JP2006066169A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

【課題】電子放出部に付着した汚染源による表示装置の異常発光を防止するとともに、電子放出素子の電子放出性能を向上することが可能な表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】アノード電極15が設けられたアノードパネル2と、アノード電極15に向けて電子を放出する電子放出部9およびカソード電極5が設けられたカソードパネル1とを対向配置してなる電界放出型の表示装置の製造方法であって、カソードパネル1とアノードパネル2とを電極形成面側を対向させた状態で対向配置し、カソードパネル1とアノードパネル2の周縁部をシール材で接合する工程と、前記周縁部で接合された状態のカソードパネル1とアノードパネル2との間隙に、カソードパネル1またはアノードパネル2に設けられた貫通孔16Aからガスを導入して、間隙内の表面処理を行う工程と、貫通孔16Aを封止する工程とを有する表示装置の製造方法である。
【選択図】図7

Description

本発明は、表示装置の製造方法に関し、特に、アノード電極が設けられたアノードパネルと、アノード電極に向けて電子を放出する電子放出部およびカソード電極が設けられたカソードパネルとを対向配置してなる電界放出型の表示装置の製造方法に関する。
真空中におかれた金属等の導体あるいは半導体の表面に、ある閾値以上の電界を与えると、トンネル効果によって電子が障壁を通過し、常温時においても真空中に電子が放出される。この現象は電界放出(Field Emission)と呼ばれ、これによって電子を放出する素子は電界放出型素子(Field Emission Device)と呼ばれている。近年では、電界放出型の電子放出素子をエミッタとして用いたFED(Field Emission Display)が注目されている。FEDは、多数の電子放出素子が形成された表示パネルを備えるフラットディスプレイ装置(平面型表示装置)である。このFEDでは、電気的に選択(アドレッシング)された電子放出素子から電界の集中によって電子を放出させるとともに、この電子をアノードパネル側の蛍光体に衝突させて、蛍光体の励起・発光により画像を表示している。
また、上述したFEDにおいて、電子放出素子の性能を向上させるために、基板上に設けられた2つの素子電極(カソード電極)間に電子放出部を形成した後、活性化工程として電子放出部の先端に炭素および炭素化合物を堆積する活性化工程を行う例が報告されている。そして、この活性化工程を行った後、上記基板を配置したリアプレート(カソードパネル)と、素子電極(アノード電極)が設けられたフェースプレート(アノードパネル)とを電極形成面側を対向させた状態で対向配置し、各プレートの周縁部にフリットガラスを塗布し、大気中で400℃〜500℃に加熱して焼成し、支持枠を介して接合する(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−185793号公報
一方、近年では、電子放出部を構成するエミッタ材料としてカーボンナノチューブが注目されている。カーボンナノチューブは、高いアスペクト比を有し、先端の曲率半径も非常に小さいため、高い発光効率を実現するエミッタ材料として有望視されている。
しかし、上述したような表示装置の製造方法では、電子放出部の活性化工程は、カソードパネルとアノードパネルとをフリットガラス(シール材)で接合する接合工程の前に行われる。これにより電子放出部に炭素および炭素化合物を堆積させて活性化させたとしても、接合工程時の加熱により炭素および炭素化合物が除去されてしまう。また、この接合工程は大気中で行われることから、大気中またはフリットガラスからの汚染源が電子放出部に吸着することで、異常発光(ストレー)を引き起こしたり、この汚染源が電子放出部からの電子放出を阻害し、電子放出素子の電子放出性能が劣化して、FEDの発光効率が低減するという問題がある。特に、電子放出部を構成するエミッタ材料として、上述したようなカーボンナノチューブを用いた場合には、電子放出部の先端の汚染が電子放出性能に顕著に影響を与えてしまう。
上述したような課題を解決するために、本発明における電子部品の製造方法は、アノード電極が設けられたアノードパネルと、アノード電極に向けて電子を放出する電子放出部およびカソード電極が設けられたカソードパネルとを対向配置してなる電界放出型の表示装置の製造方法であって、次のような工程を順次行うことを特徴としている。まず、第1工程では、カソードパネルとアノードパネルとを電極形成面側を対向させた状態で対向配置し、カソードパネルとアノードパネルの周縁部をシール材で接合する工程を行う。次に、第2工程では周縁部で接合された状態のカソードパネルとアノードパネルとの間隙に、カソードパネルまたはアノードパネルに設けられた貫通孔からガスを導入して、間隙内の表面処理を行う。その後の第3工程では、貫通孔を封止する工程を行うことを特徴としている。
このような表示装置の製造方法によれば、アノードパネルとカソードパネルの周縁部をシール材で接合する工程の後で、カソードパネルとアノードパネルとの間隙内の表面処理を行う。このため、表面処理として、電子放出部の電子放出性能を活性化させる活性化物質を電子放出部に吸着させた場合であっても、接合工程時の加熱による活性化物質の除去が防止されることから、活性化物質の吸着が維持される。これにより、電子放出部の電子放出性能が活性化され、電子放出素子の電子放出性能を向上させることが可能となる。また、アノードパネルとカソードパネルの接合工程で発生するシール材または大気中からの汚染源がカソードパネルに設けられた電子放出部の先端に付着したとしても、間隙内の表面処理を行うことで、電子放出部の先端からこの汚染源が除去される。これにより、汚染源によるストレーが防止されるとともに、汚染源による電子放出部からの電子放出の阻害が防止されるため、これによっても電子放出部の電子放出性能が活性化され、電子放出素子の電子放出性能を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本発明の表示装置の製造方法によれば、電子放出素子の電子放出性能が向上することから、発光輝度を向上させることができるとともに、汚染源によるストレーが防止されることから、表示装置の歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明が適用される表示装置のパネル構造の一例を示す断面図であり、図2はその分解斜視図である。図1および図2においては、カソードパネル(カソード基板)1とアノードパネル(アノード基板)2とを所定の間隔を有して対向配置するとともに、カソードパネル1、アノードパネル2を枠体3によって一体的に組み付けることにより、表示パネルが構成されている。
図1に示すように、カソードパネル1上には、複数の電子放出素子が形成されている。これら複数の電子放出素子は、カソードパネル1の中央部に配置される表示領域に、マトリクス状に配列形成されている。各電子放出素子はカソードパネル1のベースとなる絶縁性の支持基板(例えば、ガラス基板)4と、この支持基板4上に積層状態で順に形成されたカソード電極5、絶縁層6およびゲート電極7と、ゲート電極7および絶縁層6に形成されたゲートホール8と、このゲートホール8の底部に形成された電子放出部9とによって構成されている。
カソード電極5は、複数のカソードラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲート電極7は、各カソードラインと交差(直交)する複数のゲートラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲートホール8はゲート電極7に形成された第1の開口部8Aと、この第1の開口部8Aに連通する状態で絶縁層6に形成された第2開口部8Bとから構成されている。そして、このゲートホール8の底部に形成される電子放出部9は、主として繊維状のエミッタ材料とバインダ材料とを含むエミッタ層10により形成されている。エミッタ層10の表面には、繊維状のエミッタ材料となる複数のカーボンナノチューブ11が配置されている。各々のカーボンナノチューブ11は、一端側がエミッタ層10のバインダ材料中に埋めこまれた状態で、エミッタ層10の表面から垂直方向に突出している。
一方、アノードパネル2は、ベースとなる透明基板12と、この透明基板12上に形成された蛍光体層13およびブラックマトリクス14と、これら蛍光体層13およびブラックマトリクス14を覆う状態で透明基板12上に形成されたアノード電極15とを備えている。蛍光体層13は図2の斜視図に示すように、赤色発光用の蛍光体層13Rと、緑色発光用の蛍光体層13Gと、青色発光用の蛍光体層13Bとから構成されている。ブラックマトリクス14は各色発光用の蛍光体層13R,13G,13Bの間に形成されている。アノード電極15は、カソードパネル1の電子放出素子と対向するように、アノードパネル2の中央部に配置される表示領域の全域に積層状態で形成されている。
これらのカソードパネル1とアノードパネル2とは、再び図1に示すように、それぞれの周縁部で枠体3を介してシール材(図示省略)により接合されている。また、例えばカソードパネル1には、カソードパネル1の表示領域より外側で、アノードパネル2との接合領域(周縁部)よりも内側には、例えば2つの貫通孔16A、16Bが設けられている。これら2つの貫通孔16A、16Bは、後述する製造方法において詳細に説明するように、一方の貫通孔16Aがカソードパネル1とアノードパネル2との間隙内の表面処理を行う際にガスを供給するガス供給口であり、もう一方の貫通孔16Bが真空排気用の排気口であることとする。ここでは貫通孔が2つ設けられた例について説明するが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。ただし、貫通孔が1つの場合には、排気口とガス供給口とが1つの貫通孔で兼用される。これら2つの貫通孔16A、16Bには、真空排気後に封じ切られるチップ管17が接続されている。ただし、図1は表示装置の組み立て完了状態を示しているため、チップ管17は既に封じ切られた状態となっている。
なお、ここでは、2つの貫通孔16A、16Bがカソードパネル1に設けられることとしたが、アノードパネル2に設けられていてもよい。また、カソードパネル1とアノードパネル2とに1つずつ設けられていてもよい。貫通孔16がアノードパネル2側に設けられる場合には、貫通孔16は、アノードパネル2の表示領域より外側で、カソードパネル1との接合領域(周縁部)よりも内側に設けられることとする。また、図1および図2においては、カソードパネル1およびアノードパネル2間のギャップ部分に介在される耐圧用のスペーサの表示を省略している。
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、カソード電極5に相対的な負電圧がカソード電極制御回路18から印加され、ゲート電極7には相対的な正電圧がゲート電極制御回路19から印加され、アノード電極15にはゲート電極7よりもさらに高い正電圧がアノード電極制御回路20から印加される。この表示装置において、実際に画像の表示を行う場合は、例えば、カソード電極5にカソード電極制御回路18から走査信号を入力し、ゲート電極7にゲート電極制御回路19からビデオ信号を入力する。または、カソード電極5にカソード電極制御回路18からビデオ信号を入力し、ゲート電極7にゲート電極制御回路19から走査信号を入力する。
これにより、カソード電極5とゲート電極7との間に電圧が印加され、これによって電子放出部9の先鋭部(ここではカーボンナノチューブ11の先端部)に電界が集中することにより、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて電子放出部9から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極15に引き付けられてアノードパネル2側に移動し、透明基板12上の蛍光体層13(13R,13G,13B(図2参照))に衝突する。その結果、蛍光体層13が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる。
次に、本発明の実施形態に係る表示装置の製造方法について説明する。かかる製造方法は、カソードパネル製造工程と、アノードパネル製造工程と、これらのパネルを組み合わせるパネル組み立て工程と、表面処理工程とを有している。
<カソードパネル製造工程>
まず、図3(A)に示すように、カソードパネル1(前記図1参照)のベースとなる支持基板4上に、例えばスパッタリング法により、クロム層からなるカソード電極5を約0.2μmの膜厚に形成する。
次に、図3(B)に示すように、例えばスパッタリング法によりカソード電極5を覆う状態で、支持基板4上に、例えば窒炭化シリコン(SiCN)膜からなる抵抗層21を、約0.2μmの厚さで形成する。この抵抗層21は、エミッタへの放電電流が大きくなった場合に、抵抗による電圧効果の増大によってエミッタに作用する実効電圧を減少させ、逆にエミッタへの放電電流が小さくなった場合はエミッタに作用する実効電圧を増加させることにより、放電電流を安定化させる役目を果たすものである。抵抗層21は必要に応じて形成される。
次に、抵抗層21上(抵抗層21を形成しない場合にはカソード電極5上)に、エミッタ材料となるカーボンナノチューブを配置するための処理を行う。具体的には、バインダ材料として熱分解性有機金属である有機スズおよび有機インジウムを用いるとともに、エミッタ材料としてカーボンナノチューブの粉末を用い、これらを例えば酢酸ブチル等の揮発性溶液中に分散させた混合溶液を調製する。この際、カーボンナノチューブの分散性を向上させるために超音波処理を行ってもよい。カーボンナノチューブには、例えば平均直径1nm、平均長さ1μmといったチューブ構造の単層カーボンナノチューブを用いることとする。
なお、エミッタ材料となるカーボンナノチューブとしては、上述した単層カーボンナノチューブ(SWNT)以外にも、多層カーボンナノチューブ(MWNT)やカーボンナノファイバーを用いることが可能である。また、バインダ材料としては、上述した熱分解性有機金属以外にも、例えば塩化スズ、塩化インジウムなどの金属塩を用いることが可能である。
続いて、上記の混合溶液をスプレー法等により抵抗層21上に塗布することにより、図3(C)示すように、カーボンナノチューブとバインダ材料とを含むエミッタ層(複合体層)10を形成する。このエミッタ層10は印刷法を用いて形成することも可能である。
その後、エミッタ層10を焼成する。この焼成条件の一例としては、窒素(N2)ガス雰囲気中で、焼成温度500℃、焼成時間30分で行うこととする。これにより、有機成分の蒸発によってバインダ材料中にカーボンナノチューブが埋め込まれた状態の固化したエミッタ層10が得られる。
次いで、図3(D)に示すように、エミッタ層10をストライプ状に加工する。具体的には、通常のリソグラフィー技術を用いて、エミッタ層10上にレジストパターン(図示省略)を形成し、このレジストパターンをマスクに用いた例えばウェットエッチングにより、エミッタ層10をストライプ状に加工する。このウェットエッチング条件の一例としては、エッチング液として塩酸を用い、エッチング時間10秒〜30分、エッチング温度10℃〜60℃で行うこととする。
続いて、図3(E)に示すように、上述したレジストパターンを用いて抵抗層21およびカソード電極5をパターンニングすることにより、抵抗層21およびカソード電極5をストライプ状に形成する。これにより、支持基板4上に複数本のカソードラインが形成される。その後、レジストパターンを除去する。
次に、図4(A)に示すように、例えば化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition(CVD))法により、カソード電極5、抵抗層21およびエミッタ層10を覆う状態で、支持基板4上に、例えばSiO2からなる絶縁層6を約5μmの膜厚で形成する。続いて、図4(B)に示すように、例えばスパッタリング法により、絶縁層6上に、例えばクロムからなるゲート電極(導電層)7を形成する。
次いで、図4(C)に示すように、ゲート電極7上にレジストパターン(図示省略)を形成し、このレジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、ゲート電極7をストライプ状に形成するとともに、このゲート電極7を貫通する第1の開口部8Aを形成する。この際、ストライプ状のゲート電極7は、カソード電極5とほぼ直角に交差(直交)する状態で形成される。これにより、上述したカソードラインに直交する複数本のゲートラインが形成される。
続いて、図5(A)に示すように、第1の開口部8Aの底部の絶縁層6を、例えばRIE法でエッチングすることにより、エミッタ層10の表面を露出する状態で、第2の開口部8Bを形成する。これにより、第1の開口部8Aおよび第2の開口部8Bからなるゲートホールが得られる。このゲートホール8は、例えば直径20μmの円形に形成される。また、ゲートホール8は、一画素当たり複数個(例えば、数十個)形成される。
次に、図5(B)に示すように、ゲートホール8の底部に露出されたエミッタ層10の上層部のバインダ材料を選択的に除去することにより、ゲートホール8の開口部分で、エミッタ層10の表面にカーボンナノチューブ11を露出させる。この場合には、例えば10%の塩酸を用いたウェットエッチングにより、エッチング温度10℃〜60℃、エッチング時間5秒〜60秒で行うこととする。
その後、図5(C)に示すように、エミッタ層10の表面で各々のカーボンナノチューブ11が一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブ11の配向処理を行う。具体的には、例えば図示しない粘着テープをエミッタ層10の表面を覆う状態で、ゲート電極7上に貼着した後、この粘着テープを引き剥がすことにより、支持基板4に対してカーボンナノチューブ11をほぼ垂直にさせる。
<アノードパネル製造工程>
まず、図6(A)に示すように、アノードパネルのベース基板となる透明基板12上にブラックマトリクス14のパターンを形成する。次に、図6(B)に示すように、ブラックマトリクス14の間を埋めこむ状態で、透明基板12上に、赤、緑、青の各色の蛍光体層13R、13G、13Bからなる蛍光体層13を形成する。次いで、蛍光体層13上およびブラックマトリクス14上にアルミニウム等の金属薄膜を蒸着することにより、アノード電極15を形成する。
<パネル組み立て工程>
次に、図7(A)に示すように、上述したカソードパネル1とアノードパネル2とを枠体3を介在させることにより一体的に組み付ける。この場合には、大気中で、カソードパネル1の周縁部およびアノードパネル2の周縁部にガラスフリットからなるシール材(図示省略)を塗布し、このシール材を介してカソードパネル1とアノードパネル2とで枠体3を挟持して加熱することで、カソードパネル1とアノードパネル2とを接合し、表示パネルを形成する。このカソードパネル1とアノードパネル2の接合工程は大気中で行われることとする。ここでは、カソードパネル1とアノードパネル2との間に枠体3が介在されることとしたが、本発明はこれに限定されず、カソードパネル1とアノードパネル2の周縁部がシール材により直接接合されていてもよい。
<表面処理工程>
上述したように、カソードパネル1とアノードパネル2との周縁部を、枠体3を介在させてシール材で接合した後、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内の表面処理を行う。ここでは、第1の表面処理として、カーボンナノチューブ11の高さを揃えるコンディショニング処理を行うこととする。この場合には、真空チャンバ(図示省略)内に、周縁部で接合された状態のカソードパネル1とアノードパネル2を配置し、カソードパネル1に設けられた一方の貫通孔16A(ガス供給口)は、チップ管17を介して酸素ガス(O2ガス)の供給機構と接続することとする。
そして、真空チャンバ内を真空状態(例えば、1×10-2Pa〜1×10-10Paの真空度)とすることで、もう一方の貫通孔16B(排気口)からカソードパネル1とアノードパネル2との間隙内を脱気する。その後、上述した貫通孔16A(ガス供給口)からカソードパネル1とアノードパネル2との間隙内に酸素ガスを導入した状態で、カソード電極5、ゲート電極7およびアノード電極15の各電極間に、実駆動時の最大ピーク電圧よりも高い所定の電圧を印加する。
ここで、実駆動時の最大ピーク電圧とは、最終製品として組み立てられた表示装置を実際に駆動して表示パネルに画像を表示する時に、カソード電極5、ゲート電極7およびアノード電極15に印加される電圧(カソード電圧、ゲート電圧、アノード電圧)に、各電極間で最も大きな電位差が得られる電圧をいう。例えば、実駆動時におけるカソード電極5の電位レベルをグラント電位(GND)とし、このグランド電位を基準として実駆動時にゲート電極7とアノード電極15に印加される単位長さ当たりの最大ピーク電圧を6V/μmに設定した場合には、それよりも1.2倍〜2倍高い設定、例えば約1.3倍高い8V/μmの設定でゲート電極7とアノード電極15にそれぞれ所定の電圧を印加する。
これにより、ゲートホール8内に実駆動時よりも強い電界が発生するとともに、この電界が高さの高いカーボンナノチューブ11に集中的に加わる。そうすると、高さの高いカーボンナノチューブ11の先端から電界の集中によって電子が放出されるとともに、これに伴う放出電流がカーボンナノチューブ11に流れてジュール熱が発生する。ジュール熱は電流の2乗に比例するため、高さが高くて電界が集中し易いカーボンナノチューブ11ほど多量のジュール熱を発生し、このジュール熱によってカーボンナノチューブ11が加熱される。その結果、カソードパネル製造工程で、エミッタの表面から突出させたカーボンナノチューブ11の高さがばらついていたとしても、高さが一定以上に高いカーボンナノチューブ11は、ジュール熱の発生により過度の過熱により焼き切れる。これにより、カーボンナノチューブ11の高さが平均化され、実駆動時に電子放出に寄与するカーボンナノチューブ11の本数が大幅に増加する。また、カーボンナノチューブ11の先端が焼き切れることで、シール材または大気中からカーボンナノチューブ11の先端に吸着している汚染源(電子放出を阻害するガス成分)も離脱されるため、カーボンナノチューブ11の先端が清浄化され、カーボンナノチューブ11の電子放出性能が活性化する。
この際、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内にO2ガスが導入されていることで、O2ガスを導入せずにこの処理を行う場合と比較して、一定以上に高いカーボンナノチューブ11が先端から焼き切れるまでの時間が短縮されるとともに、印加する電圧も低減することが可能となる。このO2ガスの導入量は、カーボンナノチューブ11の種類、具体的にはSWNTか、MWNTか、カーボンナノファイバーかによって適宜最適化する。このO2ガスのキャリアガスとして、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)またはアルゴン(Ar)等の不活性ガスを導入してもよい。
また、実駆動時の最大ピーク電圧と同じ電圧を印加したときには高さ不足によって電子放出に寄与しないカーボンナノチューブ11でも、実駆動時より印加電圧を上げることで電子を放出し、これに伴うジュール熱の発生によって電子放出性能が改善される。すなわち、電子放出によるジュール熱の発生によってカーボンナノチューブ11が加熱されると、上述したカソードパネル1とアノードパネル2との接合工程によりシール材または大気中からカーボンナノチューブ11の先端に吸着している汚染源が離脱されるため、カーボンナノチューブ11の先端が清浄化され、カーボンナノチューブ11の先端の電子放出性能が活性化する。このため、実駆動時には、より多くのカーボンナノチューブ11から電子を放出させることができる。
この後、真空チャンバ内を再び真空にすることで、貫通孔16B(排気口)からカソードパネル1とアノードパネル2との間隙内のO2ガスを排気する。次に、貫通孔16A(ガス供給口)から例えば水素ガス(H2ガス)を導入することで、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内の第2の表面処理を行う。ここでは、カーボンナノチューブ11の先端に電子放出性能の活性化処理を行うこととする。この場合には、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内に約2%のH2ガスをHe、Ar等の不活性ガスからなるキャリアガスとともに導入し、これらのガスが導入された状態でこの表示装置を駆動させることで、カーボンナノチューブ11の先端から電子を放出させる。これにより、この電子によりH2ガスがプラズマ化(イオン化)され、電子放出性能を活性化させる水素原子がカーボンナノチューブ11の先端に吸着する、または、カーボンナノチューブ11の先端に吸着していた酸素原子がプラズマ化された水素により還元されて除去されることにより、カーボンナノチューブ11の電子放出性能が活性化され、電子放出素子の電子放出性能が向上する。
なお、ここでは、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙にH2ガスを導入し、プラズマ化することで、カーボンナノチューブ11の先端に電子放出性能の活性化処理を行うこととしたが、導入するガスとしては、H2ガスの他に、一酸化炭素ガス(COガス)またはメタンガス(CH4ガス)等の有機系ガス、もしくはHe、Ar等の不活性ガス等が挙げられる。COガスまたはCH4ガス等の有機系ガスを導入した場合には、カーボンナノチューブ11の先端に、電子放出性能を活性化させる例えば炭素原子または炭素化合物が吸着することで、カーボンナノチューブ11の先端の電子放出性能が活性化される、または、カーボンナノチューブ11の先端に吸着していた酸素原子がプラズマ化された炭素により還元されて除去されることにより、カーボンナノチューブ11の電子放出性能が活性化される。また、不活性ガスを導入した場合には、プラズマ化された不活性ガス原子によるスパッタエッチングによりカーボンナノチューブ11の先端が清浄化されることにより、カーボンナノチューブ11の電子放出性能が活性化される。
この後の工程は、図7(B)に示すように、貫通孔16B(排気口)からカソードパネル1とアノードパネル2との間隙内のH2ガスおよび不活性ガスを真空排気して、チップ管17を封じ切ることで表示装置を形成する。
このような表示装置の製造方法によれば、カソードパネル1とアノードパネル2との周縁部をシール材で接合する接合工程の後で、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内の第1の表面処理および第2の表面処理を行うことから、第2の表面処理でカーボンナノチューブ11の先端に付着した電子放出性能を活性化させる水素原子が、パネルの接合工程時の加熱により除去されることが防止される。これにより、水素原子が付着した状態を維持することができることから、カーボンナノチューブ11の電子放出性能が活性化するため、表示装置の発光輝度を向上させることができる。
また、カソードパネル1とアノードパネル2の接合工程で発生するシール材または大気中からの汚染源がカソードパネル2に設けられたカーボンナノチューブ11の先端に付着したとしても、間隙内のコンディショニング処理を行うことで、カーボンナノチューブ11の先端から汚染源が除去される。したがって、カーボンナノチューブ11の先端の汚染源の付着による表示装置の異常発光を防止することができるため、表示装置の歩留まりを向上させることができる。また、カーボンナノチューブ11の先端から汚染源が除去されることによっても、カーボンナノチューブ11の電子放出性能が活性化するため、表示装置の発光輝度をさらに向上させることができる。
また、上述したようなコンディショニング工程を行うことで、カーボンナノチューブ11の高さを揃えることができるため、カーボンナノチューブ11の高さばらつきによる電子放出性能の不均一を抑制することができ、実駆動時により多くのカーボンナノチューブ11から電子を放出させることができる。
なお、上述した表示装置の製造方法では、カソードパネル1とアノードパネル2を接合した後、カーボンナノチューブ11の高さを揃えるコンディショニング処理(第1の表面処理)を行い、その後、カーボンナノチューブ11の先端に電子放出性能の活性化処理(第2の表面処理)を行うこととしたが、本発明はこれに限定されず、カーボンナノチューブ11の高さばらつきに問題がなければ、上記コンディショニング処理は行わずに、カーボンナノチューブ11の先端の電子放出性能の活性化処理のみを行ってもよい。また、上記コンディショニング処理を行った後のカーボンナノチューブ11の電子放出性能が十分であれば、上記活性化処理は行わなくてもよい。
また、上述した実施形態では、表示装置を駆動させることで、カーボンナノチューブ11から電子を放出し、導入したガスをプラズマ化することとしたが、本発明はこれに限定されず、表示装置の外側から高周波電界を印加してもよい。この場合には、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内に導入されたH2ガスが、印加された高周波電界によりプラズマ化され、間隙内の全域に充満する。このような表示装置の外側から高周波電界を印加する場合の例として、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙に、He、NeまたはAr等の不活性ガスを導入して処理を行う場合には、カソードパネル1とアノードパネル2との接合工程により大気中またはシール材からの汚染源がカソードパネル1とアノードパネル2との間隙内の表面全域に付着していたとしても、プラズマ化された不活性ガス原子によるスパッタエッチングにより、上記間隙内の表面全域が清浄化される。
さらに、上述した実施形態では、カソードパネル1とアノードパネル2との間隙内に導入されたガスをプラズマ化して表面処理を行う例について説明したが、上記間隙にガスを導入して排気することで、プラズマ化せずに間隙内の表面の清浄化等の表面処理を行ってもよい。また、上述した実施形態では、電子放出部がカーボンナノチューブ11を用いて構成された例について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばモリブデン(Mo)等のエミッタ材料からなるコーン型の電子放出部が設けられた縦型の電界放出素子であっても適用可能であり、平面型の電界放出素子であっても適用可能である。
本発明が適用される表示装置のパネル構造の一例を示す断面図である。 本発明が適用される表示装置のパネル構造の一例を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態にかかる表示装置の製造方法に含まれるカソードパネル製造工程を説明するための製造工程断面図である(その1)。 本発明の実施形態にかかる表示装置の製造方法に含まれるカソードパネル製造工程を説明するための製造工程断面図である(その2)。 本発明の実施形態にかかる表示装置の製造方法に含まれるカソードパネル製造工程を説明するための製造工程断面図である(その3)。 本発明の実施形態にかかる表示装置の製造方法に含まれるアノード製造工程を説明するための製造工程断面図である。 本発明の実施形態にかかる表示装置の製造方法に含まれるパネル組立工程および表面処理工程を説明するための製造工程断面図である。
符号の説明
1…カソードパネル、2…アノードパネル、5…カソード電極、9…電子放出部、11…カーボンナノチューブ、15…アノード電極、16A,16B…貫通孔

Claims (5)

  1. アノード電極が設けられたアノードパネルと、前記アノード電極に向けて電子を放出する電子放出部およびカソード電極が設けられたカソードパネルとを対向配置してなる電界放出型の表示装置の製造方法であって、
    前記カソードパネルと前記アノードパネルとを電極形成面側を対向させた状態で対向配置し、前記カソードパネルと前記アノードパネルの周縁部をシール材で接合する第1工程と、
    前記周縁部で接合された状態の前記カソードパネルと前記アノードパネルとの間隙に、前記カソードパネルまたは前記アノードパネルに設けられた貫通孔からガスを導入して、前記間隙内の表面処理を行う第2工程と、
    前記貫通孔を封止する第3工程とを有する
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 前記第2工程では、前記間隙に導入された前記ガスをプラズマ化して、前記間隙内の表面処理を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
  3. 前記第2工程では、前記表面処理が前記電子放出部の電子放出性能の活性化処理である
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
  4. 前記電子放出部がカーボンナノチューブを用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
  5. 前記第2工程では、前記ガスが酸素ガスであり、前記表面処理が前記カーボンナノチューブの高さを揃えるコンディショニング処理である
    ことを特徴とする請求項4記載の表示装置の製造方法。
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