JP2003168355A - 電子放出体の製造方法、冷陰極電界電子放出素子の製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 - Google Patents

電子放出体の製造方法、冷陰極電界電子放出素子の製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

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JP2003168355A
JP2003168355A JP2001366097A JP2001366097A JP2003168355A JP 2003168355 A JP2003168355 A JP 2003168355A JP 2001366097 A JP2001366097 A JP 2001366097A JP 2001366097 A JP2001366097 A JP 2001366097A JP 2003168355 A JP2003168355 A JP 2003168355A
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貴郎 八木
Toshiki Shimamura
敏規 島村
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    • H01J2201/30469Carbon nanotubes (CNTs)

Abstract

(57)【要約】 【課題】先端部が配向された冷陰極電界電子放出素子の
製造方法を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(a)支持体10上に設けられたカソード電極11の所
望の領域上に、カーボン・ナノチューブ構造体20がマ
トリックス21によって埋め込まれた複合体層22を形
成する工程と、(b)複合体層22の表面に剥離層24
を付着させた後、剥離層24を機械的に引き剥がし、先
端部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ構造体2
0がマトリックス21中に埋め込まれた電子放出部15
を得る工程から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出体その製
造方法、冷陰極電界電子放出素子の製造方法、並びに、
冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カーボン・ナノチューブと呼ばれ
る、カーボングラファイトシートが巻かれたチューブ構
造を有するカーボン結晶体や、カーボン・ナノファイバ
ーが発見された。カーボン・ナノチューブの直径は1n
m〜200nm程度であり、1層のカーボングラファイ
トシートが巻かれた構造を有する単層カーボン・ナノチ
ューブと、2層以上のカーボングラファイトシートが巻
かれた構造を有する多層カーボン・ナノチューブが知ら
れている。このようなナノサイズでチューブ構造を有す
る結晶体は、他に類を見ず、特異な物質として位置付け
られている。更に、カーボン・ナノチューブは、カーボ
ングラファイトシートの巻かれ方に依存して、半導体に
も導体にもなり得る性質を持ち、これらの特異な性質か
ら電子・電気デバイスへの応用が期待されている。
【0003】真空中に置かれた金属や半導体等に或る閾
値以上の強さの電界を与えると、金属や半導体の表面近
傍のエネルギー障壁を電子が量子トンネル効果によって
通過し、常温でも真空中に電子が放出されるようにな
る。かかる原理に基づく電子放出は、冷陰極電界電子放
出、あるいは単に電界放出(フィールド・エミッショ
ン)と呼ばれる。近年、この電界放出の原理を適用した
冷陰極電界電子放出素子を画像表示に応用した平面型の
冷陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールド・エミッ
ション・ディスプレイ(FED)が提案されており、高
輝度、低消費電力等の長所を有することから、従来の陰
極線管(CRT)に代わる画像表示装置として期待され
ている。
【0004】このような冷陰極電界電子放出素子(以
下、電界放出素子と略称する場合がある)を冷陰極電界
電子放出表示装置(以下、単に、表示装置と呼ぶ場合が
ある)に適用する場合、放出電流値として1〜10mA
/cm2が要求され、マイクロ波増幅器に適用する場
合、放出電流値として100mA/cm2以上が要求さ
れる。また、長時間(例えば10万時間以上)に亙って
安定して電子を放出し得ることが要求される一方、短時
間(ミリ秒程度)における電子放出の安定性(即ち、ノ
イズが少ないこと)も要求される。これらの要求を満足
するためには、電界放出素子の電子放出部を構成する材
料が化学的に安定であること、低い電圧での電子放出が
可能なこと(即ち、閾値電圧が低いこと)、温度に対す
る電子放出特性の変動が少ないこと等が要求されるほ
か、電子放出部近傍を高真空に保持すること、電子放出
部近傍にガスを放出する物質が存在しないことも要求さ
れる。
【0005】このような電界放出素子あるいは表示装置
は、カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバ
ー(以下、これらを総称して、カーボン・ナノチューブ
構造体と呼ぶ)の応用が最も期待される分野の1つであ
る。即ち、カーボン・ナノチューブ構造体は、結晶性が
非常に高いが故に、化学的、物理的、熱的に安定した材
料である。そして、カーボン・ナノチューブ構造体は、
非常に高いアスペクト比を有し、先端部に電界集中させ
易く、高融点金属に比べて閾値電界が低く、しかも、電
子放出効率が高く、表示装置に備えられた電界放出素子
の電子放出部を構成する要素として優れた材料である。
また、トランジスタのアクティブマトリックスもカーボ
ン・ナノチューブ構造体の応用が期待される分野の1つ
である。即ち、カーボン・ナノチューブ構造体を、トラ
ンジスタにおける電子の通り道であるアクティブマトリ
ックスに応用することで、より小型で低消費電力のトラ
ンジスタが得られるとされている。
【0006】現在、カーボン・ナノチューブ構造体は、
化学的気相成長法(CVD法)により製造され、あるい
は又、アーク放電法やレーザアブレーション法等の物理
的気相成長法(PVD法)により製造されている。
【0007】カーボン・ナノチューブ構造体から構成さ
れた電界放出素子は、従来、(1)支持体上にカソード
電極を形成する工程、(2)全面に絶縁層を形成する工
程、(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)少なくとも絶縁層に開口部を形成し、この開口部
の底部にカソード電極を露出させる工程、(5)この露
出したカソード電極上に、カーボン・ナノチューブ構造
体から成る電子放出部を形成する工程、を経て製造され
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】通常、上記の工程
(4)において設けられた開口部の直径は10-6mオー
ダーである。それ故、上記の工程(5)において、開口
部の底部に露出したカソード電極上にプラズマCVD法
によってカーボン・ナノチューブ構造体を均一に形成す
ることは、表示装置が大面積になると大きな困難を伴う
し、既に形成されているゲート電極、開口部、カソード
電極等の電界放出素子構成要素に損傷が発生する場合も
ある。また、プラズマCVD法にてカーボン・ナノチュ
ーブ構造体を形成する際、安価なガラス基板を使用する
と、形成温度を非常に低温(500゜C以下)にする必
要があるが、このような形成温度ではカーボン・ナノチ
ューブ構造体の結晶性の劣化が生じる。一方、形成温度
を高温に保とうとすると、基板としてセラミックス等の
高温に耐え得る基板を使用しなければならず、コスト増
となる。更には、形成中に絶縁層からの脱離ガスによる
影響で、カーボン・ナノチューブ構造体の成長が阻害さ
れるといった問題もある。
【0009】このような問題を回避するために、上記の
工程(1)に引き続き、カソード電極上にカーボン・ナ
ノチューブ構造体から成る電子放出部を形成する方法も
ある。ところで、特性の優れたカーボン・ナノチューブ
構造体をプラズマCVD法にて形成しようとすると、支
持体加熱温度を500゜Cを越える非常に高い温度とし
なければならず、安価なガラス基板を使用できないとい
う問題がある。一方、500゜C以下の支持体加熱温度
とすることによって安価なガラス基板の使用を試みた場
合、形成されたカーボン・ナノチューブ構造体の機械的
強度が低い。その結果、上記の工程(4)において、少
なくとも絶縁層に開口部を形成し、開口部の底部に電子
放出部を露出させたとき、開口部の形成に起因して電子
放出部を構成するカーボン・ナノチューブ構造体に損傷
が発生する虞がある。
【0010】上記の工程(5)において、カーボン・ナ
ノチューブ構造体を有機系バインダー材料あるいは無機
系バインダー材料(例えば、水ガラス)と共に溶媒中に
分散させておき、かかる分散液を全面にスピンコーティ
ング法等によって塗布し、溶媒を除去し、バインダー材
料を焼成、硬化する方法も提案されている。ところで、
このような方法では、開口部内のカーボン・ナノチュー
ブ構造体によるカソード電極とゲート電極との短絡を防
止するために、開口部の径を大きくし、更には、絶縁層
の厚さを厚くする必要がある。しかしながら、このよう
な対策を採用した場合、カーボン・ナノチューブ構造体
の近傍において高い電界強度を形成することが困難とな
り、カーボン・ナノチューブ構造体からの電子放出効率
の低下を招くといった問題がある。
【0011】上記の工程(1)に引き続き、カーボン・
ナノチューブ構造体を有機系あるいは無機系バインダー
材料と共に溶媒中に分散させておき、かかる分散液を全
面にスピンコーティング法等によって塗布し、溶媒を除
去し、バインダー材料を焼成、硬化する方法も考えられ
る。しかしながら、このような方法では、カーボン・ナ
ノチューブ構造体がバインダー材料に埋め込まれてしま
うため、カーボン・ナノチューブ構造体からの電子放出
効率の低下を招くといった問題がある。
【0012】また、化学的に安定したSiO2等の酸化
物材料をバインダー材料として使用することも可能では
あるが、絶縁材料であるが故にカソード電極と電子放出
部との間に電子の移動経路を形成し難く、電子放出部か
らの電子放出のためには、何らかの手段をもってカソー
ド電極と電子放出部との間に電子の移動経路を確立しな
ければならない。
【0013】更には、カーボン・ナノチューブ構造体の
先端部を支持体の法線方向に近づく方向に出来る限り配
向させることが好ましい。このような状態を達成するこ
とによって、電子放出部の電子放出特性の向上、電子放
出特性の均一化を図ることができる。ところで、現状で
は、カーボン・ナノチューブ構造体の先端部のこのよう
な配向を達成するための方法として、例えば、磁性材料
(例えば、鉄やコバルト、ニッケル)を内包したカーボ
ン・ナノチューブ構造体、あるいは又、表面に磁性材料
層が形成されたカーボン・ナノチューブ構造体を製造
し、係るカーボン・ナノチューブ構造体から電子放出部
を製造する際、磁界中にカーボン・ナノチューブ構造体
を置く方法が提案されている。しかしながら、このよう
な方法は煩雑な方法であるし、磁界を形成するための装
置が必要とされるし、均一な磁界を形成しなければなら
ないといった問題もある。
【0014】以上に説明した問題点、各種の要求を纏め
ると以下のとおりとなる。
【0015】 表示装置の大面積化に対する対応 ゲート電極、開口部、カソード電極、電子放出部等
の電界放出素子構成要素への損傷発生の防止 電界放出素子製造プロセス温度の低温化 カーボン・ナノチューブ構造体からの電子放出効率
の低下の抑制 下地(例えば、カソード電極)へのカーボン・ナノ
チューブ構造体の固定方法 カーボン・ナノチューブ構造体の先端部の配向
【0016】従って、本発明の目的は、上記〜の問
題点や要求を解消、対処することができ、更には、電子
放出部あるいは電子放出体を構成するカーボン・ナノチ
ューブ構造体に損傷が発生し難い構造を有し、しかも、
電子放出効率の高い電子放出体を製造する方法、冷陰極
電界電子放出素子の製造方法、並びに、冷陰極電界電子
放出表示装置の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の電子放出体の製造方法は、(a)基体上
に、カーボン・ナノチューブ構造体がマトリックス(母
材あるいは地材とも呼ばれる)によって埋め込まれた複
合体層を形成する工程と、(b)複合体層の表面に剥離
層を付着させた後、剥離層を機械的に引き剥がし、先端
部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ構造体がマ
トリックス中に埋め込まれた電子放出体を得る工程、か
ら成ることを特徴とする。
【0018】本発明の電子放出体の製造方法によって、
冷陰極電界電子放出素子の電子放出部や、陰極線管に組
み込まれる電子銃における電子線源に例示される各種電
子線源、蛍光表示管を得ることができる。
【0019】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(A)支持体上に形成されたカソード電極、及び、
(B)カソード電極上に形成された電子放出部、から成
る冷陰極電界電子放出素子の製造方法であって、(a)
支持体上に設けられたカソード電極の所望の領域上に、
カーボン・ナノチューブ構造体がマトリックスによって
埋め込まれた複合体層を形成する工程と、(b)複合体
層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層を機械的に引
き剥がし、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチュ
ーブ構造体がマトリックス中に埋め込まれた電子放出部
を得る工程、から成ることを特徴とする。
【0020】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極、(B)支持
体及びカソード電極の上に形成された絶縁層、(C)絶
縁層上に形成されたゲート電極、(D)ゲート電極及び
絶縁層に形成された開口部、及び、(E)開口部の底部
に露出した電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子の製造方法であって、(a)支持体上に設けられたカ
ソード電極の所望の領域上に、カーボン・ナノチューブ
構造体がマトリックスによって埋め込まれた複合体層を
形成する工程と、(b)全面に絶縁層を形成する工程
と、(c)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、
(d)少なくとも絶縁層に開口部を形成し、該開口部の
底部に前記複合体層を露出させる工程と、(e)複合体
層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層を機械的に引
き剥がし、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチュ
ーブ構造体がマトリックス中に埋め込まれた電子放出部
を得る工程、から成ることを特徴とする。
【0021】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
は、冷陰極電界電子放出素子が複数設けられたカソード
パネル、及び、蛍光体層とアノード電極とを備えたアノ
ードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る、所謂
2電極型の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であ
って、冷陰極電界電子放出素子は、(A)支持体上に形
成されたカソード電極、及び、(B)カソード電極上に
形成された電子放出部、から成り、冷陰極電界電子放出
素子を、(a)支持体上に設けられたカソード電極の所
望の領域上に、カーボン・ナノチューブ構造体がマトリ
ックスによって埋め込まれた複合体層を形成する工程
と、(b)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥
離層を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカ
ーボン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込
まれた電子放出部を得る工程、によって形成することを
特徴とする。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
は、冷陰極電界電子放出素子が複数設けられたカソード
パネル、及び、蛍光体層とアノード電極とを備えたアノ
ードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る、所謂
3電極型の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であ
って、冷陰極電界電子放出素子は、(A)支持体上に設
けられたカソード電極、(B)支持体及びカソード電極
の上に形成された絶縁層、(C)絶縁層上に形成された
ゲート電極、(D)ゲート電極及び絶縁層に形成された
開口部、及び、(E)開口部の底部に露出した電子放出
部、から成り、冷陰極電界電子放出素子を、(a)支持
体上に設けられたカソード電極の所望の領域上に、カー
ボン・ナノチューブ構造体がマトリックスによって埋め
込まれた複合体層を形成する工程と、(b)全面に絶縁
層を形成する工程と、(c)絶縁層上にゲート電極を形
成する工程と、(d)少なくとも絶縁層に開口部を形成
し、該開口部の底部に前記複合体層を露出させる工程
と、(e)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥
離層を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカ
ーボン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込
まれた電子放出部を得る工程、によって形成することを
特徴とする。
【0023】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法あるいは本発明の第2の態様に係る
冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法においては、カ
ソード電極の所望の領域上に複合体層を形成した後、複
合体層上にバッファ層を形成してもよい。バッファ層を
形成することによって、少なくとも絶縁層に開口部を形
成したとき、開口部の形成完了を確実に検知することが
可能となる。尚、バッファ層を構成する材料は、絶縁層
を構成する材料に対してエッチング選択比を有する材料
から適宜選択すればよく、導電材料であっても絶縁材料
であってもよい。
【0024】また、本発明の第2の態様に係る冷陰極電
界電子放出素子の製造方法、あるいは、本発明の第2の
態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法にあ
っては、支持体上に設けられたカソード電極の所望の領
域上に複合体層を形成するが、この場合、開口部の底部
に相当するカソード電極の部分に複合体層を形成しても
よいし、ストライプ状のカソード電極の射影像とストラ
イプ状のゲート電極の射影像が重複する領域(電子放出
領域と呼ぶ)を占めるカソード電極の部分に複合体層を
形成してもよいし、あるいは又、ストライプ状のカソー
ド電極全体に複合体層を形成してもよい。更には、複合
体層が電気的に絶縁物である場合には、カソード電極及
び支持体の上に複合体層を形成してもよい。尚、開口部
の底部に相当するカソード電極の部分にのみ複合体層を
形成すれば、カーボン・ナノチューブ構造体が隣接する
開口部を跨って配置されることがなくなり、リークの発
生を確実に防止することができる。
【0025】本発明の電子放出体の製造方法、本発明の
第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放
出素子の製造方法、あるいは又、本発明の第1の態様若
しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法(以下、これらを、総称して、単に、本発明と
呼ぶ)において、剥離層の機械的な引き剥がしは、引き
剥がし力(F)が基体の法線方向の成分(Fv)を有し
た状態にて行うことが好ましい。尚、引き剥がし力
(F)の内の法線方向の成分(Fv)の割合は、引き剥
がし力(F)の値の0%を越えていればよく、概ね10
0%(即ち、所謂90度ピール)とすることもできる。
引き剥がし力(F)を加える方法は、人力によってもよ
いし、機械を用いてもよい。
【0026】本発明にあっては、剥離層は、感圧型の粘
着層あるいは感圧型の接着層と、該粘着層あるいは接着
層を保持する保持フィルム(担持フィルム)から成り、
複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、剥離層を
構成する粘着層あるいは接着層を複合体層の表面に圧着
する方法から成る構成とすることができる。圧着する方
法として、具体的には、粘着層あるいは接着層と複合体
層の表面とを接触させた状態で、保持フィルムに圧力を
加えればよい。圧力を加える方法として、例えば、接触
面に弾力性を有するローラを用いる方法を挙げることが
できる。剥離層を機械的に引き剥がした後に、粘着層あ
るいは接着層の一部分が複合体層の表面に残る場合、粘
着層あるいは接着層を溶解する有機溶剤にて粘着層ある
いは接着層の一部分を除去すればよい。接着層を構成す
る樹脂に依っては、例えば、熱を加え、あるいは紫外線
を照射することによって、複合体層の表面に対する接着
層の接着力が大幅に低下する種類の樹脂がある。このよ
うな樹脂を用いた場合、熱を加え、あるいは紫外線を照
射した後、水洗等によって複合体層の表面に残された接
着層の一部分を容易に除去できる。保持フィルムとし
て、ポリオレフィン、PVC、PETから成るフィルム
基材を例示することができる。剥離層全体の厚さは、適
宜決定すればよい。
【0027】あるいは又、本発明にあっては、剥離層
は、接着層と、該接着層を保持する保持フィルム(担持
フィルム)から成り、複合体層の表面に剥離層を付着さ
せる方法は、複合体層の表面に剥離層に接着層を形成し
た後、剥離層上に保持フィルムを載置し、次いで、接着
層を複合体層の表面及び保持フィルムに接着させる構成
とすることができる。この場合、接着層は、例えば、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、感圧型
樹脂から構成することができる。尚、接着層を形成する
方法として、接着層を複合体層の表面に塗布する方法を
挙げることができる。具体的な塗布方法は、スピンコー
ティング法、スプレー法、ディッピング法、ダイクォー
ター法、スクリーン印刷法等、使用する接着層を構成す
る材料に適した塗布方法とすればよい。剥離層を機械的
に引き剥がした後に、接着層の一部分が複合体層の表面
に残る場合、接着層を溶解する有機溶剤にて接着層の一
部分を除去すればよい。接着層を構成する樹脂に依って
は、例えば、熱を加え、あるいは紫外線を照射すること
によって、複合体層の表面に対する接着層の接着力が大
幅に低下する種類の樹脂がある。このような樹脂を用い
た場合、熱を加え、あるいは紫外線を照射した後、水洗
等によって複合体層の表面に残された接着層の一部分を
容易に除去できる。保持フィルムとして、ポリオレフィ
ン、PVC、PETから成るフィルム基材を例示するこ
とができる。剥離層全体の厚さは、適宜決定すればよ
い。
【0028】各種の好ましい形態を含む本発明にあって
は、前記工程(a)、即ち、基体上あるいはカソード電
極の所望の領域上に、カーボン・ナノチューブ構造体が
マトリックスによって埋め込まれた複合体層を形成する
具体的な方法として、以下の方法を挙げることができ
る。
【0029】[第1の方法]カーボン・ナノチューブ構
造体を有機溶媒中に分散させたものをカソード電極ある
いは基体の所望の領域上に塗布し、有機溶媒を除去した
後、カーボン・ナノチューブ構造体をダイヤモンド状ア
モルファスカーボンで被覆する方法(より具体的には、
カーボン・ナノチューブ構造体をトルエンやアルコール
等の有機溶媒中に分散させておき、かかる有機溶媒を基
体上あるいはカソード電極の所望の領域上にスピンコー
ティング法によって、あるいは又、ナノスプレー法やア
トミックスプレー法等の各種スプレー法によって塗布
し、有機溶媒を除去した後、カーボン・ナノチューブ構
造体をダイヤモンド状アモルファスカーボン[DLC]
で被覆する方法)。
【0030】[第2の方法]カーボン・ナノチューブ構
造体をプラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD
法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法に
てカソード電極あるいは基体の所望の領域上に形成した
後、カーボン・ナノチューブ構造体をダイヤモンド状ア
モルファスカーボンで被覆する方法。
【0031】[第3の方法]バインダー材料にカーボン
・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソード電極
あるいは基体の所望の領域に例えば塗布した後、バイン
ダー材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的に
は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機系バインダー
材料や水ガラス等の無機系バインダー材料にカーボン・
ナノチューブ構造体を分散したものを、基体上あるいは
カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の
除去、バインダー材料の焼成・硬化を行う方法)。尚、
塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することがで
きる。また、有機系バインダー材料を用いる場合、場合
によっては、電子放出体や冷陰極電界電子放出素子の製
造工程において、有機系バインダー材料からガスが発生
することを防止するため、焼成により有機系バインダー
材料の一部あるいは全てを除去してもよい。また、水ガ
ラス等の無機系バインダー材料を用いる場合、場合によ
っては、電子放出体や冷陰極電界電子放出素子の製造工
程において、無機系バインダー材料からガスが発生する
ことを防止するため、エッチングにより無機系バインダ
ー材料の一部あるいは全てを除去してもよい。
【0032】[第4の方法]カーボン・ナノチューブ構
造体が分散された金属化合物溶液を基体若しくはカソー
ド電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する方法。こ
れによって、金属化合物を構成する金属原子を含むマト
リックスにてカーボン・ナノチューブ構造体が基体若し
くはカソード電極表面に固定される。
【0033】第1の方法、第3の方法、第4の方法にあ
っては、場合によっては、例えば平均粒径10nm乃至
1μmのシリカ、例えば平均粒径5nm乃至3μmのニ
ッケル、銀に例示される紛状物質あるいは粒状物質を、
カーボン・ナノチューブ構造体を分散させた有機溶媒、
バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散
させたもの、金属化合物溶液に添加してもよく、これに
よって、カーボン・ナノチューブ構造体が紛状物質ある
いは粒状物質に寄りかかるようにして基体あるいはカソ
ード電極に対して角度を持って基体あるいはカソード電
極上に配置される。尚、シリカと銀といった異なる紛状
物質あるいは粒状物質を混合して用いてもよい。また、
マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、カ
ーボン・ナノチューブ構造体を分散させた有機溶媒、バ
インダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散さ
せたもの、金属化合物溶液に、カーボンブラック等の添
加物を添加してもよい。
【0034】本発明におけるカーボン・ナノチューブ構
造体を、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・
ナノファイバーから構成することができる。より具体的
には、カーボン・ナノチューブから電子放出体あるいは
電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノファイ
バーから電子放出体あるいは電子放出部を構成してもよ
いし、カーボン・ナノチューブとカーボン・ナノファイ
バーの混合物から電子放出体あるいは電子放出部を構成
してもよい。
【0035】上記第1の方法、第3の方法あるいは第4
の方法において、カーボン・ナノチューブやカーボン・
ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であることが好
ましい。また、上記第2の方法において、カーボン・ナ
ノチューブやカーボン・ナノファイバーは、巨視的に
は、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよい
し、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は
円錐状の形状を有していてもよい。上記第1の方法、第
3の方法あるいは第4の方法において使用するカーボン
・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーの製造方法
として、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法
といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD
法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種
のCVD法を挙げることができる。
【0036】カーボン・ナノチューブとカーボン・ナノ
ファイバーとの相違は、これらの結晶性にある。sp2
結合を有する炭素原子は、通常、6個の炭素原子から六
員環を構成し、これらの六員環の集まりがカーボングラ
ファイトシートを構成する。このカーボングラファイト
シートが巻かれたチューブ構造を有するものがカーボン
・ナノチューブである。尚、1層のカーボングラファイ
トシートが巻かれた構造を有する単層カーボン・ナノチ
ューブであってもよいし、2層以上のカーボングラファ
イトシートが巻かれた構造を有する多層カーボン・ナノ
チューブであってもよい。一方、カーボングラファイト
シートが巻かれておらず、カーボングラファイトのフラ
グメントが重なってファイバー状になったものが、カー
ボン・ナノファイバーである。カーボン・ナノチューブ
あるいはカーボン・ナノファイバーとカーボン・ウィス
カーとの違いは明確ではないが、一般に、カーボン・ナ
ノチューブあるいはカーボン・ナノファイバーの直径は
1μm以下、例えば、1nm〜300nm程度である。
【0037】上記第2の方法においては、カーボン・ナ
ノチューブあるいはカーボン・ナノファイバーをプラズ
マCVD法にて基体あるいはカソード電極上に形成する
が、この場合、プラズマCVD法における原料ガスとし
て、炭化水素系ガス、あるいは、炭化水素系ガスと水素
ガスの組合せを用いることが好ましい。ここで、炭化水
素系ガスとして、メタン(CH4)、エタン(C
26)、プロパン(C38)、ブタン(C410)、エ
チレン(C24)、アセチレン(C22)等の炭化水素
系ガスやこれらの混合ガス、メタノール、エタノール、
アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン
等を気化したガスを挙げることができる。また、放電を
安定にさせるため及びプラズマ解離を促進するために、
ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の希釈用ガスを
混合してもよいし、窒素、アンモニア等のドーピングガ
スを混合してもよい。
【0038】そして、上記第2の方法においてプラズマ
CVD法によってカーボン・ナノチューブを形成する場
合、支持体にバイアス電圧を印加した状態で、プラズマ
密度を1×1012/cm3以上、好ましくは1×1014
/cm3以上の条件のプラズマCVD法にてカーボン・
ナノチューブを形成することが好ましい。あるいは又、
支持体にバイアス電圧を印加した状態で、電子温度を1
eV乃至15eV、好ましくは5eV乃至15eVと
し、イオン電流密度を0.1mA/cm2乃至30mA
/cm2、好ましくは5mA/cm2乃至30mA/cm
2の条件のプラズマCVD法にてカーボン・ナノチュー
ブを形成することが好ましい。プラズマCVD法とし
て、具体的には、ヘリコン波プラズマCVD法、誘導結
合型プラズマCVD法、電子サイクロトロン共鳴プラズ
マCVD法、容量結合型プラズマCVD法、平行平板型
CVD装置を用いたCVD法を例示することができる。
【0039】尚、上記第2の方法において、プラズマC
VD法にてカーボン・ナノチューブあるいはカーボン・
ナノファイバーを形成する場合、基体、あるいは、冷陰
極電界電子放出素子におけるカソード電極の上に、ニッ
ケル(Ni)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、
クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、鉄
(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)、
カドミウム(Cd)、ゲルマニウム(Ge)、錫(S
n)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、金
(Au)、インジウム(In)及びタリウム(Tl)か
ら成る群から選択された少なくとも1種類の金属、ある
いは、これらの元素を含む合金、有機金属から成る選択
成長領域を形成することが好ましい。更には、上記に挙
げた金属以外でも、電子放出体や電子放出部を形成(合
成)するときの雰囲気中で触媒作用を有する金属を用い
ることができる。場合によっては、これらの材料から適
切な材料を選択し、基体、あるいは、冷陰極電界電子放
出素子におけるカソード電極をかかる材料から構成する
こともできる。
【0040】選択成長領域を金属薄膜から構成すること
ができる。金属薄膜の形成方法として、物理的気相成長
法や、メッキ法(電気メッキ法及び無電解メッキ法を含
む)、化学的気相成長法を挙げることができる。物理的
気相成長法として、電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、
フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法、プラズマ蒸着
法、2極スパッタリング法、直流スパッタリング法、
直流マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリ
ング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビーム
スパッタリング法、バイアススパッタリング法等の各種
スパッタリング法、DC(direct current)法、RF
法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオ
ンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法等
の各種イオンプレーティング法、を挙げることができ
る。
【0041】あるいは又、選択成長領域を形成する方法
として、例えば、選択成長領域を形成すべきカソード電
極あるいは基体の領域以外の領域を適切な材料(例え
ば、マスク層)で被覆した状態で、溶媒と金属粒子から
成る層を選択成長領域を形成すべきカソード電極あるい
は基体の部分の表面に形成した後、溶媒を除去し、金属
粒子を残す方法を挙げることができる。あるいは又、選
択成長領域を形成する方法として、例えば、選択成長領
域を形成すべきカソード電極あるいは基体の領域以外の
領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態
で、金属粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子
をカソード電極あるいは基体の表面に付着させた後、金
属化合物粒子を加熱することによって分解し、以て、選
択成長領域(一種の金属粒子の集まりである)をカソー
ド電極あるいは基体に形成する方法を挙げることができ
る。この場合、具体的には、溶媒と金属化合物粒子から
成る層を選択成長領域を形成すべきカソード電極あるい
は基体の部分の表面に形成した後、溶媒を除去し、金属
化合物粒子を残す方法を例示することができる。金属化
合物粒子は、選択成長領域を構成する金属のハロゲン化
物(例えば、ヨウ化物、塩化物、臭化物等)、酸化物、
水酸化物及び有機金属から成る群から選択された少なく
とも1種類の材料から成ることが好ましい。尚、これら
の方法においては、適切な段階で、選択成長領域を形成
すべきカソード電極あるいは基体の領域以外の領域を被
覆した材料(例えば、マスク層)を除去する。
【0042】あるいは又、選択成長領域を有機金属化合
物薄膜から構成することもできる。この場合、有機金属
化合物薄膜は、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、アルミニウ
ム(Al)、鉛(Pb)、ニッケル(Ni)及びコバル
ト(Co)から成る群から選択された少なくとも1種の
元素を含有して成る有機金属化合物から構成されている
形態とすることができ、更には、錯化合物から構成され
ていることが好ましい。ここで、錯化合物を構成する配
位子として、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチ
ルアセトン、ジピバロイルメタネート、シクロペンタジ
エニルを例示することができる。尚、形成された有機金
属化合物薄膜には、有機金属化合物の分解物が一部含ま
れていてもよい。有機金属化合物薄膜から成る選択成長
領域を形成する工程は、有機金属化合物溶液から成る層
を選択成長領域を形成すべきカソード電極あるいは基体
の部分の上に成膜する工程から構成することができ、あ
るいは又、有機金属化合物を昇華させた後、かかる有機
金属化合物を選択成長領域を形成すべきカソード電極あ
るいは基体の部分の上に堆積させる工程から構成するこ
とができる。
【0043】本発明にあっては、マトリックスとして、
エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機系バインダー材料
や、水ガラス等の無機系バインダー材料を用いることも
できるが[上記第3の方法]、ダイヤモンド状アモルフ
ァスカーボン(DLC)を用いる[上記第1の方法ある
いは第2の方法]ことが好ましい。
【0044】ダイヤモンド状アモルファスカーボンの形
成方法として、CVD法だけでなく、カソディアックカ
ーボン法(例えば、文献 "Properties of filtered-ion
-beam-deposited diamondlike carbon as a function o
f ion energy", P. J. Fallon, et al., Phys. Rev. B
48 (1993), pp 4777-4782 参照)、レーザアブレーショ
ン法、スパッタリング法といった各種のPVD法を挙げ
ることができる。ダイヤモンド状アモルファスカーボン
には、水素が含有されていてもよいし、窒素やボロン、
リン等がドーピングされていてもよい。ここで、ダイヤ
モンド状アモルファスカーボンは、波長514.5nm
のレーザ光を用いたラマン・スペクトルにおいて、波数
1400乃至1630cm-1の範囲で半値幅50cm-1
以上のピークを有することが好ましい。尚、ピークが1
480cm-1より高波数側に存在する場合、波数133
0乃至1400cm-1にもう1つピークが存在する場合
もある。ダイヤモンド状アモルファスカーボンには、一
般のダイヤモンドと同じ結合であるsp3を多く有する
(具体的には、例えば20〜90%有する)非晶質炭素
だけでなく、クラスターカーボンも包含される。尚、ク
ラスターカーボンに関しては、例えば、"Generation an
d deposition of fullerene- and nanotube-rich carbo
n thin films", M. Chhowalla, et al., Phil. Mag. Le
tts, 75 (1997), pp 329-335 を参照されたい。
【0045】上記第4の方法において、マトリックス
は、導電性を有する金属酸化物から成ることが好まし
く、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化イ
ンジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化
アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、
各カーボン・ナノチューブ構造体の一部分がマトリック
スに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カ
ーボン・ナノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋
め込まれている状態を得ることもできる。また、マトリ
ックスの体積抵抗率は、1×10-9Ω・m乃至5×10
-6Ω・mであることが望ましい。
【0046】上記第4の方法において、金属化合物溶液
を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合
物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化
物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。有機酸金
属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化
合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例
えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有
機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピル
アルコール)で希釈したものを挙げることができる。ま
た、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機イ
ンジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合
物を有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプ
ロピルアルコール)に溶解したものを例示することがで
きる。溶液を100重量部としたとき、カーボン・ナノ
チューブ構造体が0.001〜20重量部、金属化合物
が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ま
しい。溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていても
よい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった
観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック
等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、
有機溶媒の代わりに水を溶媒として用いることもでき
る。
【0047】上記第4の方法において、カーボン・ナノ
チューブ構造体が分散された金属化合物溶液を基体ある
いはカソード電極上に塗布する方法として、スプレー
法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォ
ーター法、スクリーン印刷法を例示することができる
が、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性と
いった観点から好ましい。
【0048】上記第4の方法においては、カーボン・ナ
ノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液を基体若
しくはカソード電極上に塗布した後、金属化合物溶液を
乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、基体上の金
属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成
してもよいし、金属化合物を焼成した後、基体若しくは
カソード電極上の電子放出体の不要部分を除去してもよ
いし、基体若しくはカソード電極の所望の領域上にのみ
金属化合物溶液を塗布してもよい。
【0049】また、上記第4の方法において、金属化合
物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を
有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機
金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化
合物や有機酸金属化合物を構成する金属原子を含むマト
リックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成
できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とす
ることが好ましい。焼成温度の上限は、電子放出体や冷
陰極電界電子放出素子あるいはカソードパネルの構成要
素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0050】上記第4の方法にあっては、前記工程
(a)において、カーボン・ナノチューブ構造体が分散
された金属化合物溶液の基体若しくはカソード電極上へ
の塗布中に、若しくは塗布した後、基体若しくは支持体
を加熱することが好ましい。このようにすることで、基
体あるいはカソード電極の表面に対してカーボン・ナノ
チューブ構造体が水平に近づく方向にセルフレベリング
する前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノ
チューブ構造体が水平にはならない状態で基体あるいは
カソード電極の表面にカーボン・ナノチューブ構造体を
配置することができる。即ち、カーボン・ナノチューブ
構造体が、基体あるいは支持体の法線方向に近づく方向
に配向する確率が高くなる。尚、基体あるいは支持体の
加熱温度は、40〜250゜Cとすることが望ましく、
より具体的には、金属化合物溶液に含まれる溶媒の沸点
以上の温度とすることが望ましい。
【0051】本発明にあっては、複合体層の表面に剥離
層を付着させる前に、マトリックスの表層部を除去して
もよい。但し、このような工程は必須ではない。即ち、
剥離層を機械的に引き剥がしたとき、マトリックスの表
層部(最表面)が併せて剥離し、先端部が突出した状態
でカーボン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋
め込まれた電子放出体あるいは電子放出部を形成するこ
とも可能である。また、形成の条件によっては、複合体
層の形成時、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチ
ューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれた電子放出
体あるいは電子放出部を得ることもできる。マトリック
スの表層部の除去は、マトリックスを構成する材料に依
存して、ウェットエッチング法あるいはドライエッチン
グ法にて行えばよい。マトリックスをどの程度除去する
かは、電子放出体あるいは電子放出部からの電子放出特
性を評価して決定すればよい。
【0052】本発明における複合体層の厚さは、カーボ
ン・ナノチューブ構造体がマトリックスによって埋め込
まれるに充分な厚さであればよく、例えば、マトリック
スの平均厚さとして5×10-8m〜1×10-4mを例示
することができる。カーボン・ナノチューブ構造体の先
端部の突出量は、例えば、カーボン・ナノチューブ構造
体の直径の1.5倍以上であることが望ましい。また、
本発明において、電子放出体あるいは電子放出部を占め
るカーボン・ナノチューブ構造体の重量割合は、カーボ
ン・ナノチューブ構造体とマトリックスとの合計重量を
100としたとき、0.001乃至40であることが好
ましい。
【0053】本発明にあっては、電子放出体あるいは電
子放出部の形成後、電子放出体あるいは電子放出部の表
面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子
放出体あるいは電子放出部からの電子の放出効率の一層
の向上といった観点から好ましい。このような処理とし
て、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴ
ンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセ
チレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処
理を挙げることができる。
【0054】基体、あるいは、冷陰極電界電子放出素子
におけるカソード電極を構成する材料として、タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)等の金属;これらの金属元素を含む合
金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi
2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイ
ド);シリコン(Si)等の半導体;あるいはITO
(インジウム錫酸化物)を例示することができる。カソ
ード電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や
熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング
法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法
との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法、リフトオフ
法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ
法によれば、直接、ストライプ状のカソード電極を形成
することが可能である。
【0055】基体、あるいは、冷陰極電界電子放出素子
におけるカソード電極の表面に、凹凸部を形成してもよ
い。これによって、カーボン・ナノチューブ構造体のマ
トリックスから突出した先端部が、例えば、アノード電
極の方を向く確率が高くなり、電子放出効率の一層の向
上を図ることができる。凹凸部は、基体あるいはカソー
ド電極を、例えばドライエッチングすることにより、あ
るいは又、陽極酸化を行ったり、支持体上に球体を散布
しておき、球体の上にカソード電極を形成した後、例え
ば球体を燃焼させることによって除去する方法にて形成
することができる。
【0056】ゲート電極を構成する材料として、タング
ステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チ
タン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、
アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀
(Ag)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジル
コニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛
(Zn)から成る群から選択された少なくとも1種類の
金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例
えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiS
2、TaSi2等のシリサイド);あるいはシリコン
(Si)等の半導体;ITO(インジウム錫酸化物)、
酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示
することができる。ゲート電極を作製するには、CVD
法、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング
法、電気メッキ法、無電解メッキ法、スクリーン印刷
法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法等の公知の
薄膜形成技術により、上述の構成材料から成る薄膜を絶
縁層上に形成する。尚、薄膜を絶縁層の全面に形成した
場合には、公知のパターニング技術を用いて薄膜をパタ
ーニングし、ストライプ状のゲート電極を形成する。ス
トライプ状のゲート電極の形成後、ゲート電極に開口部
を形成してもよいし、ストライプ状のゲート電極の形成
と同時に、ゲート電極に開口部を形成してもよい。ま
た、ゲート電極用導電材料層を形成する前の絶縁層上に
予めレジストパターンを形成しておけば、リフトオフ法
によるゲート電極の形成が可能である。更には、ゲート
電極の形状に応じた開口部を有するマスクを用いて蒸着
を行ったり、かかる開口部を有するスクリーンを用いて
スクリーン印刷を行えば、成膜後のパターニングは不要
となる。本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法あるいは冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法において、「少なくとも絶縁層に開口部を形成
する」と表現したのは、このような形態を含めるが故で
ある。
【0057】冷陰極電界電子放出表示装置において、ア
ノードパネルは、基板と蛍光体層とアノード電極とから
成る。電子が照射される面は、アノードパネルの構造に
依るが、蛍光体層から構成され、あるいは又、アノード
電極から構成される。
【0058】アノード電極の構成材料は、冷陰極電界電
子放出表示装置の構成によって適宜選択すればよい。即
ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透過型(アノードパ
ネルが表示面に相当する)であって、且つ、基板上にア
ノード電極と蛍光体層がこの順に積層されている場合に
は、基板は元より、アノード電極自身も透明である必要
があり、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材
料を用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射
型(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、
及び、透過型であっても基板上に蛍光体層とアノード電
極とがこの順に積層されている場合には、ITOの他、
カソード電極やゲート電極に関連して上述した材料を適
宜選択して用いることができる。
【0059】蛍光体層を構成する蛍光体として、高速電
子励起用蛍光体や低速電子励起用蛍光体を用いることが
できる。冷陰極電界電子放出表示装置が単色表示装置で
ある場合、蛍光体層は特にパターニングされていなくと
もよい。また、冷陰極電界電子放出表示装置がカラー表
示装置である場合、ストライプ状又はドット状にパター
ニングされた赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に
対応する蛍光体層を交互に配置することが好ましい。
尚、パターニングされた蛍光体層間の隙間は、表示画面
のコントラスト向上を目的としたブラックマトリックス
で埋め込まれていてもよい。
【0060】アノード電極と蛍光体層の構成例として、
(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極
の上に蛍光体層を形成する構成、(2)基板上に、蛍光
体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構
成、を挙げることができる。尚、(1)の構成におい
て、蛍光体層の上に、アノード電極と導通した所謂メタ
ルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成にお
いて、アノード電極の上にメタルバック膜を形成しても
よい。
【0061】本発明の第2の態様冷陰極電界電子放出素
子の製造方法、若しくは、本発明の第2の態様に係る冷
陰極電界電子放出表示装置の製造方法における冷陰極電
界電子放出素子において、ゲート電極に設けられた開口
部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を
切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角
形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の
形状とすることができる。ゲート電極における開口部の
形成は、例えば、異方性エッチング、異方性エッチング
と等方性エッチングの組合せによって行うことができ、
あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、開口部
を直接形成することもできる。尚、ゲート電極に形成さ
れた開口部を第1の開口部と呼び、絶縁層に形成された
開口部を第2の開口部と呼ぶ場合がある。ゲート電極に
1つの第1の開口部を設け、かかる1つの第1の開口部
と連通する1つの第2の開口部を絶縁層に設け、かかる
絶縁層に設けられた第2の開口部内に1つの電子放出部
を設けてもよいし、ゲート電極に複数の第1の開口部を
設け、かかる複数の第1の開口部と連通する1つの第2
の開口部を絶縁層に設け、かかる絶縁層に設けられた1
つの第2の開口部内に1又は複数の電子放出部を設けて
もよい。
【0062】絶縁層の構成材料として、SiO2、Si
N、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガ
ラス、ガラスペーストを、単独あるいは適宜組み合わせ
て使用することができる。絶縁層の形成には、CVD
法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の
公知のプロセスが利用できる。第2の開口部の形成は、
例えば、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性
エッチングの組合せによって行うことができる。
【0063】カソード電極と電子放出部との間に抵抗体
層を設けてもよい。抵抗体層を設けることによって、冷
陰極電界電子放出素子の動作安定化、電子放出特性の均
一化を図ることができる。抵抗体層を構成する材料とし
て、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといった
カーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半
導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタ
ル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示すること
ができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング
法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することがで
きる。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好まし
くは数MΩとすればよい。
【0064】カソードパネルを構成する支持体あるいは
アノードパネルを構成する基板は、少なくとも表面が絶
縁性部材より構成されていればよく、ガラス基板、表面
に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶
縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された
半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の
観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形
成されたガラス基板を用いることが好ましい。基体を下
地材料上に形成する必要があるが、下地材料としては、
これらの材料の他、金属、セラミックスを挙げることが
できる。
【0065】カソードパネルとアノードパネルとを周縁
部において接合する場合、接合は接着層を用いて行って
もよいし、あるいはガラスやセラミックス等の絶縁剛性
材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。
枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜
選択することにより、接着層のみを使用する場合に比
べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離
をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構
成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融
点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用
いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(イ
ンジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融
点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、S
95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)
系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、
Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb
97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)
系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜
鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜
314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜
C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点38
1゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)
を例示することができる。
【0066】カソードパネルとアノードパネルと枠体の
三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、
あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネ
ルのいずれか一方と枠体とを接合し、第2段階でカソー
ドパネル又はアノードパネルの他方と枠体とを接合して
もよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空
雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルと
枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真
空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネ
ルとアノードパネルと枠体と接着層とによって囲まれた
空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気
を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいず
れであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大
気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属す
るガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであっても
よい。
【0067】接合後に排気を行う場合、排気は、カソー
ドパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチ
ップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的
にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/
又はアノードパネルの無効領域(実際の表示部分として
は機能しない領域)に設けられた貫通部の周囲に、フリ
ットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合さ
れ、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封
じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極電界電子
放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空
間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを
排気により空間外へ除去することができるので好適であ
る。
【0068】本発明の第1の態様における冷陰極電界電
子放出表示装置の製造方法において得られる冷陰極電界
電子放出表示装置にあっては、アノード電極によって形
成された電界に基づき、量子トンネル効果に基づき電子
放出部から電子が放出され、この電子がアノード電極に
引き付けられ、蛍光体層に衝突する。アノード電極は、
1枚の導電材料シートが有効領域(実際の表示部分とし
て機能する領域)を覆う構造を有していてもよいし、ス
トライプ形状を有していてもよい。前者の場合、1画素
を構成する電子放出部毎に、電子放出部の動作を制御す
る。そのためには、例えば、1画素を構成する電子放出
部とカソード電極制御回路との間にスイッチング素子を
設ければよい。後者の場合、カソード電極をストライプ
状とし、アノード電極の射影像とカソード電極の射影像
とが直交するように、カソード電極及びアノード電極を
配置する。アノード電極の射影像とカソード電極の射影
像とが重複する領域(以下、アノード電極/カソード電
極重複領域と呼ぶ)に位置する電子放出部から電子が放
出される。尚、1アノード電極/カソード電極重複領域
における冷陰極電界電子放出素子の配列は、規則的であ
ってもランダムであってもよい。このような構成の冷陰
極電界電子放出表示装置の駆動は、所謂単純マトリクス
方式により行われる。即ち、カソード電極に相対的に負
の電圧を印加し、アノード電極に相対的に正の電圧を印
加する。その結果、列選択されたカソード電極と行選択
されたアノード電極(あるいは、行選択されたカソード
電極と列選択されたアノード電極)とのアノード電極/
カソード電極重複領域に位置する電子放出部から選択的
に真空空間中へ電子が放出され、この電子がアノード電
極に引き付けられてアノードパネルを構成する蛍光体層
に衝突し、蛍光体層を励起、発光させる。
【0069】また、本発明の第2の態様における冷陰極
電界電子放出表示装置の製造方法において得られる冷陰
極電界電子放出表示装置にあっては、ストライプ状のゲ
ート電極の射影像とストライプ状のカソード電極の射影
像とが直交する方向に延びていることが、冷陰極電界電
子放出表示装置の構造の簡素化の観点から好ましい。
尚、ストライプ状のカソード電極とストライプ状のゲー
ト電極の射影像が重複する重複領域(電子放出領域であ
り、1画素分の領域あるいは1サブピクセル分の領域に
相当する)に1又は複数の冷陰極電界電子放出素子が設
けられており、かかる重複領域が、カソードパネルの有
効領域内に、通常、2次元マトリクス状に配列されてい
る。1重複領域における冷陰極電界電子放出素子の配列
は、規則的であってもランダムであってもよい。カソー
ド電極に相対的に負の電圧を印加し、ゲート電極に相対
的に正の電圧を印加し、アノード電極にゲート電極より
更に高い正の電圧を印加する。電子は、列選択されたカ
ソード電極と行選択されたゲート電極(あるいは、行選
択されたカソード電極と列選択されたゲート電極)との
ゲート電極/カソード電極重複領域に位置する電子放出
部から選択的に真空空間中へ電子が放出され、この電子
がアノード電極に引き付けられてアノードパネルを構成
する蛍光体層に衝突し、蛍光体層を励起、発光させる。
【0070】本発明においては、電子放出体あるいは電
子放出部が、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチ
ューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれている構造
を形成することができるので、高い電子放出効率を達成
することができる。しかも、複合体層の表面に剥離層を
付着させた後、剥離層を機械的に引き剥がすことによっ
て、カーボン・ナノチューブ構造体の突出した先端部
を、基体あるいは支持体の法線方向に近づく方向に容易
に配向させることができる。更には、電子放出体あるい
は電子放出部を形成する工程において、カーボン・ナノ
チューブ構造体がマトリックスによって埋め込まれた複
合体層を形成するので、それ以降の工程において、カー
ボン・ナノチューブ構造体が損傷を受け難いし、例え
ば、開口部の大きさや絶縁層の厚さに制限を受けること
もない。
【0071】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0072】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の電子放出体の製造方法、第1の態様に係る冷陰極電界
電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)の製造
方法、並びに、第1の態様に係る所謂2電極型の冷陰極
電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する)の
製造方法に関し、更には、第1の方法に関する。
【0073】実施の形態1の表示装置の模式的な一部断
面図を図1に示し、1つの電子放出部の模式的な斜視図
を図2に示し、1つの電子放出部の模式的な一部断面図
を図5の(C)に示す。
【0074】実施の形態1における電子放出体は、マト
リックス21、及び、先端部が突出した状態でマトリッ
クス21中に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造
体から成る。カーボン・ナノチューブ構造体は、具体的
には、カーボン・ナノチューブ20から構成されてい
る。また、マトリックス21は、ダイヤモンド状アモル
ファスカーボンから成る。
【0075】また、実施の形態1における電界放出素子
は、支持体10上に設けられたカソード電極11と、カ
ソード電極11上に設けられた電子放出部15から成
る。そして、電子放出部15は、マトリックス21、及
び、先端部が突出した状態でマトリックス21中に埋め
込まれたカーボン・ナノチューブ構造体から成る。更に
は、実施の形態1における表示装置は、電界放出素子が
複数設けられたカソードパネルCP、及び、蛍光体層3
1(赤色発光蛍光体層31R、緑色発光蛍光体層31
G、青色発光蛍光体層31B)とアノード電極33とを
備えたアノードパネルAPが、それらの周縁部で接合さ
れて成り、複数の画素を有する。実施の形態1の表示装
置におけるカソードパネルCPにおいては、上述のよう
な電界放出素子の複数から構成された電子放出領域が有
効領域に2次元マトリックス状に多数形成されている。
【0076】尚、図においては、カーボン・ナノチュー
ブ20が、或る程度規則的に、且つ、その先端部がカソ
ード電極11に対して垂直方向に配置されているように
示しているが、また、特に、図1あるいは後述する図
7、図12、図13、図14、図16、図20において
はカーボン・ナノチューブ20がカソード電極11に対
して垂直方向に配置されているように示しているが、実
際には、マトリックス21内ではランダムに、そして、
マトリックス21の外ではアノード電極に向かって先端
部が配向された状態で、配置されている。その他の図面
においても同様である。また、カーボン・ナノチューブ
20は、カソード電極11(基体に相当する)に必ずし
も接していなくともよい。
【0077】カソードパネルCPの無効領域には、真空
排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫
通孔には、真空排気後に封じ切られるチップ管(図示せ
ず)が接続されている。枠体34は、セラミックス又は
ガラスから成り、高さは、例えば1.0mmである。場
合によっては、枠体34の代わりに接着層のみを用いる
こともできる。
【0078】アノードパネルAPは、具体的には、基板
30と、基板30上に形成され、所定のパターン(例え
ば、ストライプ状やドット状)に従って形成された蛍光
体層31と、有効領域の全面を覆う例えばアルミニウム
薄膜から成るアノード電極33から構成されている。蛍
光体層31と蛍光体層31との間の基板30上には、ブ
ラックマトリックス32が形成されている。尚、ブラッ
クマトリックス32を省略することもできる。また、単
色表示装置を想定した場合、蛍光体層31は必ずしも所
定のパターンに従って設けられる必要はない。更には、
ITO等の透明導電膜から成るアノード電極を基板30
と蛍光体層31との間に設けてもよく、あるいは、基板
30上に設けられた透明導電膜から成るアノード電極3
3と、アノード電極33上に形成された蛍光体層31及
びブラックマトリックス32と、蛍光体層31及びブラ
ックマトリックス32の上に形成されたアルミニウム
(Al)から成り、アノード電極33と電気的に接続さ
れた光反射導電膜から構成することもできる。
【0079】1画素は、カソードパネル側において矩形
形状のカソード電極11と、その上に形成された電子放
出部15と、電子放出部15に対面するようにアノード
パネルAPの有効領域に配列された蛍光体層31とによ
って構成されている。有効領域には、かかる画素が、例
えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されてい
る。
【0080】また、カソードパネルCPとアノードパネ
ルAPとの間には、両パネル間の距離を一定に維持する
ための補助的手段として、有効領域内に等間隔にスペー
サ35が配置されている。尚、スペーサ35の形状は、
円柱形に限らず、例えば球状でもよいし、ストライプ状
の隔壁(リブ)であってもよい。また、スペーサ35
は、必ずしも全てのカソード電極の重複領域の四隅に配
置されている必要はなく、より疎に配置されていてもよ
いし、配置が不規則であってもよい。
【0081】この表示装置においては、1画素単位で、
カソード電極11に印加する電圧の制御を行う。カソー
ド電極11の平面形状は、図2に模式的に示すように、
略矩形であり、各カソード電極11は、配線11A、及
び、例えばトランジスタから成るスイッチング素子(図
示せず)を介してカソード電極制御回路40Aに接続さ
れている。また、アノード電極33はアノード電極制御
回路42に接続されている。各カソード電極11に閾値
電圧以上の電圧が印加されると、アノード電極33によ
って形成される電界に基づき、量子トンネル効果に基づ
き電子放出部15から電子が放出され、この電子がアノ
ード電極33に引き付けられ、蛍光体層31に衝突す
る。輝度は、カソード電極11に印加される電圧によっ
て制御される。
【0082】以下、実施の形態1における電子放出体、
電界放出素子及び表示装置の製造方法を、図3〜図5、
及び、図21を参照して説明する。
【0083】[工程−100]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材料
層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及び反応
性イオンエッチング法(RIE法)に基づき導電材料層
をパターニングすることによって、矩形形状のカソード
電極11を支持体10上に形成する(図3の(A)参
照)。同時に、カソード電極11に接続された配線11
A(図2参照)を支持体10上に形成する。導電材料層
は、例えばスパッタリング法により形成された厚さ約
0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
【0084】[工程−110]次に、カソード電極11
(基体に相当する)の所望の領域(電子放出部を形成す
べき領域)の表面にカーボン・ナノチューブ20を配置
する。具体的には、先ず、レジスト材料層をスピンコー
ト法にて全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づ
き、電子放出部を形成すべきカソード電極11の領域の
表面が露出したマスク層16を形成する(図3の(B)
参照)。次に、露出したカソード電極11の表面を含む
マスク層16上に、例えば、アセトンといった有機溶媒
にカーボン・ナノチューブを分散させた溶液をスピンコ
ーティング法にて塗布した後、有機溶媒を除去する(図
3の(C)参照)。カーボン・ナノチューブ20は、例
えば、平均直径1nm、平均長さ1μmのチューブ構造
を有し、アーク放電法にて作製されている。カーボン・
ナノチューブ20は、通常、カソード電極11に対して
ランダムに配向させられる。即ち、例えば絡み合った状
態にてカソード電極11上に配置させられる。
【0085】[工程−120]その後、露出したカソー
ド電極11の領域及びカーボン・ナノチューブ20上
に、マトリックス21としてダイヤモンド状アモルファ
スカーボンを堆積させる。これによって、カソード電極
11の所望の領域(電子放出部を形成すべき領域)上
に、カーボン・ナノチューブ20がマトリックス21に
よって埋め込まれた複合体層22を形成することができ
る。プラズマCVD法に基づくダイヤモンド状アモルフ
ァスカーボンから成るマトリックス21(平均膜厚:
0.3μm)の形成条件を以下の表1に例示する。その
後、マスク層16を除去する。こうして、図4の(A)
に示す構造を得ることができる。尚、波長514.5n
mのレーザ光を用いたラマン・スペクトルにおいて、ダ
イヤモンド状アモルファスカーボンから成るマトリック
ス21は、波数1400乃至1630cm-1の範囲で半
値幅50cm-1以上のピークを有していた。得られたラ
マン・スペクトル図を図6に示す。
【0086】[表1] 使用装置 :平行平板RF−CVD装置 使用ガス :CH4=50sccm 圧力 :0.1Pa 形成温度 :室温 形成時間 :10分 プラズマ励起パワー:500W
【0087】[工程−130]次に、複合体層22の表
面のマトリックス21をエッチング法にて除去し、先端
部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ20がマト
リックス21中に埋め込まれた電子放出体あるいは電子
放出部を形成することが好ましいが、この工程は必須で
はない。こうして、図4の(B)に示す構造を有する電
界放出素子を得ることができる。マトリックス21のウ
ェットエッチング条件を以下の表2に、ドライエッチン
グ条件を表3に例示する。場合によっては、マトリック
ス21の全てをエッチングによって除去してもよい。
【0088】[表2] [ウェットエッチング条件] 使用エッチング液:KMnO4 エッチング温度 :80゜C エッチング時間 :1〜10分
【0089】 [表3] [ドライエッチング条件] エッチング装置 :ICP−エッチング装置 使用ガス :O2(CF4等を含んでいてもよい) エッチング温度 :室温〜80゜C プラズマ励起パワー:1500W RFバイアス :20〜100W エッチング時間 :1〜10分
【0090】[工程−140]その後、複合体層22の
表面に剥離層24を付着させる図5の(A)参照)。そ
して、剥離層24を機械的に引き剥がす(図5の(B)
参照)。これによって、先端部が突出した状態で、しか
も、先端部が基体あるいは支持体の法線方向に近づく方
向に配向した状態で、カーボン・ナノチューブ構造体で
あるカーボン・ナノチューブ20がマトリックス21中
に埋め込まれた電子放出体あるいは電子放出部15を得
ることができる(図5の(C)参照)。ここで、剥離層
24は、感圧型の粘着層25と、この粘着層25を保持
する保持フィルム26から成る。より具体的には、剥離
層24は、セロファンテープから構成されている。複合
体層22の表面に剥離層24を付着させる方法として、
剥離層24を構成する粘着層25を複合体層22の表面
に圧着する方法を採用した。圧着は人手によって行い、
具体的には、ゴムローラを保持フィルム26に押し当て
ることによって、粘着層25を複合体層22の表面に圧
着する。また、剥離層24の機械的な引き剥がしは、引
き剥がし力(F)が基体の法線方向の成分(Fv)を有
した状態にて行う。より具体的には、所謂90度ピール
(図5の(B)参照)とし、引き剥がし力(F)を加え
る方法は人力によるものとした。
【0091】尚、剥離層24を機械的に引き剥がした後
に、粘着層25の一部分が複合体層22の表面に残る虞
があるので、粘着層を溶解する有機溶剤にて粘着層の一
部分を除去することが好ましい。
【0092】接着層を構成する樹脂に依っては、例え
ば、熱を加え、あるいは紫外線を照射することによっ
て、複合体層の表面に対する接着層の接着力が大幅に低
下する種類の樹脂があり、このような樹脂を用いること
もできる。尚、このような樹脂を用いた場合、熱を加
え、あるいは紫外線を照射した後、水洗等によって複合
体層の表面に残された接着層の一部分を容易に除去でき
る。
【0093】あるいは又、剥離層は、接着層と、該接着
層を保持する保持フィルムから成り、複合体層の表面に
剥離層を付着させる方法は、複合体層の表面に剥離層に
接着層を形成した後、剥離層上に保持フィルムを載置
し、次いで、接着層を複合体層の表面及び保持フィルム
に接着させる方法とすることもできる。
【0094】[工程−150]マトリックス21のエッ
チングや剥離層の剥離によって一部あるいは全てのカー
ボン・ナノチューブ20の表面状態が変化し(例えば、
その表面に酸素原子や酸素分子、フッ素原子が吸着
し)、電界放出に関して不活性となっている場合があ
る。それ故、その後、電子放出体あるいは電子放出部に
対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うことが
好ましく、これによって、電子放出体あるいは電子放出
部が活性化し、電子放出体あるいは電子放出部からの電
子の放出効率の一層の向上させることができる。プラズ
マ処理の条件を、以下の表4に例示する。
【0095】[表4] 使用ガス :H2=100sccm 電源パワー :1000W 支持体印加電力:50V 反応圧力 :0.1Pa 支持体温度 :300゜C
【0096】その後、カーボン・ナノチューブ20から
ガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処
理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ20の表
面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物
質を含むガスにカーボン・ナノチューブ20を晒しても
よい。また、カーボン・ナノチューブ20を精製するた
めに、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行って
もよい。以下の実施の形態においても同様である。
【0097】[工程−160]その後、表示装置の組み
立てを行う。具体的には、蛍光体層31と電界放出素子
とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネ
ルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネ
ルCP(より具体的には、基板30と支持体10)と
を、枠体34を介して、周縁部において接合する。接合
に際しては、枠体34とアノードパネルAPとの接合部
位、及び枠体34とカソードパネルCPとの接合部位に
フリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソー
ドパネルCPと枠体34とを貼り合わせ、予備焼成にて
フリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜3
0分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカ
ソードパネルCPと枠体34とフリットガラスとによっ
て囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及びチップ管
(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa
程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切
る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパ
ネルCPと枠体34とに囲まれた空間を真空にすること
ができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、表
示装置を完成させる。
【0098】尚、図1に示した表示装置におけるアノー
ドパネルAPの製造方法の一例を、以下、図21を参照
して説明する。
【0099】先ず、発光性結晶粒子組成物を調製する。
そのために、例えば、純水に分散剤を分散させ、ホモミ
キサーを用いて3000rpmにて1分間、撹拌を行
う。次に、発光性結晶粒子を分散剤が分散した純水中に
投入し、ホモミキサーを用いて5000rpmにて5分
間、撹拌を行う。その後、例えば、ポリビニルアルコー
ル及び重クロム酸アンモニウムを添加して、十分に撹拌
し、濾過する。
【0100】アノードパネルAPの製造においては、例
えばガラスから成る基板30上の全面に感光性被膜50
を形成(塗布)する。そして、露光光源(図示せず)か
ら射出され、マスク53に設けられた孔部54を通過し
た紫外線によって、基板30上に形成された感光性被膜
50を露光して感光領域51を形成する(図21の
(A)参照)。その後、感光性被膜50を現像して選択
的に除去し、感光性被膜の残部(露光、現像後の感光性
被膜)52を基板30上に残す(図21の(B)参
照)。次に、全面にカーボン剤(カーボンスラリー)を
塗布し、乾燥、焼成した後、リフトオフ法にて感光性被
膜の残部52及びその上のカーボン剤を除去することに
よって、露出した基板30上にカーボン剤から成るブラ
ックマトリックス32を形成し、併せて、感光性被膜の
残部52を除去する(図21の(C)参照)。その後、
露出した基板30上に、赤、緑、青の各蛍光体層31を
形成する(図21の(D)参照)。具体的には、各発光
性結晶粒子(蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒
子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶
粒子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、
現像し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、更
に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラ
リー)を全面に塗布し、露光、現像すればよい。その
後、蛍光体層31及びブラックマトリックス32上にス
パッタリング法にて厚さ約0.07μmのアルミニウム
薄膜から成るアノード電極33を形成する。尚、スクリ
ーン印刷法等により各蛍光体層31を形成することもで
きる。
【0101】尚、アノード電極は、有効領域を1枚のシ
ート状の導電材料で被覆した形式のアノード電極として
もよいし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は
複数の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した
形式のアノード電極としてもよい。尚、このようなアノ
ード電極の構造は、後述する実施の形態5にも適用する
ことができる。
【0102】1画素を、ストライプ状のカソード電極
と、その上に形成された電子放出部と、電子放出部に対
面するようにアノードパネルの有効領域に配列された蛍
光体層とによって構成してもよい。この場合、アノード
電極もストライプ形状を有する。ストライプ状のカソー
ド電極の射影像と、ストライプ状のアノード電極の射影
像は直交している。アノード電極の射影像とカソード電
極の射影像とが重複する領域に位置する電子放出部から
電子が放出される。このような構成の表示装置の駆動
は、所謂単純マトリクス方式により行われる。即ち、カ
ソード電極に相対的に負の電圧を、アノード電極に相対
的に正の電圧を印加する。その結果、列選択されたカソ
ード電極と行選択されたアノード電極(あるいは、行選
択されたカソード電極と列選択されたアノード電極)と
のアノード電極/カソード電極重複領域に位置する電子
放出部から選択的に真空空間中へ電子が放出され、この
電子がアノード電極に引きつけられてアノードパネルを
構成する蛍光体層に衝突し、蛍光体層を励起・発光させ
る。
【0103】このような構造の電界放出素子の製造にあ
たっては、[工程−100]において、例えばガラス基
板から成る支持体10上に、例えばスパッタリング法に
より形成されたクロム(Cr)層から成るカソード電極
形成用の導電材料層を形成した後、周知のリソグラフィ
技術及びRIE法に基づき、導電材料層をパターニング
することによって、矩形形状のカソード電極の代わりに
ストライプ状のカソード電極11を支持体10上に形成
すればよい。このような構造は、後述する実施の形態5
にも適用することができる。
【0104】(実施の形態2)実施の形態2は、本発明
の電子放出体の製造方法、第2の態様に係る電界放出素
子の製造方法、並びに、第2の態様に係る所謂3電極型
の表示装置の製造方法に関し、更には、第1の方法に関
する。
【0105】実施の形態2の電界放出素子の模式的な一
部端面図を図11の(B)に示し、表示装置の模式的な
一部端面図を図7に示し、カソードパネルCPとアノー
ドパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図を
図8に示す。この電界放出素子は、支持体10上に形成
されたカソード電極11(基体に相当する)、支持体1
0及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、絶
縁層12上に形成されたゲート電極13、ゲート電極1
3及び絶縁層12に形成された開口部(ゲート電極13
に形成された第1の開口部14A、及び、絶縁層12に
形成された第2の開口部14B)、並びに、第2の開口
部14Bの底部に露出した電子放出部15から成る。電
子放出部15あるいは電子放出体は、マトリックス2
1、及び、先端部が突出した状態でマトリックス21中
に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的
には、カーボン・ナノチューブ20)から成る。また、
マトリックス21は、ダイヤモンド状アモルファスカー
ボンから成る。
【0106】表示装置は、上述のような電界放出素子が
有効領域に多数形成されたカソードパネルCPと、アノ
ードパネルAPから構成されており、複数の画素から構
成され、各画素は、複数の電界放出素子と、電界放出素
子に対向して基板30上に設けられたアノード電極33
及び蛍光体層31から構成されている。カソードパネル
CPとアノードパネルAPとは、それらの周縁部におい
て、枠体34を介して接合されている。図7に示す一部
端面図には、カソードパネルCPにおいて、1本のカソ
ード電極11につき開口部14A,14B及び電子放出
部15を、図面の簡素化のために2つずつ示している
が、これに限定するものではなく、また、電界放出素子
の基本的な構成は図11の(B)に示したとおりであ
る。更には、カソードパネルCPの無効領域には、真空
排気用の貫通孔36が設けられており、この貫通孔36
には、真空排気後に封じ切られるチップ管37が接続さ
れている。但し、図7は表示装置の完成状態を示してお
り、図示したチップ管37は既に封じ切られている。ま
た、スペーサの図示は省略した。
【0107】アノードパネルAPの構造は、実施の形態
1にて説明したアノードパネルAPと同様の構造とする
ことができるので、詳細な説明は省略する。
【0108】この表示装置において表示を行う場合に
は、カソード電極11には相対的な負電圧がカソード電
極制御回路40から印加され、ゲート電極13には相対
的な正電圧がゲート電極制御回路41から印加され、ア
ノード電極33にはゲート電極13よりも更に高い正電
圧がアノード電極制御回路42から印加される。かかる
表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電
極11にカソード電極制御回路40から走査信号を入力
し、ゲート電極13にゲート電極制御回路41からビデ
オ信号を入力する。あるいは又、カソード電極11にカ
ソード電極制御回路40からビデオ信号を入力し、ゲー
ト電極13にゲート電極制御回路41から走査信号を入
力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との
間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネ
ル効果に基づき電子放出部15から電子が放出され、こ
の電子がアノード電極33に引き付けられ、蛍光体層3
1に衝突する。その結果、蛍光体層31が励起されて発
光し、所望の画像を得ることができる。
【0109】以下、実施の形態2の電子放出体の製造方
法、電界放出素子の製造方法及び表示装置の製造方法
を、図9〜図11を参照して説明する。
【0110】[工程−200]先ず、例えばガラス基板
から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材料
層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRI
E法に基づき導電材料層をパターニングすることによっ
て、ストライプ状のカソード電極11(基体に該当す
る)を支持体10上に形成する。ストライプ状のカソー
ド電極11は、図面の紙面左右方向に延びている。導電
材料層は、例えばスパッタリング法により形成された厚
さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
【0111】[工程−210]その後、実施の形態1の
[工程−110]及び[工程−120]と同様にして、
カソード電極11の表面に複合体層22を形成する(図
9の(A)参照)。尚、その後、複合体層22上に、例
えば、ITOから成るバッファ層を形成してもよい。
【0112】[工程−220]次に、複合体層22、支
持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成す
る。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラ
ン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面
に、厚さ約1μmの絶縁層12を形成する。
【0113】[工程−230]その後、絶縁層12上に
第1の開口部14Aを有するゲート電極13を形成す
る。具体的には、絶縁層12上にゲート電極を構成する
ためのクロム(Cr)から成る導電材料層をスパッタリ
ング法にて形成した後、導電材料層上にパターニングさ
れた第1のマスク材料層(図示せず)を形成し、かかる
第1のマスク材料層をエッチング用マスクとして用いて
導電材料層をエッチングして、導電材料層をストライプ
状にパターニングした後、第1のマスク材料層を除去す
る。次いで、導電材料層及び絶縁層12上にパターニン
グされた第2のマスク材料層116を形成し、かかる第
2のマスク材料層116をエッチング用マスクとして用
いて導電材料層をエッチングする。これによって、絶縁
層12上に第1の開口部14Aを有するゲート電極13
を得ることができる。ストライプ状のゲート電極13
は、カソード電極11と異なる方向(例えば、図面の紙
面垂直方向)に延びている。
【0114】[工程−240]次いで、ゲート電極13
に形成された第1の開口部14Aに連通する第2の開口
部14Bを絶縁層12に形成する。具体的には、第2の
マスク材料層116をエッチング用マスクとして用いて
絶縁層12をRIE法にてエッチングする。こうして、
図9の(B)に示す構造を得ることができる。実施の形
態2においては、第1の開口部14Aと第2の開口部1
4Bとは、一対一の対応関係にある。即ち、1つの第1
の開口部14Aに対応して、1つの第2の開口部14B
が形成される。尚、第1及び第2の開口部14A,14
Bの平面形状は、例えば直径3μmの円形である。これ
らの開口部14A,14Bを、例えば、1画素に数百個
程度形成すればよい。尚、複合体層22上に、例えばバ
ッファ層を形成した場合、その後、バッファ層のエッチ
ングを行う。
【0115】[工程−250]その後、第2の開口部1
4Bの底部に露出した複合体層22の表面のマトリック
ス21を除去し、先端部が突出した状態でカーボン・ナ
ノチューブ20がマトリックス21中に埋め込まれた電
子放出体から構成された電子放出部15を形成する(図
10の(A)参照)ことが好ましいが、この工程は必須
ではない。具体的には、実施の形態1の[工程−13
0]と同様の工程を実行すればよい。また、場合によっ
ては、マトリックス21の全てをエッチングによって除
去してもよい。
【0116】[工程−260]その後、絶縁層12に設
けられた第2の開口部14Bの側壁面を等方的なエッチ
ングによって後退させることが、ゲート電極13の開口
端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等
方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのよう
にラジカルを主エッチング種として利用するドライエッ
チング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッ
チングにより行うことができる。エッチング液として
は、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容
積比)混合液を用いることができる。次いで、第2のマ
スク材料層116を除去する。こうして、図10の
(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
【0117】[工程−270]次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、複合体層22の表面に
剥離層24を付着させた後(図11参照)、剥離層24
を機械的に引き剥がす。これによって、先端部が突出し
た状態で、しかも、先端部が基体あるいは支持体の法線
方向に近づく方向に配向した状態で、カーボン・ナノチ
ューブ構造体であるカーボン・ナノチューブ20がマト
リックス21中に埋め込まれた電子放出体あるいは電子
放出部15を得ることができる(図11の(B)参
照)。
【0118】[工程−280]その後、実施の形態1の
[工程−150]と同様にして、電子放出体あるいは電
子放出部に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を
行うことが好ましい。プラズマ処理は、例えば、表4に
例示した条件と同様の条件にて行えばよい。
【0119】[工程−290]その後、実施の形態1の
[工程−160]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0120】尚、[工程−240]の後、[工程−26
0]における第2の開口部14Bの側壁面の等方的なエ
ッチングを行い、次いで、[工程−250]を実行した
後、第2のマスク材料層116を除去してもよい。ある
いは又、[工程−240]の後、[工程−270]を実
行してもよい。
【0121】(実施の形態3)実施の形態3は実施の形
態2の変形である。実施の形態3が実施の形態2と異な
る点は、カーボン・ナノチューブをカソード電極11
(基体)上にプラズマCVD法にて形成する点にある。
即ち、実施の形態3は、第2の方法に関する。以下、実
施の形態3の電子放出体の製造方法、電界放出素子の製
造方法及び表示装置の製造方法を、図12を参照して説
明する。
【0122】[工程−300]先ず、電子放出部を形成
すべき表面領域に選択成長領域23が形成されたカソー
ド電極11を形成する。具体的には、例えばガラス基板
から成る支持体10上にレジスト材料から成るマスク層
を形成する。マスク層を、ストライプ状のカソード電極
を形成すべき部分以外の支持体10を被覆するように形
成する。次いで、アルミニウム(Al)層をスパッタリ
ング法にて全面に成膜した後、アルミニウム層上に、ス
パッタリング法にてニッケル(Ni)を成膜する。その
後、マスク層並びにその上のアルミニウム層及びニッケ
ル層を除去することによって、電子放出部を形成すべき
表面領域にニッケルから成る選択成長領域23が形成さ
れたカソード電極11を形成することができる(図12
の(A)参照)。カソード電極11は図12の紙面左右
方向に延びている。カソード電極11及び選択成長領域
23はストライプ状である。尚、このようなリフトオフ
法に代えて、カソード電極を構成する導電性材料及び選
択成長領域を構成する層の成膜、リソグラフィ技術とド
ライエッチング技術に基づくこれらのパターニングによ
って、ストライプ状の選択成長領域23及びカソード電
極11を形成してもよい。また、電子放出部を形成すべ
きカソード電極11の表面領域にのみ選択成長領域23
を形成してもよい。
【0123】[工程−310]次に、ヘリコン波プラズ
マCVD装置を用いて、以下の表5に示すヘリコン波プ
ラズマCVD条件にて、カーボン・ナノチューブ20を
形成する(図12の(B)参照)。尚、カーボン・ナノ
チューブ20の結晶性を変化させるために、CVD条件
を随時変化させてもよい。また、放電を安定にさせるた
め及びプラズマ解離を促進するために、ヘリウム(H
e)やアルゴン(Ar)等の希釈用ガスを混合してもよ
いし、窒素、アンモニア等のドーピングガスを混合して
もよい。
【0124】[表5] 使用ガス :CH4/H2=50/50sccm 電源パワー :3000W 支持体印加電力 :300V 反応圧力 :0.1Pa 支持体温度 :300゜C プラズマ密度 :1×1013/cm3 電子温度 :5eV イオン電流密度 :5mA/cm2
【0125】カーボン・ナノチューブ20の表面あるい
はカーボン・ナノチューブが形成されなかった選択成長
領域23の部分に薄いアモルファス状の炭素薄膜が堆積
している場合がある。このような場合には、カーボン・
ナノチューブ20の形成後、水素ガス雰囲気中でのプラ
ズマ処理を行うことによって、アモルファス状の炭素薄
膜を除去することが望ましい。プラズマ処理の条件は、
表4に例示したと同様とすればよい。
【0126】[工程−320]その後、実施の形態1の
[工程−120]、実施の形態2の[工程−220]〜
[工程−280]と同様の工程を実行することによって
電子放出部を完成させ、更に、実施の形態2の[工程−
290]と同様の工程を実行することによって表示装置
を完成させる。場合によっては、実施の形態1の[工程
−120]を実行すること無く、即ち、マトリックスを
形成すること無く、実施の形態2の[工程−220]〜
[工程−280]と同様の工程を実行することによって
電子放出部を完成させ、更に、実施の形態2の[工程−
290]と同様の工程を実行することによって表示装置
を完成させてもよい。あるいは又、場合によっては、
[工程−300]、実施の形態2の[工程−220]〜
[工程−240]、[工程−310]、実施の形態1の
[工程−120]、実施の形態2の[工程−250]〜
[工程−280]と同様の工程を実行することによって
電子放出部を完成させ、更に、実施の形態2の[工程−
290]と同様の工程を実行することによって表示装置
を完成させてもよいし、[工程−300]、実施の形態
2の[工程−220]〜[工程−240]、[工程−3
10]、実施の形態2の[工程−250]〜[工程−2
80]と同様の工程を実行することによって電子放出部
を完成させ、更に、実施の形態2の[工程−290]と
同様の工程を実行することによって表示装置を完成させ
てもよい。
【0127】(実施の形態4)実施の形態4における電
界放出素子は、実施の形態1にて説明した電界放出素子
とゲート電極との組合せに関し、実施の形態2にて説明
した3電極型の電界放出素子とは、若干、構造の異なる
3電極型の電界放出素子である。実施の形態4の電界放
出素子の模式的な一部断面図を図13の(A)に示し、
カソード電極、帯状材料及びゲート電極、並びに、ゲー
ト電極支持部の模式的な配置図を図13の(B)に示
す。
【0128】この電界放出素子にあっては、絶縁材料か
ら成る帯状あるいは井桁状のゲート電極支持部が支持体
上に形成され、複数の開口部が形成された帯状材料から
成るゲート電極が、ゲート電極支持部の頂面に接するよ
うに、且つ、電子放出部の上方に開口部が位置するよう
に張架された構造を有する。
【0129】そして、このような構造の電界放出素子
は、(イ)絶縁材料から成る帯状あるいは井桁状のゲー
ト電極支持部を支持体上に形成し、且つ、支持体上にカ
ソード電極及び電子放出部を形成する工程と、(ロ)複
数の開口部が形成された帯状材料から成るゲート電極が
ゲート電極支持部の頂面に接するように、且つ、電子放
出部の上方に開口部が位置するように、帯状材料を張架
する工程、から成る方法によって作製することができ
る。
【0130】ここで、ゲート電極支持部を、隣り合うス
トライプ状のカソード電極の間の領域、あるいは、複数
のカソード電極を一群のカソード電極群としたとき、隣
り合うカソード電極群の間の領域に形成すればよい。ゲ
ート電極支持部を構成する材料として、従来公知の絶縁
材料を使用することができ、例えば、広く用いられてい
る低融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合した材
料や、SiO2等の絶縁材料を用いることができる。ゲ
ート電極支持部の形成方法として、CVD法とエッチン
グ法の組合せ、スクリーン印刷法、サンドブラスト形成
法、ドライフィルム法、感光法を例示することができ
る。ドライフィルム法とは、支持体上に感光性フィルム
をラミネートし、露光及び現像によってゲート電極支持
部を形成すべき部位の感光性フィルムを除去し、除去に
よって生じた開口部にゲート電極支持部形成用の絶縁材
料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは
焼成によって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれたゲ
ート電極支持部形成用の絶縁材料が残り、ゲート電極支
持部となる。感光法とは、支持体上に感光性を有するゲ
ート電極支持部形成用の絶縁材料を形成し、露光及び現
像によってこの絶縁材料をパターニングした後、焼成を
行う方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、
スクリーン印刷やロールコーター、ドクターブレード、
ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基
板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形
成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出し
た隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって
除去する方法である。
【0131】実施の形態4の電界放出素子は、より具体
的には、支持体10上に配設された絶縁材料から成る帯
状のゲート電極支持部112、支持体10上に形成され
たカソード電極11、複数の開口部114が形成された
帯状材料113Aから成るゲート電極113、並びに、
カソード電極11上に形成された電子放出部15から成
り、ゲート電極支持部112の頂面に接するように、且
つ、電子放出部15の上方に開口部114が位置するよ
うに帯状材料113Aが張架されている。電子放出部1
5は、開口部114の底部に位置するカソード電極11
の部分の表面に形成された電子放出体から成る。帯状材
料113Aは、ゲート電極支持部112の頂面に、熱硬
化性接着剤(例えばエポキシ系接着剤)にて固定されて
いる。開口部を有する帯状材料は、先に説明したゲート
電極を構成する材料から適宜選択して予め作製すればよ
い。
【0132】以下、実施の形態4の電界放出素子の製造
方法の一例を説明する。
【0133】[工程−400]先ず、支持体10上にゲ
ート電極支持部112を、例えば、サンドブラスト形成
法に基づき形成する。
【0134】[工程−410]その後、支持体10上に
電子放出部15を形成する。具体的には、実施の形態1
の[工程−100]〜[工程−150]と同様にして、
カソード電極11上に、先端部が突出した状態でカーボ
ン・ナノチューブ20がマトリックス21中に埋め込ま
れた電子放出体から構成された電子放出部を得ることが
できる。尚、実施の形態3の[工程−300]〜[工程
−310]、次いで、[工程−120]〜[工程−15
0]と同様の工程を経ることによって電子放出部を形成
してもよい。また、場合によっては、実施の形態1の
[工程−120]を実行すること無く、即ち、マトリッ
クスを形成すること無く、実施の形態1の[工程−14
0]〜[工程−150]と同様の工程を実行することに
よって電子放出部を完成させることもできる。
【0135】[工程−420]その後、複数の開口部1
14が形成されたストライプ状の帯状材料113Aを、
複数の開口部114が電子放出部15の上方に位置する
ように、ゲート電極支持部112によって支持された状
態に配設し、以て、ストライプ状の帯状材料113Aか
ら構成され、複数の開口部114を有するゲート電極1
13を電子放出部15の上方に位置させる。ストライプ
状の帯状材料113Aを、ゲート電極支持部112の頂
面に、熱硬化性接着剤(例えばエポキシ系接着剤)にて
固定することができる。尚、ストライプ状のカソード電
極11の射影像と、ストライプ状の帯状材料113Aの
射影像は、直交する。
【0136】尚、実施の形態4においては、支持体10
上にカソード電極11を形成した後に、支持体10上に
ゲート電極支持部112を、例えば、サンドブラスト形
成法に基づき形成してもよい。また、ゲート電極支持部
112を、例えば、CVD法とエッチング法の組合せに
基づき形成してもよい。
【0137】また、図14に、支持体10の端部近傍の
模式的な一部断面図を示すように、ストライプ状の帯状
材料113Aの両端部が、支持体10の周辺部に固定さ
れている構造とすることもできる。より具体的には、例
えば、支持体10の周辺部に突起部117を予め形成し
ておき、この突起部117の頂面に帯状材料113Aを
構成する材料と同じ材料の薄膜118を形成しておく。
そして、ストライプ状の帯状材料113Aを張架した状
態で、かかる薄膜118に、例えばレーザを用いて溶接
する。尚、突起部117は、例えば、ゲート電極支持部
の形成と同時に形成することができる。
【0138】また、実施の形態4の電界放出素子におけ
る開口部114の平面形状は円形に限定されない。帯状
材料113Aに設けられた開口部114の形状の変形例
を図15の(A)、(B)、(C)及び(D)に例示す
る。実施の形態4における電界放出素子を、次に述べる
実施の形態5にて説明する電界放出素子とゲート電極と
の組合せとすることもできる。
【0139】(実施の形態5)実施の形態5は、本発明
の電子放出体の製造方法、第1の態様に係る電界放出素
子の製造方法、並びに、第1の態様に係る所謂2電極型
の表示装置の製造方法に関し、更には、第4の方法に関
する。
【0140】実施の形態5の表示装置の模式的な一部断
面図、1つの電子放出部の模式的な斜視図、1つの電子
放出部の模式的な一部断面図のそれぞれは、図1、図
2、図5の(C)と同様である。
【0141】実施の形態5における電子放出体は、マト
リックス21、及び、先端部が突出した状態でマトリッ
クス21中に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造
体(具体的には、カーボン・ナノチューブ20)から成
り、マトリックス21は、導電性を有する金属酸化物
(具体的には、酸化インジウム−錫、ITO)から成
る。
【0142】また、実施の形態5における電界放出素子
は、支持体10上に設けられたカソード電極11、及
び、カソード電極11上に設けられた電子放出部15か
ら成る。そして、電子放出部15は、マトリックス2
1、及び、先端部が突出した状態でマトリックス21中
に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的
には、カーボン・ナノチューブ20)から成り、マトリ
ックス21は、導電性を有する金属酸化物(具体的に
は、酸化インジウム−錫、ITO)から成る。尚、実施
の形態5における表示装置やアノードパネルAPは、実
質的に、実施の形態1にて説明した表示装置やアノード
パネルAPと同様の構造を有するが故に、詳細な説明は
省略する。
【0143】以下、実施の形態5における電子放出体、
電界放出素子及び表示装置の製造方法を、図16を参照
して説明する。
【0144】[工程−500]先ず、実施の形態1の
[工程−100]と同様にして、例えばガラス基板から
成る支持体10上に矩形形状のカソード電極11を形成
する。同時に、カソード電極11に接続された配線11
A(図2参照)を支持体10上に形成する。導電材料層
は、例えばスパッタリング法により形成された厚さ約
0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
【0145】[工程−510]次に、カーボン・ナノチ
ューブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金
属化合物溶液をカソード電極11(基体に相当する)上
に、例えばスプレー法にて塗布する。具体的には、以下
の表6に例示する金属化合物溶液を用いる。尚、金属化
合物溶液中にあっては、有機錫化合物及び有機インジウ
ム化合物は酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に
溶解された状態にある。カーボン・ナノチューブはアー
ク放電法にて製造され、平均直径30nm、平均長さ1
μmである。塗布に際しては、支持体(基体)を70〜
150゜Cに加熱しておく。塗布雰囲気を大気雰囲気と
する。塗布後、5〜30分間、支持体(基体)を加熱
し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。このように、塗布
時、支持体(基体)を加熱することによって、基体ある
いはカソード電極の表面に対してカーボン・ナノチュー
ブが水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布
溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水
平にはならない状態で基体あるいはカソード電極の表面
にカーボン・ナノチューブを配置することができる。即
ち、カーボン・ナノチューブの先端部がアノード電極の
方向を向くような状態、言い換えれば、カーボン・ナノ
チューブ構造体を、基体あるいは支持体の法線方向に近
づく方向に配向させることができる。尚、予め、表6に
示す組成の金属化合物溶液を調製しておいてもよいし、
カーボン・ナノチューブを添加していない金属化合物溶
液を調製しておき、塗布前に、カーボン・ナノチューブ
と金属化合物溶液とを混合してもよい。また、カーボン
・ナノチューブの分散性向上のため、金属化合物溶液の
調製時、超音波を照射してもよい。
【0146】 [表6] 有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部 分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部 カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部 酢酸ブチル :残余
【0147】尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスと
して酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解
したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用い
れば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アン
チモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリッ
クスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化
合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マ
トリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。ま
た、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれ
ば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウ
ム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックス
として酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用い
れば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有
機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マト
リックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるい
は又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化イン
ジウム)を用いてもよい。
【0148】場合によっては、金属化合物溶液を乾燥し
た後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されてい
る場合がある。このような場合には、金属化合物層の上
に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液
を塗布することが望ましい。
【0149】[工程−520]その後、有機酸金属化合
物から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸
金属化合物を構成する金属原子(具体的には、In及び
Sn)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物で
あり、より一層具体的にはITO)21にてカーボン・
ナノチューブ20カソード電極(基体)11の表面に固
定された電子放出部15を得る。焼成を、大気雰囲気中
で、350゜C、20分の条件にて行う。こうして、図
16の(A)に示す構造を得ることができる。得られた
マトリックス21の体積抵抗率は、5×10-7Ω・mで
あった。有機酸金属化合物を出発物質として用いること
により、焼成温度350゜Cといった低温においても、
ITOから成るマトリックス21を形成することができ
る。尚、有機金属化合物溶液の代わりに、金属の塩化物
の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場
合、焼成によって塩化錫、塩化インジウムが酸化されつ
つ、ITOから成るマトリックス21が形成される。
【0150】[工程−530]次いで、全面にレジスト
層を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、
例えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そし
て、10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マ
トリックス21をエッチングして、電子放出部の不要部
分を除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノ
チューブが未だ存在する場合には、以下の表7に例示す
る条件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン
・ナノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワー
は0Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイア
スパワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例
えば80゜C程度に加熱してもよい。
【0151】[表7] 使用装置 :RIE装置 導入ガス :酸素を含むガス プラズマ励起パワー:500W バイアスパワー :0〜150W 処理時間 :10秒以上
【0152】あるいは又、表8に例示する条件のウェッ
トエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエ
ッチングしてもよい。
【0153】[表8] 使用溶液:KMnO4 温度 :20〜120゜C 処理時間:10秒〜20分
【0154】その後、レジスト層を除去することによっ
て、図16の(B)に示す構造を得ることができる。
尚、直径10μmの円形の電子放出部を残すことに限定
されない。例えば、電子放出部をカソード電極11上に
残してもよい。
【0155】[工程−540]次いで、以下の表9に例
示する条件にて、マトリックス21の表層部を除去し、
マトリックス21から先端部が突出した状態のカーボン
・ナノチューブ20を得ることが好ましい。こうして、
図16の(C)に示す構造の電子放出部15あるいは電
子放出体を得ることができる。場合によっては、マトリ
ックス21の全てをエッチングによって除去してもよ
い。
【0156】[表9] エッチング溶液:塩酸 エッチング時間:10秒〜30秒 エッチング温度:10〜60゜C
【0157】[工程−550]その後、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、複合体層22の表面に
剥離層を付着させた後、剥離層を機械的に引き剥がし、
先端部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ構造体
であるカーボン・ナノチューブ20がマトリックス21
中に埋め込まれた電子放出体あるいは電子放出部15を
得ることができる。
【0158】[工程−560]その後、実施の形態1の
[工程−150]と同様にして、電子放出体あるいは電
子放出部に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を
行うことが好ましい。これによって、電子放出体あるい
は電子放出部15が活性化し、電子放出体あるいは電子
放出部15からの電子の放出効率の一層の向上させるこ
とができる。プラズマ処理は、例えば、表4に例示した
条件と同様の条件にて行えばよい。
【0159】その後、カーボン・ナノチューブ20から
ガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処
理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ20の表
面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物
質を含むガスにカーボン・ナノチューブ20を晒しても
よい。また、カーボン・ナノチューブ20を精製するた
めに、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行って
もよい。
【0160】[工程−570]その後、実施の形態1の
[工程−160]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0161】尚、[工程−500]、[工程−51
0]、[工程−530]、[工程−520]、[工程−
540]〜[工程−570]の順に実行してもよい。
【0162】(実施の形態6)実施の形態6は、本発明
の電子放出体の製造方法、第2の態様に係る電界放出素
子の製造方法、並びに、第2の態様に係る所謂3電極型
の表示装置の製造方法に関し、更には、第4の方法に関
する。
【0163】実施の形態6の電界放出素子の模式的な一
部端面図、表示装置の模式的な一部端面図、カソードパ
ネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的
な部分的斜視図は、それぞれ、図11の(B)、図7、
図8に示したと同様である。実施の形態6においても、
電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電
極11(基体に相当する)、支持体10及びカソード電
極11上に形成された絶縁層12、絶縁層12上に形成
されたゲート電極13、ゲート電極13及び絶縁層12
に形成された開口部(ゲート電極13に形成された第1
の開口部14A、及び、絶縁層12に形成された第2の
開口部14B)、並びに、第2の開口部14Bの底部に
露出した電子放出部15から成る。電子放出部15は、
マトリックス21、及び、先端部が突出した状態でマト
リックス21中に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ
構造体(具体的には、カーボン・ナノチューブ20)か
ら成る。また、マトリックス21は酸化インジウム−錫
(ITO)から成る。
【0164】表示装置は、実施の形態2にて説明した表
示装置と同様の構造を有するので、詳細な説明は省略す
る。また、アノードパネルAPの構造は、実施の形態1
にて説明したアノードパネルAPと同様の構造とするこ
とができるので、詳細な説明は省略する。
【0165】以下、実施の形態6の電子放出体の製造方
法、電界放出素子の製造方法及び表示装置の製造方法
を、図9〜図11を参考にして説明する。
【0166】[工程−600]先ず、実施の形態2の
[工程−200]と同様にして、例えばガラス基板から
成る支持体10上にストライプ状のカソード電極11を
形成する。
【0167】[工程−610]その後、実施の形態5の
[工程−510]〜[工程−530]と同様にして、カ
ーボン・ナノチューブ構造体が分散された有機酸金属化
合物から成る金属化合物溶液を、加熱した状態にあるカ
ソード電極11(基体に相当する)上に塗布した後、有
機酸金属化合物から成る金属化合物を焼成することによ
って、有機酸金属化合物を構成する金属原子を含むマト
リックス(具体的には、ITOから成る)21にてカー
ボン・ナノチューブ20がカソード電極11の表面に固
定された電子放出部15を得ることができる(図9の
(A)参照)。尚、[工程−510]、[工程−53
0]、[工程−520]の順に実行してもよい。また、
有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化合物溶液
を用いてもよし、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化
錫、塩化インジウム)を用いてもよい。
【0168】[工程−620]次に、電子放出部15、
支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成
する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシ
ラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面
に、厚さ約1μmの絶縁層12を形成する。
【0169】[工程−630]その後、実施の形態2の
[工程−230]及び[工程−240]と同様にして、
絶縁層12上に第1の開口部14Aを有するゲート電極
13を形成し、更に、ゲート電極13に形成された第1
の開口部14Aに連通する第2の開口部14Bを絶縁層
12に形成する(図9の(B)参照)。尚、マトリック
ス21を金属酸化物、例えばITOから構成する場合、
絶縁層12をエッチングするとき、マトリックス21が
エッチングされることはない。即ち、絶縁層12とマト
リックス21とのエッチング選択比はほぼ無限大であ
る。従って、絶縁層12のエッチングによってカーボン
・ナノチューブ20に損傷が発生することはない。
【0170】[工程−640]その後、第2の開口部1
4Bの底部に露出した電子放出部15において、実施の
形態5の[工程−540]と同様にして、マトリックス
21の表層部を除去し、マトリックス21から先端部が
突出した状態のカーボン・ナノチューブ20を得ること
が好ましい(図10の(A)参照)。場合によっては、
マトリックス21の全てをエッチングによって除去して
もよい。
【0171】[工程−650]その後、実施の形態2の
[工程−260]と同様にして、絶縁層12に設けられ
た第2の開口部14Bの側壁面を等方的なエッチングに
よって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を
露出させるといった観点から、好ましい。こうして、図
10の(B)に示したと同様の電界放出素子を完成する
ことができる。
【0172】[工程−640]次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、複合体層22の表面に
剥離層24を付着させた後(図11の(A)参照)、剥
離層24を機械的に引き剥がす。これによって、先端部
が突出した状態で、しかも、先端部が基体あるいは支持
体の法線方向に近づく方向に配向した状態で、カーボン
・ナノチューブ構造体であるカーボン・ナノチューブ2
0がマトリックス21中に埋め込まれた電子放出体ある
いは電子放出部15を得ることができる(図11の
(B)参照)。
【0173】[工程−650]その後、実施の形態1の
[工程−150]と同様にして、電子放出体あるいは電
子放出部に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を
行うことが好ましい。プラズマ処理は、例えば、表4に
例示した条件と同様の条件にて行えばよい。
【0174】[工程−680]その後、実施の形態1の
[工程−160]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0175】尚、[工程−630]の後、[工程−65
0]、[工程−640]の順に実行してもよい。
【0176】以上、本発明を、実施の形態に基づき説明
したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実
施の形態において説明した各種の条件、使用材料、電界
放出素子や表示装置の構成や構造、製造方法は例示であ
り、適宜変更することができるし、カーボン・ナノチュ
ーブやダイヤモンド状アモルファスカーボンの作製、形
成方法や堆積条件も例示であり、適宜変更することがで
きる。例えば、実施の形態1において、[工程−10
0]〜[工程−110]の代わりに、実施の形態3の
[工程−300]〜[工程−310]を実行してもよ
い。また、実施の形態1の[工程−110]〜[工程−
120]において、レジスト材料層を用いた所謂リフト
オフ法の代わりに、リソグラフィ技術及びエッチング技
術を用いてもよい。即ち、カソード電極11(基体に相
当する)上にカーボン・ナノチューブ20を配置し、カ
ーボン・ナノチューブ20上にマトリックス21として
ダイヤモンド状アモルファスカーボンを堆積させて複合
体層を形成した後、複合体層の不要部分をリソグラフィ
技術及びエッチング技術によって除去してもよい。ま
た、実施の形態5の[工程−510]において、リフト
オフ法を用いて、カーボン・ナノチューブ構造体が分散
された金属化合物溶液をカソード電極11(基体に相当
する)の所望の領域上に、例えばスプレー法にて塗布し
てもよい。
【0177】複合体層の表面に剥離層を付着させる前
に、マトリックスの表層部を除去し、マトリックスから
先端部が突出した状態のカーボン・ナノチューブ構造体
を得ることが好ましいが、この工程は必須ではない。即
ち、剥離層を機械的に引き剥がしたとき、マトリックス
の表層部(最表面)が併せて剥離し、先端部が突出した
状態でカーボン・ナノチューブ構造体がマトリックス中
に埋め込まれた電子放出体あるいは電子放出部を形成す
ることも可能である。また、形成の条件によっては、複
合体層の形成時、先端部が突出した状態でカーボン・ナ
ノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれた電子
放出体あるいは電子放出部を得ることもできる。
【0178】発明の実施の形態においては、カーボン・
ナノチューブを使用したが、その代わりに、例えば、平
均直径30nm、平均長さ1μmのファイバー構造を有
し、CVD法(気相合成法)にて作製されたカーボン・
ナノファイバーを用いることもできる。また、ポリグラ
ファイトを使用することもできる。
【0179】マトリックスをダイヤモンド状アモルファ
スカーボンから構成する代わりに、例えば、水ガラスか
ら構成することもできる。この場合には、水ガラスをバ
インダー材料(マトリックス)として使用し、カーボン
・ナノチューブ構造体をバインダー材料及び溶媒に分散
したものを、基体上あるいはカソード電極の所望の領域
に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダー材料の焼
成を行えばよい。焼成は、例えば、乾燥大気中、400
°C、30分間の条件で行うことができる。また、複合
体層表面のマトリックスを除去するためには、水酸化ナ
トリウム(NaOH)水溶液を用いて水ガラス(マトリ
ックス)のウェットエッチングを行えばよい。水酸化ナ
トリウム(NaOH)水溶液の濃度、温度、エッチング
時間は、各種の試験を行い、最適条件を見い出せばよ
い。
【0180】基体、あるいは、電界放出素子におけるカ
ソード電極の表面に凹凸部を形成してもよい。凹凸部
は、例えば、基体あるいはカソード電極をタングステン
から構成し、エッチングガスとしてSF6を用い、カソ
ード電極を構成するタングステン結晶粒のエッチング速
度よりも粒界のエッチング速度の方が早くなるような条
件を設定してRIE法に基づくドライエッチングを行う
ことによって形成することができる。あるいは又、凹凸
部を、支持体上に球体60を散布しておき(図17の
(A)及び(B)参照)、球体60の上にカソード電極
111を形成した後(図18の(A)及び(B)参
照)、例えば球体60を燃焼させることによって除去す
る(図19の(A)及び(B)参照)方法にて形成する
ことができる。
【0181】電界放出素子においては、専ら1つの開口
部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電
界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電
子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1
つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あ
るいは又、ゲート電極に複数の第1の開口部を設け、絶
縁層にかかる複数の第1の開口部に連通した1つの第2
の開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態
とすることもできる。
【0182】本発明の電界放出素子において、ゲート電
極13及び絶縁層12の上に更に第2の絶縁層72を設
け、第2の絶縁層72上に収束電極73を設けてもよ
い。このような構造を有する電界放出素子の模式的な一
部端面図を図20に示す。第2の絶縁層72には、第1
の開口部14Aに連通した第3の開口部74が設けられ
ている。収束電極73の形成は、例えば、実施の形態2
にあっては、[工程−230]において、絶縁層12上
にストライプ状のゲート電極13を形成した後、第2の
絶縁層72を形成し、次いで、第2の絶縁層72上にパ
ターニングされた収束電極73を形成した後、収束電極
73、第2の絶縁層72に第3の開口部74を設け、更
に、ゲート電極13に第1の開口部14Aを設ければよ
い。尚、収束電極のパターニングに依存して、1又は複
数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応す
る収束電極ユニットが集合した形式の収束電極とするこ
ともでき、あるいは又、有効領域を1枚のシート状の導
電材料で被覆した形式の収束電極とすることもできる。
【0183】尚、収束電極は、このような方法にて形成
するだけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−
Feアロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2
ら成る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパ
ンチングやエッチングすることによって開口部を形成す
ることで収束電極を作製することもできる。そして、カ
ソードパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両
パネルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことに
よって、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層
12とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁
膜とアノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化
させ、その後、真空封入することで、表示装置を完成さ
せることもできる。
【0184】ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状
の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート
電極とすることもできる。この場合には、カソード電極
を実施の形態1にて説明したと同様の構造としておく。
そして、ゲート電極に正の電圧(例えば160ボルト)
を印加する。更には、各画素を構成するカソード電極と
カソード電極制御回路との間に、例えば、TFTから成
るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の
作動によって、各画素を構成するカソード電極への印加
状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0185】あるいは又、カソード電極を、有効領域を
1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電
極とすることもできる。この場合には、1枚のシート状
の導電材料の所定の部分に、電界放出素子を備え、各画
素を構成する電子放出領域を形成しておく。そして、か
かるカソード電極に電圧(例えば0ボルト)を印加す
る。更には、各画素を構成する矩形形状のゲート電極と
ゲート電極制御回路との間に、例えば、TFTから成る
スイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作
動によって、各画素を構成する電子放出部への電界の加
わる状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0186】
【発明の効果】本発明においては、電子放出体あるいは
電子放出部が、先端部が突出した状態でカーボン・ナノ
チューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれている構
造を得ることができるので、高い電子放出効率を達成す
ることができる。
【0187】しかも、複合体層の表面に剥離層を付着さ
せた後、剥離層を機械的に引き剥がすことによって、カ
ーボン・ナノチューブ構造体の突出した先端部を、基体
あるいは支持体の法線方向に近づく方向に配向させるこ
とができる。即ち、カーボン・ナノチューブ構造体の突
出した先端部を、一種の起毛状態とすることができる。
これによって、電子放出部の電子放出特性の向上、電子
放出特性の均一化を図ることができる。
【0188】また、本発明にあっては、電子放出体ある
いは電子放出部を形成する工程において、カーボン・ナ
ノチューブ構造体がマトリックスによって埋め込まれた
複合体層を形成するので、それ以降の工程、例えば、絶
縁層に開口部を形成する過程において、カーボン・ナノ
チューブ構造体が損傷を受け難い。また、複合体層を形
成した状態で、例えば開口部の形成を行うので、カーボ
ン・ナノチューブ構造体によってカソード電極とゲート
電極とが短絡することがなく、開口部の大きさや絶縁層
の厚さに制限を受けることもない。
【0189】本発明において、ダイヤモンド状アモルフ
ァスカーボンをマトリックスとして使用すれば、このダ
イヤモンド状アモルファスカーボンは極めて優れた固定
力(付着力)を有しており、カーボン・ナノチューブ構
造体を確実に基体やカソード電極に固定することができ
るし、その後の熱処理等によってマトリックスが熱分解
して固定力が低下したり、ガス放出することがなく、カ
ーボン・ナノチューブ構造体の特性劣化を招くことがな
い。また、カーボン・ナノチューブ構造体とダイヤモン
ド状アモルファスカーボンは本質的に同質の物質から構
成されているが故に、電子の通り道であるカーボン・ナ
ノチューブ構造体の部分の結晶性が変化したり、あるい
は又、かかる部分における原子の結合状態に変化が生じ
たりすることもなく、カーボン・ナノチューブ構造体の
電気的特性に変化が生じることがない。
【0190】加えて、カーボン・ナノチューブ構造体は
非常に優れた結晶体であるのに対して、ダイヤモンド状
アモルファスカーボンは非晶質であるが故に、エッチン
グレートの違いから、ダイヤモンド状アモルファスカー
ボンの方が早くエッチングされる。従って、マトリック
スとしてのダイヤモンド状アモルファスカーボンからカ
ーボン・ナノチューブ構造体の先端部を確実に突出させ
ることができる。
【0191】更には、ダイヤモンド状アモルファスカー
ボンは化学的に安定な物質であり、優れた機械的性質を
有しているので、カーボン・ナノチューブ構造体が物理
的ダメージを受けることを防止し得るし、マトリックス
としてダイヤモンド状アモルファスカーボンを形成した
後のプロセスにおける広いプロセス・ウインドを確保す
ることが可能となる。また、熱伝導率が高いので、抵抗
熱等によってカーボン・ナノチューブ構造体の温度が上
昇した場合でも放熱効果に優れており、カーボン・ナノ
チューブ構造体の熱的破壊を防止することができ、表示
装置の信頼性を高めることができる。
【0192】しかも、ダイヤモンド状アモルファスカー
ボンは非常に小さな電子親和力を有するので、仕事関数
を下げる効果を有し、電界放出のための閾値電界の低減
が可能となり、電界放出への応用に極めて有利である。
更には、ダイヤモンド状アモルファスカーボンは比較的
広いバンドギャップを有しているので、電子は優先的に
カーボン・ナノチューブ構造体を伝わり、電気的リーク
が発生する虞がない。
【0193】また、マトリックスを金属酸化物から構成
すれば、例えば、絶縁層に開口部を形成する過程におい
て、カーボン・ナノチューブ構造体が損傷を受け難い。
しかも、電子放出体あるいは電子放出部を形成した状態
で、例えば開口部の形成を行うので、カーボン・ナノチ
ューブ構造体によってカソード電極とゲート電極とが短
絡することがなく、開口部の大きさや絶縁層の厚さに制
限を受けることもない。
【0194】更には、金属酸化物によってカーボン・ナ
ノチューブ構造体を確実に基体やカソード電極に固定す
ることができるし、その後の熱処理等によってマトリッ
クスが熱分解して固定力が低下したり、ガス放出するこ
とがなく、カーボン・ナノチューブ構造体の特性劣化を
招くことがない。また、金属酸化物は物理的、化学的、
熱的に安定しているので、電子の通り道であるカーボン
・ナノチューブ構造体の部分の結晶性が変化したり、あ
るいは又、かかる部分における原子の結合状態に変化が
生じたりすることもなく、カーボン・ナノチューブ構造
体の電気的特性に変化が生じることがないし、基体やカ
ソード電極とカーボン・ナノチューブ構造体との間の電
気導電性を確実に確保することができる。
【0195】加えて、エッチングレートの違いから、マ
トリックスの方を早くエッチングすることができるが故
に、マトリックスとしての金属酸化物からカーボン・ナ
ノチューブ構造体の先端部を確実に突出させることがで
きる。更には、金属酸化物は化学的に安定な物質であ
り、優れた機械的性質を有しているので、カーボン・ナ
ノチューブ構造体が物理的ダメージを受けることを防止
し得るし、マトリックスとして金属酸化物を形成した後
のプロセスにおける広いプロセス・ウインドを確保する
ことが可能となる。また、熱伝導率が高いので、抵抗熱
等によってカーボン・ナノチューブ構造体の温度が上昇
した場合でも放熱効果に優れており、カーボン・ナノチ
ューブ構造体の熱的破壊を防止することができ、表示装
置の信頼性を高めることができる。
【0196】また、金属酸化物を、比較的低温の金属化
合物の焼成によって形成することができるし、金属化合
物溶液を用いるが故に、カーボン・ナノチューブ構造体
を基体やカソード電極上に均一に配置することが可能で
ある。
【0197】しかも、カーボン・ナノチューブ構造体が
分散された金属化合物溶液を基体やカソード電極上に塗
布する際、基体や支持体を加熱すれば、カーボン・ナノ
チューブ構造体の先端部を、基体あるいは支持体の法線
方向に近づく方向に出来る限り配向させることができる
結果、電子放出体あるいは電子放出部の電子放出特性の
一層の向上、電子放出特性の一層の均一化を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示
装置の模式的な一部断面図である。
【図2】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示
装置における1つの電子放出部の模式的な斜視図であ
る。
【図3】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部断面図である。
【図4】図3の引き続き、発明の実施の形態1における
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部断面図である。
【図5】図4の引き続き、発明の実施の形態1における
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部断面図である。
【図6】ダイヤモンド状アモルファスカーボンのラマン
・スペクトル図である。
【図7】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出表示
装置の模式的な一部端面図である。
【図8】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出表示
装置におけるカソードパネルとアノードパネルを分解し
たときの模式的な部分的斜視図である。
【図9】発明の実施の形態2における冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部断面図である。
【図10】図9に引き続き、発明の実施の形態2におけ
る冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための
支持体等の模式的な一部断面図である。
【図11】図10に引き続き、発明の実施の形態2にお
ける冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部断面図である。
【図12】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部断面図である。
【図13】発明の実施の形態4における冷陰極電界電子
放出素子の模式的な一部断面図、及び、ゲート電極等の
模式的な配置図である。
【図14】発明の実施の形態4の変形例における冷陰極
電界電子放出素子の模式的な一部断面図である。
【図15】発明の実施の形態4におけるゲート電極の有
する複数の開口部を示す模式的な平面図である。
【図16】発明の実施の形態5における冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部断面図である。
【図17】基体、あるいは、冷陰極電界電子放出素子に
おけるカソード電極の表面に凹凸部を形成する方法の一
例を説明するための支持体等の模式的な断面図、及び、
斜視図である。
【図18】図17に引き続き、基体、あるいは、冷陰極
電界電子放出素子におけるカソード電極の表面に凹凸部
を形成する方法の一例を説明するための支持体等の模式
的な断面図、及び、斜視図である。
【図19】図18に引き続き、基体、あるいは、冷陰極
電界電子放出素子におけるカソード電極の表面に凹凸部
を形成する方法の一例を説明するための支持体等の模式
的な断面図、及び、斜視図である。
【図20】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出素
子の変形であって、収束電極を備えた冷陰極電界電子放
出素子の模式的な一部端面図である。
【図21】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表
示装置におけるアノードパネルの製造方法を説明するた
めの基板等の模式的な一部断面図である。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネ
ル、10・・・支持体、11A・・・配線、11,11
1・・・カソード電極、12・・・絶縁層、112・・
・ゲート電極支持部、13,113・・・ゲート電極、
113A・・・帯状材料、14A,114・・・開口部
(第1の開口部)、14B・・・第2の開口部、15・
・・電子放出部、16,116・・・マスク層、117
・・・突起部、118・・・薄膜、20・・・カーボン
・ナノチューブ、21・・・マトリックス、22・・・
複合体層、23・・・選択成長領域、24・・・剥離
層、25・・・粘着層、26・・・保持フィルム、30
・・・基板、31,31R,31G,31B・・・蛍光
体層、32・・・ブラックマトリックス、33・・・ア
ノード電極、34・・・枠体、35・・・スペーサ、3
6・・・貫通孔、37・・・チップ管、40,40A・
・・カソード電極制御回路、41・・・ゲート電極制御
回路、42・・・アノード電極制御回路、60・・・球
体、72・・・第2の絶縁層、73・・・収束電極、7
4・・・第3の開口部

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)基体上に、カーボン・ナノチューブ
    構造体がマトリックスによって埋め込まれた複合体層を
    形成する工程と、 (b)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層
    を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカーボ
    ン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれ
    た電子放出体を得る工程、から成ることを特徴とする電
    子放出体の製造方法。
  2. 【請求項2】剥離層の機械的な引き剥がしは、引き剥が
    し力が基体の法線方向の成分を有した状態にて行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の電子放出体の製造方法。
  3. 【請求項3】剥離層は、粘着層あるいは接着層と、該粘
    着層あるいは接着層を保持する保持フィルムから成り、 複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、剥離層を
    構成する粘着層あるいは接着層を複合体層の表面に圧着
    する方法から成ることを特徴とする請求項1に記載の電
    子放出体の製造方法。
  4. 【請求項4】剥離層は、接着層と、該接着層を保持する
    保持フィルムから成り、 複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、複合体層
    の表面に剥離層に接着層を形成した後、剥離層上に保持
    フィルムを載置し、次いで、接着層を複合体層の表面及
    び保持フィルムに接着させる方法から成ることを特徴と
    する請求項1に記載の電子放出体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記工程(a)は、カーボン・ナノチュー
    ブ構造体を有機溶媒中に分散させたものを基体の所望の
    領域上に塗布し、有機溶媒を除去した後、カーボン・ナ
    ノチューブ構造体をダイヤモンド状アモルファスカーボ
    ンで被覆する工程から成ることを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれか1項に記載の電子放出体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】ダイヤモンド状アモルファスカーボンは、
    波長514.5nmのレーザ光を用いたラマン・スペク
    トルにおいて、波数1400乃至1630cm-1の範囲
    で半値幅50cm-1以上のピークを有することを特徴と
    する請求項5に記載の電子放出体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記工程(a)は、カーボン・ナノチュー
    ブ構造体をCVD法にて基体の所望の領域上に形成した
    後、カーボン・ナノチューブ構造体をダイヤモンド状ア
    モルファスカーボンで被覆する工程から成ることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電
    子放出体の製造方法。
  8. 【請求項8】ダイヤモンド状アモルファスカーボンは、
    波長514.5nmのレーザ光を用いたラマン・スペク
    トルにおいて、波数1400乃至1630cm-1の範囲
    で半値幅50cm-1以上のピークを有することを特徴と
    する請求項7に記載の電子放出体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記工程(a)は、バインダー材料にカー
    ボン・ナノチューブ構造体を分散させたものを基体の所
    望の領域に塗布した後、バインダー材料の焼成あるいは
    硬化を行う工程から成ることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4のいずれか1項に記載の電子放出体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】前記工程(a)は、カーボン・ナノチュ
    ーブ構造体が分散された金属化合物溶液を基体上に塗布
    した後、金属化合物を焼成する工程から成ることを特徴
    とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電
    子放出体の製造方法。
  11. 【請求項11】金属化合物は、有機金属化合物から成る
    ことを特徴とする請求項10に記載の電子放出体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】金属化合物は、有機酸金属化合物から成
    ることを特徴とする請求項10に記載の電子放出体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】金属化合物は、金属塩から成ることを特
    徴とする請求項10に記載の電子放出体の製造方法。
  14. 【請求項14】マトリックスは、導電性を有する金属酸
    化物から成ることを特徴とする請求項10に記載の電子
    放出体の製造方法。
  15. 【請求項15】マトリックスは、酸化錫、酸化インジウ
    ム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、
    又は、酸化アンチモン−錫から成ることを特徴とする請
    求項14に記載の電子放出体の製造方法。
  16. 【請求項16】マトリックスの体積抵抗率は、1×10
    -9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであることを特徴とする
    請求項10に記載の電子放出体の製造方法。
  17. 【請求項17】前記工程(a)において、カーボン・ナ
    ノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液の基体上
    への塗布中に、若しくは塗布した後、基体を加熱するこ
    とを特徴とする請求項10に記載の電子放出体の製造方
    法。
  18. 【請求項18】金属化合物は、有機金属化合物から成る
    ことを特徴とする請求項17に記載の電子放出体の製造
    方法。
  19. 【請求項19】金属化合物は、有機酸金属化合物から成
    ることを特徴とする請求項17に記載の電子放出体の製
    造方法。
  20. 【請求項20】金属化合物は、金属塩から成ることを特
    徴とする請求項17に記載の電子放出体の製造方法。
  21. 【請求項21】カーボン・ナノチューブ構造体は、カー
    ボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・ナノファイバ
    ーから成ることを特徴とする請求項1に記載の電子放出
    体の製造方法。
  22. 【請求項22】複合体層の表面に剥離層を付着させる前
    に、マトリックスの表層部を除去することを特徴とする
    請求項1に記載の電子放出体の製造方法。
  23. 【請求項23】(A)支持体上に形成されたカソード電
    極、及び、 (B)カソード電極上に形成された電子放出部、から成
    る冷陰極電界電子放出素子の製造方法であって、 (a)支持体上に設けられたカソード電極の所望の領域
    上に、カーボン・ナノチューブ構造体がマトリックスに
    よって埋め込まれた複合体層を形成する工程と、 (b)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層
    を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカーボ
    ン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれ
    た電子放出部を得る工程、から成ることを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  24. 【請求項24】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極、 (B)支持体及びカソード電極の上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、及
    び、 (E)開口部の底部に露出した電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子の製造方法であって、 (a)支持体上に設けられたカソード電極の所望の領域
    上に、カーボン・ナノチューブ構造体がマトリックスに
    よって埋め込まれた複合体層を形成する工程と、 (b)全面に絶縁層を形成する工程と、 (c)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (d)少なくとも絶縁層に開口部を形成し、該開口部の
    底部に前記複合体層を露出させる工程と、 (e)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層
    を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカーボ
    ン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれ
    た電子放出部を得る工程、から成ることを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  25. 【請求項25】剥離層の機械的な引き剥がしは、引き剥
    がし力が支持体の法線方向の成分を有した状態にて行う
    ことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  26. 【請求項26】剥離層は、粘着層あるいは接着層と、該
    粘着層あるいは接着層を保持する保持フィルムから成
    り、 複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、剥離層を
    構成する粘着層あるいは接着層を複合体層の表面に圧着
    する方法から成ることを特徴とする請求項23又は請求
    項24に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  27. 【請求項27】剥離層は、接着層と、該接着層を保持す
    る保持フィルムから成り、 複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、複合体層
    の表面に剥離層に接着層を形成した後、剥離層上に保持
    フィルムを載置し、次いで、接着層を複合体層の表面及
    び保持フィルムに接着させる方法から成ることを特徴と
    する請求項23又は請求項24に記載の冷陰極電界電子
    放出素子の製造方法。
  28. 【請求項28】前記工程(a)は、カーボン・ナノチュ
    ーブ構造体を有機溶媒中に分散させたものをカソード電
    極の所望の領域上に塗布し、有機溶媒を除去した後、カ
    ーボン・ナノチューブ構造体をダイヤモンド状アモルフ
    ァスカーボンで被覆する工程から成ることを特徴とする
    請求項23乃至請求項27のいずれか1項に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  29. 【請求項29】ダイヤモンド状アモルファスカーボン
    は、波長514.5nmのレーザ光を用いたラマン・ス
    ペクトルにおいて、波数1400乃至1630cm-1
    範囲で半値幅50cm-1以上のピークを有することを特
    徴とする請求項28に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  30. 【請求項30】前記工程(a)は、カーボン・ナノチュ
    ーブ構造体をCVD法にてカソード電極の所望の領域上
    に形成した後、カーボン・ナノチューブ構造体をダイヤ
    モンド状アモルファスカーボンで被覆する工程から成る
    ことを特徴とする請求項23乃至請求項27のいずれか
    1項に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  31. 【請求項31】ダイヤモンド状アモルファスカーボン
    は、波長514.5nmのレーザ光を用いたラマン・ス
    ペクトルにおいて、波数1400乃至1630cm-1
    範囲で半値幅50cm-1以上のピークを有することを特
    徴とする請求項30に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  32. 【請求項32】前記工程(a)は、バインダー材料にカ
    ーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソー
    ド電極の所望の領域に塗布した後、バインダー材料の焼
    成あるいは硬化を行う工程から成ることを特徴とする請
    求項23乃至請求項27のいずれか1項に記載の冷陰極
    電界電子放出素子の製造方法。
  33. 【請求項33】前記工程(a)は、カーボン・ナノチュ
    ーブ構造体が分散された金属化合物溶液をカソード電極
    上に塗布した後、金属化合物を焼成する工程から成るこ
    とを特徴とする請求項23乃至請求項27のいずれか1
    項に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  34. 【請求項34】金属化合物は、有機金属化合物から成る
    ことを特徴とする請求項33に記載の冷陰極電界電子放
    出素子の製造方法。
  35. 【請求項35】金属化合物は、有機酸金属化合物から成
    ることを特徴とする請求項33に記載の冷陰極電界電子
    放出素子の製造方法。
  36. 【請求項36】金属化合物は、金属塩から成ることを特
    徴とする請求項33に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  37. 【請求項37】マトリックスは、導電性を有する金属酸
    化物から成ることを特徴とする請求項33に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  38. 【請求項38】マトリックスは、酸化錫、酸化インジウ
    ム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、
    又は、酸化アンチモン−錫から成ることを特徴とする請
    求項37に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  39. 【請求項39】マトリックスの体積抵抗率は、1×10
    -9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであることを特徴とする
    請求項33に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  40. 【請求項40】前記工程(a)において、カーボン・ナ
    ノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液のカソー
    ド電極上への塗布中に、若しくは塗布した後、支持体を
    加熱することを特徴とする請求項33に記載の冷陰極電
    界電子放出素子の製造方法。
  41. 【請求項41】金属化合物は、有機金属化合物から成る
    ことを特徴とする請求項40に記載の冷陰極電界電子放
    出素子の製造方法。
  42. 【請求項42】金属化合物は、有機酸金属化合物から成
    ることを特徴とする請求項40に記載の冷陰極電界電子
    放出素子の製造方法。
  43. 【請求項43】金属化合物は、金属塩から成ることを特
    徴とする請求項40に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  44. 【請求項44】カーボン・ナノチューブ構造体は、カー
    ボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・ナノファイバ
    ーから成ることを特徴とする請求項23又は請求項24
    に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  45. 【請求項45】複合体層の表面に剥離層を付着させる前
    に、マトリックスの表層部を除去することを特徴とする
    請求項23又は請求項24に記載の冷陰極電界電子放出
    素子の製造方法。
  46. 【請求項46】冷陰極電界電子放出素子が複数設けられ
    たカソードパネル、及び、蛍光体層とアノード電極とを
    備えたアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて
    成る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に形成されたカソード電極、及び、 (B)カソード電極上に形成された電子放出部、から成
    り、 冷陰極電界電子放出素子を、 (a)支持体上に設けられたカソード電極の所望の領域
    上に、カーボン・ナノチューブ構造体がマトリックスに
    よって埋め込まれた複合体層を形成する工程と、 (b)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層
    を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカーボ
    ン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれ
    た電子放出部を得る工程、によって形成することを特徴
    とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  47. 【請求項47】冷陰極電界電子放出素子が複数設けられ
    たカソードパネル、及び、蛍光体層とアノード電極とを
    備えたアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて
    成る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子は、 (A)支持体上に設けられたカソード電極、 (B)支持体及びカソード電極の上に形成された絶縁
    層、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極、 (D)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、及
    び、 (E)開口部の底部に露出した電子放出部、から成り、 冷陰極電界電子放出素子を、 (a)支持体上に設けられたカソード電極の所望の領域
    上に、カーボン・ナノチューブ構造体がマトリックスに
    よって埋め込まれた複合体層を形成する工程と、 (b)全面に絶縁層を形成する工程と、 (c)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (d)少なくとも絶縁層に開口部を形成し、該開口部の
    底部に前記複合体層を露出させる工程と、 (e)複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層
    を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカーボ
    ン・ナノチューブ構造体がマトリックス中に埋め込まれ
    た電子放出部を得る工程、 によって形成することを特徴とする冷陰極電界電子放出
    表示装置の製造方法。
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