JP2003197727A - ウエハ載置ステージ - Google Patents

ウエハ載置ステージ

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JP2003197727A
JP2003197727A JP2001390230A JP2001390230A JP2003197727A JP 2003197727 A JP2003197727 A JP 2003197727A JP 2001390230 A JP2001390230 A JP 2001390230A JP 2001390230 A JP2001390230 A JP 2001390230A JP 2003197727 A JP2003197727 A JP 2003197727A
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wafer
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electrostatic attraction
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JP2001390230A
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English (en)
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Masaki Terasono
正喜 寺園
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】導電性ベース部材と静電チャック部とを接着層
を介して貼り合わせ、導電性ベース部材にプラズマを発
生させるための高周波電力を印加するウエハ載置ステー
ジにおいて、静電吸着用電極と導電性ベース部材との間
の絶縁破壊の発生確率を少なくし、長寿命のウエハ載置
ステージを提供する。 【解決手段】静電チャック部5と導電性ベース部材6と
の間に、二層以上の有機系絶縁フィルム8,9を設け、
少なくとも上記静電チャック部5の静電吸着用電極4近
傍の有機系絶縁フィルム8の外径を上記静電吸着用電極
4の外径より0.5mm以上大きくするとともに、上記
接着層10,11,12の気孔率を10%以下としてウ
エハ載置ステージ1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CVD、PVD、
スパッタリング等の成膜装置やエッチング装置などの加
工装置において、半導体ウエハ等のウエハを吸着保持す
るウエハ載置ステージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイスの製造工程では、
半導体ウエハ(以下、単にウエハという)に薄膜を形成
する成膜装置やエッチング加工を施すエッチング装置等
の半導体製造装置が用いられており、このような半導体
製造装置には半導体ウエハを保持するためにウエハ載置
ステージが用いられている。
【0003】例えば、図3に示すウエハ載置ステージ5
1は、セラミック板状体52の上面を、ウエハWを載せ
る載置面53とし、セラミック板状体52の下面に一対
の静電吸着用電極54を備えた静電チャック部55と、
上記セラミック板状体52の下面側に接合した導電性ベ
ース部材56とからなり、このウエハ載置ステージ51
を用いてウエハWに成膜加工やエッチング加工を施すに
は、ウエハWを載置面53に載せた後、一対の静電吸着
用電極54間に電圧を印加することにより静電気力を発
生させ、ウエハWを載置面53に吸着させるとともに、
導電性ベース部材56と、静電チャク部55の上方に配
置される不図示のプラズマ発生用電極との間に高周波電
力を印加してプラズマを発生させた状態で、成膜ガスや
エッチングガスを供給することにより、ウエハWに対し
て成膜加工やエッチング加工を施すようになっていた。
【0004】ところで、このようなウエハ載置ステージ
51を形成する静電チャック部55と導電性ベース部材
56とを接合する手段として、特開昭63−28303
7号公報には、図4に示すように、静電チャック部55
の載置面53と反対側の表面に、静電吸着用電極54を
覆うようにゴム状の有機系接着剤層57を介して、炭化
珪素やアルミナ等のフィラーを混入して熱伝導性を高め
たシリコンゴムあるいはフッ素ゴム等から成る厚さ0.
2〜0.3mm程度の弾性絶縁体58を接着し、さらに
この弾性絶縁体58と導電性ベース部材56とをゴム状
の有機系接着剤層57を介して接着するようにした構造
が提案されている。
【0005】また、特開平5−347352号公報に
は、図5に示すように、静電チャック部55の載置面5
3と反対側の表面に、静電吸着用電極54を覆うように
ポリイミド系樹脂からなる硬質接着剤層59を介して厚
み25μm程度のポリイミドフィルムからなる有機系絶
縁フィルム60を接着し、さらにこの有機系絶縁フィル
ム60と導電性ベース部材56とをポリイミド系樹脂か
らなる硬質接着剤層59を介して接着するようにした構
造が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭63
−283037号公報に開示された図4の構造のよう
に、静電チャック部55と導電性ベース部材56とを有
機系接着剤層57と弾性絶縁体58とで接合したウエハ
載置ステージ51では、導電性ベース部材56に高周波
電力を印加してプラズマを発生させると、静電チャック
部55の静電吸着用電極54との間の十分な絶縁性を保
つことができず、繰り返し使用すると短期間の使用で絶
縁破壊を起こしてしまうといった課題があった。
【0007】一方、特開平5−347352号公報に開
示された図5の構造のように、静電チャック部55と導
電性ベース部材56とを有機系接着剤層59と一層の有
機系絶縁フィルム60とで接合したウエハ載置ステージ
51では、特開昭63−283037号公報の開示され
たものと比較して高い絶縁性が得られるものの、プラズ
マを発生させる導電性ベース部材56に、13.56M
Hz、500Wもの高周波電力が繰り返し印加される
と、図5に示すウエハ載置ステージ51でも静電吸着用
電極54と導電性ベース部材56との間の絶縁性を保つ
ことが難しく、繰り返し使用すると短期間で絶縁破壊を
起こしてしまうといった課題があった。即ち、有機系の
絶縁フィルム60と言えども部分的に欠陥を有するとと
もに、接着工程等での取扱時に傷付き易いため、導電性
ベース部材56に繰り返し高周波電力を印加すると、有
機系絶縁フィルム60中の欠陥や傷が進展し、遂には亀
裂が入って絶縁破壊を起こしていた。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、静電チャック部の静電
吸着用電極と導電性ベース部材との間の絶縁性を高め、
導電性ベース部材にプラズマを発生させるための高周波
電力を繰り返し印加しても絶縁破壊を起こすことなく長
期間にわたって使用可能なウエハ載置ステージを提供す
ることにあり、さらには静電チャック部と導電性ベース
部材との間の熱伝達特性を高めることにより、プラズマ
によって静電チャック部に吸着保持するウエハに与えら
れる熱を速やかに逃がすことができるようにすることに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、セラミック板状体の一方の主面を、ウエハを
載せる載置面とし、他方の主面に静電吸着用電極を有す
る静電チャック部と、上記セラミック板状体の他方の主
面側に接着層を介して接合した導電性ベース部材とから
なるウエハ載置ステージにおいて、上記静電チャック部
と導電性ベース部材との間に、二層以上の有機系絶縁フ
ィルムを設け、少なくとも上記静電吸着用電極近傍の有
機系絶縁フィルムの外径を上記静電吸着用電極の外径よ
り0.5mm以上大きくするとともに、上記接着層の気
孔率を10%以下としたことを特徴とする。
【0010】また、本発明は上記静電チャック部の静電
吸着用電極から導電性ベース部材までの距離を0.1m
m〜0.5mmとしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0012】図1は本発明のウエハ載置ステージの一例
を示す斜視図、図2は図1のX−X線断面図である。
【0013】このウエハ載置ステージ1は、セラミック
板状体2の一方の主面を、ウエハWを載せる載置面3と
し、他方の主面に一対の静電吸着用電極4を形成した静
電チャック部5と、静電チャック部5の載置面3と反対
側の表面に配置される導電性ベース部材6からなり、静
電チャック部5と導電性ベース部材6との間には、二層
の有機系絶縁フィルム8,9を介して接着にて接合して
ある。
【0014】具体的には、静電チャック部2の載置面3
と反対側の表面に、第一の接着層10を介して第一の有
機系絶縁フィルム8を接着し、この上に第二の接着層1
1を介して第二の有機系絶縁フィルム9を接着し、最後
に第三の接着層12を介して導電性ベース部材6を接着
してある。
【0015】静電チャック部2を形成するセラミック板
状体1としては、アルミナ質焼結体、窒化アルミニウム
質焼結体、窒化珪素質焼結体等のセラミック焼結体ある
いは単結晶アルミナを用いることができ、これらの中で
もアルミナ質焼結体を用いれば安価なウエハ載置ステー
ジ1を提供することができ、また、高熱伝導性の窒化ア
ルミニウム質焼結体を用いれば、静電チャック部5に吸
着保持したウエハWの温度分布をより均一にすることが
でき、各種加工精度を高めることができ好ましい。な
お、セラミック板状体2の一方の主面に形成する載置面
3は、ウエハWを吸着させた時に精度良く保持するた
め、平面度を20μm以下、表面粗さを算術平均粗さ
(Ra)で3μm以下に仕上げておくことが好ましい。
【0016】また、セラミック板状体2の他方の主面に
形成する静電吸着用電極4は、Ni、Ti、Ag、C
u、Au、Pt、Mo、Mn等の金属又はこれらの合金
あるいはTiN、TiC、WCよりなる厚みが0.1μ
m以上の導体層からなり、スパッタリング法、イオンプ
レーティング法、蒸着法、メッキ法、CVD法等の膜形
成手段により被着してある。なお、図1に示すように、
静電チャック部5が双極型である場合、一対の静電吸着
用電極4間の最小距離Tは0.5mm以上、好ましくは
1mm以上とすることが良く、このような距離Tを設け
ることにより、静電吸着用電極4間に印加できる電圧を
高くすることができ、より大きな吸着力を発生させるこ
とができるとともに、絶縁破壊の危険性を小さくするこ
とができる。
【0017】一方、導電性ベース部材6は、アルミニウ
ムや超鋼、あるいはこれらの金属とセラミック材料との
複合材からなり、静電吸着用電極4に接続されるリード
線13を取り出すための貫通孔7を有している。
【0018】また、静電チャック部5と導電性ベース部
材6との間には、ポリイミドフィルム、シリコーンフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる
二層以上の有機系絶縁フィルム8,9を配置してある。
その為、各有機系絶縁フィルム8,9に欠陥や傷があっ
たとしても二層以上配置するようにしてあることから、
静電チャック部5と導電性ベース部材6との間の絶縁性
を向上させることができる。なお、有機系絶縁フィルム
を三層以上配置しても良く、この場合より一層絶縁性を
高めることができる。
【0019】また、十分な絶縁性を得るためには、少な
くとも第一の有機系絶縁フィルム8の外径を、静電吸着
用電極4の外径より大きくする必要があり、好ましくは
0.5mm以上大きくすることが良い。
【0020】即ち、二層以上の有機系絶縁フィルム8,
9を用いたとしても第一の有機系絶縁フィルム8の外径
が静電チャック部2の静電吸着用電極5の外径より0.
5mm未満の範囲で大きいだけでは、電流の回り込みが
発生して絶縁破壊を起こす恐れがあるからである。
【0021】さらに、十分な絶縁性を得るためには、各
接着層10,11,12の構造も重要で、その気孔率を
10%以下とすることが必要である。
【0022】なぜなら、各接着層10,11,12の気
孔率が10%より大きいと、気孔を起点として亀裂が発
生し、繰り返しの使用によって亀裂が進展して各接着層
10,11,12の絶縁性が大きく損なわれ、その結
果、静電吸着用電極5と導電性ベース部材6との間の絶
縁性が低下するからである。なお、各接着層10,1
1,12を形成する材質としては、エポキシ系、シリコ
ーン系、ゴム系等の有機物系接着剤を用いれば良い。
【0023】ところで、有機系絶縁フィルム8,9の枚
数を多くすることで、静電吸着用電極5と導電性ベース
部材6との間の絶縁性を高めることができるものの、両
者間の距離Lが長くなって静電チャック部5の熱を導電
性ベース部材6へ逃がし難くなり、プラズマによって静
電チャック部5に吸着保持するウエハWに与えられた熱
がこもり、ウエハWを所定の温度に保てなくなる。
【0024】その為、静電吸着用電極5と導電性ベース
部材6との間の距離Lは0.1〜0.5mmとすること
が良く、この範囲内で配置することが可能な枚数の有機
系絶縁フィルムを配置すれば良い。
【0025】即ち、静電吸着用電極4と導電性ベース部
材6との間の距離Lを0.1〜0.5mmとするのは、
二層以上の有機系絶縁フィルム8,9を配置して距離L
を0.1mm未満とすることは製造上難しく、逆に距離
Lが0.5mmを超えると、静電チャック部5と導電性
ベース部材6が離れすぎるために両者間の熱伝達特性が
悪くなり、ウエハWを所定の温度に保つことが難しいか
らである。
【0026】その為、このような構成を有するウエハ載
置ステージ1を用い、静電チャック部5の載置面3にウ
エハWを載せ、一対の静電吸着用電極4間に直流電圧を
印加して静電吸着力を発生させることにより、ウエハW
を載置面3に強制的に吸着させることができ、ウエハW
を載置面3に倣って精度良く保持することができるとと
もに、静電チャック部5の載置面3の上方に配置する不
図示のプラズマ発生用電極と導電性ベース部材6との間
に、例えば13.56MHz、500Wの高周波電力を
印加すれば、プラズマ発生用電極と導電性ベース部材6
との間に均一なプラズマを発生させることができるとと
もに、プラズマによってウエハWに与えられた熱は静電
チャック部5より導電性ベース部材6へ逃がし、静電チ
ャック部5に吸着保持するウエハWを均一な温度分布の
基に所定の温度に保つことができる。そして、この状態
で成膜ガスやエッチングガスを供給することにより、静
電チャック部5に吸着保持したウエハWに対して精度良
い成膜加工やエッチング加工を施すことが可能となる。
【0027】ところで、このようなウエハ載置ステージ
1を製造するには、まず、静電チャック部5と導電性ベ
ース部材6とを用意し、例えば、静電チャック部5の載
置面3と反対側の表面に、静電吸着用電極4を覆うよう
に、エポキシ系、シリコーン系、ゴム系等の有機系接着
剤をスクリーン印刷等により塗布した後、ポリイミドフ
ィルム、シリコーンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム等からなる第一の有機系絶縁フィルム8を
貼り合わせる。この時、第一の有機系絶縁フィルム8の
外径は、静電吸着用電極4の外径より0.5mm以上大
きくなるようにする。
【0028】次に2.6kPa以下の減圧下で有機系接
着剤の脱泡処理を行うことによって硬化後の第一の接着
層10中に気泡が残るのを極力抑えた後、熱を加えて有
機系接着剤を硬化させることにより、気孔率を10%以
下とする。この時、静電吸着用電極4上に位置する第一
の有機系絶縁フィルム8の平面度は30μm以下となる
ようにすることが好ましい。
【0029】次いで、第一の有機系絶縁フィルム8上
に、エポキシ系、シリコーン系、ゴム系等の有機系接着
剤をスクリーン印刷等により塗布した後、ポリイミドフ
ィルム、シリコーンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム等からなる第二の有機系絶縁フィルム9を
貼り合わせ、2.6kPa以下の減圧下で有機系接着剤
の脱泡処理を行うことによって硬化後の第二の接着層1
1中に気泡が残るのを極力抑えた後、熱を加えて有機系
接着剤を硬化させることにより、気孔率を10%以下と
する。そして、この時、静電吸着用電極5上に位置する
第二の有機系絶縁フィルム9の平面度も30μm以下と
なるようにすることが好ましい。
【0030】最後に、エポキシ系、シリコーン系、ゴム
系等の有機系接着剤をスクリーン印刷等により塗布した
導電性ベース部材6を第二の有機系絶縁フィルム9に貼
り合わせ、2.6kPa以下の減圧下で有機系接着剤の
脱泡処理を行うことによって硬化後の第三の接着層12
中に気泡が残るのを極力抑えた後、熱を加えて有機系接
着剤を硬化させて気孔率を10%以下とすることにより
得ることができる。
【0031】このように、有機系接着剤を硬化させる前
に脱泡処理を施すことにより接着層10,11,12中
に残る気泡を少なくすることができ、2.6kPa以下
の減圧下で行うことで接着層10,11,12中の気孔
率を10%以下とし、絶縁性を高めることができる。
【0032】以上、本発明の実施形態について示した
が、本発明は前述した実施形態だけに限定されるもので
はなく、例えば、静電チャック部として双極型の例を示
したが、単極型の静電チャック部を用いることもでき、
本発明はその要旨を逸脱しない範囲で改良や変更したも
のにも適用することができることは言う迄もない。
【0033】
【実施例】ここで、静電チャック部と導電性ベース部材
との間に配置する有機系絶縁フィルムの枚数、静電吸着
用電極の近傍に配置する第一の有機系絶縁フィルムの大
きさ、接着層の気孔率をそれぞれ異ならせたウエハ載置
ステージを製作し、静電チャック部にシリコンウエハを
吸着させた状態で、導電性ベース部材に高周波電力を印
加してプラズマを発生させた時の静電吸着用電極と導電
性ベース部材との間の絶縁性について調べる実験を行っ
た。
【0034】具体的には、静電チャック部を形成するセ
ラミック板状体に、外径が200mm、厚みが2mmの
円盤状をした窒化アルミニウム焼結体を用い、一方の主
面に一対の半円状をしたNi導体層を円を構成するよう
にメッキ法にて形成して静電吸着用電極を形成した。
【0035】一方、導電性ベース部材はアルミウムによ
り形成するとともに、有機系絶縁フィルムには、膜厚が
25μmのポリイミドフィルムを用いた。
【0036】そして、静電チャック部と導電性ベース部
材との間に表1に示すような関係となるように、有機系
絶縁フィルムを配置し、エポキシ系の接着層により接合
して試料としてのウエハ載置ステージをそれぞれ20個
ずつ製作した。ただし、いずれも静電吸着用電極から導
電性ベース部材までの平均距離は0.3mmとなるよう
にした。
【0037】また、実験にあたっては、各ウエハ載置ス
テージをエッチング装置に搭載し、静電チャック部の載
置面に8インチのシリコンウエハを載せ、一対の静電吸
着用電極間に1kVの電圧を印加して静電吸着力を発生
させることにより載置面3にシリコンウエハを吸着させ
た状態で、導電性ベース部材と、静電チャック部の上方
に配置するプラズマ発生用電極との間に、周波数13.
56MHz、1000Wの高周波電力を5分間印加し、
これを100回繰り返した後、絶縁破壊したものが10
%以下であったものを良好として判断した。
【0038】なお、絶縁破壊の有無は、導電性ベース部
材への漏れ電流量を電流計によって測定し、その値が3
mA以上となった時を絶縁破壊したとして判断した。ま
た、絶縁破壊したものが10%以下であるものを良好と
する判断基準は、本実験の条件で10%以下の破壊確率
であれば、通常使用ではほとんど不良が発生しないこと
によるものである。
【0039】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0040】ただし、接着層中の気孔率は、接着層の断
面を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影し、画像解
析により気孔率を算出した。
【0041】
【表1】
【0042】この結果、一層の有機系絶縁性フィルムし
か持たない試料No.1は、十分な絶縁性を保つことが
できず、絶縁破壊したものが30%もあり、信頼性に問
題があった。
【0043】また、有機系絶縁フィルムを二層配置した
ものでも試料No.4のように、第一の有機系絶縁フィ
ルムの外径が静電吸着用電極の外径より0.3mm大き
い程度では、絶縁性が十分でなく絶縁破壊したものが5
0%もあり、信頼性に問題があった。
【0044】さらに、有機系絶縁フィルムを二層配置し
たものでも試料No.8のように、接着層の気孔率が1
5%と大きいものでは、十分な絶縁性を保つことができ
ず、絶縁破壊したものが25%もあり、信頼性に問題が
あった。
【0045】これに対し、試料No.2,3,5〜7,
9〜11のように、二層以上の有機系絶縁フィルムを備
えるとともに、第一の有機系絶縁フィルムの外径を静電
吸着用電極の外径より0.5mm以上大きくし、かつ接
着層中の気孔率を10%以下としたものは、いずれも絶
縁破壊したものが5%と少なく、信頼性の点で優れてい
た。
【0046】この結果、静電チャック部と導電性ベース
部材との間の絶縁性に優れたウエハ載置ステージを得る
には、両者間に二層以上の有機系絶縁フィルムを配置す
るとともに、第一の有機系絶縁フィルムの外径を静電吸
着用電極の外径より0.5mm以上大きくし、かつ接着
層中の気孔率を10%以下としたものを用いれば良いこ
とが判る。 (実施例2)次に、表1の試料No.2のウエハ載置ス
テージにおいて、有機系絶縁フィルムを二層配置すると
ともに、第一の有機系絶縁フィルムの外径を静電吸着用
電極の外径より1mm大きくし、かつ接着層中の気孔率
を3%に固定し、静電チャック部と導電性ベース部材の
距離を異ならせて実施例1と同様の試験を行うととも
に、さらに実際に各ウエハ載置ステージを用いてシリコ
ンウエハ上のPt層にエッチング加工を施した時の歩留
りを調べる実験を行った。
【0047】なお、エッチング加工の条件は、エチッチ
ング装置内にCl2:450sccm、O2:50scc
mを供給し、1Paの圧力下で、ウエハの温度を60℃
に保つようにして深さ1μmのエッチング加工を行い、
この深さが±0.1μm以内であるものを良品として判
断し、100個中良品であるものの割合を歩留りとして
算定した。ただし、一対の静電吸着用電極間には1kV
の電圧を印加して静電吸着力を発生させ、また、導電性
ベース部材とプラズマ発生用電極との間には、周波数1
3.56MHz、500W以上の高周波電力を印加して
プラズマを発生させるようにした。
【0048】それぞれの結果は表2に示す通りである。
【0049】
【表2】
【0050】この結果、いずれも絶縁破壊したものが5
%と少なく、信頼性の点で優れていたものの、静電チャ
ック部と導電性ベース部材との平均距離が0.5μmを
超えると、静電チャック部と導電性ベース部材との間の
熱伝達が悪くなり、歩留りが80%にまで大きく低下し
た。
【0051】この結果、静電チャック部と導電性ベース
部材との平均距離は0.1〜0.5μmの範囲で形成す
ることが良いことが判る。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック板状体の一方の主面を、ウエハを載せる載置面と
し、他方の主面に静電吸着用電極を有する静電チャック
部と、上記セラミック板状体の他方の主面側に接着層を
介して接合した導電性ベース部材とからなるウエハ載置
ステージにおいて、上記静電チャック部と導電性ベース
部材との間に、二層以上の有機系絶縁フィルムを設け、
少なくとも上記静電吸着用電極近傍の有機系絶縁フィル
ムの外径を上記静電吸着用電極の外径より0.5mm以
上大きくするとともに、上記接着層の気孔率を10%以
下としたことによって、有機系絶縁性フィルムに存在す
る欠陥や傷に左右されることなく、導電性ベース部材に
高周波電力を印加してプラズマを発生させたとしても、
静電吸着用電極との間の絶縁破壊の発生確率を大幅に低
下することができ、信頼性の高いものとすることができ
る。
【0053】また、上記静電チャック部の静電吸着用電
極から導電性ベース部材までの距離を0.1mm〜0.
5mmとすることにより、静電チャック部と導電性ベー
ス部材との間の熱伝達特性の劣化を防止することができ
るため、プラズマによって静電チャック部に吸着保持す
るウエハに与えられる熱を直ちに導電性ベース部材へ逃
がしてウエハの温度を所定温度に保つことができるた
め、成膜加工やエッチング加工等を施せばウエハに対す
る成膜精度やエッチング精度を高めることができ、結果
として歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ載置ステージの一例を示す斜視
図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】従来のウエハ載置ステージを示す斜視図であ
る。
【図4】従来のウエハ載置ステージの一例を示す断面図
である。
【図5】従来のウエハ載置ステージの他の例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・ウエハ載置ステージ 2・・・セラミック板状体 3・・・載置面 4・・・静電吸着用電極 5・・・静電チャック部 6・・・導電性ベース部材 7・・・貫通孔 8・・・第一の有機系絶縁フィルム 9・・・第二の有機系絶縁フィルム 10・・・第一の接着層 11・・・第二の接着層 12・・・第三の接着層 13・・・リード線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック板状体の一方の主面を、ウエハ
    を載せる載置面とし、他方の主面に静電吸着用電極を有
    する静電チャック部と、上記セラミック板状体の他方の
    主面側に接着層を介して接合した導電性ベース部材とか
    らなるウエハ載置ステージにおいて、上記静電チャック
    部と導電性ベース部材との間に、二層以上の有機系絶縁
    フィルムを設け、少なくとも上記静電吸着用電極近傍の
    有機系絶縁フィルムの外径を上記静電吸着用電極の外径
    より0.5mm以上大きくするとともに、上記接着層の
    気孔率を10%以下としたことを特徴とするウエハ載置
    ステージ。
  2. 【請求項2】上記静電チャック部の静電吸着用電極から
    導電性ベース部材までの距離を0.1mm〜0.5mm
    としたことを特徴とする請求項1に記載のウエハ載置ス
    テージ。
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