JP2003171439A - 脂環式エポキシ化合物および発光ダイオード用封止材 - Google Patents

脂環式エポキシ化合物および発光ダイオード用封止材

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JP2003171439A
JP2003171439A JP2001373250A JP2001373250A JP2003171439A JP 2003171439 A JP2003171439 A JP 2003171439A JP 2001373250 A JP2001373250 A JP 2001373250A JP 2001373250 A JP2001373250 A JP 2001373250A JP 2003171439 A JP2003171439 A JP 2003171439A
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alicyclic epoxy
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Hiroya Murai
浩也 村井
Mineo Nishi
峰雄 西
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Mitsubishi Chemical Corp
Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色相の再現性、均一性、安定性などの変化が小
さく、しかも、LEDの放射光度の経時的低下が小さい
脂環式エポキシ化合物(封止材)を提供する。 【解決手段】水素添加触媒の存在下に芳香族エポキシ化
合物の芳香環を選択的に水素化して得られる脂環式エポ
キシ化合物であって、ルテニウム濃度が2ppm以下で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂環式エポキシ化
合物および発光ダイオード用封止材(LED用封止材)
に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ化合物は、耐熱性、接着性、耐
水性、機械的強度、電気特性などに優れていることか
ら、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の
絶縁材料など、様々な分野で使用されている。
【0003】上記のエポキシ化合物としては、ビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFの
ジグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂が一般
的である。
【0004】一方、LEDは、種々の表示板、画像読み
取り用光源、交通信号、大型ディスプレイユニット等に
実用化されている。LEDの発光装置において、発光部
分の周囲は、半導体の保護および集光の観点から、透明
樹脂で封止することが一般的に行われており、特に密着
性などの観点からエポキシ化合物で封止するのが一般的
である。
【0005】しかしながら、酸無水物で硬化したエポキ
シ樹脂の場合は、酸無水物由来の変質が起こり易いこと
が知られている。また、硬化した樹脂封止が屋外に曝さ
れる場合や紫外線を発生する光源に曝される場合は、黄
変色を起こす等の問題がある。特に、近年、高輝度の青
色(460nm付近に主発光がある)LEDの開発や紫
外線領域(例えば350〜400nm)に主発光を持つ
LEDの開発が進んでいる。また、従来の赤色LED、
緑色LEDに加え、青色LEDの性能が向上したことに
より3原色の表示が可能となり、デスイプレイユニット
用などに供されている。更に、発光素子と蛍光体を併用
し、発光素子の短波長側の発光の一部または全部を長波
長側に変換することにより混色する様にした白色LED
も提案され、既に、照明用、バックライト用などに供さ
れている。
【0006】ところで、上記の様に、発光波長が短波長
側になるに従い、光のエネルギーが増加するため、封止
材が劣化し易くなる。例えば、特開平8−148717
号公報には、青色LEDから発生する熱や光により封止
材が劣化して光度が低下することが記載されている。ま
た、白色LEDは、混色であるため、封止材に可視領域
波長での光吸収があると色調が変化することが懸念され
る。特に白色に対する人の色調感覚は敏感である。例え
ば、特開平2000−315826号公報には、LED
の測定方位によっても封止材による屈折などで色むらが
生じることが記載されている。
【0007】上記の様な短波長の光による問題を解決す
るため、特開2001−19742号公報には、芳香族
エポキシ化合物の核水素化物とカチオン硬化触媒から成
る組成物が提案されている。この組成物は、硬化物の靱
性と着色が改善され、耐光性にも優れている。
【0008】一方、芳香族エポキシ化合物の芳香環を水
素化して対応する脂環式エポキシ化合物を製造する試み
が従来から種々提案されている。
【0009】例えば、米国特許第3、336、241号
明細書には、活性炭などの不活性担体にロジウム又はル
テニウムを担持した水素添加触媒の存在下、少なくとも
1個のエポキシ基および少なくとも1個の炭素−炭素二
重結合を有する有機化合物を水素化する方法が提案され
ている。特開平11−217379号公報には、活性や
選択率の向上のため、比表面積が5〜600m2/gの
範囲にある炭素質担体にロジウム又はルテニウムを担持
した水素添加触媒が提案されている。更に、特開平11
−199645号公報では、上記の方法に基づき、水素
化率が高く且つエポキシ基の損失が少ない、低塩素含量
のエポキシ化合物が提案されている。
【0010】しかしながら、貴金属触媒を使用する水素
化方法では、得られる脂環式エポキシ化合物(封止材)
の短波長側での透過率が経時的に低下する。そのため、
斯かる脂環式エポキシ化合物により、短波長側に主発光
波長を有するLEDを封止した場合は、LEDの放射光
度が経時的に低下する。また、白色LEDを封止した場
合は、可視光領域での透過率の分布により、白色の色調
が変化するという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、色相の再現性、
均一性、安定性などの変化が小さく、しかも、LEDの
放射光度の経時的低下が小さい脂環式エポキシ化合物
(封止材)を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、上記の目的は、脂環式エポキシ化合物
(封止材)中の特定の金属元素の含有量を一定の濃度以
下に制限することにより容易に達成し得るとの知見を得
た。
【0013】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その第1の要旨は、水素添加触媒の存在下
に芳香族エポキシ化合物の芳香環を選択的に水素化して
得られる脂環式エポキシ化合物であって、ルテニウム濃
度が2ppm以下であることを特徴とする脂環式エポキ
シ化合物に存する。そして、本発明の第2の要旨は、ル
テニウム濃度が2ppm以下であることを特徴とする発
光ダイオード用封止材に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される芳香族エポキシ化合物は、分子内に
2個以上のエポキシ基を持つ芳香族化合物であり、グリ
シジルエーテル類、グリシジルエステル類、グリシジル
アミン類など、種々のものがある。
【0015】上記の芳香族化合物の具体例としては、例
えば、一般式(I)で表されるビスフェノールA又はビ
スフェノールFとエピクロロヒドリンを原料とするエポ
キシ化合物、一般式(II)で表されるフェノールノボラ
ック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂のポリグリシ
ジルエーテル等が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】更に、2価以上のフェノール化合物とエピ
クロロヒドリンから得られる種々の芳香族エポキシ化合
物も使用することが出来る。斯かる芳香族エポキシ化合
物の具体例としては、ハイドロキノンジグリシジルエー
テル、レゾルシンのジグリシジルエーテル、ビフェノー
ルのジグリシジルエーテル、3、3’、5、5’−テト
ラメチルビフェノールのジグリシジルエーテル等が挙げ
られる。
【0018】上記の中では、式(I)で表されるビスフ
ェノールA型エポキシ化合物および式(II)で表される
オルソクレゾールノボラックのポリグリシジルエーテル
が好ましく、特に、ビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(式(I)のn=0)及びそのオリゴマーが好ま
しい。
【0019】なお、例えば、ビスフェノールAのジグリ
シジルエーテルは、「エピコート827」、「エピコー
ト828」、「エピコート828EL」、「エピコート
828US」等として、そのオリゴマーは、「エピコー
ト834」、「エピコート1001」、「エピコート1
004」等として、式(II)のものは、「エピコート1
52」、「エピコート154」、「エピコート180S
65」等として、何れも、ジャパンエポキシレジン
(株)より市販されている。
【0020】本発明で使用される水素添加触媒は、主と
して白金族元素を活性成分とする触媒であり、この中で
はルテニウム触媒が好ましい。また、炭素系担体に活性
成分を担持して成る触媒が好ましい。炭素系担体として
は、活性炭、グラファイト、カーボンブラック等が挙げ
られる。これらの中では、活性炭または高表面積グラフ
ァイト(high surface areagraphite)と呼ばれるグ
ラファイトが特に好ましい。炭素系担体の比表面積は、
通常5〜3000m2/g、好ましくは50〜1500
2/gであり、粒径は通常5〜500μである。
【0021】水素添加触媒の調製法は、例えば特開平1
1−217379号公報に示す方法などを採用し得る
が、後記する実施例および比較例に示す様に、水素添加
触媒の調製法によっては、水素化反応のみでルテニウム
混入量を十分低下することは出来ず、他の複数の低減方
法と組み合わせる必要がある。
【0022】水素化反応の反応溶媒としては、水素化に
対して安定で触媒に対し被毒性のないエーテル系溶媒、
エステル系溶媒、アルコール系溶媒、パラフィン系溶媒
などが挙げられる。具体的には、ジエチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジオキソラン等の鎖状または環状のエ
ーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エ
チレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテ
ルエステル類が好適に使用される。これらの溶媒は、単
独使用の他、併用することも出来る。
【0023】反応溶媒の使用量は、原料のエポキシ化合
物に対する重量比として、通常0.05〜10、好まし
くは0.1〜3である。反応溶媒の量が余りにも少ない
場合は、一般に原料のエポキシ化合物の粘度が高いた
め、水素の拡散が悪くなり、反応速度が低下したり、水
素化反応の選択性が低下する。逆に、反応溶媒の量が余
りにも多い場合は、生産性が低下し経済的に不利にな
る。
【0024】反応温度は、通常30〜150℃、好まし
くは50〜130℃である。反応温度が低すぎる場合
は、反応速度が低下し反応を完結するために多量の水素
添加触媒および長時間を必要とする。反応温度が高すぎ
る場合は、エポキシ基の水素化分解などの副反応が増加
し、製品の品質が低下する。反応圧力は、通常1〜30
MPa、好ましくは3〜15MPaである。反応圧力が
低すぎる場合は、反応速度が低下し反応を完結するため
に多量の水素添加触媒および長時間を必要とする。反応
圧力が高すぎる場合は、必要な設備が大掛かりとなり、
経済的に不利となる。
【0025】反応方式としては、液相懸濁反応または固
定床反応が可能であるが、特に液相懸濁反応が好まし
い。水素は、流通方式で導入してもよいし、消費分だけ
導入してもよい。また、水素は、液中に導入して分散さ
せることも出来るし、気相から攪拌などの手段で液中に
巻き込んで吸収させることも出来る。反応の終点は、水
素吸収のモニター又はサンプリングによる分析で判断す
ることが出来る。芳香環の水添率は85%以上が好まし
く、更に高い水添率にすることも出来る。
【0026】反応終了後、反応液から触媒をろ過・遠心
分離などの操作で分離し、その後、蒸留によって反応溶
媒を留去し、目的生成物を得ることが出来る。反応溶媒
の留去は、減圧下において、通常20〜200℃、好ま
しくは50〜150℃の条件で行う。使用時の環境に与
える影響、特に臭気の観点から、反応溶媒の残在量は、
通常1重量%以下、好ましくは0.2重量%以下とされ
る。反応溶媒の残在量の下限は通常0.001重量%で
ある。それ以上の反応溶媒の留去は、長時間の加熱を必
要とし、製品の安定性が低下する懸念がある。反応溶媒
の残存量の一層の低減には、窒素などの不活性ガスの導
入が効果的である。
【0027】ところで、水素化反応で得られる脂環式エ
ポキシ化合物中のルテニウムの低減方法としては、次の
(1)〜(6)に記載の方法が挙げられる。
【0028】(1)水素化反応に使用する触媒の調製方
法 (2)水素化反応条件を選択する方法 (3)溶存するルテニウムを還元にて析出させる方法 (4)溶存するルテニウムを吸着剤と接触させる方法 (5)溶存するルテニウムを液液抽出にて抽出除去する
方法 (6)真空蒸留にてエポキシ化合物を留出液として回収
する方法
【0029】しかしながら、前記の水素化反応で得られ
る脂環式エポキシ化合物中のルテニウムの濃度は通常
0.01〜50ppmである。すなわち、上記の(1)
及び(2)の適切な方法のみで本発明を達成することも
可能であるが、本発明においては、必要に応じ、上記の
(3)以降の手段が単独で又は適宜組合せて採用され
る。
【0030】水素化反応後の処理方法としては、特に上
記(3)の吸着法が好ましい。吸着剤としては、活性
炭、活性白土、イオン交換樹脂、合成吸着剤などが挙げ
られる。これらの中では活性炭が好ましい。吸着剤の活
性表面としては、酸性、中性または塩基性の何れをも採
り得るが、塩基性が好ましい。斯かる塩基性の吸着剤と
しては、酸化マグネシウム等の固体塩基性化合物、塩基
性イオン交換樹脂などが挙げられる。
【0031】上記の吸着法は、粉末吸着剤による回分接
触処理、吸着剤充填層への流通処理の何れの方式であっ
てもよい。吸着剤と溶存するルテニウムとを接触させる
際の温度は、通常0〜100℃、好ましくは10〜80
℃である。また、接触処理の状態は、作業性、回収率、
吸着効率などの面から、溶媒を含む状態が好ましい。溶
媒の種類は、エポキシ化合物が溶解すれば特に制限され
ない。上記の吸着法は、通常、反応液を濃縮する前に行
われるため、反応溶媒がそのまま好適に使用される。溶
媒の含有量は溶液中の濃度として、通常5〜80重量%
である。溶媒の量が余りにも少ない場合は、処理液の粘
度が高くなり、吸着効率が低下する。回分接触処理をす
る場合は、水素化反応後、水素添加触媒を分離せず、反
応液に吸着剤を入れて混合し、同時に固液分離すること
も出来る。
【0032】脂環式エポキシ化合物中のルテニウム濃度
は、LED用封止材に使用するため、2ppm以下にす
る必要がある。ルテニウム濃度は、好ましくは1ppm
以下、更に好ましくは0.5ppmであり、品質要求が
厳しい特殊用途の場合は0.1ppm以下である。
【0033】脂環式エポキシ化合物は、エポキシ樹脂用
硬化剤と混合し、必要に応じ、その他の脂環式エポキシ
化合物や助剤と混合してLED用封止材として使用され
るが、この封止材の状態でのルテニウムの混入量も低減
する必要がある。封止材樹脂中のルテニウム濃度は、上
記と同様に2ppm以下とされ、好ましい態様は上記と
同じである。
【0034】上記の硬化剤としては、アミン類、酸無水
物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステ
ッド酸塩類、ジシアンジアミド類、有機酸ヒドラジッド
類、ポリメルカプタン類、有機ホスフィン類などが挙げ
られるが、この中では酸無水物類が好ましい。
【0035】上記の酸無水物類としては、例えば、無水
フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸な
どの芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無
水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタ
ル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル
酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリアルキルテトラ
ヒドロフタル酸などの環状脂肪族酸無水物が挙げられ
る。これらの中では、環状脂肪族酸無水物が好ましく、
特に飽和脂肪族であるヘキサヒドロフタル酸類が好まし
い。
【0036】上記の硬化剤は、それぞれ、単独使用の
他、2種以上を併用することが出来るが、全硬化剤中に
占める芳香環の割合が10重量%以下になる様に調節す
るのが好ましい。硬化剤の使用量は、脂環式エポキシ化
合物100重量部に対し、通常0.01〜200重量
部、好ましくは0.1〜150重量部である。
【0037】前記のその他の脂環式エポキシ化合物とし
ては、代表的には、シクロオレフィンのエポキシ化物が
挙げられ、その具体例としては、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート等が挙げられる。斯かる脂環式エポ
キシ化合物の使用量は、前述の本発明に係る脂環式エポ
キシ化合物に対し、通常0.01〜10重量比、好まし
くは0.05〜1重量比である。
【0038】ルテニウムの分析は、サンプルを直接溶媒
に希釈するか、または、有機物を燃焼した後、過酸化ナ
トリウム及び水酸化ナトリウムを添加してアルカリ溶融
後、水溶液系で溶解した後、原子吸光法やICP発光分
析などの公知の手法で行うことが出来る。
【0039】ルテニウムの存在が製品に与える影響とし
ては、製品の透過率の低下が挙げられる。特に短い波長
側での透過率の低下が大きい。このことは、以下の式の
様に、400nmと700nmの透過率の値の比(石英
1cmセル)によって定量化することが出来る。
【0040】
【数1】K=T400/T700
【0041】すなわち、上記の透過率の比(K値)が1
に近い程に色むらが小さい。また、ルテニウムの値が多
い程、K値は1より小さくなり、短波長側の吸収が増加
する。上記のK値は0.9以上あることが好ましい。ま
た、ルテニウム以外の要因により、K値が1より大きく
なる場合、K値は1.1以下であることが好ましい。ま
た、紫外線領域での吸収は340nmにおける透過率で
測定することが出来る。340nmにおける透過率は、
紫外線領域での封止材の安定性の観点から、好ましくは
80%以上、更に好ましくは90%以上である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例中で
使用した分析方法および物性測定方法は次の通りであ
る。
【0043】(1)製品中のルテニウム濃度の分析:ル
テニウム濃度の分析は、エタノールに溶解した試料を使
用し原子吸光測定により行なった。具体的には、装置と
して、バリアン・テクノロジーズ・ジャパンリミテッド
社製の「GF−AAS Spectra AA−30
0」を使用し、ルテニウム標準液により検量線を作成
し、試料中のルテニウム濃度に応じ、エタノールによる
希釈倍率を5〜5000倍に変化させ、検量線の濃度範
囲に入る様に分析した。この方法のルテニウム分析下限
界は0.2ppmであった。
【0044】(2)製品の水素化率:酢酸エチルに溶解
した試料を使用し275nmでの吸光度を測定し、原料
の芳香族エポキシ化合物の吸光度と比較して算出した。
酢酸エチルによる希釈倍率は水素化率に応じ10〜10
00倍とした。
【0045】(3)エポキシ当量:JIS K7236
−1955に準拠し、酢酸と臭化セチルトリメチルアン
モニウムの存在下、過酸化水素で滴定し、発生する臭化
水素をエポキシ基に付加させ、終点を電位差で判定し
た。試料は製品(原液)を使用した。
【0046】(4)透過率:島津製作所製の「UV−2
400PC」を使用し、1cmセルを使用し、蒸留水を
ブランクとして測定した。試料は製品(原液)を使用し
た。
【0047】実施例1 1L誘導撹拌式オートクレーブ内に、ビスフェノールA
型エポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン製「エピコ
ート828US」エポキシ当量186)200g、酢酸
エチル200g、水素添加触媒として5重量%ルテニウ
ム/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社
製:Aタイプ)20gを仕込み、オートクレーブ内を窒
素置換した後に水素置換した。その後、60℃、8MP
aの水素圧力で水素化反応を行った。冷却後に少量サン
プリングして、酢酸エチルで希釈し、触媒をろ過した
後、減圧下100℃で少量の窒素を吹き込みながら溶媒
を留去して製品を得た。製品の分析結果は表1に示す通
りであった。
【0048】実施例2 実施例1の反応混合物に酢酸エチルを添加してエポキシ
樹脂濃度が50%になる様に希釈した後、活性炭(二村
化学製「太閤K」)をエポキシ樹脂に対して5重量%に
なる様に添加して1時間混合した後にろ過した。次い
で、実施例1と同様にろ液から溶媒を留去して製品を得
た。製品の分析結果は表1に示す通りであった。
【0049】実施例3 1L誘導撹拌式オートクレーブ内に、ビスフェノールA
型エポキシ化合物(ジャパンエポキシレジン製「エピコ
ート828US」エポキシ当量186)400g、酢酸
エチル100g、水素添加触媒として5重量%ルテニウ
ム/活性炭触媒(エヌ・イー ケムキャット株式会社
製:Bタイプ)6gを仕込み、オートクレーブ内を窒素
置換した後に水素置換した。その後、110℃、8MP
aの水素圧力で7時間水素化反応を行った。反応が十分
進行しなかったので、冷却後に少量の液サンプリング後
の反応液に触媒6gを追加し、更に同条件で7時間水素
化を行った。
【0050】冷却後、反応混合物に酢酸エチルを添加し
エポキシ樹脂濃度が50%になる様に希釈した後、酸化
マグネシウム(協和化学工業社製「キョーワマグ15
0」)をエポキシ樹脂に対して10重量%になる様に添
加して1時間混合した後にろ過した。次いで、ろ液から
溶媒を留去して製品を得た。溶媒の留去は、実施例1と
同様の方法によって行なった。製品の分析結果を表1に
示す。
【0051】比較例1 実施例3において、酸化マグネシウムとの混合処理を省
略した以外は、実施例3と同様に、溶媒添加、ろ過、溶
媒留去を行なって製品を得た。製品の分析結果を表1に
示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、色相の再
現性、均一性、安定性などの変化が小さく、しかも、L
EDの放射光度の経時的低下が小さい脂環式エポキシ化
合物(封止材)が提供され、本発明の工業的価値は顕著
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 峰雄 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4J036 AD01 AD08 AF01 AF06 CC05 JA07 5F041 AA44 DA44

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素添加触媒の存在下に芳香族エポキシ
    化合物の芳香環を選択的に水素化して得られる脂環式エ
    ポキシ化合物であって、ルテニウム濃度が2ppm以下
    であることを特徴とする脂環式エポキシ化合物。
  2. 【請求項2】 水素添加触媒がルテニウム触媒である請
    求項1に記載の脂環式エポキシ化合物。
  3. 【請求項3】 ルテニウム濃度が2ppm以下であるこ
    とを特徴とする発光ダイオード用封止材。
  4. 【請求項4】 脂環式エポキシ化合物から成る請求項3
    に記載の発光ダイオード用封止材。
JP2001373250A 2001-06-25 2001-12-06 脂環式エポキシ化合物および発光ダイオード用封止材 Pending JP2003171439A (ja)

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