JPH10212623A - 複合繊維 - Google Patents
複合繊維Info
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- JPH10212623A JPH10212623A JP9009225A JP922597A JPH10212623A JP H10212623 A JPH10212623 A JP H10212623A JP 9009225 A JP9009225 A JP 9009225A JP 922597 A JP922597 A JP 922597A JP H10212623 A JPH10212623 A JP H10212623A
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- composite
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱による自己架橋の抑制、ゲル化の抑制が見
出だされたエチレンビニルアルコ−ル系共重合体を一成
分とする複合繊維を提供する。 【解決手段】 特定のゲル分率を有するエチレンビニル
アルコ−ル系共重合体を一成分とする複合繊維である。
出だされたエチレンビニルアルコ−ル系共重合体を一成
分とする複合繊維を提供する。 【解決手段】 特定のゲル分率を有するエチレンビニル
アルコ−ル系共重合体を一成分とする複合繊維である。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はエチレンビニルアル
コ−ル系共重合体を含む複合繊維に関する。詳細にはエ
チレンビニルアルコ−ル系共重合体のゲル化が抑制され
た、紡糸工程の良好な複合繊維に関する。
コ−ル系共重合体を含む複合繊維に関する。詳細にはエ
チレンビニルアルコ−ル系共重合体のゲル化が抑制され
た、紡糸工程の良好な複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系繊維は疎水性であるがた
めに繊維自体が吸湿性、吸水性に劣る欠点があり、かか
る欠点を改良するために各種の提案がなされている。そ
の1つとしてポリエステルとエチレンビニルアルコ−ル
系共重合体との複合繊維が本発明者等から提案されてい
る(特願平2−27826号)。
めに繊維自体が吸湿性、吸水性に劣る欠点があり、かか
る欠点を改良するために各種の提案がなされている。そ
の1つとしてポリエステルとエチレンビニルアルコ−ル
系共重合体との複合繊維が本発明者等から提案されてい
る(特願平2−27826号)。
【0003】しかるに、エチレンビニルアルコ−ル系共
重合体は加熱により自己架橋しゲル化しやすいポリマ−
であり、紡糸等の取扱性が極めて難しいポリマ−であ
る。ただ、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体単独の
紡糸は、紡糸温度が低いためか、自己架橋によるゲルの
発生が少なく紡糸性に困難は伴わない。しかるに、ポリ
エステル等の溶融温度の高いポリマ−との複合紡糸で
は、紡糸温度を高くせざるを得ず、かかる高い紡糸温度
ではエチレンビニルアルコ−ル系共重合体の自己架橋に
よるゲル化が生じ易く、紡糸に困難を伴っていたのであ
る。
重合体は加熱により自己架橋しゲル化しやすいポリマ−
であり、紡糸等の取扱性が極めて難しいポリマ−であ
る。ただ、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体単独の
紡糸は、紡糸温度が低いためか、自己架橋によるゲルの
発生が少なく紡糸性に困難は伴わない。しかるに、ポリ
エステル等の溶融温度の高いポリマ−との複合紡糸で
は、紡糸温度を高くせざるを得ず、かかる高い紡糸温度
ではエチレンビニルアルコ−ル系共重合体の自己架橋に
よるゲル化が生じ易く、紡糸に困難を伴っていたのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はエチレン
ビニルアルコ−ル系共重合体の熱による自己架橋の発
生、ゲル化の発生を検討し、自己架橋を抑制することを
見出だし、本発明に到達した。
ビニルアルコ−ル系共重合体の熱による自己架橋の発
生、ゲル化の発生を検討し、自己架橋を抑制することを
見出だし、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式(1)
を満足するエチレンビニルアルコ−ル系共重合体を一成
分とする複合繊維である。 X≧1.4Y+2.0 ・・・・・(1) [ただし、Xは混練時間(時間)、Yはゲル分率(%)
/100を示す。]
を満足するエチレンビニルアルコ−ル系共重合体を一成
分とする複合繊維である。 X≧1.4Y+2.0 ・・・・・(1) [ただし、Xは混練時間(時間)、Yはゲル分率(%)
/100を示す。]
【0006】本発明の複合繊維を構成する一成分である
エチレンビニルアルコ−ル系共重合体について説明す
る。該共重合体はエチレン−酢酸ビニル系共重合体をケ
ン化したものであるが、エチレン含有量が25〜75モ
ル%、とくに30〜70モル%の範囲、ケン化度が95
%以上であることが好ましい。エチレン含有量が高くな
る、すなわち、ビニルアルコ−ル含有量が低くなると当
然、繊維中の水酸基が減少し親水性等の特性が低下して
目的の1つである親水性を有する天然繊維ライクの風合
をもつ布帛を得ることができにくくなる。一方、エチレ
ン含有量が低くなる、すなわちビニルアルコ−ル含有量
が高くなると溶融成形性が低下するとともに、複合紡糸
後の繊維の曵糸性が不良となり断糸が多発しやすくな
る。
エチレンビニルアルコ−ル系共重合体について説明す
る。該共重合体はエチレン−酢酸ビニル系共重合体をケ
ン化したものであるが、エチレン含有量が25〜75モ
ル%、とくに30〜70モル%の範囲、ケン化度が95
%以上であることが好ましい。エチレン含有量が高くな
る、すなわち、ビニルアルコ−ル含有量が低くなると当
然、繊維中の水酸基が減少し親水性等の特性が低下して
目的の1つである親水性を有する天然繊維ライクの風合
をもつ布帛を得ることができにくくなる。一方、エチレ
ン含有量が低くなる、すなわちビニルアルコ−ル含有量
が高くなると溶融成形性が低下するとともに、複合紡糸
後の繊維の曵糸性が不良となり断糸が多発しやすくな
る。
【0007】また、ケン化度が低くなると該共重合体の
結晶性が低下し、複合繊維とはいっても強度等の繊維物
性が低下してくるのみならず、該共重合体が軟化しやす
くなって加工工程でトラブルが発生しやすくなる。
結晶性が低下し、複合繊維とはいっても強度等の繊維物
性が低下してくるのみならず、該共重合体が軟化しやす
くなって加工工程でトラブルが発生しやすくなる。
【0008】さらに、かかる共重合体は上述のように高
温で紡糸する際には自己架橋によるゲルが発生し、高温
での複合紡糸が困難であった。そこで下記に定義するゲ
ル分率をコントロ−ルすることにより、ゲルの発生を抑
制することができるようになった。すなわち、ゲル分率
とはエチレンビニルアルコ−ル系共重合体をプラストミ
ルにて250℃で混練して生成したゲル化物の該共重合
体に対する割合を示す値であり、式(1)を満足するこ
とが必要である。
温で紡糸する際には自己架橋によるゲルが発生し、高温
での複合紡糸が困難であった。そこで下記に定義するゲ
ル分率をコントロ−ルすることにより、ゲルの発生を抑
制することができるようになった。すなわち、ゲル分率
とはエチレンビニルアルコ−ル系共重合体をプラストミ
ルにて250℃で混練して生成したゲル化物の該共重合
体に対する割合を示す値であり、式(1)を満足するこ
とが必要である。
【0009】 X≧1.4Y+2.0 ・・・・・(1) [ただし、Xは混練時間(時間)、Yはゲル分率(%)
/100を示す。]
/100を示す。]
【0010】長時間連続して、高温で溶融複合紡糸を行
っていると、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体中に
ゲルが発生して、紡糸フィルタ−上にゲル化物が堆積
し、結果として紡糸パック圧が急上昇してノズル寿命が
短くなってしまうとともに紡糸時の単糸切れ、断糸が頻
発してくることになる。ゲル化物の堆積がさらに進むと
ポリマ−配管が詰まり、トラブル発生の原因となる。
っていると、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体中に
ゲルが発生して、紡糸フィルタ−上にゲル化物が堆積
し、結果として紡糸パック圧が急上昇してノズル寿命が
短くなってしまうとともに紡糸時の単糸切れ、断糸が頻
発してくることになる。ゲル化物の堆積がさらに進むと
ポリマ−配管が詰まり、トラブル発生の原因となる。
【0011】そこでエチレンビニルアルコ−ル系共重合
体の熱に対する挙動を検討した結果、該共重合体のゲル
分率をコントロ−ルすることで、熱安定性が飛躍的に向
上し、高温での溶融紡糸が可能となったのである。かか
るゲル分率をコントロ−ルする具体的な手段として、特
定の酸化防止剤を該共重合体に含有させる方法を挙げる
ことができる。使用できる酸化防止剤としては窒素元素
を含有するヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤を挙げる
ことができ、具体的には2,4−ビス(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルアニ
リノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリス(4−t
−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジ
ル)イソシアヌル酸等を挙げることができる。これらの
酸化防止剤は1種類のみならず、2種類以上を併用する
ことも可能である。
体の熱に対する挙動を検討した結果、該共重合体のゲル
分率をコントロ−ルすることで、熱安定性が飛躍的に向
上し、高温での溶融紡糸が可能となったのである。かか
るゲル分率をコントロ−ルする具体的な手段として、特
定の酸化防止剤を該共重合体に含有させる方法を挙げる
ことができる。使用できる酸化防止剤としては窒素元素
を含有するヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤を挙げる
ことができ、具体的には2,4−ビス(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルアニ
リノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリス(4−t
−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジ
ル)イソシアヌル酸等を挙げることができる。これらの
酸化防止剤は1種類のみならず、2種類以上を併用する
ことも可能である。
【0012】該酸化防止剤のエチレンビニルアルコ−ル
系共重合体への含有量は0.01〜10重量%、とくに
0.1〜3.0重量%であることが好ましい。かかる範
囲内の含有量により、式(1)で示されるゲル分率がコ
ントロ−ルされ、該共重合体の熱安定性が向上して高温
での溶融紡糸、とくに長期間に亘る溶融紡糸が可能とな
ったのである。酸化防止剤の含有量を多くすると、かえ
って繊維が着色してしまい繊維製品として商品価値の低
いものとなってしまう。該酸化防止剤は他の窒素元素を
含有しない酸化防止剤、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防
止剤以外の酸化防止剤と併用することもできる。
系共重合体への含有量は0.01〜10重量%、とくに
0.1〜3.0重量%であることが好ましい。かかる範
囲内の含有量により、式(1)で示されるゲル分率がコ
ントロ−ルされ、該共重合体の熱安定性が向上して高温
での溶融紡糸、とくに長期間に亘る溶融紡糸が可能とな
ったのである。酸化防止剤の含有量を多くすると、かえ
って繊維が着色してしまい繊維製品として商品価値の低
いものとなってしまう。該酸化防止剤は他の窒素元素を
含有しない酸化防止剤、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防
止剤以外の酸化防止剤と併用することもできる。
【0013】本発明の複合繊維を構成する他方成分につ
いて説明する。かかる成分としては融点が150℃以上
の繊維形成性ポリマ−であり、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミド等を挙げることができる。ポリオレ
フィンとしてはポリプロピレン、エチレン−プロピレン
ランダム共重合体等を挙げることができ、ポリアミドと
しては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など
を主成分とするポリアミドであり、これらのポリマ−に
は少量の第3成分が含まれていてもよい。
いて説明する。かかる成分としては融点が150℃以上
の繊維形成性ポリマ−であり、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリアミド等を挙げることができる。ポリオレ
フィンとしてはポリプロピレン、エチレン−プロピレン
ランダム共重合体等を挙げることができ、ポリアミドと
しては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など
を主成分とするポリアミドであり、これらのポリマ−に
は少量の第3成分が含まれていてもよい。
【0014】ポリエステルとしてはテレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、フタル
酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジアルボン酸また
はこれらのエステル類;エチレングリコ−ル、ジエチレ
ングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキ
サンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサ
ン1,4−ジメタノ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポ
リテトラメチレングリコ−ル等のジオ−ル化合物とから
なるポリエステルを挙げることができる。なかでも構成
単位の80モル%以上、とくに90モル%以上がエチレ
ンテレフタレ−ト単位またはブチレンテレフタレ−ト単
位であるポリエステルが望ましい。
フタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、フタル
酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジアルボン酸また
はこれらのエステル類;エチレングリコ−ル、ジエチレ
ングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキ
サンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、シクロヘキサ
ン1,4−ジメタノ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポ
リテトラメチレングリコ−ル等のジオ−ル化合物とから
なるポリエステルを挙げることができる。なかでも構成
単位の80モル%以上、とくに90モル%以上がエチレ
ンテレフタレ−ト単位またはブチレンテレフタレ−ト単
位であるポリエステルが望ましい。
【0015】これらのポリマ−中には通常繊維に添加さ
れる添加剤、たとえば蛍光増白剤、紫外線吸収剤、安定
剤等が含有されていてもよい。
れる添加剤、たとえば蛍光増白剤、紫外線吸収剤、安定
剤等が含有されていてもよい。
【0016】エチレンビニルアルコ−ル系共重合体(以
下、A成分ポリマ−と略称する)と、融点が150℃以
上の繊維形成性ポリマ−(以下、B成分ポリマ−と略称
する)との複合比はA:B=5:95〜80:20、と
くに30:70〜70:30であることが好ましい。複
合繊維に親水性を付与するには該複合比の範囲が好まし
く、A成分ポリマ−の複合比が大きすぎるとA成分ポリ
マ−のゲル化は抑制できても、本来が曵糸性に劣るA成
分ポリマ−であるために、紡糸・延伸工程性が不良とな
り易い。また、単繊維間の膠着が激しくなり、該複合繊
維からなる織編物が硬くなってしまう場合がある。
下、A成分ポリマ−と略称する)と、融点が150℃以
上の繊維形成性ポリマ−(以下、B成分ポリマ−と略称
する)との複合比はA:B=5:95〜80:20、と
くに30:70〜70:30であることが好ましい。複
合繊維に親水性を付与するには該複合比の範囲が好まし
く、A成分ポリマ−の複合比が大きすぎるとA成分ポリ
マ−のゲル化は抑制できても、本来が曵糸性に劣るA成
分ポリマ−であるために、紡糸・延伸工程性が不良とな
り易い。また、単繊維間の膠着が激しくなり、該複合繊
維からなる織編物が硬くなってしまう場合がある。
【0017】またA成分ポリマ−とB成分ポリマ−との
複合形態は公知の複合形態であればよく、具体例を図1
に示す。芯鞘型複合形態(イ、ロ)、貼合わせ型複合形
態(ハ、ニ)、多層貼合わせ型複合形態(ホ、ヘ、ト)
等であり、多層貼合わせ型複合形態はB成分の選択によ
り分割して極細化することも可能である。複合形態チ〜
ルは繊維断面の中心方向へ分割するタイプであり、A成
分ポリマ−あるいはB成分ポリマ−のどちらかが分割す
るタイプである。また複合形態ヲは中空断面繊維の例で
あり、円環状にA成分ポリマ−、B成分ポリマ−がそれ
ぞれに分割しているタイプである。複合形態ワは繊維断
面中心方向に各々のポリマ−が分割していくタイプであ
り、複合形態カ、ヨは異形断面繊維の複合形態の例であ
る。複合形態タはA成分ポリマ−とB成分ポリマ−との
不均一混合形態の例であり、該混合形態は紡糸ノズルよ
り吐出する直前にA成分ポリマ−とB成分ポリマ−を4
〜8エレメントの静止型混合器で層状分割した後ノズル
より吐出させることにより得ることができる。複合形態
レは芯成分がB成分ポリマ−、鞘成分がA成分ポリマ−
とB成分ポリマ−との混合物である芯鞘複合形態のタイ
プである。
複合形態は公知の複合形態であればよく、具体例を図1
に示す。芯鞘型複合形態(イ、ロ)、貼合わせ型複合形
態(ハ、ニ)、多層貼合わせ型複合形態(ホ、ヘ、ト)
等であり、多層貼合わせ型複合形態はB成分の選択によ
り分割して極細化することも可能である。複合形態チ〜
ルは繊維断面の中心方向へ分割するタイプであり、A成
分ポリマ−あるいはB成分ポリマ−のどちらかが分割す
るタイプである。また複合形態ヲは中空断面繊維の例で
あり、円環状にA成分ポリマ−、B成分ポリマ−がそれ
ぞれに分割しているタイプである。複合形態ワは繊維断
面中心方向に各々のポリマ−が分割していくタイプであ
り、複合形態カ、ヨは異形断面繊維の複合形態の例であ
る。複合形態タはA成分ポリマ−とB成分ポリマ−との
不均一混合形態の例であり、該混合形態は紡糸ノズルよ
り吐出する直前にA成分ポリマ−とB成分ポリマ−を4
〜8エレメントの静止型混合器で層状分割した後ノズル
より吐出させることにより得ることができる。複合形態
レは芯成分がB成分ポリマ−、鞘成分がA成分ポリマ−
とB成分ポリマ−との混合物である芯鞘複合形態のタイ
プである。
【0018】本発明の複合繊維は長繊維のみならず、短
繊維でも本発明の効果が奏されることはいうまでもな
い。また、本発明の複合繊維は仮撚捲縮加工等の高次加
工により、5角形、6角形に類似した断面形状になった
り、紡糸時の異形断面ノズルにより多葉形や各種の断面
形状になることがあるが、要は上述した要件を満足した
繊維であれば、本発明の効果を奏するのである。
繊維でも本発明の効果が奏されることはいうまでもな
い。また、本発明の複合繊維は仮撚捲縮加工等の高次加
工により、5角形、6角形に類似した断面形状になった
り、紡糸時の異形断面ノズルにより多葉形や各種の断面
形状になることがあるが、要は上述した要件を満足した
繊維であれば、本発明の効果を奏するのである。
【0019】本発明の複合繊維を構成するA成分ポリマ
−は融点が150〜190℃付近のポリマ−であり、熱
水中では融点降下現象が発現し、融点以下の温度でも軟
化しやすくなる。上述のゲル分率を満足するA成分ポリ
マ−を使用して紡糸ができても、たとえばB成分ポリマ
−としてポリエステルを用いて高温染色すると、A成分
ポリマ−が軟化する場合がある。とくに繊維表面に占め
るA成分ポリマ−の割合が大きいと、この傾向が高く、
単繊維間で膠着が生じ、満足な繊維構造物を得ることが
できない場合がある。このような問題点を解消するため
に、該繊維構造物をホルマリン、グリオキザ−ル、グル
タルアルデヒド等のアルデヒド類、またはジアルデヒド
のアセタ−ル化物でA成分ポリマ−をアセタ−ル化した
後高温染色を施すことが提案され、実施されている。
−は融点が150〜190℃付近のポリマ−であり、熱
水中では融点降下現象が発現し、融点以下の温度でも軟
化しやすくなる。上述のゲル分率を満足するA成分ポリ
マ−を使用して紡糸ができても、たとえばB成分ポリマ
−としてポリエステルを用いて高温染色すると、A成分
ポリマ−が軟化する場合がある。とくに繊維表面に占め
るA成分ポリマ−の割合が大きいと、この傾向が高く、
単繊維間で膠着が生じ、満足な繊維構造物を得ることが
できない場合がある。このような問題点を解消するため
に、該繊維構造物をホルマリン、グリオキザ−ル、グル
タルアルデヒド等のアルデヒド類、またはジアルデヒド
のアセタ−ル化物でA成分ポリマ−をアセタ−ル化した
後高温染色を施すことが提案され、実施されている。
【0020】該アセタ−ル化の方法として、硫酸、ギ
酸、塩酸等の強酸を触媒として使用し、炭素数が2〜1
2(アルデヒド基の炭素を含む)のジアルデヒドで、1
5〜135℃の条件でアセタ−ル化処理を行う方法を一
例として挙げることができる。ジアルデヒドを用いる場
合、架橋型の反応の他に非架橋型のフリ−のアルデヒド
が残存する場合があり、この残存アルデビドが染色物の
退色の原因となる場合があるので、これを防止するため
に、フリ−のアルデヒドを酸化剤により酸化してカルボ
ン酸、またはカルボン酸塩にすることが好ましい。
酸、塩酸等の強酸を触媒として使用し、炭素数が2〜1
2(アルデヒド基の炭素を含む)のジアルデヒドで、1
5〜135℃の条件でアセタ−ル化処理を行う方法を一
例として挙げることができる。ジアルデヒドを用いる場
合、架橋型の反応の他に非架橋型のフリ−のアルデヒド
が残存する場合があり、この残存アルデビドが染色物の
退色の原因となる場合があるので、これを防止するため
に、フリ−のアルデヒドを酸化剤により酸化してカルボ
ン酸、またはカルボン酸塩にすることが好ましい。
【0021】また、B成分ポリマ−としてポリエステル
を用いて繊維構造物を高温染色すると、A成分ポリマ−
に起因して繊維構造物が収縮する場合がある。かかる場
合には染色時に染色液中に強酸強塩基の塩あるいは硼酸
を単独または両者の混合物を存在させることにより繊維
構造物の収縮を抑制することができる。
を用いて繊維構造物を高温染色すると、A成分ポリマ−
に起因して繊維構造物が収縮する場合がある。かかる場
合には染色時に染色液中に強酸強塩基の塩あるいは硼酸
を単独または両者の混合物を存在させることにより繊維
構造物の収縮を抑制することができる。
【0022】本発明の複合繊維は長繊維(フィラメン
ト)のみならず、短繊維(ステ−プル)としても用いら
れ、該ステ−プルを用いた乾式不織布、湿式不織布とし
ても有用である。無論、本発明の複合繊維100%使い
であっても、他の繊維との混用であってもよいが、その
場合には本発明の複合繊維の混用割合は20重量%以上
であることが望ましい。
ト)のみならず、短繊維(ステ−プル)としても用いら
れ、該ステ−プルを用いた乾式不織布、湿式不織布とし
ても有用である。無論、本発明の複合繊維100%使い
であっても、他の繊維との混用であってもよいが、その
場合には本発明の複合繊維の混用割合は20重量%以上
であることが望ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定
されたものである。 (1)A成分ポリマ−およびポリエステルの極限粘度
(dl/g) フェノ−ルとテトラクロロエタンとの等重量混合溶媒を
用いて、30℃の恒温槽中でウベロ−デ型粘度計を用い
て測定した値である。 (2)複合繊維の複合重量比 繊維の断面形状の電子顕微鏡写真を撮り、該写真を方眼
紙に写しとり、A成分ポリマ−部分とB成分ポリマ−部
分とを切り取った面積比と各成分ポリマ−の比重により
算出した。 (3)ゲル分率(%) A成分ポリマ−をラボプラストミル[(株)東洋精機製
作所、ラボプラストミル20R200型]を用い、25
0℃で混練し、サンプルを採取した。ついで下記に示す
方法でゲル分率の経時変化を測定算出した。 サンプル0.15gと15重量%の含水フェノ−ル3
0ミリリットルを三角フラスコに入れ(仕込み濃度)、
60℃のオイルバス中8時間撹拌しながら溶解させる。 溶解終了後、サンプル溶液をサラシで濾過する。 濾液10ミリリットルをアルミケ−スに採取し、乾燥
機にて乾燥させる(80℃×一晩)。 乾燥後のアルミケ−スの重量を量り、濾液濃度を求め
る。得られたデ−タよりゲル分率は次式によって算出さ
れる。 ゲル分率(%)=[(仕込み濃度−濾液濃度)/仕込み
濃度]×100(濃度はいずれも重量%で示す。)
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定
されたものである。 (1)A成分ポリマ−およびポリエステルの極限粘度
(dl/g) フェノ−ルとテトラクロロエタンとの等重量混合溶媒を
用いて、30℃の恒温槽中でウベロ−デ型粘度計を用い
て測定した値である。 (2)複合繊維の複合重量比 繊維の断面形状の電子顕微鏡写真を撮り、該写真を方眼
紙に写しとり、A成分ポリマ−部分とB成分ポリマ−部
分とを切り取った面積比と各成分ポリマ−の比重により
算出した。 (3)ゲル分率(%) A成分ポリマ−をラボプラストミル[(株)東洋精機製
作所、ラボプラストミル20R200型]を用い、25
0℃で混練し、サンプルを採取した。ついで下記に示す
方法でゲル分率の経時変化を測定算出した。 サンプル0.15gと15重量%の含水フェノ−ル3
0ミリリットルを三角フラスコに入れ(仕込み濃度)、
60℃のオイルバス中8時間撹拌しながら溶解させる。 溶解終了後、サンプル溶液をサラシで濾過する。 濾液10ミリリットルをアルミケ−スに採取し、乾燥
機にて乾燥させる(80℃×一晩)。 乾燥後のアルミケ−スの重量を量り、濾液濃度を求め
る。得られたデ−タよりゲル分率は次式によって算出さ
れる。 ゲル分率(%)=[(仕込み濃度−濾液濃度)/仕込み
濃度]×100(濃度はいずれも重量%で示す。)
【0024】実施例1 酸化防止剤としてイルガノックス1098(登録商標:
チバガイギ−社製)を0.5重量%含有した、エチレン
含有量32モル%、ケン化度99%、極限粘度1.05
dl/gのエチレンビニルアルコ−ル系共重合体をA成
分ポリマ−とした。該ポリマ−を250℃で3時間プラ
ストミル混練した時のゲル分率は37%であった。一
方、B成分ポリマ−として、極限粘度が0.66dl/
g、イソフタル酸10モル%共重合したポリエチレンテ
レフタレ−トを用いた。A成分ポリマ−とB成分ポリマ
−を複合比A:B=30:70(重量比率)として断面
形状が図1のトで示されるような複合形状、すなわちA
成分ポリマ−が5層、B成分ポリマ−が6層の多層交互
貼合わせ型複合形状となるような紡糸パック内で複合流
を形成させた後、紡糸口金温度250℃、紡糸速度10
00m/分の条件で紡糸を行った。
チバガイギ−社製)を0.5重量%含有した、エチレン
含有量32モル%、ケン化度99%、極限粘度1.05
dl/gのエチレンビニルアルコ−ル系共重合体をA成
分ポリマ−とした。該ポリマ−を250℃で3時間プラ
ストミル混練した時のゲル分率は37%であった。一
方、B成分ポリマ−として、極限粘度が0.66dl/
g、イソフタル酸10モル%共重合したポリエチレンテ
レフタレ−トを用いた。A成分ポリマ−とB成分ポリマ
−を複合比A:B=30:70(重量比率)として断面
形状が図1のトで示されるような複合形状、すなわちA
成分ポリマ−が5層、B成分ポリマ−が6層の多層交互
貼合わせ型複合形状となるような紡糸パック内で複合流
を形成させた後、紡糸口金温度250℃、紡糸速度10
00m/分の条件で紡糸を行った。
【0025】得られた紡糸原糸を通常のロ−ラプレ−ト
方式の延伸機によりホットロ−ラ75℃、ホットプレ−
ト120℃、延伸倍率3.0倍の条件で延伸を行い、7
5デニ−ル/24フィラメントのマルチフィラメントを
得た。紡糸性、延伸性は良好で問題はなかった。とくに
A成分ポリマ−の溶融ライン中での分解ガスは発生によ
るトラブルや着色の発生、ライン中でゲル化物堆積によ
るトラブルの発生は全くなかった。また口金吐出直前の
口金上部でのA成分ポリマ−とB成分ポリマ−との界面
での反応ゲル化によるゲル化物が発生し、ノズル詰まり
によるトラブルや単糸切れ、断糸の発生も全くなかっ
た。さらに、繊維中へのゲル化物等の混入に起因する延
伸毛羽、延伸断糸の発生も見られず、紡糸工程、延伸工
程に全く問題はなかった。
方式の延伸機によりホットロ−ラ75℃、ホットプレ−
ト120℃、延伸倍率3.0倍の条件で延伸を行い、7
5デニ−ル/24フィラメントのマルチフィラメントを
得た。紡糸性、延伸性は良好で問題はなかった。とくに
A成分ポリマ−の溶融ライン中での分解ガスは発生によ
るトラブルや着色の発生、ライン中でゲル化物堆積によ
るトラブルの発生は全くなかった。また口金吐出直前の
口金上部でのA成分ポリマ−とB成分ポリマ−との界面
での反応ゲル化によるゲル化物が発生し、ノズル詰まり
によるトラブルや単糸切れ、断糸の発生も全くなかっ
た。さらに、繊維中へのゲル化物等の混入に起因する延
伸毛羽、延伸断糸の発生も見られず、紡糸工程、延伸工
程に全く問題はなかった。
【0026】得られた延伸糸(75デニ−ル/24フィ
ラメント)を経糸および緯糸として使用し平織物を作成
した。その密度は経密度108本/インチ、緯密度98
本/インチであった。該生機織物をアクチノ−ルR10
0(松本油脂製薬社製)1g/リットルで、80℃20
分間糊抜きした後、2g/リットルのグルタルアルデヒ
ドを含有する0.3規定の硫酸水溶液中で、90℃で5
0分間の条件でアセタ−ル化を行い、ついで180℃の
プレセット、20重量%のアルカリ減量を行った。 そ
して、以下の条件で染色を施し、常法により乾燥仕上げ
を行った。
ラメント)を経糸および緯糸として使用し平織物を作成
した。その密度は経密度108本/インチ、緯密度98
本/インチであった。該生機織物をアクチノ−ルR10
0(松本油脂製薬社製)1g/リットルで、80℃20
分間糊抜きした後、2g/リットルのグルタルアルデヒ
ドを含有する0.3規定の硫酸水溶液中で、90℃で5
0分間の条件でアセタ−ル化を行い、ついで180℃の
プレセット、20重量%のアルカリ減量を行った。 そ
して、以下の条件で染色を施し、常法により乾燥仕上げ
を行った。
【0027】染色条件 染料:Dianix Red BN-SE(CI Disperse Red127) 5%owf 分散助剤:Disper TL(明成化学工業社製) 1g/リットル pH調整剤:硫酸アンモニウム 1g/リットル 酢酸(48%) 1cc/リットル 浴比 1:30 温度 120℃ 時間 60分還元洗浄 ハイドロサルファイド 1g/リットル アミラジン(第一工業製薬社製) 1g/リットル 水酸化ナトリウム 1g/リットル 浴比 1:30 温度 80℃ 時間 20分
【0028】染色物は良好な発色性とソフト感、嵩高性
を有し、かつシャリ感がある天然木綿繊維に似た良好な
風合を有するものであった。もちろん親水性にも優れた
ものであった。
を有し、かつシャリ感がある天然木綿繊維に似た良好な
風合を有するものであった。もちろん親水性にも優れた
ものであった。
【0029】実施例2〜5 実施例1に用いたと同じA成分ポリマ−を用い、複合比
率をA:B=50:50にした以外(実施例2)、複合
比率をA:B=50:50、複合形状を図1−イにした
以外(実施例3)、複合比率をA:B=15:85、複
合形状を図1−イにした以外(実施例4)、複合比率を
A:B=70:30、複合形状を図1−イにした以外
(実施例5)は実施例1と同様にして複合繊維(延伸
糸)を得、平織物を作成し、染色を施した。いずれも繊
維化工程性は良好であり、良好な親水性、発色性および
風合を有する織物が得られた。なお、実施例3〜5にお
いてはアルカリ減量加工を施さなかった。
率をA:B=50:50にした以外(実施例2)、複合
比率をA:B=50:50、複合形状を図1−イにした
以外(実施例3)、複合比率をA:B=15:85、複
合形状を図1−イにした以外(実施例4)、複合比率を
A:B=70:30、複合形状を図1−イにした以外
(実施例5)は実施例1と同様にして複合繊維(延伸
糸)を得、平織物を作成し、染色を施した。いずれも繊
維化工程性は良好であり、良好な親水性、発色性および
風合を有する織物が得られた。なお、実施例3〜5にお
いてはアルカリ減量加工を施さなかった。
【0030】実施例6 実施例1において、A成分ポリマ−に酸化防止剤として
Cyanox1790(登録商標:アメリカンサイアナ
シド社製)を0.5重量%含有し、複合形状を図1−ニ
にした以外は実施例1と同様にして複合紡糸を行い、平
織物を作成し染色を施した。なお、A成分ポリマ−の3
時間混練でのゲル分率は47%であった。繊維化工程性
は良好で全く問題はなかった。また染色物も発色性に優
れ、親水性、風合も良好であった。
Cyanox1790(登録商標:アメリカンサイアナ
シド社製)を0.5重量%含有し、複合形状を図1−ニ
にした以外は実施例1と同様にして複合紡糸を行い、平
織物を作成し染色を施した。なお、A成分ポリマ−の3
時間混練でのゲル分率は47%であった。繊維化工程性
は良好で全く問題はなかった。また染色物も発色性に優
れ、親水性、風合も良好であった。
【0031】実施例7〜8 実施例3において、A成分ポリマ−に酸化防止剤として
Cyanox1790を0.5重量%含有した以外は同
様にして複合紡糸を行い、平織物を作成し染色を施した
(実施例7)。また、実施例4において、A成分ポリマ
−に酸化防止剤としてCyanox1790を0.5重
量%含有した以外は同様にして複合紡糸を行い、平織物
を作成し染色を施した(実施例8)。いずれも繊維化工
程性は良好で問題はなく、得られた染色物も風合、親水
性ともに良好なものであった。なお、いずれもアルカリ
減量加工は施していない。
Cyanox1790を0.5重量%含有した以外は同
様にして複合紡糸を行い、平織物を作成し染色を施した
(実施例7)。また、実施例4において、A成分ポリマ
−に酸化防止剤としてCyanox1790を0.5重
量%含有した以外は同様にして複合紡糸を行い、平織物
を作成し染色を施した(実施例8)。いずれも繊維化工
程性は良好で問題はなく、得られた染色物も風合、親水
性ともに良好なものであった。なお、いずれもアルカリ
減量加工は施していない。
【0032】実施例9〜10 実施例1において、B成分ポリマ−としてナイロン6
(1013BK−1、宇部興産社製)を用いた以外(実
施例9)、B成分ポリマ−として極限粘度が0.95の
ポリブチレンテレフタレ−トを用いた以外(実施例1
0)は同様にして複合紡糸を行い、平織物を作成した。
いずれも繊維化工程性は良好であった。
(1013BK−1、宇部興産社製)を用いた以外(実
施例9)、B成分ポリマ−として極限粘度が0.95の
ポリブチレンテレフタレ−トを用いた以外(実施例1
0)は同様にして複合紡糸を行い、平織物を作成した。
いずれも繊維化工程性は良好であった。
【0033】実施例11 A成分ポリマ−としてエチレン含有量が44モル%、ケ
ン化度が99%、極限粘度が1.10のエチレンビニル
アルコ−ル系共重合体を用いた以外は実施例1と同様に
して複合紡糸を行い、平織物を作成して染色を施した。
なお、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体の3時間混
練後のゲル分率は0%であった。繊維化工程性は非常に
良好で、染色物も発色性、親水性、風合いずれも非常に
良好であり、衣料用素材として有用であった。
ン化度が99%、極限粘度が1.10のエチレンビニル
アルコ−ル系共重合体を用いた以外は実施例1と同様に
して複合紡糸を行い、平織物を作成して染色を施した。
なお、エチレンビニルアルコ−ル系共重合体の3時間混
練後のゲル分率は0%であった。繊維化工程性は非常に
良好で、染色物も発色性、親水性、風合いずれも非常に
良好であり、衣料用素材として有用であった。
【0034】比較例1 実施例1において、A成分ポリマ−中に酸化防止剤を含
有させなかった以外は同様にして複合紡糸を行った。A
成分ポリマ−の2.5時間混練後のゲル分率は51%で
あり、紡糸過程で長時間安定な紡糸を行うことはできな
かった。すなわち、A成分ポリマ−中にゲル化物が発生
し、紡糸パック内のA成分ポリマ−のフィルタ−上にゲ
ル化物が堆積し、A成分ポリマ−の溶融ライン詰まりに
よる圧力が急上昇した。また、紡糸口金上でA成分ポリ
マ−とB成分ポリマ−とが接触し複合流が形成される部
分で両成分ポリマ−の反応によるものと思われるゲル化
物が発生し、ノズル詰まりによる単糸切れ、断糸が経時
的に頻発して生じた。得られた紡糸原糸の延伸も安定し
て行うことができにくく、経時的に毛羽・断糸が発生し
た。
有させなかった以外は同様にして複合紡糸を行った。A
成分ポリマ−の2.5時間混練後のゲル分率は51%で
あり、紡糸過程で長時間安定な紡糸を行うことはできな
かった。すなわち、A成分ポリマ−中にゲル化物が発生
し、紡糸パック内のA成分ポリマ−のフィルタ−上にゲ
ル化物が堆積し、A成分ポリマ−の溶融ライン詰まりに
よる圧力が急上昇した。また、紡糸口金上でA成分ポリ
マ−とB成分ポリマ−とが接触し複合流が形成される部
分で両成分ポリマ−の反応によるものと思われるゲル化
物が発生し、ノズル詰まりによる単糸切れ、断糸が経時
的に頻発して生じた。得られた紡糸原糸の延伸も安定し
て行うことができにくく、経時的に毛羽・断糸が発生し
た。
【0035】比較例2〜3 実施例1において、酸化防止剤を含有していないA成分
ポリマ−を使用し、表1に示す複合比率、複合形状にし
た以外は同様にして複合紡糸・延伸を行った。A成分ポ
リマ−のゲル分率が高く、長時間安定な紡糸を行うこと
ができなかった。ゲル化物の発生により溶融ライン詰ま
り、ノズル詰まりが生じ、単糸切れ、断糸が経時的に発
生した。また、得られた紡糸原糸の延伸も安定して行う
ことができにくく、経時的に毛羽・断糸が発生した。
ポリマ−を使用し、表1に示す複合比率、複合形状にし
た以外は同様にして複合紡糸・延伸を行った。A成分ポ
リマ−のゲル分率が高く、長時間安定な紡糸を行うこと
ができなかった。ゲル化物の発生により溶融ライン詰ま
り、ノズル詰まりが生じ、単糸切れ、断糸が経時的に発
生した。また、得られた紡糸原糸の延伸も安定して行う
ことができにくく、経時的に毛羽・断糸が発生した。
【0036】以下に、実施例1〜11および比較例1〜
3の評価結果を示す。
3の評価結果を示す。
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、エチレンビニルアルコ
−ル系共重合体と融点が150℃以上の繊維形成性ポリ
マ−との複合化において、長時間安定に紡糸を行うこと
ができ、また延伸工程も非常に安定して行うことができ
る複合繊維を提供することができる。
−ル系共重合体と融点が150℃以上の繊維形成性ポリ
マ−との複合化において、長時間安定に紡糸を行うこと
ができ、また延伸工程も非常に安定して行うことができ
る複合繊維を提供することができる。
【図1】本発明の複合繊維の複合形状のモデル図であ
る。 A:エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体 B:他の重合体
る。 A:エチレン−ビニルアルコ−ル系共重合体 B:他の重合体
Claims (1)
- 【請求項1】下記式(1)を満足するエチレンビニルア
ルコ−ル系共重合体を一成分とする複合繊維。 X≧1.4Y+2.0 ・・・・・(1) [ただし、Xは混練時間(時間)、Yはゲル分率(%)
/100を示す。] ゲル分率:エチレンビニルアルコ−ル系共重合体組成物
をプラストミルにて250℃で混練して生成したゲル化
物の組成物に対する割合。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9009225A JPH10212623A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9009225A JPH10212623A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 複合繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212623A true JPH10212623A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11714486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9009225A Pending JPH10212623A (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212623A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115667599A (zh) * | 2020-05-29 | 2023-01-31 | 住友化学株式会社 | 蓄热组合物 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04163332A (ja) * | 1990-10-19 | 1992-06-08 | Kuraray Co Ltd | 被覆弾性糸および伸縮性布帛 |
JPH07118470A (ja) * | 1993-10-19 | 1995-05-09 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物および該組成物の層を含む共押出積層体 |
-
1997
- 1997-01-22 JP JP9009225A patent/JPH10212623A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04163332A (ja) * | 1990-10-19 | 1992-06-08 | Kuraray Co Ltd | 被覆弾性糸および伸縮性布帛 |
JPH07118470A (ja) * | 1993-10-19 | 1995-05-09 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂組成物および該組成物の層を含む共押出積層体 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115667599A (zh) * | 2020-05-29 | 2023-01-31 | 住友化学株式会社 | 蓄热组合物 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041221 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050607 |