JP2003156624A - 偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

偏光板および液晶表示装置

Info

Publication number
JP2003156624A
JP2003156624A JP2001357748A JP2001357748A JP2003156624A JP 2003156624 A JP2003156624 A JP 2003156624A JP 2001357748 A JP2001357748 A JP 2001357748A JP 2001357748 A JP2001357748 A JP 2001357748A JP 2003156624 A JP2003156624 A JP 2003156624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
polarization
polarizing plate
polarizing
scattering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001357748A
Other languages
English (en)
Inventor
Kentaro Shirato
健太郎 白土
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001357748A priority Critical patent/JP2003156624A/ja
Publication of JP2003156624A publication Critical patent/JP2003156624A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型でありながら、光の利用効率を著し
く改善でき、偏光透過軸方向の調整が容易で、接着強度
が高い偏光板を提供する。 【解決手段】 所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
選択的に反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱
型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
選択的に吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子
とが積層されており、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と
光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となる
ように配置されている偏光板において、光吸収型偏光素
子の偏光選択層を、光散乱型偏光素子の偏光選択層上に
塗布により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の偏光を選択
的に透過し、他の偏光を選択的に反射または散乱する偏
光選択層を有する光散乱型偏光素子と、所定の偏光を選
択的に透過し、他の偏光を選択的に吸収する偏光選択層
を有する光吸収型偏光素子とが積層されている偏光板に
関する。さらに本発明は、偏光板を用いて光の利用効率
が改善された液晶表示装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光のような自然光やランプのような
通常の人為的光源からの光は無偏光(ランダム偏光)で
あるが、偏光板を用いることで偏光(直線偏光、円偏
光、楕円偏光)成分を取り出すことができる。取り出し
た偏光は、様々な光学機器に利用できる。現在広く普及
している液晶表示装置は、偏光の性質を利用して画像を
表示する装置であるとも言える。広義の偏光板には、直
線偏光板、円偏光板および楕円偏光板が含まれる。ただ
し、通常の(狭義の)偏光板は、直線偏光板を意味す
る。本明細書においても、特に規定しない「偏光板」
は、直線偏光板を意味する。直線偏光板は、最も基本的
な偏光板である。
【0003】直線偏光板としては、一般にポリビニルア
ルコール系フイルムからなる光吸収型偏光素子が用いら
れている。ポリビニルアルコール系偏光素子は、ポリビ
ニルアルコール系フイルムを延伸しヨウ素または二色性
色素を吸着することにより製造する。偏光素子の透過軸
(偏光透過軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に
相当する。光吸収型偏光素子は、偏光透過軸に平行な偏
光成分のみを透過して、それと直交方向の偏光成分を吸
収する。従って、光の利用効率は、理論的にも50%以
下である。
【0004】偏光素子の光の利用効率を向上させるた
め、光吸収型偏光素子に代えて、光散乱型偏光素子を使
用することが提案されている。光散乱型偏光素子も、光
吸収型偏光素子と同様に、偏光透過軸と平行な偏光成分
のみを透過する。ただし、光散乱型偏光素子では、偏光
透過軸と直交方向の偏光成分を吸収せずに前方もしくは
後方に反射(異方性反射方式)または散乱(異方性散乱
方式)し、光の利用効率を向上させる。異方性反射方式
の偏光素子については、特開平8−271731号公
報、WO95/17691号、同95/17692号、
同95/17699号、EP606940A2号の各明
細書に記載がある。異方性散乱方式の偏光素子について
は、特開平5−72416号、同8−76114号、同
9−159819号、同9−274108号、同9−2
97204号、同11−174211号、同11−17
4231号、特表平11−502036号、同11−5
09014号の各公報、EP506176A1号、米国
特許5204763号、同5783120号、同582
5543号、同5867316号、WO97/3222
3号、同97/32224号、同97/32225号、
同97/32226号、同01/55753号の各明細
書に記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−72416
号(EP506176A1号、米国特許5204763
号の各明細書)、同9−159819号、同11−17
4211号の各公報およびWO01/55753号明細
書に、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とを積層し
た偏光板が開示されている。光散乱型偏光素子は、光吸
収型偏光素子と比較すると、一般に偏光度が不足してい
る。光散乱型偏光素子に光吸収型偏光素子を積層する
と、光吸収型偏光素子の高い偏光度によって光散乱型偏
光素子の偏光度不足を補うことができる。また、WO0
1/55753号明細書に記載されているように、光散
乱型偏光選択素子の偏光選択層を、光学等方性連続相と
光学異方性不連続相とから構成すると、偏光素子の光の
利用効率がさらに改善され、明るい画像を表示すること
ができる。
【0006】しかし、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光
素子とを積層すると、偏光板が厚くなる。偏光板の主な
用途である液晶表示装置には、軽量かつ薄型との長所が
あるが、厚い偏光板を使用するとそれらの長所が損なわ
れる。また、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子と
は、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収型偏光素子
の偏光透過軸とが実質的に平行となるように配置する。
従って、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とを積層
する際には、両方の偏光透過軸を厳密に調整する必要が
ある。本発明の目的は、薄型でありながら、光の利用効
率を著しく改善できる偏光板を提供することである。ま
た、本発明の目的は、製造において光散乱型偏光素子の
偏光透過軸と光吸収型偏光素子の偏光透過軸との方向の
調整が容易である偏光板を提供することでもある。さら
に、本発明の目的は、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光
素子との接着強度が高い偏光板を提供することでもあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(11)の偏光板および下記(12)の液晶表
示装置により達成された。 (1)所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を選択的に
反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱型偏光素
子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を選択的に
吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子とが積層
されており、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収型
偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となるように配
置されている偏光板であって、光吸収型偏光素子の偏光
選択層が、光散乱型偏光素子の偏光選択層上に塗布によ
り形成された層であることを特徴とする偏光板。
【0008】(2)光散乱型偏光選択素子の偏光選択層
が、光学等方性連続相と光学異方性不連続相とからなる
(1)に記載の偏光板。 (3)さらに、少なくとも一枚の透明保護膜を有する
(1)に記載の偏光板。 (4)光散乱型偏光選択素子の偏光選択層の面内の方向
において、光学等方性連続相の屈折率と、光学異方性不
連続相の屈折率との差の最大値が0.05以上である
(2)に記載の偏光板。 (5)光散乱型偏光選択素子の偏光選択層の面内の方向
において、光学等方性連続相の屈折率と、光学異方性不
連続相の屈折率との差の最小値が0.05未満である
(2)に記載の偏光板。 (6)光学異方性不連続相が、0.01乃至10μmの
平均径を有する(2)に記載の偏光板。
【0009】(7)光学異方性不連続相が、重合性基を
有する液晶性化合物の重合生成物を含む(2)に記載の
偏光板。 (8)光学等方性連続相が、高分子化合物を含む(2)
に記載の偏光板。 (9)高分子化合物が、ポリビニルアルコールである
(8)に記載の偏光板。 (10)光吸収型偏光素子の偏光選択層が、光学等方性
連続相と同じ高分子化合物を含む(8)に記載の偏光
板。 (11)光吸収型偏光素子と光散乱型偏光素子とが積層
された状態で延伸処理されている(1)に記載の偏光
板。
【0010】(12)バックライト、偏光板、液晶セ
ル、そして偏光板が、この順に積層されている液晶表示
装置であって、バックライト側の偏光板が、バックライ
ト側から順に、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
選択的に反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱
型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
選択的に吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子
とが積層されており、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と
光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となる
ように配置されており、そして、光吸収型偏光素子の偏
光選択層が、光散乱型偏光素子の偏光選択層上に塗布に
より形成された層であることを特徴とする液晶表示装
置。
【0011】なお、本明細書において、「実質的に垂
直」、「実質的に平行」あるいは「実質的に45゜」と
は、厳密な角度よりも±5°未満の範囲内であることを
意味する。この範囲は、±4°未満であることが好まし
く、±3°未満であることがさらに好ましく、±2°未
満であることが最も好ましい。また、本明細書におい
て、「遅相軸(slow axis) 」は屈折率が最大となる方向
を、そして「透過軸(transmission axis) 」は透過率
が最大となる方向をそれぞれ意味する。
【0012】
【発明の効果】従来の技術では、光散乱型偏光素子と光
吸収型偏光素子とを、それぞれ別に製造してから、それ
ぞれの偏光透過軸が実質的に平行となるように接着剤を
用いて貼り合わせていた。本発明者は、研究の結果、光
吸収型偏光素子の偏光選択層を、光散乱型偏光素子の偏
光選択層の上に塗布により形成することに成功した。こ
れにより、光散乱型偏光素子の一方の面を光吸収型偏光
素子の偏光選択層で構成することができる。従って、接
着剤層は不要である。また、本発明では、光散乱型偏光
素子の偏光選択層のうち、光学等方性連続相の一部(表
面側)を光吸収型偏光素子の偏光選択層として機能させ
ることもできる。すなわち、本発明に従う偏光板は、従
来の光散乱型偏光素子の偏光選択層と同じ程度の厚さ
で、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子との双方の機
能を有することができる。さらに、偏光素子の製造にお
いて用いる支持体(または透明保護膜)の枚数を削減す
ることもできる。以上の結果、本発明に従うと偏光板全
体の厚さを従来よりも薄くすることができる。
【0013】本発明に従い、光散乱型偏光素子と光吸収
型偏光素子とを一体化して製造すると、それぞれの偏光
透過軸の調整が容易である。光散乱型偏光素子を延伸に
より製造すると、偏光透過軸は延伸方向に直交する。光
吸収型偏光素子を延伸により製造すると、同様に、偏光
透過軸は延伸方向に直交する。光散乱型偏光素子と光吸
収型偏光素子とを一体化して延伸すると、特に調整する
必要なく、それぞれの偏光透過軸は実質的に平行にな
る。さらに、光散乱型偏光素子の偏光選択層(好ましく
は、光学等方性連続相)と、光吸収型偏光素子の偏光選
択層とを、共通または類似の高分子化合物(例えば、ポ
リビニルアルコール)で構成すると、光散乱型偏光素子
と光吸収型偏光素子との接着強度が著しく高い偏光板が
得られる。本発明では、光吸収型偏光素子の偏光選択層
を塗布により形成する。ヨウ素または二色性色素の塗布
によって、光学等方性連続相の一部(塗布面)を光吸収
型偏光素子の偏光選択層として機能させることができ
る。その場合は、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子
とは、明確な境界面が存在しない程度に一体化する。ま
た、光吸収型偏光素子の偏光選択層を高分子化合物を含
む層として塗布する場合であっても、光吸収型偏光素子
の偏光選択層と光散乱型偏光素子の偏光選択層とにそれ
と共通の高分子化合物があると、塗布液の溶媒に対し
て、光散乱型偏光素子の偏光選択層が膨潤または部分的
に溶解する。その結果、光散乱型偏光素子の偏光選択層
と、光吸収型偏光素子の偏光選択層とを、接着剤を全く
使用せずに、境界面が不明瞭となる程度まで密着させる
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(光散乱型偏光素子による光の利
用効率改善)光散乱型偏光素子による光の利用効率改善
の機構として、下記(A)〜(C)が提案されている。
いずれも、本発明に応用できる。
【0015】(A)前方散乱光の偏光解消 光散乱型偏光素子では、偏光透過軸と直交方向の偏光成
分は前方もしくは後方に散乱される。このうち前方散乱
された光が偏光解消され、前方散乱光の偏光方向が入射
光の偏光方向から回転することにより、光散乱型偏光素
子の偏光透過軸方向の偏光成分が入射光よりも増加す
る。光散乱型偏光素子において、厚み方向に多数の粒子
が存在する場合には、多重散乱により偏光解消の程度が
強くなる。このように、光散乱型偏光素子を使用する場
合には、前方散乱光の偏光解消により光吸収型偏光素子
のみを使用する場合よりも光の利用効率が向上する。
【0016】(B)後方散乱光の再利用(偏光解消)に
よるもの 光散乱型偏光素子の偏光透過軸と直交方向の偏光成分の
うち後方散乱された光は、後方散乱される際に偏光解消
される。後方散乱された光は、光源であるバックライト
の背面に配置された金属反射板により反射され、再度光
散乱型偏光素子へ入射する。ここで、再入射する光は後
方散乱する際に偏光解消を受け、光散乱型偏光素子の偏
光透過軸と平行方向の偏光成分が生じており、この偏光
成分は光散乱型偏光素子を透過する。このように、光散
乱型偏光素子による後方散乱と金属反射板での反射を繰
り返すことにより光の利用効率を向上させることができ
る。
【0017】(C)後方散乱光の再利用(偏光方向の回
転) λ/4板と金属反射板とを配置した光学系に、λ/4板
の遅相軸と45°をなすように直線偏光を入射させる
と、偏光方向が入射光と90°回転した反射光が戻って
くる。光散乱型偏光素子と金属反射板(バックライトの
背面に配置される)との間に、λ/4板を光散乱型偏光
素子の偏光透過軸とλ/4板の遅相軸が45°をなすよ
うに配置することによって上記と同じ効果が得られる。
光散乱型偏光素子において後方散乱された光の偏光方向
の分布は、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と直交方向が
大きい。この後方散乱された光がλ/4板を透過して金
属反射板により反射され再度、光散乱型偏光素子に入射
する光の偏光方向の分布は、光散乱型偏光素子の偏光透
過軸に平行方向に大きくなっており、偏光透過軸に平行
な偏光成分は光散乱型偏光素子を透過する。このよう
に、光散乱型偏光素子と金属反射板との間にλ/4板を
配置することにより、光の利用効率を向上させることが
できる。
【0018】(偏光板および液晶表示装置の構成)図1
は、偏光板の一態様を示す断面模式図である。図1に示
す偏光板は、下から順に、第1の透明保護膜(1a)、
光散乱型偏光素子(3)、光吸収型偏光素子(2)、そ
して第2の透明保護膜(1b)との積層構造を有する。
光散乱型偏光素子(3)は、光学等方性連続相(31)
と光学異方性不連続相(32)とに相分離している。光
散乱型偏光素子(3)と光吸収型偏光素子(2)とは、
それぞれの偏光透過軸が実質的に平行となるように配置
されている
【0019】図2は、偏光板の別の態様を示す断面模式
図である。図2に示す偏光板は、下から順に、透明保護
膜(1)、光散乱型偏光素子(3)、光吸収型偏光素子
(2)、そして位相差板(4)との積層構造を有する。
光散乱型偏光素子(3)は、光学等方性連続相(31)
と光学異方性不連続相(32)とに相分離している。光
散乱型偏光素子(3)と光吸収型偏光素子(2)とは、
それぞれの偏光透過軸が実質的に平行となるように配置
されている。位相差板(4)は、液晶表示装置に対する
光学補償機能を有する。言い換えると、位相差板(4)
は、光学補償シートとして機能する。位相差板(4)の
方向(遅相軸または透過軸の方向)は、液晶表示装置の
液晶セル(表示モード)および位相差板の光学補償機能
に応じて決定する。TNモードの液晶セルの場合は、偏
光板が楕円偏光板として機能するような光学的性質を有
する位相差板を用いて、位相差板の遅相軸と、偏光素子
の偏光透過軸とが、実質的に45゜で交差するように配
置することが普通である。
【0020】図3は、偏光板のさらに別の態様(円偏光
板)を示す断面模式図である。図3に示す偏光板(円偏
光板)は、下から順に、透明保護膜(1)、光散乱型偏
光素子(3)、光吸収型偏光素子(2)、そして、λ/
4板(5)との積層構造を有する。光散乱型偏光素子
(3)は、光学等方性連続相(31)と光学異方性不連
続相(32)とに相分離している。光散乱型偏光素子
(3)と光吸収型偏光素子(2)とは、それぞれの偏光
透過軸が実質的に平行となるように配置されている。λ
/4板(5)と、光散乱型偏光素子(3)および光吸収
型偏光素子(2)とは、λ/4板(5)の遅相軸と、偏
光素子の偏光透過軸とが、実質的に45゜で交差するよ
うに配置する。
【0021】図4は、偏光板を備えた液晶表示装置を示
す断面模式図である。図4に示す液晶表示装置は、下か
ら順に光源(10)を備えた導光板(9)、第1の偏光
板(8)、液晶セル(7)、そして、第2の偏光板
(6)との積層構造を有する。光源(10)としては、
冷陰極管が一般的である。光源(10)と導光板(9)
との組み合わせがバックライトを構成する。液晶セル
(7)としては、TNモードの液晶セルが代表的であ
る。本発明に従う偏光板は、第1の偏光板(8)として
使用することが好ましい。バックライト側から、光散乱
型偏光素子、そして光吸収型偏光素子の順序で配置する
ことが望ましい。
【0022】(光吸収型偏光素子)光吸収型偏光素子
は、所定の偏光を選択的に透過し、他の偏光を選択的に
吸収する偏光選択層を有する。上記「所定の偏光」と
「他の偏光」とは、一般に偏光面が互いに直交する。光
吸収型偏光素子の偏光度は、99%以上であることが好
ましい。偏光度は、下記式で定義される値である。 偏光度=100×{(P−C)/(P+C)}1/2 式中、Pは透過軸を平行にした2枚の偏光素子を透過す
る光の透過率であり;そして、Cは透過軸を直交させた
2枚の偏光素子を透過する光の透過率である。
【0023】光吸収型偏光素子の偏光選択層は、バイン
ダーポリマーと偏光子とを含む。バインダーポリマーと
しては、ポリビニルアルコールが一般に用いられる。一
般には、ポリビニルアルコール系フイルムを延伸し、偏
光子(ヨウ素または二色性色素)を吸着させることによ
り光吸収型偏光素子の偏光選択層を得ている。光吸収型
偏光素子の透過軸(偏光透過軸)は、フイルムの延伸方
向に垂直な方向に相当する。ポリビニルアルコールは、
ビニルアルコール単位に加えて、酢酸ビニル単位を含む
ことができる。言い換えると、ポリビニルアルコールの
鹸化度は、100%未満であってもよい。ポリビニルア
ルコールとして、変性ポリビニルアルコール(20モル
%未満の変性基を有するポリビニルアルコール)を用い
てもよい。本明細書において、ポリビニルアルコール
は、変性ポリビニルアルコールを含む。
【0024】偏光子として用いるヨウ素は、多ヨウ素イ
オン(I3 -、I5 -)の状態で偏光選択層に含まれること
が好ましい。偏光子としてヨウ素を用いる場合、偏光選
択層の塗布液は、ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液である
ことが好ましい。ヨウ素−ヨウ化カリウム水溶液の組成
としては、ヨウ素が0.1乃至20g/l、ヨウ化カリ
ウムが1乃至200g/l、ヨウ素/ヨウ化カリウムの
質量比が1乃至200であることが好ましい。
【0025】偏光子として用いる二色性色素の例には、
アゾ色素、スチルベン色素、ピラゾロン色素、トリフェ
ニルメタン色素、キノリン色素、オキサジン色素、チア
ジン色素およびアントラキノン色素が含まれる。二色性
色素は、分子構造中に親水性基(例、スルホ、アミノ、
ヒドロキシル)を有することが好ましい。二色性色素の
例には、シー.アイ.ダイレクト・イエロー12、シ
ー.アイ.ダイレクト・オレンジ39、シー.アイ.ダ
イレクト・レンジ72、シー.アイ.ダイレクト・レッ
ド39、シー.アイ.ダイレクト・レッド79、シー.
アイ.ダイレクト・レッド 81、シー.アイ.ダイレ
クト・レッド83、シー.アイ.ダイレクト・レッド8
9、シー.アイ.ダイレクト・バイオレット48、シ
ー.アイ.ダイレクト・ブルー67、シー.アイ.ダイ
レクト・ブルー90、シー.アイ.ダイレクト・グリー
ン59およびシー.アイ.アシッド・ッド37が含まれ
る。二色性色素については、特開平1−161202
号、同1−172906号、同1−172907号、同
1−183602号、同1−248105号、同1−2
65205号、同7−261024号の各公報にも記載
がある。
【0026】二色性色素は、遊離酸、アルカリ金属塩、
アンモニウム塩、あるいはアミン類の塩の状態で用いる
ことができる。二種類以上の二色性色素を併用してもよ
い。偏光素子または偏光板として偏光軸を直交させた時
に黒色を呈する色素や黒色を呈するように複数の二色性
色素を配合することが、単板透過率および偏光率の観点
で望ましい。光吸収型偏光素子の偏光選択層は、バイン
ダーポリマーおよび偏光子に加えて、硬膜剤(例、ホウ
酸)や金属(例、亜鉛、コバルト、ジルコニウム、鉄、
ニッケル、マンガン)の塩を含むことができる。硬膜剤
としては、米国再発行特許232897号明細書に記載
がある。
【0027】(光学等方性連続相)光散乱型偏光素子
は、所定の偏光を選択的に透過し、他の偏光を選択的に
反射または散乱する偏光選択層を有する。上記「所定の
偏光」と「他の偏光」とは、一般に偏光面が互いに直交
する。光散乱型偏光素子の偏光選択層は、光学等方性連
続相と光学異方性不連続相とからなることが好ましい。
光学等方性連続相は偏光選択層の5乃至95質量%であ
ることが好ましく、20乃至90質量%であることがさ
らに好ましく、50乃至80質量%であることが最も好
ましい。光学等方性連続相の光学等方性は、具体的に
は、複屈折が0.05未満であることを意味する(光学
異方性は、後述するように複屈折が0.05以上である
ことを意味する)。
【0028】光学等方性連続相は、ポリマーマトリック
スとして形成することができる。ポリマーとしては、光
学等方性が高いポリマーを用いる。ただし、固有複屈折
が比較的大きいとされるポリマー(例、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン)であっても、添加剤により光学等方
性にすることで光学等方性連続相に使用することもでき
る。
【0029】なお、光散乱型偏光素子へ入射する光に対
する反射率を低下させることにより、バックライト光の
利用効率を向上させることができる。そのためには、光
学等方性連続相を構成するポリマーマトリックスの平均
屈折率(n)は1.70以下であることが好ましく、
1.60以下であることがさらに好ましく、1.55以
下であることが最も好ましい。ここで、平均屈折率
(n)は下記式で表される。n=(nx+ny+nz)
/3式中、nxは、面内の遅相軸方向の屈折率であり;
nyは、面内の進相軸方向の屈折率であり;そして、n
zは、厚み方向の屈折率である。
【0030】光学等方性連続相に使用するポリマーの例
には、タンパク質(例、ゼラチン、カゼイン)、多糖類
(例、アガロース、セルロース、プルラン、カラギーナ
ン、ポリガラクツロン酸、アルギン酸)、セルロースエ
ーテル、セルロースエステル(例、セルロースアセテー
ト、セルロースジアセテート、セルローストリアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレー
ト、セルロースアセテートプロピオネート、セルロース
ニトレート)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリメチルペンテン)、ポリオレフィン
誘導体(例、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、
変性ポリビニルアルコール、ノルボルネン樹脂)、ポリ
スチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリカーボネート、ポリ−1,4−シ
クロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン
−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキ
シレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレ
ート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリ
アクリル酸エステルおよびポリメタクリル酸エステル
(例、メチルメタクリレート)が含まれる。
【0031】二種類以上のポリマーを混合して用いても
よい。市販のポリマー(例、ゼオネックス、日本ゼオン
(株)製;ARTON、JSR(株)製;フジタック
(富士写真フイルム(株)製)を使用することもでき
る。光学等方性連続相は、ポリビニルアルコールから形
成することが特に好ましい。ポリビニルアルコールは、
ビニルアルコール単位に加えて、酢酸ビニル単位を含む
ことができる。言い換えると、ポリビニルアルコールの
鹸化度は、100%未満であってもよい。ポリビニルア
ルコールとして、変性ポリビニルアルコール(20モル
%未満の変性基を有するポリビニルアルコール)を用い
てもよい。本明細書において、ポリビニルアルコール
は、変性ポリビニルアルコールを含む。
【0032】(光学異方性不連続相)光学異方性不連続
相は、光学等方性連続相を構成するポリマー1g当たり
0.001乃至2.0gであることが好ましく。0.0
1乃至1.5gであることががさらに好ましい。光学異
方性不連続相の「光学異方性」とは、具体的には、複屈
折が0.05以上であることを意味する。複屈折は、偏
光選択層の全光線透過率が最大となる偏光の偏光面を含
む軸方向の屈折率(n1)と全光線透過率が最小となる
偏光の偏光面を含む軸方向の屈折率(n2)との差の絶
対値(|n1−n2|)である。複屈折は、0.05乃
至1.00であることが好ましく、0.10乃至1.0
0であることがさらに好ましく、0.15乃至1.00
であることが最も好ましい。
【0033】光学フイルムが、光散乱型偏光素子として
機能するためには、光学異方性不連続相の二つの屈折率
(n1およびn2)の一方が、光学等方性連続相の屈折
率と実質的に等しい(差が0.05未満の)値となるこ
とが必要である。屈折率の差は、0.01未満であるこ
とが好ましく、0.001未満であることがさらに好ま
しい。連続相と不連続相の屈折率が実質的に等しい値と
なる方向が、偏光選択層の透過軸に相当する。光学異方
性不連続相は、粒子または液滴の状態で、光学等方性連
続相中に分散している。粒子または液滴の平均粒径(粒
子または液滴の平面領域をほぼ同面積の円で近似した近
似円形の平均径)は、0.01乃至10μmであること
が好ましく、0.05乃至5μmであることがさらに好
ましく、0.05乃至1μmであることが最も好まし
い。粒子または液滴の形状については、特に制限はな
い。実質的に球状(平均アスペクト比が2以下)であっ
ても、表面積が大きな不定形であってもよい。
【0034】光学異方性不連続相は、光学異方性物質を
用いて形成する。偏光選択層の形成後に、延伸、光照
射、電場印加および磁場印加から選ばれる少なくとも一
つの手段を用いて、光学異方性物質の光学異方性を発現
(配向)させることが好ましい。延伸による配向が特に
好ましい。光学異方性物質としては、液晶性化合物が好
ましく用いられる。
【0035】液晶性化合物は、室温または加熱状態でネ
マチック相もしくはスメクティック相を示すことが好ま
しい。なお、液晶性化合物には、金属錯体や高分子液晶
も含まれる。棒状液晶性化合物を用いることが好まし
い。棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキ
シ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル
類、安息香酸エステル類(例、安息香酸フェニルエステ
ル類)、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル
類、シアノフェニルシクロヘキサン類、フェニルピリミ
ジン類(例、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコ
キシ置換フェニルピリミジン類)、フェニルジオキサン
類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニ
トリル類が好ましく、シアノビフェニル類、シアノフェ
ニルエステル類、安息香酸フェニルエステル類、シアノ
フェニルシクロヘキサン類およびフェニルピリミジン類
がさらに好ましい。
【0036】棒状液晶性化合物については、季刊化学総
説第22巻液晶の化学(1994年)日本化学会編の第
4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハン
ドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記
載がある。棒状液晶性化合物は、重合性基(重合架橋性
基を含む)を有することが好ましい。液晶性化合物の配
向状態は長期間または温度、湿度や機械的変形に対し,
安定に維持するのが困難な場合が多い。配向状態を長期
間にわたって維持するため、重合性の液晶性化合物を使
用し、配向状態で重合させ、架橋網目構造を形成させる
ことが望ましい。。重合性基はエチレン性不飽和基であ
ることが好ましい。耐熱性および配向の均一性の点か
ら、棒状液晶分子の両末端に重合性基を有する二官能重
合性液晶化合物が特に好ましい。以下に、棒状液晶性化
合物の例を示す。
【0037】
【化1】
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】二種類以上の液晶性化合物を併用できる。
光学異方性不連続相には、液晶性化合物に加えて、可塑
剤、ポリマーバインダーあるいは光重合開始剤を、必要
に応じて添加することができる。液晶性化合物の重合
は、光によるラジカル重合であることが好ましい。光重
合開始剤の例には、チオキサントン類(例、2,4−ジ
エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン)、
ベンゾフェノン類(例、ベンゾフェノン、(4−(メチ
ルフェニルチオ)フェニル)フェニルメタノン)および
アントラキノン類(例、エチルアントラキノン)が含ま
れる。市販の光重合開始剤(例、Ciba Specialty Chemi
cals. Inc.製のIrgacure184 、Irgacure369 、Irgacure
500 、Irgacure651 、Irgacure784 、Irgacure819 、Ir
gacure907 、Irgacure1000、Irgacure1300、Irgacure17
00、Irgacure1800、Irgacure1850、Irgacure2959、Daro
cur1173 、Darocur4265 )を用いてもよい。光重合開始
剤の使用量は、重合性の液晶性化合物の総量に対して、
0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.5
乃至10質量%であることがさらに好ましい。光重合性
開始剤に加えて、分光増感剤や光重合促進剤(例、p−
ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルエステル)を用いてもよい。
分光増感剤や光重合促進剤の使用量は、光重合開始剤の
10乃至300質量%であることが好ましく、20乃至
200質量%であることがさらに好ましい。
【0051】光散乱型偏光素子の偏光選択層は、光学等
方性連続相を構成するポリマーの溶液に、光学異方性不
連続相の成分(例えば、液晶性化合物および光重合性開
始剤)を分散した液を支持体上に塗布後、乾燥し、さら
に配向させて光照射により配向固定させて製造すること
が好ましい。液晶性化合物をポリビニルアルコールなど
の水溶液に乳化分散する場合、分散粒径をコントロール
したり、分散安定性を付与するため界面活性剤を添加す
ることが好ましい。ノニオン界面活性剤、アニオン界面
活性剤、カチオン界面活性剤および両性界面活性剤のい
ずれも使用できる。
【0052】ノニオン界面活性剤のノニオン親水性基
は、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリ
オキシブチレン、ポリグリシジルおよびソルビタンが好
ましい。ノニオン界面活性剤の例には、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミドおよび
トリエタノールアミン脂肪酸部分エステルが含まれる。
【0053】アニオン界面活性剤のアニオン親水性基
は、カルボン酸塩、硫酸塩、スルフォン酸塩およびリン
酸エステル塩が好ましい。アニオン界面活性剤の例に
は、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アル
キルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルフォン酸
塩、α―オレフィンスルフォン酸塩、ジアルキルスルフ
ォコハク酸塩、α―スルフォン化脂肪酸塩、N−メチル
ーNオレイルタウリン、石油スルフォン酸塩、アルキル
硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエ
ーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチレン化フェニー
ルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸塩およびナフタレンスルフ
ォン酸塩ホルムアルデヒド縮合物が含まれる。
【0054】カチオン界面活性剤のカチオン親水性基
は、アミン塩、4級アンモニウム塩およびピリジニウム
塩が好ましい。カチオン界面活性剤の例には、第1脂肪
族アミン塩、第2脂肪族アミン塩、第3脂肪族アミン
塩、第4級アンモニウム塩(リエ、テトラアルキルアン
モニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、ア
ルキルピリジウム塩、アルキルイミダゾリウム塩)が含
まれる。両性系界面活性剤の例には、カルボキシベタイ
ン、スルフォベタインなどであり、N−トリアルキル−
N−カルボキシメチルアンモニウムベタインおよびN−
トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベ
タインが含まれる。界面活性剤については、界面活性剤
の応用(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発
行)に記載がある。界面活性剤の使用量は、光学異方性
不連続相1g当たり、0.001乃至1gが好ましく。
0.01乃至0.1gがさらに好ましい。
【0055】光学異方性不連続相の分散は、超音波分散
法、攪拌機(例、ホモジナイザー)を使用する方法、あ
るいは混練機(例、サンドミル、コロイドミル)を使用
する方法が好ましい。光散乱型偏光素子の偏光選択層
は、塗布により形成することが好ましい。塗布方法は、
ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコ
ート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グ
ラビアコート法またはエクストルージョンコート法(米
国特許2681294号明細書)が好ましい。2層以上
を(例えば、光吸収型偏光素子の偏光選択当と共に)同
時に塗布してもよい。同時塗布の方法は、米国特許27
61791号、同2941898号、同3508947
号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、
コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)を
参照することができる。光散乱型偏光素子の偏光選択層
は、0.5乃至100μmの厚さを有することが好まし
く、1乃至70μmの厚さを有することがさらに好まし
い。
【0056】(偏光板の製造)偏光板は、下記(1)〜
(6)のいずれかの手順で製造できる。いずれの手順に
おいても、光吸収型偏光素子の偏光選択層は、光散乱型
偏光素子の偏光選択層上に塗布により形成するため、本
発明の効果が得られる。 (1)光学等方性連続相と光学異方性分連続相とからな
る光散乱型偏光素子の偏光選択層を形成し、その一方の
面に偏光子(ヨウ素または二色性色素)を塗布し、そし
て、延伸する。この手順では、偏光子の塗布面における
光学等方性連続相が、光吸収型偏光素子の偏光選択層と
して機能する。 (2)光学等方性連続相と光学異方性分連続相とからな
る光散乱型偏光素子の偏光選択層を形成し、延伸し、偏
光選択層の一方の面に偏光子(ヨウ素または二色性色
素)を塗布する。この手順においても、偏光子の塗布面
における光学等方性連続相が、光吸収型偏光素子の偏光
選択層として機能する。
【0057】(3)光学等方性連続相と光学異方性分連
続相とからなる光散乱型偏光素子の偏光選択層を形成
し、その一方の面の上に光吸収型偏光素子の偏光選択層
を構成するポリマー(例、ポリビニルアルコール)の溶
液を塗布し、その上に偏光子(ヨウ素または二色性色
素)を塗布し、そして、延伸する。 (4)光学等方性連続相と光学異方性分連続相とからな
る光散乱型偏光素子の偏光選択層を形成し、その一方の
面の上に光吸収型偏光素子の偏光選択層を構成するポリ
マー(例、ポリビニルアルコール)の溶液を塗布し、延
伸し、そして、ポリマーの塗布層の上に偏光子(ヨウ素
または二色性色素)を塗布する。
【0058】(5)光学等方性連続相と光学異方性分連
続相とからなる光散乱型偏光素子の偏光選択層を形成
し、その一方の面の上に光吸収型偏光素子の偏光選択層
を構成するポリマー(例、ポリビニルアルコール)と偏
光子(ヨウ素または二色性色素)との溶液を塗布し、そ
して、延伸する。 (6)光散乱型偏光素子の偏光選択層の塗布液と、光吸
収型偏光素子の偏光選択層を構成するポリマー(例、ポ
リビニルアルコール)の溶液とを同時流延で塗布し、延
伸し、そして、ポリマーの塗布層の上に偏光子(ヨウ素
または二色性色素)を塗布する。
【0059】(7)光散乱型偏光素子の偏光選択層の塗
布液と、光吸収型偏光素子の偏光選択層を構成するポリ
マー(例、ポリビニルアルコール)の溶液とを同時流延
で塗布し、ポリマーの塗布層の上に偏光子(ヨウ素また
は二色性色素)を塗布し、そして、延伸する。 (8)光散乱型偏光素子の偏光選択層の塗布液と、光吸
収型偏光素子の偏光選択層の塗布液(ポリマーと偏光子
との溶液)とを同時流延で塗布し、そして、延伸する。
【0060】(1)または(2)の手順が好ましく、
(1)の手順が特に好ましい。光吸収型偏光素子の偏光
選択層の塗布には、ロールコータ、ダイコータ、バーコ
ータ、スライドコータまたはカーテンコータを用いるこ
とが好ましい。以上の手順の後、光散乱型偏光素子(光
学異方性不連続相に用いる液晶化合物)の配向状態を固
定するため、光照射を実施することが好ましい。
【0061】(透明保護膜)偏光板は、少なくとも一枚
の透明保護膜を有することが好ましい。一枚の透明保護
膜を光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とで共有する
こともできる。また、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光
素子とが、それぞれ透明保護膜を有する(偏光板の両面
を、二枚の透明保護膜で保護する)こともできる。ただ
し、光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子との間には、
透明保護膜は存在しない。透明保護膜が「透明」である
とは、光線透過率が80%以上であることを意味する。
【0062】透明保護膜としては、ポリマーフイルムが
好ましい。フイルムを形成するポリマーの例には、ポリ
オレフィン(例、ポリエチレン)、ノルボルネン樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン
(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリアリレ
ート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースエステル
(例、セルロースアシレート)が含まれる。二種類以上
のポリマーを混合したフイルムを用いてもよい。市販の
ポリマー(例、ゼオネックス、日本ゼオン(株)製;A
RTON、JSR(株)製;フジタック(富士写真フイ
ルム(株)製)を使用することもできる。透明保護膜
は、偏光選択層(特に光吸収型偏光素子の偏光選択層)
の保護機能を有することが好ましい。保護機能および光
学的性質の観点で、セルロールアシレートフイルムが好
ましい。
【0063】透明保護膜の厚みは、5乃至500μmが
好ましく、20乃至200μmがさらに好ましく、20
〜100μmが最も好ましい。レターデーション値は6
32.8nmにおいて0〜150nmが好ましく、0〜
20nmがより好ましく、0〜5nmが特に好ましい。
保護膜の遅相軸は、偏光フイルムの吸収軸と実質的に平
行または直交させることが、直線偏光の楕円化を避ける
観点から好ましい。但し、保護膜に位相差板等、偏光性
を変化させる機能を持たせる場合には、この限りではな
く、偏光フイルムの吸収軸と保護膜の遅相軸は任意の角
度をとることができる。可視光線透過率は60%以上が
好ましく、90%以上が特に好ましい。90℃120時
間処理後の寸度減少は、0.3〜0.01%であること
が好ましく、0.15〜0.01%であることが特に好
ましい。フイルムの引っ張り試験による抗張力値は、5
0〜1000MPaが好ましく、100〜300MPa
が特に好ましい。フイルムの透湿度は、100〜800
g/m2・dayが好ましく、300〜600g/m2
・day が特に好ましい。
【0064】セルロースアシレートは、セルロースの水
酸基への置換度が下記式(I)〜(IV)の全てを満足す
ることが好ましい。
【0065】(I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 (IV) 1.9<A−B 式中、AおよびBはセルロースの水酸基に置換されてい
るアシル基の置換基を表し、Aはアセチル基の置換度、
またBは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度である。
セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基があ
り、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を表
すもので、最大の置換度が3.0である。セルロースト
リアセテートは一般にAの置換度が2.6以上3.0以
下であり(この場合、置換されなかった水酸基が最大
0.4もある)、B=0の場合がセルローストリアセテ
ートである。偏光フイルム保護膜として用いるセルロー
スアシレートは、アシル基が全部アセチル基のセルロー
ストリアセテート、及びアセチル基が2.0以上で、炭
素原子数が3〜5のアシル基が0.8以下、置換されな
かった水酸基が0.4以下のものが好ましい。炭素原子
数3〜5のアシル基の場合、0.3以下が物性の点から
特に好ましい。なお、置換度は、セルロースの水酸基に
置換する酢酸及び炭素原子数3〜5の脂肪酸の結合度を
測定し、計算によって得られる。測定方法としては、A
STMのD−817−91に準じて実施することが出来
る。
【0066】アセチル基の他の炭素原子数3〜5のアシ
ル基はプロピオニル基(C2 5 CO−)、ブチリル基
(C3 7 CO−)(n−、iso−)、バレリル基
(C49 CO−)(n−、iso−、sec−、te
rt−)で、これらのうちn−置換のものがフイルムに
した時の機械的強さ、溶解し易さ等から好ましく、特に
n−プロピオニル基が好ましい。また、アセチル基の置
換度が低いと機械的強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原
子数3〜5のアシル基の置換度が高いと有機溶媒への溶
解性は向上するが、それぞれの置換度が前記の範囲であ
れば良好な物性を示す。
【0067】セルロースアシレートの重合度(粘度平
均)は200〜700が好ましく、特に250〜550
のものが好ましい。粘度平均重合度はオストワルド粘度
計で測定することができ、測定されたセルロースアシレ
ートの固有粘度[η]から下記式により求められる。D
P=[η]/Km (式中DPは粘度平均重合度、K
mは定数6×10-4)
【0068】セルロースアシレート原料のセルロースと
しては、綿花リンターや木材パルプなどがあるが、何れ
の原料セルロースから得られるセルロースアシレートで
も使用できるし、混合して使用してもよい。
【0069】上記セルロースアシレートは、通常ソルベ
ントキャスト法により製造される。ソルベントキャスト
法は、セルロースアシレートおよび各種添加剤を溶媒に
溶解して濃厚溶液(以下、ドープと称する)を調製し、
これをドラムまたはバンドのような無端支持体上に流延
し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成するものである。
ドープは、固形分量が10〜40質量%となるように濃
度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表
面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベ
ントキャスト法における流延および乾燥方法について
は、米国特許2336310号、同2367603号、
同2492078号、同2492977号、同2492
978号、同2607704号、同2739069号、
同2739070号、英国特許640731号、同73
6892号の各明細書、特公昭45−4554号、同4
9−5614号、特開昭60−176834号、同60
−203430号、同62−115035号の各公報に
記載がある。
【0070】2層以上のドープを流延する方法も好まし
く用いられる。複数のドープを流延する場合、支持体の
進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からドープ
を含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフイル
ムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414
号、特開平1−122419号、特開平11−1982
85号、などに記載の方法が適応できる。また、2つの
流延口からセルロースアシレート溶液を流延することに
よってもフイルム化することでもよく、例えば特公昭6
0−27562号、特開昭61−94724号、特開昭
61−947245号、特開昭61−104813号、
特開昭61−158413号、特開平6−134933
号、に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−1
62617号に記載の高粘度ドープの流れを低粘度のド
ープで包み込み、その高,低粘度のドープを同時に押出
す流延方法も好ましく用いられる。
【0071】セルロースアシレートを溶解する有機溶媒
の例には、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン)、ハロ
ゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロベン
ゼン)、アルコール(例、メタノール、エタノール、ジ
エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン)、エス
テル(例、酢酸エチル、酢酸プロピル)およびエーテル
(例、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ)などが
あげられる。炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が
好ましく用いられ、メチレンクロライドが最も好ましく
用いられる。セルロースアシレートの溶解性、支持体か
らの剥取り性、フイルムの機械強度等、光学特性等の物
性の観点から、メチレンクロライドの他に炭素原子数1
〜5のアルコールを一種、ないし数種類混合することが
好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜
25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好まし
い。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール等があげられるが、メタノール、エタノール、n
−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用い
られる。
【0072】セルロースアシレートの他に、乾燥後固形
分となる成分としては、可塑剤をはじめ、紫外線吸収
剤、無機微粒子、カルシウム、マグネシウムなどのアル
カリ土類金属の塩などの熱安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、油剤、支持体からの剥離促進剤、セルロース
アシレートの加水分解防止剤等を任意に含むことができ
る。
【0073】好ましく添加される可塑剤としては、リン
酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リ
ン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート
(TPP)およびトリクレジルフォスフェート(TC
P)、クレジルジフェニルフォスフェート、オクチルジ
フェニルフォスフェート、ジフェニルビフェニルフォス
フェート、トリオクチルフォスフェート、トリブチルホ
スフェート等があげられる。カルボン酸エステルとして
は、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的
である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレー
ト(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチル
ヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸
エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル
(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル
(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン
酸アセチルトリブチル、が含まれる。その他のカルボン
酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸
メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリメチルトリ
メリテート等のトリメリット酸エステルが含まれる。グ
リコール酸エステルの例としては、トリアセチン、トリ
ブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチル
フタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグ
リコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどが
ある。
【0074】以上に例示した可塑剤の中でも、トリフェ
ニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェ
ート、トリクレジルフォスフェート、クレジルジフェニ
ルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、ジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート、ジエチルヘキシルフタレー
ト、トリアセチン、エチルフタリルエチルグリコレー
ト、トリメチルトリメリテートらを用いることがが好ま
しい。特にトリフェニルホスフェート、ビフェニルジフ
ェニルフォスフェート、ジエチルフタレート、エチルフ
タリルエチルグリコレート、トリメチルトリメリテート
が好ましい。これらの可塑剤は1種でもよいし2種以上
併用してもよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレー
トに対して5〜30質量%が好ましく、特に8〜16質
量%以下が好ましい。これらの化合物は、セルロースア
シレート溶液の調製の際に、セルロースアシレートや溶
媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に添加
してもよい。
【0075】紫外線吸収剤は、目的に応じ任意の種類の
ものを選択することができ、サリチル酸エステル系、ベ
ンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート
系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の吸収剤
を用いることができるが、ベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、サリチル酸エステル系が好ましい。ベン
ゾフェノン系紫外線吸収剤の例として、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
シルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2
−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾ
フェノン等をあげることができる。ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、2(2’−ヒドロキシ−3’
−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−ク
ロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’
−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−
5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル等をあげることができる。サリチル酸エステル系とし
ては、フェニルサリシレート、 p−オクチルフェニル
サリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレ
ート等をあげることができる。これら例示した紫外線吸
収剤の中でも、特に2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−メ
トキシベンゾフェノン、2(2’−ヒドロキシ−3’−
tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−
tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾールが特に好ましい。
【0076】吸収波長の異なる複数の吸収剤を複合して
用いることが、広い波長範囲で高い遮断効果を得ること
ができ、特に好ましい。紫外線吸収剤の量はセルロース
アシレートに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.
1〜3質量%が特に好ましい。紫外線吸収剤はセルロー
スアシレート溶解時に同時に添加しても良いし、溶解後
のドープに添加しても良い。特にスタティックミキサ等
を用い、流延直前にドープに紫外線吸収剤溶液を添加す
る形態が好ましい。
【0077】セルロースアシレートに添加する無機微粒
子としては、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナなどを目的に応じ、任意に用いることができる。
これら微粒子はドープに添加する前に、高速ミキサー、
ボールミル、アトライター、超音波分散機等、任意の手
段でバインダー溶液中に分散を行うことが好ましい。バ
インダーとしてはセルロースアシレートが好ましい。紫
外線吸収剤等、他の添加物と共に分散を行うことも好ま
しい。分散溶媒は任意であるが、ドープ溶剤と近い組成
であることが好ましい。分散粒子の数平均粒径は0.0
1〜100μmが好ましく、0.1〜10μmが特に好
ましい。上記の分散液はセルロースアシレート溶解工程
に同時に添加しても良いし、任意の工程でドープに添加
できるが、紫外線吸収剤同様スタティックミキサ等を用
い、流延直前に添加する形態が好ましい。
【0078】支持体からの剥離促進剤としては、界面活
性剤が有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン
酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。
これらは、例えば特開昭61−243837号などに記
載されている。
【0079】上記のセルロースアシレートフイルムを保
護膜に用いる場合、PVA層との密着性を高めるため、
フイルム表面にケン化、コロナ処理、火炎処理、グロー
放電処理等の手段により、親水性を付与することが好ま
しい。また、親水性樹脂をセルロースアシレートと親和
性のある溶媒に分散し、薄層塗布しても良い。以上の手
段の中では、フイルムの平面性、物性が損なわれないた
め、ケン化処理が特に好ましい。ケン化処理は、例えば
苛性ソーダのようなアルカリ水溶液にフイルムを浸漬す
ることで行われる。処理後は過剰のアルカリを除くた
め、低濃度の酸で中和し、水洗を十分行うことが好まし
い。透明保護膜と、偏光選択層のような隣接層とを密着
性させるため、透明保護膜に下塗り層を設けることがで
きる。セルローストリアセテートフイルムを透明保護膜
として用いる場合は、下塗り層を、ゼラチン、ポリ(メ
タ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、
ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリスチレン、ポリブタ
ジエンあるいはこれらの共重合体から形成することがで
きる。
【0080】(偏光板)光散乱型偏光素子と、光吸収型
偏光素子とを積層して偏光板として用いる。光散乱型偏
光素子の透過軸と光吸収型偏光素子の透過軸とは、実質
的に平行になるように配置する。偏光板は、直線偏光板
として機能する。偏光板とλ/4板とを積層すること
で、積層体を円偏光板として機能させることもできる。
円偏光板では、偏光板の透過軸とλ/4板の遅相軸との
角度を、実質的に45゜になるように配置する。円偏光
板を液晶表示装置に組み込む場合、一般に、バックライ
ト側からλ/4板、光散乱型偏光素子、光吸収型偏光素
子の順序で配置する。光散乱型偏光素子の偏光選択層側
表面に、反射防止層を設けることもできる。反射防止層
により表面反射が減少し、結果としてディスプレイの輝
度を上昇させることができる。反射防止層としては、低
屈折率層と高屈折率層の積層体(日本写真学会誌29、
137頁(1966)記載)あるいは低屈折率層一層の
みを設けることができる。
【0081】偏光板と液晶表示装置の光学補償シートと
を組み合わせることもできる。本発明の偏光板と光学補
償フイルムとを組み合わせると、液晶表示装置の視野角
を著しく拡大し、高い輝度の画像が得られる。透明支持
体上にディスコティック液晶性化合物から形成した光学
異方性層を有する光学補償シート(特許第258739
8号公報記載)が好ましい。光学補償シートの透明支持
体は、偏光板の透明保護膜(前述)とは異なり、光学異
方性を有することが好ましい。特開平7−191217
号公報に記載されているように、光学補償シートと偏光
板と一体化することもできる。
【0082】(液晶表示装置)偏光板は、液晶表示装置
に組み込んで使用する。本発明は、液晶表示装置がツイ
ストネマチック配向モードの液晶セル、ベンド配向モー
ドの液晶セルまたは水平配向モードの液晶セルを有する
場合に、特に効果がある。透過型液晶表示装置では、液
晶セルの両側(バックライト側と観察者側)に二枚の偏
光板を使用する。本発明の偏光板をバックライト側の偏
光板として使用すると、液晶表示装置の光の利用効率を
改善できる。一体型の偏光板は、バックライト付き透過
型の液晶表示装置のバックライト側の偏光板に、異方性
散乱体が偏光素子よりバックライト側になるように配置
して用いる。これにより、偏光素子のみからなる偏光板
を用いた液晶表示装置よりもバックライト光の偏光板透
過率を高い、明るく鮮明な液晶表示装置が得られる。偏
光素子の光吸収軸に平行な偏光成分は偏光素子内部でそ
の100%近くが吸収される。一体型の偏光素子におい
ては、偏光素子の光吸収軸と異方性散乱層の散乱軸が平
行に配置されている。そのため、バックライトの光吸収
軸に平行な偏光成分は、最初に入射する異方性散乱層で
強く散乱を受け、後方散乱光がバックライト側に戻され
る。
【0083】後方散乱光の大部分は、バックライト部分
(例えば、導光板、光拡散板、集光シート)で散乱反射
された後に再び異方性散乱層に入射する。この再入射し
た光は、散乱に基づく偏光解消を受けて楕円偏光になる
ため、偏光素子の光透過軸に平行な偏光成分が出現す
る。また、前方散乱光についても僅かに散乱解消によっ
て楕円偏光となるため、光透過軸に平行な偏光成分が出
現する。これらの結果として、偏光素子の光透過軸に平
行な偏光成分が増加し、トータルでバックライト光の偏
光板透過率が上昇する。一体型の偏光板の偏光度につい
ては、一体化された偏光素子の高い偏光度がそのまま維
持され、偏光素子単独の偏光度と同等以上の値を得るこ
とができる。ツイストネマチック(TN)配向モードの
液晶セルは、最も普通に(特に、TFT液晶表示装置
に)用いられている液晶セルであって、様々な文献に記
載がある。本発明の偏光板と光学異方性透明支持体上に
ディスコティック液晶性化合物から形成した光学異方性
層を有する光学補償シートとを一体化した積層体を、ツ
イストネマチック配向モードの液晶表示装置に組み込む
場合、ディスコティック液晶性化合物の円盤面の法線の
光学異方性透明支持体面への正射影の平均方向と光学異
方性透明支持体の面内遅相軸との角度が実質的に平行ま
たは実質的に垂直になるように、光学異方性層と光学異
方性透明支持体とを配置する。また、光学異方性透明支
持体の面内遅相軸と偏光板の面内透過軸とは、実質的に
平行または実質的に垂直になるように、光学異方性透明
支持体と偏光板とを配置する。
【0084】ベンド配向モードの液晶セルは、セル中央
部の液晶分子がねじれ配向していてもよい。ベンド配向
液晶セルでは、液晶性化合物の屈折率異方性Δnと、液
晶セルの液晶層の厚みdとの積(Δn×d)は、輝度と
視野角を両立させるために、100乃至2000nmの
範囲であることが好ましく、150乃至1700nmの
範囲であることがさらに好ましく、500乃至1500
nmの範囲であることが最も好ましい。本発明の偏光板
と光学異方性透明支持体上にディスコティック液晶性化
合物から形成した光学異方性層を有する光学補償シート
とを一体化した積層体を、ベンド配向モードの液晶表示
装置に組み込む場合、ディスコティック液晶性化合物の
円盤面の法線の光学異方性透明支持体面への正射影の平
均方向と光学異方性透明支持体の面内遅相軸との角度が
実質的に45゜になるように、光学異方性層と光学異方
性透明支持体とを配置する。また、光学異方性透明支持
体の面内遅相軸と偏光板の面内透過軸とが実質的に平行
または実質的に垂直になるように、透明支持体と偏光板
とを配置する。
【0085】水平配向液晶セルでは、液晶性化合物の屈
折率異方性Δnと、液晶セルの液晶層の厚みdとの積
(Δn×d)は、輝度と視野角を両立させるために、1
00乃至2000nmの範囲であることが好ましく、1
00乃至1000nmの範囲であることがさらに好まし
く、100乃至700nmの範囲であることが最も好ま
しい。本発明の偏光板と光学異方性透明支持体上にディ
スコティック液晶性化合物から形成した光学異方性層を
有する光学補償シートとを一体化した積層体を、水平配
向モードの液晶表示装置に組み込む場合、ディスコティ
ック液晶性化合物の円盤面の法線の光学異方性透明支持
体面への正射影の平均方向と光学異方性透明支持体の面
内遅相軸との角度が実質的に45゜になるように、光学
異方性層と光学異方性透明支持体とを配置する。また、
光学異方性透明支持体の面内遅相軸と偏光板の面内透過
軸とが実質的に平行または実質的に垂直になるように、
光学異方性透明支持体と偏光板とを配置する。液晶セル
は、いずれも、ノーマリーホワイトモード(NWモー
ド)またはノーマリーブラックモード(NBモード)で
用いることができる。ことが好ましい。
【0086】
【実施例】[実施例1] (光散乱型偏光素子の偏光選択層塗布液の調製)ネマチ
ック相を有する重合性液晶性化合物(N41)2gおよ
び(N42)2g、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
の混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.1gおよ
び光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社
製)0.1gを酢酸エチル2gに溶解し、孔径30μm
のポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学異方性
不連続相溶液を調製した。一方、ポリビニルアルコール
(PVA205、クラレ(株)製)10質量%水溶液1
20gに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ア
ニオン界面活性剤)0.2gを添加し、溶解後、孔径3
0μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学
的連続相水溶液を調製した。光学異方性不連続相溶液2
00gと光学的連続相水溶液200gとを混合した液
を、ホモジナイザーによりこの液を分散して光散乱型偏
光素子の偏光選択層塗布液を調製した。光学異方性不連
続相の平均分散径は0.28μmであった。
【0087】(塗布による光吸収型偏光素子の偏光選択
層の形成)光散乱型偏光素子の偏光選択層塗布液をダイ
を用いてバンド流延、乾燥し、厚み60μmとなるよう
にした。このフイルムに、ヨウ素1.1g/l、ヨウ化
カリウム60.5g/lの水溶液をウェット膜厚塗布量
が15cc/m2 となるよう塗布し、80℃で乾燥し
た。このフイルムをバンドから剥ぎ取り、ドライで25
℃にて3.5倍延伸の後、120℃で3分間熟成してか
ら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイ
グラフィックス(株)製、波長範囲200〜500n
m、最大波長365nm)を用いて、照度200mW/
cm2 、照射量400mJ/cm2 の紫外線を吸収型の
偏光層がある面と反対側から照射して分散相を硬化さ
せ、幅20cm、長さ20cmの偏光板を作製した。
【0088】(微粒子分散液の調製)下記の組成液を、
アトライターにて体積平均粒径が0.7μmになるまで
分散を行った。粒径は、MALVERN社製マスターサ
イザーMS20にて測定した。
【0089】 ──────────────────────────────────── 微粒子分散液組成 ──────────────────────────────────── シリカ(アエロジルR972、日本アエロジル(株)製) 0.67質量% 置換度2.8のセルロースアセテート 2.93質量% トリフェニルフォスフェート 0.23質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.12質量% メチレンクロライド 88.37質量% メタノール 7.68質量% ────────────────────────────────────
【0090】(原料ドープの調製)下記の組成からなる
固形分100質量部に対して、上記微粒子分散液17.
9質量部を添加した。
【0091】 ──────────────────────────────────── 固形分組成 ──────────────────────────────────── 置換度2.8のセルローストリアセテート 89.3質量% トリフェニルフォスフェート 7.1質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 3.6質量% ────────────────────────────────────
【0092】次に、メチレンクロライド92質量%およ
びメタノール8質量%からなる混合溶媒を適宜添加、攪
拌溶解してドープを調製した。ドープの固形分濃度は、
18.5質量%であった。ドープ固形分濃度(%)は、
湿量基準で(ドープを120℃2時間加熱した減量分質
量)/(元のドープ質量)×100で求めた。このドー
プを濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)にて濾過後さら
に燒結金属フィルタ(日本精線(株)製06N、公称孔
径10μm)で濾過し、さらにメッシュフィルタ(日本
ポール(株)製RM、公称孔径45μm)で濾過した。
【0093】(紫外線吸収剤溶液の調製)下記組成の紫
外線吸収剤溶液を調製し、フィルタ(アストロポア1
0、富士写真フイルム(株)製フィルタにて濾過した。
【0094】 ──────────────────────────────────── 紫外線吸収剤溶液組成 ──────────────────────────────────── 2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロ ルベンゾトリアゾール 5.83質量% 2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリ アゾール 11.66質量 % 置換度2.8のセルロースアセテート 1.48質量% トリフェニルフォスフェート 0.12質量% ビフェニルジフェニルフォスフェート 0.06質量% メチレンクロライド 74.38質量% メタノール 6.47質量% ────────────────────────────────────
【0095】(透明保護膜の作製)ドープに対し、スタ
ティックミキサを用い、上記紫外線吸収剤溶液を、ドー
プ中の固形分に対し紫外線吸収剤量が1.04質量%に
なるよう調節しつつ、ドープの配管経路において添加、
混合した。このドープを無端支持体上に流延し、自己支
持性を持つまで熱風乾燥し、フイルムとして剥離した。
剥離した時点の残留溶剤は、38質量%であった。残留
溶剤は、島津製作所製GC−18Aを用い、メチレンク
ロライド、メタノール、n−ブタノールを定量した。残
量溶剤量は湿量基準であり、これら溶剤の総和が、溶剤
を含むサンプル総質量に占める割合を示す。
【0096】フイルムをテンター式乾燥機に導入し、両
端を保持して張力を与えつつ乾燥し、残留溶剤が14質
量%になるまで乾燥した。以降ローラー乾燥ゾーンにて
乾燥し、残留溶剤が0.1質量%になるまで乾燥した。
以上のようにして作製した保護膜の膜厚は80μm、レ
ターデーションは(3.1)nm、フイルム長手方向の
抗張力は140MPaであった。レターデーションは王
子計測(株)製自動複屈折計KOBRA21DHにて、
632.8nmにおける値を測定した。フイルムの抗張
力は、オリエンテック(株)製RTA−100引張試験
機にて、初期試料長100mm、引張速度200mm/
minの条件にて、23℃、65%RHにて測定した。
作製した透明保護膜を、PVA(PVA−117H、ク
ラレ(株)製)の3質量%水溶液を接着剤として、偏光
板の光吸収型偏光素子側と貼り合わせ、さらに63℃で
20分間加熱して、透明保護膜を有する偏光板を作製し
た。
【0097】(透過型液晶表示装置の作製)市販の透過
型液晶表示装置(カラー液晶ディスプレイVL−153
0SW、富士通(株)製)から、バックライト側の偏光
フイルムを剥ぎ取り、代わりに作製した透明保護膜を有
する偏光板を貼り付け、導光板と偏光板との間にそれ以
外のフイルムを挿入しない状態で、測定機(BM−7、
トプコン社製)を用いて中央部輝度を測定したところ、
340cd/cm2 の輝度であった。
【0098】[比較例1] (偏光板の作製)実施例1において光吸収型偏光素子の
偏光選択層を形成しない、すなわちヨウ素、ヨウ化カリ
ウム水溶液を片面に塗布しない以外は、実施例1と同様
にして透明保護膜を有する偏光板を作製した。
【0099】(透過型液晶表示装置の作製)市販の透過
型液晶表示装置(カラー液晶ディスプレイVL−153
0SW、富士通(株)製)のバックライト側に、作製し
た透明保護膜を有する偏光板を重ねて、導光板と偏光板
の間にそれ以外のフイルムを挿入しない状態で、測定機
(BM−7、トプコン社製)を用いて中央部輝度を測定
したところ、300cd/cm2 の輝度であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光板の一態様を示す断面模式図である。
【図2】偏光板の別の態様を示す断面模式図である。
【図3】偏光板のさらに別の態様(円偏光板)を示す断
面模式図である。
【図4】偏光板を備えた液晶表示装置を示す断面模式図
である。
【符号の説明】
1、1a、1b 透明保護膜 2 光吸収型偏光素子 3 光散乱型偏光素子 31 光学等方性連続相 32 光学異方性不連続相 4 位相差板 5 λ/4板 6 偏光板 7 TNモード液晶セル 8 偏光板 9 導光板 10 冷陰極管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BA05 BA06 BA07 BA27 BA42 BA43 BB03 BB18 BB33 BB46 BC01 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA31X FA31Z FA34X FA34Z FB02 FB12 LA16 LA19 4F006 AA02 AA12 AA15 AA22 AA35 AA36 AA38 AA40 AB20 AB54 BA14 CA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
    選択的に反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱
    型偏光素子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を
    選択的に吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子
    とが積層されており、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と
    光吸収型偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となる
    ように配置されている偏光板であって、光吸収型偏光素
    子の偏光選択層が、光散乱型偏光素子の偏光選択層上に
    塗布により形成された層であることを特徴とする偏光
    板。
  2. 【請求項2】 光散乱型偏光選択素子の偏光選択層が、
    光学等方性連続相と光学異方性不連続相とからなる請求
    項1に記載の偏光板。
  3. 【請求項3】 さらに、少なくとも一枚の透明保護膜を
    有する請求項1に記載の偏光板。
  4. 【請求項4】 光散乱型偏光選択素子の偏光選択層の面
    内の方向において、光学等方性連続相の屈折率と、光学
    異方性不連続相の屈折率との差の最大値が0.05以上
    である請求項2に記載の偏光板。
  5. 【請求項5】 光散乱型偏光選択素子の偏光選択層の面
    内の方向において、光学等方性連続相の屈折率と、光学
    異方性不連続相の屈折率との差の最小値が0.05未満
    である請求項2に記載の偏光板。
  6. 【請求項6】 光学異方性不連続相が、0.01乃至1
    0μmの平均径を有する請求項2に記載の偏光板。
  7. 【請求項7】 光学異方性不連続相が、重合性基を有す
    る液晶性化合物の重合生成物を含む請求項2に記載の偏
    光板。
  8. 【請求項8】 光学等方性連続相が、高分子化合物を含
    む請求項2に記載の偏光板。
  9. 【請求項9】 高分子化合物が、ポリビニルアルコール
    である請求項8に記載の偏光板。
  10. 【請求項10】 光吸収型偏光素子の偏光選択層が、光
    学等方性連続相と同じ高分子化合物を含む請求項8に記
    載の偏光板。
  11. 【請求項11】 光吸収型偏光素子と光散乱型偏光素子
    とが積層された状態で延伸処理されている請求項1に記
    載の偏光板。
  12. 【請求項12】 バックライト、偏光板、液晶セル、そ
    して偏光板が、この順に積層されている液晶表示装置で
    あって、バックライト側の偏光板が、バックライト側か
    ら順に、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を選択的
    に反射または散乱する偏光選択層を有する光散乱型偏光
    素子と、所定の偏光を選択的に透過し他の偏光を選択的
    に吸収する偏光選択層を有する光吸収型偏光素子とが積
    層されており、光散乱型偏光素子の偏光透過軸と光吸収
    型偏光素子の偏光透過軸とが実質的に平行となるように
    配置されており、そして、光吸収型偏光素子の偏光選択
    層が、光散乱型偏光素子の偏光選択層上に塗布により形
    成された層であることを特徴とする液晶表示装置。
JP2001357748A 2001-11-22 2001-11-22 偏光板および液晶表示装置 Withdrawn JP2003156624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001357748A JP2003156624A (ja) 2001-11-22 2001-11-22 偏光板および液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001357748A JP2003156624A (ja) 2001-11-22 2001-11-22 偏光板および液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003156624A true JP2003156624A (ja) 2003-05-30

Family

ID=19169044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001357748A Withdrawn JP2003156624A (ja) 2001-11-22 2001-11-22 偏光板および液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003156624A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005091023A1 (ja) * 2004-03-23 2005-09-29 Nitto Denko Corporation 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
JP2005309401A (ja) * 2004-03-23 2005-11-04 Nitto Denko Corp 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
WO2006090700A1 (ja) * 2005-02-22 2006-08-31 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha セルロース誘導体を用いた位相差フィルム
JP2006323377A (ja) * 2005-04-21 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 異方性色素膜用組成物、異方性色素膜及び偏光素子
US7190426B2 (en) 2003-09-29 2007-03-13 Seiko Epson Corporation Scattering polarizing plate having a transmission and diffusion axis, with the transmission axis being perpendicular to the transmission axis of the polarizing plate
JP2007156322A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Nitto Denko Corp 偏光子、及び光学フィルム、及び液晶パネル、及び画像表示装置
JP2008249970A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 散乱型偏光子
JP2009098612A (ja) * 2007-09-27 2009-05-07 Fujifilm Corp 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2013156391A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Konica Minolta Inc ロール状円偏光板の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び横電界型スイッチングモード型液晶表示装置
JP2018141984A (ja) * 2012-08-24 2018-09-13 三菱ケミカル株式会社 光学積層体
WO2019156027A1 (ja) * 2018-02-06 2019-08-15 富士フイルム株式会社 積層体、積層体の製造方法および画像表示装置
WO2021044927A1 (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 東洋紡株式会社 複合偏光子及びその製造方法
CN116107013A (zh) * 2023-04-13 2023-05-12 Tcl华星光电技术有限公司 偏光片及其制备方法、显示面板
CN116125582A (zh) * 2023-04-13 2023-05-16 Tcl华星光电技术有限公司 偏光片和液晶显示装置

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7190426B2 (en) 2003-09-29 2007-03-13 Seiko Epson Corporation Scattering polarizing plate having a transmission and diffusion axis, with the transmission axis being perpendicular to the transmission axis of the polarizing plate
WO2005091023A1 (ja) * 2004-03-23 2005-09-29 Nitto Denko Corporation 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
JP2005309401A (ja) * 2004-03-23 2005-11-04 Nitto Denko Corp 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
CN100434950C (zh) * 2004-03-23 2008-11-19 日东电工株式会社 偏振片、光学薄膜以及图像显示装置
JP4583982B2 (ja) * 2004-03-23 2010-11-17 日東電工株式会社 偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置
WO2006090700A1 (ja) * 2005-02-22 2006-08-31 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha セルロース誘導体を用いた位相差フィルム
JP2006323377A (ja) * 2005-04-21 2006-11-30 Mitsubishi Chemicals Corp 異方性色素膜用組成物、異方性色素膜及び偏光素子
JP2007156322A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Nitto Denko Corp 偏光子、及び光学フィルム、及び液晶パネル、及び画像表示装置
JP2008249970A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 散乱型偏光子
JP2009098612A (ja) * 2007-09-27 2009-05-07 Fujifilm Corp 光学補償フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
JP2013156391A (ja) * 2012-01-30 2013-08-15 Konica Minolta Inc ロール状円偏光板の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び横電界型スイッチングモード型液晶表示装置
JP2018141984A (ja) * 2012-08-24 2018-09-13 三菱ケミカル株式会社 光学積層体
WO2019156027A1 (ja) * 2018-02-06 2019-08-15 富士フイルム株式会社 積層体、積層体の製造方法および画像表示装置
CN111684329A (zh) * 2018-02-06 2020-09-18 富士胶片株式会社 层叠体、层叠体的制造方法及图像显示装置
JPWO2019156027A1 (ja) * 2018-02-06 2021-01-28 富士フイルム株式会社 積層体、積層体の製造方法および画像表示装置
US11286423B2 (en) 2018-02-06 2022-03-29 Fujifilm Corporation Laminate, manufacturing method of laminate, and image display device
JP7109485B2 (ja) 2018-02-06 2022-07-29 富士フイルム株式会社 積層体、積層体の製造方法および画像表示装置
WO2021044927A1 (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 東洋紡株式会社 複合偏光子及びその製造方法
CN116107013A (zh) * 2023-04-13 2023-05-12 Tcl华星光电技术有限公司 偏光片及其制备方法、显示面板
CN116125582A (zh) * 2023-04-13 2023-05-16 Tcl华星光电技术有限公司 偏光片和液晶显示装置
CN116125582B (zh) * 2023-04-13 2023-08-22 Tcl华星光电技术有限公司 偏光片和液晶显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7119873B2 (en) Polarizing plate and liquid crystal display using the same
JP4667109B2 (ja) 光学補償フィルム及び液晶表示装置
JP2003156624A (ja) 偏光板および液晶表示装置
WO2001055753A1 (fr) Polariseur en feuille, pourvu de plusieurs couches d'element polarisant a diffusion de lumiere et d'element polarisant a absorption de lumiere
JP2002180052A (ja) 水溶性二色性色素、光学フイルム、偏光素子、二色性色素のミセルを配向させる方法および光学フイルムの製造方法
TW594118B (en) Substantial color-free anisotropy material
JP2005138375A (ja) セルロースアシレートフィルム、およびその製造方法
JP2004272202A (ja) 偏光板、円偏光板、楕円偏光板
TW200540214A (en) Cellulose acylate film, polarizing plate, and liquid crystal display device
JP4330410B2 (ja) セルロースフィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2008001893A (ja) セルロースアシレートフィルム、セルロースアシレートフィルムの製造方法、光学補償フィルム、偏光板および液晶表示装置
WO2014042022A1 (ja) 画像表示装置
TWI407156B (zh) 醯化纖維素薄膜、偏光板保護薄膜、偏光板及液晶顯示裝置
JP2004233872A (ja) 偏光フィルム、楕円偏光フィルム、円偏光フィルム、及び液晶表示装置
JP4596940B2 (ja) セルロースアシレートフィルムの製造方法
JP2006290966A (ja) セルロースアシレートフィルム、並びにそれを用いた光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2003043261A (ja) 光散乱型偏光素子、偏光板および液晶表示装置
JP2005128520A (ja) 偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
KR100866005B1 (ko) 편광판 및 그 제조 방법과 액정 표시 장치
JP2007015366A (ja) セルロースアシレートフィルムの製造方法、セルロースアシレートフィルム、光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置。
JP3898416B2 (ja) 偏光板の製造方法
JP2003043482A (ja) 反射型液晶表示装置
JP2002006139A (ja) 偏光板、光散乱型偏光素子の製造方法および液晶表示装置
JP2003043260A (ja) 偏光素子、偏光板および液晶表示装置
JP2007193276A (ja) 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050201