JP2003168725A - ウエハ支持部材及びその製造方法 - Google Patents

ウエハ支持部材及びその製造方法

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JP2003168725A
JP2003168725A JP2001365683A JP2001365683A JP2003168725A JP 2003168725 A JP2003168725 A JP 2003168725A JP 2001365683 A JP2001365683 A JP 2001365683A JP 2001365683 A JP2001365683 A JP 2001365683A JP 2003168725 A JP2003168725 A JP 2003168725A
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electrostatic chuck
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wafer
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adhesive layer
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JP2001365683A
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Masaki Terasono
正喜 寺園
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静電チャック部とベース部材とを接着にて貼り
合わせた後、静電チャック部の載置面に研磨加工を施し
ても大きなうねりを発生させることがなく、また、熱サ
イクルをかけても静電チャック部を変形させることな
く、長期間にわたって使用することが可能なウエハ支持
部材を提供する。 【解決手段】板状セラミック体2の一方の主面をウエハ
Wを載せる載置面3とし、他方の主面に静電吸着用電極
4a,4bを備え、上記載置面3の周縁部にガスを供給
するための貫通孔を備えた静電チャック部5と、周縁部
にガスを供給するための貫通孔を備えたベース部材6の
互いの貫通孔を含む接着面間に、硬化後の伸び率が50
%以上である軟質接着剤を塗布し、半硬化させた後、そ
の周囲に粘度が50Pa・s以下でかつ硬化後のショア
硬度(D)が50以上である硬質接着剤を注入し、各接
着剤を硬化させてウエハ支持部材1を製作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CVD、PVD、
スパッタリング等の成膜装置やエッチング装置などの加
工装置において、半導体ウエハ等のウエハを吸着保持す
るウエハ支持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイスの製造工程では、
半導体ウエハ(以下、単にウエハという)に薄膜を形成
する成膜装置やエッチング加工を施すエッチング装置等
の半導体製造装置が用いられており、このような半導体
製造装置には半導体ウエハを保持するためにウエハ支持
部材が用いられている。
【0003】例えば、図3に示すウエハ支持部材51
は、板状セラミック体52の上面を、ウエハWを載せる
載置面53とし、板状セラミック体52の下面に一対の
静電吸着用電極54a,54bを備えた静電チャック部
55と、上記板状セラミック体52の下面側に接合した
ベース部材56とからなり、上記載置面53の周縁部に
は上記セラミック部55とベース部材56とを貫通する
ガス供給孔58を備えたもので、ウエハWを載置面53
に載せた後、一対の静電吸着用電極54a,54b間に
電圧を印加することにより静電気力を発生させ、ウエハ
Wを載置面53に吸着させるとともに、ガス供給孔58
よりウエハWと載置面53との微小隙間にHe等の熱伝
導性ガスを供給することによりウエハWの表面温度を均
一にするようになっていた。
【0004】また、静電チャック部55とベース部材5
6とを接合する手段として、特開昭63−283037
号公報には、静電チャック部55の載置面53と反対側
の表面に、静電吸着用電極54a,54bを覆うように
ゴム状の有機系接着剤層を介して、炭化珪素やアルミナ
等のフィラーを混入して熱伝導性を高めたシリコンゴム
あるいはフッ素ゴム等から成る厚さ0.2〜0.3mm
程度の弾性絶縁体を接着し、さらにこの弾性絶縁体とベ
ース部材56とをゴム状の有機系接着剤層を介して接着
するようにした構造が提案されている。
【0005】また、特開平5−347352号公報に
は、静電チャック部55の載置面53と反対側の表面
に、静電吸着用電極54a,54bを覆うようにポリイ
ミド系樹脂からなる硬質接着剤層を介して厚み25μm
程度のポリイミドフィルムからなる絶縁性フィルムを接
着し、さらにこの絶縁性フィルムとベース部材56とを
ポリイミド系樹脂からなる硬質接着剤層を介して接着す
るようにした構造が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3に示す
ウエハ支持部材51のように、静電チャック部55とベ
ース部材56とを接着剤層57を介して接合したもので
は、静電チャック部55の載置面53とベース部材56
の平行度を所定値とするために載置面53に研磨加工を
施すのであるが、特開昭63−283037号公報に開
示された技術のように、静電チャック部55とベース部
材57とをその全面にゴム状の有機系接着剤層を介して
接着するようにしたものでは、研磨加工時に20μm以
上のうねりが発生することがあり、このような状態でウ
エハWを吸着させたとしても載置面53との間にできる
隙間が大きいために熱伝導性ガスの漏れが発生するとい
った課題があった。
【0007】また、弾性絶縁体を形成するシリコンゴム
やフッ素ゴムは、成膜用ガスやエッチング用ガス中に含
まれているフッ素、酸素、塩素系の腐食性ガスと反応し
て低沸点化合物となり、徐々に揮発するのであるが、そ
の際、弾性絶縁体中に混入させていた炭化珪素やアルミ
ナ等のフィラーが上記腐食性ガスと反応して不揮発性物
質となり、パーティクルとしてウエハを汚染するといっ
た課題もあった。
【0008】一方、特開平5−347352号公報に開
示された技術では、静電チャック部55とベース部材5
6との間に厚さ25μm程度の絶縁性フィルムを介在さ
せてあることから、静電吸着用電極54とベース部材5
6との間の充分な絶縁性は得られるものの、静電チャッ
ク部55と絶縁性フィルム及び絶縁性フィルムとベース
部材56が共に高ヤング率のポリイミド系接着剤からな
る硬質接着剤層を介して接着されているため、ウエハ支
持部材51に温度変化が生じると、静電チャック部55
を形成する板状セラミック体52とベース部材56との
間の熱膨張差により発生する応力によって静電チャック
部55に反りが発生し、ウエハWを精度良く保持するこ
とができなくなるとともに、温度サイクルを繰り返す
と、静電チャック部55やベース部材56と硬質接着剤
層との間に剥離が発生するといった課題があった。そし
て、図3に示すウエハ支持部材51のようにガス供給孔
58が載置面53の周縁部にある場合、硬質接着剤層の
剥離によって熱伝導性ガスの漏れが発生するといった課
題もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、板状セラミック体の一方の主面をウエハを載
せる載置面とし、上記板状セラミック体の他方の主面に
静電吸着用電極を備えた静電チャック部とベース部材と
を接着してなり、上記載置面の周縁部に静電チャック部
及びベース部材を貫通するガス供給孔を備えたウエハ支
持部材であって、上記ガス供給孔より外側の静電チャッ
ク部とベース部材とを、ショア硬度(D)が50以上で
ある硬質接着剤層により接着し、かつ上記硬質接着剤層
より内側の領域を少なくとも伸び率が50%以上である
軟質接着剤層により接着するようにしたことを特徴とす
る。
【0010】また、上記硬質接着剤層は、その伸び率が
1.5%以上、最大気孔径が50μm以下で、かつ気孔
率が10%以下であるものを用いることが好ましい。
【0011】さらに、上記ウエハ支持部材を製造するに
あたり、板状セラミック体の一方の主面をウエハを載せ
る載置面とし、上記板状セラミック体の他方の主面に静
電吸着用電極を備え、かつ上記載置面の周縁部にガスを
供給するための貫通孔を有する静電チャック部と、周縁
部にガスを供給するための貫通孔を有するベース部材と
を用意し、上記静電チャック部の接着面及び/又はベー
ス部材の接着面の所定位置に、少なくとも硬化後の伸び
率が50%以上である軟質接着剤を塗布し、上記ベース
部材及び/又は静電チャックを貼り合わせた後、脱泡処
理を施し、次いで軟質接着剤を半硬化させ、次に粘度が
50Pa・s以下でかつ硬化後のショア硬度(D)が5
0以上である硬質接着剤を軟質接着剤の周囲の静電チャ
ック部とベース部材との隙間に注入し、次いで脱泡処理
を施した後、各接着剤を硬化させるようにしたことを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0013】図1は本発明のウエハ支持部材の一例を示
す断面図である。
【0014】このウエハ支持部材1は、板状セラミック
体2の一方の主面を、半導体ウエハ等のウエハWを載せ
る載置面3とし、上記板状セラミック体2の他方の主面
に一対の静電吸着用電極4a,4bを備えた静電チャッ
ク部5とベース部材4とを接着したもので、上記載置面
3の周縁部には、上記静電チャック部5及びベース部材
6を貫通する複数のガス供給孔8を等間隔に穿設してあ
る。
【0015】静電チャック部5を形成する板状セラミッ
ク体2としては、Al23、SiC、AlN及びSi3
4のうち少なくとも1種を主成分とするセラミック焼
結体を用いることができ、これらの中でもハロゲン系腐
食性ガスやプラズマに対する耐食性の点で、Al23
はAlNを主成分とするセラミック焼結体を用いること
が良く、さらに安価に製造する場合には、Al23を主
成分とするセラミック焼結体を、ウエハの均熱性が要求
される場合には、AlNを主成分とするセラミック焼結
体を用いることが良い。
【0016】また、板状セラミック体2に形成する静電
吸着用電極4a,4bは、Ni、Ti、Ag、Cu、A
u、Pt、Mo、Mn等の金属又はこれらの合金あるい
はTiN、TiC、WCよりなる厚みが0.1μm以上
の導体層からなり、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法、蒸着法、メッキ法、CVD法等の膜形成手段
により被着してある。なお、図1に示すように、静電チ
ャック部5が双極型である場合、一対の静電吸着用電極
4a,4b間の最小距離Tは0.5mm以上、好ましく
は1mm以上とすることが良く、このような距離Tを設
けることにより、静電吸着用電極4a,4b間に印加で
きる電圧を高くすることができ、より大きな吸着力を発
生させることができるとともに、絶縁破壊の危険性を小
さくすることができる。
【0017】一方、ベース部材6は、アルミニウムや超
鋼、あるいはこれらの金属とセラミック材料との複合材
からなり、静電吸着用電極4a,4bに接続されるリー
ド線11を取り出すための貫通孔7を有している。
【0018】また、このウエハ支持部材1は、ガス供給
孔8より外側の静電チャック部5の周縁部とベース部材
6の周縁部を、ショア硬度(D)が50以上である硬質
接着剤層9により接着するとともに、上記硬質接着剤層
9より内側の領域を伸び率が50%以上である軟質接着
剤層10により接着してある。
【0019】このように、静電チャック部5の中央部と
ベース部材6の中央部を軟質接着剤層10により接着し
たとしても、静電チャック部5の周縁部とベース部材6
の周縁部を、ショア硬度(D)が50以上である硬質接
着剤層9により接着することで、両者を接着した後、静
電チャック部5の載置面3とベース部材6との平行度を
所定値とするために載置面3に研磨加工を施したとして
もその時の押圧力によって静電チャック部5の周縁部が
変形しようとするのを効果的に防止することができ、そ
の結果、うねりを発生させることなく、平滑でかつ平坦
な載置面3を形成することができる。
【0020】ただし、硬質接着剤層9のショア硬度
(D)が50未満となると、静電チャック部5の周縁部
の変形防止効果が小さいために載置面3にうねりが発生
し、ウエハWを吸着させたとしても載置面3との間に形
成される比較的大きな隙間より熱伝導性ガスのガス漏れ
が発生する。その為、硬質接着剤層9のショア硬度
(D)は50以上とすることが重要であり、うねりの発
生を抑えるためには硬質接着剤層9の幅Lを少なくとも
0.8mm以上とすることが好ましい。
【0021】また、このウエハ支持部材1によりウエハ
Wに各種加工処理を施すには、静電チャック部5の一対
の静電吸着用電極4a,4b間に電圧を印加してウエハ
Wと静電吸着用電極4a,4bとの間に静電気力を発生
させることによりウエハWを載置面3に吸着させるとと
もに、載置面3の周縁部に開口させた複数のガス供給孔
8よりそれぞれウエハWと載置面3との微小隙間(不図
示)にHe等の熱伝導性ガスを供給することによりウエ
ハWの表面温度を均一にする。
【0022】そして、この状態で成膜ガスやエッチング
ガスを供給するとともに、必要に応じてプラズマを発生
させることでウエハWに成膜処理やエッチング処理を施
すのであるが、これらの処理時に熱が発生したとして
も、静電チャック部5とベース部材6とは、その大部分
を伸び率が50%以上である軟質接着剤層10により接
着してあることから、静電チャック部5とベース部材6
との間の熱膨張差によって熱応力が発生したとしても軟
質接着剤層10で吸収することができるため、静電チャ
ック部5を変形させるようなことがなく、ウエハWを精
度良く保持することができる。
【0023】その為、本発明のウエハ支持部材1を用い
れば、ウエハWに高精度の成膜処理やエッチング処理を
施すことができるとともに、繰り返し熱応力が作用した
としても静電チャック部5やベース部材6と軟質接着剤
層10との間に剥離を生じることもないため、長期間に
わたって使用することができる。
【0024】ただし、軟質接着剤層10の伸び率が50
%未満となると、静電チャック部5とベース部材6との
間の熱膨張差によって作用する熱応力を吸収する効果が
小さくなり、静電チャック部5に反りやうねりを発生さ
せる恐れがある。その為、軟質接着剤層10の伸び率は
50%以上とすることが重要である。
【0025】また、硬質接着剤層9は、ショア硬度
(D)が50以上であるとともに、伸び率が1.5%以
上、最大気孔径が50μm以下で、かつ気孔率が10%
以下であるものを用いることが好ましい。
【0026】なぜなら、硬質接着剤層9の伸び率が1.
5%未満となると、静電チャック部5とベース部材6と
の間に作用する熱応力によって亀裂が発生し、この亀裂
が延びると、ガス供給孔8に供給された熱伝導性ガスの
ガス漏れを生じるからであり、また、最大気孔径が50
μmより大きいものが存在したり、あるいは気孔率が1
0%を超えると、気孔を起点として亀裂が発生し、ガス
漏れの原因となるからである。
【0027】なお、伸び率が50%以上の軟質接着剤層
10としては、シリコーン系接着剤やゴム系接着剤を用
いることができ、また、ショア硬度(D)が50以上で
かつ伸び率が1.5%以上である硬質接着剤層9として
は、エポキシ系接着剤やエポキシ系接着剤にシリコーン
系接着剤を混ぜたものを用いることができる。
【0028】次に、本発明のウエハ支持部材1の製造方
法について説明する。
【0029】まず、静電チャック部5とベース部材6と
を用意し、例えば、ベース部材6のガス供給孔8を含む
接着面中央部に、硬化後の伸び率が50%以上である軟
質接着剤をスクリーン印刷等により塗布した後、静電チ
ャック部5を貼り合わせ、次いで2.6kPa以下の減
圧下で軟質接着剤の脱泡処理を行うことによって硬化後
の軟質接着剤層10中に気泡が残るのを極力抑える。そ
して、熱を加えて軟質接着剤を半硬化させた後、硬化後
のショア硬度(D)が50以上でかつ伸び率が1.5%
以上である硬質接着剤を、静電チャック部5とベース部
材6との間で軟質接着剤の周囲に注入し、次いで2.6
kPa以下の減圧下で硬質接着剤の脱泡処理を行うこと
によって硬化後の硬質接着剤層9中に気泡が残るのを極
力抑える。この時、硬質接着剤の粘度は50Pa・s未
満とすることが好ましく、このような粘度とすることで
隙間の狭い静電チャック部5とベース部材6との間に確
実に硬質接着剤を注入することができるとともに、その
後の脱泡をスムーズに行うことができる。
【0030】しかる後、硬質接着剤及び軟質接着剤をそ
れぞれ完全に硬化させることができる温度に加熱して各
接着剤を完全に硬化させることにより図1に示すウエハ
支持部材1を製作することができ、硬化させた硬質接着
剤層9は最大気孔径が50μm以下でかつ気孔率が10
%以下の緻密なものとすることができるため、熱伝導性
ガスの漏れのない信頼性の高いウエハ支持部材1とする
ことができる。
【0031】また、硬質接着剤層9はガス供給孔8より
外側に形成するようにしたことから、上述した製法にお
いてガス供給孔8を接着剤によって埋めてしまうような
ことがなく、効率良く製作することができるとともに、
硬質接着剤層9に亀裂等が発生したとしても直接熱伝導
性ガスが漏れることがないため、各種加工雰囲気に悪影
響を与え難い構造とすることができる。
【0032】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明は前述した実施形態だけに限定されるもので
はなく、例えば、静電チャック部5とベース部材6との
間で高い絶縁性が要求されるような場合、図2に示すよ
うに、静電チャック部5とベース部材6との間にポリイ
ミド等の絶縁フィルム12を介在させるようにしても良
く、このような場合、ガス供給孔8より外側の静電チャ
ック部5の周縁部とベース部材6の周縁部は、ショア硬
度(D)が50以上の硬質接着層9により接着し、その
内側領域の静電チャック部5と絶縁フィルム12、及び
絶縁フィルム12とベース部材6とはそれぞれ軟質接着
剤層10により接着するようにすれば良い。
【0033】また、本実施形態では、静電チャック部5
に双極型の例を示したが、単極型の静電チャック部5を
用いることもできる。
【0034】このように、本発明はその要旨を逸脱しな
い範囲で改良や変更したものにも適用することができる
ことは言う迄もない。
【0035】
【実施例】ここで、図1に示すウエハ支持部材1を製作
し、硬質接着剤層9のショア硬度(D)、伸び率、最大
気孔径、及び気孔率を異ならせるとともに、軟質接着剤
層の伸び率を異ならせた時の研磨加工時における載置面
のうねりの有無と、熱サイクルを与えた時の硬質接着剤
層の亀裂の有無について調べる実験を行った。
【0036】静電チャック部5を形成する板状セラミッ
ク体2には窒化アルミニウム質焼結体を用い、板厚が2
mmとなるようにした。そして、この板状セラミック体
2の一方の表面にメッキ法によりNiからなる一対の静
電吸着力用電極4a,4bを形成した。
【0037】一方、ベース部材6にはアルミニウム製の
ものを用い、接着面中央部にスクリーン印刷法にて、硬
化後の伸び率が30%〜200%の範囲にあるシリコー
ン系接着剤を塗布し、静電チャック部5を貼り合わせた
後、1kPaの真空中で15分保持して脱泡処理を行
い、その後、80℃で12時間熱を与えて半硬化させ
た。
【0038】次に、シリコーン系接着剤の周囲の静電チ
ャック部5とベース部材6との隙間に、硬化後の伸び率
が0%〜50%、硬化後のショア硬度(D)が40〜9
0、硬化前の粘度が5〜70Pa・sの範囲にあるエポ
キシ系接着剤を注入し、1kPaの真空中で15分保持
して脱泡処理を行った後、110℃で12時間熱を加え
ることにより各接着剤を硬化させた。そして、静電チャ
ック部5の載置面3に研磨加工を施すことによりウエハ
支持部材1を製作した。なお、エポキシ系接着剤の粘度
の測定は、JIS Z8803に示される円錐−平板回
転粘度計を用いて測定した。
【0039】そして、静電チャック部5の載置面3に接
触式のセンサーを走査させ、平面度が20μm以下であ
るものをうねり無しとし、平面度が20μmを超えるも
のをうねり有りとして評価した。
【0040】また、硬質接着剤層9のショア硬度
(D)、伸び率、最大気孔径、及び気孔率は、それぞれ
同様の条件にて別に製作したウエハ支持部材を切断し、
露出した硬質接着剤層のショア硬さをショアD硬度計を
用いて測定するとともに、走査型電子顕微鏡(SEM)
による写真観察から100個の気孔を抽出し、このうち
最も大きな径を有する気孔を最大気孔径とするととも
に、100個の気孔の平均粒子径を算出し、この平均気
孔径から100個の気孔の総面積を算出して、気孔の存
在する領域の全面積に占める気孔の総面積の割合を気孔
率として算出した。
【0041】次に、各ウエハ支持部材1に−40℃から
100℃の熱サイクルを50回、100回、200回繰
り返した後、硬質接着剤層の亀裂の有無を顕微鏡にて観
察するとともに、シリコンウエハを載置面3に載せ、2
00g/cm2以上の吸着力で吸着させた状態でガス供
給孔8よりHeガスを流した時のHeガスの漏れ量を測
定し、Heガスの漏れ量が20sccmを超えた時点で
測定を終了した。
【0042】結果は表1に示す通りである。ただし、表
1中、載置面3のうねりの有無の欄における「○」は載
置面3の平面度が20μm以下であるもの、「×」は載
置面3の平面度が20μmを超えるものであり、また、
硬質接着剤層の亀裂の有無の欄における「○」は亀裂な
しのもの、「×」は亀裂ありのものであり、さらにHe
ガス漏れ量における「OK」は漏れ量が20sccm以
下であり、「NG」は漏れ量が20sccmを超えたも
のをそれぞれ示す。
【0043】
【表1】
【0044】この結果、試料No.2〜10,12、及
び14〜17のように、軟質接着剤層10の伸びを50
%以上、硬質接着剤層9のショア硬度(D)を50以上
としたものは、研磨加工後における載置面3のうねりを
20μm未満とすることができ、また、50回の熱サイ
クル後においても硬質接着剤層9にクラックの発生が見
られず、Heガスの漏れ量でも20sccm以下と小さ
く、信頼性の高いものであった。
【0045】特に、試料No.4〜10及び14〜17
のように、硬質接着剤層9の伸び率を1.5%以上、気
孔率を10%以下、最大気孔径を50μm以下としたも
のは、熱サイクルを200回行った後でも硬質接着剤層
9にクラックの発生が見られず、Heガスの漏れを20
sccm以下とすることができ、さらに信頼性を高める
ことができた。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、板状セ
ラミック体の一方の主面をウエハを載せる載置面とし、
上記板状セラミック体の他方の主面に静電吸着用電極を
備えた静電チャック部とベース部材とを接着し、上記載
置面の周縁部に上記静電チャック部及びベース部材を貫
通するガス供給孔を備えたウエハ支持部材であって、上
記ガス供給孔より外側の静電チャック部とベース部材と
を、ショア硬度(D)が50以上である硬質接着剤層に
より接着し、かつ上記硬質接着剤層より内側の領域を少
なくとも伸び率が50%以上である軟質接着剤層により
接着するようにしたことによって、静電チャック部とベ
ース部材の接着後における載置面の研磨加工においてう
ねりを生じるようなことがなく、平滑でかつ平坦な載置
面とすることができるとともに、使用時には、静電チャ
ック部とベース部材との間の熱膨張差によって作用する
熱応力を軟質接着剤層によって吸収し、静電チャック部
に反りやうねりが発生することを効果的に防止すること
ができる。その為、ウエハを載置面に吸着させれば精度
良く保持することができるとともに、ガス供給孔よりウ
エハと載置面との微小隙間にHe等の熱伝導性ガスを供
給することにより、ガス漏れを微量に抑えつつ、ウエハ
の表面温度を均一にすることができる。
【0047】その為、本発明のウエハ支持部材を用いて
ウエハに成膜加工やエッチング加工等の各種加工処理を
施せば、精度の高い加工を行うことができるとともに、
長期間にわたって使用することができる。
【0048】また、上記硬質接着剤層の伸び率を1.5
%以上、最大気孔径を50μm以下で、かつ気孔率を1
0%以下とすることにより、温度サイクルによる亀裂の
発生を効果的に防止することができるため、信頼性を高
め、ウエハ支持部材の寿命を向上させることができる。
【0049】さらに、このようなウエハ支持部材を製造
するにあたり、ガスを供給するための貫通孔を有する静
電チャック部と、周縁部にガスを供給するための貫通孔
を有するベース部材とを用意し、静電チャック部の接着
面及び/又はベース部材の接着面の所定位置に、少なく
とも硬化後の伸び率が50%以上である軟質接着剤を塗
布し、上記ベース部材及び/又は静電チャックを貼り合
わせた後、脱泡処理を施し、次いで軟質接着剤を半硬化
させた後、粘度が50Pa・s以下でかつ硬化後のショ
ア硬度(D)が50以上である硬質接着剤を軟質接着剤
の周囲に注入し、次いで脱泡処理を施した後、各接着剤
を硬化させることによって製造するようにしたことか
ら、信頼性の高いウエハ支持部材を効率良く製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ支持部材の一例を示す断面図で
ある。
【図2】本発明のウエハ支持部材の他の例を示す断面図
である。
【図3】従来のウエハ支持部材の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:ウエハ支持部材 2:板状セラミック体 3:載置面 4a,4b:静電吸着用電極 5:静電チャック部 6:ベース部材 7:貫通孔 8:ガス供給孔 9:硬質接着剤層 10:軟質接着剤層 11:リード線 12:絶縁フィルム 51:ウエハ支持部材 52:板状セラミック体 53:載置面 54a,54b:静電吸着用電極 55:静電チャック部 56:ベース部材 57:接着剤層 58:ガス供給孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状セラミック体の一方の主面をウエハを
    載せる載置面とし、上記板状セラミック体の他方の主面
    に静電吸着用電極を備えた静電チャック部とベース部材
    とを接着してなり、上記載置面の周縁部に上記静電チャ
    ック部及びベース部材を貫通するガス供給孔を備えたウ
    エハ支持部材であって、上記ガス供給孔より外側の静電
    チャック部とベース部材とを、ショア硬度(D)が50
    以上である硬質接着剤層により接着し、かつ上記硬質接
    着剤層より内側の領域を少なくとも伸び率が50%以上
    である軟質接着剤層により接着したことを特徴とするウ
    エハ支持部材。
  2. 【請求項2】上記硬質接着剤層の伸び率が1.5%以
    上、最大気孔径が50μm以下で、かつ気孔率が10%
    以下であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支
    持部材。
  3. 【請求項3】板状セラミック体の一方の主面をウエハを
    載せる載置面とし、上記板状セラミック体の他方の主面
    に静電吸着用電極を備え、かつ上記載置面の周縁部にガ
    スを供給するための貫通孔を有する静電チャック部と、
    周縁部にガスを供給するための貫通孔を有するベース部
    材とを用意し、上記静電チャック部の接着面及び/又は
    ベース部材の接着面の所定位置に、少なくとも硬化後の
    伸び率が50%以上である軟質接着剤を塗布し、上記ベ
    ース部材及び/又は静電チャックを貼り合わせた後、脱
    泡処理を施し、次いで上記軟質接着剤を半硬化させ、次
    に粘度が50Pa・s以下でかつ硬化後のショア硬度
    (D)が50以上である硬質接着剤を軟質接着剤の周囲
    に注入し、次いで脱泡処理を施した後、各接着剤を硬化
    させるようにしたことを特徴とするウエハ支持部材の製
    造方法。
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