JP2006260790A - 微小電子源装置、カソードパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗層を設計通りの抵抗値で安定化させることができる微小電子源装置の製造方法、及び抵抗層と帯電防止層を設計通りの抵抗値で安定化させることができるカソードパネルの製造方法を提供し、電子放出の均一化及び長寿命化を図ることのできる微小電子源装置及びカソードパネルを提供する。
【解決手段】表面にカーボンナノチューブの一端を突出させた微小電子源層12を備える微小電子源装置の製造方法において、カソード電極11と微小電子源層12との間に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aを形成する工程と、前記抵抗層I1aを構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を相変化させて結晶質の抵抗層I1cとする熱処理工程を有する。
【選択図】図4
【解決手段】表面にカーボンナノチューブの一端を突出させた微小電子源層12を備える微小電子源装置の製造方法において、カソード電極11と微小電子源層12との間に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aを形成する工程と、前記抵抗層I1aを構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を相変化させて結晶質の抵抗層I1cとする熱処理工程を有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、FED等の平面型表示装置に用いられる微小電子源装置の製造方法及びカソードパネルの製造方法に関するものであり、その製造方法により得られる微小電子源装置及びカソードパネルに関するものである。
テレビジョン受像機や情報端末機器等の表示措置は、薄型化、軽量化、大画面化、高精細表示化の要求に答えるため、重量や厚みに限界のあるCRTから平面型表示装置(フラットパネル表示装置)への移行する開発が盛んに行われている。情報端末機器のフラットパネル表示装置としては液晶パネルが広く普及しているが、高輝度化、大型化が困難なために家庭用テレビジョン受像器は開発段階に留まっている。
一方、フィールドエミッションディスプレー(以下、FEDと略す)は、少ない電力消耗で高解像度・高輝度のカラー表示が行えるというメリットから有力な大型のフラットパネル表示装置用賭して開発が進んでいる。FEDは電子放出を行うチップ型カソードとカソードから放出された電子が衝突することにより蛍光体を励起発光させて所望のパターン、文字、記号を表示する装置である。
公知のFEDの構成は複数本の行配線につながったカソードと複数本の列配線につながったゲートからなるエミッタアレイパネルと蛍光体を塗布されたアノードパネルを絶縁性のスペーサを挟んで積層するものである(例えば、特許文献1,2参照。)。
また、エミッタアレイパネルはガラス等の誘電体板もしくはSi板上にCVD法、エッチング法、真空蒸着法もしくはスパッタ法及び光リソグラフィー法により所望の画素数に応じたマトリックスをなす行配線・列配線と1画素当り複数のカソードチップ及びカソードチップと誘電体で絶縁されたカソードチップに対応した穴を開口したゲート電極を形成して作成する。
アノードパネルはガラス等の誘電体板にITO等の透明電極を堆積させた上に各1画素に対応した赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体についてそれぞれ遮光格子を介して縞状に塗布して作成する。
従来の電界放出型ディスプレイでは、電子放射エミッタを2次元的に配列し、これに引き出し電極とカソード電圧用配線をマトリックス状に配置し、カソード先端から強電界によって放射されてきた電子により蛍光体を光らせる手法が用いられている。
従来のWを始めとする金属製のエミッタが用いられてきたが、近年になってエミッタ材料の仕事関数を下げることにより低しきい値でのエミッションを可能にする材料としてDLC(ダイヤモンド状カーボン)を始めとするカーボン材料が注目されている。
また、従来の様にエミッタ構造を作ることなく平面から電子放出させる試みが開示されおり(例えば、非特許文献1参照。)、特にカーボンナノチューブと呼ばれる微細構造を有する炭素系構造体は、その良好な電子放出特性を有することから注目を集めている。さらに、これらのカーボンナノチューブの特徴を生かして導電性材料と混合して電子放出源を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
一方、大画面のディスプレイ装置では微小電子源をマトリクス上に配列して画面が構成されるために、これらの微小電子源素子の輝度バラツキが小さいことが要求される。ディスプレイ装置の製造時には、微小電子源素子毎に輝度の調整が行われる。微小電子源素子の輝度は蛍光体が受けるエミッション電流と蛍光体の発光効率とにより決まる。これらの微小電子源素子にはエミッション特性のバラツキが存在する。
このため、微小電子源素子の輝度を測定し、測定した輝度が所定値になるようにゲート電圧が調整することでエミッション電流を調整する機構が提案されている。
このため、微小電子源素子の輝度を測定し、測定した輝度が所定値になるようにゲート電圧が調整することでエミッション電流を調整する機構が提案されている。
しかしながら、従来の微小電子源素子の駆動方法及び駆動回路では、エミッション電流を一定に制御するために微小電子源の駆動回路に定電流源設けた場合にはゲート電極と微小電子源の間の静電容量が大きいために、微小電子源素子の応答速度が遅くなる。このため、高周波のパルス電圧(ゲート電圧)に追従させて駆動することができず、映像を良好に表示することができないといった問題があった。
このような駆動速度の低下については、エミッション電流検出工程と、前記エミッション電流検出工程で検出される電流を設定値と比較、制御するゲート電圧制御工程とエミッション電流が設定値に達したときにゲート電圧を保持するゲート電圧保持工程を含むことを特徴とする手段が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。具体的には、エミッション電流検出回路と複数の微小電子源とを電気的に接続し、エミッション電流が規定値に達したとき、エミッション電流検出器と複数の微小電子源とを電気的に接続し、エミッション電流が設定値に達したときのゲート電圧を保持する微小電子源素子の駆動方法である。この方法により、輝度を一定に保ち、その寿命を長くすることができるとともに、高周波のゲート電圧を追従させて高速に動作させることができるが、複雑な回路が必要なことや高価な回路を導入する必要があることから高価な対策になる懸念があった。
これに対して、輝度バラツキを低減する方法として、抵抗層上に微小電子源を配置し、電子捕捉層上にゲート電極を配する構造を有する微小電子源装置及び該微小電子源の製造方法が提案されている(例えば、特許文献5,6参照。)。ここで、当該発明では不純物をドープしたシリコンを用いて抵抗層を形成しているが、この場合には不純物の活性化処理を必要とするために、高温処理が必須となっており、ガラス基板への適用が制限されていた。
そこで、スパッタ法等の定法により形成可能な炭化珪素膜が上記輝度バラツキを低減する方法として提案されている(例えば、特許文献7参照。)。しかし、スパッタ等の定法にて形成された炭化珪素膜では構造が不安定でデバイスの製造工程における熱処理工程で空気中の酸素や窒素と容易に反応して窒化珪素や酸化珪素に変化する。このため、デバイス製造工程で抵抗値が変化するために所望の抵抗値が得られず均一性や寿命の向上が図れないといった懸念があった。
以上のように、微小電子源素子の輝度バラツキを少なくする形成する方法を確立することが急務になっており、簡便な手法により微小電子源素子の輝度バラツキを低減する技術が切望されている。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、抵抗層を設計通りの抵抗値で安定化させることができる微小電子源装置の製造方法、及び抵抗層と帯電防止層を設計通りの抵抗値で安定化させることができるカソードパネルの製造方法を提供し、電子放出の均一化及び長寿命化を図ることのできる微小電子源装置及びカソードパネルを提供することを目的とする。
発明者らは、上述の問題点について鋭意検討を行う過程の中で、炭化珪素膜の不安定な構造を真空中で熱処理することが電子放出の均一性や寿命の改善に最も好ましい結果が得られることを見出し、そのための各要素工程を開発して本発明を完成した。
前記課題を解決するために提供する本発明は、支持基板上にカソード電極を形成する工程と、前記カソード電極上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層を形成する工程と、前記抵抗層上にカーボンナノチューブが結合剤からなる導電性のマトリクス中に埋め込まれた複合層を形成する工程と、前記複合層の上層部の前記マトリクスを除去することにより、前記複合層の表面に前記カーボンナノチューブの一端を突出させて微小電子源層とする工程とを有する微小電子源装置の製造方法において、前記抵抗層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる熱処理工程を有することを特徴とする微小電子源装置の製造方法である(請求項1)。
ここで、前記熱処理工程は、前記カーボンナノチューブと結合剤を含むカーボンナノチューブ分散液の塗膜を加熱して前記複合層とする焼成処理を兼ねていることが好ましい。
前記課題を解決するために提供する本発明は、前記カソード電極を複数本のラインとし、前記複合層を形成した後に、前記支持基板、カソード電極、抵抗層、複合層を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる帯電防止層を形成する工程と、前記帯電防止層上に前記カソード電極のラインと直交する複数本のゲート電極のラインを形成し、該ゲート電極のライン間に前記帯電防止層を露出させる工程と、前記カソード電極のラインとゲート電極のラインの重なる領域に前記複合層を露出させるゲートホールを形成する工程と、前記複合層の上層部の前記マトリクスを除去することにより、前記複合層の表面に前記カーボンナノチューブの一端を突出させて微小電子源層とする工程とを有するカソードパネルの製造方法において、前記帯電防止層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる帯電防止層熱処理工程を有することを特徴とするカソードパネルの製造方法である(請求項3)。
ここで、前記帯電防止層熱処理工程は、前記抵抗層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる熱処理を兼ねていることが好ましい。
また、前記抵抗層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる抵抗層熱処理工程を有することが好ましい。このとき、前記抵抗層熱処理工程は、前記カーボンナノチューブと結合剤を含むカーボンナノチューブ分散液の塗膜を加熱して前記複合層とする焼成処理を兼ねているとよい。
前記課題を解決するために提供する本発明は、支持基板上にカソード電極、層間絶縁膜、ゲート電極が順に積層されてなり、前記ゲート電極及び層間絶縁膜に形成されたゲートホールと、該ゲートホールの底部に形成され、導電性のマトリクスと一端が突出した状態で前記マトリクスに埋まったカーボンナノチューブとを有する微小電子源層とを備える微小電子源装置において、前記微小電子源層とカソード電極との間に、結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層を備えることを特徴とする微小電子源装置である(請求項7)。
前記課題を解決するために提供する本発明は、支持基板上に複数本のカソード電極のラインと、複数本のゲート電極のラインとが絶縁した状態で直交して配置され、前記カソード電極のラインとゲート電極のラインとが重なる領域で請求項7に記載の微小電子源装置を備えるカソードパネルであって、前記ゲート電極のライン間の露出部分は、結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなることを特徴とするカソードパネルである(請求項8)。
本発明の微小電子源装置の製造方法によれば、簡便な方法で抵抗層を設計通りの抵抗値で安定化させることができる。
従来の成膜されたままの炭化珪素膜中には反応性に富む非結晶質(アモルファス)のα-SiC相が含有されているが、この相はデバイスの製造工程で用いられる各種熱処理工程において酸素や窒素等と容易に反応しSiOやSiNに変化するために、抵抗値の上昇を招いてしまっていた。そのため、従来の微小電子源装置では抵抗層を所望の抵抗値に制御することが困難であり、期待していた電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命の改善が見込めなかった。
これに対して、本発明では予め熱処理により、反応性の高いα-SiC相を安定な立方晶(結晶質)のc-SiC相に変化させることでデバイス製造工程でも抵抗値が変化することなく、設計された抵抗値を得る事ができ、電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命の改善を達成することが可能となっている。
本発明のカソードパネルの製造方法によれば、簡便な方法で前記微小電子源装置の製造方法と同じ原理で抵抗層及び帯電防止層を設計通りの抵抗値で安定化させることができる。
また、本発明の微小電子源装置によれば、設計通りの安定した抵抗値の抵抗層を有することにより、電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命を改善することができる。
また、本発明のカソードパネルによれば、設計通りの安定した抵抗値の抵抗層及び帯電防止層を有することにより、電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命を改善することができる。
また、本発明の微小電子源装置によれば、設計通りの安定した抵抗値の抵抗層を有することにより、電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命を改善することができる。
また、本発明のカソードパネルによれば、設計通りの安定した抵抗値の抵抗層及び帯電防止層を有することにより、電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命を改善することができる。
以下に本発明に係る微小電子源装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1、図2は微小電子源装置の製造工程図である。各工程の詳細を説明する。
図1、図2は微小電子源装置の製造工程図である。各工程の詳細を説明する。
(S1)基板10上にCr等からなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する(図1(a))。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してストライプ状のカソード電極11とする。この時点で基板10上には複数本のカソードラインが形成される。
ここで、基板10は、平面型表示装置においてカソードパネル1のベースとなるガラスなどからなる絶縁性の基板である。
また、カソード電極11は、導電材料からなる導電膜である。例えばスパッタリング法により形成される厚み0.2μm程度のクロム(Cr)層である。
また、カソード電極11は、導電材料からなる導電膜である。例えばスパッタリング法により形成される厚み0.2μm程度のクロム(Cr)層である。
(S2)カソード電極11及び基板10上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aを形成する(図1(b))。
ここで、抵抗層I1aは、例えばスパッタリング法により形成されるものであり、アモルファス相の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を含んだ状態にある。
また、抵抗層I1aは後述の熱処理工程で結晶質からなる抵抗層I1cとして抵抗値を固定するが、その抵抗値は成膜時の膜厚及び窒素量で制御することが可能である。抵抗層I1aの膜厚は100nm〜3μmの範囲で適宜設定するとよい。また、膜厚が200nmの場合に表面抵抗値は窒素なしで5×107ohm/□となり、窒素流量を上げていくと表面抵抗値は増加し、窒素流量80sccmで7×1012ohm/□まで変化させることができた。すなわち、抵抗層I1cの抵抗値と抵抗層I1c中の窒素濃度の間に相関があり、例えば表面抵抗値1×108ohm/□のときに抵抗層I1c中のSi/C/N組成比が42.5/42.5/5atom%であり、表面抵抗値1×1012ohm/□のときに抵抗層I1c中のSi/C/N組成比が30/30/40atom%であった。なお、Si/C比はおおよそ1:1の関係で変化する。
(S3)ステップS2で作製されたものを真空中または不活性気体(例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンガス)雰囲気中で熱処理する。その熱処理を行う装置を図3に示す。
図3に示す減圧処理装置40は、減圧処理槽41と排気装置50とに大別される。減圧処理槽41は実質的に密封された閉鎖内部空間を有し、カソード電極11及び基板10上に抵抗層I1aが形成された被処理物Sを載置するステージ44がある。減圧処理槽41の周囲には被処理物Sを加熱するヒータ45が設置され、所望の温度に加熱されている。減圧処理槽41は排気装置50と接続されており、減圧処理槽41の圧力を所望の圧力に制御することができる。ここでは、残留ガス中の酸素や窒素が抵抗層I1aに悪影響を及ぼさない程度に減圧してあることが好ましい。なお、図3の減圧処理装置40は基本的な構成を示しており、加熱方法については種々の変更が可能である。例えば、ステージ44内にヒータを包埋した形態としてもよい。
ここで、熱処理温度は、抵抗層I1a中のアモルファス相の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素が結晶質に変化する(例えば、a−SiCからc−SiCに相変化する)温度領域以上の温度であればよい。例えば、この熱処理温度として、200〜1000℃で本発明の効果が認められ、350〜700℃で最もよい効果が見られる。
この熱処理により、抵抗層I1aは結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなる。
この熱処理により、抵抗層I1aは結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなる。
(S4)複数のカーボンナノチューブと、In,Sn,Zn,Alの少なくとも1つを含有する有機金属化合物を含む結合剤と、溶媒とを所定量混合して調製されたカーボンナノチューブ分散液を抵抗層I1c上に塗布した後、焼成して複合層12Lを形成する。複合層12Lは、この段階では結合剤からなる導電性のマトリクス中に前記カーボンナノチューブが分散して埋め込まれた状態である。
カーボンナノチューブは、例えば平均直径1nm、平均長さ1μmといった非常に細長いチューブ構造(繊維状)を有するものを用いる。あるいは、例えば平均直径30nm、平均長さ1μmのファイバー構造を有するカーボンナノファイバーを用いてもよい。
(S5)ついで、常法のフォトリソグラフィによりカソード電極11上の微小電子源層12表面のみにレジスト層を形成し、ウェットエッチングにより抵抗層I1c及び複合層12Lをエッチング加工してカソード電極11上の抵抗層I1c及び複合層12Lだけを残す。これにより基板10上にカソード電極11、抵抗層I1c、複合層12Lの積層部が形成される。
(S6)つぎに、基板10上において、カソード電極11/抵抗層I1c/複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lを形成し、さらに該層間絶縁膜13L上にゲート電極形成用の導電膜14Lを形成する(図1(c))。
層間絶縁膜13Lは、例えばシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、炭化水素膜(有機膜)、ポリイミド膜(有機膜)、窒化硼素膜、ポリエーテル膜(有機膜)等が挙げられる。シリコン酸化物(SiO2)は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、基板10の全面に厚さ約1μmのSiO2膜として形成すればよい。
また、導電膜14Lは導電膜11Lと同様にスパッタリング法によってCr膜を形成すればよい。
層間絶縁膜13Lは、例えばシリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、シリコン窒化膜、炭化水素膜(有機膜)、ポリイミド膜(有機膜)、窒化硼素膜、ポリエーテル膜(有機膜)等が挙げられる。シリコン酸化物(SiO2)は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、基板10の全面に厚さ約1μmのSiO2膜として形成すればよい。
また、導電膜14Lは導電膜11Lと同様にスパッタリング法によってCr膜を形成すればよい。
(S7)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成する(図2(d))。
ついで、このレジストマスク層R2を用いて導電層14Lの所定部位をエッチング加工することにより、層間絶縁膜13L上でストライプ形状のゲート電極14とするとともに、このゲート電極14を貫通する第1の開口部15Aを形成する。このとき、ゲート電極14は層間絶縁膜13L上でカソード電極11と略直交する状態のストライプ形状に加工されている。すなわち、上記カソードラインに直交する複数本のゲートラインが形成される。
ついで、このレジストマスク層R2を用いて導電層14Lの所定部位をエッチング加工することにより、層間絶縁膜13L上でストライプ形状のゲート電極14とするとともに、このゲート電極14を貫通する第1の開口部15Aを形成する。このとき、ゲート電極14は層間絶縁膜13L上でカソード電極11と略直交する状態のストライプ形状に加工されている。すなわち、上記カソードラインに直交する複数本のゲートラインが形成される。
(S8)つぎに、ゲート電極14の第1の開口部15Aを通して、層間絶縁膜13Lについて反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング加工を行って絶縁層13とし、複合層12Lが露出するように第2の開口部15Bを形成する(図2(e))。これにより、第1,第2の開口部15A,15Bからなるゲートホール15が得られる。ゲートホール15は、例えば直径20μmの円形に形成されており、1画素当たり複数個(例えば、数十個)形成される。
(S9)つぎに、ゲートホール15を通して複合層12Lの上層部のマトリックスを除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させる。複合層12Lの上層部でマトリクスを除去する際の手法としては、ウェットエッチングやドライエッチングなどのエッチング法(ハーフエッチング)を好ましく用いることができる。このエッチングにより微小電子源層12の上層部でマトリクス材料を選択的に除去することにより、表面に多数のカーボンナノチューブを露出させることができる。
(Sa)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行う。具体的には、例えば基板10上で図示しない粘着テープをゲート電極14の上から貼り付けた後、粘着テープを引き剥がすことにより、基板10に対してカーボンナノチューブの長手方向をほぼ垂直に配向させる。カーボンナノチューブを配向させる際の方向は、基板10の面方向に対してほぼ垂直な方向とする。このとき、複合層12Lの表面には多数のカーボンナノチューブが露出した状態となっている。そのため、粘着テープの貼り付け及び引き剥がしを行うことにより、多数のカーボンナノチューブを垂直に配向させることができる。よって、前記カーボンナノチューブが導電性のマトリクス中に埋め込まれ、該カーボンナノチューブの一端がマトリクスから突出してなる微小電子源層12となる(図4)。これにより、基板10上にカソード電極11、絶縁層13、ゲート電極14が順に積層されてなり、前記ゲート電極14及び絶縁層13に形成されたゲートホール15と、該ゲートホール15の底部に形成され、導電性のマトリクス12bと一端が突出した状態で前記マトリクスに埋まったカーボンナノチューブ12aとを有する微小電子源層12とを備え、前記微小電子源層12とカソード電極11との間に、結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cを備える微小電子源装置が完成する。
なお、ステップS3の熱処理とステップS4の焼成をあわせて同時に行ってもよい。すなわち、抵抗層I1a形成後、そのままカーボンナノチューブ分散液を塗布した後に真空中での熱処理を行うことで、結晶質への相変化と複合層への焼成を同時に行うものである。これにより工程の短縮を達成することができる。これらの方法は、従来の微小電子源装置の作成工程に準拠して行うことで上記目的を達成することが出来る。更に、このような処理は市販の装置を用いることで実現できる条件であり、容易に達成できるものである。
また、カーボンナノチューブの配向処理方法としては、上述した粘着テープの貼り付け及び引き剥がしによる方法以外にも、例えば、カソード電極11に電圧を印加することにより、カソード電極11とカーボンナノチューブを同じ極性で帯電させ、これに伴う反発力により各々のカーボンナノチューブを互いに分離した状態で垂直に配向させることも可能である。
その後、平面型表示装置の組み立てを行う。具体的には、本発明の微小電子源装置を有するカソードパネル1と蛍光体層31を有するアノードパネル2とを、該微小電子源装置と蛍光体層31とが対向するように配置し、アノードパネル2とカソードパネル1(より具体的には、基板21と基板10)とを、枠体3を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体3とアノードパネル2との接合部位、及び枠体3とカソードパネル1との接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネル2とカソードパネル1と枠体3とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450℃で10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネル2とカソードパネル1と枠体3とフリットガラスとによって囲まれた空間を、貫通孔及びチップ管を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネル2とカソードパネル1と枠体3とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、図5に示す平面型表示装置を完成させる。
図5は本発明に係る平面型表示装置のパネル構造の一例を示す断面図である。
図5に示すように、カソードパネル(カソード基板)1とアノードパネル(アノード基板)2とを所定の間隙を介して対向状態に配置するとともに、それらのパネル1,2を枠体3によって一体的に組み付けることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)が構成されている。
図5に示すように、カソードパネル(カソード基板)1とアノードパネル(アノード基板)2とを所定の間隙を介して対向状態に配置するとともに、それらのパネル1,2を枠体3によって一体的に組み付けることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)が構成されている。
カソードパネル1上には本発明の微小電子源装置が複数形成されている。これら複数の微小電子源装置は、カソードパネル1の有効領域(実際に表示部分として機能する領域)に2次元マトリックス状に多数形成されている。
図6に示すように、カソード電極11は、複数のカソードラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲート電極14は、各々のカソードラインと交差(直交)する複数のゲートラインを形成するようにストライプ状に形成されている。
一方、アノードパネル2は、ベースとなる透明基板21と、この透明基板21上に形成された蛍光体層22及びブラックマトリックス23と、これら蛍光体層22及びブラックマトリックス23を覆う状態で透明基板21上に形成されたアノード電極24とを備えて構成されている。蛍光体層22は、赤色発光用の蛍光体層22Rと、緑色発光用の蛍光体層22Gと、青色発光用の蛍光体層22Bとから構成されている。ブラックマトリックス23は、各色発光用の蛍光体層22R,22G,22Bの間に形成されている。アノード電極24は、カソードパネル1の電子放出素子と対向するように、アノードパネル2の有効領域の全域に積層状態で形成されている。
これらのカソードパネル1とアノードパネル2とは、それぞれの外周部(周縁部)で枠体3を介して接合されている。また、カソードパネル1の無効領域(有効領域の外側の領域で、実際に表示部分として機能しない領域)には真空排気用の貫通孔16が設けられている。貫通孔16には、真空排気後に封じ切られるチップ管17が接続されている。ただし、図5は表示装置の組み立て完了状態を示しているため、チップ管17は既に封じ切られた状態となっている。また、図5,図6においては、各々のパネル1,2間のギャップ部分に介装される耐圧用の基板(スペーサ)の表示を省略している。
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、カソード電極11に相対的な負電圧がカソード電極制御回路18から印加され、ゲート電極14には相対的な正電圧がゲート電極制御回路19から印加され、アノード電極24にはゲート電極11よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路20から印加される。かかる表示装置において、実際に画像の表示を行う場合は、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路18から走査信号を入力し、ゲート電極14にゲート電極制御回路19からビデオ信号を入力する。あるいは又、カソード電極11にカソード電極制御回路18からビデオ信号を入力し、ゲート電極14にゲート電極制御回路19から走査信号を入力する。
これにより、カソード電極11とゲート電極14との間に電圧が印加され、これによって微小電子源層12の先鋭部(カーボンナノチューブ12aの先端部)に電界が集中することにより、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて微小電子源層12から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極24に引き付けられてアノードパネル2側に移動し、透明基板21上の蛍光体層22(22R,22G,22B)に衝突する。その結果、蛍光体層22が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる。ここで、抵抗層I1cは設計通りの抵抗値を有しているため、微小電子源層12への放電電流を安定化させる役目を果たし電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命の改善が見込める。
つぎに、カソードパネルの製造方法について、本発明の別の実施の形態を説明する。
図7,図8を用いて本発明のカソードパネルの製造工程を説明する。なお、以下の説明において図1,図2と同じ符号のものは前記微小電子源装置を構成するものと同じ材料を用い同じ方法で形成されるものである。
図7,図8を用いて本発明のカソードパネルの製造工程を説明する。なお、以下の説明において図1,図2と同じ符号のものは前記微小電子源装置を構成するものと同じ材料を用い同じ方法で形成されるものである。
(S11)基板10上にカソード電極のライン形成用の導電膜11Lを形成する(図7(a))。導電膜11Lは、例えばスパッタリング法により形成される膜厚0.2μmのCr等からなる。ついで、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層を形成し導電膜11Lをエッチング加工してストライプ状のカソード電極11とする。この時点で基板10上には複数本のカソード電極11のラインが形成される。
(S12)つぎに、カソード電極11及び基板10上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aを形成し、ついで該抵抗層I1a上に複合層12Lを形成する(図7(b))。
(S13)次に、抵抗層I1a及び複合層12Lを所定形状に加工する(図7(c))。具体的には、レジスト材料層をスピンコート法にて全面に成膜した後、リソグラフィー技術に基づき、複合層12Lのうち残されるべき領域以外の表面が露出したマスク層を形成する。
ついで露出した複合層12L領域の抵抗層I1a及び複合層12Lを、例えば、HClを用いてエッチング温度10〜60℃、エッチング時間10秒〜30分の条件でエッチングする。
ついで露出した複合層12L領域の抵抗層I1a及び複合層12Lを、例えば、HClを用いてエッチング温度10〜60℃、エッチング時間10秒〜30分の条件でエッチングする。
なお、上記処理後に所望の領域以外にカーボンナノチューブが存在する場合は、酸素プラズマもしくは、酸化溶液を使用して、カーボンナノチューブのエッチングを行う。
(S14)基板10上において、カソード電極11のライン、抵抗層I1a及び複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lを形成し、さらに該層間絶縁膜13L上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる帯電防止層I2aを形成する。ついで、帯電防止層I2a上に例えば膜厚0.2μmのCrからなるゲート電極ライン形成用の導電膜14Lを形成する(図8(d))。
ここで、帯電防止層I2aは、例えばスパッタリング法により形成されるものであり、アモルファス相の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を含んだ状態にある。
平面型表示装置起動時において、カソードパネル1の電子放出時に放出された電子は、アノードパネル2の蛍光体層22に衝突する。その際に衝突した電子は反射したり、2次電子を放出したりするが、これらの電子はカドードパネル1方向にも飛来している。ここでゲート電極14のライン間で絶縁層13が露出していると飛来電子は該絶縁層13に衝突してその表面を負に帯電させ、この帯電がある閾値を超えたときに放電が発生してカソードパネル1が破壊されるようなダメージが発生する。帯電防止層I2cはこれを防止するためのものであり、ゲート電極14のライン間の露出部分でゲート電極14間にショートが発生しない程度の抵抗値の層となることで帯電を防止するものである。
この抵抗値は、1×107〜1×1012ohm/□でその効果が認められ、1×109〜1×1010ohm/□でとくに高い効果が得られる。この抵抗値が1×107ohm/□より低い場合にはゲート電極14のライン間にリーク電流が発生し、1×1012ohm/□より高い場合には帯電の防止効果が認められない。
帯電防止層I2aは後述の熱処理工程で結晶質からなる帯電防止層I2cとして抵抗値が固定されるが、その抵抗値は成膜時の膜厚及び窒素量で制御することが可能である。
(S15)ステップS14で作製されたものを真空中または不活性気体(例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンガス)雰囲気中で熱処理する。熱処理は、例えば図3に示す装置を用いればよい。
ここで、熱処理温度は、例えば、a−SiCからc−SiCに相変化するように、抵抗層I1a中のアモルファス相の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素が結晶質に変化し、帯電防止層I2a中のアモルファス相の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素が結晶質に変化する温度領域以上の温度であればよい。例えば、この熱処理温度として、200〜1000℃で本発明の効果が認められ、350〜700℃で最もよい効果が見られる。
この熱処理により、抵抗層I1aは結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなり、帯電防止層I2aは結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる帯電防止層I2cとなる。
この熱処理により、抵抗層I1aは結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなり、帯電防止層I2aは結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる帯電防止層I2cとなる。
なお、抵抗層I1aについてはステップS12の複合層12Lを形成する際に焼成と結晶質への相変化を兼ねた熱処理を行って抵抗層I1cとしておき、この段階では帯電防止層I2aを帯電防止層I2cとするための熱処理としてもよい。
(S16)つぎに、導電膜14L上にレジストマスク層を形成し、このレジストマスク層を利用して反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜14Lの所定部位をエッチング加工することにより、帯電防止層I2c上でゲート電極14のラインとするとともに、このゲート電極14のラインを貫通する第1の開口部15Aを形成する(図8(e))。このとき、ゲート電極14のラインは帯電防止層I2c上でカソード電極11のラインと略直交する状態のストライプ形状に加工されている。また、導電膜14Lのエッチングされた部位は帯電防止層I2cが露出している。
(S17)つぎに、ゲート電極14のラインの第1の開口部15Aを通して帯電防止層I2c及び層間絶縁膜13Lを反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング加工により、複合層12Lが露出するように第2の開口部15Bを形成する。これにより、第1,第2の開口部15A,15Bからなる開口部(ゲートホール)15が得られる(図8(f))。
微小電子源装置は、電子放出はピクセル(画素)ごとに選択できるアセンブリでなければならない。そのために、カソード電極11のラインと電子取り出し電極であるゲート電極14のラインとが直交して重なる部分でひとつのサブピクセルを形成する。開口部15は、そのサブピクセルを構成するためのものであり、例えば直径60μmの孔として形成されており、1サブピクセル当たり5個形成される。
(S18)次に、開口部15の底部に露出した複合層12L上層部のマトリックスを虚弱化させる。複合層12Lの上層部を虚弱化させる際の手法としては、ウェットエッチングやドライエッチングなどのエッチング法(ライトエッチング)を好ましく用いることができる。ライトエッチングは例えば、エッチャント:10%HCl水溶液、エッチング時間5〜60秒の条件で行えばよい。このエッチングにより複合層12Lの上層部でマトリクス材料を選択的に除去することにより、表面に多数のカーボンナノチューブを露出させることができる。
(S19)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行う。これにより、前記カーボンナノチューブ12aが導電性のマトリクス12b中に埋め込まれ、該カーボンナノチューブ12aの一端がマトリクス12bから突出してなる微小電子源層12となる(図8(g))。
このようにして、絶縁性の基板(例えば、ガラス基板)10と、この基板10上に積層状態で順に形成されたカソード電極11、層間絶縁膜13Lから形成された絶縁層13、帯電防止層I2c及びゲート電極14と、ゲート電極14、帯電防止層I2c及び絶縁層13に形成された開口部(ゲートホール)15と、この開口部15の底部のカソード電極11/抵抗層I1c上に形成された微小電子源層12とを有する微小電子源装置を複数備えるカソードパネル1が完成する。なお、ゲート電極14のライン間の領域Aでは従来露出していた絶縁層13に代わって帯電防止層I2cが露出している。
図5の平面型表示装置のカソードパネルに代えて、このカソードパネルを用いると、微小電子源層12への放電電流を安定化させることができるだけでなく、ゲート電極14のライン間の帯電を防止することができ、電子放出特性の均一性、輝度バラツキ、安定性及び寿命のより一層の改善が見込める。
本発明の実施例を以下に示す。なお、本実施例は例示であり、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
つぎの手順で微小電子源装置を作製した。
(S21)図1(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してカソード電極11とした。
つぎの手順で微小電子源装置を作製した。
(S21)図1(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してカソード電極11とした。
(S22)カソード電極11及び基板10上に膜厚500nm、熱処理後の抵抗値が1×107ohm/□となる窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aをスパッタリング法により形成した(図1(b))。
(S23)ステップS22で作製されたもの(被処理物S)を図3に示す減圧処理装置のステージ14上にセットし、排気装置50を用いて減圧処理槽41を1×10-3Paの減圧状態まで減圧した後、ヒータ45を用いて被処理物Sを500℃まで加熱し、その温度で1時間保持した。その後、減圧状態を保持したまま室温付近まで冷却を行い、減圧処理槽41を常圧に戻して被処理物Sを取り出した。これにより、抵抗層I1aは結晶質の窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなっていた。
(S24)以下の組成のカーボンナノチューブ分散液を調製した。
<カーボンナノチューブ分散液(1)>
・処理済ダブルウォールカーボンナノチューブ 1重量部
・有機錫化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
ついで、このカーボンナノチューブ分散液を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)によりカソード電極11及び基板10上に塗布した後、空気中で300℃、1時間の焼成を行い複合層12Lを形成した。
<カーボンナノチューブ分散液(1)>
・処理済ダブルウォールカーボンナノチューブ 1重量部
・有機錫化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
ついで、このカーボンナノチューブ分散液を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)によりカソード電極11及び基板10上に塗布した後、空気中で300℃、1時間の焼成を行い複合層12Lを形成した。
(S25)ついで、複合層12Lについて常法のフォトリソグラフィ及びエッチング加工を行い、カソード電極11上の抵抗層I1c及び複合層12Lだけを残し、基板10上にカソード電極11と抵抗層I1cと複合層12Lとの積層部を形成した。
(S26)基板10上において、カソード電極11、抵抗層I1c、複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lとしてシリコン酸化膜を形成し、さらに該層間絶縁膜13L上にCrからなる導電膜14Lを形成した(図1(c))。
(S27)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成し(図2(d))、ついで反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜14L、層間絶縁膜13Lを貫通するエッチング加工を行い、開口部(ゲートホール)15を形成した(図2(e))。
(S28)次に、開口部15を通して複合層12Lの上層部のマトリックスを除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させた。
(S29)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行い、微小電子源装置とした(図4)。
(S26)基板10上において、カソード電極11、抵抗層I1c、複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lとしてシリコン酸化膜を形成し、さらに該層間絶縁膜13L上にCrからなる導電膜14Lを形成した(図1(c))。
(S27)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成し(図2(d))、ついで反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜14L、層間絶縁膜13Lを貫通するエッチング加工を行い、開口部(ゲートホール)15を形成した(図2(e))。
(S28)次に、開口部15を通して複合層12Lの上層部のマトリックスを除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させた。
(S29)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行い、微小電子源装置とした(図4)。
得られた微小電子源装置サンプルの電子放出特性としてつぎの評価を行った。
(1)電子放出均一性
微小電子源装置サンプルと蛍光体を塗布したアノード電極を真空中で対向させて、5v/μm程度の高電界を印加し、この時の蛍光体上に設定した100個程度の1μm角の画素領域について輝度を測定した。ついで各画素の輝度の平均偏差を算術平均して算出し、この蛍光体上の輝度の均一性を電子放出均一性として評価した。
(2)寿命
上記電界値条件で連続的電子放出させた場合に電流が半分になる時間を微小電子源装置の寿命と定義して評価した。
(1)電子放出均一性
微小電子源装置サンプルと蛍光体を塗布したアノード電極を真空中で対向させて、5v/μm程度の高電界を印加し、この時の蛍光体上に設定した100個程度の1μm角の画素領域について輝度を測定した。ついで各画素の輝度の平均偏差を算術平均して算出し、この蛍光体上の輝度の均一性を電子放出均一性として評価した。
(2)寿命
上記電界値条件で連続的電子放出させた場合に電流が半分になる時間を微小電子源装置の寿命と定義して評価した。
(実施例2)
つぎの手順で微小電子源装置を作製した。
(S31)図1(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してカソード電極11とした。
つぎの手順で微小電子源装置を作製した。
(S31)図1(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工してカソード電極11とした。
(S32)カソード電極11及び基板10上に膜厚300nm、熱処理後の抵抗値が5×106ohm/□となる窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aをスパッタリング法により形成した(図1(b))。
(S33)以下の組成のカーボンナノチューブ分散液を調製した。
<カーボンナノチューブ分散液(2)>
・処理済シングルウォールカーボンナノチューブ 1重量部
・有機亜鉛化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
ついで、このカーボンナノチューブ分散液を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)によりカソード電極11及び基板10上に塗布した後、空気中で450℃、1時間の焼成及び相変化を兼ねた熱処理を行い、複合層12Lを形成した。同時に、抵抗層I1aは結晶質の窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなっていた。
<カーボンナノチューブ分散液(2)>
・処理済シングルウォールカーボンナノチューブ 1重量部
・有機亜鉛化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
ついで、このカーボンナノチューブ分散液を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)によりカソード電極11及び基板10上に塗布した後、空気中で450℃、1時間の焼成及び相変化を兼ねた熱処理を行い、複合層12Lを形成した。同時に、抵抗層I1aは結晶質の窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなっていた。
(S34)ついで、複合層12Lについて常法のフォトリソグラフィ及びエッチング加工を行い、カソード電極11上の抵抗層I1c及び複合層12Lだけを残し、基板10上にカソード電極11と抵抗層I1cと複合層12Lとの積層部を形成した。
(S35)基板10上において、カソード電極11、抵抗層I1c、複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lとしてシリコン酸化膜を形成し、さらに該層間絶縁膜13L上にCrからなる導電膜14Lを形成した(図1(c))。
(S36)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成し(図2(d))、ついで反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜14L、層間絶縁膜13Lを貫通するエッチング加工を行い、開口部(ゲートホール)15を形成した(図2(e))。
(S37)次に、開口部15を通して複合層12Lの上層部のマトリックスを除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させた。
(S38)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行い、微小電子源装置とした(図4)。
(S35)基板10上において、カソード電極11、抵抗層I1c、複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lとしてシリコン酸化膜を形成し、さらに該層間絶縁膜13L上にCrからなる導電膜14Lを形成した(図1(c))。
(S36)導電膜14L上にレジストマスク層R2を形成し(図2(d))、ついで反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜14L、層間絶縁膜13Lを貫通するエッチング加工を行い、開口部(ゲートホール)15を形成した(図2(e))。
(S37)次に、開口部15を通して複合層12Lの上層部のマトリックスを除去することにより、表面にカーボンナノチューブの一部を露出させた。
(S38)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行い、微小電子源装置とした(図4)。
(実施例3)
つぎの手順で微小電子源装置を含むカソードパネルを作製した。
(S41)図7(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工して複数本のカソード電極11のラインとした。
つぎの手順で微小電子源装置を含むカソードパネルを作製した。
(S41)図7(a)に示したようにガラスからなる基板10上にCrからなるカソード電極形成用の導電膜11Lを形成した後、導電膜11Lの所定の位置に常法のフォトリソグラフィによりレジスト層R1を形成する。ついで、反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜11Lをエッチング加工して複数本のカソード電極11のラインとした。
(S42)つぎに、カソード電極11及び基板10上に膜厚300nm、熱処理後の抵抗値が5×106ohm/□となる窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aをスパッタリング法により形成した。
さらに、以下の組成のカーボンナノチューブ分散液を用いて、回転塗布法(塗布条件:2000回転/分、30秒)によりカソード電極11及び基板10上に塗布した後、空気中で450℃、1時間の焼成及び相変化を兼ねた熱処理を行い、複合層12Lを形成した。同時に、抵抗層I1aは結晶質の窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1cとなっていた。
<カーボンナノチューブ分散液(2)>
・処理済シングルウォールカーボンナノチューブ 1重量部
・有機亜鉛化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
<カーボンナノチューブ分散液(2)>
・処理済シングルウォールカーボンナノチューブ 1重量部
・有機亜鉛化合物及び有機インジウム化合物 1重量部
・酢酸ブチル 残余
(S43)ついで、複合層12Lについて常法のフォトリソグラフィ及びエッチング加工を行い、カソード電極11上の抵抗層I1c及び複合層12Lだけを残し、基板10上にカソード電極11と抵抗層I1cと複合層12Lとの積層部を形成した。
(S44)基板10上において、カソード電極11のライン、抵抗層I1c及び複合層12Lの積層部を覆うように層間絶縁膜13Lを形成し、さらに該層間絶縁膜13L上に膜厚300nm、熱処理後の抵抗値が5×106ohm/□となる窒素含有炭化珪素からなる抵抗層I1aをスパッタリング法により形成した。ついで、帯電防止層I2a上に膜厚0.2μmのCrからなるゲート電極ライン形成用の導電膜14Lを形成した。
(S45)ステップS44で作製されたものを被処理物Sとして図3に示す減圧処理装置によりステップS23と同じ条件で熱処理した。これにより帯電防止層I2aは結晶質の窒素含有炭化珪素からなる帯電防止層I2cとなっていた。
(S46)つぎに、導電膜14L上にレジストマスク層を形成し、このレジストマスク層を利用して反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜14Lの所定部位を帯電防止層I2cが露出するようにエッチング加工した。これにより、帯電防止層I2c上でカソード電極11のラインと略直交する状態のゲート電極14のラインとするとともに、このゲート電極14のラインを貫通する第1の開口部15Aを形成した(図8(e))。
(S47)つぎに、ゲート電極14のラインの第1の開口部15Aを通して帯電防止層I2c及び層間絶縁膜13Lを反応性イオンエッチング(RIE)で加工し、第1,第2の開口部15A,15Bからなる開口部(ゲートホール)15を形成した(図8(f))。
(S48)次に、開口部15の底部に露出した複合層12L上層部のマトリックスをウェットエッチングにより虚弱化させた。
(S49)その後、エッチングされた複合層12Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行った。これにより、図8(g)に示すカソードパネルが完成した。
この得られたカソードパネルについても、実施例1と同じ評価試験を行った。
(比較例1,2)
実施例1,2それぞれにおいて、抵抗層I1cの形成(ステップS22,S23)を省略し、それ以外は実施例1,2それぞれと同じ条件で微小電子源装置を作製した。
実施例1,2それぞれにおいて、抵抗層I1cの形成(ステップS22,S23)を省略し、それ以外は実施例1,2それぞれと同じ条件で微小電子源装置を作製した。
以上の結果を表1に示す。
実施例1〜3の電子放出均一性は、比較例1,2のそれぞれよりも良好な結果が得られた。また、電子放出均一性及び寿命について、比較例よりも大幅に改善されていた。
実施例1〜3の電子放出均一性は、比較例1,2のそれぞれよりも良好な結果が得られた。また、電子放出均一性及び寿命について、比較例よりも大幅に改善されていた。
1・・・カソードパネル、2・・・アノードパネル、10・・・基板、11・・・カソード電極、11L,14L・・・導電層、12・・・微小電子源層、12a・・・カーボンナノチューブ、12b・・・マトリクス、12L・・・複合層、13・・・絶縁層、13L・・・層間絶縁膜、14・・・ゲート電極、15・・・ゲートホール、15A,15B・・・開口部、16・・・貫通孔、17・・・チップ管、18・・・カソード電極制御回路、19・・・ゲート電極制御回路、20・・・アノード電極制御回路、21・・・透明基板、22,22R,22G,22B・・・蛍光体層、23・・・ブラックマトリクス、24・・・アノード電極、40・・・減圧処理装置、41・・・減圧処理槽、44・・・ステージ、45・・・ヒータ、50・・・排気装置、I1a、I1c・・・抵抗層、I2a、I2c・・・帯電防止層、R1,R2・・・レジスト層、S・・・被処理物
Claims (8)
- 支持基板上にカソード電極を形成する工程と、
前記カソード電極上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層を形成する工程と、
前記抵抗層上にカーボンナノチューブが結合剤からなる導電性のマトリクス中に埋め込まれた複合層を形成する工程と、
前記複合層の上層部の前記マトリクスを除去することにより、前記複合層の表面に前記カーボンナノチューブの一端を突出させて微小電子源層とする工程と
を有する微小電子源装置の製造方法において、
前記抵抗層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる熱処理工程を有することを特徴とする微小電子源装置の製造方法。 - 前記熱処理工程は、前記カーボンナノチューブと結合剤を含むカーボンナノチューブ分散液の塗膜を加熱して前記複合層とする焼成処理を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の微小電子源装置の製造方法。
- 前記カソード電極を複数本のラインとし、前記複合層を形成した後に、
前記支持基板、カソード電極、抵抗層、複合層を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上に炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる帯電防止層を形成する工程と、
前記帯電防止層上に前記カソード電極のラインと直交する複数本のゲート電極のラインを形成し、該ゲート電極のライン間に前記帯電防止層を露出させる工程と、
前記カソード電極のラインとゲート電極のラインの重なる領域に前記複合層を露出させるゲートホールを形成する工程と、
前記複合層の上層部の前記マトリクスを除去することにより、前記複合層の表面に前記カーボンナノチューブの一端を突出させて微小電子源層とする工程と
を有するカソードパネルの製造方法において、
前記帯電防止層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる帯電防止層熱処理工程を有することを特徴とするカソードパネルの製造方法。 - 前記帯電防止層熱処理工程は、前記抵抗層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる熱処理を兼ねていることを特徴とする請求項3に記載のカソードパネルの製造方法。
- 前記抵抗層を構成する炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素を結晶質に相変化させる抵抗層熱処理工程を有することを特徴とする請求項3に記載のカソードパネルの製造方法。
- 前記抵抗層熱処理工程は、前記カーボンナノチューブと結合剤を含むカーボンナノチューブ分散液の塗膜を加熱して前記複合層とする焼成処理を兼ねていることを特徴とする請求項5に記載のカソードパネルの製造方法。
- 支持基板上にカソード電極、層間絶縁膜、ゲート電極が順に積層されてなり、前記ゲート電極及び層間絶縁膜に形成されたゲートホールと、該ゲートホールの底部に形成され、導電性のマトリクスと一端が突出した状態で前記マトリクスに埋まったカーボンナノチューブとを有する微小電子源層とを備える微小電子源装置において、
前記微小電子源層とカソード電極との間に、結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなる抵抗層を備えることを特徴とする微小電子源装置。 - 支持基板上に複数本のカソード電極のラインと、複数本のゲート電極のラインとが絶縁した状態で直交して配置され、前記カソード電極のラインとゲート電極のラインとが重なる領域で請求項7に記載の微小電子源装置を備えるカソードパネルであって、
前記ゲート電極のライン間の露出部分は、結晶質の炭化珪素及び/または窒素含有炭化珪素からなることを特徴とするカソードパネル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005072687A JP2006260790A (ja) | 2005-03-15 | 2005-03-15 | 微小電子源装置、カソードパネル及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007279722A (ja) * | 2006-04-06 | 2007-10-25 | Xerox Corp | 金属被覆付有孔マトリクス内にナノストラクチャを設けた直接帯電装置 |
EP2885806A4 (en) * | 2012-08-16 | 2018-04-25 | Nanox Imaging Plc | Image capture device |
-
2005
- 2005-03-15 JP JP2005072687A patent/JP2006260790A/ja active Pending
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