JP2003043482A - 反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射型液晶表示装置

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JP2003043482A
JP2003043482A JP2001233499A JP2001233499A JP2003043482A JP 2003043482 A JP2003043482 A JP 2003043482A JP 2001233499 A JP2001233499 A JP 2001233499A JP 2001233499 A JP2001233499 A JP 2001233499A JP 2003043482 A JP2003043482 A JP 2003043482A
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light
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anisotropic
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JP2001233499A
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English (en)
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Kentaro Shirato
健太郎 白土
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フロントライトを備える反射型液晶表示
装置の表示輝度を向上させる。 【解決手段】 光源1と導光板2とからなるフロントラ
イト、偏光板3、および反射型液晶セルがこの順に積層
されている反射型液晶表示装置において、直交する直線
偏光の一方を散乱し、他方を実質的に透過する異方性散
乱層9を有しており、フロントライトから入射し異方性
散乱層9の散乱軸に平行な偏光面を有する入射光の少な
くとも50%を反射型液晶セル側に出射し、出射光の少
なくとも10%を偏光変換する偏光板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種装置の情報を
表示するためのシステムとして用いられているフロント
ライトを備えた反射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置は、偏光板を備えた
反射型液晶セルからなり、周囲光を利用して画像の表示
を行うことができる。しかし、周囲光による画像表示で
は、画像の輝度が不足する場合が多い。カラーフィルタ
ーを用いた反射型カラー液晶表示装置では、輝度不足の
問題が重大で、補助照明手段が必要になる。反射型液晶
表示装置では、透過型液晶表示装置のバックライトとは
異なり、補助照明手段としてフロントライトを用いる。
フロントライトについては、SID'95Digest p.375-378、
および特開平11-184387号、同11-21875
7号、特開2001-23424号の各公報に記載があ
る。
【0003】図1は、フロントライトを備えた反射型液
晶表示装置の基本的な構成を示す断面模式図である。図
1に示すように、フロントライトは、導光板(2)とそ
の側面の入射面(2a)に配置された光源(1)からな
る。図1に示す反射型液晶表示装置では、フロントライ
トの導光板(2)の下側に、偏光板(3)、λ/4板
(4)、ガラス基板(5)、液晶層(6)、反射電極
(7)、ガラス基板(8)をこの順に有している。二枚
のガラス基板とその間の要素(5〜8)が、反射型液晶
セルを構成している。光源(1)から出射された光は、
側面の入射面(2a)から導光板(2)に入射し、出射
面(2b)や対向面(2c)で全反射され、導光板
(2)の内部を伝搬し、対向面(2c)によって出射面
(2b)に向かって反射され、導光板(2)から出射す
る。対向面(2c)は、周期的凹凸のような、出射面
(2b)に向かって光を反射する構造を有している。
【0004】導光板(2)の出射面(2b)から出射さ
れた光は、偏光板(3)を透過して直線偏光になる。偏
光板(3)の下側には偏光板(3)の透過軸(または吸
収軸)とλ/4板(4)の遅相軸(または進相軸)とが
45°の角度をなすように設置されている。偏光板
(3)を透過した直線偏光はλ/4板(4)で円偏光に
変換されて、ガラス基板(5)、液晶層(6)に入射す
る。液晶層(6)が偏光を変調しない場合には、反射板
(7)で反射される際に円偏光の回転方向が逆転するの
で、再びλ/4板(4)を透過した後で偏光板(3)の
透過軸と直交する直線偏光になって偏光板(3)で吸収
される。この場合では黒色が表示される。一方、液晶層
(6)に入射した円偏光がその偏光状態で液晶層(6)
を出射するように液晶層(6)に入射した円偏光を変調
させる場合は、再びλ/4板(4)を透過した後で偏光
板(3)の透過軸と一致する直線偏光になって偏光板
(3)を透過する。これにより白色が表示される。
【0005】フロントライトを備える反射型液晶表示装
置においては、明るい表示輝度を得るため、偏光板3や
カラー表示を行う場合に画素毎に配置された、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色のカラーフィルタ
ーによる光学吸収を低減することが強く望まれている。
偏光板の光学吸収による損失を抑制する手法としては、
透過型液晶表示装置において異方性反射方式および異方
性散乱方式による光源の光利用効率向上手段が知られて
おり、輝度向上フイルムとして広く使用されている。
【0006】異方性反射方式では、一軸延伸フイルムと
未延伸フイルムを多重に積層して、延伸方向の屈折率差
を大きくすることにより反射率ならびに透過率の異方性
を有する偏光素子、そしてこの素子と通常の二色性の光
吸収型偏光素子を積層してバックライト側の偏光素子と
して用いて、バックライトの光利用効率を高めることが
できる。異方性反射方式は、誘電体ミラーの原理を用い
た多層膜方式(WO95/17691号、WO95/1
7692号、WO95/17699号の各明細書記載)
とコレステリック液晶方式(欧州特許606940A2
号明細書、特開平8−271731号公報記載)とが知
られている。
【0007】異方性散乱方式では、高分子と液晶の複合
体を延伸したフイルムが光学的に異方性の散乱体(異方
性散乱体)となる性質を利用する(リキッドクリスタル
ズ、1993年、15巻、NO.3、395〜407頁
に記載)。また、WO97/32223号、WO97/
32224号、WO97/32225号、WO97/3
2226号の各明細書および特開平9−274108
号、同11−174231号の各公報には、正の固有複
屈折性ポリマーと負の固有複屈折性ポリマーをブレンド
し一軸延伸することで異方性散乱体を作製する方法が提
案されている。
【0008】従来知られている異方性反射方式および異
方性散乱方式の輝度向上フイルムは、透過型液晶表示装
置においてはバックライト側に反射もしくは後方散乱し
た光がバックライト部分で反射した光を再利用する。し
かし、フロントライトを備える反射型液晶表示装置で
は、反射もしくは後方散乱光の大部分が大気中に出射さ
れ、前記の輝度向上フイルムでは再利用できない。従っ
て、フロントライトを備える反射型液晶表示装置に有効
な輝度向上膜はないというのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表示
輝度が向上したフロントライトを備える反射型液晶表示
装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(19)の反射型液晶表示装置により達成され
た。 (1)光源と導光板とからなるフロントライト、偏光
板、および反射型液晶セルがこの順に積層されている反
射型液晶表示装置であって、偏光板が、直交する直線偏
光の一方を散乱し、他方を実質的に透過する異方性散乱
層を有しており、偏光板が、フロントライトから入射し
異方性散乱層の散乱軸に平行な偏光面を有する入射光の
少なくとも50%を反射型液晶セル側に出射し、出射光
の少なくとも10%を偏光変換することを特徴とする反
射型液晶表示装置。
【0011】(2)異方性散乱層が、光学的等方性連続
相と光学的異方性不連続相とからなる(1)に記載の反
射型液晶表示装置。 (3)異方性散乱層面内の透過軸方向において、光学的
等方性連続相と光学的異方性不連続相との屈折率差が
0.05未満である(2)に記載の反射型液晶表示装
置。 (4)異方性散乱層面内の散乱軸方向において、光学的
等方性連続相と光学的異方性不連続相との屈折率差が
0.03以上である(2)に記載の反射型液晶表示装
置。
【0012】(5)光学的等方性連続相が、高分子化合
物からなる(2)に記載の反射型液晶表示装置。 (6)光学的異方性不連続相が、0.01乃至10μm
の平均径を有する(2)に記載の反射型液晶表示装置。 (7)光学的異方性不連続相が、液晶性化合物を含む
(2)に記載の反射型液晶表示装置。 (8)液晶性化合物が、重合性基を有する(7)に記載
の反射型液晶表示装置。
【0013】(9)偏光板が、フロントライトから入射
し異方性散乱層の散乱軸に平行な偏光面を有する入射光
の少なくとも70%を反射型液晶セル側に出射し、出射
光の少なくとも10%を偏光変換する(1)に記載の反
射型液晶表示装置。 (10)偏光板が、フロントライトから入射し異方性散
乱層の散乱軸に平行な偏光面を有する入射光の少なくと
も80%を反射型液晶セル側に出射し、出射光の少なく
とも10%を偏光変換する(1)に記載の反射型液晶表
示装置。 (11)偏光板が、さらに偏光度が99%以上の光吸収
型偏光素子を有し、光吸収型偏光素子の透過軸が異方性
散乱層の透過軸と実質的に平行になるように、光吸収型
偏光素子が異方性散乱層よりも反射型液晶セル側に配置
されている(1)に記載の反射型液晶表示装置。 (12)さらにλ/4板を有する(1)に記載の反射型
液晶表示装置。 (13)さらに反射板を有する(1)に記載の反射型液
晶表示装置。
【0014】なお、本明細書において、「光学的等方
性」とは複屈折が0.05未満であることを意味し、
「光学的異方性」とは複屈折が0.05以上であること
を意味する。
【0015】
【発明の実施の形態】[反射型液晶表示装置および異方
性散乱膜の構成]図2は、反射型液晶表示装置の好まし
い構成を示す断面模式図である。図2に示す反射型液晶
表示装置は、導光板(2)とその端面に配置された光源
(1)を有し、導光板(2)の下側に、異方性散乱層
(9)、偏光板(3)、λ/4板(4)、ガラス基板
(5)、液晶層(6)、反射電極(7)およびガラス基
板(8)をこの順に有している。光源(1)としては、
蛍光管が好ましい。蛍光管以外にも、導光板(2)の光
入射面(2a)に均一に光を照射する光源(例えば、E
L、LED、LEDと棒状導光板の組み合せ)を用いる
ことができる。出射面(2b)と対向面(2c)につい
ては、図1で説明した反射型液晶表示装置と同様であ
る。
【0016】図3は、マイクロプリズム構造を有するフ
ロントライト(SID'95 Digestp.376のFig.1に記
載)を示す断面模式図である。図3に示すフロントライ
トでは、照明用蛍光灯(10)から照射された光が、導
光板(11)の側面(11a)から導光板(11)内に
入り、表示面側に形成されたマイクロプリズム(11
b)により下方側に反射され、下方に設置された反射型
カラー表示装置を照射する。また、導光板(11)の側
面(11a)側の部分には傾斜プリズム(11c)が設
けてあり、照明用蛍光灯(10)から照射された光の導
光板(11)の厚み方向への入射角を絞り込んで導光板
(11)内に入射した光がマイクロプリズム(11b)
により図面下側に反射されるようになっている。なお、
照明用蛍光灯(10)は、ホルダー(12)によって保
護されている。また、マイクロプリズム(11b)側に
は、光学補償板(13)が設けられている。
【0017】図4は、傾斜型フロントライト(特開平1
1−218757号公報記載)を示す断面模式図であ
る。図4に示すフロントライトでは、導光板下面部(1
5A)が平面からなり、導光板上面部(15B)が下面
部(15A)に対して所定角度(α)で傾いた斜面部か
らなる。冷陰極管や熱陰極管などのランプ(17)とラ
ンプホルダ(18)とからなる光源部(16)からフロ
ントライトユニット(14)に入射した光は、一定の傾
斜角(例えば、α=20゜)の導光板上面部(15B)
で反射し、導光板下面部(15A)を出射する際に屈折
する。これにより、出射角度が垂直成分に近い光を導光
できる。
【0018】図5はプリズム連続型フロントライト(特
開2001−23424号号公報記載)を示す断面模式
図である。図5に示すフロントライトでは、導光板(2
0)の表面上に、緩斜面(20a)および急斜面(20
b)からなる凹凸部が、一定のピッチ(p)で周期的に
多数並列形成されている。光源(19)で出射し、導光
板(20)に入射した光のうち、板面に沿って伝搬する
光は、導光板の裏面や緩斜面(20a)に当っても導光
板と空気層の大きな屈折率差によって全反射するため外
部へは漏れず伝搬するが、入射角が臨界角より大きい状
態で急斜面(20b)に当る光は全反射される。急斜面
(20b)で全反射した光が導光板(20)の裏面に達
したとき、裏面への入射角が臨界角より小さい場合、導
光板(20)の裏面から下方向へと照明光として出射さ
れる。導光板(20)の材質は、ポリメチルメタクリレ
ート、ガラス、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂およびエポキシ系樹脂が好ましい。凹凸部の周期長
(p)は100〜600μmが好ましく、250〜45
0μmがさらに好ましい。
【0019】導光板(20)に形成される周期的な凹凸
の筋の方向は、モアレ縞の生成を回避するため、反射型
液晶表示素子の画素パターンに応じて適宜、画素と角度
を持たせることが好ましい。反射型液晶表示素子の画素
パターンがデルタ配列である場合には、画素パターンの
水平方向と10〜25°または55°〜80°の角度を
持たせることが好ましい。反射型液晶表示素子の画素パ
ターンがストライプ配列である場合には、15〜75°
の角度を持たせることが好ましい。
【0020】図6は、体積ホログラム型フロントライト
(特開平11−184387号公報記載)を示す断面模
式図である。図6に示すフロントライトでは、表示面と
の間に導光板(22)を介して、体積ホログラム層(2
3)が配置されている。体積ホログラム層(23)によ
って、導光板(22)内に導光された光源(21)から
の光の一部を表示面側に反射して表示面を照明する。
【0021】異方性散乱層は、偏光素子が直交する直線
偏光の一方を散乱し、他方を実質的に透過する光学特性
を有し、さらに散乱軸に平行な偏光面を有する入射光の
少なくとも50%を入射面の反対側に出射し、該出射光
の少なくとも10%を偏光変換する。図7は、異方性散
乱層の基本的な構成を示す模式図である。図7に示す異
方性散乱層では、光学的等方性連続相(25)中で光学
異方性分散相(24)が相分離して存在している。分散
相(24)は複屈折を有する光学異方性化合物からな
り、透過軸(27)との方位角を垂直に保ちながら遅相
軸(分子の長軸)方向が散乱軸(26)に対し平行とな
るよう配向している。遅相軸または散乱軸の方向(2
6)は、光の入射方向(28)に対しても垂直である。
【0022】図8は、異方性散乱層の別の基本的な構成
を示す模式図である。図8に示す異方性散乱層では、光
学的異方性連続相(29)中で光学等方性分散相(3
0)が相分離して存在している。連続相(29)は複屈
折を有する光学異方性化合物からなり、透過軸(32)
との方位角を垂直に保ちながら遅相軸(分子の長軸)方
向が散乱軸(31)に対し平行となるよう配向してい
る。遅相軸または散乱軸の方向(31)は、光の入射方
向(33)に対しても垂直である。
【0023】図9は、異方性散乱層に光を入射した状態
を示す断面模式図である。図9に示すように、異方性散
乱層(36)のフイルム面に垂直の方向で光を入射する
と、フイルムの散乱軸と直交する電界ベクトルの光(3
4)とフイルムの散乱軸に平行な電界ベクトルの光(3
5)とが生じる。フイルムの散乱軸に平行な電界ベクト
ルの光(35)は、入射光軸に対して傾斜した角度でフ
イルムを通過する。
【0024】図10は、偏光素子の一般的な形態を示す
断面模式図である。図10に示す偏光素子は、図7また
は図8に示した異方性散乱層(37)のみからなる。図
11は、偏光素子の別の一般的な形態を示す断面模式図
である。図11に示す偏光素子は、異方性散乱層(3
7)が透明支持体(38)上に設けられている。図12
は、偏光素子のまた別の一般的な形態を示す断面模式図
である。図12に示す偏光素子は、異方性散乱層(3
7)が二枚の透明支持体(38)でサンドイッチされた
構成を有している。
【0025】図13は、光散乱型偏光素子と光吸収型偏
光素子とを組み合わせた偏光板を示す断面模式図であ
る。図13に示す偏光板では、光吸収型偏光層(40)
を二枚の透明支持体(38)でサンドイッチした光吸収
型偏光素子と、光散乱型偏光素子(39)とを分離した
形で使用する。図14は、光散乱型偏光素子と光吸収型
偏光素子とを組み合わせた別の偏光板を示す断面模式図
である。図14に示す偏光板では、光散乱型偏光素子
(39)を、光吸収型偏光層(40)の一方の保護フイ
ルムとして使用する。他方の保護フイルムは、透明支持
体(38)である。図15は、光散乱型偏光素子と光吸
収型偏光素子とを組み合わせたまた別の偏光板を示す断
面模式図である。図15に示す偏光板でも、光散乱型偏
光素子(39)を、光吸収型偏光層(40)の一方の保
護フイルムとして使用する。他方の保護フイルムは、λ
/4板(41)として機能する。
【0026】[光学的等方性連続相と光学的異方性不連
続相とからなる異方性散乱層]光学的等方性連続相は、
光透過率が80%以上を有する材料から形成することが
好ましい。光学等方性連続相は、一般に、ポリマーから
形成する。ポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポ
リエチレン、ポリプロピレン)、ノルボルネン樹脂、ポ
リエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート)、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロ
ースエステル(例、セルロースアセテート)が含まれ
る。ポリビニルアルコールおよびポリカーボネートが好
ましい。市販のポリマー(例、ゼオネックス、ゼオノ
ア、日本ゼオン(株)製;ARTON、日本合成ゴム
(株)製;フジタック(富士写真フイルム(株)製)を
使用することもできる。フジタック(富士写真フイルム
(株)製)およびゼオノア(日本ゼオン(株)製)が好
ましい。二種類以上のポリマーを混合して用いてもよ
い。
【0027】光学的等方性連続相の複屈折は0.05未
満であることが好ましく、0.03未満であることがさ
らに好ましい。異方性散乱層の厚さは、0.5乃至50
0μmが好ましく、1乃至200μmがさらに好まし
い。
【0028】光学的異方性不連続相(分散相)は、屈折
率異方性材料を主成分として構成することができる。屈
折率異方性材料は、延伸、光照射、電場印加あるいは磁
場印加により傾斜一軸配向させることが好ましい。屈折
率異方性材料では、直線偏光の一方に対する屈折率と該
直線偏光の他方に対する屈折率が異なっている。屈折率
異方性材料として、液晶性化合物が好ましく用いられ
る。液晶性化合物は、常光屈折率(no )と異常光屈折
率(ne )の差、すなわち固有複屈折が大きいことが好
ましい。固有複屈折は0.1より大きいことが好まし
く、0.2より大きいことがさらに好ましく、0.3よ
り大きいことが最も好ましい。該液晶性化合物のn0
光学的等方性連続相の屈折率との差は0.05未満であ
ることが好ましく、0.03未満であることがさらに好
ましい。また、液晶性化合物のne と光学的等方性連続
相を構成する高分子素材の屈折率との差は0.03以上
であることが好ましく、0.05以上であることがさら
に好ましい。
【0029】液晶性化合物は、室温もしくは加熱するこ
とによってネマチック相もしくはスメクチック相を示す
低分子液晶、例えば、シアノビフェニル系液晶、シアノ
フェニルシクロヘキサン系液晶、シアノフェニルエステ
ル系液晶、安息香酸フェニルエステル系液晶、フェニル
ピリミジン系液晶、もしくはそれらの混合物を挙げるこ
とができる。また、室温もしくは加熱状態でネマチック
相もしくはスメクティック相を示す高分子液晶を使用す
ることもできる。
【0030】光学異方性相には、棒状の液晶性化合物を
好ましく使用することができる。棒状液晶性化合物およ
びその組成物については、季刊化学総説 第22巻 液
晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7
章,第10章、および液晶デバイスハンドブック 日本
学術振興会第142委員会編の第3章に記載された化合
物および組成物を参考にすることができる。光学異方性
相では特にネマチック相およびスメクチックC相を示す
棒状の液晶性化合物を好ましく使用することができる。
【0031】液晶性化合物の配向状態は長期間または温
度,湿度や機械的変形に対し,安定に維持するのが困難
な場合が多い。配向状態を長期間にわたって維持するた
め、重合性の液晶性化合物を使用し、配向状態で重合さ
せ、架橋網目構造を形成させることが望ましい。重合性
の液晶性化合物の重合手段としては、熱重合、光重合の
いずれを使用することもできるが、本発明では紫外線を
用いた光重合が好ましく用いられる。重合性基はエチレ
ン性不飽和基であることが好ましく、液晶性化合物当
り、少なくとも1個導入されていることが好ましい。耐
熱性及び配向の均一性の点から、棒状液晶分子の両末端
に光重合性基を有する二官能重合性液晶化合物が、特に
好ましく用いられる。光学異方性相に好ましく使用され
る液晶性化合物の例を、以下に挙げる。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】液晶性化合物の好ましい使用量は、光学的
等方性連続相を構成する高分子素材1gあたり、0.0
01乃至2.0gが好ましく。0.01乃至1.5gが
さらに好ましい。
【0049】光学的異方性不連続相を構成する液晶性化
合物は、光を用いてラジカル重合することが好ましい。
ラジカル重合に使用する光重合開始剤の例には、チオキ
サントン系光重合開始剤(例、2,4−ジエチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン)、ベンゾフェノ
ン系光重合開始剤(例、ベンゾフェノン、(4−(メチ
ルフェニルチオ)フェニル)フェニルメタノン)および
アントラキノン系光重合開始剤(例、エチルアントラキ
ノン)が含まれる。市販の光重合開始剤(例えば、Ciba
Specialty Chemicals. Inc.製のIrgacure184、Irgacu
re369、Irgacure500、Irgacure651、Irgacure784、Ir
gacure819、Irgacure907、Irgacure1000、Irgacure130
0、Irgacure1700、Irgacure1800、Irgacure1850、Irg
acure2959、Darocur 1173, Darocur 4265等)を用いて
もよい。光重合開始剤の添加量は、重合性の液晶性化合
物の総量に対し0.01質量%以上20質量%以下であ
ることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下で
あることがさらに好ましい。
【0050】光重合性開始剤と、分光増感剤や光重合促
進剤(例、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエス
テル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル)と
を併用してもよい。分光増感剤や光重合促進剤を添加す
る場合の好ましい添加量は光重合開始剤の10質量%以
上300質量%未満であり、さらに好ましくは20質量
%以上200質量%未満である。
【0051】光学的等方性連続相と光学的異方性不連続
相とからなる異方性散乱層は、光学的等方性連続相を構
成する高分子素材の溶液に液晶性化合物および光重合性
開始剤などの添加剤を分散した液を塗布後、乾燥し、さ
らに配向させて光照射により配向固定させて製造するこ
とが好ましい。
【0052】液晶性化合物をポリビニルアルコールなど
の水溶液に乳化分散する場合、分散粒径をコントロール
したり、分散安定性を付与するため界面活性剤を添加す
ることが好ましく行われる。添加する界面活性剤として
は特に限定はなく、ノニオン性およびイオン性(アニオ
ン、カチオン、ベタイン)のいずれも使用できる。
【0053】ノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリ
グリシジルやソルビタンをノニオン性親水性基とする界
面活性剤であり、具体的には、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニール
エーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
グリコール、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリ
オキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、トリエタノー
ルアミン脂肪酸部分エステルを挙げることができる。ア
ニオン界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸塩、ス
ルフォン酸塩、リン酸エステル塩が使用できる。代表的
なアニオン界面活性剤は、脂肪酸塩、アルキルベンゼン
スルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、
アルキルスルフォン酸塩、α―オレフィンスルフォン酸
塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、α―スルフォン化
脂肪酸塩、N−メチルーNオレイルタウリン、石油スル
フォン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンスチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩お
よびナフタレンスルフォン酸塩ホルムアルデヒド縮合物
である。
【0054】カチオン界面活性剤としてはアミン塩、4
級アンモニウム塩、ピリジニウム塩を使用できる。第1
〜第3脂肪族アミンの塩および4級アンモニウム塩
(例、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベ
ンジルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキ
ルイミダゾリウム塩)が好ましい。両性界面活性剤とし
ては、カルボキシベタインおよびスルフォベタインが好
ましい。両性界面活性剤の例には、N−トリアルキル−
N−カルボキシメチルアンモニウムベタインおよびN−
トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベ
タインが含まれる。
【0055】界面活性剤については、各種文献(例え
ば、界面活性剤の応用、幸書房、刈米孝夫著、昭和55
年9月1日発行)に記載がある。界面活性剤の使用量
は、不連続相の液晶性化合物1gあたり、0.001乃
至1gが好ましく。0.01乃至0.1gがさらに好ま
しい。分散は、超音波分散法、ホモジナイザーなどの攪
拌機を使用する方法、サンドミル、コロイドミルのよう
な混練機を使用する方法が好ましい。水不溶性ポリマー
(例、セルロースアセテート)に液晶性化合物を分散さ
せる場合、水不溶性ポリマーの有機溶剤溶液に液晶性化
合物の有機溶剤溶液を混合し均一な透明混合液を作製
後、塗布後の乾燥工程で相分離させることが好ましく行
われる。
【0056】異方性散乱層の散乱は、Mie散乱なので、
不連続相のサイズを大きくすることで顕著に前方散乱の
割合を増大させることができる。入射光と反対側への出
射光を確保するため、ある程度まで不連続相のサイズを
大きくすることが好ましい。不連続相のサイズは、各領
域をほぼ同面積の円で近似した近似円形の平均径で0.
5〜10μmの範囲にあることが好ましく、1〜5μm
の範囲にあることがさらに好ましい。
【0057】塗布方法は、ディップコート法、エアーナ
イフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、
ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストル
ージョンコート法(米国特許2681294号明細書)
等が好ましく使用される。2層以上を同時に塗布しても
よい。同時塗布の方法は、米国特許2761791号、
同2941898号、同3508947号、同3526
528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工
学、253頁、朝倉書店(1973)を参照することが
できる。
【0058】異方性散乱層の膜厚は、0.5乃至100
μmであることが好ましく、1乃至70μmであること
がさらに好ましい。
【0059】[液晶性化合物を配向させる手段]光学的
異方性不連続相を構成する液晶性化合物は、延伸、光照
射、電場印加および磁場印加の少なくともひとつの手段
を用いて配向させることが好ましい。
【0060】(1)延伸法 延伸法を用いて液晶性化合物を配向させる場合、光学的
等方性連続相と光学的異方性不連続相とからなる異方性
散乱層は上記方法によって、バンドまたはドラムのよう
な無端支持体、あるいは透明支持体に塗布した後、剥ぎ
取ってから延伸し、透明支持体にラミネートしてもよい
し、透明支持体に塗布した後、そのまま延伸して用いる
かまたは別の透明支持体とラミネートまたは別の透明支
持体に転写して形成してもよい。延伸倍率は特に不連続
相が液晶性化合物の場合、ヨウ素系吸収型偏光フイルム
のように4乃至10倍もの高延伸倍率は必要でないた
め、生産性の観点から3.0倍以下が好ましく、2.0
倍以下がさらに好ましい。
【0061】(2)光配向法 光照射で液晶性化合物を傾斜一軸配向させる場合、光化
学反応性基を含有する化合物を液晶性化合物および/も
しくは光学等方性バインダーに添加することが好ましく
行われる。光化学反応性基は光エネルギーを吸収して励
起した状態を経由して、光分解、光架橋、光重合、光酸
化還元、光転移、光異性化を行う官能基を意味し、本発
明では光架橋および/もしくは光異性化反応を行う官能
基を特に好ましく使用することができる。光架橋性官能
基は光照射により分子内の結合が切断されたり、あるい
は結合の一部が開裂することによって生成したラジカル
などの活性分子が互いに結合したり(光二量化)、ある
いは他の分子をラジカル化しとして結合反応をする官能
基である。このような光架橋性官能基は、例えば、シン
ナモイル基、シンナミリデン基、ジアゾ基、アジド基、
アクリロイル基、カルコン基、クマリン基などが挙げら
れるが、この中でも本発明ではシンナモイル基、シンナ
ミリデン基、カルコン基、クマリン基などの光二量化性
官能基が特に好ましい。
【0062】光異性化反応を行う官能基としては、例え
ば、光照射によりシス-トランス異性化するアゾベンゼ
ン基(K.Ichimura et al ,Langmuir.Vol.4,2) ; K.Ichim
ura etal ,Appl.Phys.Lett.Vol.63,No.4,Page449(1993)
; N.Ishizuki,Langmuir.Vol.9,Page3298(1993); N.Ish
izuki,Langmuir.Vol.9,Page857(1993))、ヒドラゾノ−
β−ケトエステル基(S.Yamamura et al,Liquid Crysta
l,Vol.13,No.2,page189(1993))、スチルベン基(市村國
宏他、高分子論文集、第47巻、10号、771頁(1990))、お
よびスピロピラン基(K.Ichimura et al ,Chemistry Let
ters,Page1063(1992) ; K.Ichimura et al,Thin Solid
Films,Vol.235,Page101(1993))が挙げられる。アゾベン
ゼン基およびスチルベン基を好ましく使用することがで
きる。
【0063】光化学反応性化合物の好ましい使用量は、
不連続相の液晶性化合物1g当たり0.001乃至1g
が好ましく。0.01乃至0.5gがさらに好ましい。
光化学反応性化合物の好ましい例を以下に挙げる。
【0064】
【化17】
【0065】
【化18】
【0066】光配向は、直線偏光照射もしくは斜め非偏
光照射により好ましく行われる。照射光の波長は用いる
光化学反応性化合物が光学吸収を有する波長領域を好ま
しく使用することができる。190nm以上、500n
m未満であることが好ましく、さらに好ましくは250
nm以上、450nm未満である。光源は、超高圧水銀
ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧
水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、
クセノンランプ、クセノンフラッシュランプ、メタルハ
ライドランプを好ましく使用することができる。直線偏
光を用いて光配向させる場合、光源から出射された紫外
線は偏光素子を通過させて直線偏光とすることが好まし
い。偏光素子としてはグランテーラー型プリズムやグラ
ントムソン型プリズムなどのプリズム系素子もしくはブ
リュースター角を利用した反射型偏光素子であることが
好ましい。照射光量は、1〜2000mJ/cm2 であ
ることが好ましく、さらに好ましくは5〜1000mJ
/cm2 である。短時間で光学的異方性を発現させるた
め、加熱しながら直線偏光を照射することも本発明では
好ましく行われる。直線偏光照射時の好ましい基板の温
度範囲は0℃以上200℃未満であり、さらに好ましく
は10℃以上150℃未満である。また、斜め非偏光照
射を用いて光配向させる場合、Polym. Mater. Sci. En
g. , 66, p263(1992)に記載されているような方法を好
ましく使用することができる。
【0067】(3)電場配向法 光学的等方性連続相に液晶性化合物を分散したフイルム
の傾斜した電極間に挿入し、1V以上50V未満の電圧
を印加することで不連続相の液晶性化合物を傾斜一軸配
向することができる。電極の傾斜角は10度以上80度
未満が好ましい。また、電圧印加は液晶性化合物が液晶
相を形成する温度範囲で行い、配向状態で紫外線照射し
て傾斜配向状態を固定化することが好ましく行われる。
【0068】(4)磁場配向法 光学的等方性連続相に液晶性化合物を分散したフイルム
の傾斜した電磁コイルを備えた磁場配向装置の磁極間に
挿入し、0.2T以上10T未満の磁場を印加すること
で不連続相の液晶性化合物を傾斜一軸配向することがで
きる。磁極の傾斜角は10度以上80度未満が好まし
い。また、磁場印加は液晶性化合物が液晶相を形成する
温度範囲で行い、配向状態で紫外線照射して傾斜配向状
態を固定化することが好ましく行われる。
【0069】上記(1)〜(4)の少なくともひとつの
手段を用いて傾斜一軸配向させる。液晶性化合物の好ま
しい傾斜角度は10度以上80度未満であり、さらに好
ましくは20度以上60度未満である。液晶性化合物の
傾斜配向後は、紫外線照射して傾斜配向状態を固定化す
ることが好ましい。紫外線照射重合の照射光波長、照射
光量、光源、照射時の基板温度は、前述の光配向法の場
合と同じである。光配向法を用いる場合、光配向に使用
する照射光波長と重合性の液晶性化合物を光重合させる
ための照射光波長は異なっている方が好ましい。
【0070】以上のように分散物を作製し、透明支持体
上に塗設し、直線偏光照射により液晶性分子を配向さ
せ、さらに必要に応じ配向状態の液晶性分子を光重合す
ることで異方性散乱層を作製することができる。異方性
散乱層を透明支持体上に設けることも好ましく行われ
る。
【0071】[透明支持体]透明支持体は、光透過率が
80%以上を有する材料から形成することが好ましい。
透明支持体としては、ポリマーフイルムを用いることが
できる。ポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリ
エチレン)、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポ
リスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルアルコール、セルロースエステル(例、
セルロースアセテート)が含まれる。二種類以上のポリ
マーの混合したフイルムを用いてもよい。市販のポリマ
ー(例、ゼオネックス、ゼオノア、日本ゼオン(株)
製;ARTON、日本合成ゴム(株)製;フジタック
(富士写真フイルム(株)製)を使用することもでき
る。この中でもフジタック(富士写真フイルム(株)
製)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリカーボネート、ゼオノア(日本ゼオン
(株)製)が特に好ましい。透明支持体には、透明性、
適度な透湿度、低複屈折性、適度な剛性といった物性が
求められ、セルロースアシレートが好ましく、特にセル
ロースアセテートが好ましい。
【0072】透明支持体の物性は、用途に応じ任意の値
が可能であるが、通常の透過型LCDに用いる場合の代
表的な好ましい値を以下に示す。膜厚は取り扱い性や耐
久性の観点から5〜500μmが好ましく、20〜20
0μmがより好ましく、20〜100μmが特に好まし
い。レターデーション値は632.8nmにおいて0〜
150nmが好ましく、0〜20nmがより好ましく、
0〜5nmが特に好ましい。透明支持体の遅相軸は、偏
光フイルムの吸収軸と実質的に平行または直交させるこ
とが、直線偏光の楕円化を避ける観点から好ましい。た
だし、透明支持体に位相差板等、偏光性を変化させる機
能を持たせる場合には、この限りではなく、偏光フイル
ムの吸収軸と透明支持体の遅相軸は任意の角度をとるこ
とができる。可視光線透過率は60%以上が好ましく、
90%以上が特に好ましい。90℃120時間処理後の
寸度減少は、0.3〜0.01%であることが好まし
く、0.15〜0.01%であることが特に好ましい。
フイルムの引っ張り試験による抗張力値は、50〜10
00MPaが好ましく、100〜300MPaが特に好
ましい。フイルムの透湿度は、100〜800g/m2
・dayが好ましく、300〜600g/m2 ・day
が特に好ましい。
【0073】透明支持体として好ましいセルロースアシ
レートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式
(I)〜(III)の全てを満足するものである。
【0074】 (I) 2.6≦A+B≦3.0 (II) 2.0≦A≦3.0 (III) 0≦B≦0.8 式中、AおよびBはセルロースの水酸基に置換されてい
るアシル基の置換基を表し、Aはアセチル基の置換度、
またBは炭素原子数3〜5のアシル基の置換度である。
セルロースには1グルコース単位に3個の水酸基があ
り、上記の数字はその水酸基3.0に対する置換度を表
すもので、最大の置換度が3.0である。セルロースト
リアセテートは一般にAの置換度が2.6以上3.0以
下であり(この場合、置換されなかった水酸基が最大
0.4もある)、B=0の場合がセルローストリアセテ
ートである。偏光フイルム透明支持体として用いるセル
ロースアシレートは、アシル基が全部アセチル基のセル
ローストリアセテート、及びアセチル基が2.0以上
で、炭素原子数が3〜5のアシル基が0.8以下、置換
されなかった水酸基が0.4以下のものが好ましい。炭
素原子数3〜5のアシル基の場合、0.3以下が物性の
点から特に好ましい。なお、置換度は、セルロースの水
酸基に置換する酢酸及び炭素原子数3〜5の脂肪酸の結
合度を測定し、計算によって得られる。測定方法として
は、ASTMのD−817−91に準じて実施すること
が出来る。
【0075】アセチル基の他の炭素原子数3〜5のアシ
ル基はプロピオニル基(C2 5 CO−)、ブチリル基
(C3 7 CO−)(n−、iso-)、バレリル基(C4
9CO−)(n−、iso-、sec-、tert−)で、これら
のうちn−置換のものがフイルムにした時の機械的強
さ、溶解し易さ等から好ましく、特にn−プロピオニル
基が好ましい。また、アセチル基の置換度が低いと機械
的強さ、耐湿熱性が低下する。炭素原子数3〜5のアシ
ル基の置換度が高いと有機溶媒への溶解性は向上する
が、それぞれの置換度が前記の範囲であれば良好な物性
を示す。
【0076】セルロースアシレートの重合度(粘度平
均)は200〜700が好ましく、特に250〜550
のものが好ましい。粘度平均重合度はオストワルド粘度
計で測定することができ、測定されたセルロースアシレ
ートの固有粘度[η]から下記式により求められる。 DP=[η]/Km(式中DPは粘度平均重合度、Km
は定数6×10-4
【0077】セルロースアシレート原料のセルロースと
しては、綿花リンターや木材パルプを用いることができ
る。綿花リンターと木材パルプとを混合して使用しても
よい。セルロースアシレートは、通常はソルベントキャ
スト法により製造される。ソルベントキャスト法は、セ
ルロースアシレートおよび各種添加剤を溶媒に溶解して
濃厚溶液(以下、ドープと称する)を調製し、これをド
ラムまたはバンドのような無端支持体上に流延し、溶媒
を蒸発させてフイルムを形成するものである。ドープ
は、固形分量が10〜40質量%となるように濃度を調
整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、
鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキ
ャスト法における流延および乾燥方法については、米国
特許2336310号、同2367603号、同249
2078号、同2492977号、同2492978
号、同2607704号、同2739069号、同27
39070号、英国特許640731号、同73689
2号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5
614号、特開昭60−176834号、同60−20
3430号、同62−115035号の各公報に記載が
ある。
【0078】2層以上のドープを流延する方法も好まし
く用いられる。複数のドープを流延する場合、支持体の
進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からドープ
を含む溶液をそれぞれ流延させて積層させながらフイル
ムを作製してもよく、例えば特開昭61−158414
号、特開平1−122419号、特開平11−1982
85号、などに記載の方法が適応できる。また、2つの
流延口からセルロースアシレート溶液を流延することに
よってもフイルム化することでもよく、例えば特公昭6
0−27562号、特開昭61−94724号、特開昭
61−947245号、特開昭61−104813号、
特開昭61−158413号、特開平6−134933
号、に記載の方法で実施できる。また、特開昭56−1
62617号に記載の高粘度ドープの流れを低粘度のド
ープで包み込み、その高,低粘度のドープを同時に押出
す流延方法も好ましく用いられる。
【0079】セルロースアシレートを溶解する有機溶媒
の例には、炭化水素(例、ベンゼン、トルエン)、ハロ
ゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロベン
ゼン)、アルコール(例、メタノール、エタノール、ジ
エチレングリコール)、ケトン(例、アセトン)、エス
テル(例、酢酸エチル、酢酸プロピル)およびエーテル
(例、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ)が含ま
れる。炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好まし
く用いられ、メチレンクロライドが最も好ましく用いら
れる。セルロースアシレートの溶解性、支持体からの剥
取り性、フイルムの機械強度等、光学特性等の物性の観
点から、メチレンクロライドの他に炭素原子数1〜5の
アルコールを一種、ないし数種類混合することが好まし
い。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜25質
量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。アル
コールの例には、メタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノールおよびn−ブタノールが含ま
れる。メタノール、エタノール、n−ブタノールあるい
はこれらの混合物が好ましい。
【0080】セルロースアシレートの他に乾燥後固形分
となる成分には、可塑剤、紫外線吸収剤、無機微粒子、
熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤、支持体か
らの剥離促進剤やセルロースアシレートの加水分解防止
剤が含まれる。熱安定剤としては、アルカリ土類金属
(カルシウム、マグネシウム)の塩を用いることができ
る。
【0081】可塑剤としては、リン酸エステルまたはカ
ルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例に
は、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリ
クレジルフォスフェート(TCP)、クレジルジフェニ
ルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェー
ト、ジフェニルビフェニルフォスフェート、トリオクチ
ルフォスフェート、トリブチルホスフェートが含まれ
る。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルお
よびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステ
ルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチル
フタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DB
P)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフ
タレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート
(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、
O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)および
O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)、クエ
ン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチ
ル、が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例に
は、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、
セバシン酸ジブチル、トリメチルトリメリテート等のト
リメリット酸エステルが含まれる。グリコール酸エステ
ルの例には、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタ
リルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコ
レート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフ
タリルブチルグリコレートが含まれる。
【0082】トリフェニルフォスフェート、ビフェニル
ジフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェー
ト、クレジルジフェニルフォスフェート、トリブチルフ
ォスフェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエ
チルヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリ
ルエチルグリコレートおよびトリメチルトリメリテート
が好ましいく、トリフェニルホスフェート、ビフェニル
ジフェニルフォスフェート、ジエチルフタレート、エチ
ルフタリルエチルグリコレートおよびトリメチルトリメ
リテートがさらに好ましい。二種以上の可塑剤を併用し
てもよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレートに対
して5〜30質量%が好ましく、8〜16質量%がさら
に好ましい。可塑剤は、セルロースアシレート溶液の調
製の際に、セルロースアシレートや溶媒と共に添加して
もよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0083】紫外線吸収剤は、サリチル酸エステル系、
ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエー
ト系、シアノアクリレート系やニッケル錯塩系の紫外線
吸収剤を用いることができる。ベンゾフェノン系、ベン
ゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系の紫外線吸収
剤が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例に
は、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−アセトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒ
ドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキ
シ)プロポキシベンゾフェノンが含まれる。ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤の例には、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−
アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−
5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ルが含まれる。サリチル酸エステル系紫外線吸収剤の例
には、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサ
リシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレートが
含まれる。2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−メトキシベ
ンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロルベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾ
トリアゾールが特に好ましい。吸収波長の異なる複数の
吸収剤を複合して用いることが、広い波長範囲で高い遮
断効果を得ることができ、特に好ましい。紫外線吸収剤
の量はセルロースアシレートに対し0.01〜5質量%
が好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。紫外線
吸収剤はセルロースアシレート溶解時に同時に添加して
も良いし、溶解後のドープに添加しても良い。特にスタ
ティックミキサ等を用い、流延直前にドープに紫外線吸
収剤溶液を添加する形態が好ましい。
【0084】セルロースアシレートに添加する無機微粒
子としては、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ土、
石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ア
ルミナなどを目的に応じ、任意に用いることができる。
これら微粒子はドープに添加する前に、高速ミキサー、
ボールミル、アトライター、超音波分散機等、任意の手
段でバインダー溶液中に分散を行うことが好ましい。バ
インダーとしてはセルロースアシレートが好ましい。紫
外線吸収剤等、他の添加物と共に分散を行うことも好ま
しい。分散溶媒は任意であるが、ドープ溶剤と近い組成
であることが好ましい。分散粒子の数平均粒径は0.0
1〜100μmが好ましく、0.1〜10μmが特に好
ましい。上記の分散液はセルロースアシレート溶解工程
に同時に添加しても良いし、任意の工程でドープに添加
できるが、紫外線吸収剤同様に、攪拌機(例、スタティ
ックミキサー)を用い、流延直前に添加する形態が好ま
しい。
【0085】支持体からの剥離促進剤としては、界面活
性剤が有効でありリン酸系、スルフォン酸系、カルボン
酸系、ノニオン系、カチオン系など特に限定されない。
剥離促進剤として使用できる界面活性剤については、特
開昭61−243837号公報に記載がある。
【0086】セルロースアシレートフイルムを透明支持
体に用いる場合、偏光膜の構成ポリマー(例えば、ポリ
ビニルアルコール系樹脂)との密着性を高めるため、フ
イルムを表面処理して親水性を付与することが好まし
い。親水化表面処理には、ケン化処理、コロナ処理、火
炎処理およびグロー放電処理が含まれる。また、親水性
樹脂をセルロースアシレートと親和性のある溶媒に分散
し、薄層塗布しても良い。以上の手段の中では、フイル
ムの平面性、物性が損なわれないため、ケン化処理が特
に好ましい。ケン化処理は、例えば苛性ソーダのような
アルカリ水溶液にフイルムを浸漬することで行われる。
処理後は過剰のアルカリを除くため、低濃度の酸で中和
し、水洗を十分行うことが好ましい。
【0087】偏光素子の透明支持体表面には、LCDの
視野角補償のための光学異方性層(特開平4−2298
28号、同6−75115号、同8−50206号の各
公報に記載)や、ディスプレイの視認性向上のための防
眩層や反射防止層、偏光フイルムの耐傷性を高めるため
のハードコート層、水分や酸素の拡散を抑えるガスバリ
ア層、偏光フイルムあるいは接着剤、粘着剤との密着力
を高める易接着層、スベリ性を付与する層、その他の任
意の機能層を設けることができる。光学異方性層は、デ
ィスコティック液晶性分子から形成することが好まし
い。機能層は偏光層側に設けても良いし、偏光層と反対
面に設けても良く、目的に応じ適宜に選択できる。
【0088】偏光素子には、各種機能膜を透明支持体と
して直接片面または両面に貼合することができる。機能
膜の例としては、λ/4板、λ/2板などの位相差膜、
光拡散膜、偏光素子と反対面に導電層を設けたプラスチ
ックセル、異方性散乱や異方性光学干渉機能等をもつ輝
度向上膜、反射板や半透過機能を持つ反射板が含まれ
る。
【0089】透明支持体と、異方性散乱層の高分子媒体
との接着強度を増大させるために下塗り層、もしくは表
面処理を施すことが好ましい。好ましい下塗り層用素材
は、ゼラチン、スチレン−ブタジエンラバー、ポリビニ
ルアルコールである。また、好ましい表面処理は、火炎
処理、コロナ処理、グロー処理、鹸化処理である。
【0090】[光学的異方性連続相と光学的等方性不連
続相とからなる異方性散乱層]光学的異方性連続相は、
前述の光学的異方性不連続相と同じ棒状の液晶性化合物
を傾斜一軸配向させて構成されることが好ましい。使用
する化合物の種類は、前述の光学的異方性不連続相と同
じである。配向方法は、延伸法は使用できないが、光配
向法、電場配向法、磁場配向法を前述の光学的異方性不
連続相の配向と同様に好ましく使用することができる。
また、光学的異方性相を連続相とする場合、透明支持体
上にポリイミドもしくはポリビニルアルコールのような
ポリマーを配向膜として塗設し、ラビングもしくは直線
偏光照射によりチルト角の大きな配向性を付与すること
も好ましく行われる。配向膜の好ましい膜厚は0.01
μm以上5μm以下である。光学的等方性不連続相は、
ポリメチルメタクリレートやポリスチレン等の架橋もし
くは非架橋ポリマー粒子やシリカ、二酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化タングステン、酸化錫等の無機粒子を好まし
く使用することができる。光学的等方性不連続相の好ま
しい粒径は前述の光学的異方性不連続相と同じである。
光学的等方性不連続相の好ましい使用量は、光学的異方
性連続相を構成する素材1gあたり、0.001乃至
2.0gが好ましく。0.01乃至1.5gがさらに好
ましい。光学的異方性連続相を傾斜配向後、紫外線照射
により配向固定する方法も前述の光学的異方性不連続相
と同様に好ましく行われる。本発明の異方性散乱層を透
明支持体上に設けることも好ましく行われる。使用する
透明支持体は前述のものと同じである。
【0091】異方性散乱層を有する偏光素子は光散乱型
偏光素子として、光吸収型偏光素子と組み合わせて好ま
しく使用される。光吸収型偏光素子は、直交する直線偏
光の一方を吸収し、他方を実質的に透過する偏光素子で
あり、5倍以上に延伸したポリビニルアルコールフイル
ム中にI3 -やI5 -および/もしくは有機二色性色素を高
度に一軸配向させ、ホウ酸で架橋したものをセルロース
トリアセテートのような保護フイルムでサンドイッチし
たものが一般に使用されている。このような光吸収型偏
光素子の偏光度(以下の式で定義)は、99%以上であ
ることが好ましく、400nm〜700nmの平均光線
透過率は40%以上であることが望ましい。
【0092】
【数1】
【0093】式中、Pは透過軸を平行にした2枚の偏光
素子を透過する光の透過率であり;そして、Cは透過軸
を直交させた2枚の偏光素子を透過する光の透過率であ
る。
【0094】異方性散乱層を有する光学フイルムとの組
み合わせは、図7に示されるように光吸収型偏光素子と
別々の偏光素子として使用してもよいし、図8〜10の
ように光吸収型偏光素子の保護フイルムの一方を置換し
て光吸収型素子に一体化して使用してもよい。その際、
異方性散乱層を有する偏光素子の透過軸と光吸収型偏光
素子の透過軸とが実質的に平行になるように配置して使
用することが望ましい。また、異方性散乱層の透過軸異
方性散乱層を有する偏光素子は異方性散乱層が光吸収型
偏光素子よりも外側(液晶セルの反対側)となるように
配置することが望ましい。
【0095】外光もしくはフロントライトから液晶表示
装置に入射した光は、異方性散乱層を有する偏光素子を
通過する際、直交する直線偏光の一方を散乱し、他方を
実質的に透過する。透過した直線偏光は、次に光吸収型
偏光素子を通過し、液晶セルに入射する。本発明の偏光
素子は散乱したもう一方の直線偏光のうち、50%以上
は前方散乱することが好ましく、70%以上は前方散乱
することがさらに好ましい。散乱光は配向した異方性不
連続相もしくは連続相を通過する際に、異方性不連続相
もしくは連続層のレタデーションの大きさに依存する形
で偏光状態が変化する。本発明では、次の式で定義され
る偏光変化率において、散乱軸の偏光変換率において、
散乱軸の偏光変換率が10%以上であることが好まし
く、15%以上であることがさらに好ましい。また、透
過軸の偏光変換率は20%未満であることが好ましく、
10%未満であることがさらに好ましい。
【0096】
【数2】
【0097】散乱軸偏光変換率は、散乱軸(遅相軸およ
び液晶配向方向と同じ)に平行な直線偏光をサンプルに
入射した場合の、散乱軸平行方向の透過率(T//)、散
乱軸と直交方向の透過率(T⊥ )から算出される。透
過軸偏光変換率は散乱軸(遅相軸および液晶配向方向と
同じ)と直交する直線偏光をサンプルに入射した場合
の、散乱軸平行方向の透過率(T//)、散乱軸と直交方
向の透過率(T⊥ )から算出される。T//およびT⊥
は、例えば、分光光度計の積分球もしくは受光機とサン
プルの間に偏光板の透過軸をサンプルの散乱軸と平行も
しくは直交させておくことにより測定できる。
【0098】λ/4板は、特開平5−27118号およ
び同5−27119号の各公報に記載されたレターデー
ションが大きい複屈折性フイルムと、レターデーション
が小さい複屈折率フイルムとを、それらの光軸が直交す
るように積層させた位相差板、特開平10−68816
号公報に記載された、特定波長においてλ/4となって
いるポリマーフイルムと、それと同一材料からなり同じ
波長においてλ/2となっているポリマーフイルムとを
積層させて、広い波長領域でλ/4が得られる位相差
板、特開平10−90521号公報に記載された二枚の
ポリマーフイルムを積層することにより広い波長領域で
λ/4を達成できる位相差板、WO00/26705号
明細書に記載された変性ポリカーボネートフイルムを用
いた広い波長領域でλ/4を達成できる位相差板、WO
00/65384号明細書に記載されたセルロースアセ
テートフイルムを用いた広い波長領域でλ/4を達成で
きる位相差板等を使用することができる。λ/4板の遅
相軸は、液晶材料や配向方向、視野角特性などを考慮し
て決定されるが、光吸収型偏光板の透過軸(もしくは散
乱軸)と45°の角度で配置されることが望ましい。ま
た、λ/4板の光の波長に対する位相遅れの公差を補償
するために、偏光板とλ/4板との間にλ/2板を配置
することもある。一般に、これらの偏光板、λ/2板、
λ/4板は各々粘着層を介して一体化されて反射型液晶
表示素子に貼り合わせられている。
【0099】液晶層の背面側のガラス基板に配置される
反射板の表面には微細構造が形成されており、偏光板、
λ/2板、λ/4板を介して入射した光を散乱して反射
させることで広い視角範囲で一様に表示できるように工
夫されていることが好ましい。具体的には、フォトリソ
プロセスによって下地層としての微細構造が形成され、
その上にアルミニウムを真空蒸着することで反射電極が
形成される。
【0100】液晶表示装置においては、液晶層による変
調を画素毎に制御することによって文字や画像が表示さ
れるが、カラー表示を行う場合には、各画素に配置され
た赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色のカラーフィ
ルタ層を透過させて着色光を得る。このR、G、Bの配
列パターンは、様々な種類があるが、デルタ配列とスト
ライプ配列が代表的である。画素は、水平方向および垂
直方向に繰り返されて構成される。
【0101】画素数や画素サイズについても様々な種類
がある。例えば、デルタ配列の反射型液晶表示素子の場
合には、2.0型では水平画素数×垂直画素数が280
×220、画素サイズが水平方向145.5μm、垂直
方向234.5μmであり、2.5型では水平画素数×
垂直画素数が280×220、画素サイズが水平方向1
79.5μm、垂直方向168.5μmという仕様が採
用されている。また、3.8型QVGAの反射型液晶表
示素子では、ストライプ配列で水平画素数×垂直画素数
が960×240、画素サイズは水平方向が81μm、
垂直方向が234.5μmという仕様が採用されてい
る。
【0102】
【実施例】[実施例1] (1)異方性散乱層の形成 重合性液晶化合物N−50(Δn=0.37、n0
1.50)2g、重合性液晶化合物N−51(Δn=
0.37、n0 =1.87)2g、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)
製)0.1g、光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)0.1gを酢酸エチル2gに溶解し、
孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過し
て、不連続相用重合性液晶溶液を調製した。一方、屈折
率が1.52のポリビニルアルコール(PVA205、
クラレ(株)製)0.6質量%水溶液53.3gに、界
面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
2質量%水溶液0.8gを添加、溶解後、孔径30μm
のポリプロピレン製フィルターでろ過して、連続相用水
溶液を調製した。不連続相用重合性液晶溶液と連続相用
水溶液を混合し、ホモジナイザーにより、9000rp
mで10分間攪拌し、その後、ポリビニルアルコール
(PVA205、クラレ(株)製)20質量%水溶液5
8.4gを加え、スターラーで15分間攪拌し、異方性
散乱層用塗布液を調製した。平均分散径は1.1μmだ
った。
【0103】異方性散乱層用塗布液をダイを用いてバン
ド流延、乾燥し、厚み40μmとなるようにした。この
フイルムをバンドから剥ぎ取り、40℃、60%RHに
て1.5倍延伸の後、100℃で2分間熟成してから、
160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラ
フィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最
大波長365nm)を用いて、照度200mW/c
2、照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射して分
散相を硬化させ、偏光素子を作成した。
【0104】偏光素子の光線透過率および光散乱性(ヘ
イズ)をヘイズメーター(MODEL1001DP、日
本電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は光源と
偏光素子の間に直線偏光子を挿入して行い、直線偏光子
の透過軸と異方性散乱層の透過軸を同じにしたものを平
行、直交させたものを直交とした。光線透過率は全光線
透過率を、光散乱性はヘイズを指標として評価したとこ
ろ、偏光素子は、平行透過率(透過軸)が90.5%、
直交透過率(散乱軸)が86.2%といずれも大きかっ
た。また、ヘイズは直交方向89.3%、平行方向5.
4%と、平行方向のみ小さかった。したがって、異方性
散乱層に入射した透過軸方向の光は散乱の影響をあまり
受けず大部分が透過し、散乱軸方向の光は大部分が拡散
光になったが前方(入射面の反対側)に出射したことが
わかった。
【0105】次に、偏光素子の偏光変換率を測定した。
上記ヘイズメーターを用いて光線透過率を測定する際
に、光源とフイルムの間、およびフイルムと受光機の間
に計2枚の偏光子を挿入して測定を行った。光源側偏光
子の透過軸と異方性散乱層の透過軸を同じにしたものを
透過軸透過率、直交させたものを散乱軸透過率とした。
偏光変換率は前述の式を用いて算出したが、透過軸偏光
変換率は、透過軸と平行な偏光の入射に対し、偏光素子
と受光機の間に挿入した直線偏光子の透過軸が入射偏光
と平行な透過率(T//)と直交する透過率(T⊥)を用
いて算出した。この場合、T⊥が偏光変換した成分に対
応する。散乱軸偏光変換率は散乱軸と平行な偏光の入射
に対し、フイルムと受光機の間に挿入した直線偏光子の
透過軸が入射偏光と平行な透過率(T//)と直交する透
過率(T⊥)を用いて算出した。この場合もT⊥が偏光
した成分に対応する。偏光素子は、透過軸の偏光に対す
る偏光変換率が2.5%と小さく、散乱軸の偏光に対す
る偏光変換率が42.4%と大きかった。従って、異方
性散乱層に入射した透過軸方向の光は偏光状態を変化さ
せずに大部分が透過し、散乱軸方向の光は直交する透過
軸方向の偏光に部分的に変換されて出射することがわか
った。
【0106】(2)偏光板の作製 ポリビニルアルコールフイルムを、ヨウ素5.0g/リ
ットル、ヨウ化カリウム10.0g/リットルの水溶液
に25℃にて90秒浸漬し、さらにホウ酸10g/リッ
トルの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、ロール延伸機
を用いて7.0倍に延伸した。この後、延伸したフイル
ムの片側に作製した偏光素子を重ね、さらに重ねた2枚
のフイルムを、ポリビニルアルコール(PVA117、
クラレ(株))5質量%水溶液を糊として用いケン化し
たセルローストリアセテートフイルム(富士写真フイル
ム(株)製)2枚を用いてラミネートした。ラミネート
の際、異方性散乱層の透過軸と光吸収型偏光素子の透過
軸がほぼ平行となるように配置した。この後70℃で5
分間乾燥して、偏光板を作製した。この偏光板の偏光度
は、99.7%であった。
【0107】(3)λ/4板の作製 ポリカーボネート共重合体延伸フイルム(WO00/2
6705号明細書の実施例3に記載)を作製した。波長
450nmにおける面内位相差は148.5nm、波長
550nmにおける面内位相差は161.1nm、波長
650nmにおける面内位相差は162.9nmだっ
た。また、次式でK値を定義した。 K=(nz−(nx+ny)/2)×d 式中、nx、ny、nzは、それぞれ、フイルムの三次
元屈折率でそれぞれx軸、y軸、z軸方向の屈折率であ
り、dはフイルムの厚さである。波長450nmにおけ
るK値は−73.8、波長550nmにおけるK値は−
80.5、波長650nmにおけるK値は−81.5だ
った。このポリカーボネート共重合体延伸フイルムの遅
相軸と偏光板の吸収軸との角度を45゜となるように粘
着層を介してこの順序で一体化した。
【0108】(4)フロントライトを備えた液晶表示装
置の作製 作製した異方性散乱層、偏光板およびλ/4板を用い
て、さらに図16に示すフロントライトを備えた液晶表
示装置を作製した。図16は、実施例1で作製した反射
型液晶表示装置の断面模式図である。図16に示す液晶
表示装置は、光源(1)および導光板(2)と、異方性
散乱層(9)、偏光板(3)、λ/4板(4)、一対の
ガラス基板(5)、(8)、その間に挟持された液晶層
(6)、およびその背面側に配置された反射電極(7)
を有する反射型液晶表示素子(42)とで構成されてお
り、導光板(2)と反射型液晶表示素子(42)とは、
貼り合わされて一体形成されている。
【0109】導光板(43)としては、図5に示した連
続プリズム方式を採用した。図5に示す光源(19)と
して蛍光管を用いた。導光板(20)としては、屈折率
が1.49のポリメチルメタクリレートを射出成型して
作成したものを用いた。導光板(20)は、光源(1
9)からの光が入射する光入射面、この光入射面にほぼ
垂直な方向に、入射した光を出射する光出射面、この光
出射面に対向する対向面を備えており、さらに、この対
向面には、伝搬部(20a)と反射部(20b)とを有
するプリズム状の周期的な凹凸が形成されている。周期
pを390μmとし、干渉によるモアレ縞が発生を回避
するため、導光板の周期的な凹凸が形成された筋の方向
と反射型液晶表示素子の画素パターンの間に23°の角
度を与えた。
【0110】図16に示す反射型液晶表示素子(42)
は、反射電極(7)で導光板(2)から出射される照明
光を反射するとともに、液晶層(6)で変調し、再び導
光板2を透過する光量を調節して画像を表示する。実施
例1では、反射型液晶表示素子(42)として、3.8
型QVGAのストライプ配列、すなわち画素数が960
×240、画素サイズが81μm×234.5μmのも
のを使用した。異方性散乱層(9)に入射した光は、偏
光板(3)によって直線偏光のみが選択され、この選択
された直線偏光はλ/4板(4)によって円偏光に変換
される。そして、反射型液晶表示素子(42)は、λ/
4板(4)を通過した円偏光を画素毎に液晶層(6)で
変調しつつ、反射電極(7)で反射させて、再びλ/4
板(4)、偏光板(3)、異方性散乱層(9)を通過す
る光量を制御することで画像を表示している。
【0111】[比較例1]異方性散乱層(9)を設けな
かった以外は、実施例1と同様にして、図17に示すフ
ロントライトを備えた液晶表示装置を作製した。図17
は、比較例1で作製した反射型液晶表示装置の断面模式
図である。図17に示す液晶表示装置は、光源(1)お
よび導光板(2)と、偏光板(3)、λ/4板(4)、
一対のガラス基板(5)、(8)、その間に挟持された
液晶層(6)、およびその背面側に配置された反射電極
(7)を有する反射型液晶表示素子とで構成されてお
り、導光板(2)と反射型液晶表示素子とは、貼り合わ
されて一体形成されている。
【0112】(液晶表示装置の評価) (1)周囲光による照明によって液晶表示装置を観察す
る場合の表示品位 分光測色計(CM−2002、ミノルタ(株)製)を用
いて液晶表示装置の白色表示の反射率と黒色表示の反射
率とを測定し、表示の明るさとコントラスト比を算出し
た。結果を第1表に示す。
【0113】(2)フロントライト照明によって液晶表
示装置を観察する場合の表示品位 輝度計(BM−5A、TOPCOM(株)製)を用いて
液晶表示装置の白色表示の輝度と黒色表示の輝度とを測
定し、表示の明るさとコントラスト比を算出した。結果
を第1表に示す。
【0114】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 反射型液晶 周囲光による照明 フロントライト照明 表示装置 反射率 コントラスト比 輝度 コントラスト比 ──────────────────────────────────── 実施例1 16% 19 29 19 比較例1 11% 13 20 13 ────────────────────────────────────
【0115】
【発明の効果】本発明では、フロントライトを備える反
射型液晶表示素子において、フロントライトと偏光板の
間に異方性散乱層を配置することにより、偏光板の透過
光量を増大し、明るくコントラスト比の良好な液晶表示
装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フロントライトを備えた反射型液晶表示装置の
一般的な構成を示す断面図である。
【図2】本発明に従う反射型液晶表示装置の基本的な構
成を示す断面図である。
【図3】マイクロプリズム構造を有するフロントライト
を示す断面模式図である。
【図4】傾斜型フロントライトを示す断面模式図であ
る。
【図5】プリズム連続型フロントライトを示す断面模式
図である。
【図6】体積ホログラム型フロントライトを示す断面模
式図である。
【図7】異方性散乱層の基本的な構成を示す模式図であ
る。
【図8】異方性散乱層の別な基本的な構成を示す模式図
である。
【図9】異方性散乱層を透過する光の軌跡を示す模式図
である。
【図10】偏光素子の一般的な形態を示す断面模式図で
ある。
【図11】偏光素子の別な形態を示す断面模式図であ
る。
【図12】偏光素子のまた別な形態を示す断面模式図で
ある。
【図13】光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とを組
み合わせた偏光板を示す断面模式図である。
【図14】光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とを組
み合わせた別の偏光板を示す断面模式図である。
【図15】光散乱型偏光素子と光吸収型偏光素子とを組
み合わせたまた別の偏光板を示す断面模式図である。
【図16】実施例1で作製したフロントライトを備えた
反射型液晶表示装置の断面模式図である。
【図17】比較例1で作製したフロントライトを備えた
反射型液晶表示装置の断面である。
【符号の説明】
1 光源 2 導光板 2a 入射面 2b 対向面 2c 出射面 3 偏光板 4 λ/4板 5 ガラス基板 6 液晶層 7 反射板 8 ガラス基板 9 異方性散乱層 10 照明用蛍光灯 11 導光板 11a 導光板の側面(入射面) 11b マイクロプリズム 11c 傾斜プリズム 12 ホルダー 13 光学補償板 14 フロントライト 15 導光板 15A 導光板一面部(下側) 15B 導光板他面部(上側) 16 光源部 17 ランプ 18 ランプホルダ 19 光源 20 導光板 20a 導光板の緩斜面部 20b 導光板の急斜面部 21 光源 22 導光板 23 体積ホログラム層 24 光学的異方性不連続相 25 光学的等方性連続相 26、31 散乱軸 27、32 透過軸 28、33 光の入射方向 29 光学的異方性連続相 30 光学的等方性不連続相 34 散乱軸と直交する電界ベクトルの光が通過する軌
跡 35 散乱軸と平行な電界ベクトルの光が通過する軌跡 36 異方性散乱層 37 異方性散乱層 38 透明支持体 39 異方性散乱層 40 光吸収型偏光層 41 λ/4板 42 反射型液晶表示素子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と導光板とからなるフロントライ
    ト、偏光板、および反射型液晶セルがこの順に積層され
    ている反射型液晶表示装置であって、偏光板が、直交す
    る直線偏光の一方を散乱し、他方を実質的に透過する異
    方性散乱層を有しており、偏光板が、フロントライトか
    ら入射し異方性散乱層の散乱軸に平行な偏光面を有する
    入射光の少なくとも50%を反射型液晶セル側に出射
    し、出射光の少なくとも10%を偏光変換することを特
    徴とする反射型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 異方性散乱層が、光学的等方性連続相と
    光学的異方性不連続相とからなる請求項1に記載の反射
    型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 異方性散乱層面内の透過軸方向におい
    て、光学的等方性連続相と光学的異方性不連続相との屈
    折率差が0.05未満である請求項2に記載の反射型液
    晶表示装置。
  4. 【請求項4】 異方性散乱層面内の散乱軸方向におい
    て、光学的等方性連続相と光学的異方性不連続相との屈
    折率差が0.03以上である請求項2に記載の反射型液
    晶表示装置。
  5. 【請求項5】 光学的等方性連続相が、高分子化合物か
    らなる請求項2に記載の反射型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 光学的異方性不連続相が、0.01乃至
    10μmの平均径を有する請求項2に記載の反射型液晶
    表示装置。
  7. 【請求項7】 光学的異方性不連続相が、液晶性化合物
    を含む請求項2に記載の反射型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 液晶性化合物が、重合性基を有する請求
    項7に記載の反射型液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 偏光板が、フロントライトから入射し異
    方性散乱層の散乱軸に平行な偏光面を有する入射光の少
    なくとも70%を反射型液晶セル側に出射し、出射光の
    少なくとも10%を偏光変換する請求項1に記載の反射
    型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 偏光板が、フロントライトから入射し
    異方性散乱層の散乱軸に平行な偏光面を有する入射光の
    少なくとも80%を反射型液晶セル側に出射し、出射光
    の少なくとも10%を偏光変換する請求項1に記載の反
    射型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 偏光板が、さらに偏光度が99%以上
    の光吸収型偏光素子を有し、光吸収型偏光素子の透過軸
    が異方性散乱層の透過軸と実質的に平行になるように、
    光吸収型偏光素子が異方性散乱層よりも反射型液晶セル
    側に配置されている請求項1に記載の反射型液晶表示装
    置。
  12. 【請求項12】 さらにλ/4板を有する請求項1に記
    載の反射型液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 さらに反射板を有する請求項1に記載
    の反射型液晶表示装置。
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