JP2003171828A - 多芯複合繊維 - Google Patents
多芯複合繊維Info
- Publication number
- JP2003171828A JP2003171828A JP2001375790A JP2001375790A JP2003171828A JP 2003171828 A JP2003171828 A JP 2003171828A JP 2001375790 A JP2001375790 A JP 2001375790A JP 2001375790 A JP2001375790 A JP 2001375790A JP 2003171828 A JP2003171828 A JP 2003171828A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- fiber
- composite fiber
- core
- core component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Multicomponent Fibers (AREA)
Abstract
し、染色加工性が良好で、実着用上での複合成分間の界
面剥離による白化等のトラブルがない繊維を提供する。 【解決手段】 エチレン単位の含有量が25〜70モル
%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)
とポリアミド系樹脂(B)とを溶融混練して得られる混
合物であって、かつ60℃のDMSOに対し不溶解性の
成分を5〜75質量%含有する混合物成分を鞘成分と
し、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(C)を芯成分
とする複合繊維であって、芯成分は、最長径(L)/最
短径(D)≧1.5の偏平形状を有し、複合断面形態の
周状に10個以上配列され、繊維断面における芯成分の
ト−タルの外周長(L2)と該複合繊維の外周長(L
1)との比が下記(1)式を満足する多芯複合繊維。 1.6≦X/Y (1) ここで、X;芯成分の外周長(L2)と複合繊維の外周
長(L1)との比(L2/L1)、Y;複合繊維全体を
1としたときの芯成分の質量複合比率
Description
好な風合と良好な光沢感、吸湿性を有し、かつ加工工程
性及び耐剥離性に優れたエチレン−ビニルアルコール系
共重合体を一成分とする複合繊維に関する。特に、スポ
ーツ衣料、リビング資材用途に好適な繊維素材に関す
る。
ポリアミドのフィラメントからなる織物、編物、不織布
等の繊維構造物は、その構成フィラメントの単繊維繊度
や断面形状が単調であるため、綿、麻等の天然繊維に比
較して風合や光沢が単調で冷たく、繊維構造物としても
品位は低いものであった。また、ポリエステル系繊維は
疎水性であるため、繊維自体が吸水性、吸湿性に劣ると
いう欠点がある。これらの欠点を改良するために、従来
から種々の検討がなされているが、その中で例えば、ポ
リエステル等の疎水性ポリマーと水酸基を有するポリマ
ーとを複合紡糸することにより、疎水性繊維に親水性等
の性能を付与させる試みがなされている。具体的には、
エチレン−ビルアルコール系共重合体鹸化物とポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリアミドなどの疎水性熱可塑
性樹脂との複合繊維が特公昭56−5846号や特公昭
55−1372号公報等で開示されている。
ある。一つは高温高圧染色や縫製、あるいはスチームア
イロンの使用により、表面に露出したエチレン−ビニル
アルコール系共重合体が部分的に軟化や微膠着を生じ、
織編物としての風合が硬化することである。このことを
防止するために、ジアルデヒド化合物によりアセタール
化処理する方法が知られている。しかしながら、該アセ
タール化処理は現行の染色工程以外の別工程を必要とす
るため加工コストが高くなるという問題、アセタール化
処理する際に強酸を高濃度に使用するため、処理装置に
耐酸性が要求されるという問題、アセタール化処理時の
未反応のジアルデヒド化合物により染料が退色し、染色
物の耐光性が悪化するという問題、天然繊維に比べ膨ら
み感が不足するという問題、スチームアイロンや転写プ
リント等の過度の熱処理等によりエチレン−ビニルアル
コール系共重合体が軟化や微膠着するという問題などを
有していた。このような問題を解決するために本願出願
人は、すでに特開平10−158926号公報にて特定
のジアルデヒド化合物を用いた架橋処理法を提案してい
る。しかしながら、この技術では精練と同時に架橋する
ことが困難であり、その結果、染色と同時に架橋させる
ことにより、染料選択が制限されていた。
ルアルコール系共重合体と特にポリエステルとの複合繊
維は、2成分ポリマー間の界面での接着性が小さいため
剥離しやすく、使用する目的によっては、トラブルの原
因となることが知られている。特に強撚加工や仮撚加工
などの繊維の長さ方向に対して直角に応力が加わる加工
をする場合に、所々に2成分間の剥離現象が発生し、該
強撚加工糸や仮撚加工糸を用いて布帛を作成し染色加工
したものは、剥離した部分が白化して見え欠点となり好
ましくないことである。
塑性樹脂とエチレン−ビニルアルコール系共重合体とを
複合することにより得られる繊維であって、従来の合成
繊維からなる素材よりもより鮮やかな発色性、光沢感、
吸湿性を有し、さらに、繊維化工程性及び染色加工工程
性が良好で、かつ実着用上での複合成分間の界面剥離に
よる白化等のトラブルがない複合繊維を提供することで
ある。
チレン単位の含有量が25〜70モル%であるエチレン
−ビニルアルコール系共重合体(A)とポリアミド系樹
脂(B)とを溶融混練して得られる混合物であって、か
つ60℃のDMSOに対し不溶解性の成分を5〜75質
量%含有する混合物成分を鞘成分とし、融点が160℃
以上の熱可塑性樹脂(C)を芯成分とする複合繊維であ
って、芯成分は、最長径(L)/最短径(D)≧1.5
の偏平形状を有し、複合断面形態の周状に10個以上配
列され、繊維断面における芯成分のト−タルの外周長
(L2)と該複合繊維の外周長(L1)との比が下記
(1)式を満足することを特徴とする多芯複合繊維であ
る。 1.6≦X/Y (1) ここで、X;芯成分の外周長(L2)と複合繊維の外周
長(L1)との比(L2/L1) Y;複合繊維全体を1としたときの芯成分の質量複合比
率
あるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)(以
下、単にA成分ポリマーと略称することもある)は、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得
られるが、ケン化度は95%以上の高ケン化度のものが
好ましく、エチレン共重合割合が25〜70モル%のも
の、すなわち、ビニルアルコール成分(未ケン化酢酸ビ
ニル成分やアセタール化されたビニルアルコール成分等
を含む)が約30〜75モル%のものが用いられる。A
成分ポリマー中のエチレン単位の含有量が70モル%を
越えて高くなる場合、すなわち、ビニルアルコール成分
の割合が低くなれば、水酸基の減少のために親水性など
の特性が低下し、目的とする良好な親水性を有する天然
繊維ライクの風合が得られない。逆にエチレン単位の含
有量が25モル%未満の場合、すなわち、ビニルアルコ
ール成分の割合が多くなりすぎると、溶融成形性が低下
すると共に複合紡糸する際に、曳糸性が不良となり、紡
糸時又は延伸時の単糸切れ、断糸が多くなる。したがっ
て、高ケン化度でエチレン共重合割合が25〜70モル
%のものが本発明の目的の繊維を得るためには適してい
る。
成分とする鞘成分とと複合されるC成分ポリマーとして
ポリエステルなどの高融点ポリマーを用いる場合、長時
間安定に連続して紡糸するためには、A成分ポリマーの
溶融成形時の耐熱性を向上させることが好ましいが、そ
のための手段として、エチレンの共重合割合を適切な範
囲に設定することと、さらにA成分ポリマー中の金属イ
オン含有量を所定量以下することも効果がある。
く分けてポリマー主鎖間での橋かけ反応が起こりゲル化
物が発生していく場合と、主鎖切断、側鎖脱離などの分
解が進んでいく機構が混在化して発生すると考えられて
いるが、A成分ポリマー中の金属イオンを除去すること
により、溶融紡糸時の熱安定性が飛躍的に向上する。特
にNa+,K+イオンなどの第I族のアルカリ金属イオ
ンと、Ca2+、Mg 2+イオンなどの第II族のアル
カリ土類金属イオンをそれぞれ100ppm以下とする
ことにより顕著な効果がある。
をする際、A成分ポリマー中にゲル化物が発生してくる
と紡糸フィルター上にゲル化物が徐々に詰まって堆積
し、その結果紡糸パック圧力が急上昇してノズル寿命が
短くなるとともに紡糸時の単糸切れ、断糸が頻発する。
ゲル化物の堆積がさらに進行するとポリマー配管が詰ま
りトラブル発生の原因となり好ましくない。A成分ポリ
マー中の第I族アルカリ金属イオン、第II族アルカリ
土類金属イオンを除去することにより高温での溶融紡
糸、特に、250℃以上での溶融紡糸時に長時間連続運
転してもゲル化物発生によるトラブルが起こりにくい。
したがって、これら金属イオンの含有量は、それぞれ5
0ppm以下であることが好ましく、特に好ましくは1
0ppm以下である。
説明すると、メタノールなどの重合溶媒中でエチレンと
酢酸ビニルとをラジカル重合触媒下でラジカル重合さ
せ、次いで未反応モノマーを追い出し、苛性ソーダによ
りケン化反応を起こさせ、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体とした後、水中でペレット化した後、水洗し
て乾燥する。従って工程上どうしてもアルカリ金属やア
ルカリ土類金属がポリマー中に含有されやすく、通常は
数百ppm以上のアルカリ金属、アルカリ土類金属が混
入している。
イオン含有量をできるだけ低下させる方法としては、ポ
リマー製造工程中、ケン化処理後ペレット化した後、湿
潤状態のペレットを、酢酸を含む純水溶液で大量に洗浄
した後、さらに大過剰の純水のみで大量にペレットを洗
浄することによって得られる。またA成分ポリマーは、
エチレンと酢酸ビニルの共重合体を苛性ソーダによりケ
ン化して製造されるが、前述したようにこの時のケン化
度を95%以上にすることが好ましい。鹸化度が低くな
ると、ポリマーの結晶性が低下し、強度等の繊維物性が
低下してくるのみならず、A成分ポリマーが軟化しやす
くなり加工工程でトラブルが発生してくるとともに得ら
れた繊維構造物の風合も悪くなり好ましくない。
コール系共重合体(A)にポリアミド系樹脂(B)を3
〜45質量%の割合、好ましくは5〜40質量%の割合
で溶融混練することによって該共重合体(A)とポリア
ミド系樹脂(B)との少なくとも一部を架橋結合させる
ことが重要である。この架橋反応は、溶融混練時のみに
止まらず繊維化した後の熱処理などによっても進行する
ものであるが、架橋反応は、主にポリアミドの末端カル
ボキシル基とエチレン−ビニルアルコール系共重合体の
−OHとの反応や、ポリアミドの末端アミノ基とエチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体のカルボキシル基との
反応等によるものと推定される。架橋は、95℃の熱水
中でも膠着しない程度に形成されている必要があり、溶
融混練時のポリアミド系樹脂(B)の分散状態によっ
て、島表面と海成分の架橋反応の反応効率が影響され、
ある範囲に分散していることが重要である。そして、本
発明においては、溶融混練して得られる混合物(複合繊
維の鞘成分)には、60℃のDMSO中で2時間加熱攪
拌した場合に、不溶解性の成分が5〜75質量%含まれ
ていることが重要である。60℃のDMSO処理によっ
て、混合物中のエチレン−ビニルアルコール系共重合体
(A)は溶解し、ポリアミド系樹脂(B)と共重合体
(A)とが架橋反応して形成される樹脂成分および未反
応のポリアミド系樹脂(B)の両者が不溶解性の成分と
して確認される。本発明において、混合物成分中の不溶
解性の成分の含有量が5質量%未満であると、スチーム
アイロン、あるいは洗濯、乾燥時に繊維間の膠着や過大
収縮等を生じやすい。一方、75質量%を越えると繊維
化工程性が低下し、風合いもぬめり感が強くなり好まし
くない。したがって、7〜50質量%の不溶解性の成分
の含有量であることが好ましい。
(B)の種類は特に限定されるものでないが、例えば、
ポリカプロラミド(ナイロン6)、ポリ−ω−アミノヘ
プタン酸(ナイロン7)、ポリウンデカンアミド(ナイ
ロン11)、ポリラウリンラクタム(ナイロン12)、
ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン2,6)ポ
リテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリヘ
キサメチレンセバカミド(ナイロン2,10)、ポリヘ
キサメチレンドデカミド(ナイロン6,12)、ポリオ
クタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカ
ノメチレンアジパミド(ナイロン10,6)、ポリドデ
カメチレンセバカミド(ナイロン10,8)、あるい
は、カプロラクタム/ラウリンラクタム共重合体(ナイ
ロン6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸
共重合体(ナイロン6/9)、カプロラクタム/ヘキサ
メチレンアジペート共重合体(ナイロン6/6,6)、
ラウリンラクタム/ヘキサメチレンジアミンアジペート
共重合体(ナイロン12/6,6)、ヘキサメチレンジ
アミンアジペート/ヘキサメチレンジアミンセバケート
共重合体(ナイロン6,6/6,10)、エチレンジア
ミンアジペート/ヘキサメチレンジアミンアジペート共
重合体(ナイロン2,6/6,6)、カプロラクタム/
ヘキサメチレンジアミンアジペート/ヘキサメチレンジ
アミンセバケート共重合体(ナイロン6,6/6,1
0)などが挙げられる。なお、上記のナイロン表示中で
「,」の前後の数値はポリアミドを構成するジカルボン酸
成分とジアミン成分のそれぞれの炭素数を表すものであ
り、「/」は前後の数値で示されるポリアミド同士の共重
合体を表すものである。
ば、ナイロン6/12の縮重合時にポリエーテルジアミ
ン類とジカルボン酸(ダイマー酸など)を添加して、高
分子鎖中にポリエーテル結合を有するポリアミドとして
もよい。また、縮合時にヘキサメチレンジアミンやラウ
リルアミンのような脂肪族アミンやメタキシリレンジア
ミンやメチルベンジルアミンのような芳香族アミンを添
加して、ポリアミド中のカルボキシル末端基を減少させ
たものも好ましい。また、例えば、メタキシリレンジア
ミンと全量の80%以下のパラキシリレンジアミンを含
む混合キシリレンジアミンと、炭素数が6〜10個の
α,ω−脂肪族ジカルボン酸とから生成された構成単位
を分子鎖中に少なくとも70モル%含有するメタキシリ
レン基含有ポリアミド樹脂も有効である。これらの重合
体の例としては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリ
メタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラ
ミドなどのような単独重合体、およびメタキシリレン/
パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/
パラキシリレンアゼラミド共重合体、などのような共重
合体、ならびにこれらの単独重合体または共重合体の成
分とヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン、
ピペラジンのような脂環式ジアミン、パラ−ビス−(2
−アミノエチル)ベンゼンのような脂肪族ジアミン、テ
レフタル酸のような脂肪族ジカルボン酸、ε−カプロラ
クタムのようなラクタム、γ−アミノヘプタン酸のよう
なω−アミノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸
のような芳香族アミノカルボン酸等とを共重合した共重
合体等が挙げられる。上記の共重合体において、パラキ
シリレンジアミンは全キシリレンジアミンに対して80
%以下であり、好適には、75%以下である。またキシ
リレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから生成された
構成単位を分子鎖中において少なくとも70モル%以
上、さらには75モル%以上有していることが好まし
い。また、これらのポリマーには、たとえばナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、
ナイロン12、ナイロン6,12等の重合体、帯電防止
剤、滑剤、耐ブロッキング剤、安定剤、染料、顔料等を
含有してもよい。
SC測定において、実質上吸熱結晶融解ピークを有さな
いもので、主として、脂肪族ジアミンおよび芳香族ジカ
ルボン酸の重縮合体も用いられる。脂肪族ジアミンとし
ては、たとえばヘキサメチレンジアミン、2,2,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチ
レンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)−メタ
ン、2,2−ビス−(4−アミノヘキシル)−イソプロ
ピリジン、1,4−(1,3)−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジアミノブタ
ン、1,3−ジアミノプロパン、および2−エチルジア
ミノブタンなどが挙げられる。これらのジアミンは、一
種またはそれ以上を同時に用いることができる。なかで
も、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタンメチ
レンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,4−ジ
アミノブタン、および1,3−ジアミノプロパンが好適
に用いられる。芳香族ジカルボン酸としては、たとえば
イソフタール酸、テレフタール酸、アルキル置換イソフ
タール酸、アルキル置換テレフタール酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などが挙
げられる。これらのジカルボン酸は、一種またはそれ以
上を同時に用いることができる。なかでも、イソフター
ル酸、テレフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸などが熱成形性の面で好適
である。そして、非晶質ポリアミドとしての例として
は、ヘキサメチレンジアミン−イソフタール酸の重縮合
体、ヘキサメチレンジアミン−イソフタール酸/テレフ
タール酸の重縮合体、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミンおよび2,4,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン−テレフタール酸の重縮合体などが挙げ
られる。なかでもイソフタール酸/テレフタール酸のモ
ル比が60/40〜95/5、さらには、65/35〜
90/10の範囲にあるヘキサメチレンジアミン−イソ
フタール酸/テレフタール酸の重縮合体が好適である。
は2種以上用いられるが、上記樹脂(B)のうち好適な
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6/
6,6、ナイロン6/12、メタキシリレンジアミン含
有ポリアミド、非晶質ポリアミドなどである。ナイロン
6/12における6成分と12成分の組成割合は特に制
限はないが12成分が60モル%以下、より好ましくは
50モル%以下が好ましい。
ビルアルコール系共重合体(A)成分中に不溶解性の成分
が島状に分散していることが好ましく、その島の大きさ
は1nm〜300nmが好ましく、より好ましくは10
nm〜200nmであり、島の数は10ケ/μm2以上
であることが好ましい。島の大きさが300nmを超え
ると繊維化工程性が不安定となる場合があり、目的であ
る耐熱性が得られにくいため好ましくなく、また、1n
m未満になると耐熱性が得られにくい。また、島数が1
0ケ/μm2未満になった場合、耐熱性が得られにく
い。島数の上限値は特に限定されないが、多すぎる場合
はゲル化に至り紡糸不可となりやすいので、好ましくは
1000ケ/μm2以下、特に500ケ/μm2以下で
あることが望まれる。
融点が160℃以上、好ましくは180℃以上の熱可塑
性樹脂(C)が使用され、例えば、ナイロン12、ナイ
ロン6、ナイロン66を代表とするポリアミド、ポリプ
ロピレンを代表とするポリオレフィン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリ
メチレンテレフタレートを代表とするポリエステル等が
好適である。また、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリ乳酸などのポリエステルも使用できる。
リエステルにおいては、テレフタル酸成分の一部は他の
ジカルボン酸成分で置き換えられていてもよく、ジオー
ル成分も主たるジオール成分の以外に他のジオール成分
で少量置き換えられていてもよい。テレフタル酸以外の
ジカルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、ナ
フタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェノキシジエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキ
シ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げる
ことができる。また、ジオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールS等を挙げることができる。
を共重合していることが耐剥離性向上効果の点で望まし
い。
及びX2はエステル形成性官能基または水素原子であっ
て同一でも異なっていてもよく、Mはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アルキルホスホニウム基のいずれかを
示す。)
合物(i)として、重合時の耐熱性の点からDが3価の
芳香族基であることが望ましい。例えば、1,3,5−
ベンゼントリイル基、1,2,3−ベンゼントリイル
基、1,3,4−ベンゼントリイル基等のベンゼントリ
イル基、1,3,6−ナフタレントリイル基、1,3,
7−ナフタレントリイル基、1,4,5−ナフタレント
リイル基、1,4,6−ナフタレントリイル基等のナフ
タレントリイル基などを挙げることができる。Mはナト
リウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属原子、カ
ルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子もし
くはテトラ−n−ブチルホスホニウム基、ブチルトリフ
ェニルホスホニウム基、エチルブチルホスホニウム基等
のアルキルホスホニウム基である。X1及びX2はエス
テル形成性官能基又は水素原子を示し、それらは同一で
あっても異なっていてもよい。ポリマーの主鎖中に共重
合される点でエステル形成性官能基であることが好まし
い。エステル形成性官能基の具体例として下記の官能基
を挙げることができる。
よびdは1以上の整数、bは2以上の整数を示す。)
リウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフ
タル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタ
ル酸、2,6−ジカルボキシナフタレン−4−スルホン
酸テトラブチルホスホニウム塩、α−テトラブチルホス
ホニウムスルホコハク酸などが挙げられ、中でもコスト
パフォーマンスの点において5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸が好ましい。
ステルを構成する全酸成分に対して0.5〜5モル%の
範囲内であることが好ましい。0.5モル%未満の場
合、発色性が不十分である。一方、5モル%を越えると
鮮明な発色性は有するが、繊維化工程性、特に、紡糸
性、延伸性が不良になると共に繊維強度が低くなる。好
ましい共重合量は1〜3モル%の範囲である。また、繊
維化工程性を悪化させない範囲でC成分ポリマー中に、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料等の添加剤を含有させ
てもさしつかえない。
断面形状について詳述する。本発明の複合繊維の断面形
状は、例えば、図1の繊維断面写真に見られるように、
それぞれの芯成分の形状が最長径(L)/最短径(D)
≧1.5の偏平形状で、かつ芯成分が複合断面形態の周
状に配列されていることが必要であり、芯数は繊維断面
において10個以上である。芯数が少なくなると複合成
分間の界面剥離に対する抵抗が十分に得られにくくな
る。また周状に配列されていることも重要であり、これ
によりあらゆる方向からの外力に対して界面剥離に対す
る抵抗が十分に得られる。芯形状は、界面における接触
面積を増大させるために異形断面が望ましく、断面形成
性及び繊維化工程の安定性から特に偏平形状が好まし
い。本発明においては、芯成分の偏平形状は最長径をL、
最短径をDとするとき、L/Dで現れる偏平度が1.5
以上であることが必要であり、より好ましくは2.0以
上である。そして、本発明の複合繊維においては、隣接
する各芯成分の長辺同士がほぼ対面する状態で配列され
ている点も特徴的である。さらに重要なことは、複合断
面におけるそれぞれの芯のトータルの外周長(L2)と
該複合繊維の外周長(L1)との比が、下記(1)式を
満足することである。 1.6≦X/Y (1) ここで、X;芯成分の外周長と複合繊維の外周長との比
(L2/L1) Y;複合繊維全体を1としたときの芯成分の質量複合比
率
合繊維の外周長(L1)との比Xは芯成分の複合比率に
より変化するが、(1)式が1.6倍以上、好ましくは
2.0倍以上、より好ましくは2.5倍以上であること
が重要である。即ち、多芯成分と鞘成分の質量複合比率
が50:50である場合を例に挙げると、芯成分のトー
タルの外周長(L2)と複合繊維の外周長(L1)との
比は、0.8以上、好ましくは1.0以上、より好まし
くは1.25以上である。X(=L2/L1)が1.0
以上のとき、驚くべきことに芯成分と鞘成分の界面剥離
を防止する効果が増大する。
序は、現時点で推論の域をでないが、恐らく複合成分の
接触面積の増大と形成された芯成分の方向性との相乗効
果によるものと推察される。
面形状が偏平形状であり、かつ、芯成分の最長径方向に引
いた線分が複合繊維の外周に対して90°±15°の角
度で交わっていることが好ましく、このような構成とな
ることにより、本発明の効果が最大限に発揮される。もち
ろん、本発明においては、その効果を損なわない範囲で
あれば、1部の芯成分が繊維外周に対してかかる角度の
範囲内で配列されていなくても差し支えない。
〜10:90(質量比率)であることが好ましく、特に
70:30〜30:70がより好ましく、各々の複合形
態や繊維断面形状により適宜設定可能である。鞘成分の
複合比率が10質量%未満の場合は水酸基の減少ため繊
維のひとつの特徴である親水性等の特性が失われる。一
方、海成分の複合比率が90質量%を越える複合繊維
は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体の特徴が発
揮され、親水性、光沢感は十分に満足されるが、繊維物
性や染色物の発色性が劣り好ましくない。
面全体を覆う必要はなく、鮮やかな発色性を有するに
は、繊維表面の80%以上が屈折率の低いエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体であることが好ましく、90
%以上であることがより好ましい。特に芯鞘型複合繊維
が鮮やかな発色性、繊維強度等の点で好ましい。
ような共重合ポリエステルを使用することによって鮮や
かな発色性が得られるが、スポーツ衣料用途にかかる繊
維を用いる場合、発色性のみならず光沢をも併せ持つこ
とが要求されている。通常、光沢を有する繊維は発色性
が低下し、逆に発色性を優先させると光沢を付与するこ
とが難しい。本発明では繊維断面形状を特定することで
鮮やかな発色性及び光沢をも有する繊維を得ることがで
きる。光沢を付与するためには、光が反射する平坦な面
が多いほどよく、またマイルドな異形度を有する平坦な
面を保持した断面形状が有効である。このような断面と
して三角あるいは偏平異形断面が最適である。より好ま
しくは、偏平度が1.5〜5.0の偏平断面繊維である。
ず、任意の太さにすることができるが、発色性、光沢
感、風合に優れた繊維を得るためには複合繊維の単繊維
繊度を0.3〜11dtex程度にしておくのが好まし
い。また、長繊維のみならず短繊維でも本発明の効果が
期待される。
−ビニルアルコール系共重合体(A)とポリアミド系樹
脂(B)をチップブレンド、あるいはチップフィーダー
を用いて混合し、溶融混練効果の高いスクリュー構成に
した二軸押出機で溶融押出し紡糸ヘッドに導入する。こ
の時の押出し条件としては、温度はエチレン−ビニルア
ルコール系共重合体(A)とポリアミド系樹脂(B)の
融点の高い側を基準にし融点からプラス10℃の範囲、
滞留時間は2分から30分の範囲で設定する。一方の熱
可塑性樹脂(C)は、別の押出機で溶融押出し紡糸ヘッ
ドに導入する。エチレン−ビニルアルコール系共重合体
は、高温で長く滞留すると分解をはじめるため、ポリエ
ステルなどの高融点ポリマーと複合紡糸する場合には、
紡糸ヘッド温度を260〜300℃に押さえる必要があ
り、かかる高温紡糸が必要な場合は、押出機からヘッド
までのゾーン温度を別々にしてそれぞれのポリマーの適
正温度で行うことが好ましい。このことは、高重合度ポ
リプロピレンなどのように高粘度ポリマーと複合する場
合にも留意することが必要である。この点においてナイ
ロンは(C)成分のポリマーとして適している。さらに
複合紡糸装置を用いノズル導入口へ(A)と(B)との
ブレンドポリマーと(C)成分ポリマーの複合流を導入
するに際し、(C)成分、つまり多芯成分の数に相当す
る数の細孔が設けられた分流板から(C)成分ポリマー
を流し、それぞれの細孔から流れる(C)成分の流れ全
体を(A)と(B)のブレンドポリマーで覆いながら、
複合流を導入口の中心に向けて導入しノズルより吐出さ
せることにより製造することができる。この場合の溶融
紡出速度などは、溶融紡出速度(溶融紡出量)を約20
〜50g/紡糸孔1mm2・分程度とすると、品質の良
好な複合繊維を良好な紡糸工程性で得ることができるの
で好ましい。
数、紡糸孔の形状などは、目的とする芯鞘複合繊維の単
繊維繊度、トータルデニール、断面形状などに応じて調
節することができるが、紡糸孔(単孔)の大きさを約
0.018〜0.07mm2程度にしておくのが望まし
い。紡糸ヘッド温度条件によっては、紡糸口金の孔周囲
にノズル汚れが堆積して糸切れが発生するので、ノズル
孔出口がテーパー状に広がった形状にしたり、口金下の
雰囲気をスチームシールして酸素を遮断する手法が好ま
しい。
維を、一旦複合2成分ポリマーのうちガラス転移温度の
低い方のポリマーのガラス転移温度以下の温度、好まし
くはガラス転移温度よりも10℃以上低い温度に冷却す
る。この場合の冷却方法や冷却装置としては、紡出した
複合繊維をそのガラス転移温度以下に冷却できる方法や
装置であればいずれでもよく特に制限されないが、紡糸
口金の下に冷却風吹き付け筒などの冷却風吹き付け装置
を設けておいて、紡出されてきた複合繊維に冷却風を吹
き付けてガラス転移温度以下に冷却するようにすること
が好ましい。
き付け速度、紡出繊維に対する冷却風の吹き付け角度な
どの冷却条件は、口金から紡出されてきた複合繊維を繊
維の揺れなどを生じないようにしながら速やかに且つ均
一にガラス転移温度以下にまでに冷却できる条件であれ
ばよい。そのうちでも、冷却風の温度を約20〜30
℃、冷却風の湿度を20〜60%、冷却風の吹き付け速
度を0.4〜1.0m/秒程度として、紡出繊維に対す
る冷却風の吹き付け方向を紡出方向に対して垂直にして
紡出した複合繊維の冷却を行うのが、高品質の複合繊維
を円滑に得ることができるので好ましい。また、冷却風
吹き付け筒を用いて前記の条件下で冷却を行う場合は、
紡糸口金の直下にやや間隔をあけてまたは間隔をあけな
いで、長さが約80〜160cm程度の冷却風吹き付け
筒を配置するのが好ましい。また、引取り速度は、一旦
巻き取ってから延伸処理を行う場合、紡糸直結の一工程
で紡糸延伸して巻き取る場合、延伸を行わずに高速でそ
のまま巻き取る場合で異なるが、おおよそ500m/min
から6000m/minの範囲で引き取られる。500m/min
未満で紡糸できないことはないが、生産性の点からは意
味が少ない。一方、6000m/minを越えるような高速
では、繊維の断糸が起こりやすい。生産性及び生産コス
トの面、さらには、本発明のような架橋反応を生じるよ
うな繊維においては高速紡糸方式(延伸省略)、紡糸直結
延伸方式で繊維化することが好ましい。
粒子を含有させることが好ましく、その場合、無機微粒子
の一次平均粒子径は0.01〜5.0μmであることが
好ましく、0.03〜3.0μmであることがより好ま
しい。無機微粒子の一次平均粒子径が0.01μm未満
であると、延伸を行うための加熱帯域の温度や糸条の走
行速度、走行糸条にかかる張力などに僅かな変動が生じ
ても、複合繊維にループ、毛羽、繊度斑などが発生する
場合がある。一方、無機微粒子の一次平均粒子径が3.
0μmを超えると繊維の延伸性が低下して製糸性が不良
になり、複合繊維の製造時に断糸などが発生する場合が
ある。ここで、無機微粒子の一次平均粒子径は、遠心沈
降法を用いて測定したときの値をいう。
づいて0.05〜10.0質量%であることが好まし
く、0.3〜5.0質量%であることがより好ましい。
無機微粒子の含有量が0.1質量%未満であると延伸を
行うための加熱帯域の温度や糸条の走行速度、走行糸条
にかかる張力などに僅かな変動を生じても、得られる複
合繊維にループや毛羽、繊度斑などが発生する場合があ
り、一方、無機微粒子の含有量が10.0質量%を超え
ると、繊維の延伸工程で無機微粒子が走行糸条と空気と
の間の抵抗を過度なものにして、毛羽の発生、断糸の発
生などにつながり工程が不安定になる場合がある。
機微粒子の一次平均粒子径(μm)とポリマー中の含有
量(質量%)の積(Z)が0.01≦Z≦3.0を満足
することが好ましい。積Zが0.01未満では、複合繊
維にループや毛羽、繊度斑などが発生し工程性不良で好
ましくなかったり、繊維中に未延伸部が多発し衣料用途
に使用困難な場合がある。積Zが3.0を越えると、繊
維化工程中での毛羽、断糸が多発し工程性不良となる場
合がある。
エステルに対して劣化作用などをもたず、それ自体で安
定性に優れる無機微粒子であればいずれも使用できる。
本発明で有効に用い得る無機微粒子の代表例としては、
シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸
バリウムなどを挙げることができ、これらの無機微粒子
は単独で使用しても、または2種以上を併用してもよ
い。2種以上を併用して用いる場合は、それぞれの無機
微粒子の粒子径(a1,a2,・・・an)と含有量(b
1,b2,・・・bn)の積の和が上記範囲を満たす必要
がある。つまり、Z=a1×b1+a2×b2+・・・an
×bnのYが上記範囲を満たす事である。
制限されず、芯成分を溶融紡出する直前までの任意の段
階で芯成分中に無機微粒子が均一に混合されているよう
にして添加、混合すればよい。例えば、無機微粒子は芯
成分の重合時の任意の時点に添加しても、重縮合の完了
したペレットの製造時などに後から添加しても、または
芯成分を紡糸口金から紡出させる前の段階で無機微粒子
を均一に溶融混合するようにしてもよい。
は、各種繊維集合体(繊維構造物)として用いることが
できる。ここで繊維集合体とは、本発明の繊維単独より
なる織編物、不織布はもちろんのこと、本発明の繊維を
一部に使用してなる織編物や不織布、例えば、天然繊
維、化学繊維、合成繊維など他の繊維との交編織布、あ
るいは混紡糸、混繊糸として用いた織編物、混綿不織布
などであってもよいが、織編物や不織布に占める本発明
繊維の割合は10質量%以上、好ましくは30質量%以
上であることが好ましい。
独で又は一部に使用して織編物等を作成し、良好な風合
を発現させた衣料用素材とすることができる。一方、短
繊維では衣料用ステープル、乾式不織布および湿式不織
布等があり、衣料用のみならず各種リビング資材、産業
資材等の非衣料用途にも好適に使用することができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のでない。
ノールとテトラクロルエタンの等質量混合溶媒を用い3
0℃恒温槽中でウーベローデ型粘度計を用いて測定し
た。エチレン酢酸ビニル共重合体のケン化物は85%含
有フェノールを用い30℃以下で測定した。
染色した布帛を10人のパネラーにより官能評価した。
その結果を、非常に優れるを2点、優れるを1点、劣る
を0点とした。 ○:合計点が15点以上 △:合計点が8・14点 ×:合計点が7点以下
り官能評価した。その結果を、ソフトで嵩高感のある非
常に優れるを2点、優れるを1点、膠着が生じ硬化して
いて劣るを0点とした。 ◎:合計点が15点以上 ○:合計点が11〜14点 △:合計点が7点〜10点 ×:合計点が6点以下
た。 ◎:毛羽、断糸の発生なく良好 ○:断糸はなく、毛羽の発生が僅かに認められる △:断糸1〜2回発生 ×:断糸が3回以上発生
りをかけ、そのままの状態で糸条を切断し、切断面のフ
ィラメントの剥離状態を電子顕微鏡で500倍に拡大して
観察した。切断箇所を10ヶ所について、下記の基準に
より評価した。 ◎:剥離程度が1割未満の場合 ○:剥離程度が1割〜2割程度の場合 △:剥離程度が2割〜5割程度の場合 ×:剥離程度が5割を超える場合
を用い、複合繊維の断面を100000倍に拡大して観
察した。
は電子顕微鏡観察による繊維断面写真から、複合繊維を
構成する鞘成分(混合物成分)の面積比率(R;但し、
複合繊維断面積を1としたときの値)を求める。次い
で、繊維試料0.3gをDMSO溶媒50mlに入れ、
60℃×2時間加熱溶解処理し、処理前後の試料質量か
ら下記式により求めた。 (鞘成分中の)不溶解性成分の含有量(%)=〔{処理
後質量−処理前質量×(1−R)}/(処理前質量×
R)〕×100
と酢酸ビニルをラジカル重合させ、エチレンの共重合割
合が44モル%のランダム共重合体を作製し、次いで苛
性ソーダによりケン化処理を行い、ケン化度99%以上
のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とした後、湿
潤状態のポリマーを酢酸が少量添加されている大過剰の
純水で洗浄を繰返した後、さらに大過剰の純水による洗
浄を繰返し、ポリマー中のK,Naイオン及びMg,C
aイオンの含有量をそれぞれ約10ppm以下にし、そ
の後、脱水機によりポリマーから水を分離した後、更に
100℃以下で真空乾燥を十分に実施して固有粘度
〔η〕=1.05dl/gのポリマーを得、このポリマ
ーをA成分ポリマーとした。A成分にB成分としてナイ
ロン6/12(6/12=80/20% 宇部興産 7
024B)を10重量%チップブレンドし、30φ二軸
押出機、220℃にて溶融混練させ、鞘成分用のポリマ
ーとした。
を全酸成分に対して1.7モル%上重合したポリブチレ
ンテレフタレートを、重合触媒としてテトライソプロピ
ルチタネートを用い、チタン金属原子換算でポリマー中
に35ppm添加し、常法により重合を行い、固有粘度
〔η〕=0.85のポリマーを得、多芯成分とした。な
お、多芯成分には、表1に示すように無機微粒子を特定
量含有させた。
分ポリマーの複合比率(質量比率)50:50の条件
で、紡糸温度260℃、巻取り速度4500m/分で溶
融複合紡糸し、図2に示すような断面形状の複合フィラ
メント糸(83dtex/24フィラメント)を得た。
この複合繊維の多芯成分(C成分)の個数は50個であ
り、多芯成分(C成分)の外周長(L2)と複合繊維の
外周長(L1)との比L2/L1=5.0(X/Y=1
0.0)であり、強度は3.2cN/dtexであっ
た。ついで800T/Mの実撚を施し、編物を作製し、
得られた編物を通常の液流染色機を使用して下記に示す
染色条件で染色し、その後常法により乾燥仕上げセット
を実施した。染色された編物は良好な発色、鮮明性と優
れた光沢感を有しており、芯鞘界面剥離は全く認められ
なかった。更にしっとりした良好な風合を有するもので
あった。結果を表1に示す。 <染色条件> 染料:Sumikaron Navy Blue SPH conc 5%omf Disper TL (明成化学) 1g/l 酢酸(50%) 0.3cc/l 浴比 1:50 温度 105℃×40分 <還元洗浄> NaOH 2g/l Na2SO4 2g/l アミラジンD 2g/l 85℃×20分
うに変更すること以外は、実施例1と同様に実施した。
耐剥離性評価結果及び風合評価結果を表2に示す。いず
れも繊維化工程性は良好であり、優れた耐剥離性と良好
な風合を有していた。
種類、添加量を表1に示すように変更すること以外は、
実施例1と同様に実施した。いずれも優れた耐剥離性と
良好な風合を有していた。
こと以外は、実施例1と同様に実施した。いずれも優れ
た耐剥離性と良好な風合を有していた。
に実施した。いずれも優れた耐剥離性と良好な風合を有
していた。
の含有量を表1に示すように変更すること以外は実施例
1と同様に実施した。いずれも優れた耐剥離性と良好な
風合を有していた。
施例1と同様に実施した。いずれも良好な風合であった
が、芯鞘界面の剥離によりアタリが激しく、品位として
劣るものであり、実用に耐えるレベルではなかった。
更すること以外は実施例1と同様にして実施した。膠着
が激しく、風合として品位の低いものであった。
のエチレン−ビニルアルコール系共重合体にポリアミド
樹脂を溶融混練し、さらに特定の熱可塑性ポリマーとが
所定の条件を満足するように複合された断面形状とする
ことにより、従来の合成繊維には見られなかった良好な
親水性を有し、従来の染色加工方法によりソフトで天然
繊維に似た風合と芯鞘界面の耐剥離性に優れた複合繊維
を得ることができる。
面写真
略図
概略図
概略図
略図
略図
Claims (7)
- 【請求項1】 エチレン単位の含有量が25〜70モル
%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(A)
とポリアミド系樹脂(B)とを溶融混練して得られる混
合物であって、かつ60℃のDMSOに対し不溶解性の
成分を5〜75質量%含有する混合物成分を鞘成分と
し、融点が160℃以上の熱可塑性樹脂(C)を芯成分
とする複合繊維であって、芯成分は、最長径(L)/最
短径(D)≧1.5の偏平形状を有し、複合断面形態の
周状に10個以上配列され、繊維断面における芯成分の
ト−タルの外周長(L2)と該複合繊維の外周長(L
1)との比が下記(1)式を満足することを特徴とする
多芯複合繊維。 1.6≦X/Y (1) ここで、X;芯成分の外周長(L2)と複合繊維の外周
長(L1)との比(L2/L1) Y;複合繊維全体を1としたときの芯成分の質量複合比
率 - 【請求項2】 複合繊維の断面形状が偏平形状であり、
かつ、芯成分の最長径方向に引いた線分が複合繊維の外
周に対して90°±15°の角度で交わっている請求項
1に記載の多芯複合繊維。 - 【請求項3】 複合繊維の偏平度が1.5〜5.0であ
る請求項1または2に記載の多芯複合繊維。 - 【請求項4】 不溶解性の成分は共重合体(A)成分中
に島状に分散し、該島の大きさが1nm〜300nm、島の
数は繊維断面でみて10ケ/μm2以上存在している請
求項1〜3のいずれか1項に記載の複合繊維。 - 【請求項5】 ポリアミド系樹脂(B)がナイロン6/
12、ナイロン6及びナイロン6,6からなる群より選
ばれる少なくとも1種のポリアミド系樹脂である請求項
1〜4のいずれか1項に記載の多芯複合繊維。 - 【請求項6】 鞘成分と芯成分との質量複合比率が1
0:90〜90:10である請求項1〜5のいずれか1
項に記載の多芯複合繊維。 - 【請求項7】 芯成分に無機微粒子が含有されており、
該無機微粒子の一次平均粒子径(μm)と無機微粒子含
有量(質量%)が下式(2)〜(4)を満たす請求項1
〜6のいずれか1項に記載の多芯複合繊維。 0.01≦一次平均粒子径(μm)≦5.0 (2) 0.05≦無機微粒子含有量(質量%)≦10.0 (3) 0.01≦Z≦3.0 (4) 但し、Z=一次平均粒子径(μm)×無機微粒子含有量
(質量%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001375790A JP3784706B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 多芯複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001375790A JP3784706B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 多芯複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171828A true JP2003171828A (ja) | 2003-06-20 |
JP3784706B2 JP3784706B2 (ja) | 2006-06-14 |
Family
ID=19184101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001375790A Expired - Lifetime JP3784706B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | 多芯複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3784706B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015152083A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-04-13 | 株式会社クラレ | 複合繊維およびその製造方法 |
JP2019094593A (ja) * | 2017-11-27 | 2019-06-20 | 株式会社クラレ | 芯鞘型複合繊維 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01118618A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-11 | Kuraray Co Ltd | 溶融紡糸法 |
JPH0280615A (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-20 | Kuraray Co Ltd | 複合繊維及びその製造方法 |
JPH03234816A (ja) * | 1990-02-06 | 1991-10-18 | Kuraray Co Ltd | 複合繊維 |
JPH04100920A (ja) * | 1990-08-15 | 1992-04-02 | Chisso Corp | 複合型熱接着性繊維およびこれを用いた不織布 |
-
2001
- 2001-12-10 JP JP2001375790A patent/JP3784706B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01118618A (ja) * | 1987-10-28 | 1989-05-11 | Kuraray Co Ltd | 溶融紡糸法 |
JPH0280615A (ja) * | 1988-09-13 | 1990-03-20 | Kuraray Co Ltd | 複合繊維及びその製造方法 |
JPH03234816A (ja) * | 1990-02-06 | 1991-10-18 | Kuraray Co Ltd | 複合繊維 |
JPH04100920A (ja) * | 1990-08-15 | 1992-04-02 | Chisso Corp | 複合型熱接着性繊維およびこれを用いた不織布 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2015152083A1 (ja) * | 2014-03-31 | 2017-04-13 | 株式会社クラレ | 複合繊維およびその製造方法 |
JP2019094593A (ja) * | 2017-11-27 | 2019-06-20 | 株式会社クラレ | 芯鞘型複合繊維 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3784706B2 (ja) | 2006-06-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1464737B1 (en) | Composite fiber | |
US6455156B2 (en) | Hollow fibers and manufacturing method of hollow fibers | |
TWI531694B (zh) | 陽離子可染聚酯纖維及複合纖維 | |
JP3703775B2 (ja) | 吸熱性複合繊維 | |
JP2003171828A (ja) | 多芯複合繊維 | |
JP4727089B2 (ja) | 複合繊維 | |
JP3728498B2 (ja) | 複合繊維 | |
JP4459667B2 (ja) | 複合繊維 | |
JP2003293224A (ja) | 高吸湿・吸水性ポリビニルアルコール共重合体複合繊維 | |
JP3756849B2 (ja) | 複合繊維 | |
JP3657552B2 (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維 | |
JP3665288B2 (ja) | 混紡糸 | |
JP3728499B2 (ja) | 芯鞘型複合繊維 | |
JP4271594B2 (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維 | |
JP4459657B2 (ja) | 複合繊維 | |
JP2003293218A (ja) | 高吸湿・吸水性ポリビニルアルコール系重合体繊維 | |
JP2003171830A (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体複合繊維 | |
JP3731817B2 (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維 | |
JPH0665762B2 (ja) | 特殊複合繊維及びその製造方法 | |
JP4660969B2 (ja) | 熱可塑性合成繊維とその製造方法 | |
JP2008223164A (ja) | 複合繊維 | |
JPH0931754A (ja) | 複合繊維 | |
JPH10212623A (ja) | 複合繊維 | |
JP2004332129A (ja) | 高耐久性複合繊維 | |
JPH03269115A (ja) | 複合繊維 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060210 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060307 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060315 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3784706 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100324 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110324 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120324 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324 Year of fee payment: 7 |