JP2003161719A - 検出素子 - Google Patents
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Abstract
出素子を提供する。 【解決手段】ジルコニア固体電解質基体2の両主面に一
対の電極3、5を形成してなり、環境状態を検知する検
知部を有する素子本体の表面に端子部4a、4b、24
を設け、該端子部4a、4b、24にリードピン13
a、13b、23をロウ材17によりロウ付けしてなる
検出素子において、端子部4a、4b、24に凹溝15
を形成するとともに、該端子部4a、4b、24の凹溝
15にリードピン13a、13b、23が位置決めされ
た状態でロウ付けされている。
Description
コニア固体電解質と一対の電極を具備する検知部と、端
子部と、該端子部にロウ付けされたリードピンとを具備
する検出素子、例えば自動車の排気ガス中の酸素濃度を
検出する酸素センサ、あるいは窒素酸化物濃度を検出す
るNOxセンサのように、特に耐熱特性、高信頼性を要
求される検出素子の改良に関する。
タ一体型の検出素子31を示したものである。この検出
素子31によれば、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性
の板状の固体電解質32が空気導入孔37を囲むように
形成され、前記固体電解質32の外表面には測定電極3
3、空気導入孔37側にはPtからなる基準電極34が
形成され、これらの部分が周囲の雰囲気中の酸素濃度を
検知する検知部を形成している。
解質32aにより隔離され、電極間の酸素濃度の比に従
った起電力が発生するようになっている。これらの電極
33、34は、生の固体電解質シートの表面に、固体電
解質粉末を分散させた金属ペーストを塗布し同時焼成す
るか、固体電解質板状体を焼成後、無電解メッキを施す
ことにより形成することができる。
固体電解質32bの内部には、酸化アルミニウムからな
る絶縁層36に挟まれた発熱抵抗体35が内蔵され、こ
れにより検出素子31の検知部を加熱する構造となって
いる。
500℃以上の大気中に晒される場合があるため、測定
電極33および基準電極34用の金属材料としては、主
としてPtが使用されている。
ルコニア固体電解質を母材磁器とした検出素子31とし
て、特開昭58−100746号公報に記載のように、
検出素子の端部に電極取出部44を設けてここにリード
ピンをバネ等により圧接する端子構造を有するものが知
られている。
での絶縁性の確保のために構造が複雑となり、検出素子
31の信頼性が低下するという課題があった。
1に接続する方法が提案されている。例えば、特開平1
−257256号では、検出素子の白金電極の一部を端
子部とし、その端子部に直接Ni線からなるリードピン
をPtペーストの焼き付けによってメタライズ接合する
方法が提案されている。また、検出素子の電極を、素子
の所定位置に引き出して端子部(電極パッド)と接続
し、この端子部にリードピンをロウ付けする方法が提案
されており、この方法は、円筒形の検出素子においても
提案されている。
検出素子では、端子部の中央部にリードピンを仮止め
し、その周りに線状のロウ材を配置し、熱処理すること
により、ロウ付けするため、ロウ付け時にリードピンが
移動し、端子部の所望位置に接合できないという問題が
あった。特に、円筒形の検出素子においては、外面が曲
面であるため、この表面に端子部を形成すると、端子部
表面が外部に向けて凸となる曲面となり、ロウ付け工程
で端子部の中央にリードピンを仮止めしても端に移動し
易く、リードピンを端子部の所望位置に接合することが
困難であった。
された場合(端子部の中央に接合されていない場合)に
おいて、リードピンに引っ張りの力が生じると、端子部
が素子本体から剥がれやすいという問題があった。
素子本体と、及び/又は発熱体本体とが同時焼成して形
成される場合、端子部の周囲の素子本体及び/又は発熱
体本体に熱膨張差によりクラックが生じ易いが、端子部
の中央にリードピンが取り付けられていない場合、リー
ドピンに引っ張りの力が生じると、端子部の周囲のクラ
ックに応力集中が生じ、端子部の一部が素子本体、発熱
体本体より剥離してしまうという問題があった。この問
題は、端子部の表面が曲面であるときにリードピンが端
子部の中央部に接合しにくくなるため、特に顕著であっ
た。
に接合して、端子部の素子本体への接合強度を向上でき
る検出素子を提供することを目的とするものである。
ルコニア固体電解質基体の両主面に一対の電極を形成し
てなり、環境状態を検知する検知部を有する素子本体の
表面に端子部を設け、該端子部にリードピンをロウ材に
よりロウ付けしてなる検出素子において、前記端子部に
凹溝を形成するとともに、該端子部の凹溝に前記リード
ピンが位置決めされた状態でロウ付けされていることを
特徴とする。
凹溝を形成し、この凹溝にリードピンを位置決めし、ロ
ウ付けするため、円筒形の検出素子であっても、ロウ付
け時にリードピンが移動せず、端子部の中央部に確実に
接合でき、リードピンに引っ張りの力が生じた場合、端
子部の端には直接的な引っ張り力が生じず、端子部の端
から剥離が開始することがなく、端子部の接合強度を向
上でき、これにより、検出素子の歩留まりを向上でき
る。
された凹溝の幅が、前記端子部の幅の50%以下である
ことが望ましい。これにより、リードピンと端子部の端
との距離が十分離れため、リードピンを介して端子部の
端に引っ張り力が作用することを抑制でき、端子部の素
子本体への接合強度をさらに向上できる。
金属相と金属酸化物相とからなる複合導体層からなり、
該複合導体層表面の反射電子顕微鏡写真において隣り合
う金属相間の最大距離が10μm以下であり、且つロウ
材が、Auと、Ni、Pd、Pt及びRhの群から選ば
れる少なくとも1種を含有する合金からなることが望ま
しい。
i、Pd、Pt及びRhの群から選ばれる少なくとも1
種を含有する合金によって形成することによって、ロウ
材の耐酸化性が著しく改善され、400℃以上の高温に
長期間晒される場合でも安定に、またリードピンの引っ
張り試験に十分耐える高強度な端子部を有する検出素子
が得られる。
酸化物相とからなる複合導体層で構成し、前記複合導体
層表面の反射電子顕微鏡写真において隣り合う金属相間
の最大距離を10μm以下とすることによって、端子部
内で金属相が3次元的に骨格を形成し、金属相と金属酸
化物相が複雑に絡み合い、その結果、ロウ材−金属成分
間の接合強度を確保しつつ、金属酸化物相とジルコニア
固体電解質基体との接合が立体的に支持可能となり、リ
ードピンの引っ張り試験に十分耐える高強度な端子部を
有する検出素子が得られる。
金属相20〜95体積%と、金属酸化物相5〜80体積
%重量%とからなることが接合強度を高める上で好適で
あり、さらに、前記端子部を形成する複合導体層中の金
属相が、Pt、Rh、Pd、Ru及びAuのうち少なく
とも1種からなること、前記金属酸化物相が、Al、S
i、Zr、アルカリ土類元素及び希土類元素の群から選
ばれる少なくとも1種の酸化物からなることが接合強度
をさらに高める上で望ましい。
電解質基体が、一端が封止された円筒管からなる場合に
特に好適に採用される。
面を参照しながら本発明を説明する。図1は、検出素子
の一例を示す概略斜視図である。図2(a)は、図1の
検出素子のA−A断面図、(b)は同じくB−B断面
図、(c)は同じくC−C断面図である。但し、図1で
は、説明の便宜上、セラミック保護層14を省略した。
電性を有するジルコニアセラミック固体電解質からな
り、先端が封止された円筒管2の内面に、第1の電極と
して、空気などの基準ガスと接触される基準電極3が被
着形成され、また、円筒管2を挟んで基準電極3と対向
する位置に第2の電極として、排気ガスなどの被測定ガ
スと接触する測定電極5が被着形成されている。そし
て、基準電極3、ジルコニア固体電解質からなる円筒管
2および測定電極5によって検知部を形成している。
には、Al2O3などのセラミック絶縁層6が被着形成さ
れており、そのセラミック絶縁層6には、測定電極5の
一部または全部が露出するように開口部11が形成され
ている。
11の周囲のセラミック絶縁層6中には検知部を加熱す
るためのPt等からなる発熱抵抗体7が埋設されてい
る。また、セラミック絶縁層6の表面には、発熱抵抗体
7による加熱効率を高めるために、アルミナ等からなる
セラミック保温層9が形成されている。
た基準電極3は、円筒管2の開口端面を経由して円筒管
2の外表面に設けた端子部4aに接続されている。一
方、円筒管2の外面に形成された測定電極5は、セラミ
ック絶縁層6に形成された開口部11の端面を経由して
セラミック保温層9の表面に形成されたリード部12に
接続され、セラミック保温層9の表面に形成された端子
部4bと接続されている。円筒管2、基準電極3、測定
電極5、セラミック絶縁層6、発熱抵抗体7、セラミッ
ク保温層9により素子本体が形成されている。なお、円
筒管2において上記端面に存在するエッジ部は、C面取
りされ、エッジ部で生じる電気的接続の不良を回避して
いる。
れたリード部12の表面にはさらにZrO2等からなる
保護層122が形成されている。この保護層122によ
って、リード部12を、例えば素子のアッセンブル時の
引っかき、あるいは素子の落下時の異物との衝突等の物
理的な破壊から保護することができる。このセラミック
保護層122は固体電解質と同じZrO2で構成するこ
とが固体電解質との熱膨張差による応力の発生を防止す
る上で好ましい。さらに、検知部の表面は、多孔質のセ
ラミック保護層14によって被覆されている。
子部4a、4bには、外部回路との接続のためのリード
ピン13の一端部がロウ材17によってロウ付け固定さ
れている。これによって、検知部において発生した検知
データをリード部12、端子部4a、4bおよびリード
ピン13を経由して外部回路に伝達できる。
発熱抵抗体7は、同じくセラミック絶縁層6内に形成さ
れたリード部8と、セラミック絶縁層6およびセラミッ
ク保温層9を貫通して形成された貫通導体18によっ
て、セラミック保温層9の外表面に形成された端子部2
4と電気的に接続されている。そして、端子部24上に
は発熱用外部電源と接続するためのリードピン23がロ
ウ材17により固定され、これらを通じて発熱抵抗体7
に電流を通ずることにより、発熱抵抗体7が加熱され、
測定電極5、円筒管2および基準電極3からなる検知部
を所定の温度に急速昇温される。
層9の表面に形成された端子部4a、4b、24の中央
部には凹溝15が円筒管2の軸長方向に形成されてお
り、これらの凹溝15内にリードピン13の一端部が収
容され、この状態でそれぞれロウ材17によってロウ付
け固定されている。
15の幅B1は、図3に示すように、円筒管2の軸長方
向と直交する方向における端子部4a、4b、24の幅
B2の60%以下であることが望ましい。これにより、
リードピンと端子部の端との距離を十分に確保でき、端
子部の端に作用する引っ張り力を抑制できる。特には、
凹溝15の幅B1は、端子部4a、4b、24の幅B2
の50%以下、さらには40%以下であることが望まし
い。
た凹溝15の幅B1は、リードピン13、23の直径よ
りも小さい場合であっても、リードピン13、23を凹
溝15の形成位置に位置決めすることができるが、安定
して位置決めするためには、凹溝15の幅B1は、リー
ドピン13、23の直径以上であることが望ましい。
う点から、リードピン13、23の直径の1〜2倍であ
ることが望ましい。
b、24への接合長さについては、長ければ長いほど接
合強度が向上するが、リードピン13、23の接合部分
が端子部4a、4b、24の端に近づくため、リードピ
ン13、23の接合部分は、端子部4a、4b、24の
端から0.5mm以内であることが、端子部4a、4
b、24の端からのめくれを抑制するという点から望ま
しい。
する方法としては、円筒管2、基準電極3、測定電極
5、セラミック絶縁層6、発熱抵抗体7、セラミック保
温層9を有する素子本体の成形体を作製した後、端子部
を形成する導電性ペーストを塗布し、この塗布膜に例え
ば円柱状の棒体を押し付けて凹溝を形成し、この後同時
焼成することにより、端子部4a、4b、24に凹溝1
5を形成できる。或いは、素子本体の成形体を焼成した
後、この焼結体に導電性ペーストを塗布し、この塗布膜
に円柱状の棒体を押し付けて凹溝を形成し、焼き付ける
ことによっても凹溝15を形成できる。
3、5と接続される端子部4a、4bが、さらに望まし
くは、発熱抵抗体7と接続される端子部24が、いずれ
も金属相と金属酸化物相とからなる複合導体層によって
形成することが望ましい。即ち、図3に示したように、
この複合導体層16は、金属酸化物相20と金属相19
とが複雑に入り組んだ組織からなるもので、粒状もしく
は箔状の金属粒子が互いに少なくとも1点以上で接触し
て金属相をなし、これが3次元的な網目構造、例えばス
ポンジ状構造体を形成しており、その隙間に金属酸化物
相20が存在している。
端子部4a、4b、24を形成することによって、金属
酸化物相20は金属相19の粒成長を防止し、かつ端子
部4a、4b、24と下地層となる円筒管2との接合強
度を改善することが可能となる。
と、図3(b)の反射電子顕微鏡写真の模写図に示すよ
うに、端子部4a、4b、24の複合導体層16表面に
おいて、前記金属相19(白部)は、複雑な稜線を有す
る島状組織として観察される。この島状組織の金属相1
9は、マトリクスとなる金属酸化物相20(黒部)に隔
てられながら無数に点在しており、スポンジ状骨格の端
部近傍をあらわしている。
6において酸処理により金属相19のみを溶出し、該複
合導体層16の内部の金属相の骨格を観察した結果、図
4に示すように、スポンジ状構造体内部の金属相19間
の距離は、端子部4、24表面で観察される隣り合う島
状組織の金属相における最大距離以下であることが明ら
かとなった。
間の最大距離が10μm以下の場合に、端子部4a、4
b、24の内部において、金属相19が3次元的なスポ
ンジ状骨格を形成し、特に、最大距離が5μm以下の場
合では、金属相19がさらに緻密なスポンジ状構造体を
形成し好ましい。
間の最大距離は、反射電子顕微鏡写真に対して任意の本
数(例えば3本)の直線を引き、この各直線上に位置す
る個々の金属酸化物相(黒部)の直線上での長さを測定
し、各直線における最大距離の平均値を示したものであ
る。
格において、金属相19は立体的に支持されており、金
属酸化物相20に対して効果的にアンカー効果を発現可
能となるのである。また、金属相19は、金属酸化物相
20と円筒管2やセラミック保護層9をなす固体電解質
との界面に偏在し、例えば粗大な塊状粒となることもな
いために、金属酸化物相20と前記固体電解質間の接合
状態は良好となる。これらの結果、端子部4a、4b、
24上にロウ付けされたリードピン13の引っ張り強度
が著しく向上されるのである。
を越えると、複合導体層の内部においてスポンジ状構造
体に関与しない遊離の金属相が粒状に存在するようにな
る。この遊離の金属相は、端子部4a、4b、24表面
における前記反射電子顕微鏡写真でも明らかに観察で
き、これらは立体的に支持されていないためアンカー効
果が機能せず、リードピン13、23の引っ張り強度は
低下する傾向にある。また、金属相19と固体電解質
は、前述の通り本質的に濡れが悪いため、複合導体層の
内部において遊離した金属相同士が粗大な凝集粒を形成
しやすい。この粗大な凝集粒は、リードピン13、23
の引っ張り評価時は、欠陥として作用するため、端子部
4a、4b、24は破壊しやすくなる。
t、Rh、Pd、Ru、Auのうち少なくとも1種から
選択され、特にPtが高温環境下における耐酸化性の点
で優れる。これらの金属相は、500℃の使用環境下で
酸化等の反応を生じず安定に存在するので好ましい。形
状、粒径については特に制約は無いが、上記の如く、隣
り合う金属相の島状組織間の距離を制御する目的で、状
況に応じて適度な粒度配合、金属成分の形状選択等の手
法を採用しても良い。
て、平均2次粒径(D50)が大きいほど、あるいは焼
成温度が高いほど島状組織間の距離が大きくなる傾向に
あることから、これらを適宜制御する。例えば、Pt−
ZrO2系の場合、D50が3μm以下のZrO2粉末を
用い、焼成温度を1500℃以下とすることが望まし
い。
Zr、アルカリ土類元素、希土類元素(Yを含む)の群
から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む複合酸化物
からなることが望ましい。具体的には、複合酸化物とし
ては、フォルステライト、ステアタイト、スピネル、希
土類元素酸化物−SiO2−Al2O3、ZrO2−(希土
類元素酸化物、CaO、SiO2)の群から選ばれる少
なくとも1種の複合酸化物が挙げられる。
O3複合系としては、Y2O320〜53重量%、Al2O
310〜34重量%、SiO224〜60重量%の組成物
によって形成すると、融点1500℃以下のガラス状セ
ラミックスを形成しやすく好ましい。特に、Y2O33
2.3重量%、Al2O321.8重量%、SiO24
5.9重量%の組成点では、ガラス状セラミックスの融
点が1400℃近傍に設定できるため、端子部4a、4
b、24を構成する複合導体層中の金属相の粒成長を抑
制でき望ましい。
SiO2)系では、3〜15mol%の希土類元素酸化
物で安定化されたZrO2に対し、希土類酸化物のうち
少なくとも1種を添加した組成物、あるいは金属成分と
前記安定化ZrO2の総量100重量部に対しCaOを
50重量部以下の割合で添加した組成物を用いることに
よって複合導体層16と固体電解質との密着性が好適に
改善される。
100重量部に対して、SiO2を10重量%以下の割
合で添加すると、SiO2が固体電解質のZrO2粒界に
侵入しアンカー効果を発現するようになるために、端子
部と固体電解質との密着性をさらに改善することができ
る。
元素酸化物としては、Y2O3、Yb 2O3、Sc2O3、S
m2O3、Gd2O3、CeO2の群から選ばれる少なくと
も1種が好適に使用される。
複合導体層16における金属相19:金属酸化物相20
の存在比率は、体積換算で95:5〜20:80体積%
の範囲にするとよい。特に95:5〜60:40体積%
の範囲では、端子部4a、4b、24の固体電解質への
接合強度を確保しつつ、低抵抗化でき大変好ましい。金
属相19が95体積%よりも多いと、金属酸化物相20
と固体電解質との接合が弱くなりやすい。また、金属相
19が20体積%よりも少ないと、比抵抗が飛躍的に増
加しリード部8、12との導通がとれなくなる不具合が
生じやすい。
部分の厚みは3μm以上が好適である。3μm未満の厚
みでは、円筒管2やセラミック保温層9上へのスクリー
ン印刷時、スクリーンのメッシュ跡等の欠陥が生じやす
く、この欠陥がロウ流れに対しピンホール等の不良原因
となりやすい。端子部4a、4b、24の厚みの上限は
特に制約はないが、図1に示すような円筒形状の検出素
子の場合、100μmを超えると、端子部4a、4b、
24と円筒管2やセラミック保温層9との接合界面の曲
率と、端子部4a、4b、24の表面での曲率との差が
大きくなり破壊しやすいため、100μm以下であるこ
とが望ましい。
端子部4a、4b、24に接続するためのロウ材とし
て、AuとNi、Pd、Pt、Rhの群から選ばれる少
なくとも1種を含有する合金からなることが重要であ
る。
u系合金の場合には、400℃以上の高温大気中では、
合金中のCuの酸化速度が早いため、合金の脆化が生じ
やすいのに対して、AuとNi、Pd、Pt、Rhの群
から選ばれる少なくとも1種を含有する合金を用いるこ
とによって、酸化速度を充分に遅延化することできる。
また、ロウ付け環境である還元雰囲気下で、ロウ付け温
度が1300℃を超えると、検出素子の電極3(または
5)の構成金属成分の粒成長が徐々に進行し検出素子の
応答特性が劣化する不具合が生じる。
0℃以下であることが望ましく、そのために、組成を以
下の範囲に調整することが望ましい。即ち、AuとNi
とを2成分比率で、Au50〜100重量%、Ni0〜
50重量%、またAuとPdとを2成分比率で、Au8
5〜100重量%、Pd0〜15重量%、AuとPtと
を2成分比率でAu45〜100重量%、Ptが0〜5
5重量%とし、さらにAuとRhとを2成分比率で、A
u94〜100重量%、Rhが0〜6重量%とすること
が望ましい。なお、上記のロウ材組成においては、Au
100重量%はいずれも含まないものである。これによ
ってロウ付け温度を1300℃以下の低温に設定できる
ことから構成金属成分の粒成長による応答特性の劣化を
も防止することができる。
Ni、Pd、Pt、Rh以外に、不純物成分として、C
u、Ag、Si、Cr、In、Ti、V、Reなどの金
属が混入する場合があるが、これらの不純物金属量は、
合計で15重量%以下、特に7重量%以下であることが
望ましい。特にCu、Agは、耐酸化性が低いために、
合計で3重量%以下、さらには1重量%以下、さらには
0.5重量%以下であることが望ましい。
て接合されるリードピン13、23としては、Ni、コ
バール、インコネル、Pt等の耐熱・耐酸化性の良好な
金属から選ばれる少なくとも1種を選択すればよい。
ある場合、図5に示すように、側面からみた時の端子部
4、23との間において形成されるロウ材17のメニス
カス部の曲率半径rは0.05≦r≦4mmであると
き、リードピン13、23の引っ張り評価時、ロウ材曲
率部(メニスカス)が応力拡大点とならずに好ましい。
また、r<0.05mmの場合は、リードピン13、2
3の引っ張り時に、曲率部の応力拡大(てこの原理)効
果が大きく、端子部4、24が破壊に至る傾向がある。
一方、4mm<rの場合は、リードピン13、23を支
持するロウ材量が著しく減少し、リードピン13、23
のみがとれる等のロウ付け不良が多発しやすい。
ードピン接合部表面における接線と、端子部4、24に
ロウ材17のメニスカスを介して接続されたリードピン
13、23となす角度θが20〜45度であることが望
ましい。特に、上記の角度θを30〜40度とするとメ
ニスカス部の曲率半径rが0.5mm≦r≦1mmとな
り、ロウ材使用量を低減可能でコスト低減に大変有効で
ある。
部内に端子部4a、4b、24の基体との接続端部が存
在しないロウ付け構造とすることで、引っ張り試験時に
端子部4、24を構成する複合導体層16と円筒管2あ
るいはセラミック保温層9をなす固体電解質との間に生
じる応力拡大を効果的に回避し、その結果、端子部4、
24のめくれ、剥離を回避可能となるのである。
は、円筒管2の外表面あるいは内表面のどちらでも形成
することができるが、外表面に形成した方が、リードピ
ン13とロウ材17を円筒管2の外表面に治具を用いて
固定し易く、内表面に形成する場合に比べロウ付け工程
の歩留まりが著しく向上するため非常に好ましい。
と電気的に接続された端子部にリードピンをロウ付けす
る部分を具備する検出素子であれば、あらゆる素子に適
用できる。
について、図6乃至図8に基づき説明する。なお、図1
〜図2と同じ機能を具備する箇所については同じ符号を
付して説明する。
とを接続するリード部12をセラミック保温層9の表面
に形成したが、図1におけるB−B断面図の他の実施態
様である図6(a)に示すように、リード部12をセラ
ミック絶縁層6内に形成し、そのリード部12とセラミ
ック保温層9の表面に形成された端子部4bとをセラミ
ック絶縁層6およびセラミック保温層9を貫通して形成
された貫通導体18によって接続することができる。こ
の場合、リード部12と端子部4bとの接続は、図6
(b)の側断面図に示すように、セラミック絶縁層6と
セラミック保温層9との端面から端子部4bを引き回し
て接続することもできる。
を1箇所形成しているが、図7の(a)概略斜視図、お
よび(b)そのD−D断面図に示すように、検知部が円
筒体の互いに対向する箇所に2つ設けられている。この
ように、検知部を複数箇所形成すれば、アッセンブル金
具内での排気ガスに対する検出素子1の指向性をなくす
ることができる。かかる図7においても少なくとも検知
部表面を多孔質のセラミック保護層14によって被覆さ
れるが、説明の便宜上、図7(a)では省略した。
にあたっては、2つの測定電極5を直列的に接続し、リ
ード部12を介して端子部4bに接続することもできる
が、各測定電極5に対してそれぞれリード部12を形成
し、端子部4bに対してそれぞれ接続するか、あるいは
図7(a)に示すように、途中でリード部12同士を接
続して端子部4bに接続すればよい。また、基準電極3
は、各検知部に合わせて2つ形成してもよいし円筒管2
の内面全面に基準電極3を形成すれば基準電極3を共有
化することもできる。
円筒形状のみならず、平板型の検出素子における端子構
造に対しても適用できる。そこで、図8に平板型の検出
素子を示した。(a)は斜視図、(b)はE−E断面
図、(c)はF−F断面図である。この検出素子は、図
上から検知部、空気導入孔、ヒータ部が積層された構造
となっている。固体電解質基体2の外面に測定電極5、
大気導入孔25側の内面には基準電極3が形成されてい
る。
外面に形成されたリード部12を経由して同じく固体電
解質基体2の外面に形成された端子部4a、4bに接続
されている。また、空気導入孔25内壁に形成された基
準電極3は端子部4aの真下に引き出され、垂直導体2
6によって端子部4aに接続され、これらの端子部4
a、4bには、本発明に従い、ロウ材17によりリード
ピン13a、13bがロウ付けされる。
を挟んで検知部と対向する部分には、アルミナ等のセラ
ミックスからなる絶縁層6を介して発熱抵抗体7が内蔵
されている。発熱抵抗体7は、図8(c)に示すように
リード部8が端子部24の真下まで延長され垂直導体2
7によりヒータ用端子部24に接続されており、この端
子部24には、リードピン23が本発明に従って接続さ
れる。
なるセラミック保温層9に対する引っ張り強度と、端子
部4表面の任意の位置で観察される金属成分の島状組織
の隣り合う距離との相関関係を調べた。
下のものを準備した。 a)共沈法により作製した5モル%Y2O3含有のZrO
2粉末(円筒管用、セラミック保温層用) b)MgO含有量が10ppm以下の微粒Al2O3粉末
(セラミック絶縁層用) c)Al2O3を10体積%含有するPtペースト(発熱
抵抗体7、リード部8) d)5モル%Y2O3含有のZrO2粉末を30体積%含
有するPtペースト(基準電極2、測定電極5、電極ま
たは抵抗体リード部8、12用) e)5モル%Y2O3含有のZrO2粉末を40体積%含
有するPtペースト(電極用端子部4、抵抗体用端子部
24) なお、上記e)のPtペーストに使用されたZrO2粉
末の粒径は、端子部4、24の複合導体層において隣り
合う金属相19の距離を制御する目的で、平均2次粒径
(D50)で0.5〜5.0μmとした。
ルコール溶液を添加して坏土を作製し、押出成形により
外径が約4mm、内径が2.3mmの円筒管2を作製し
た。また、a)のZrO2粉末に、アクリル系のバイン
ダーを所定量添加しスラリーを作製した後、ドクターブ
レード法により200μm厚みのセラミック保護層9用
のグリーンシートを作製した。
表面に、上記b)のAl2O3粉末からなるスラリーを焼
成後、約10〜15μmの厚みになるように塗布した。
そしれ、そのAl2O3層の表面に、発熱抵抗体7と抵抗
体用のリード部8を上記c)のPtペーストを用いてス
クリーン印刷により形成した。さらに抵抗体リード部8
の所定の位置に、パンチングにより貫通孔を開け、d)
のPtペーストを充填した。
ートを反転させ、測定電極と接続されるリード部12、
測定電極と接続される端子部4b、抵抗体リード8の端
子部24となる塗布膜を、それぞれd)あるいはe)の
Ptペーストを用いて、所定の位置にスクリーン印刷に
より印刷形成した。その後、塗布膜に、所定の直径を有
する円柱状の棒体を押し付けて、円筒管の軸長方向に凹
溝を形成した。
上には、セラミック保護層122として、グリーンシー
トを形成する前述のa)のZrO2スラリーと同一のス
ラリーを、焼成後、約15〜20μmの厚みとなるよう
にスクリーン印刷した。
前記発熱抵抗体がAl2O3層に内包されるように、前記
c)のAl2O3粉末からなるスラリーを焼成後、約10
〜15μmとなるように塗布した。
(以下、シート状積層体と称する)シート状積層体のう
ち、測定電極5を形成する領域をパンチングにより開口
し、開口部11を形成した後、上記の円筒管2の表面
に、接着層としてアクリル系樹脂に上記の5モル%Y2
O3含有のZrO2粉末を分散させた密着液を用いて巻き
付け、円筒状積層体を作製した。
積層体において円筒管2の内側に基準電極3を、また、
開口部11内に測定電極5を、それぞれ焼成後に10μ
mの厚みになるようにそれぞれ曲面印刷法により形成し
た。この円筒状積層体を大気中にて1400〜1500
℃で2時間焼成し一体化した。なお、焼成後、本検出素
子1において円筒管2の外径は3.0〜3.1mmであ
り、内径は1.7〜1.8mmであった。また、端子部
4a、4b、24の幅B2は2mmとし、凹溝15の幅
B1を表1に示すように変化させて、端子部4a、4
b、24の幅B2に対する凹溝15の幅B1の比率を変
化させた。
子部上にAu−Cuロウ材(Au50重量%、Cu50
重量%)、Ag−Cuロウ材(Ag72重量%、Cu2
8重量%)と、表1に示される比率からなるAuとN
i、Pd、Pt、Rhの群から選ばれる少なくとも1種
を含む合金のロウ材から選ばれるロウ材17により直径
が0.6mmのNiからなるリードピン13、23を、
ロウ材のメニスカスの曲率半径rが0.6mmとなるよ
うに固定した。なお、Au−Cuロウ材、Ag−Cuロ
ウ材を使用した試料に関しては、ロウ付け後、ロウ材の
酸化防止の目的で6μmのNiメッキを施した。
ラズマ溶射法を用いてスピネルからなる気孔率が約30
%のセラミック多孔質層を約100μmの厚みになるよ
う形成して検出素子を作製した。
部に対して垂直方向のリードピン23のうち片方のみ初
期引っ張り強度を測定した。さらに、端子部4の表面に
おける任意の位置での反射電子顕微鏡写真(BEM)か
ら、隣り合う金属相の島状組織間の距離の最大値を見積
もった。この最大距離の測定にあたっては、反射電子顕
微鏡写真に対して3本の直線を引き、この各直線上に位
置する個々の金属酸化物相(黒部)の直線上での長さを
測定し、各直線における最大距離を平均値を示した。
関して、大気中400℃の炉中で、2000時間の曝露
試験を実施し、その後、初期強度を測定していない残り
のリードピン23について再度、引っ張り強度を測定し
た。結果を表1に示す。
でリードピンを接合した試料No.19に比較して、端
子部に凹溝を形成した本発明の試料では、リードピンの
引張強度が大きく向上していることが判る。特に、試料
No.19〜26から、端子部の幅B2に対する凹溝の
幅B1の比率が30〜60%の時にリードピンの引張強
度が大きくなり、さらには30〜50%の時に著しく向
上することが判る。
0μm以下の試料は、いずれも引っ張り強度は高く良好
であった。なお、これらの試料は全て、端子部のロウ材
が密着している部分が、その直下にある導体を伴って剥
離しているが、剥離面は端子部とセラミック保護層の界
面であった。
後の強度は、AuとNi、Pd、Pt、Rhの群から選
ばれる少なくとも1種を含有するロウ材を使用した場合
でほとんど劣化が認められなかった。
では、端子部の中央部に凹溝を形成し、この凹溝にリー
ドピンを位置決めし、ロウ付けするため、円筒形の検出
素子であっても、ロウ付け時にリードピンが移動せず、
端子部の中央部に確実に接合でき、リードピンに引っ張
りの力が生じた場合、端子部の端には直接的な引っ張り
力が生じず、端子部の端から剥離が開始することがな
く、リードピンの接合強度を向上でき、これにより、検
出素子の歩留まりを向上できる。
の概略斜視図である。
B−B断面図、(c)C−C断面図である。
するための(a)概略断面図および(b)端子部を形成
する複合導体層の反射電子顕微鏡写真の模式図である。
と、複合導体層表面の金属相間距離との関係を示す図で
ある。
造の概略断面図である。
めの端子部付近の(a)縦断面図と、(b)さらに他の
実施態様における横断面図である。
めの(a)概略斜視図と、(b)D−D縦断面図であ
る。
めの(a)概略斜視図と、(b)E−E断面図、(c)
F−F断面図である。
そのG−G断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】ジルコニア固体電解質基体の両主面に一対
の電極を形成してなり、環境状態を検知する検知部を有
する素子本体の表面に端子部を設け、該端子部にリード
ピンをロウ材によりロウ付けしてなる検出素子におい
て、前記端子部に凹溝を形成するとともに、該端子部の
凹溝に前記リードピンが位置決めされた状態でロウ付け
されていることを特徴とする検出素子。 - 【請求項2】端子部に形成された凹溝の幅が、前記端子
部の幅の50%以下であることを特徴とする請求項1記
載の検出素子。 - 【請求項3】端子部が、金属相と金属酸化物相とからな
る複合導体層からなり、該複合導体層表面の反射電子顕
微鏡写真において隣り合う金属相間の最大距離が10μ
m以下であり、且つロウ材が、Auと、Ni、Pd、P
t及びRhの群から選ばれる少なくとも1種を含有する
合金からなることを特徴とする請求項1又は2記載の検
出素子。 - 【請求項4】複合導体層中の金属相が、Pt、Rh、P
d、Ru及びAuのうち少なくとも1種からなり、前記
複合導体層中の金属酸化物相が、Zr、Al、Si、ア
ルカリ土類及び希土類元素の群から選ばれる少なくとも
1種の酸化物からなることを特徴とする請求項3記載の
検出素子。 - 【請求項5】ジルコニア固体電解質基体が、一端が封止
された円筒管からなることを特徴とする請求項1乃至4
のうちいずれかに記載の検出素子。
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JP2009300428A (ja) * | 2008-05-12 | 2009-12-24 | Ngk Spark Plug Co Ltd | ガスセンサ及びその製造方法 |
WO2016047733A1 (ja) * | 2014-09-25 | 2016-03-31 | 旭硝子株式会社 | 半田チップ、半田チップを用いた端子付きガラス基板の製造方法 |
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