサメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)をモル比が91:9になるように混合してジアミン成分混合液を調製した。また、テレフタル酸(東京化成工業(株)製)とドデカン二酸をモル比が91:9になるように混合してジカルボン酸成分混合液を調製した。得られたジカルボン酸成分混合液に、ジアミン成分とジカルボン酸成分の全量が10kgで等モル量になるようにジアミン成分混合液を添加した。さらに、デカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のデカメチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンの混合液(91/9(mol%比))を過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、2.0時間かけて240℃まで上昇させ、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度240℃で2時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.10、融点290℃のポリアミド10T/612を得た。
製造例3:(A−3)ポリアミド9T/M8T
ノナメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン(和光純薬工業(株)製)をモル比が85:15になるように混合して得られた混合液とテレフタル酸(東京化成工業(株)製)を全量10kgになるように等モル量添加し、さらにノナメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンの全量に対して0.5mol%のノナメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合液(85/15(モル比))を過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度230℃で1.5時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.43、融点295℃のポリアミド9T/M8Tを得た。
ノナメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン(和光純薬工業(株)製)をモル比が85:15になるように混合して得られた混合液とテレフタル酸(東京化成工業(株)製)を全量10kgになるように等モル量添加し、さらにノナメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンの全量に対して0.5mol%のノナメチレンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合液(85/15(モル比))を過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度230℃で1.5時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、240℃で固相重合し、ηr=2.43、融点295℃のポリアミド9T/M8Tを得た。
製造例4:(A−4)ポリアミド12T
ドデカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)とテレフタル酸(東京化成工業(株)製)を全量10kgになるように等モル量添加し、さらに、ドカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のドカメチレンジアミンを過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度250℃で3時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、245℃で固相重合し、ηr=2.35、融点298℃のポリアミド12Tを得た。
ドデカメチレンジアミン(東京化成工業(株)製)とテレフタル酸(東京化成工業(株)製)を全量10kgになるように等モル量添加し、さらに、ドカメチレンジアミン全量に対して0.5mol%のドカメチレンジアミンを過剰に添加し、これら原料の合計70重量部に対して、水30重量部を添加して混合し、加圧容器に仕込んで密閉し、窒素置換した。加熱を開始して、缶内圧力が2.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力2.0MPa、缶内温度250℃で3時間保持した。その後、加圧容器から内容物を吐出し、ポリアミドオリゴマーを得た。得られたポリアミドオリゴマーを粉砕し、100℃で24時間真空乾燥して、50Pa、245℃で固相重合し、ηr=2.35、融点298℃のポリアミド12Tを得た。
(X−5)ポリアミド66
東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM3001−N(融点265℃)。
東レ(株)製“アミラン”(登録商標)CM3001−N(融点265℃)。
実施例および比較例に用いたホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩は以下の通りである。
(B−1)ジエチルホスフィン酸アルミニウム(クラリアント製“エクソリット”(登録商標)OP1230)。
(B−1)ジエチルホスフィン酸アルミニウム(クラリアント製“エクソリット”(登録商標)OP1230)。
実施例および比較例に用いた腐食防止剤は以下の通りである。
(C−1)炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(C−2)炭酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(C−3)炭酸リチウム(和光純薬工業(株)製 和光特級)。
(C−4)炭酸水素カリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(C−5)炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(Y−6)炭酸カルシウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(Y−7)酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)
(Y−8)ステアリン酸バリウム(和光純薬工業(株)製 化学用)。
(Y−9)ベーマイト(日本軽化学(株)製 擬ベーマイト C−10)。
(Y−10)水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(Y−11)酸化銅(II)(和光純薬工業(株)製 化学用)。
(Y−12)ハイドロタルサイト(和光純薬工業(株)製)。
(C−1)炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(C−2)炭酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(C−3)炭酸リチウム(和光純薬工業(株)製 和光特級)。
(C−4)炭酸水素カリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(C−5)炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(Y−6)炭酸カルシウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(Y−7)酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製)
(Y−8)ステアリン酸バリウム(和光純薬工業(株)製 化学用)。
(Y−9)ベーマイト(日本軽化学(株)製 擬ベーマイト C−10)。
(Y−10)水酸化カルシウム(和光純薬工業(株)製 試薬特級)。
(Y−11)酸化銅(II)(和光純薬工業(株)製 化学用)。
(Y−12)ハイドロタルサイト(和光純薬工業(株)製)。
実施例および比較例に用いた無機充填材(D)は以下の通りである。
(D−1):ガラス繊維(日本電気硝子(株)製 T−275H、断面の直径10.5μm、繊維長3mm)。
(D−1):ガラス繊維(日本電気硝子(株)製 T−275H、断面の直径10.5μm、繊維長3mm)。
各実施例および比較例における特性評価は下記の方法に従って行った。
[ポリアミド樹脂の融点]
製造例1〜4で得られたポリアミド10T、ポリアミド10T/612、ポリアミド9T/M8T、ポリアミド12Tを140℃、製造例5に記載のポリアミド66を80℃でそれぞれ10時間真空乾燥させた後、約10mg採取して、示差走査熱量計(セイコーインスツル製、ロボットDSC−RDC220)を用いて、窒素雰囲気下で、溶融状態から20℃/分の降温速度で20℃まで降温して5分間保持した後、20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの温度を融点として測定した。但し、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の高いピークを融点とした。
製造例1〜4で得られたポリアミド10T、ポリアミド10T/612、ポリアミド9T/M8T、ポリアミド12Tを140℃、製造例5に記載のポリアミド66を80℃でそれぞれ10時間真空乾燥させた後、約10mg採取して、示差走査熱量計(セイコーインスツル製、ロボットDSC−RDC220)を用いて、窒素雰囲気下で、溶融状態から20℃/分の降温速度で20℃まで降温して5分間保持した後、20℃/分の昇温速度で昇温した際に現れる吸熱ピークの温度を融点として測定した。但し、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、最も温度の高いピークを融点とした。
[引張強度]
各実施例および比較例により得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥した後、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+1.0MPaとした条件で、厚さ3.2mmのASTM1号ダンベル試験片を射出成形した。この試験片について、引張試験機テンシロンUTA2.5T(オリエンテック社製)を用いて、ASTM D638に従って、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、引張強度を測定した。3回測定を行い、その平均値を引張強度として算出した。
各実施例および比較例により得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥した後、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+1.0MPaとした条件で、厚さ3.2mmのASTM1号ダンベル試験片を射出成形した。この試験片について、引張試験機テンシロンUTA2.5T(オリエンテック社製)を用いて、ASTM D638に従って、クロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、引張強度を測定した。3回測定を行い、その平均値を引張強度として算出した。
[耐湿熱性]
各実施例および比較例により得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥し、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+1.0MPaとした条件で、ISO IA型試験片を射出成形した。この試験片について、引張試験機テンシロンUTA2.5T(オリエンテック社製)を用いて、ISO 527−1に従って、クロスヘッド速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。3回測定を行い、その平均値を湿熱処理前引張強度として算出した。ついで、ISO IA型試験片を、85℃、85%RH下の恒温恒湿器で168時間湿熱処理した後、同様に引張試験を行い、引張強度を測定した。3回の測定値の平均値を湿熱処理後の引張強度として算出し、下記式により湿熱処理前後の引張強度保持率を算出た。湿熱処理前後の引張強度保持率が大きいほど、耐湿熱性に優れるといえる。
湿熱処理前後の引張強度保持率[%]=(湿熱処理後の引張強度[MPa]/湿熱処理前の引張強度[MPa])×100
また、168時間湿熱処理後のASTM1号ダンベル試験片外観を目視観察および触手観察することにより、次の基準に基づきブリードアウトの評価を行った。
○:目視観察により試験片にブリードアウトが観察されず、かつ触手観察によっても湿熱処理前と同等な状態である。
△:目視観察により試験片にブリードアウトが観察されないが、触手観察により滑りが認められる。
×:目視観察により試験片にブリードアウトが観察される。
各実施例および比較例により得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥し、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+1.0MPaとした条件で、ISO IA型試験片を射出成形した。この試験片について、引張試験機テンシロンUTA2.5T(オリエンテック社製)を用いて、ISO 527−1に従って、クロスヘッド速度5mm/分で引張試験を行い、引張強度を測定した。3回測定を行い、その平均値を湿熱処理前引張強度として算出した。ついで、ISO IA型試験片を、85℃、85%RH下の恒温恒湿器で168時間湿熱処理した後、同様に引張試験を行い、引張強度を測定した。3回の測定値の平均値を湿熱処理後の引張強度として算出し、下記式により湿熱処理前後の引張強度保持率を算出た。湿熱処理前後の引張強度保持率が大きいほど、耐湿熱性に優れるといえる。
湿熱処理前後の引張強度保持率[%]=(湿熱処理後の引張強度[MPa]/湿熱処理前の引張強度[MPa])×100
また、168時間湿熱処理後のASTM1号ダンベル試験片外観を目視観察および触手観察することにより、次の基準に基づきブリードアウトの評価を行った。
○:目視観察により試験片にブリードアウトが観察されず、かつ触手観察によっても湿熱処理前と同等な状態である。
△:目視観察により試験片にブリードアウトが観察されないが、触手観察により滑りが認められる。
×:目視観察により試験片にブリードアウトが観察される。
[耐熱性]
各実施例および比較例で得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥し、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+0.49MPaとした条件で、80mm×10mm×4mmのISO試験片を射出成形した。この試験片について、JIS K7207(1983年)硬質プラスチックの荷重撓み温度試験方法(ISO75)に準拠して荷重撓み温度を測定した。すなわち、前記試験片を23℃×50%RH雰囲気下90時間放置した後、高温HDTテスターHDT−500((株)安田精機製作所製)に試験片の方向をフラットワイズに設置し、応力1.82MPa(高荷重)、SPAN64mm、昇温速度120℃/hの条件で、試験片が0.35mm撓む温度を測定した。試験片3個の撓み温度の平均値を荷重撓み温度として算出した。
各実施例および比較例で得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥し、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+0.49MPaとした条件で、80mm×10mm×4mmのISO試験片を射出成形した。この試験片について、JIS K7207(1983年)硬質プラスチックの荷重撓み温度試験方法(ISO75)に準拠して荷重撓み温度を測定した。すなわち、前記試験片を23℃×50%RH雰囲気下90時間放置した後、高温HDTテスターHDT−500((株)安田精機製作所製)に試験片の方向をフラットワイズに設置し、応力1.82MPa(高荷重)、SPAN64mm、昇温速度120℃/hの条件で、試験片が0.35mm撓む温度を測定した。試験片3個の撓み温度の平均値を荷重撓み温度として算出した。
[難燃性]
各実施例および比較例で得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥し、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+1.0MPaとした条件で射出成形し、0.38mm厚のUL用試験片を各5個射出成形した。UL94(米国Under WriterLaboratories Incで定められた規格)に準拠した垂直燃焼方法により、難燃性を評価した。UL94によれば、難燃性はV−0>V−1>V−2の順に低下しランク付けされる。V−2に達しなかった材料はV−outとした。
各実施例および比較例で得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥し、SG75H−MIV(住友重機械工業(株)製)を用いて、金型温度を表1〜4記載の金型温度とし、シリンダー温度を表1〜4記載の樹脂温度とし、射出圧力を下限圧+1.0MPaとした条件で射出成形し、0.38mm厚のUL用試験片を各5個射出成形した。UL94(米国Under WriterLaboratories Incで定められた規格)に準拠した垂直燃焼方法により、難燃性を評価した。UL94によれば、難燃性はV−0>V−1>V−2の順に低下しランク付けされる。V−2に達しなかった材料はV−outとした。
また、垂直に保持した試験片の下端に10秒間ガスバーナーの炎を接炎させた後、燃焼が10秒以内に止まったならば、さらに10秒間接炎させ、この2回の接炎時間の合計を燃焼時間とし、5個の試験片の総燃焼時間を算出した。
[耐金属腐食性]
図5に耐金属腐食性評価方法の概略図を示す。実施例および比較例で得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥した。ペレット中のポリアミド樹脂分が2.4gになるようにアルミカップSに計量し、図5に示すようにスライドガラスU、モリブデン系高速度工具鋼鋼材であるSKH51材Tを順にのせ、シャーレRで蓋をした。熱風オーブンを用いて、表1〜4記載の樹脂温度で60分間加熱処理を行った後、発生ガスによるSKH51材表面の変化を観察し、次の基準により耐金属腐食性の評価を行った。
○:SKH51材表面に金属光沢が残り、表面をガーゼで拭ってもガーゼに付着物がつかない。
△:SKH51材表面に金属光沢はないが、表面をガーゼで拭うと、ガーゼに付着物がつき、SKH51材表面に金属光沢が戻る。
×:SKH51材表面に金属光沢はなく、表面をガーゼで拭うと、ガーゼに付着物がつくがSKH51材表面には金属光沢が戻らない。
図5に耐金属腐食性評価方法の概略図を示す。実施例および比較例で得られたペレットを表1〜4記載の乾燥温度で12時間真空乾燥した。ペレット中のポリアミド樹脂分が2.4gになるようにアルミカップSに計量し、図5に示すようにスライドガラスU、モリブデン系高速度工具鋼鋼材であるSKH51材Tを順にのせ、シャーレRで蓋をした。熱風オーブンを用いて、表1〜4記載の樹脂温度で60分間加熱処理を行った後、発生ガスによるSKH51材表面の変化を観察し、次の基準により耐金属腐食性の評価を行った。
○:SKH51材表面に金属光沢が残り、表面をガーゼで拭ってもガーゼに付着物がつかない。
△:SKH51材表面に金属光沢はないが、表面をガーゼで拭うと、ガーゼに付着物がつき、SKH51材表面に金属光沢が戻る。
×:SKH51材表面に金属光沢はなく、表面をガーゼで拭うと、ガーゼに付着物がつくがSKH51材表面には金属光沢が戻らない。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
表1〜2に示すポリアミド樹脂、難燃剤と腐食防止剤をドライブレンドした後、シリンダー温度を表1〜2に示す樹脂温度に設定し、スクリュー回転数を200rpmに設定した(株)日本製鋼所製TEX30型2軸押出機(L/D=35)のメインフィーダーより供給し、溶融混練を行った。このメインフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0の位置、つまりスクリューセグメントの上流側の端部の位置に接続されている。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。前記方法により評価した結果を表1〜2に示す。
表1〜2に示すポリアミド樹脂、難燃剤と腐食防止剤をドライブレンドした後、シリンダー温度を表1〜2に示す樹脂温度に設定し、スクリュー回転数を200rpmに設定した(株)日本製鋼所製TEX30型2軸押出機(L/D=35)のメインフィーダーより供給し、溶融混練を行った。このメインフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0の位置、つまりスクリューセグメントの上流側の端部の位置に接続されている。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。前記方法により評価した結果を表1〜2に示す。
実施例1〜6により、耐湿熱性、耐熱性、難燃性、耐金属腐食性に優れた成形品を得ることができた。実施例1〜5により、耐熱性により優れた成形品を得ることができた。また、実施例1、2、5は、吸湿後のブリードアウトがなく、湿熱処理前後の引張強度保持率が高く、耐湿熱性により優れており、実施例1は、特に耐湿熱性に優れていた。一方、比較例1のポリアミド樹脂組成物は、難燃剤を配合していなかったため、難燃性が低下した。比較例2のポリアミド樹脂組成物は、腐食防止剤を配合していなかったため、耐金属腐食性が低下した。比較例3のポリアミド樹脂組成物は、ジホスフィン酸塩配合量が多いため、引張強度、耐湿熱性、耐熱性が低下した。また、腐食性ガスが多量に発生し、耐金属腐食性が低下した。比較例4のポリアミド樹脂組成物は、炭酸水素ナトリウムの配合量が多いため、引張強度、耐湿熱性、耐熱性、難燃性が低下した。比較例5のポリアミド樹脂組成物は、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩を配合せず、酸化カルシウムを腐食防止剤として配合したため、引張強度、耐湿熱性、耐熱性、難燃性および耐金属腐食性が低下した。比較例6のポリアミド樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド(A)以外のポリアミドを配合したため、腐食防止剤を配合しなくても耐金属腐食性は低下しなかったが、耐熱性が低下した。
(実施例7〜15、比較例7〜16)
表3〜4に示すポリアミド樹脂、難燃剤と腐食防止剤をドライブレンドした後、シリンダー設定温度を表3〜4に示す樹脂温度に設定し、スクリュー回転数を200rpmに設定した(株)日本製鋼所製TEX30型2軸押出機(L/D=35)のメインフィーダーより供給した。このメインフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0の位置に接続されている。続いて、表3〜4に示す無機充填材をサイドフィーダーから2軸押出機に供給し、溶融混練した。このサイドフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0.65の位置に接続されている。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。前記方法により評価した結果を表3〜4に示す。
表3〜4に示すポリアミド樹脂、難燃剤と腐食防止剤をドライブレンドした後、シリンダー設定温度を表3〜4に示す樹脂温度に設定し、スクリュー回転数を200rpmに設定した(株)日本製鋼所製TEX30型2軸押出機(L/D=35)のメインフィーダーより供給した。このメインフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0の位置に接続されている。続いて、表3〜4に示す無機充填材をサイドフィーダーから2軸押出機に供給し、溶融混練した。このサイドフィーダーはスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て0.65の位置に接続されている。ダイから吐出されるガットを即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。前記方法により評価した結果を表3〜4に示す。
実施例7〜15により、耐湿熱性、耐熱性、難燃性、耐金属腐食性に優れた成形品を得ることができた。実施例7〜12により、耐熱性により優れた成形品を得ることができた。また、実施例7、8、11のポリアミド樹脂組成物は、吸湿後のブリードアウトがなく、湿熱処理前後の引張強度保持率が高く、耐湿熱性により優れていた。図1に、実施例8の耐湿熱性評価結果として、湿熱処理前(P)と湿熱処理後(Q)の試験片の写真を示す。図3に、実施例8の耐金属腐食性評価結果として、加熱処理後の試験片の写真を示す。一方、比較例7のポリアミド樹脂組成物は、腐食防止剤を配合していなかったため、耐金属腐食性が低下した。比較例8のポリアミド樹脂組成物は、腐食防止剤の配合量が多いため、引張強度、耐湿熱性、難燃性が低下した。比較例9、10、13のポリアミド樹脂組成物は、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩を配合せず、炭酸カルシウム、酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムをそれぞれ腐食防止剤として配合したため、引張強度、耐湿熱性、耐熱性、難燃性および耐金属腐食性が低下した。比較例11、12、14のポリアミド樹脂組成物は、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩を配合せず、ステアリン酸バリウム、ベーマイトまたは酸化銅をそれぞれ腐食防止剤として配合したため、引張強度、耐湿熱性、耐熱性、難燃性、耐金属腐食性が低下した。比較例15のポリアミド樹脂組成物は、ハイドロタルサイトを腐食防止剤として配合したため、引張強度および耐金属腐食性が低下した。比較例16のポリアミド樹脂は、半芳香族ポリアミド(A)以外のポリアミドを配合したため、腐食防止剤を配合しなくても耐金属腐食性は低下しなかったが、耐熱性が低下した。図2に、比較例8の耐湿熱性評価結果として、湿熱処理前(P)と湿熱処理後(Q)の試験片の写真を示す。図4に、比較例15の耐金属腐食性評価結果として、加熱処理後の試験片の写真を示す。
P 湿熱処理前の試験片
Q 湿熱処理後の試験片
R シャーレ
S アルミカップ
T SKH51材
U スライドガラス
V ペレット
Q 湿熱処理後の試験片
R シャーレ
S アルミカップ
T SKH51材
U スライドガラス
V ペレット
Claims (7)
- テレフタル酸および/またはイソフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミンおよび1,12−ドデカンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種を主成分とするジアミン成分を原料とする半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、ホスフィン酸塩および/またはジホスフィン酸塩(B)1〜100重量部、Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)0.5〜5重量部を配合してなるポリアミド樹脂組成物。
- 前記半芳香族ポリアミド(A)が300℃より高い融点を有する請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)がLi、Naおよび/またはKの炭酸水素塩を含む請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記Li、Naおよび/またはKを含む金属の炭酸塩および/または炭酸水素塩(C)が炭酸水素ナトリウムを含む請求項1〜3のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記半芳香族ポリアミド(A)100重量部に対して、さらに無機充填材(D)1〜200重量部を配合してなる請求項1〜4いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を溶融成形してなる成形品。
- 請求項1〜5のいずれか記載のポリアミド樹脂組成物を溶融成形してなる電気・電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015125236A JP2017008211A (ja) | 2015-06-23 | 2015-06-23 | ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015125236A JP2017008211A (ja) | 2015-06-23 | 2015-06-23 | ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017008211A true JP2017008211A (ja) | 2017-01-12 |
Family
ID=57760897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015125236A Pending JP2017008211A (ja) | 2015-06-23 | 2015-06-23 | ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017008211A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107177200A (zh) * | 2017-06-02 | 2017-09-19 | 涂志秀 | 一种用于聚合物的添加剂及其制备方法 |
WO2020040282A1 (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 株式会社クラレ | ポリアミド及びポリアミド組成物 |
JP2020176259A (ja) * | 2019-04-15 | 2020-10-29 | 旭化成株式会社 | ポリアミド組成物及び成形品 |
WO2021241382A1 (ja) * | 2020-05-25 | 2021-12-02 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | レーザー溶着用光透過性樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法 |
CN115466508A (zh) * | 2022-09-30 | 2022-12-13 | 珠海万通特种工程塑料有限公司 | 一种无卤阻燃半芳香族聚酰胺复合材料及其制备方法与应用 |
-
2015
- 2015-06-23 JP JP2015125236A patent/JP2017008211A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107177200A (zh) * | 2017-06-02 | 2017-09-19 | 涂志秀 | 一种用于聚合物的添加剂及其制备方法 |
WO2020040282A1 (ja) * | 2018-08-24 | 2020-02-27 | 株式会社クラレ | ポリアミド及びポリアミド組成物 |
CN112601776A (zh) * | 2018-08-24 | 2021-04-02 | 株式会社可乐丽 | 聚酰胺和聚酰胺组合物 |
JPWO2020040282A1 (ja) * | 2018-08-24 | 2021-08-10 | 株式会社クラレ | ポリアミド及びポリアミド組成物 |
JP7356432B2 (ja) | 2018-08-24 | 2023-10-04 | 株式会社クラレ | ポリアミド及びポリアミド組成物 |
CN112601776B (zh) * | 2018-08-24 | 2024-01-02 | 株式会社可乐丽 | 聚酰胺和聚酰胺组合物 |
JP2020176259A (ja) * | 2019-04-15 | 2020-10-29 | 旭化成株式会社 | ポリアミド組成物及び成形品 |
JP7356382B2 (ja) | 2019-04-15 | 2023-10-04 | 旭化成株式会社 | ポリアミド組成物及び成形品 |
WO2021241382A1 (ja) * | 2020-05-25 | 2021-12-02 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | レーザー溶着用光透過性樹脂組成物、成形品、キット、および、成形品の製造方法 |
CN115466508A (zh) * | 2022-09-30 | 2022-12-13 | 珠海万通特种工程塑料有限公司 | 一种无卤阻燃半芳香族聚酰胺复合材料及其制备方法与应用 |
CN115466508B (zh) * | 2022-09-30 | 2023-06-16 | 珠海万通特种工程塑料有限公司 | 一种无卤阻燃半芳香族聚酰胺复合材料及其制备方法与应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2017008211A (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 | |
US7989538B2 (en) | Flame resistant semiaromatic polyamide resin compositions and processes for the preparation of the compositions exhibiting increased melt flow and articles therefrom | |
JP2015071668A (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP4993425B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物 | |
US20100249292A1 (en) | Flame resistant semicaromatic polyamide resin composition and articles therefrom | |
JP6129464B1 (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 | |
JP2007507595A (ja) | 耐燃焼性芳香族ポリアミド樹脂組成物、およびそれから形成された物品 | |
KR20140005932A (ko) | 난연성 수지 조성물 | |
EP2167585A1 (en) | Flame resistant semiaromatic polyamide resin composition and articles therefrom | |
KR20110033257A (ko) | 주석산아연을 포함하는 난연성 반방향족 폴리아미드 수지 조성물 및 그로부터의 용품 | |
JP5776368B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法 | |
JP6405811B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP6458452B2 (ja) | ポリアミド樹脂およびポリアミド樹脂組成物 | |
JP7174431B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 | |
JP2015224286A (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP7129086B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 | |
JP6844314B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびそれを用いた成形品 | |
JP6079490B2 (ja) | 放熱性電気・電子部品用熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる放熱性電気・電子部品 | |
JP4529218B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2021167384A (ja) | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 | |
JP2013227556A (ja) | 情報通信機器筐体用ポリアミド樹脂組成物 | |
WO2012088206A2 (en) | Thermally conductive polymeric resin composition | |
JP2016056260A (ja) | ポリアミド樹脂およびその製造方法 | |
JP6759762B2 (ja) | 炭素繊維強化ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP6420995B2 (ja) | 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 |