JP2007012856A - Led装置及びled装置用筐体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 LED光源及びLED駆動用デバイスが実装されるプリント配線板の裏面側に第1放熱部及び第2放熱部を形成し、プリント配線板の上面側の導体パターンにおけるLED光源実装領域から第1放熱部へと熱を伝導し、一方で導体パターンにおけるLED駆動用デバイス実装領域から第2放熱部へと熱を伝導する。筐体の内側壁面に対して第1放熱部と第2放熱部が接触した状態でプリント配線板を筐体内に収納する。筐体の外側壁面にはリブ状突起部を形成する。
【選択図】 図2
Description
これまでに放熱方法として、熱伝導性の材料で実装基板を筐体に接続することによって筐体を介して放熱する方法(例えば特許文献1を参照)や、筐体内を液体で満たすことで発熱体の熱を一旦液体に逃がした後、筐体を介して外部へ放熱する方法(例えば特許文献2又は3を参照)が提案されている。
一方、LEDを使用した装置ではLEDの他に抵抗等も発熱体となり、これらからの熱が筐体内の雰囲気温度を上昇させてしまう。従ってLEDに対してだけでなく、他の発熱体に対する放熱対策も同時に講じる必要がある。
上記課題に鑑み本発明は、LEDの熱、及び発熱体となるその他のデバイスからの熱を効率的に放熱する構造を備えたLED装置を、簡易でしかも汎用性に優れた構成で提供することを目的とする。
LED光源と、
LED駆動用デバイスと、
前記LED光源及び前記LED駆動用デバイスが実装されるプリント配線板であって、上面側に形成された導体パターンと、裏面側に形成された第1放熱部及び第2放熱部と、前記導体パターンにおける前記LED光源の実装領域から前記第1放熱部へと熱を伝導する第1伝熱部と、前記導体パターンにおける前記LED駆動用デバイスの実装領域から前記第2放熱部へと熱を伝導する第2伝熱部と、を備えたプリント配線板と、
前記LED光源及び前記LED駆動用デバイスが実装された前記プリント配線板を収納する筐体であって、その内側壁面に対して、前記第1放熱部及び前記第2放熱部が接触した状態で前記プリント配線板が固定されるとともに、前記プリント配線板が固定される領域の外側壁面にリブ状突起部が形成された筐体と、を備えてなるLED装置である。
一方、本発明の構成では、筐体においてプリント配線板が固定される領域、即ち第1放熱部と第2放熱部が接触する領域の外側壁面に突起部を形成している。この突起部を形成した領域は、第1放熱部と第2放熱部が接触する領域の直下に位置し、そこにはLED光源などの熱が直接伝導する。熱の伝導を直接受ける当該領域の表面積を突起部の形成によって増大させたことで放熱作用の飛躍的な向上が達成される。しかも突起部の形状をリブ状にしたことから、当該突起部によって筐体が補強される。即ち、突起部が放熱と補強という二つの機能を発揮する。これによって簡易な構成でありながら高い放熱効果を発揮することが可能な装置となる。また、簡易な構成で高い放熱効果が発揮されることから汎用性も高い装置となる。
本発明におけるLED光源の種類は特に限定されず、砲弾型LEDランプ、SMD(表面実装)型LEDランプやLEDチップ単体などが用いられる。LED光源の発光色も特に限定されない。
LED駆動用デバイスとしては抵抗、ダイオード、トランジスタなど、回路構成に応じて必要なデバイスが用いられる。本発明ではLED駆動用デバイスの中で発熱するデバイス(例えば抵抗やダイオード)のことを「発熱体」と呼称する。
放熱部は二カ所以上に分かれており、第1の領域(第1放熱部)には、プリント配線板の実装面に形成された導体パターンのLED光源実装領域が後述の第1伝導部を介して接続されている。これによって、LED光源が放出する熱は導体パターン、第1伝熱部を通って第1放熱部まで伝わる。同様に放熱部の第2の領域(第2放熱部)には、プリント配線板の実装面に形成された導体パターンのLED駆動用デバイス実装領域が第2伝熱部を介して接続され、LED駆動用デバイスが放出する熱が第2放熱部に伝導する。
伝熱部は例えばサーマルビアによって構成すればよい。メタルコアプリント配線板を用いる場合には金属芯の一部を伝熱部として利用してもよい。
ここで、プリント配線板を筐体に固定する際、プリント配線板の第1放熱部及び第2放熱部と筐体とが十分に密着した状態でないと、これらの放熱部を介したプリント基板側から筐体側への熱伝導が十分に行われない。つまり、プリント配線板と筐体の密着性は放熱性に大きく影響する。従ってプリント配線板が固定される筐体内側壁面のヒケは極力抑えることが好ましい。筐体をポリエステル系樹脂で形成する場合、筐体の肉厚をtとすれば、高さが(t×3)以下のリブ状突起部(フィン)であれば筐体内側のヒケ防止に有効である。また、リブ状突起部を高くすることは放熱面積を増加させることになるが、リブ状突起部が高くなるにつれてフィン効率が低下し、一定のレベルを超えるとリブ状突起部を高くしても冷却能力(放熱作用)が向上しない。フィン効率を80%以上保持することができればリブ状突起部の面積増加が冷却能力向上に直結すると考えることができる。以上の前提を踏まえ、筐体に要求される熱伝導率を求める。まず、フィン効率は次の式で表すことができる。
(1)第1放熱部と第2放熱部との間に位置する筐体部分を熱伝導率が極端に高い材料(例えば銅などの金属)で形成しない。当該部分のみをこのような材料で形成することもできるが、筐体の製造工程、製造コストなどを考慮すれば筐体全体を同一の材料で形成するとよい。具体的には例えば、筐体全体を熱伝導率が0.5〜1.5 W/m・K程度の樹脂材料で形成する。
(2)第1放熱部と第2放熱部との間に位置する筐体部分を薄肉にし、当該部分の断面積を減少させる(図4(a)を参照)。
(3)第1放熱部と第2放熱部との間に位置する筐体部分における熱伝導距離が長くなるように、当該部分の表面に例えばパルス波形のような凹凸を設ける(図4(b)を参照)。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
照明装置1ではLED実装基板10が筐体30に収納される。LED実装基板10は大別してプリント配線板11、LEDランプ20及びLED駆動用デバイスからなる。プリント配線板11の実装面側には導体パターン(12、13)が形成されている。LEDランプ20と抵抗21の実装領域ができるだけ離間するように導体パターン(12、13)が形成される。この例ではLED実装領域12がプリント配線板11の縁部に配置され、LED駆動用デバイスの中で特に発熱量が大きい抵抗21の実装領域13がプリント配線板11の中心を挟んで反対側の縁部に配置されるように導体パターンを形成し、LEDランプ20と抵抗21との距離を十分にとっている。また、抵抗以外のデバイスについてもLEDランプ20から離れた位置に実装されるような導体パターンとしている。
導体パターンは銅箔の印刷によって形成することができる。但し、導体パターンの材質、形成方法はこの例に限定されるものではない。
尚、導体パターンの表面から筐体内の空気へと放散する熱の量を抑えるために、必要最小限の導体パターンを形成している。
各放熱パターンはプリント配線板11の裏面側表面に銅箔をメッキすることによって形成することができる。但し、放熱パターンの材質、形成方法はこの例に限定されるものではない。
その裏面側を設置面としてプリント配線板11が基板収納部31の内側壁面31aに設置、固定される。これによって、プリント配線板11の裏面側に形成された第1放熱パターン14と第2放熱パターン15がともに基板収納部31の内側壁面31aに密着した状態となる。プリント配線板11の固定は、接着剤、基板収納部31側に備えた係止爪などによって行われる。
リブ状突起部31cの高さや間隔等は、放熱効率を考慮して設定することができる。例えばリブ状突起部31cの高さを6mm(筐体肉厚の約3倍)とし、間隔を4mmとする。
また、筐体内の温度上昇を抑えるために、筐体の一部に一又は複数の放熱用の孔を設けてもよい。
一方、図4(b)では第1放熱パターン14の接触部と第2放熱パターン15の接触部との間の位置43で基板収納部42の表面にパルス波形状の凹凸を設けている。これによって第2放熱パターン15より基板収納部42に伝導した熱の一部について熱伝導距離が長くなり、第1放熱パターン14への熱伝導量が減少する。この例では筐体の基板収納部42の内側壁面に凹凸を設けたが、内側壁面に代えて又は加えて外側壁面に凹凸を設けることにしてもよい。また、凹凸の大きさ(長さ、深さ)は任意に設定可能である。
照明装置2では筐体の基板収納部44の内側壁面44aにプリント配線板11固定用の一対の突起(45、46)が備えられる。当該突起と基板収納部44の内側壁面44aとによって狭持された状態でプリント配線板11が基板収納部44に固定される。そして突起45は導体パターンの中のLED実装領域12の一部に接触した状態となり、突起46は導体パターンの中のLED駆動用デバイス実装領域13の一部に接触した状態となる。これによって、LEDランプ20の熱の一部は導体パターン(LED実装領域12)を介して基板収納部44へと伝導し、抵抗21の熱の一部も同様に導体パターン(LED駆動用デバイス実装領域13)を介して基板収納部44へと伝導する。このように本実施例の構成では導体パターンの一部から直接、筐体への熱伝導が行われる。換言すれば、放熱経路として導体パターン、サーマルビア、及び放熱パターンを通って筐体に伝熱する放熱経路と、導体パターンから直接筐体に伝熱する放熱経路の二つが利用される。このように放熱経路を増加させたことによって筐体への熱伝導効率が高まり、放熱特性が向上する。
本発明の構造は、密閉環境下でLED光源に通電する場合に特に有効であるが、筐体内に熱がこもり、それがLEDの駆動状態に影響を与えるおそれのある状況において広く適用可能である。
11 プリント配線板
12 導体パターンのLED実装領域
13 導体パターンのLED駆動用デバイス実装領域
14 第1放熱パターン
15 第2放熱パターン
16、17 サーマルビア
20 LEDランプ
21 抵抗
30 筐体
31、44 筐体の基板収納部
31a、44a 基板収納部の内側壁面
31b 基板収納部の外側壁面
31c リブ状突起部
32 筐体のカバー部
45、46 基板収納部の突起部
Claims (6)
- LED光源と、
LED駆動用デバイスと、
前記LED光源及び前記LED駆動用デバイスが実装されるプリント配線板であって、上面側に形成された導体パターンと、裏面側に形成された第1放熱部及び第2放熱部と、前記導体パターンにおける前記LED光源の実装領域から前記第1放熱部へと熱を伝導する第1伝熱部と、前記導体パターンにおける前記LED駆動用デバイスの実装領域から前記第2放熱部へと熱を伝導する第2伝熱部と、を備えたプリント配線板と、
前記LED光源及び前記LED駆動用デバイスが実装された前記プリント配線板を収納する筐体であって、その内側壁面に対して、前記第1放熱部及び前記第2放熱部が接触した状態で前記プリント配線板が固定されるとともに、前記プリント配線板が固定される領域の外側壁面にリブ状突起部が形成された筐体と、を備えてなるLED装置。 - 前記筐体において、前記第1放熱部の接触部と前記第2放熱部の接触部との間に、前記第2放熱部から前記第1放熱部への熱伝導を抑制する手段が備えられている、請求項1に記載のLED装置。
- 前記導体パターンにおいて、前記LED光源が実装される領域と、前記LED駆動用デバイスの中の発熱体が実装される領域とが離間して形成されている、請求項1又は2に記載のLED装置。
- 前記プリント配線板の表面に第3放熱部が形成されており、
前記第1放熱部及び前記第2放熱部に加えて、該第3放熱部が接触した状態で前記プリント配線板が前記筐体に固定されている、請求項1〜3のいずれかに記載のLED装置。 - 前記プリント配線板の表面において前記筐体と接触しない領域には、前記導体パターン以外は放熱部が形成されていない、請求項1〜4のいずれかに記載のLED装置。
- LED光源が実装されたプリント配線板を収納するLED装置用筐体であって、
プリント配線板が固定される領域を内側壁面に備えるとともに、該固定領域の外側壁面にリブ状突起部を備えることを特徴とするLED装置用筐体。
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