JP3192975B2 - ハロゲン化ベンゼンの製造方法 - Google Patents

ハロゲン化ベンゼンの製造方法

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JP3192975B2
JP3192975B2 JP25353996A JP25353996A JP3192975B2 JP 3192975 B2 JP3192975 B2 JP 3192975B2 JP 25353996 A JP25353996 A JP 25353996A JP 25353996 A JP25353996 A JP 25353996A JP 3192975 B2 JP3192975 B2 JP 3192975B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化ベンゼ
ンの製造方法に関する。本発明によって提供されるハロ
ゲン化ベンゼンは、医薬、農薬、液晶あるいは重合触媒
の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化ベンゼンの製造方法として
は、英国特許公報2,122,190号に、溶媒、特に
は非プロトン性極性溶媒中でハロゲン置換ベンゼンカル
ボン酸を20℃以上に加熱して脱炭酸反応する方法が記
載されている。ジメチルホルムアミド中で反応が行なわ
れているが、その収率等は記載されていない。また、極
性溶媒であるエチレングリコール等を用いて反応を行な
うと、収率を高くするのに時間を要している。
【0003】特開昭64−25787号には、窒素原子
に直接水素結合する水素原子を含まずしかも複素環式芳
香属性をもたない窒素原子含有有機塩基中、または該窒
素原子含有有機塩基と非極性有機溶媒の混合物中でハロ
ゲン置換ベンゼンカルボン酸を加熱して脱炭酸反応する
方法が記載されている。また同様の方法が、特開平6−
65120号に記載されている。しかしながら、使用さ
れる溶媒は、高価であり、経済性の面より好ましくな
い。
【0004】特開平7−145063号には、アルカノ
ールアミン類中、ペンタフルオロ安息香酸を脱炭酸する
方法が記載されている。しかしながら、アルカノールア
ミン類は、常温で固体であり、反応原料が反応初期に均
一でなく、反応の制御を行なうのが難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、ハロゲン化ベンゼンを工業的に可能で、かつ高
収率、高純度な方法で得ることのできる方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜()により達成される。
【0007】(1) ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸
を、塩基性触媒存在下に、双極子モーメントが2以上の
多価アルコール溶媒中で加熱して脱炭酸反応することを
特徴とするハロゲン化ベンゼンの製造方法。
【0008】
【0009】() 溶媒の沸点が常圧で100℃以上
である前記(1)に記載の製造方法。
【0010】() 塩基性触媒の量がハロゲン置換ベ
ンゼンカルボン酸1モル当り0.01〜1モルである前
記(1)または(2)に記載の製造方法。
【0011】() 塩基性触媒が、アルカリ土類およ
び/またはアルカリ土類金属化合物である前記(1)
(3)のいずれか一つに記載の製造方法。
【0012】() 反応中にハロゲン置換ベンゼンカ
ルボン酸を反応系に継続的に加え、ハロゲン化ベンゼン
を反応系より継続的に抜き出すことよりなる前記(1)
〜(4)のいずれか一つに記載の製造方法。
【0013】(ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸
を、塩基性触媒および硫酸塩触媒の存在下に、溶媒中で
加熱して脱炭酸反応することを特徴とするハロゲン化ベ
ンゼンの製造方法。
【0014】() 硫酸塩触媒が、ハロゲン化ベンゼ
ンカルボニトリルを硫酸水溶液を用いて加水分解せしめ
て得られるハロゲン置換ベンゼンカルボン酸中に含まれ
る硫酸を中和処理したものである前記(1)〜(6)の
いずれか一つに記載の製造方法。
【0015】() (i)ハロゲン化ベンゼンカルボ
ニトリルを硫酸水溶液を用いて加水分解してハロゲン置
換ベンゼンカルボン酸を得、(ii)ついで該ハロゲン
置換ベンゼンカルボン酸中に含有されている硫酸を中和
し、さらに(iii)該中和したハロゲン置換ベンゼン
カルボン酸を脱炭酸反応に供することよりなる前記
(1)〜(7)のいずれか一つに記載の製造方法。
【0016】() ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸
が、ペンタフルオロ安息香酸であり、ハロゲン化ベンゼ
ンがペンタフルオロベンゼンである前記(1)〜(8)
のいずれか一つに記載の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】まず、本発明の係るハロゲン化ベ
ンゼンの製造方法の1つの実施の形態(A)としては、
ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を、塩基性触媒存在下
に、溶媒中で加熱して脱炭酸反応を行うことを特徴とす
るものである。
【0018】上記実施の形態(A)による製造方法の出
発原料であるハロゲン置換ベンゼンカルボン酸として
は、特に制限されるものでないが、好ましくは下記式
(I)
【0019】
【化1】
【0020】(上記式中、Xはハロゲン原子を表す。但
し、Xの種類は1種に限定されるものでなく、mの数の
範囲内で任意の種類を選択することができるが、好まし
くは、Xは少なくとも1つがフッ素原子であり、より好
ましくは、Xは全てがフッ素原子である。また、mは1
〜5の整数、nは1〜4の整数で、かつ2≦m+n≦6
を満たす数である。)で示されるハロゲン置換ベンゼン
カルボン酸である。また、その生成物であるハロゲン化
ベンゼンについても、特に制限されるものでないが、好
ましくは下記式(II)
【0021】
【化2】
【0022】(上記式中、Xはハロゲン原子を表す。但
し、Xの種類は1種に限定されるものでなく、mの数の
範囲内で任意の種類を選択することができるが、好まし
くは、Xの少なくとも1つがフッ素原子であり、より好
ましくは、Xの全てがフッ素原子である。mは1〜5の
整数である。)で示されるハロゲン化ベンゼンである。
これら好適な上記一般式(I)で示されるハロゲン置換
ベンゼンカルボン酸および上記一般式(II)で示される
ハロゲン化ベンゼンとしては、例えば、下記表1に示す
ようなものが例示できる。その中で、ハロゲン化置換ベ
ンゼンカルボン酸としては、ペンタフルオロ安息香酸が
好ましく、またハロゲン化ベンゼンとしては、ペンタフ
ルオロベンゼンが好ましい。
【0023】
【表1】
【0024】なお、上記出発原料としては、特に制限さ
れるものでなく、従来公知の方法により製造されたもの
を広く利用することができる。本発明では、下記に述べ
る実施の形態(C)の方法である下記式(II)
【0025】
【化3】
【0026】(上記式中、Xはハロゲン原子を表す。但
し、Xの種類は1種に限定されるものでなく、mの数の
範囲内で任意の種類を選択することができるが、好まし
くは、Xの少なくとも1つがフッ素原子であり、より好
ましくは、Xの全てがフッ素原子である。mは1〜5の
整数、nは1〜4の整数で、かつ2≦m+n≦6を満た
す数である。)で示されるハロゲン化ベンゼンカルボニ
トリルを硫酸水溶液を用いて加水分解したものなどを利
用することが好ましい。このようなハロゲン化ベンゼン
カルボニトリルとしては、ペンタフルオロベンゾニトリ
ル、2,4,6−トリフルオロベンゾニトリル、テトラ
フルオロフタロニトリル、1,4−ジフルオロピロメリ
トニトリル等がある。これらのうち、好ましくはペンタ
フルオロベンゾニトリルである。
【0027】上記実施の形態(A)による製造方法にお
いて使用される溶媒は、極性溶媒が好ましく、特に分子
の双極子モーメントが1.0以上の極性溶媒が好まし
く、その中で特に分子の双極子モーメントが2.0以上
の極性溶媒が好ましい。分子の双極子モーメントの上限
については、特に限定されないが、6.0以下が好まし
い。さらに、その極性溶媒の中で、ハロゲン化ベンゼン
と蒸留で分離可能な溶媒であれば問題ないが、沸点が1
00℃以上の溶媒が好ましく、特に沸点が130℃以上
の溶媒が好ましい。沸点の上限については、塩基性触媒
およびハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を溶解し得るも
のであれば問題ないが、500℃以下が好ましく、特に
300℃以下がより好ましい。
【0028】上記溶媒としては、例えば、エチレングリ
コール(双極子モーメント2.31、沸点197.5
℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(双極子
モーメント2.08、沸点135.6℃)、1.3−プ
ロパンジオール(双極子モーメント2.55、沸点21
4.4℃)、ジエチレングリコール(双極子モーメント
2.31、沸点245.7℃)、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル(双極子モーメント1.60、沸点
194.1℃)、トリエチレングリコール(双極子モー
メント5.58、沸点288.0℃)、グリセリン(双
極子モーメント2.56、沸点290.0℃)などの多
価アルコール類、1−ブタノール(双極子モーメント
1.75、沸点117.7℃)、1−オクタノール(双
極子モーメント1.76、沸点195.2℃)などのア
ルコール類、水(双極子モーメント1.82、沸点10
0℃)などを挙げることができ、その中で経済性および
物性面からエチレングリコールを用いるのが特に好まし
い。これらのうち、触媒として塩基性触媒のみを使用す
る場合には、双極子モーメントが2以上の多価アルコー
ル類が好ましい。
【0029】上記溶媒の使用量は、ハロゲン置換ベンゼ
ンカルボン酸100重量部に対して、溶媒を10〜20
00重量部使用するのが好ましく、特に20〜1000
重量部使用するのが好ましい。溶媒の使用量が上記範囲
より少ない場合には、反応の制御が困難になり、多い場
合には生産性が悪くなってしまい好ましくない。
【0030】上記実施の形態(A)による製造方法にお
いて使用される塩基性触媒は、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属化合物
および/または水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土
類金属化合物が好ましく、特にアルカリ土類金属化合物
が好ましい。特にその中でも、経済性および物性面から
水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を用いることが好
ましい。塩基性触媒の使用量は、ハロゲン置換ベンゼン
カルボン酸1モルに対して、0.01〜1モル使用する
のが好ましく、特に0.05〜0.5モル使用するのが
好ましい。該塩基性触媒の使用量が上記範囲より少ない
場合には、反応速度が低下し、生産性が悪くなってしま
い好ましくなく、上記範囲より多い場合には、ヒドロキ
シル化反応などの副反応が進行するため好ましくない。
【0031】上記実施の形態(A)による製造方法の脱
炭酸反応に関する反応温度(上記加熱条件)は、通常8
0℃以上で行なうことができるが、80〜300℃の範
囲で行なうことが好ましく、特に100〜200℃の範
囲で行なうのがより好ましい。反応温度が高い場合に
は、反応が一気に進行し制御が困難になり、低い場合に
は反応速度が低下し生産性が悪くなってしまい好ましく
ない。
【0032】上記実施の形態(A)による製造方法で得
られるハロゲン化ベンゼンを単離する方法としては、蒸
留により容易に行なうことができる。単離する時期は、
反応中あるいは反応終了後のどちらでも行なうことがで
きる。また、ハロゲン化ベンゼンを単離した後に残った
溶媒はリサイクル使用することができる。
【0033】上記実施の形態(A)による製造方法で
は、ハロゲン化ベンゼンと蒸留で分離可能な溶媒を用い
ることで、反応中にハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を
反応系に継続的に加え、一方でハロゲン化ベンゼンを抜
き出しながら、連続的に反応を行なうことができる。そ
のように反応を行なうことで、反応時に生成するハロゲ
ン化ベンゼンにより反応温度が徐々に低下することを防
ぐことが可能となり、反応温度を常に高い状態で保持で
き反応を効率よく行なうことが可能となった。
【0034】次に、本発明に係るハロゲン化ベンゼンの
製造方法の他の一つの実施の形態(B)としては、触媒
として、さらに硫酸塩、好ましくはアンモニア、アルカ
リ金属もしくはアルカリ土類金属の硫酸塩の中から選ば
れた少なくとも1種の触媒を存在させて脱炭酸反応する
ことを特徴とするものである。硫酸塩触媒は、塩基性触
媒の助触媒として作用する。
【0035】上記実施の形態(B)による製造方法に関
しては、上記塩基性触媒に硫酸塩触媒を併用する以外
は、先述した実施の形態(A)に関する製造方法と同様
である。
【0036】上記硫酸塩触媒としては、例えば、硫酸ア
ンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビ
ジウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸ストロンチウムおよび硫酸バリウムなどが挙
げられる。
【0037】上記硫酸塩触媒の使用量は、ハロゲン置換
ベンゼンカルボン酸1モルに対して、0.001〜10
モル使用するのが好ましく、特に0.01〜1モル使用
するのが好ましい。該硫酸塩触媒の使用量が上記範囲よ
り少ない場合には、触媒としての効果が小さくなるため
好ましくなく、多い場合には、反応終了後、多量の該硫
酸塩の処理が必要であるため好ましくない。
【0038】さらに、本発明の他の1つの実施の形態
(C)は、(i)出発原料であるハロゲン化ベンゼンカ
ルボニトリルを硫酸水溶液を用いて加水分解してハロゲ
ン置換ベンゼンカルボン酸を得、(ii)ついで該ハロ
ゲン置換ベンゼンカルボン酸中に含有されている硫酸を
中和し、さらに(iii)該中和したハロゲン置換ベン
ゼンカルボン酸を脱炭酸反応に供することを特徴とする
ものである。かくして、実施の形態(C)は、上述の他
の形態(B)と同様に硫酸塩触媒を併用した系で脱炭酸
反応を行なうことができる。このように行うことで、出
発原料であるハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を単離す
ることなく、硫酸塩を含有した反応液をそのままの形で
脱炭酸反応に使用することが可能となる。すなわち、得
られたハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の硫酸を除去す
る工程、硫酸を除去したハロゲン置換ベンゼンカルボン
酸を乾燥する工程を必要とすることなく脱炭酸反応に使
用することが可能となる。
【0039】上記加水分解反応の方法としては、特に制
限されるものではなく、30〜90重量%の範囲の硫酸
水溶液中で100〜180℃の温度範囲で行うことがで
きる。
【0040】また、上記実施の形態(C)における硫酸
を中和処理後における硫酸塩としては、アンモニア、ア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属の少なくとも1種の
硫酸塩の形で存在するもの、ならびに副生物の硫酸アン
モニウムの形で存在するものを用いることができる。
【0041】なお、硫酸の中和に用いられる塩基性中和
剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属化合物および/
または水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属化合
物が好ましく、特にアルカリ土類金属化合物が好まし
い。特にその中でも、経済性および物性面から水酸化カ
ルシウム、炭酸カルシウム等を用いることが好ましい。
上記塩基性中和剤の使用量としては、理論上、系内の硫
酸を中和するに足りる量で十分であるが、これらは、脱
炭酸反応の塩基性触媒としても利用できることから、中
和適量以上を使用しても特に問題はない。好ましい方法
としては、硫酸と当量の塩基性中和剤を加えて硫酸を中
和後、脱炭酸反応に供する。その後、脱炭酸反応に必要
な量の塩基性触媒を加える。塩基性触媒の好ましい量と
しては実施の形態(A)の場合と同様である。また、硫
酸を中和処理した際に得られるアンモニア、アルカリ金
属およびアルカリ土類金属の少なくとも1種の硫酸塩と
しては、例えば、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、
硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸マ
グネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウムおよ
び硫酸バリウムなどが挙げられる。中和後に存在する硫
酸塩の量は、実施の形態(B)の場合と同様である。
【0042】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明の製造方法を
さらに詳細に説明する。
【0043】実施例1 撹拌装置を備えた蒸留装置に、ペンタフルオロ安息香酸
13.90g(66mmol)、エチレングリコール4
0gおよび水酸化カルシウム0.82g(11mmo
l)を加え、140℃まで加熱し、生成するペンタフル
オロベンゼンを抜き出しながら4時間反応を行なった。
蒸留により得られたペンタフルオロベンゼンは10.2
0g(61mmol)で、収率は92.6%、純度はガ
スクロマトグラフィーで測定したところ、99.0%以
上であった。
【0044】実施例2 実施例1でペンタフルオロベンゼンを蒸留した後の反応
溶液を室温まで冷却し、ペンタフルオロ安息香酸13.
90g(66mmol)を加えた。その後160℃まで
加熱し、生成するペンタフルオロベンゼンを抜き出しな
がら3時間反応を行った。蒸留により得られたペンタフ
ルオロベンゼンは10.52g(63mmol)で収率
は95.6%、純度はガスクロマトグラフィーで測定し
たところ、99.0%以上であった。
【0045】実施例3 攪拌装置を備えた蒸留装置に、ペンタフルオロ安息香酸
13.90g(66mmol)、エチレングリコール4
0gおよび炭酸カルシウム2.50g(25mmol)
を加え、120℃まで加熱し、生成するペンタフルオロ
ベンゼンを抜き出しながら8時間反応を行った。蒸留に
より得られたペンタフルオロベンゼンは10.27g
(61mmol)で、収率は93.2%、純度はガスク
ロマトグラフィーで測定したところ、99.0%以上で
あった。
【0046】実施例4 撹拌装置を備えた蒸留装置に、ペンタフルオロ安息香酸
13.90g(66mmol)、エチレングリコール4
0gおよび水酸化カルシウム0.82g(11mmo
l)を加え、140℃まで加熱し、生成するペンタフル
オロベンゼンを抜き出し、抜き出したペンタフルオロベ
ンゼンのモル数に対応するペンタフルオロ安息香酸を反
応溶液中に加えながら反応を行なった。加えたペンタフ
ルオロ安息香酸の量は10.0gで、反応時間は6時間
であった。蒸留により得られたペンタフルオロベンゼン
は17.70g(106mmol)で、収率は93.5
%、純度はガスクロマトグラフィーで測定したところ、
99.0%以上であった。
【0047】実施例5 撹拌装置、冷却還流管および温度計を備えた3つ口フラ
スコに、ペンタフルオロ安息香酸13.90g(66m
mol)、エチレングリコール40gおよび水酸化カル
シウム0.82g(11mmol)を加え、初期の14
0℃から反応終了時の110℃まで徐々に反応温度が低
下しながら6時間反応を行なった。反応終了後、蒸留に
よりペンタフルオロベンゼンを分離した。蒸留により得
られたペンタフルオロベンゼンは8.02g(48mm
ol)で、収率は72.8%、純度はガスクロマトグラ
フィーで測定したところ、99.0%以上であった。蒸
留後の溶液中には、出発原料のペンタフルオロ安息香酸
が残存しているが、その溶液は、次反応でリサイクル使
用することができる。
【0048】比較例1 撹拌装置を備えた蒸留装置に、ペンタフルオロ安息香酸
13.90g(66mmol)および水酸化カルシウム
0.82g(11mmol)を加え、140℃まで加熱
し、4時間反応を行なった。蒸留されたペンタフルオロ
ベンゼンは全くなく、また反応液中にもペンタフルオロ
ベンゼンは全く生成していなかった。
【0049】比較例2 撹拌装置を備えた蒸留装置に、ペンタフルオロ安息香酸
13.90g(66mmol)およびエチレングリコー
ル40gを加え、140℃まで加熱し、生成するペンタ
フルオロベンゼンを抜き出しながら7時間反応を行なっ
た。蒸留により得られたペンタフルオロベンゼンは3.
56g(21mmol)で、収率は32.3%、純度は
ガスクロマトグラフィーで測定したところ、99.0以
上であった。実施例6 撹拌装置を備えた蒸留装置に、2,4,6−トリフルオ
ロ安息香酸10.00g(0.057mol)、エチレ
ングリコール30gおよび水酸化カルシウム0.50g
(0.0065mol)を加え、160℃まで加熱し、
生成する1,3,5−トリフルオロベンゼンを抜き出し
ながら5時間反応を行った。蒸留により得られた1,
3,5−トリフルオロベンゼンは7.13g(0.05
4mmol)で、収率は94.7%、純度はガスクロマ
トグラフィーで測定したところ、99.0%以上であっ
た。
【0050】実施例7 撹拌装置を備えた蒸留装置に、2−クロロ−6−フルオ
ロ安息香酸10.00g(0.057mol)、1,3
−プロパンジオール40gおよび水酸化カルシウム0.
82g(0.011mol)を加え、170℃まで加熱
し、生成する1−クロロ−3−フルオロベンゼンを抜き
出しながら6時間反応を行った。蒸留により得られた1
−クロロ−3−フルオロベンゼンは6.95g(0.0
53mol)で、収率は93.4%、純度はガスクロマ
トグラフィーで測定したところ、99.0%以上であっ
た。
【0051】実施例8 撹拌装置を備えた蒸留装置に、3,4,5,6−テトラ
フルオロフタル酸10.00g(0.042mol)、
ジエチレングリコール60gおよび水酸化カルシウム
0.85g(0.011mol)を加え、220℃まで
加熱し、生成する1,2,3,4−テトラフルオロベン
ゼンを抜き出しながら6時間反応を行った。蒸留により
得られた1,2,3,4−テトラフルオロベンゼンは
5.25g(0.035mol)で、収率は83.3
%、純度はガスクロマトグラフィーで測定したところ、
99.0%以上であった。
【0052】実施例9 撹拌装置、温度計、冷却還流管を備えた3ツ口フラスコ
に、ペンタフルオロベンゾニトリル50g(0.26m
ol)、65重量%硫酸水溶液250gを加え、還流下
15時間反応を行った。室温まで冷却後、析出したペン
タフルオロ安息香酸をろ過し、98.0gのケーキを得
た。ケーキを分析したところ、ペンタフルオロ安息香酸
90重量%、硫酸5.0重量%、硫酸アンモニウム0.
6重量%、水2.6重量%が含有されていた。得られた
ケーキ49.0gに水酸化カルシウム1.82g(0.
025mol)を加え、硫酸を中和した。
【0053】撹拌装置を備えた蒸留装置に硫酸を中和し
て得られた硫酸カルシウムを含有する前記ケーキ50.
8g(ペンタフルオロ安息香酸44.1g(0.21m
ol)含有)、エチレングリコール150gおよび塩基
性触媒としての水酸化カルシウム2.55g(0.03
4mol)を加え、140℃まで加熱し、生成するペン
タフルオロベンゼンを抜き出しながら4時間反応を行っ
た。蒸留により得られたペンタフルオロベンゼンは3
3.2g(0.20mol)で、収率は95.0%、純
度はガスクロマトグラフィーで測定したところ、99.
0%以上であった。
【0054】実施例10 撹拌装置、温度計、冷却還流管を備えた3ツ口フラスコ
に、ペンタフルオロベンゾニトリル50g(0.26m
ol)、65重量%硫酸水溶液250gを加え、還流下
15時間反応を行った。室温まで冷却後、析出したペン
タフルオロ安息香酸をろ過し、98.0gのケーキを得
た。ケーキを分析したところ、ペンタフルオロ安息香酸
90重量%、硫酸5.0重量%、硫酸アンモニウム0.
6重量%、水2.6重量%が含有されていた。得られた
ケーキ49.0gに水酸化ナトリウム1.0g(0.0
25mol)を加え、硫酸を中和した。
【0055】撹拌装置を備えた蒸留装置に硫酸を中和し
て得られた硫酸ナトリウムを含有する前記ケーキ50.
0g(ペンタフルオロ安息香酸44.1g(0.21m
ol)含有)、エチレングリコール150gおよび塩基
性触媒としての水酸化カルシウム0.74g(0.01
0mol)を加え、140℃まで加熱し、生成するペン
タフルオロベンゼンを抜き出しながら4時間反応を行っ
た。蒸留により得られたペンタフルオロベンゼンは3
2.9g(0.20mol)で、収率は94.1%、純
度はガスクロマトグラフィーで測定したところ、99.
0%以上であった。
【0056】実施例11 実施例1において触媒として水酸化カルシウム以外に、
硫酸アンモニウム0.87g(6.6mmol)を加え
た以外は同様の方法で行なった。得られたペンタフルオ
ロベンゼンは10.30g(62mmol)で収率は9
3.3%、純度はガスクロマトグラフィーで測定したと
ころ、99.0%以上であった。
【0057】
【発明の効果】本発明の製造方法においては、ハロゲン
置換ベンゼンカルボン酸の脱カルボキシル基を塩基性溶
媒の存在下に双極子モーメントが2以上の多価アルコー
ル類溶媒中で加熱することにより行なうことで、ハロゲ
ン化ベンゼンが高収率かつ高純度で工業的規模で得られ
る。
【0058】さらに、本発明の製造方法においては、ハ
ロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱カルボキシル基を塩
基性触媒および硫酸塩触媒の併存下に溶媒中で加熱する
ことにより行なうことで、例えば、ハロゲン置換ベンゼ
ンカルボン酸が、ハロゲン化ベンゼンカルボニトリルを
硫酸水溶液を用いて加水分解せしめて得られたものであ
り、硫酸を含有した該ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸
の硫酸を中和処理した後に脱炭酸反応に使用すること
で、ハロゲン化ベンゼンがより簡便な製造工程下におい
て高収率かつ高純度で工業的規模で得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−25256(JP,A) 特開 平4−66545(JP,A) 特開 昭64−25737(JP,A) 特開 平7−145083(JP,A) 特開 昭61−43130(JP,A) 特開 昭61−260030(JP,A) 特開 平4−41466(JP,A) 特開 平6−65120(JP,A) 特開 平2−73025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/363 C07C 25/02 - 25/13 CASREACT(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を、塩
    基性触媒存在下に、双極子モーメントが2以上の多価ア
    ルコール溶媒中で加熱して脱炭酸反応することを特徴と
    するハロゲン化ベンゼンの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応中にハロゲン置換ベンゼンカルボン
    酸を反応系に継続的に加え、ハロゲン化ベンゼンを反応
    系より継続的に抜き出すことよりなる請求項1に記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を塩基
    性触媒および硫酸塩触媒存在下に、溶媒中で加熱し
    脱炭酸反応することを特徴とするハロゲン化ベンゼン
    製造方法。
  4. 【請求項4】 (i)ハロゲン化ベンゼンカルボニトリ
    ルを硫酸水溶液を用いて加水分解してハロゲン置換ベン
    ゼンカルボン酸を得、(ii)ついで該ハロゲン置換ベ
    ンゼンカルボン酸中に含有されている硫酸を中和し、さ
    らに(iii)該中和したハロゲン置換ベンゼンカルボ
    ン酸を脱炭酸反応に供することよりなる請求項1〜3の
    いずれか一つに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸が、ペ
    ンタフルオロ安息香酸であり、ハロゲン化ベンゼンがペ
    ンタフルオロベンゼンである請求項1〜4のいずれか一
    に記載の製造方法。
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