JP2003160535A - 不飽和二塩基酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

不飽和二塩基酸ジエステルの製造方法

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JP2003160535A JP2001363062A JP2001363062A JP2003160535A JP 2003160535 A JP2003160535 A JP 2003160535A JP 2001363062 A JP2001363062 A JP 2001363062A JP 2001363062 A JP2001363062 A JP 2001363062A JP 2003160535 A JP2003160535 A JP 2003160535A
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acid
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史朗 実生
Naoyuki Amaya
直之 天谷
Satoshi Omura
聡 大村
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色相がAPHA100以下である不飽和二塩
基酸ジエステルを、高純度、高収量で製造する方法を提
供する。 【解決手段】 アルコールと不飽和二塩基酸又は不飽和
二塩基酸無水物とからAPHA100以下の不飽和二塩
基酸ジエステルを製造するにあたり、以下の工程を含む
ことを特徴とする製造方法。 工程1:酸触媒を用いてエステル化反応する工程。 工程2:工程1で得られた反応液を5〜30重量%のア
ルカリ水溶液と接触させ洗浄し、分層する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色相がAPHA1
00以下の不飽和二塩基酸ジエステルを高収率で得る製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和二塩基酸ジエステルは、モノマー
原料として広く使用されているが、最近では、可塑剤の
フタル酸ジエステルの代替化合物、光学材料の原料、ト
イレタリー分野の添加剤等のより高い安全性、より好ま
しい外観が求められる分野で使用されるようになってき
たため、色相がAPHA100以下の不飽和二塩基酸ジ
エステルの需要が増大している。不飽和二塩基酸ジエス
テルの製造方法として、例えば、不飽和二塩基酸とアル
コールとを、溶剤の存在下硫酸を酸触媒として用いてエ
ステル化反応し、これを中和洗浄した後に蒸留精製、又
は再結晶精製して得る方法が知られている(例えば、O
rg.Syn.、10巻、48頁(1930年);Ch
em.Ber.、35巻、4087頁(1902
年))。この方法は、ジエステルを製造し、蒸留精製、
再結晶精製により容易に色相の優れたジエステルを得る
方法である。しかしながら、高沸点のアルコールを原料
とした場合、目的のジエステルが蒸留精製に適さない。
また、不飽和二塩基酸のジエステルは融点が低いことが
多く、再結晶精製に適さないことになる。
【0003】そこで、硫酸使用による着色を防止するた
めに、より酸性の低い触媒、例えばパラトルエンスルホ
ン酸や酸型イオン交換樹脂等を用いる方法がある(例え
ば、米国特許3,078,302号明細書;高分子論文
集、54巻、69頁(1997年))。しかし、この場
合も着色しAPHA100以下のジエステルを直接に製
造することはできない。他の方法としては、不飽和二塩
基酸の酸ハロゲン化物とアルコールから、脱塩酸剤とし
てトリエチルアミンやピリジン等のアミンを用いて比較
的低温で反応させる方法がある。しかし、この方法は原
料の酸クロライドの変性や脱塩酸用に使用するアミンの
ため、エステル化反応時に反応液の着色は著しくなる。
反応液を脱色する方法として、活性白土、活性炭等の吸
着剤の使用がなされる。しかし、これらの方法を使用し
ても着色度の高いエステルの脱色には適さない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蒸留や再結
晶等の精製方法での精製が難しい不飽和二塩基酸ジエス
テルについてAPHA100以下とし、高純度で、しか
も高収量で製造する方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の発明であ
る。 (1)アルコールと不飽和二塩基酸又は不飽和二塩基酸
無水物とからAPHA100以下の不飽和二塩基酸ジエ
ステルを製造するにあたり、以下の工程を含むことを特
徴とする製造方法。 工程1:酸触媒を用いてエステル化反応する工程。 工程2:工程1で得られた反応液を5〜30重量%のア
ルカリ水溶液と接触させ洗浄し、分層する工程。 (2)前記(1)の発明において、アルコールが110
℃以上の沸点のアルコールである製造方法。 (3)工程1において、酸触媒として有機スルホン酸を
用いる前記(1)又は(2)の発明の製造方法。 (4)アルカリ水溶液が苛性ソーダ水、苛性カリ水であ
る前記(1)〜(3)の発明のいずれかの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における不飽和二塩基酸又
は不飽和二塩基酸無水物とは、不飽和二重結合と2つの
カルボン酸基又は1つの無水環を有する化合物で、例え
ばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シ
トラコン酸等の不飽和二塩基酸、無水マレイン酸、無水
イタコン酸等の不飽和二塩基酸無水物が挙げられる。
【0007】本発明の前記化合物とエステル化反応する
アルコールの種類は、特に限定はない。しかし、本発明
は沸点が110℃以上のアルコールから構成されるジエ
ステルで、高沸点のジエステルの製造に適用できる。例
えば構成アルコールをn−ブタノ−ル、n−アミルアル
コール、イソアミルアルコール、s−アミルアルコー
ル、n−ヘキサノール、2−エチル−1−ブタノ−ル、
n−ヘプタノール、2−ヘプタノ−ル、n−オクタノ−
ル、2−オクタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、ノナ
ノ−ル、n−デカノ−ル、ウンデカノ−ル、シクロヘキ
サノ−ル、2−メチルシクロヘキサノ−ル、ベンジルア
ルコール、グリシドール、フルフリルアルコール、テト
ラヒドロフルフリルアルコール等のアルコール類;エチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモ
ノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリ
ン、グリセリンモノアセテート等の多価アルコール及び
その誘導体類としたジエステルの製造に実施できる。
【0008】本反応に用いるアルコールの使用量として
は、不飽和二塩基酸1モルに対して1.5モル以上用い
ることが好ましい。さらに好ましくは2モル〜5モルの
範囲である。1.5モル未満では反応の収率が低下し、
5モルを超えると未反応アルコールの除去が困難なる一
方で副生成物の生成が生じるため好ましくない。
【0009】本発明におけるエステル化反応は、必ずし
も有機溶剤の存在を必要としないが、例えばヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の等
の炭化水素、塩化メチル、クロロホルム、塩化エチレ
ン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、
n−ブチルエーテル等のエーテルを使用できる。好まし
い有機溶媒としては、反応水を連続で系外に除去するた
めに水と共沸混合物を作ることができ、さらに反応液を
アルカリ水溶液および水による洗浄を行う際に安定で油
層と水層との分離が良いものであり、前記炭化水素が使
用される。この場合の使用量としては、前記アルコール
に対して0.5〜2倍容量が適当である。
【0010】エステル化反応は、窒素、アルゴン等の不
活性ガス中でおこなうのが好ましい。反応中の酸素に起
因した着色劣化を抑制することができる。また、反応中
には反応を円滑に進めるために、エステル化反応により
生成した水を順次系外へ除去して製造することが好まし
い。
【0011】エステル化反応を行うための酸触媒として
は、硫酸、リン酸、五酸化リン、ヘテロポリリン酸等の
無機酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、
トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸無水物、フッ化ホ
ウ素、酸型イオン交換樹脂等の有機酸、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド等の脱水剤も挙げられる。中でも、エ
ステルの着色を抑えつつ、好ましい反応速度を維持する
ためには、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸
等の有機スルホン酸を使用することが好ましい。酸触媒
の使用量は、前記不飽和二塩基酸に対して0.1〜20
重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で使用され
る。
【0012】本発明におけるエステル化反応の反応温度
としては、有機溶媒の使用の有無、使用される有機溶媒
の種類によっても異なるが、通常40℃〜160℃、好
ましくは60℃〜150℃である。反応温度が40℃未
満では反応速度が極度に低下し、反応収率の低下が起き
る。また160℃を超えると極度の発熱が見られ、エス
テル化反応液の着色が著しくなり、副生成物も生成され
やすくなるので好ましくない。前記エステル反応の反応
時間としては、反応温度にもよるが、通常2〜48時間
の間であるが、反応液の着色度を抑える為には80〜1
40℃の反応温度で、2〜15時間の範囲であることが
好ましい。
【0013】本発明において、前記エステル化反応によ
り得られた反応液は、5〜30重量%、好ましくは10
〜20重量%のアルカリ水溶液と接触させ洗浄する。接
触は、反応液とアルカリ水溶液を混和してなされる。洗
浄する目的は酸触媒の除去を目的とすると同時に反応液
の着色除去をするものである。アルカリとしては例えば
苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ
性の無機化合物が挙げられ、苛性ソーダ、苛性カリの強
アルカリが反応液の脱色に有効で好ましい。アルカリ水
溶液洗浄処理は、濃度5〜20重量%のアルカリ水溶液
を室温〜100℃の処理温度で、反応液と接触処理す
る。濃度が5重量%未満では、反応液を中和除去するこ
とができるが、脱色は十分にできず、APHA100以
下の不飽和二塩基酸ジエステルを製造することができな
い。濃度が20重量%を超えると、脱色には効果がある
が、エステルの加水分解も副反応として起こるため、収
量よく製造することができなくなる。アルカリ水溶液の
使用量は、反応液の100重量部に対して10〜100
0重量部の範囲が好ましい。10重量部未満ではアルカ
リ除去及び脱色ができず、1000重量部を超えてもア
ルカリ水溶液による処理効果は変わらない。洗浄処理
後、静置することにより水層であるアルカリ水溶液と油
層である反応液を分層することができ、容易に脱色精製
した反応液を取り出すことができる。
【0014】さらに、アルカリ水溶液洗浄処理後は反応
液を水又は温水により洗浄し、アルカリ除去や未反応ア
ルコールを除去することが好ましい。前記処理後の不飽
和二塩基酸ジエステルを主成分とする反応液は、25〜
120℃、好ましくは100℃以下の温度範囲で、窒
素、アルゴン等の不活性ガスの存在下又は無存在下で常
圧もしくは減圧下脱水及び/又は脱溶剤して目的の不飽
和二塩基酸ジエステルを製造することができる。
【0015】製造される不飽和二塩基酸ジエステルとし
ては、例えばフマル酸ジブチル、フマル酸ジアミル、フ
マル酸ジヘキシル、フマル酸ジオクチル、フマル酸ジシ
クロヘキシル、フマル酸ジベンジル、フマル酸ジグリシ
ジル、フマル酸ジテトラヒドロフルフリル、フマル酸ジ
−2−ヒドロキシエチル、フマル酸ジメトキシエチル、
フマル酸ジエトキシエチル、フマル酸ジ−2−ヒドロキ
シエトキシエチル、フマル酸ジメトキシエトキシエチ
ル、フマル酸ジエトキシエトキシエチル、フマル酸ジ−
2−ヒドロキシエトキシエトキシエチルトリエチレング
リコール、フマル酸ジメトキシジエトキシエチル、フマ
ル酸ジ−2−ヒドロキシプロピル等のフマル酸ジエステ
ル;同様のエステル基を有するマレイン酸ジエステル、
イタコン酸ジエステル、メサコン酸ジエステル、シトラ
コン酸ジエステル等の蒸留や再結晶による精製が難しい
不飽和二塩基酸ジエステルが挙げられ、本発明の前記製
造方法により純度90重量%以上で、APHA100以
下のものを得ることができる。
【0016】本発明の不飽和二塩基酸ジエステルは、不
飽和二重結合を利用すればビニルモノマーとして用いる
ことができ、光学用樹脂,電気材料やビニルポリマーの
改質剤の原料として、また、高沸点の油剤として可塑剤
や潤滑剤等に利用することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明によると、アルコールと不飽和二
塩基酸又は不飽和二塩基酸無水物とから、APHA10
0以下で高純度の不飽和二塩基酸ジエステルを高収率で
製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、色相A
PHAは、JIS−K4101に準じて測定した。
【0019】実施例1 (フマル酸ジ2−エチルヘキシルの製造1)攪拌機、温
度計、コック付水分受器、コンデンサー及び窒素導入管
を取り付けた1リットルの4口フラスコにフマル酸11
6g(1.0モル)、2−エチルヘキサノ−ル390g
(3.0モル)及びパラトルエンスルホン酸2.32g
を仕込んだ。反応器内を窒素気流下、反応液の温度を1
00〜130℃に保ちながら、生成する水を2−エチル
ヘキサノ−ルと共沸混合物で留出させながら、8時間反
応した。反応終了後、反応液を分液ロート中で50℃に
加温下、10重量%苛性ソーダ水溶液400gと接触さ
せ、静置分層させた。下層の水層を除外し分取した上層
の油層をさらに50℃の温水にて洗浄した。その後、減
圧蒸留により未反応2−エチルヘキサノ−ルおよび水を
窒素下50〜120℃の温度範囲で留出除去した。得ら
れた精製物は、GC分析により純度は97重量%で、酸
価0.02mgKOH/g、APHA15のフマル酸ジ
2−エチルヘキサノ−ルで、理論収量に対し収率85重
量%で得られた。ここで、エステルは、IR分析により
フマル酸由来の3500〜2500cm-1の幅広いカル
ボン酸吸収の消失とエステル由来の1730cm-1付近
にカルボニルの吸収が見られ、1H−NMR分析により
6.82ppmにトランス位のC=Cプロトン、
0.8〜1.1ppm及び4.1ppm付近に2−エチ
ルヘキシル基由来の吸収があることから、フマル酸ジ2
−エチルヘキシルであることが確認された。
【0020】実施例2 (フマル酸ジシクロヘキシルの製造)実施例1と同様の
反応器にアルコールとしてシクロヘキサノ−ル220
g、溶剤としてトルエン250gを用いた以外実施例1
と同様に原料を仕込んで反応した。反応器内を窒素気流
下、反応液の温度を110〜130℃に保ちながら、生
成する水をトルエンと共沸混合物で留出させ、8時間反
応した。反応終了後、10重量%苛性カリ水溶液500
gを用いて、他は実施例1と同様にアルカリ洗浄処理
し、分層後、油層を分取した。その後80〜140℃の
温度範囲で、留出除去処理した。得られた精製物は、G
C分析により純度は94重量%で、酸価0.03mgK
OH/g、APHA20のフマル酸ジシクロへキシルで
あり、収率は91重量%であった。
【0021】実施例3 (フマル酸ジメトキシエトキシエチルの製造)アルコー
ルとしてジエチレングリコールモノメチルエーテル26
4gを用いた以外実施例2と同様の方法でエステル化反
応を行い、処理した後分析を行った。結果は、GC分析
により精製物の純度は96重量%で、酸価0.01mg
KOH/g、APHA20のフマル酸ジメトキシエトキ
シエチルであり、収率は82重量%であった。
【0022】実施例4 (マレイン酸ジベンジルの製造)実施例1と同様の反応
器に無水マレイン酸98g、ベンジルアルコール237
g、パラトルエンスルホン酸2.0g、溶剤としてトル
エン250gを仕込んだ。反応器内を窒素気流下、反応
液の温度を110〜130℃に保ちながら、生成する水
をトルエンと共沸混合物で留出させ、8時間反応した。
反応終了後、10重量%苛性ソーダ水溶液750gを用
いて、他は実施例1と同様にアルカリ洗浄処理し、分層
後、油層を分取した。その後80〜140℃の温度範囲
で、未反応分等を留出除去した。得られた精製物は、G
C分析により純度は97重量%で、酸価0.01mgK
OH/g、APHA10のフマル酸ジベンジルであり、
収率は92重量%であった。
【0023】実施例5 (イタコン酸ジベンジルの製造)不飽和二塩基酸として
イタコン酸を130gを用いた以外、実施例2と全く同
様にしてベンジルアルコールと反応させ、精製した。得
られた精製物は、GC分析により純度は95重量%で、
酸価0.03mgKOH/g、APHA10であり、収
率は89重量%であった。
【0024】実施例6 (フマル酸ジ−2−エチルヘキシルの製造2)酸触媒と
して硫酸を用いた以外、実施例1と同様にエステル化反
応、精製、分析を行った。得られた精製物は、GC分析
により純度は95重量%であり、酸価0.01mgKO
H/g、APHA25であり、収率87重量%であっ
た。
【0025】比較例1 10重量%苛性ソーダ水の代わりに水を用いた以外、実
施例1と同様にエステル化反応、処理、分析を行った。
得られた精製物は、GC分析により純度は89重量%
で、酸価2.5mgKOH/g、APHA300であ
り、収率84重量%で得られた。
【0026】比較例2 10重量%苛性ソーダ水の代わりに2重量%苛性ソーダ
水を用いた以外、実施例1と同様にエステル化反応、処
理、分析を行った。得られた精製物は、GC分析により
純度は94重量%で、酸価0.08mgKOH/g、A
PHA160であり、収率86重量%で得られた。
【0027】比較例3 10重量%苛性ソーダ水の代わりに水を用いた以外、実
施例2と同様にエステル化反応、処理、分析を行った。
得られた精製物は、GC分析により純度は93重量%
で、酸価3.5mgKOH/g、APHA200であ
り、収率は89重量%であった。
【0028】比較例4 酸触媒として硫酸を用い、10重量%苛性ソーダ水の代
わりに水を用いた以外、実施例1と同様にエステル化反
応、処理、分析を行った。精製物は、GC分析により生
成物の純度は95重量%で、酸価3.3mgKOH/
g、APHA400であり、収率は93重量%であっ
た。
【0029】実施例1〜6の結果より、蒸留又は再結晶
による精製工程を要することなく、高純度で着色の少な
い不飽和二塩基酸ジエステルを収率良く得られる。一
方、比較例において、アルカリ水溶液の濃度が低い場合
は、エステルの着色は高く、純度や酸価の点でも実施例
より低品質であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 AD16 BA52 BA66 BB11 BC10 BC31 BC50 BT12 KA06 KC14 4H039 CA66 CD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコールと不飽和二塩基酸又は不飽和
    二塩基酸無水物とからAPHA100以下の不飽和二塩
    基酸ジエステルを製造するにあたり、以下の工程を含む
    ことを特徴とする不飽和二塩基酸ジエステルの製造方
    法。 工程1:酸触媒を用いてエステル化反応する工程。 工程2:工程1で得られた反応液を5〜30重量%のア
    ルカリ水溶液と接触させ洗浄し、分層する工程。
  2. 【請求項2】 請求項1において、アルコールが110
    ℃以上の沸点のアルコールである不飽和二塩基酸ジエス
    テルの製造方法。
  3. 【請求項3】 工程1において、酸触媒が有機スルホン
    酸である請求項1又は2に記載の不飽和二塩基酸ジエス
    テルの製造方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ水溶液が苛性ソーダ水、苛性カ
    リ水である請求項1〜3のいずれか1項に記載の不飽和
    二塩基酸ジエステルの製造方法。
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