JP2003004693A - 検出素子 - Google Patents

検出素子

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JP2003004693A
JP2003004693A JP2001193735A JP2001193735A JP2003004693A JP 2003004693 A JP2003004693 A JP 2003004693A JP 2001193735 A JP2001193735 A JP 2001193735A JP 2001193735 A JP2001193735 A JP 2001193735A JP 2003004693 A JP2003004693 A JP 2003004693A
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metal
terminal portion
brazing material
detection element
conductor layer
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JP2001193735A
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English (en)
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Koji Ono
浩司 小野
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検出素子を成す固体電解質に形成した端子部表
面に金属部材をロウ付けした場合、金属部材の垂直方向
引っ張り試験で端子部のうちロウ付け部分が破壊すると
いう問題があった。 【解決手段】ジルコニア固体電解質基体の両主面に一対
の電極3、10を形成してなり環境状態を検知する検知
部と、前記基体の表面に形成され、電極3、10と電気
的に接続された端子部4a、4bと、端子部4a、4b
にロウ材によりロウ付けされた金属部材13a、13b
とを具備してなる検出素子1において、端子部4a、4
bが、金属相と金属酸化物相とからなる複合導体層から
なり、複合導体層表面の反射電子顕微鏡写真において隣
り合う金属相間の最大距離が10μm以下であり、且つ
ロウ材として、AuとNi、Pd、Pt、Rhの群から
選ばれる少なくとも1種を含有する合金を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、基本構造がジル
コニア固体電解質と一対の電極を具備する検知部と、端
子部と、該端子部にロウ付けされた金属部材とを具備す
る検出素子、例えば自動車の排気ガス中の酸素濃度を検
出する酸素センサ、あるいは窒素酸化物濃度を検出する
NOxセンサのように、特に耐熱特性、高信頼性を要求
される検出素子の改良に関する。
【0002】
【従来技術】まず、従来の検出素子の構造を図9を用い
て説明する。図9は、酸素濃度を検知する平板状のヒー
タ一体型の検出素子31を示したものである。この検出
素子31によれば、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性
の板状の固体電解質32が空気導入孔37を囲むように
形成され、前記固体電解質32の外表面には測定電極3
3、空気導入孔37側にはPtからなる基準電極34が
形成され、これらの部分が周囲の雰囲気中の酸素濃度を
検知する検知部を形成している。これらの電極33、3
4は、互いに固体電解質32aにより隔離され、電極間
の酸素濃度の比に従った起電力が発生するようになって
いる。これらの電極33、34は、生の固体電解質シー
トの表面に、固体電解質粉末を分散させた金属ペースト
を塗布し同時焼成するか、固体電解質板状体を焼成後、
無電解メッキを施すことにより形成することができる。
【0003】そして、空気導入孔37を挟んで対向する
固体電解質32bの内部には、酸化アルミニウムからな
る絶縁層36に挟まれた発熱抵抗体35が内蔵され、こ
れにより検出素子31の検知部を加熱する構造となって
いる。
【0004】この酸素濃度を検知する検出素子31は、
500℃以上の大気中に晒される場合があるため、測定
電極33および基準電極34用の金属材料としては、主
としてPtが使用されている。
【0005】また、外部との電気的接続に関しては、ジ
ルコニア固体電解質を母材磁器とした検出素子31とし
ては、特開昭58−100746号公報に記載のよう
に、検出素子の端部に電極取出部を設けてここに金属部
材をバネ等により圧接する端子構造を有するものが知ら
れている。
【0006】この方法では端子部の接続や金属部材間で
の絶縁性の確保のために構造が複雑となり、検出素子3
1の信頼性が低下するという課題があった。
【0007】このため、金属部材を直接、検出素子31
に接続する方法が提案されている。例えば、特開平1−
257256号では、検出素子の白金電極の一部を端子
部とし、その端子部に直接Ni線をPtペーストの焼き
付けによってメタライズ接合する方法が提案されてい
る。また、特開平2−124456号では、白金電極か
らなる端子部にリード線をAg−Cuロウ材でロウ付け
することが記載されている。
【0008】また、白金電極の表面に、めっきなどの薄
膜形成法によって金属膜を形成しロウ付けすることも行
なわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Au−Cuロウ材、Ag−Cuロウ材のように、ロウ材
中にCuを含有する合金は、端子部が400℃以上の高
温に長時間晒される場合、選択的にCuが酸化され、体
積膨張を生じるため、ロウ材中にクラックが発生し、ロ
ウ付け強度が著しく低下するという問題があった。
【0010】また、前記ロウ材を無電解Niメッキ等で
被覆し、Cuの選択的酸化を防止する対策が一般的に行
われているが、メッキ層に存在するピンホール等の微細
な欠陥を完全に除去する事は非常に困難であり、故に前
記ロウ材では、高温に晒される端子部における信頼性の
高いロウ付け構造を形成する点において不十分であっ
た。一方、ロウ付けの土台となる端子部においては、金
属ペーストの塗布、焼成によって形成する場合、金属ペ
ースト中には固体電解質との熱膨張差などを整合させる
ために、ジルコニアなどのセラミック成分を含有させる
ことが一般的である。このようなジルコニアなどのセラ
ミックスを含む金属ペーストを固体電解質表面に厚膜印
刷し同時焼成した場合、端子部は、セラミックスの骨格
の中に金属粒子が絡まった構造となるが、端子部表面に
おいてPtなどの金属粒子が露出している部分はロウ材
とのAu−Pt接合は形成されるものの、本質的にジル
コニアとPt粒子間の濡れが悪いため、アルミナセラミ
ックスとタングステンとの組み合わせで得られるような
高い接合強度が確保し難く、前記金属部材の垂直方向引
っ張り試験で端子部のうちロウ付け部分が破壊するとい
う問題があった。
【0011】従って、本発明は、端子部と金属部材との
ロウ付けの強度が高く、特に、端子部が400℃以上の
過酷な環境下に、長期間にわたり晒される場合でも優れ
た耐久性を有する検出素子を提供することを目的とする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記事情に
鑑みて鋭意研究に努めた結果、ジルコニア固体電解質基
体の両主面に一対の電極を形成してなり環境状態を検知
する検知部と、前記基体の表面に形成され、前記電極と
電気的に接続された端子部と、該端子部にロウ材により
ロウ付けされた金属部材とを具備してなる検出素子にお
いて、前記端子部が、金属相と金属酸化物相とからなる
複合導体層からなり、該複合導体層表面の反射電子顕微
鏡写真において隣り合う金属相間の最大距離が10μm
以下であり、且つ前記ロウ材を、AuとNi、Pd、P
t、Rhの群から選ばれる少なくとも1種を含有する合
金によって形成することを特徴とするものである。即
ち、本発明によれば、ロウ材を、Au、あるいはAuと
Ni、Pd、Pt、Rhの群から選ばれる少なくとも1
種を含有する合金によって形成することによって、ロウ
材の耐酸化性が著しく改善され、400℃以上の高温に
長期間晒される場合でも安定に、また金属部材の引っ張
り試験に十分耐える高強度な端子部を有する検出素子が
得られる。
【0013】かかる構成において、前記ロウ材の各2成
分比率が、AuとNiとがAu50〜100重量%、N
i0〜50重量%、AuとPdとがAu85〜100重
量%、Pd0〜15重量%、AuとPtとがAu45〜
100重量%、Ptが0〜55重量%、さらにAuとR
hとがAu94〜100重量%、Rhが0〜6重量%で
ある(但し、いずれの場合もAu100重量%を含ま
ず)ことが、ロウ付け温度を1300℃以下に設定で
き、非常に望ましい。
【0014】また、前述の如く、端子部は金属相と金属
酸化物相とからなる複合導体層で構成し、前記複合導体
層表面の反射電子顕微鏡写真において隣り合う金属相間
の最大距離を10μm以下とすることによって、端子部
内で金属相が3次元的に骨格を形成し、金属相と金属酸
化物相が複雑に絡み合い、その結果、ロウ材−金属成分
間の接合強度を確保しつつ、金属酸化物相とジルコニア
固体電解質との接合が立体的に支持可能となり、金属部
材の引っ張り試験に十分耐える高強度な端子部を有する
検出素子が得られる。
【0015】かかる構成において、前記複合導体層は、
金属相20〜95体積%と、金属酸化物相5〜80体積
%重量%とからなることが接合強度を高める上で好適で
あり、さらに、前記端子部を形成する複合導体層中の金
属相が、Pt、Rh、Pd、Ru、Auのうち少なくと
も1種からなること、前記金属酸化物相が、Al、S
i、Zr、アルカリ土類元素、希土類元素の群から選ば
れる少なくとも1種を含有することが接合強度をさらに
高める上で望ましい。
【0016】また、端子部にロウ付けされた金属部材
の、金属部材と端子部の間に介在するロウ材の曲率半径
rが0.05≦r≦4mmの場合、または、前記端子部
を形成する複合導体層表面の接線と、前記複合導体層に
ロウ材を介して接続された前記金属部材となす角度が2
0〜45度である場合、前記金属部材の引っ張り試験時
に金属部材と端子部間に存在するロウ材のメニスカス部
に生じる応力集中を効果的に回避できる。
【0017】さらにメニスカス部に端子部の基体との接
続端部が存在しないようにすることによって、引っ張り
試験時に端子部のめくれ、剥離を効果的に回避できる。
【0018】また、固体電解質基体の一方の表面に端子
部と、他方の表面に形成された電極とが、前記固体電解
質基体の端面を経由して電気的に接続することによっ
て、前記金属部材のロウ付け位置を精度よく確保するこ
とができる。
【0019】なお、本発明の検出素子は、前記ジルコニ
ア固体電解質基体が、一端が封止された円筒管からなる
場合に特に好適に採用される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の検出素子の一例を示す図
面を参照しながら本発明を説明する。図1は、検出素子
の一例を示す概略斜視図である。図2(a)は、図1の
検出素子のA−A断面図、(b)は同じくB−B断面
図、(c)は同じくC−C断面図である。但し、図1
(a)では、説明の便宜上、セラミック保護層14を省
略した。
【0021】図1、図2の検出素子1は、酸素イオン導
電性を有するジルコニアセラミック固体電解質からな
り、先端が封止された円筒管2の内面に、第1の電極と
して、空気などの基準ガスと接触される基準電極3が被
着形成され、また、円筒管2を挟んで基準電極3と対向
する位置に第2の電極として、排気ガスなどの被測定ガ
スと接触する測定電極5が被着形成されている。そし
て、基準電極3、ジルコニア固体電解質からなる円筒管
2および測定電極5によって検知部を形成している。
【0022】そして、先端が封止された円筒管2の外面
には、Al23などのセラミック絶縁層6が被着形成さ
れており、そのセラミック絶縁層6には、測定電極5の
一部または全部が露出するように開口部11が形成され
ている。
【0023】また、上記のセラミック絶縁層開口部11
の周囲のセラミック絶縁層6中には検知部を加熱するた
めのPt等からなる発熱抵抗体7が埋設されている。ま
た、セラミック絶縁層6の表面には、発熱抵抗体7によ
る加熱効率を高めるために、アルミナ等からなるセラミ
ック保温層9が形成されている。
【0024】前記電極部のうち円筒管2の内面に形成さ
れた基準電極3は、円筒管2の開口端面を経由して円筒
管2の外表面に設けた端子部4aに接続されている。一
方、円筒管2の外面に形成された測定電極5は、セラミ
ック絶縁層6に形成された開口部11の端面を経由して
セラミック保温層9の表面に形成されたリード部12に
接続され、セラミック保温層9の表面に形成された端子
部4bと接続されている。なお、円筒管2において上記
端面に存在するエッジ部は、C面取りされ、エッジ部で
生じる電気的接続の不良を回避している。
【0025】なお、セラミック保温層9の表面に形成さ
れたリード部12の表面にはさらにZrO2等からなる
保護層122が形成されている。この保護層122によ
って、リード部12を、例えば素子のアッセンブル時の
引っかき、あるいは素子の落下時の異物との衝突等の物
理的な破壊から保護することができる。このセラミック
保護層122は固体電解質と同じZrO2で構成するこ
とが固体電解質との熱膨張差による応力の発生を防止す
る上で好ましい。さらに、検知部の表面は、多孔質のセ
ラミック保護層14によって被覆されている。
【0026】セラミック保温層9の表面に形成された端
子部4a、4bには、外部回路との接続のための金属部
材13がそれぞれロウ材17によってロウ付け固定され
ている。
【0027】これによって、検知部において発生した検
知データをリード部12、端子部4a、4bおよび金属
部材13を経由して外部回路に接続される。
【0028】一方、セラミック絶縁層6内に形成された
発熱抵抗体7は、同じくセラミック絶縁層6内に形成さ
れたリード部8と、セラミック絶縁層6およびセラミッ
ク保温層9を貫通して形成された貫通導体18によっ
て、セラミック保温層9の外表面に形成された端子部2
4と電気的に接続されている。そして、端子部24上に
は発熱用外部電源と接続するための金属部材23がロウ
材17により固定され、これらを通じて発熱抵抗体7に
電流を通ずることにより、発熱抵抗体7が加熱され、測
定電極5、円筒管2および基準電極3からなる検知部を
所定の温度に急速昇温される。
【0029】本発明によれば、少なくとも電極3、5と
接続される端子部4a、4bが、さらに望ましくは、発
熱抵抗体7と接続される端子部24が、いずれも金属相
と金属酸化物相とからなる複合導体層によって形成する
ことが望ましい。図3に示すように、この複合導体層1
6は、金属酸化物相20と金属相19とが複雑に入り組
んだ組織からなるもので、粒状もしくは箔状の金属粒子
が互いに少なくとも1点以上で接触して金属相をなし、
これが3次元的な網目構造、例えばスポンジ状構造体を
形成しており、その隙間に金属酸化物相20が存在して
いる。
【0030】このような組織からなる複合導体層16に
よって端子部を形成することによって、金属酸化物相2
0は金属相19の粒成長を防止し、かつ端子部4a、4
bと下地層となる円筒管2との接合強度を改善すること
が可能となる。
【0031】かかる点についてさらに詳細に説明する
と、図3(b)の反射電子顕微鏡写真の模写図に示すよ
うに、端子部4a、4bの複合導体層16表面におい
て、前記金属相19(白部)は、複雑な稜線を有する島
状組織として観察される。この島状組織の金属相19
は、マトリクスとなる金属酸化物相20(黒部)に隔て
られながら無数に点在しており、スポンジ状骨格の端部
近傍をあらわしている。
【0032】さらに詳細に検討するため、複合導体層1
6において酸処理により金属相19のみを溶出し、該複
合導体層16の内部の金属相の骨格を観察した結果、図
4に示すように、スポンジ状構造体内部の金属相19間
の距離は、端子部4表面で観察される隣り合う島状組織
の金属相における最大距離以下であることが明らかとな
った。
【0033】このとき、金属相19の隣り合う島状組織
間の最大距離が10μm以下の場合に、端子部4a、4
bの内部において、金属相19が3次元的なスポンジ状
骨格を形成し、特に、最大距離が5μm以下の場合で
は、金属相19がさらに緻密なスポンジ状構造体を形成
し好ましい。
【0034】なお、この金属相19の隣り合う島状組織
間の最大距離は、反射電子顕微鏡写真に対して任意の本
数(例えば3本)の直線を引き、この各直線上に位置す
る個々の金属酸化物相(黒部)の直線上での長さを測定
し、各直線における最大距離を平均値を示したものであ
る。
【0035】このような金属相19によるスポンジ状骨
格において、金属相19は立体的に支持されており、金
属酸化物相20に対して効果的にアンカー効果を発現可
能となるのである。また、金属相19は、金属酸化物相
20と円筒管2やセラミック保護層9をなす固体電解質
との界面に偏在し例えば粗大な塊状粒となることもない
ために、金属酸化物相20と前記固体電解質間の接合状
態は良好となる。これらの結果、端子部4a、4b上に
ロウ付けされた金属部材13の引っ張り強度が著しく向
上されるのである。
【0036】これに対して、上記の最大距離が10μm
を越えると、複合導体層の内部においてスポンジ状構造
体に関与しない遊離の金属相が粒状に存在するようにな
る。この遊離の金属相は、端子部4a、4b表面におけ
る前記反射電子顕微鏡写真でも明らかに観察でき、これ
らは立体的に支持されていないためアンカー効果が機能
せず、金属部材13の引っ張り強度は著しく低下する。
また、金属相19と固体電解質は、前述の通り本質的に
濡れが悪いため、複合導体層の内部において遊離した金
属相同士が粗大な凝集粒を形成しやすい。この粗大な凝
集粒は、金属部材13の引っ張り評価時は、欠陥として
作用するため、端子部4a、4bは破壊しやすくなる。
【0037】本発明によれば、上記の金属相19は、P
t、Rh、Pd、Ru、Auのうち少なくとも1種から
選択され、特にPtが高温環境下における耐酸化性の点
で優れる。これらの金属相は、500℃の使用環境下で
酸化等の反応を生じず安定に存在するので好ましい。形
状、粒径については特に制約は無いが、上記の如く、隣
り合う金属相の島状組織間の距離を制御する目的で、状
況に応じて適度な粒度配合、金属成分の形状選択等の手
法を採用しても良い。
【0038】具体的には、金属酸化物の原料粉末とし
て、平均2次粒径(D50)が大きいほど、あるいは焼
成温度が高いほど島状組織間の距離が大きくなる傾向に
あることから、これらを適宜制御する。例えば、Pt−
ZrO2系の場合、D50が3μm以下のZrO2粉末を
用い、焼成温度を1500℃以下とすることが望まし
い。
【0039】また、金属酸化物相20は、Al、Si、
Zr、アルカリ土類元素、希土類元素(Yを含む)の群
から選ばれる少なくとも1種の酸化物を含む複合酸化物
からなることが望ましい。具体的には、複合酸化物とし
ては、フォルステライト、ステアタイト、スピネル、希
土類元素酸化物−SiO2−Al23、ZrO2−(希土
類元素酸化物、CaO、SiO2)の群から選ばれる少
なくとも1種の複合酸化物が挙げられる。
【0040】より具体的には、Y23−SiO2−Al2
3複合系としては、Y2320〜53重量%、Al2
310〜34重量%、SiO224〜60重量%の組成物
によって形成すると、融点1500℃以下のガラス状セ
ラミックスを形成しやすく好ましい。特に、Y23
2.3重量%、Al2321.8重量%、SiO2
5.9重量%の組成点では、ガラス状セラミックスの融
点が1400℃近傍に設定できるため、端子部4a、4
bを構成する複合導体層中の金属相の粒成長を抑制でき
望ましい。
【0041】ZrO2−(希土類元素酸化物、CaO、
SiO2)系では、3〜15mol%の希土類元素酸化
物で安定化されたZrO2に対し、希土類酸化物のうち
少なくとも1種を添加した組成物、あるいは金属成分と
前記安定化ZrO2の総量100重量部に対しCaOを
50重量部以下の割合で添加した組成物を用いることに
よって複合導体層16と固体電解質との密着性が好適に
改善される。
【0042】また、金属成分と、安定化ZrO2の総量
100重量部に対して、SiO2を10重量%以下の割
合で添加すると、SiO2が固体電解質のZrO2粒界に
侵入しアンカー効果を発現するようになるために、端子
部と固体電解質との密着性をさらに改善することができ
る。
【0043】なお、上記の組成物中で使用される希土類
元素酸化物としては、Y23、Yb 23、Sc23、S
23、Gd23、CeO2の群から選ばれる少なくと
も1種が好適に使用される。
【0044】また、端子部4a、4bを形成する複合導
体層16における金属相19:金属酸化物相20の存在
比率は、体積換算で95:5〜20:80体積%の範囲
にするとよい。特に95:5〜60:40体積%の範囲
では、端子部4a、4bの固体電解質への接合強度を確
保しつつ、低抵抗化でき大変好ましい。金属相19が9
5体積%よりも多いと、金属酸化物相20と固体電解質
との接合が弱くなりやすい。また、金属相19が20体
積%よりも少ないと、比抵抗が飛躍的に増加しリード部
8、12との導通がとれなくなる不具合が生じやすい。
【0045】また、端子部4a、4bの厚みは3μm以
上が好適である。3μm未満の厚みでは、円筒管2やセ
ラミック保温層9上へのスクリーン印刷時、スクリーン
のメッシュ跡等の欠陥が生じやすく、この欠陥がロウ流
れに対しピンホール等の不良原因となりやすい。端子部
4a、4bの厚みの上限は特に制約はないが、図1に示
すような円筒形状の検出素子の場合、100μmを超え
ると、端子部4a、4bと円筒管2やセラミック保温層
9との接合界面の曲率と、端子部4a、4bの表面での
曲率との差が大きくなり破壊しやすいため、100μm
以下であることが望ましい。
【0046】本発明によれば、金属部材13を端子部4
a、4bに接続するためのロウ材として、AuとNi、
Pd、Pt、Rhの群から選ばれる少なくとも1種を含
有する合金からなることが重要である。例えば、従来か
ら用いられているAu−Cu系合金の場合には、400
℃以上の高温大気中では、合金中のCuの酸化速度が早
いため、合金の脆化が生じやすいのに対して、AuとN
i、Pd、Pt、Rhの群から選ばれる少なくとも1種
を含有する合金を用いることによって、酸化速度を充分
に遅延化することできる。また、ロウ付け環境である還
元雰囲気下で、ロウ付け温度が1300℃を超えると、
検出素子の電極3(または5)の構成金属成分の粒成長
が徐々に進行し検出素子の応答特性が劣化する不具合が
生じる。
【0047】そこで、ロウ材組成として、融点が130
0℃以下であることが望ましく、そのために、組成を以
下の範囲に調整することが望ましい。即ち、AuとNi
とを2成分比率で、Au50〜100重量%、Ni0〜
50重量%、またAuとPdとを2成分比率で、Au8
5〜100重量%、Pd0〜15重量%、AuとPtと
を2成分比率でAu45〜100重量%、Ptが0〜5
5重量%とし、さらにAuとRhとを2成分比率で、A
u94〜100重量%、Rhが0〜6重量%とすること
が望ましい。なお、上記のロウ材組成においては、Au
100重量%はいずれも含まないものである。これによ
ってロウ付け温度を1300℃以下の低温に設定できる
ことから構成金属成分の粒成長による応答特性の劣化を
も防止することができる。
【0048】なお、上記ロウ材組成においては、Auや
Ni、Pd、Pt、Rh以外に、不純物成分として、C
u、Ag、Si、Cr、In、Ti、V、Reなどの金
属が混入する場合があるが、これらの不純物金属量は、
合計で15重量%以下、特に7重量%以下であることが
望ましい。特にCu、Agは、耐酸化性が低いために、
合計で3重量%以下、さらには1重量%以下、さらには
0.5重量%以下であることが望ましい。
【0049】また、上記端子部4a、4bに対して接合
される金属部材13としては、Ni、コバール、インコ
ネル、Pt等の耐熱・耐酸化性の良好な金属から選ばれ
る少なくとも1種を選択すればよい。
【0050】ところで、金属部材13が棒状である場
合、図5に示すように、側面からみた時の端子部4との
間において形成されるロウ材17のメニスカス部の曲率
半径rは0.05≦r≦4mmであるとき、金属部材1
3の引っ張り評価時、ロウ材曲率部(メニスカス)が応
力拡大点とならずに好ましい。また、r<0.05mm
の場合は、金属部材13の引っ張り時に、曲率部の応力
拡大(てこの原理)効果が著しく、端子部4が破壊に至
る。一方、4mm<rの場合は、金属部材13を支持す
るロウ材量が著しく減少し、金属部材13のみがとれる
等のロウ付け不良が多発しやすい。
【0051】また、言い換えれば、端子部4の金属部材
接合部表面における接線と、端子部4にロウ材17のメ
ニスカスを介して接続された金属部材13となす角度が
20〜45度することが望ましい。特に、上記の角度を
30〜40度とするとメニスカス部の曲率半径rを0.
5mm≦r≦1mmとなり、ロウ材使用量を低減可能で
コスト低減に大変有効である。
【0052】また、図5に示すように、前記メニスカス
部内に端子部4a、4bの基体との接続端部が存在しな
いロウ付け構造とすることで、引っ張り試験時に端子部
4を構成する複合導体層16と円筒管2あるいはセラミ
ック保温層9をなす固体電解質との間に生じる応力拡大
を効果的に回避し、その結果、端子部4のめくれ、剥離
を回避可能となるのである。
【0053】なお、基準電極3と接続される端子部4a
は、円筒管2の外表面あるいは内表面のどちらでも形成
することができるが、外表面に形成した方が、金属部材
13とロウ材17を円筒管2の外表面に治具を用いて固
定し易く、内表面に形成する場合に比べロウ付け工程の
歩留まりが著しく向上するため非常に好ましい。
【0054】本発明は、図1のみならず、検出部の電極
と電気的に接続された端子部に金属部材をロウ付けする
部分を具備する検出素子であれば、あらゆる素子に適用
できる。
【0055】そこで、本発明の検出素子の他の実施態様
について、図6乃至図8に基づき説明する。なお、図1
〜図2と同じ機能を具備する箇所については同じ符号を
付して説明する。
【0056】まず、図1では、測定電極5と端子部4b
とを接続するリード部12をセラミック保温層9の表面
に形成したが、図1におけるB−B断面図の他の実施態
様である図6(a)に示すように、リード部12をセラ
ミック絶縁層6内に形成し、そのリード部12とセラミ
ック保温層9の表面に形成された端子部4bとをセラミ
ック絶縁層6およびセラミック保温層9を貫通して形成
された貫通導体18によって接続することができる。こ
の場合、リード部12と端子部4bとの接続は、図6
(b)の側断面図に示すように、セラミック絶縁層6と
セラミック保温層9との端面から端子部4bを引き回し
て接続することもできる。
【0057】また、図1の検出素子においては、検知部
を1箇所形成しているが、図7の(a)概略斜視図、お
よび(b)そのD−D断面図に示すように、検知部が円
筒体の互いに対向する箇所に2つ設けられている。この
ように、検知部を複数箇所形成すれば、アッセンブル金
具内での排気ガスに対する検出素子1の指向性をなくす
ることができる。かかる図7においても少なくとも検知
部表面を多孔質のセラミック保護層14によって被覆さ
れるが、説明の便宜上、図7(a)では省略した。
【0058】この際、測定電極5と端子部4bとの接続
にあたっては、2つの測定電極5を直列的に接続し、リ
ード部12を介して端子部4bに接続することもできる
が、各測定電極5に対してそれぞれリード部12を形成
し、端子部4bに対してそれぞれ接続するか、あるいは
図7(a)に示すように、途中でリード部12同士を接
続して端子部4bに接続すればよい。また、基準電極3
は、各検知部に合わせて2つ形成してもよいし円筒管2
の内面全面に基準電極3を形成すれば基準電極3を共有
化することもできる。
【0059】また、本発明の検出素子は、上記のように
円筒形状のみならず、平板型の検出素子における端子構
造に対しても適用できる。そこで、図8に平板型の検出
素子を示した。(a)は斜視図、(b)はE−E断面
図、(c)はF−F断面図である。この検出素子は、図
上から検知部、空気導入孔、ヒータ部が積層された構造
となっている。固体電解質基体2の外面に測定電極5、
大気導入孔25側の内面には基準電極3が形成されてい
る。
【0060】そして、測定電極5は固体電解質基体2の
外面に形成されたリード部12を経由して同じく固体電
解質基体2の外面に形成された端子部4a、4bに接続
されている。また、空気導入孔25内壁に形成された基
準電極3は端子部4aの真下に引き出され、垂直導体2
6によって端子部4aに接続され、これらの端子部4
a、4bには、本発明に従い、ロウ材17により金属部
材13a、13bがロウ付けされる。
【0061】一方、固体電解質基体2の大気導入孔25
を挟んで検知部と対向する部分には、アルミナ等のセラ
ミックスからなる絶縁層6を介して発熱抵抗体7が内蔵
されている。発熱抵抗体7は、図8(c)に示すように
リード部8が端子部24の真下まで延長され垂直導体2
7によりヒータ用端子部24に接続されており、この端
子部24には、金属部材23が本発明に従って接続され
る。
【0062】
【実施例】(実施例1)図5の構造における端子部4の
ZrO2からなるセラミック保温層9に対する引っ張り
強度と、端子部4表面の任意の位置で観察される金属成
分の島状組織の隣り合う距離との相関関係を調べ、その
後、ロウ材を構成する合金の耐酸化性能を調べた。
【0063】まず、評価用サンプルの作製にあたり、以
下のものを準備した。 a)共沈法により作製した5モル%Y23含有のZrO
2粉末(円筒管用、セラミック保温層用) b)MgO含有量が10ppm以下の微粒Al23粉末
(セラミック絶縁層用) c)Al23を10体積%含有するPtペースト(発熱
抵抗体7、リード部8) d)5モル%Y23含有のZrO2粉末を30体積%含
有するPtペースト(基準電極2、測定電極5、電極ま
たは抵抗体リード部8、12用) e)5モル%Y23含有のZrO2粉末を40体積%含
有するPtペースト(電極用端子部4、抵抗体用端子部
24) なお、上記e)のPtペーストに使用されたZrO2
末の粒径は、端子部4の複合導体層において隣り合う金
属相19の距離を制御する目的で、平均2次粒径(D5
0)で0.5〜5.0μmとした。
【0064】まず、a)のZrO2粉末にポリビニルア
ルコール溶液を添加して坏土を作製し、押出成形により
外径が約4mm、内径が2.3mmの円筒管2を作製し
た。また、a)のZrO2粉末に、アクリル系のバイン
ダーを所定量添加しスラリーを作製した後、ドクターブ
レード法により200μm厚みのZrO2のセラミック
保護層9用のグリーンシートを作製した。
【0065】セラミック保護層9用のグリーンシートの
表面に、上記b)のAl23粉末からなるスラリーを焼
成後、約10〜15μmの厚みになるように塗布した。
そしれ、そのAl23層の表面に、発熱抵抗体7と抵抗
体用のリード部8を上記c)のPtペーストを用いてス
クリーン印刷により形成した。さらに抵抗体リード部8
の所定の位置に、パンチングにより貫通孔を開け、d)
のPtペーストを充填した。
【0066】次に、セラミック保護層9用のグリーンシ
ートを反転させ、測定電極と接続されるリード部12、
測定電極と接続される端子部4b、抵抗体リード8の端
子部24をそれぞれd)あるいはe)のPtペーストを
用いて、所定の位置にスクリーン印刷により形成した。
なお、測定電極と接続されるリード部12上には、セラ
ミック保護層122として、グリーンシートを形成する
前述のa)のZrO2スラリーと同一のスラリーを、焼
成後、約15〜20μmの厚みとなるようにスクリーン
印刷した。
【0067】この後、再度グリーンシートを反転させ、
前記発熱抵抗体がAl23層に内包されるように、前記
c)のAl23粉末からなるスラリーを焼成後、約10
〜15μmとなるように塗布した。
【0068】以上、各印刷体が積層したグリーンシート
(以下、シート状積層体と称する)シート状積層体のう
ち、測定電極5を形成する領域をパンチングにより開口
し、開口部11を形成した後、上記の円筒管2の表面
に、接着層としてアクリル系樹脂に上記の5モル%Y2
3含有のZrO2粉末を分散させた密着液を用いて巻き
付け、円筒状積層体を作製した。
【0069】次に、d)のPtペーストを用い、円筒状
積層体において円筒管2の内側に基準電極3を、また、
開口部11内に測定電極5を、それぞれ焼成後に10μ
mの厚みになるようにそれぞれ曲面印刷法により形成し
た。その後、この円筒状積層体を大気中にて1400〜
1500℃で2時間焼成し一体化した。なお、焼成後、
本検出素子1において円筒管2の外径は3.0〜3.1
mmであり、内径は1.7〜1.8mmであった。
【0070】焼成後、不活性雰囲気中にて所定温度で端
子部上にAu−Cuロウ材(Au50重量%、Cu50
重量%)、Ag−Cuロウ材(Ag72重量%、Cu2
8重量%)と、表1に示される比率からなるAuとN
i、Pd、Pt、Rhの群から選ばれる少なくとも1種
を含む合金のロウ材から選ばれるロウ材17によりφ
0.6mmのNi線からなる金属部材13、23を、ロ
ウ材のメニスカスの曲率半径rが0.6mmとなるよう
に固定した。また、ロウ材のメニスカス部には端子部4
の基体との接続端部が含まれないように、端子部の頂部
付近で金属部材をロウ付けした。なお、Au−Cuロウ
材、Ag−Cuロウ材を使用した試料に関しては、ロウ
付け後、ロウ材の酸化防止の目的で6μmのNiメッキ
を施した。
【0071】さらに、その後、測定電極5の表面に、プ
ラズマ溶射法を用いてスピネルからなる気孔率が約30
%のセラミック多孔質層を約100μmの厚みになるよ
う形成して検出素子1を作製した。
【0072】かくして得られた検出素子1において、端
子部に対して垂直方向の金属部材23のうち片方のみ初
期引っ張り強度を測定した。さらに、端子部4の表面に
おける任意の位置での反射電子顕微鏡写真(BEM)か
ら、隣り合う金属相の島状組織50間の距離の最大値を
見積もった。この最大距離の測定にあたっては、反射電
子顕微鏡写真に対して3本の直線を引き、この各直線上
に位置する個々の金属酸化物相(黒部)の直線上での長
さを測定し、各直線における最大距離を平均値を示し
た。
【0073】その後、初期引っ張り強度の良好な試料に
関して、大気中400℃の炉中で、2000時間の曝露
試験を実施し、その後、初期強度を測定していない残り
の金属部材23について再度、引っ張り強度を測定し
た。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】まず、表1によれば、No.4およびN
o.7、12、14を見ると明らかなように、端子部を
形成する複合金属材料において、隣り合う金属相の島状
組織50間の距離の最大値が10μm以上のものは0.
3MPa未満の引っ張り強度しか得られなかった。これ
らの試料の破断部を観察すると、端子部のロウ材17が
密着している部分が、その直下にある導体を伴って剥離
しているが、剥離面は端子部における複合導体層内部で
あった。また、破断面を電子顕微鏡観察により観察した
結果、剥離面に金属骨格に関与していない粒状のPt粗
大粒が認められた。
【0076】これに対し、金属相による島状組織50間
の距離が10μm以下の試料は、いずれも引っ張り強度
は1.0MPa以上と非常に良好であった。なお、これ
らの試料は全て、端子部のロウ材17が密着している部
分が、その直下にある導体を伴って剥離しているが、剥
離面は端子部4とセラミック保護層9の界面であった。
【0077】また、400℃、2000時間の曝露評価
後の強度は、AuとNi、Pd、Pt、Rhの群から選
ばれる少なくとも1種を含有するロウ材17を使用した
場合でほとんど劣化が認められなかった。一方、No.
23およびNo.24に示す如く、ロウ材中にCuを含
有するものは、Cuの著しい酸化がNiメッキのスルー
ホール欠陥付近から生じており、このため局部的なCu
の酸化膨張によるロウ材の脆化が、ロウ付け強度の著し
い劣化を引き起こしていた。 (実施例2)実施例1と同様の手法にて得られる検出素
子1について、複合金属材料からなる端子部上にAu−
Niロウ材(Au82重量%−Ni18重量%)により
Ni線からなる金属部材を固定した。なお、このNi線
はφ0.6mmで、端子部と15〜50度の角度をなす
屈曲部を有する。これらの試料について、図5で示され
る構造を解析するため、投影機もしくは写真を用いて、
端子部と金属部材間に形成されるロウ材のメニスカス部
の曲率半径rを測定した。この後、実施例1と同様な評
価を行うため、金属部材13の引っ張り強度を測定し
た。また、ロウ材によるメニスカス部内に端子部の端部
が存在する場合と、存在しない場合についても同様に評
価した。結果を表2に示す。
【0078】
【表2】
【0079】表2より、ロウ材のメニスカス部の曲率半
径rが0.05mm≦r≦4mmのものが、1.0MP
a以上の引っ張り強度を示し非常に良好であることが明
らかである。このことより、上記の曲率半径では引っ張
り時の応力拡大が曲率部において生じないことが判る。
また、メニスカス部内に端子部の端部が存在するNo.
34〜35では、端子部のセラミック保護層からの剥離
が生じており、端子部とセラミック保護層9間で、引っ
張り時の応力拡大が生じたことが判る。 (実施例3)実施例1の試料No.3と同様の手法にて
得られる検出素子1について、基準電極3に接続する端
子部4を円筒管2の内部に形成した試料と、円筒管2の
外表面に形成した試料を1ロット各々30本、計3ロッ
ト作製し、実施例2と同様に金属部材13の引っ張り強
度を全試料について測定した。その後、引っ張り強度が
1.0MPa以上のものを良品とし、製品歩留まりを求
めた。表3に結果を示す。
【0080】
【表3】
【0081】表3より明らかなように、基準電極3の端
子部4を円筒管2の外表面に設けた場合のほうが製品歩
留まりは非常に良好である。円筒管2の内面に端子部4
を形成した試料について、不合格品全てのロウ付け構造
を詳細に調べたところ、その全てについて、前述のロウ
材によるメニスカスの円弧内に端子部の基体との接続端
子が存在していた。これは、円筒管2の内径が1.7〜
1.8mmと非常に小さいことにより、ロウ付け処理の
前準備時、Ni線を治具で位置精度良く固定することが
非常に困難であることによる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の検出素子
は、端子部上にAuとNi、Pd、Pt、Rhの群から
選ばれる少なくとも1種を含む耐酸化性の良好なロウ材
により、金属部材をロウ付けすることで、400℃以上
の高温環境下に長期間晒された場合でも、安定した信号
取りだし構造が可能となる。
【0083】さらに、金属部材をロウ付けする端子部を
金属相と金属酸化物相とが所定の組織構造からなる複合
導体層によって形成することによって、金属相を3次元
的な網目構造(スポンジ状構造)とし、該金属網目構造
体が金属酸化物相からなるマトリクス部に埋設され、い
わゆるアンカー効果を有効に発現させることが可能とな
る。また、ロウ材が金属部材と複合導体層間に形成する
曲率(メニスカス)の半径を制御することで、さらに金
属部材の引っ張り時に曲率部に応力集中が生じないロウ
付け構造とすることが可能となる。
【0084】これらの結果、安定した信頼性の高い検知
信号の取り出し構造が可能となり、検知部の出力信号を
迅速に、かつ長期にわたり安定して検出できる信頼性の
高い検出素子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出素子の一実施態様を説明するため
の概略斜視図である。
【図2】図1の検出素子の(a)A−A断面図、(b)
B−B断面図、(c)C−C断面図である。
【図3】本発明の検出素子における端子部の構造を説明
するための(a)概略断面図および(b)端子部を形成
する複合導体層の反射電子顕微鏡写真の模式図である。
【図4】本発明における複合導体層内部の金属相間距離
と、複合導体層表面の金属相間距離との関係を示す図で
ある。
【図5】本発明における端子部と金属部材との接続構造
の概略断面図である。
【図6】本発明の検出素子の他の実施態様を説明するた
めの端子部付近の(a)縦断面図と、(b)さらに他の
実施態様における横断面図である。
【図7】本発明の検出素子の他の実施態様を説明するた
めの検知部付近の(a)縦断面図と、(b)D−D概略
斜視図である。
【図8】本発明の検出素子の他の実施態様を説明するた
めの検知部付近の(a)概略斜視図と、(b)E−E断
面図、(b)F−F断面図である。
【図9】従来の検出素子の(a)概略平面図と、(b)
そのG−G断面図である。
【符号の説明】
1 検出素子 2 円筒管(固体電解質基体) 3 基準電極 4a,4b 端子部 5 測定電極 6 セラミック絶縁層 7 発熱抵抗体 17 ロウ材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニア固体電解質基体の両主面に一対
    の電極を形成してなり環境状態を検知する検知部と、前
    記基体の表面に形成され、前記電極と電気的に接続され
    た端子部と、該端子部にロウ材によりロウ付けされた金
    属部材とを具備してなる検出素子において、前記端子部
    が、金属相と金属酸化物相とからなる複合導体層からな
    り、該複合導体層表面の反射電子顕微鏡写真において隣
    り合う金属相間の最大距離が10μm以下であり、且つ
    前記ロウ材が、AuとNi、Pd、Pt、Rhの群から
    選ばれる少なくとも1種を含有する合金からなることを
    特徴とする検出素子。
  2. 【請求項2】前記ロウ材の各2成分比率が、AuとNi
    とがAu50〜100重量%、Ni0〜50重量%、A
    uとPdとがAu85〜100重量%、Pd0〜15重
    量%、AuとPtとがAu45〜100重量%、Ptが
    0〜55重量%、さらにAuとRhとがAu94〜10
    0重量%、Rhが0〜6重量%である(但し、いずれの
    場合もAu100重量%を含まず)ことを特徴とする請
    求項1記載の検出素子。
  3. 【請求項3】前記複合導体層中の金属相が、Pt、R
    h、Pd、Ru、Auのうち少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の検出素
    子。
  4. 【請求項4】前記複合導体層中の金属酸化物相が、Z
    r、Al、Si、アルカリ土類、希土類元素の群から選
    ばれる少なくとも1種を含有する請求項1乃至請求項3
    のいずれか記載の検出素子。
  5. 【請求項5】前記複合導体層が、金属相20〜95体積
    %と、金属酸化物相5〜80体積%とからなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の検出素
    子。
  6. 【請求項6】前記金属部材と前記端子部の間に介在する
    ロウ材のメニスカス部の曲率半径rが、0.05mm≦
    r≦4mmであり、かつ該メニスカス部内に端子部の端
    部が存在しないロウ付け構造を有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれか記載の検出素子。
  7. 【請求項7】前記端子部における複合導体層表面の接線
    と、前記複合導体層にロウ材を介して接続された前記金
    属部材となす角度が20〜45度であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項6のいずれか記載の検出素子。
  8. 【請求項8】前記金属部材と前記複合導体層の間に介在
    するロウ材のメニスカス部内に前記端子部の基体との接
    続端部が存在しないことを特徴とする請求項1乃至請求
    項7のいずれか記載の検出素子。
  9. 【請求項9】前記固体電解質基体の一方の表面に端子部
    と、他方の表面に形成された電極とが、前記固体電解質
    基体の端面を経由して電気的に接続されてなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか記載の検出素
    子。
  10. 【請求項10】前記ジルコニア固体電解質基体が、一端
    が封止された円筒管からなることを特徴とする請求項1
    乃至請求項9のいずれか記載の検出素子。
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