JP2002309439A - フィブリル化繊維およびフィブリル化繊維の製造方法 - Google Patents

フィブリル化繊維およびフィブリル化繊維の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性に優れ、天然繊維に似たハリコシ、ド
ライ感、ふくらみ感、ソフト感を有するフィブリル化繊
維及び該繊維を含む繊維構造物を提供する。 【解決手段】 エチレン含有量が30〜70モル%であ
るエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなるフィ
ブリルを繊維軸方向に断続的に有するフィブリル化繊維
であって、該フィブリルの繊度が0.004dtex〜
0.65dtexであるフィブリル化繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハリコシ、ドライ
感、ふくらみ感のある風合良好なフィブリル化繊維及び
該フィブリル化繊維の製造方法に関し、さらにフィブリ
ル化繊維を含む繊維構造物ならびに該フィブリル化繊維
を製造するための複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやポリアミド等の合成繊維
は、その優れた物理的および化学的特性によって、衣料
用のみならず産業用にも広く使用されており、工業的に
重要な価値を有している。しかしながら、これらの合成
繊維は、その単糸繊度分布が単一であり、また単糸繊度
が大きいことやその横断面形状が単純であることによ
り、絹、綿、麻等の天然繊維に比較して風合や光沢が単
調である。また上記の合成繊維は冷たくて、ぬめり感の
ある触感を有し品位の低いものであった。そこで合成繊
維の上記のような欠点を改良するために、合成繊維の横
断面形状を異形化したり、捲縮加工、複合繊維等が種々
試みられているが、いまだに十分な目的を達成していな
いのが現状である。例えば、特開昭56−165015
号公報、特開昭57−5921号公報、特開昭58−9
8425号公報、特開昭61−239010号公報など
に示されているような易分解性ポリマーとポリエステル
の複合繊維を形成し、その後、後加工によりドライタッ
チでキシミ感のある風合や、独特の光沢を織編物に付与
したり、あるいは特公昭51−7207号公報、特開昭
58−70711号公報、特開昭62−133118号
公報などに示されているように繊維長さ方向に斑を付与
させて風合を改良する方法、あるいは特公昭53−35
633号公報、特公昭56−16231号公報などに示
されているように合成繊維をフィブリル化させて風合を
改良させる方法、特公昭45−18072号公報で提案
されているごとく仮撚、融着糸を作成し、麻様のシャリ
感を付与させる方法、あるいは特開昭63−6123号
公報のように混繊融着加工糸を作成する方法、あるいは
特開昭63−6161号公報のようにフィブリル化させ
る方法など種々のものが提案されている。しかしながら
合成繊維へ天然繊維に似た風合いを付与させるという点
においては十分と言えず、特に天然麻繊維や天然木綿繊
維に似た風合いを付与させるということでは不十分であ
った。しかも、ポリエステルなどの合成繊維は、親水性
が不十分であるため、着心地という点からも木綿に劣る
のが実情であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の合成繊維の欠点を解消し、親水性に優れ、天然
繊維に似たハリコシ、ドライ感、ふくらみ感、ソフト感
を有するフィブリル化繊維及び該繊維を含む繊維構造物
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、エチ
レン含有量30〜70モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体からなるフィブリルを繊維軸方向に断続
的に有するフィブリル化繊維であって、該フィブリルの
繊度が0.004dtex〜0.65dtexであるフ
ィブリル化繊維であり、また、本発明は、融点150℃
以上の熱可塑性重合体(A)を海成分とし、エチレン含
有量30〜70モル%のエチレン−ビニルアルコール系
共重合体(B)を島成分とする複合繊維であって、島成
分が繊維断面の外周付近に局在化していることを特徴と
する複合繊維であり、さらに、本発明は、上記複合繊維
から熱可塑性重合体(A)の少なくとも一部を除去し、
エチレン含有量30〜70モル%のエチレン−ビニルア
ルコール系共重合体(B)からなるフィブリルを形成せ
しめるフィブリル化繊維の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のフィブリル化繊維は、繊
維表面にエチレン含有量30〜70モル%のエチレン−
ビニルアルコール系共重合体(B)からなるフィブリル
が断続的に存在している点に特徴を有するが、該フィブ
リル部以外の繊維を構成するポリマーは、主に融点15
0℃以上の熱可塑性重合体(A)である。融点150℃
以上の熱可塑性重合体としては、基本的に繊維形成性を
有するポリマーであれば特に限定されないが、たとえ
ば、ポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレ
フタレートを主成分とするポリエステルや、ナイロン6
又はナイロン66を主成分とするポリアミドであること
が望ましい。
【0006】ポリエステルとしては、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタリン2,6−ジカルボン酸、
フタール酸、α,β−(4−カルボキシフエノキシ)エ
タン、4,4−ジカルボキシジフェニール、5ナトリウ
ムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸もしく
は、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸
または、これらのエステル類と、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサン1,4−ジメタノ
ール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのジオール化合物とから合成される繊維形
成性ポリエステルであり、構成単位の80モル%以上
が、特には90モル%以上がエチレンテレフタレート単
位又はブチレンテレフタレート単位で構成されるポリエ
ステルが好ましい。また、ポリエステル中には、少量の
添加剤、蛍光増白剤、安定剤あるいは、紫外線吸収剤な
どを含んでいてもよい。
【0007】ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン12を主成分とするポリアミドであ
り、少量の第3成分を含むポリアミドでもよい。これら
には少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤あるいは、紫外
線吸収剤などが含まれていてもよい。
【0008】本発明において、フィブリルを構成するエ
チレン−ビニルアルコール系共重合体(B)のエチレン
含有量は30〜70モル%であることが重要である。該
共重合体中のビニルアルコール成分含量が低いと、水酸
基(OH)の減少のために親水性などの特性が低下し、
目的とする良好な天然繊維ライクの風合いが得られなく
なる。また、ビニルアルコール成分含量が低い共重合体
とポリエステルとを複合紡糸する場合は、紡糸温度を2
50℃以上に設定する必要があるが、かかる共重合体は
高温下での耐熱性が不十分となる。一方、エチレンの含
有量が少なすぎると、 熱安定性が低いため紡糸工程性
が悪化するという面で問題が生じる。
【0009】エチレン−ビニルアルコール系共重合体
(B)は、エチレンと酢酸ビニルの共重合体を苛性ソー
ダによりケン化して製造することができるが、この時の
ケン化度は95%以上にすることが好ましい。ケン化度
が低くなると、ポリマーの結晶性が低下し強度等の繊維
物性が低下してくるのみならず、共重合体(B)が軟化
しやすくなり加工工程でトラブルが発生してくると共に
得られた繊維構造物の風合いも悪化し好ましくない。
【0010】本発明の複合繊維において、エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体(B)からなるフィブリルの
繊度は0.004dtex〜0.65dtexであるこ
とが重要である。0.004dtex未満ではハリコシ
感、ふくらみ感が不足した風合いとなり、繊維強度が不
足し、フィブリルが切断してしまい欠点となる。また、
0.65dtexを超えると、ソフト感、ドライ感が不
足した風合いとなるため好ましくない。なお、フィブリ
ルの繊度は、繊維断面中のB成分の面積比と複合比率よ
り算出する。また、フィブリル化繊維の単繊維繊度は特
に限定されず、用途に応じて設定すれば良いが、例え
ば、1.0dtex〜5.0dtexとすることができ
る。
【0011】また、本発明の複合繊維におけるエチレン
ビニルアルコール系共重合体(B)と熱可塑性重合体
(A)との複合比率は、5:95〜70:30の重量比
率の範囲にする必要がある。エチレンビニルアルコール
系共重合体(B)の複合比率が5重量%未満になると、
エチレンビニルアルコール系共重合体(B)に基づく本
発明の天然木綿風合が十分に顕在化しなくなる。また7
0重量%を越えると紡糸工程性、延伸工程性が低下して
くるため好ましくないとともに、繊維物性的にも本来の
ポリエステルの性能が低下し強度が低くなるため好まし
くない。また用いるエチレンビニルアルコール系共重合
体(B)の重合度は、あまり低くなると、紡糸時にポリ
エステルとの溶融粘度差が大きくなりすぎ、複合ポリマ
ーのバランスが悪くなり、紡糸性が低下し好ましくな
い。JIS−K−6730−1977に準拠した190
℃下、2160gの荷重下でのメルトインデックスが2
0以下が好ましい。
【0012】本発明のフィブリル化繊維は、特定のエチ
レン−ビニルアルコール系共重合体(B)と、たとえ
ば、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂(A)とを共重合
体(B)が島成分として繊維断面の外周付近に局在化す
るように複合溶融紡糸し、その後、アルカリ減量処理を
加え、繊維中のポリエステルを表面層から所定量選択的
に除去し、所定条件の熱履歴を付加させることにより、
繊維表面にエチレンビニルアルコール系共重合体(B)
からなるフィブリルが断続的に形成されたフィブリル化
繊維を得ることができる。この時、減量処理を過大にし
すぎるとエチレンビニルアルコール系共重合体(B)か
らなる島成分が海成分であるポリエステルから完全に分
離してしまい、フィブリルが形成されなくなる。したが
って、海成分としてポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステルを使用する場合、減量率を3〜30%程度
にすることが好ましい。また、上記においては、熱可塑
性樹脂(A)としてポリエステルを用いる場合について
説明したが、本発明においては、熱可塑性樹脂(A)と
してポリアミドを使用することも可能であり、その場合
は、蟻酸などにより処理することで本発明のフィブリル
化繊維を得ることが可能である。さらに、熱可塑性樹脂
(A)としてポリプロピレンやポリエチレンなどのポリ
オレフィンを用いる場合は、処理溶媒として、トルエン
を使用することができる。上記のような減量処理後の熱
処理条件としては、風合いの観点から適宜設定すること
が好ましい。
【0013】このようにして得られる本発明のフィブリ
ル化繊維および該繊維を含む糸、織物、編物、不織布等
の繊維構造物は、親水性に優れ、天然繊維に似たハリコ
シ、ドライ感、ふくらみ感、ソフト感を有するものであ
り、かかる特性を要求される衣料用、非衣料用の各種用
途に使用することができる。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらによってなんら限定されるものではない。実
施例中のポリエステルの固有粘度は、フェノールとテト
ラクロロエタンの当量混合溶媒を用い30℃恒温槽中で
ウベローデ型粘度計を用いて測定した。
【0015】実施例1 エチレンが48モル%共重合されメルトインデックスが
14.0であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体
(B)と固有粘度が0.70であるポリエチレンテレフ
タレート(A)とをそれぞれ別々の押出機にて溶融押出
し、(B):(A)の重量比率が15:85となるよう
にそれぞれギアポンプで計量した後、紡糸パックへ供給
し、次いでサンドフィルター、図1に示す島数18の海
島断面を形成させる海島形成部品を経て丸孔ノズルより
口金温度290℃で吐出し、巻取り速度1000m/m
inで複合溶融紡糸した。得られた紡糸原糸(複合繊
維)を通常のローラープレート方式の延伸機により、ホ
ットローラー75℃、ホットプレート120℃、延伸倍
率3.2倍により延伸し83.25dtex/24f複
合繊維マルチフィラメントを得た。紡糸性、延伸性は良
好で問題なかった。次いで、得られた複合繊維マルチフ
ィラメントを経糸及び緯糸として使い1/1の平織物を
製織した。製織工程も特に問題なく実施できた。該生機
平織物を通常の方法により処理した後、アルカリ減量処
理を実施し、約20%減量の平織物を得、その後以下の
方法により染色を実施した。 ・染色方法 染料 :Dianix Red BN-SE(CI Disperse Red 127) 5%omf 分散助剤 :disper TL(明成化学工業製) 1g/l ph調整剤:硫酸アンモニウム 1g/l 酢酸 1g/l 浴比 ; 1:30 温度 ; 130℃×60分 ・還元洗浄 ハイドロサルファイト 1g/l アミラジン(第一工業製薬製) 1g/l NaOH 1g/l 浴比 ; 1:30 温度 ; 180℃×20分
【0016】得られた平織物は非常に良好な風合を有し
ており、今までのポリエステル織物には見られなかった
ソフト感とふくらみ感を有し、かつドライ感の有る天然
シルク繊維に似た織物が得られた。該織物を構成してい
る繊維について顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で観察した
ところ単繊維表層よりランダムに極細フィブリル状繊維
が枝状に形成され、かつ該枝状極細繊維がランダムに該
単繊維表面へ膠着していることがわかった。また、フィ
ブリル化繊維のフィブリル部の繊度は0.029dte
xであった。
【0017】実施例2、3 実施例1と同一のエチレン−ビニルアルコール系共重合
体(B)とポリエチレンテレフタレート(A)とを用
い、表1に示す条件で実施例1と同様にして繊維化及び
平織物の作成を行ない、その後約20%のアルカリ減量
処理を行った。実施例2ではエチレン−ビニルアルコー
ル系共重合体(B)とポリエステル(A)との複合重量
比率がB:A=7:93、島数が18、30dtex−
24fの複合繊維をアルカリ減量処理することによって
フィブリル部の繊度が0.0054dtexであるフィ
ブリル化マルチフィラメントが得られ、実施例3では
B:A=70:30、島数が12、111dtex−1
6fの複合繊維から、アルカリ減量処理によってフィブ
リル部の繊度が0.4dtexのフィブリル化マルチフ
ィラメントが得られたが、いずれも工程性良好で、織物
も特徴のある良好な風合のものが得られた。
【0018】
【表1】
【0019】実施例4,5 エチレンが48モル%共重合され、メルトインデックス
が6.0であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体
(B)を用いること以外は実施例1と同様にして繊維化
を実施した。但し、実施例1〜4はいずれも紡糸ノズル
として丸孔ノズルを用い、紡糸原糸断面が丸断面形状の
もので実施したが、実施例5においては、三角断面ノズ
ルを用い三角断面の紡糸原糸を得た。いずれも紡糸性、
延伸性、製織性等の工程性は良好で問題はなかった。つ
いで実施例1と同様の方法により織物を作成したとこ
ろ、良好な風合を保持した天然シルクライクのものが得
られた。
【0020】実施例6、7 エチレン成分含有量の異なるエチレン−ビニルアルコー
ル系共重合体(B)を用いること以外は実施例1と同様
にして繊維化及び織物の作成を行ない、同様のアルカリ
減量処理を実施した。なお、実施例6ではエチレン含有
量32モル%、メルトインデックス1.6の共重合体
を、実施例7ではエチレン含有量44モル%、メルトイ
ンデックス6.0の共重合体を用いて実施したが、いず
れも良好な風合の織物が得られた。
【0021】実施例8,9 ポリエステル(A)として固有粘度[η]が0.90で
あるポリブチレンテレフタレートを用い、またエチレン
-ビニルアルコール系共重合体(B)として、エチレン
含有量が48モル%であって、メルトインデックスが1
4.0のもの(実施例8)とメルトインデックスが6.
0のもの(実施例9)を用い、実施例1と同様に繊維化
を実施した。紡糸口金温度は270℃で実施し、実施例
8のポリマー複合重量比率はB:A=15:85、実施
例9はB:A=70:30で、捲取速度1200m/m
inで紡糸原糸採取を実施した。得られた紡糸原糸を通
常のローラープレート方式の延伸機により、ホットロー
ラー50℃、ホットプレート120℃、延伸倍率2.0
倍により延伸し、実施例8では83.25dtex/3
6f、島数18の複合繊維マルチフィラメントを得た。
また、実施例9では111dtex−16f、島数12
の複合繊維マルチフィラメントを得た。いずれも紡糸
性、延伸性は良好で問題なかった。ついで、得られた複
合繊維を経糸及び緯糸として1/1の平織物を製織し
た。製織工程も特に問題なく実施できた。該平織物を通
常の方法により処理した後、アルカリ減量処理をポリエ
チレンテレフタレートの場合より長い時間実施し、約2
0%減量の平織物を得、その後実施例1と同様の方法に
より120℃で染色を実施した。アルカリ減量処理によ
って形成されたフィブリルの繊度は、0.019dte
x(実施例8)、0.4dtex(実施例9)であり、
織物は良好な風合を有する柔らかく、しかもシャリ感を
有した天然シルク繊維に似たものであった。
【0022】比較例1,2 実施例1と同じエチレン−ビニルアルコール系共重合体
(B)を用い、ポリエチレンテレフタレート(A)との
複合重量比率をB:A=3:97、島数18の複合繊維
マルチフィラメント(33.3dtex−24f)から
織物を作成し、アルカリ減量処理により形成されるフィ
ブリル部の繊度が0.0023dtexであるフィブリ
ル化繊維(比較例1)と、B:A=80:20、島数1
2の複合繊維マルチフィラメント(111dtex−1
6f)から織物を作成し、アルカリ減量処理により形成
されるフィブリル部の繊度が0.694dtexである
フィブリル化繊維(比較例2)を作成した。比較例1
は、工程性は良好で問題なかったが、得られた織物の風
合があまり特徴がなく、好ましいものが得られなかっ
た。比較例2は、紡糸性が不安定でビス落ちによる単糸
切れが多く、良好な紡糸原糸が得られなかった。そのた
め、延伸性も不良で風合を評価できるような織物が得ら
れなかった。
【0023】比較例3 エチレン含有量が25モル%、メルトインデックス0.
6のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)を用
いること以外は実施例1と同様の条件で繊維化を実施し
た。該共重合体(B)の曳糸性が不良のため紡糸性が非
常に低下した。また、長時間紡糸を連続していると該共
重合体(B)のゲル化物がフィルターに詰まってくると
同時に、繊維中にも多量にゲル化物が混入し紡糸性が更
に悪化してきた。延伸性も非常に悪く、風合を評価でき
るような織物が得られなかった。
【0024】比較例4 エチレン含有量が80モル%、メルトインデックス4
0.0のエチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)
を用いること以外は実施例1と同様の条件で繊維化を実
施した。工程性は良好で問題なかったが、得られた織物
の風合があまりふくらみがなく反撥感も不十分で天然シ
ルク繊維ライクとしては不十分な物であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合繊維の断面形状を示す断面模式
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:24 D06M 101:32 101:32 101:34 101:34 9/02 C (72)発明者 末吉 正二 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 中塚 均 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 Fターム(参考) 4L031 AA14 AA18 AA20 AB32 BA11 CA01 DA01 DA06 4L035 DD20 EE05 EE16 4L041 AA07 AA20 AA25 BA04 BA05 BA16 BA38 BC13 BD14 CA06 CA44 DD11 DD14 EE06 EE08 EE15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン含有量が30〜70モル%であ
    るエチレン−ビニルアルコール系共重合体からなるフィ
    ブリルを繊維軸方向に断続的に有するフィブリル化繊維
    であって、該フィブリルの繊度が0.004dtex〜
    0.65dtexであることを特徴とするフィブリル化
    繊維。
  2. 【請求項2】 融点150℃以上の熱可塑性重合体
    (A)を海成分とし、エチレン含有量が30〜70モル
    %であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体(B)
    を島成分とする複合繊維であって、島成分が繊維断面の
    外周付近に局在化していることを特徴とする複合繊維。
  3. 【請求項3】 熱可塑性重合体(A)が、ポリエステル
    又はポリアミドである請求項2に記載の複合繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のフィブリル化繊維を少
    なくとも一部に含む繊維構造物。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3に記載の複合繊維から熱
    可塑性重合体(A)の少なくとも一部を除去し、エチレ
    ン含有量30〜70モル%のエチレン−ビニルアルコー
    ル系共重合体(B)からなるフィブリルを形成せしめる
    ことを特徴とするフィブリル化繊維の製造方法。
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