JP2003165773A - 高誘電率ガラスセラミックス及びそれを用いた配線基板 - Google Patents

高誘電率ガラスセラミックス及びそれを用いた配線基板

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JP2003165773A JP2001363638A JP2001363638A JP2003165773A JP 2003165773 A JP2003165773 A JP 2003165773A JP 2001363638 A JP2001363638 A JP 2001363638A JP 2001363638 A JP2001363638 A JP 2001363638A JP 2003165773 A JP2003165773 A JP 2003165773A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温焼結性に優れ、絶縁抵抗を低下させること
なく、高誘電率を有する高誘電率ガラスセラミックス
と、この高誘電率ガラスセラミックスをコンデンサとし
て内蔵した配線基板を得る。 【解決手段】ガラスまたは結晶化ガラスからなるマトリ
ックス中に、Al、Si、アルカリ金属、アルカリ土類
金属のうち少なくとも1種を含有する金属酸化物を被覆
したMo、W、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Rh、
Pt、Pd、Au、Agのうち少なくとも1種からなる
平均粒径が0.1〜5μmの金属粒子と、セラミックフ
ィラー粒子とを分散せしめることによって、絶縁抵抗を
低下させることなく、金属粒子を多量に分散させ、高誘
電率化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温で焼成が可能
で高い誘電率を有するガラスセラミックスと、かかる高
誘電率ガラスセラミックスを具備した配線基板に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】従来、多層配線基板は、絶縁層が多層に積
層された絶縁基板の表面または内部にメタライズ配線層
が配設された構造からなり、代表的な例として、LSI
等の半導体素子収納用パッケージが挙げられる。このよ
うなパッケージとしては、絶縁層がアルミナ等のセラミ
ックスからなるものが多用され、さらに最近では、銅メ
タライズと同時焼成を可能にしたガラスセラミックスを
絶縁基板とするものも実用化されている。
【0003】一方、携帯電話、ノートパソコン等の携帯
用情報端末の急激な普及に伴い、内蔵される電子部品の
小型化が強く望まれている。一例として、携帯電話のス
イッチング回路、及びパワーアンプ回路は、複数の抵抗
体およびコンデンサにより構成され、従来、これらの素
子は個々に電気回路基板上に設置されており、小型化、
及び製造コスト削減の妨げとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】携帯用電子機器などに
内蔵される電子部品を小型化するためには、半導体素子
を収納するセラミック配線基板のみならず、該配線基板
を実装するプリント基板などの外部回路基板を小型化す
る必要がある。しかし、従来は、セラミック配線基板、
コンデンサ素子および抵抗素子を個々に外部回路基板上
に実装していたため、小型化が困難という問題、および
実装のための製造コストが高くなるという問題があっ
た。
【0005】そこで、セラミック多層配線基板の内部
に、高誘電率のセラミック層を介装させたコンデンサ内
蔵基板が提案されている。しかしながら、高誘電率の誘
電体材料としては、従来よりBaO−TiO2系、Pb
O−TiO2系などを主とする複合ペロブスカイト系誘
電体材料が知られているが、かかる誘電体材料はガラス
セラミックスと同時焼成することができない。
【0006】そこで、本出願人は、硼珪酸ガラスと、M
o、W、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Rh、Pt、
Pd、Au、Agのうち少なくとも1種とアルミナ、石
英、コージェライト及びムライトのうち少なくとも1種
を含有することを特徴とする高誘電率ガラスセラミック
スを提案した(特開平8−213271号)。
【0007】しかしながら、かかる高誘電率ガラスセラ
ミックスでは、金属の添加量はせいぜい10体積%であ
り、これを超えると金属粒子同士が接触し、焼結によっ
てこれらが結合し絶縁抵抗の劣化が生じるものであっ
た。
【0008】従って、本発明は、低温焼結性に優れ、絶
縁抵抗を低下させることなく、高誘電率を有する高誘電
率ガラスセラミックスと、この高誘電率ガラスセラミッ
クスをコンデンサとして内蔵した配線基板を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
に対して種々検討を重ねた結果、ガラスまたは結晶化ガ
ラスからなるマトリックス中に、セラミックフィラー粒
子とともに金属粒子を分散させるにあたり、金属粒子の
表面に金属酸化物を被覆することによって、金属粒子同
士の接触が抑制され、絶縁抵抗を低下させることなく、
比較的多量の金属粒子を含有せしめることができ、セラ
ミックスの誘電率を高めることができることを見出し、
本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の高誘電率ガラスセラミック
スは、ガラスまたは結晶化ガラスからなるマトリックス
中に、金属酸化物を被覆した金属粒子と、セラミックフ
ィラー粒子を分散せしめたことを特徴とするものであ
る。
【0011】上記金属粒子としては、Mo、W、Re、
Fe、Co、Ni、Cu、Rh、Pt、Pd、Au、A
gのうち少なくとも1種が、また前記金属酸化物として
は、Al、Si、アルカリ金属、アルカリ土類金属のう
ち少なくとも1種からなることが望ましい。なお、前記
金属粒子の平均粒径は、0.1〜5μmであることが分
散性の点で適当である。
【0012】一方、前記セラミックフィラー粒子として
は、Al23、SiO2、アルカリ酸化物、アルカリ土
類酸化物のうち少なくとも1種を含有することが望まし
い。
【0013】上記の金属酸化物を被覆した金属粒子は、
セラミックス中に5〜20体積%、セラミックフィラー
粒子は5〜50体積%の割合でそれぞれ含むことが焼結
性、強度、高誘電率化の点から望ましい。
【0014】本発明によれば、セラミック絶縁層が多層
に積層された絶縁基板の表面及び/又は内部にメタライ
ズ配線層が被着形成された多層配線基板において、前記
セラミック絶縁層のうち少なくとも1層を上記の高誘電
率ガラスセラミックスによって形成することによって、
これをコンデンサとして機能させることができる。
【0015】その場合の前記高誘電率ガラスセラミック
スの1MHzでの誘電率は10以上、絶縁抵抗が1×10
8Ω・m以上であることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の高誘電率ガラスセラミッ
クスは、ガラスまたは結晶化ガラスからなるマトリック
ス相と、このマトリックス相中に分散された金属酸化物
を被覆した金属粒子と、セラミックフィラー粒子とから
なる。
【0017】金属粒子は、具体的には、Mo、W、R
e、Fe、Co、Ni、Cu、Rh、Pt、Pd、A
u、Agのうち少なくとも1種、特にFe、Co、N
i、Cu、Auの群から選ばれる少なくとも1種を含有
するものであることが望ましく、このような金属粒子を
絶縁体であるガラスあるいは結晶化ガラス相中に分散さ
せることによって、ガラスセラミックスの誘電率を高め
ることができる。
【0018】本発明によれば、上記の金属粒子の表面
に、金属酸化物を被覆させることが重要である。このよ
うな金属酸化物からなる被覆によって、金属粒子同士の
接触を防止して金属粒子同士の焼結を抑制し、各金属粒
子を独立した分散相と存在させることができるために、
絶縁抵抗の低下を招くことなくマトリックス中に、多く
の金属粒子を分散含有させることができる。
【0019】特に、この金属酸化物を被覆した金属粒子
は、マトリックス中に多量に含有せしめるほど誘電率を
高めることができるが、20体積%を超えると、物理的
に金属粒子同士が接触するようになり、これにより絶縁
抵抗が低下してしまう恐れがあるために、金属酸化物を
被覆した金属粒子は5〜20体積%、特に8〜18体積
%の割合で分散含有させることが望ましい。
【0020】また、金属粒子の大きさが大きすぎると、
粒子を介した絶縁抵抗が低下しやすくなり、小さすぎる
と凝集が発生しやすくなり分散性が低下し絶縁抵抗が局
所的に低くなりやすいために、金属粒子の大きさは、
0.5〜5μm、特に1〜3μmであることが望まし
い。
【0021】この金属粒子の表面に被覆される金属酸化
物としては、Al、Siの他に、Liなどのアルカリ金
属、Ca、Sr、Mgなどのアルカリ土類金属のうち少
なくとも1種、特に高融点のものが好ましい。特にAl
23、SiO2、MgOなどの高融点金属酸化物が好ま
しい。を含有することが適当である。これらの金属酸化
物は、金属粒子表面に、スパッタ法や、液体噴霧―乾燥
法などにより被覆させることができる。
【0022】一方、セラミックフィラー粒子としては、
Al23、SiO2、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸
化物のうち少なくとも1種を含有することを特徴とし、
所望の特性に応じてフィラーを使い分ける事が可能であ
る。例えば、高強度の焼結体が所望であればAl23
ディオプサイト、コージェライト、ムライトなどが好適
となり、特に高熱膨張化を図る上では石英(Si
2)、クリストバライト、セルジアン、フォルステラ
イト、エンスタタイト、その他アルカリ珪酸塩などが好
適となる。
【0023】セラミックフィラー粒子は、5〜50体積
%、特に20〜40体積%の割合で分散含有されること
が望ましい。このセラミックフィラーの含有量が5体積
%よりも少ないと、焼成温度が低くなりすぎ、50体積
%よりも多いと、低温での焼結性が低下するためであ
る。また、セラミックフィラーの平均粒径は分散性の点
で0.5〜5μm、特に1〜3μmであることが望まし
い。
【0024】なお、上記の金属酸化物被覆金属粒子と、
セラミックフィラーは合計で5〜60体積%、特に25
〜55体積%の割合で配合されることが望ましい。これ
は5体積%よりも少ないと高誘電率化ができず、60体
積%よりも多いと、低温での焼結性が損なわれる恐れが
あるためである。
【0025】マトリックスを形成するガラスとしては、
公知のガラスが使用でき、例えば、硼珪酸ガラス、硼珪
酸亜鉛系ガラス、リチウム珪酸系ガラス、PbO系ガラ
ス、BaO系ガラス、ZnO系ガラスなどが用いられ
る。
【0026】上記のガラスからなるマトリックスは、全
量中に、40〜95体積%、特に45〜75体積%の割
合で含有される。このマトリックスは、非晶質でも、ガ
ラスが結晶化したものであってもよい。
【0027】さらに、上記ガラスの屈伏点は、600〜
750℃、特に650〜700℃であることが望まし
い。これは、ガラス粉末、セラミックフィラー粉末及び
金属酸化物を被覆した金属粉末からなる混合物を成形す
る場合、有機樹脂等の成形用バインダーを添加するが、
このバインダーを効率的に除去するとともに、絶縁基体
と同時に焼成されるメタライズと焼成条件のマッチング
を図るために必要であり、屈伏点が600℃より低い
と、ガラスが低い温度で焼結を開始するため、例えば、
Ag、Cu等の焼結温度が600〜800℃のメタライ
ズとの同時焼成ができず、また成形体の緻密化が低温で
開始するためにバインダーは分解揮発できなくなり、バ
インダー成分が残留し、特性に影響を及ぼす結果になる
ためである。一方、屈伏点が750℃より高いと、ガラ
ス量を多くしないと焼結しにくくなり、相対的に高価な
ガラスの使用量が増加するため、コスト削減の妨げとな
る。
【0028】本発明のガラスセラミックスを製造するに
は、上記マトリックスを形成するガラスを40〜95体
積%、セラミックフィラー粉末を5〜50体積%、金属
酸化物によって被覆された金属粉末を5〜20体積%の
割合で混合する。
【0029】そして、この混合物に、適当な有機樹脂バ
インダーを添加した後、所望の成形手段、例えば、金型
プレス、冷間静水圧プレス、射出成形、押し出し成形、
ドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法等に
より任意の形状に成形する。
【0030】次に、上記の成形体の焼成にあたっては、
まず、成形のために配合したバインダー成分を除去す
る。バインダーの除去は、700℃前後の大気雰囲気中
で行われるが、配線導体として、例えばCuを用いる場
合には、水蒸気を含有する100〜700℃の窒素雰囲
気中で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は70
0〜800℃程度であることが望ましく、かかる収縮開
始温度がこれより低いとバインダーの除去が困難となる
ため、成形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点を前
述したように制御することが必要となる。
【0031】焼成は、800〜1050℃の酸性雰囲気
または非酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度
90%以上まで緻密化される。この時の焼成温度が80
0℃より低いと緻密化することができず、1050℃を
超えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ層
が溶融してしまう。但し、Cu等の配線導体と同時焼成
する場合には非酸化性雰囲気中で焼成される。
【0032】上記のようにして得られる高誘電率ガラス
セラミックスは、1MHzでの誘電率が10以上、絶縁
抵抗が1×108Ω・m以上であることが望ましい。
【0033】また、本発明によれば、上記の高誘電率ガ
ラスセラミックスを配線基板の絶縁基板材料として用い
ることで配線基板の小型化を図ることができる。例え
ば、図1に示すように、セラミック絶縁層1a、1b、
1cが多層に積層された絶縁基板1の表面および/また
は内部にメタライズ配線層2が配設されている多層配線
基板において、セラミック絶縁層1a、1b、1cのう
ちの少なくとも1層1bを上記高誘電率のガラスセラミ
ックスによって形成し、その上下に銅などの導体からな
る電極層3、3を形成し、スルーホール導体4、4など
経由して基板表面のメタライズ配線層2、2と接続する
ことにより、配線層2、2間で所定の静電容量を取り出
すことができる。
【0034】この時、前記高誘電率ガラスセラミックス
からなる絶縁層1bを挟持する絶縁層1a、1cは、ガ
ラス成分35〜60体積%と、セラミックフィラー成分
40〜65体積%とからなり、誘電率が9以下、特に8
以下の低誘電率ガラスセラミックスからなることが望ま
しい。
【0035】この低誘電率のガラスセラミック焼結体
は、公知の低誘電率系ガラスセラミックスによって形成
すればよく、特に前記高誘電率ガラスセラミックスとの
同時焼結性を考慮すると、前記高誘電率ガラスセラミッ
クスの組成から金属酸化物を被覆した金属成分を除いた
組成からなることが望ましい。
【0036】このような高誘電体層を具備する多層配線
基板は、前述したガラス粉末、およびフィラー粉末から
なる低誘電率のガラスセラミック組成物に、適当な有機
バインダー、溶剤、可塑材を添加混合することによりス
ラリーを作製し、かかるスラリーを周知のドクターブレ
ード等の塗工方式によるグリーンシート成形法により、
グリーンシート状に成形する。そして、メタライズ配線
層として、適当な金属粉末に有機バインダー、溶剤、可
塑材を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシ
ートに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターン
に印刷塗布する。また、場合によっては、前記グリーン
シートに適当な打ち抜き加工によってスルーホールを形
成し、このホール内にもメタライズペーストを充填す
る。
【0037】一方、上記と同様の方法により、高誘電率
のガラスセラミック組成物を用いて成形、打ち抜き、電
極層の印刷を行なった高熱膨張、高誘電率のガラスセラ
ミックグリーンシートを作製する。
【0038】そして、上記の低誘電率のガラスセラミッ
クグリーンシートと高誘電率のガラスセラミックグリー
ンシートとを積層し、グリーンシート積層体とメタライ
ズを同時焼成することにより、コンデンサを内蔵する多
層配線基板を得ることができる。
【0039】本発明によれば、多層配線基板における上
記高誘電率ガラスセラミックスから絶縁層1bの両面に
一対の電極3を形成することによって、この電極3間に
所定の静電容量を得ることのできるコンデンサとして機
能させることができる。
【0040】
【実施例】ガラス粉末として、SiO241重量%−B
aO37重量%−B2310重量%−Al237重量%
−CaO5重量%(屈伏点700℃、熱膨張係数6.5
×10-6/℃、Pb量50×10-6以下)に対して、フ
ィラーとして、表1に示す平均粒径が2.5μmのセラ
ミックフィラー粉末および表面にスパッタリングによっ
て表1の金属酸化物を被覆した平均粒径が1〜7μmの
金属粉末を表1に示す比率で秤量混合した。
【0041】そして、その混合粉末に溶剤としてトルエ
ンを加えてボールミルを用いて粉砕混合した後、有機バ
インダーとしてアクリル系樹脂や可塑材を加えて十分混
合させてスラリーを作製し、ドクターブレード法により
厚み500μmの高誘電率用グリーンシートを作製し
た。
【0042】得られたグリーンシートより、50mm×
50mmのサンプルをプレスし、700℃において水蒸
気を含有する窒素雰囲気中で脱バインダー後、910℃
において窒素雰囲気中で焼成を行い、高誘電率のガラス
セラミックスを作製した。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果から明らかなように、従来のよ
うに金属粒子に被覆することなく分散させた場合、12
体積%以上では体積抵抗が低下し、誘電率も19程度ま
でしか上げられない。それに対して金属粒子の表面に金
属酸化物を被覆した場合、12体積%でも体積抵抗が低
下することがなく、その結果、金属粒子を多量に含有せ
しめることができ、20体積%含有せしめても体積抵抗
の低下はなく誘電率も30まで高めることができ、20
以上の誘電率を有するガラスセラミックスを安定に作製
することができた。
【0045】また、上記の結果に基づき、表1の本発明
品に対して、高誘電率ガラスセラミックスを作製するの
に用いた組成において、金属粉末をすべてガラスに置き
換える以外は全く同じ組成物を用いて上記と同様にして
低誘電率グリーンシートを作製した。
【0046】そして、上記の高誘電率グリーンシートを
低誘電率用グリーンシートによって挟持するように積層
し、また、高誘電率グリーンシートの両面に一対の電極
を配設して表1に示す条件で焼成し多層配線基板を作製
した。その結果、低誘電率層および高誘電率層ともに良
好な焼結性を示し、高誘電率層はコンデンサと良好に機
能するものであった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のガラスセ
ラミックスは、ガラスからなるマトリックス相と、金属
酸化物を被覆した金属粒子と、セラミックフィラー粒子
を含有することによって、絶縁抵抗を低下させることな
く、多量の金属粒子を分散含有せしめることができる結
果、高誘電率化を達成することができ、コンデンサとし
ての高容量化を図ることができ、従来、外部回路基板に
実装されていたコンデンサが不要となり、回路基板の小
型化を進め、携帯用電子機器などの小型化に、大いに貢
献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板における一実施例を説明する
ための概略断面図である。
【符号の説明】 1 絶縁基板 1a、1b、1c 絶縁層 2 メタライズ配線層 3 電極 4 スルーホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA06 AA07 AA08 AA35 AA36 AA37 AA61 BA09 CA04 CA08 GA03 GA04 GA11 GA14 GA15 GA17 GA20 GA24 GA27 HA01 HA09 HA18 5E346 AA12 AA13 CC18 CC32 DD33 DD45 EE04 FF18 GG04 GG05 GG06 GG08 GG09 HH22 5G303 AA05 AB01 AB06 AB15 BA12 CA03 CB01 CB02 CB03 CB06 CB14 CB16 CB17 CB20 CB30 CB32 CC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラスまたは結晶化ガラスからなるマトリ
    ックス中に、金属酸化物を被覆した金属粒子と、セラミ
    ックフィラー粒子を分散せしめたことを特徴とする高誘
    電率ガラスセラミックス。
  2. 【請求項2】前記金属粒子は、Mo、W、Re、Fe、
    Co、Ni、Cu、Rh、Pt、Pd、Au、Agのう
    ち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1
    記載の高誘電率ガラスセラミックス。
  3. 【請求項3】前記金属粒子の平均粒径が0.1〜5μm
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の高
    誘電率ガラスセラミックス。
  4. 【請求項4】前記金属酸化物が、Al、Si、アルカリ
    金属、アルカリ土類金属のうち少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記
    載の高誘電率ガラスセラミックス。
  5. 【請求項5】前記セラミックフィラー粒子が、Al
    23、SiO2、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物
    のうち少なくとも1種を含有することを特徴とする請求
    項1乃至請求項4のいずれか記載の高誘電率ガラスセラ
    ミックス。
  6. 【請求項6】前記金属酸化物を被覆した金属粒子を5〜
    20体積%、セラミックフィラー粒子を5〜50体積%
    の割合で含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5の
    いずれか記載の高誘電率ガラスセラミックス。
  7. 【請求項7】セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁
    基板の表面及び/又は内部にメタライズ配線層が被着形
    成された多層配線基板において、前記セラミック絶縁層
    のうち少なくとも1層が、請求項1乃至請求項6のいず
    れか記載の高誘電率ガラスセラミックスであることを特
    徴とする配線基板。
  8. 【請求項8】前記高誘電率ガラスセラミックスの1MH
    zでの誘電率が10以上、絶縁抵抗が1×108Ω・m
    以上であることを特徴とする請求項7記載の配線基板。
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