JP4365277B2 - 蛍光ランプ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蛍光ランプ及びその製造方法に関し、特に冷陰極から放出された電子を蛍光体に入射させて蛍光を発生させる蛍光ランプ及びその製造方法に関する。
蛍光を発生するランプとして、水銀蒸気中の放電により発生する紫外線を蛍光体に入射させるものや、キセノンを主成分とする不活性ガス中の放電により発生する紫外線を蛍光体に入射させるものが知られている。
水銀蒸気中の放電を利用するランプでは、明るさが水銀の蒸気圧に依存するため、明るさの温度依存性が大きい。低温下では、特に光量が低下する。また、環境温度が60℃を超えると光量が低下し始める。このため、使用に適した温度範囲が常温〜60℃程度と狭い。また、光量の立ち上がりに時間がかかる。
キセノン中の放電を利用するランプでは、明るさの温度依存性がほとんどなく、電圧を印加してからの光量の立ち上がりが早い。ところが、水銀を利用したランプに比べて発光効率が低い。さらに、通常、駆動電圧がパルス波または矩形波であるため、周囲の電子機器への影響が大きい。特に、車載用ナビゲーションシステムの液晶表示装置のバックライトに適用した場合に、ノイズが大きな問題になる。
下記の特許文献1に、冷陰極から放出された電子を蛍光体に入射させて蛍光を発生させる蛍光表示装置が開示されている。
電界放出型冷陰極装置の代表的な例として、スピント(C.A.Spindt)らの提案によるスピント型冷陰極装置が挙げられる。スピント型冷陰極装置においては、モリブデン等からなる微小な円錐状の金属突起を冷陰極として用いる。ところが、微小な円錐状の金属突起を、形状の再現性良く作製することが困難であり、製造歩留まりが低い。
特許文献1〜特許文献4に、カーボンナノチューブ等を用いた冷陰極装置が開示されている。これらの冷陰極装置では、支持基板上に形成されたカーボンナノチューブが冷陰極として作用する。また、特許文献1の従来の技術の欄に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)薄膜やダイヤモンド薄膜を支持基板上に堆積させ、この薄膜を冷陰極として用いる技術が開示されている。
特開平11−329312号公報 特開2003−86080号公報 特開2003−86079号公報 特開平10−149760号公報
支持基板上にカーボンナノチューブ等を形成した構造では、カーボンナノチューブ等と支持基板との間で充分な密着性が得られない。また、支持基板上に形成されたカソード電極と冷陰極との界面での電圧降下が、電子放出特性の劣化(電流飽和)の原因になる。また、界面に電流が集中することにより、冷陰極の破壊等が生じやすくなる。
本発明の目的は、冷陰極と支持基板との密着性が問題にならず、良好な電子放出特性を実現可能な冷陰極を用いた蛍光ランプを提供することである。
本発明の他の目的は、上記蛍光ランプの製造方法を提供することである。
本発明の一観点によると、中空の筒状部材と、前記筒状部材の一方の端部に取り付けられ、該筒状部材の中心側を向く面に凹凸が形成されたグラファイトからなる冷陰極と、前記筒状部材の内周面上に形成された蛍光体膜と、前記冷陰極から電子を引き出す電場を発生させる電子引出電極とを有する蛍光ランプが提供される。
本発明の他の観点によると、中空の筒状部材と、前記筒状部材の内周面のうち、軸方向に延在する一部の領域上に形成された蛍光体膜と、前記筒状部材の内部空洞内であって、前記蛍光体膜に対向する位置に配置され、該蛍光体膜側を向く表面に凹凸が形成されたグラファイトからなる冷陰極と、前記筒状部材の外周面上に形成され、前記冷陰極から電子を引き出す電場を発生させる電子引出電極とを有する蛍光ランプが提供される。
さらに、本発明の他の観点によると、少なくとも一端が開放された中空の筒状部材の内周面に、蛍光体膜を形成する工程と、前記筒状部材の内周面の長手方向に長い領域上の前記蛍光体膜を除去する工程と、前記蛍光体膜が除去された領域に、表面に凹凸が形成されたグラファイトからなる冷陰極を、凹凸の形成された面が前記蛍光体膜側を向くように取り付ける工程と、前記筒状部材の開放された端部を閉じ、内部空洞を真空排気する工程と
を有する蛍光ランプの製造方法が提供される。
表面に凹凸が形成されたグラファイトを冷陰極として使用することにより、良好な電子放出特性を実現することができる。
本発明の実施例による蛍光ランプで用いられるグラファイト製の冷陰極の製造方法について説明する。表面が鏡面状のグラファイト製の基板を準備する。この基板の表面を水素プラズマに晒す。この水素プラズマ処理は、例えば、マイクロ波プラズマエッチング装置を用いて行うことができる。
図1(A)に、水素プラズマ処理前のグラファイト基板の表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示し、図1(B)に、水素プラズマ処理後のグラファイト基板の表面のSEM写真を示す。図1(B)に示したグラファイト基板は、マイクロ波プラズマエッチング装置を用い、入力RFパワー800W、圧力約1330Pa(約10Torr)、水素流量80sccmの条件で30分間の水素プラズマ処理を行ったものである。
図1(A)に示されるように、水素プラズマ処理前の基板表面は、ほぼ平坦である。水素プラズマ処理を行うと、図1(B)に示されているように、面内の寸法が約0.5μm程度の微細な凹凸が形成される。一つの窪みと、それに隣接する窪みとの境界に尾根状の凸部が形成されていると考えられる。この尾根状の凸部の高さは一定ではなく、うねりをもっていると考えられる。このため、尾根状の凸部に沿って、先の尖った突起部が離散的に分布していると考えられる。
凹凸の形成されたグラファイト基板の表面に電界を発生させると、突起部の先端に電界が集中する。このため、表面が鏡面状である場合に比べて、グラファイト基板から電子が放出されやすいと考えられる。
図2に、グラファイト基板の電子放出特性の測定結果を示す。横軸はグラファイト基板の表面に発生する電界を単位「V/μm」で表し、縦軸は、グラファイト基板から放出された電子による電流を単位「A」で表す。図中の破線は、水素プラズマ処理前のグラファイト基板の測定結果を示し、実線は、水素プラズマ処理後のグラファイト基板の測定結果を示す。
水素プラズマ処理前の、表面が鏡面状のグラファイト基板からは、ほとんど電子が放出されないことがわかる。水素プラズマ処理により表面に凹凸を形成したグラファイト基板からは、表面の電界が10V/μmを超えた領域で電子が放出されていることがわかる。このため、水素プラズマ処理したグラファイト基板は、冷陰極として用いることが可能である。電子放出の閾値は、約10V/μmと考えられる。
上記実施例では、表面を水素プラズマに晒すことにより、突起が形成される。このため、支持基板上に多数の突起を成長させるスピント型冷陰極に比べて、製造工程を簡略化することができる。水素プラズマ処理で形成された突起は、本来グラファイト基板と一体であるため、突起と下地との密着性に起因する問題は生じない。また、グラファイト基板自体がカソード電極となるため、突起とカソード電極との接触抵抗に起因する問題も生じない。このように、上記方法により、低価格、長寿命、かつ安定な冷陰極を作製することができる。
水素プラズマ処理は、入力RFパワー100〜1000W、圧力1.33×10〜1.33×10Pa(1〜100Torr)、水素流量5〜100sccm、処理時間1〜100分の範囲内の条件で行ってもよい。この範囲内の条件で水素プラズマ処理を行っても、良好な電子放出特性を得ることができる。また、水素プラズマとグラファイト基板との間に適当な電位差を設けると、表面に形成される凹凸の高低差がより大きくなる場合がある。凹凸の高低差が大きくなると、より良好な電子放出特性を得ることができる。
上述の方法では、マイクロ波プラズマエッチング装置を用いて水素プラズマ処理を行ったが、その他のプラズマエッチング装置、例えば電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマ装置、反応性イオンエッチング(RIE)装置等を用いてもよい。また、グラファイトを化学的にエッチングするためのガスとして、水素以外に、酸素、CF等を用いることも可能である。なお、処理条件によっては、化学的なエッチング作用に物理的なスパッタリング作用が共存して、グラファイト基板の表面に凹凸が形成される。
上記実施例では、主として化学的なエッチング作用を利用して、グラファイト基板に凹凸を形成したが、主として物理的なスパッタリング作用を利用してもよい。例えば、スパッタリングガスとしてアルゴン(Ar)や窒素(N)を用いることができる。また、サンドブラスト等の機械的な表面処理により、グラファイト基板の表面に凹凸を形成してもよい。また、パルスレーザビームをグラファイト基板の表面に照射して損傷を与えることにより、凹凸を形成してもよい。
上述の表面処理を組み合わせてもよい。例えば、機械的な表面処理によって凹凸を形成し、その後化学的なエッチングまたは物理的なスパッタリングを行ってもよい。
グラファイト表面に凹凸を形成した後、表面にCOレーザ、Nd:YAGレーザ、エキシマレーザ等のレーザビームを照射することにより、電子放出特性を向上させることができるであろう。カーボンナノチューブを用いた冷陰極にレーザビームを照射すると電子放出特性が向上することが報告されている(例えば、J. S. Kim et. al., "Ultraviolet laser treatment of multiwallcarbon nanotubes grown at room temperature" Appl. Phys. Lett. 82, 1607(2003))。
図3に、上記実施例による方法で作製したグラファイト製の冷陰極の電子放出特性を、従来の冷陰極の電子放出特性と比較して示す。横軸は、冷陰極の表面の電界を単位「V/μm」で表し、縦軸は、電子放出に起因する電流を単位「A」で表す。図中の実線a、b、及びcは、それぞれ上記実施例による方法で作製したグラファイト製の冷陰極、FeNi合金基板上に熱CVDで形成したグラファイトナノファイバ(GNF)を用いた冷陰極、及びFeNi合金基板上にプラズマCVDにより形成したカーボンナノチューブ(CNT)を用いた冷陰極の電子放出特性を示す。
実施例による方法で作製したグラファイト製の冷陰極のグラフの傾きが、他の2つの冷陰極のグラフの傾きよりも急峻である。これは、抵抗成分が小さいことを表している。
上述のように、グラファイトの表面に凹凸を形成することにより、良好な冷陰極を作製することができる。
図4に、第1の実施例による蛍光ランプの断面図を示す。円筒状のガラスチューブ1の内周面に、厚さ約20μmの蛍光体膜2が形成されている。蛍光体膜2は、例えば白色蛍光体であるYS:TbとY:Euとを混合した蛍光体を溶媒に溶かしてガラスチューブ1の内周面に塗布し、乾燥させることにより形成される。蛍光体膜2の表面上に、アルミニウム(Al)からなる厚さ100〜200nmの電子引出電極3が蒸着されている。
ガラスチューブ1の両端が、フェースガラス5及び6により閉じられている。フェースガラス5及び6は、低融点フリットガラスによりガラスチューブ1に接着される。2本のリードピン7がフェースガラス5を貫通し、1本のリードピン8がフェースガラス6を貫通している。ガラスチューブ1内に気密な空洞が画定され、その内部空洞内が1.3×10−3Pa(1×10−5Torr)以下の圧力になるまで真空排気されている。内部空洞内にBaやTi等のゲッタを配置しておくことにより、内部空洞を長期間にわたって高真空に維持することができる。
リードピン7の内部空洞側の端部が、電子引出電極3に接続されている。リードピン8の内部空洞側の先端に冷陰極4が固定されている。このようにして、冷陰極4が、ガラスチューブ1の内部空洞の一方の端部に配置される。冷陰極4は表面に凹凸が形成されたグラファイトで構成され、凹凸を形成された面が、ガラスチューブ1の中心側を向くような姿勢で固定されている。
直流電源9の陽極が、リードピン7を介して電子引出電極3に接続され、陰極がリードピン8を介して冷陰極4に接続されている。
冷陰極4の表面に発生する電場の大きさが閾値を超えると、冷陰極4から電子が放出され、電子引出電極3に向かって加速される。電子引出電極3に衝突した電子は、電子引出電極3を貫通して蛍光体膜2まで到達する。この結果、蛍光体膜2の蛍光材料が励起され、白色の蛍光を発する。蛍光体膜2で発生した蛍光は、電子引出電極3で反射され、効率的に外部に放出される。
蛍光体としてYS:TbとY:Eu以外の材料を用いてもよい。例えば、蛍光体として結晶性のよいダイヤモンド、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ボロン(BN)等を用いると、波長250nm以下の紫外線を発生させることができる。この場合には、ガラスチューブ1の材料として、これらの蛍光材料がエピタキシャル成長し、かつ紫外線を透過させるものを用いる必要がある。
電子引出電極3が薄すぎると、ピンホール等が発生しやすくなり、反射効率が低下してしまう。逆に厚すぎると、加速された電子が電子引出電極3で吸収されてしまい、蛍光体膜2まで到達しなくなってしまう。例えば、加速エネルギ10keVで加速された電子は、Al膜の厚さを4μmまで厚くすると、透過率がほぼ0になってしまう。これらを考慮して、電子引出電極3の厚さは、上述のように100〜200nmとすることが好ましい。
第1の実施例の構造では、冷陰極4がガラスチューブ1の一方の端部に配置されているため、長さ方向に関して電子線の照射量が均一ではない。特に、ガラスチューブ1が長く、かつ細くなると、照射量の均一度が低下しやすい。このような場合には、電子引出電極3と冷陰極4との間に印加する電圧を調節することにより、均一度の低下を抑制することが出来る。
上記第1の実施例では、ガラスチューブ1の内周面上に蛍光体膜2を形成し、その上に電子引出電極3を形成したが、これとは逆に、ガラスチューブ1の内周面上に電子引出電極3を形成し、その上に蛍光体膜2を形成してもよい。この構造では、電子引出電極3は、ガラスチューブ1と蛍光体膜2との間に配置される。
この構造の場合、電子引出電極3及び蛍光体膜3に、蛍光体膜2から発生した蛍光を外に取り出すための窓を形成する必要がある。例えば、ガラスチューブ1の中心軸に垂直な断面において、ガラスチューブ1の内周面のうち、中心角90°の扇形で切り取られる領域を、電子引出電極3及び蛍光体膜2の形成されていない窓にすればよい。
図5に、第2の実施例による蛍光ランプの断面図を示す。第1の実施例では、電子引出電極3がガラスチューブ1の内側に配置されていたが、第2の実施例では、電子引出電極3がガラスチューブ1の外周面上に蒸着されている。また、第1の実施例では、冷陰極4と電子引出電極3との間に直流電圧が印加されたが、第2の実施例では、交流電源9Aが、リードピン8を介して冷陰極4に接続されると共に、リードピン7を介して電子引出電極3との間に接続されている。その他の構成は、第1の実施例による蛍光ランプの構成と同様である。
第2の実施例では、電子引出電極3の電位が冷陰極4の電位よりも高くなっている期間に、冷陰極4の表面に発生する電場の大きさが閾値を超えると、冷陰極4から電子が放出される。これにより、第1の実施例の場合と同様に、蛍光が発生する。発生した蛍光は、電子引出電極3を透過して外部に放射される。蛍光を効率的に外部に取り出すために、電子引出電極3を、インジウムスズ酸化物(ITO)等の透明導電材料で形成するか、またはメッシュ形状とすることが好ましい。
また、電子引出電極3がガラスチューブ1の外側に配置されている場合には、冷陰極4側を接地すると、電子引出電極3からの放電や漏電が発生しやすくなる。放電や漏電を抑制するために、電子引出電極3側を接地することが好ましい。蛍光体の緩和時間、蛍光ランプのキャパシタンス、冷陰極4から蛍光体膜2までの電子の飛翔時間等を考慮して、交流電圧の周波数を100Hz〜10MHzとすることが好ましい。なお、本願発明者らの実験によると、直流電圧を印加した場合でも、少なくとも10分間の発光が観測された。
図6(A)及び(B)に、第3の実施例による蛍光ランプの断面図を示す。図6(A)は、蛍光ランプの中心軸に平行な断面を示し、図6(B)は、垂直な断面を示す。
筒状のガラスチューブ1の内面に、中心軸を挟んでほぼ平行に対向する一対の平面領域画定されている。一方の平面領域上に、蛍光体膜2が形成され、その上に電子引出電極3が形成されている。他方の平面領域上に、表面に凹凸が形成されたグラファイト製の冷陰極4が固定されている。蛍光体膜2及び電子引出電極3の材料及び膜厚は、図4に示した第1の実施例による蛍光ランプのそれらと同一である。
ガラスチューブ1の両端がフェースガラス5及び6で閉じられている。フェースガラス6を、リードピン7及び8が貫通する。リードピン7は、電子引出電極3に接続され、もう一方のリードピン8は、冷陰極4に接続されている。直流電源9から、リードピン7及び8を介して、電子引出電極3及び冷陰極4に、電子引出電極3が冷陰極4よりも高い電位になるように、直流電圧が印加される。直流電圧は、例えば20〜30kVである。
次に、第3の実施例による蛍光ランプの製造方法について説明する。ガラスチューブ1を、その中心軸を含み、かつ一対の平面領域と平行な面で切断し、ガラス部材1A及び1Bに分離させる。ガラス部材1Aの平面領域上に、塗布法または蒸着法により蛍光体膜2を形成する。蛍光体膜2の表面上に、Alからなる電子引出電極3を蒸着する。筒状のガラスチューブ1を2つのガラス部材1Aと1Bとに分離しているため、ガラスチューブ1が細長い場合でも、蛍光体膜2及び電子引出電極3を容易に形成することができる。
もう一方のガラス部材1Bの平面領域に、冷陰極4を接着剤等で固定する。このとき、例陰極4の凹凸が形成された面が、ガラス部材1Bとは反対側を向くようにして、冷陰極4を固定する。
ガラス部材1Aと1Bとを、フリットガラス接着剤により貼り合わせ、元のガラスチューブ1の形状に復元する。このとき、一対の平面領域が、間隔を隔てて相互に平行に配置され、その側方が気密に閉じられる。両端の開放部を、フェースガラス5及び6で閉じ、内部を真空排気する。真空排気するためには、ガラスチューブ1に予め排気管を取り付けておき、排気管を介して真空排気した後、この排気管を封じ切ればよい。
ガラスチューブ1の長さが200mm、ガラスチューブ1の内面のうち相互に対向する一対の平面領域の間の間隔が5mm、蛍光体膜2及び電子引出電極3の幅が5mmの蛍光ランプを作製し、直流電圧を20kVにした時、約10mAの電流が流れ、蛍光が発生した。すなわち、消費電力は約200Wであった。
図6(C)に、第3の実施例の変形例による蛍光ランプの断面図を示す。この変形例では、図6(B)に示したガラス部材1Aの代わりに、平板のガラス部材1Cが用いられている。もう一方のガラス部材1Bの代わりに、円筒をその中心軸を含む平面で切断した半円筒形状のガラス部材1Dが用いられる。その他、種々の断面形状を有するガラス部材を用いることが可能である。
図6(A)及び(B)に示した第3の実施例、及び図6(C)に示したその変形例において、蛍光体膜2と電子引出電極3との積層の順序を逆にしてもよい。すなわち、電子引出電極3を、ガラスチューブ1と蛍光体膜2との間に配置してもよい。この場合、蛍光体膜2で発生した蛍光が、冷陰極4側から観測されることになる。このため、冷陰極4の寸法を、その機能が損なわれない程度に小さくすることが好ましい。
図7(A)及び(B)に、第4の実施例による蛍光ランプの断面図を示す。図7(A)は、蛍光ランプの中心軸に平行な断面を示し、図7(B)は、垂直な断面を示す。
第3の実施例では、電子引出電極3がガラスチューブ1内に配置されていたが、第4の実施例では、蛍光体膜2の形成されているガラス部材1Aの外側の面上に、電子引出電極3が形成されている。直流電源9の代わりに、交流電源9Aが用いられる。その他の構成は、第3の実施例による蛍光ランプの構成と同一である。
図7(C)に、第4の実施例の変形例による蛍光ランプの断面図を示す。第4の実施例の変形例による蛍光ランプは、図6(C)に示した第3の実施例の変形例による蛍光ランプの電子引出電極3を、平板状のガラス部材1Cの外側の表面上に形成した構造を有する。電子引出電極3は、ITO等の透明導電材料で形成されるか、またはメッシュ状にされる。
このように、電子引出電極3を、蛍光体膜2及び冷陰極4が配置された内部空洞の外側に形成しても、図5に示した第2の実施例と同様に、蛍光を発生させることができる。
図8(A)及び(B)に、第5の実施例による蛍光ランプの断面図を示す。図8(A)は、蛍光ランプの中心軸に平行な断面を示し、図8(B)は、垂直な断面を示す。
円柱状のガラスチューブ1の内面の、軸方向に延在する一部の領域上に、蛍光体膜2が形成されている。蛍光体膜2の表面に、電子引出電極3が形成されている。この形状の蛍光体膜2及び電子引出電極3は、内面全面に蛍光体を塗布し、その表面上にアルミニウム膜を蒸着した後、内面の一部の領域上に形成されている膜を、機械的、化学的、または両者を併用して除去することにより形成される。
ガラスチューブ1内に、グラファイトからなる細長い冷陰極4を挿入し、ガラスチューブ1の内面の露出した領域に固定する。冷陰極4は、蛍光体膜2に対向する位置に配置される。冷陰極4の、蛍光体膜2の方を向く表面に、凹凸が形成されている。
ガラスチューブ1の両端を、フェースガラス5及び6で塞ぎ、ガラスチューブ1内を真空排気する。リードピン7、8、及び電源9の構成は、図6に示した第3の実施例による蛍光ランプの構成と同一である。第3の実施例と同様に、蛍光を発生することができる。
図8(A)及び(B)に示した第5の実施例において、蛍光体膜2と電子引出電極3との積層の順序を逆にしてもよい。すなわち、電子引出電極3を、ガラスチューブ1と蛍光体膜2との間に配置してもよい。この場合、蛍光体膜2で発生した蛍光が、冷陰極4側から観測されることになる。このため、冷陰極4の寸法を、その機能が損なわれない程度に小さくすることが好ましい。
図9(A)及び(B)に、第6の実施例による蛍光ランプの断面図を示す。図9(A)は、蛍光ランプの中心軸に平行な断面を示し、図9(B)は、垂直な断面を示す。図8(A)及び(B)に示した第5の実施例では、電子引出電極3が、ガラスチューブ1の内部空洞内に形成されていたが、第6の実施例では、電子引出電極3が、ガラスチューブ1の外周面上に形成されている。電子引出電極3が形成されている領域は、蛍光体膜2の形成されている領域にほぼ整合する。電子引出電極3は、ITO等の透明導電材料で形成されるか、またはメッシュ状にされる。直流電源9の代わりに交流電源9Aが用いられている。その他の構成は、第5の実施例による蛍光ランプの構成と同一である。図7に示した第4の実施例と同様に、蛍光を発生することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
水素プラズマ処理前のグラファイト基板の表面の写真である。 水素プラズマ処理後のグラファイト基板の表面の写真である。 グラファイト基板の電子放出特性の測定結果を示すグラフである。 グラファイト製の冷陰極の電子放出特性を、従来の冷陰極の電子放出特性と比較して示すグラフである。 第1の実施例による蛍光ランプの断面図である。 第2の実施例による蛍光ランプの断面図である。 (A)及び(B)は、第3の実施例による蛍光ランプの断面図であり、(C)は、その変形例による蛍光ランプの断面図である。 (A)及び(B)は、第4の実施例による蛍光ランプの断面図であり、(C)は、その変形例による蛍光ランプの断面図である。 第5の実施例による蛍光ランプの断面図である。 第6の実施例による蛍光ランプの断面図である。
符号の説明
1 ガラスチューブ
2 蛍光体膜
3 電子引出電極
4 冷陰極
5、6 フェースガラス
7、8 リードピン
9 直流電源
9A 交流電源

Claims (9)

  1. 中空の筒状部材と、
    前記筒状部材の一方の端部に取り付けられ、該筒状部材の中心側を向く面に凹凸が形成されたグラファイトからなる冷陰極と、
    前記筒状部材の内周面上に形成された蛍光体膜と、
    前記冷陰極から電子を引き出す電場を発生させる電子引出電極と
    を有する蛍光ランプ。
  2. 前記電子引出電極が、前記蛍光体膜の表面上に形成されている請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記電子引出電極が、前記筒状部材と前記蛍光体膜との間に形成されている請求項1に記載の蛍光ランプ。
  4. 前記電子引出電極が、前記筒状部材の外周面上に形成されている請求項1に記載の蛍光ランプ。
  5. 前記電子引出電極は、導電材料で形成されたメッシュ形状を有するか、または前記蛍光体膜から発生する蛍光を透過させる導電材料で形成されている請求項4に記載の蛍光ランプ。
  6. 中空の筒状部材と、
    前記筒状部材の内周面のうち、軸方向に延在する一部の領域上に形成された蛍光体膜と、
    前記筒状部材の内部空洞内であって、前記蛍光体膜に対向する位置に配置され、該蛍光体膜側を向く表面に凹凸が形成されたグラファイトからなる冷陰極と、
    前記筒状部材の外周面上に形成され、前記冷陰極から電子を引き出す電場を発生させる電子引出電極と
    を有する蛍光ランプ。
  7. 前記電子引出電極は、導電材料で形成されたメッシュ形状を有するか、または前記蛍光体膜から発生する蛍光を透過させる導電材料で形成されている請求項に記載の蛍光ランプ。
  8. 少なくとも一端が開放された中空の筒状部材の内周面に、蛍光体膜を形成する工程と、
    前記筒状部材の内周面の長手方向に長い領域上の前記蛍光体膜を除去する工程と、
    前記蛍光体膜が除去された領域に、表面に凹凸が形成されたグラファイトからなる冷陰極を、凹凸の形成された面が前記蛍光体膜側を向くように取り付ける工程と、
    前記筒状部材の開放された端部を閉じ、内部空洞を真空排気する工程と
    を有する蛍光ランプの製造方法。
  9. 前記蛍光体膜を形成した後、該蛍光体膜を除去する前に、さらに、前記蛍光体膜の表面上に、電子引出電極を構成する導電体膜を形成する工程を有し、
    前記蛍光体膜を除去する工程において、該蛍光体膜を除去する領域の前記導電体膜も除去する請求項に記載の蛍光ランプの製造方法。
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